JP2008003264A - 光学フィルム、偏光板および液晶パネル - Google Patents

光学フィルム、偏光板および液晶パネル Download PDF

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関口  正之
Takuhiro Ushino
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Abstract

【課題】光漏れがなく、カラーシフトが起こらない、視野角の広い液晶パネルが得られる視野角補償フィルムとして用いられる光学フィルムと、それを用いた偏光板および液晶パネルを得る。
【解決手段】環状オレフィン系樹脂からなる光学フィルムであって、フィルムの幅が1,500mm以上であり、光線波長550nmにおけるフィルム面内の最大屈折率をnx、フィルム面内でnxに対して直交する方向の屈折率をny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、フィルム厚みをd〔nm〕とするとき、フィルム面内の位相差R0(550)〔nm〕=(nx−ny)×dと、フィルム厚み方向の位相差Rth(550)〔nm〕={(nx+ny)/2−nz}×dと、フィルム厚み方向の光軸とフィルム面に対する法線とのなす角θ〔度〕が、それぞれ、0≦R0(550)≦300、30≦Rth(550)≦300、0≦θ≦3であり、R0のバラツキが±10%以下であり、フィルム面内方向の光軸のバラツキが中心値±10度以下である、光学フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶パネル(LCD)の表示部材に使用される光学フィルム、例えばIPS(In Plane Swithing)モードやVA(Verticcal Alignment)モードなどの液晶パネル用偏光板の視野角補償フィルムに好適に用いられる光学フィルム、それを用いた偏光板および液晶パネルに関する。
急速に市場展開を進めている液晶パネルは、液晶のON−OFFによる偏光状態変化を可視化させたものであり、その表示原理から、通常、偏光子に光学フィルムが積層された偏光板が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2)。ところで、近年、液晶パネルは液晶ディスプレイの大型化に伴い、さらに大型化が進んでいる。その際に、偏光状態をコントロールするための偏光板および位相差フィルムも、より大型化が求められている。また、TV放送のハイビジョン化やデジタル放送化により、画質のより優れた液晶ディスプレイが市場より求められている。
しかしながら、従来では申し分なく使用されていた液晶パネルでも、上述の大型化や高画質化が進む上で、従来の光学フィルムや偏光板を使用した場合にはその性能を十分に引き出せない場合が発生するという問題があった。特に、黒表示状態の光の漏れに加え、色の変化(カラーシフト)や大型ディスプレイでのこれら特性の均一性が問題とされるようになってきている。
特開2005−99097号公報 特開2004−258188号公報
本発明は、大型で高画質な液晶ディスプレイであっても、光漏れがなく、カラーシフトが起こらない、視野角の広い液晶パネルが得られる視野角補償フィルムとして用いられる光学フィルムと、それを用いた偏光板および液晶パネルを得ることを課題とする。
本発明は、環状オレフィン系樹脂からなる光学フィルムであって、フィルムの幅が1,500mm以上であり、光線波長550nmにおけるフィルム面内の最大屈折率をnx、フィルム面内でnxに対して直交する方向の屈折率をny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、フィルム厚みをd〔nm〕とするとき、
フィルム面内の位相差R0(550)〔nm〕=(nx−ny)×dと、
フィルム厚み方向の位相差Rth(550)〔nm〕={(nx+ny)/2−nz}×dと、
フィルム厚み方向の光軸とフィルム面に対する法線とのなす角θ〔度〕が、それぞれ、
0 ≦ R0(550) ≦ 300
30 ≦ Rth(550) ≦ 300
0 ≦ θ ≦ 3
であり、R0のバラツキが±10%以下であり、フィルム面内方向の光軸のバラツキが中心値±10度以下である、光学フィルムに関する。
ここで、上記環状オレフィン系樹脂としては、下記一般式(I)で表される化合物の(共)重合体が好ましい。

(一般式(I)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていても良い。また、R1〜R4のうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成しても良い。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。)
次に、本発明は、偏光子の少なくとも片面に、上記光学フィルムが積層されてなることを特徴とする、偏光板に関する。
次に、本発明は、液晶表示素子の少なくとも片面に、上記偏光板が積層されてなることを特徴とする、液晶パネルに関する。
本発明によれば、フィルムの幅が1,500mm以上であるので、LCDの大型化に対応することができ、しかも光漏れがなく、カラーシフトが起こらない、視野角の広い液晶パネルが得られる光学フィルムと、それを用いた偏光板および液晶パネルを得ることができる。
≪光学フィルム≫
本発明の光学フィルムは、環状オレフィン系樹脂からなる光学フィルムであって、該フィルムの幅が1,500mm以上であり、通常はコアを軸として、該コアの外周面に光学フィルムを巻き回してなるフィルムロールとされている。
なお、本発明の光学フィルムを巻き取るために用いるコアについては、円筒状または円柱状であり、フィルムを巻き取る外周表面の表面硬度を、SRIS
0101スケールで、好ましくは1〜50度、さらに好ましくは3〜20度とする。
<コア>
コアの表面硬度を、SRIS 0101スケールで1〜50度にするためには、弾性体を用いる方法が挙げられる。しかし、一方で、長尺のフィルムを巻き取るというコア本来の目的を達するためには、巻取時の張力やフィルムの重みに耐える強度が必要である。従って、弾性体単独でコアを作成した場合、その耐荷重量が問題となる。このため、本発明のコアは、少なくとも弾性体帯芯材からなる構造が好ましく、該弾性体によって、フィルムを巻き取る外周表面の表面硬度を、SRIS 0101スケールで1〜50度の範囲内に調整することが好ましい。
コアの芯材としては、紙、樹脂含浸の紙、プラスチック、ガラスエポキシまたは金属からなることが好ましいが、これに限定されるものではない。弾性体はこれらの芯材の全周に巻き付けるか、貼り付けるかすれば良い。貼り付ける場合は弾性体の厚み分の段差ができ、この段差が悪影響する場合があるため、弾性体の断面は好ましくは台形状にした方が良い。
コアの表面硬度調整に用いる弾性体の材質としては、特に限定されないが、スポンジなどの発泡体や、ゴムなどの弾性体、フェルトなどの布地などを好ましく用いることができる。また、弾性体の厚みが薄すぎるとコアの表面硬度を所望の範囲まで低下させることができないので、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは3mm以上の厚みが良い。また、厚みが大きすぎると弾性体の変形が大きくなりすぎる恐れがあるので、好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下の厚みが良い。なお、ここでいう弾性体の厚みとは、コアの中心から外周表面方向に向けての弾性体の長さを指す。
弾性体部分の形成方法については特に限定されず、前述したように芯材の外周面にゴムやスポンジのシートを巻き付ける方法、芯材の外周面に弾性体の溶液などを塗布し固化させる方法などが挙げられるが、あらかじめ継ぎ目のない管状の弾性体を作成しておき、その内部に塩ビ管などの核を挿入後、固定するという方法を用いれば、外周面に継ぎ目による段差が生じることも無く最も好ましい方法である。
また、上記弾性体は、コアの最外周に用いる方が好ましいが、巻き取るフィルムに直接接触させると表面汚染などの問題が生じる場合には、最外周に保護層を設けても良い。いずれの方法を用いるにせよ、弾性体や保護層はコアに固定されているのが望ましい。弾性体や保護層が固定されていないと、巻きずれや巻き締まりが生じる可能性があり、それによって新たなキズや横筋、平面不良を引き起こす原因となる。
<環状オレフィン系樹脂>
本発明の光学フィルムに用いられる環状オレフィン系樹脂としては、次のような(共)重合体が挙げられる。
(1)上記一般式(I)で表される特定単量体の開環重合体。
(2)上記一般式(I)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体。
(5)上記一般式(I)で表される特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(6)上記一般式(I)で表される特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体。
(7)上記一般式(I)で表される特定単量体とアクリレートとの交互共重合体。
<特定単量体>
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体のうち好ましいのは、上記一般式(I)中、R1およびRが水素原子または炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、RおよびRが水素原子または一価の有機基であって、RおよびRの少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である特定単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記特定単量体の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、RおよびRの少なくとも一つが式−(CHCOORで表される極性基である単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
また、上記一般式(I)において、R1またはRがアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特に、このアルキル基が上記の式−(CHCOORで表される特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系樹脂の吸湿性を低くできる点で好ましい。
<共重合性単量体>
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。
シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体/共重合性単量体の好ましい使用範囲は、重量比で100/0〜50/50であり、さらに好ましくは100/0〜60/40である。
<開環重合触媒>
本発明において、(1)特定単量体の開環重合体、および(2)特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl、MoCl、ReOClなどの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−CLi、(CAl、(CAlCl、(C1.5AlCl1.5、(C)AlCl、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
<重合反応用溶媒>
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
(2)開環共重合体を得るには、開環重合工程において、特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよいが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。
以上のようにして得られる開環(共)重合体は、そのままでも用いられるが、これをさらに水素添加して得られた(3)水素添加(共)重合体は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
<水素添加触媒>
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜1:2となる割合で使用される。
このように、水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっても、その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常、50%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
また、水素添加(共)重合体の水素添加率は、500MHz、H−NMRで測定した値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の光学フィルムを波長板として使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
なお、本発明の環状オレフィン系樹脂として使用される水素添加(共)重合体は、該水素添加(共)重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下であることが特に好ましい。
また、本発明の環状オレフィン系樹脂として、(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体も使用できる。
<フリーデルクラフト反応による環化>
(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は特に限定されるものではないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。酸性化合物としては、具体的には、AlCl3、BF3、FeCl3、Al23、HCl、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸、ブレンステッド酸が用いられる。
環化された開環(共)重合体は、(1)または(2)の開環(共)重合体と同様に水素添加できる。
さらに、本発明の環状オレフィン系樹脂として、(5)上記特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体も使用できる。
<不飽和二重結合含有化合物>
不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
特定単量体/不飽和二重結合含有化合物の好ましい使用範囲は、重量比で90/10〜40/60であり、さらに好ましくは85/15〜50/50である。
本発明において、(5)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体を得るには、通常の付加重合法を使用できる。
<付加重合触媒>
上記(5)飽和共重合体を合成するための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
ここで、チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどを、またジルコニウム化合物としてはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができる。
さらに、バナジウム化合物としては、一般式
VO(OR)、またはV(OR)
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が用いられる。
上記電子供与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げられる。
さらに、助触媒としての有機アルミニウム化合物としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも一種が用いられる。
上記において、例えばバナジウム化合物を用いる場合におけるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
付加重合に使用される重合反応用溶媒は、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。また、得られる(5)飽和共重合体の分子量の調節は、通常、水素を用いて行われる。
さらに、本発明の環状オレフィン系樹脂として、(6)上記特定単量体、およびビニル系環状炭化水素系単量体またはシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型共重合体およびその水素添加共重合体も使用できる。
<ビニル系環状炭化水素系単量体>
ビニル系環状炭化水素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
<シクロペンタジエン系単量体>
本発明の(6)付加型共重合体の単量体に使用されるシクロペンタジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくはシクロペンタジエンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
上記特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体は、上記(5)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体と同様の付加重合法で得ることができる。
また、上記付加型(共)重合体の水素添加(共)重合体は、上記(3)開環(共)重合体の水素添加(共)重合体と同様の水添法で得ることができる。
さらに、本発明の環状オレフィン系樹脂として、(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体も使用できる。
<アクリレート>
本発明の(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体の製造に用いられるアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート、ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
本発明において、(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体を得るためには、ルイス酸存在下、上記特定単量体とアクリレートとの合計を100モルとしたとき、通常、上記特定単量体が30〜70モル、アクリレートが70〜30モルの割合で、好ましくは上記特定単量体が40〜60モル、アクリレートが60〜40モル割合で、特に好ましくは上記特定単量体が45〜55モル、アクリレートが55〜45モルの割合でラジカル重合する。
(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体を得るために使用するルイス酸の量は、アクリレート100モルに対して0.001〜1モルとなる量とされる。また、公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができ、重合反応温度は、通常、−20℃〜80℃、好ましくは5℃〜60℃である。また、重合反応用溶媒には、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。
なお、本発明でいう「交互共重合体」とは、上記特定単量体に由来する構造単位が隣接しない、すなわち、上記特定単量体に由来する構造単位の隣は必ずアクリレートに由来する構造単位である構造を有する共重合体のことを意味しており、アクリレート由来の構造単位どうしが隣接して存在する構造を否定するものではない。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inhで0.2〜5dl/g、さらに好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあることによって、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の光学フィルムとしての成形加工性が良好となる。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、通常、110℃以上、好ましくは110〜350℃、さらに好ましくは120〜250℃、特に好ましくは120〜200℃である。Tgが110℃未満の場合は、高温条件下での使用、あるいはコーティング、印刷などの二次加工により変形するので好ましくない。一方、Tgが350℃を超えると、成形加工が困難になり、また成形加工時の熱によって樹脂が劣化する可能性が高くなる。
環状オレフィン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば特開平9−221577号公報、特開平10−287732号公報に記載されている、特定の炭化水素系樹脂、あるいは公知の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム質重合体、有機微粒子、無機微粒子などを配合しても良い。
また、本発明の環状オレフィン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲において、耐熱劣化性や耐光性の改良のために公知の酸化防止剤や紫外線吸収剤などの添加剤を添加することができる。例えば、下記フェノール系化合物、チオール系化合物、スルフィド系化合物、ジスルフィド系化合物、リン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を、本発明の環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部添加することで、耐熱劣化性を向上させることができる。
フェノール系化合物:
フェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ―t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)―6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、などを挙げることができる。好ましくは、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられ、特に好ましくは、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などを挙げることができる。
チオール系化合物:
チオール系化合物としては、t−ドデシルメルカプタン、ヘキシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1−メチル−2−(メチルメルカプト)ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルベンズイミダゾール、2−メルカプト−4−メチルベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、2−メルカプト−5,6−ジメチルベンズイミダゾール、2−(メチルメルカプト)ベンズイミダゾール、1−メチル−2−(メチルメルカプト)ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1,3−ジメチルベンズイミダゾール、メルカプト酢酸などを挙げることができる。
スルフィド系化合物:
スルフィド系化合物としては、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス(n−オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3’−チオジプロピオネートなどを挙げることができる。
ジスルフィド系化合物:
ジスルフィド系化合物としては、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−ニトロフェニル)ジスルフィド、2,2’−ジチオジ安息香酸エチル、ビス(4−アセチルフェニル)ジスルフィド、ビス(4−カルバモイルフェニル)ジスルフィド、1,1’−ジナフチルジスルフィド、2,2’−ジナフチルジスルフィド、1,2’−ジナフチルジスルフィド、2,2’−ビス(1−クロロジナフチル)ジスルフィド、1,1’−ビス(2−クロロナフチル)ジスルフィド、2,2’−ビス(1−シアノナフチル)ジスルフィド、2,2’−ビス(1−アセチルナフチル)ジスルフィド、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステルなどを挙げることができる。
リン系化合物:
リン系化合物としては、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどを挙げることができる。
さらに、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、あるいは2−エチルオキサニリド、2−エチル−2’−エトキシオキサニリドなどのオキサニリド系化合物を、本発明の環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜2重量部添加することにより、耐光性を向上させることができる。
また、本発明に係る環状オレフィン系樹脂は、溶融押出しによりフィルムなどに成形する場合には、溶融押出時の熱履歴により該樹脂が熱劣化するのを防止するために添加される酸化防止剤を選択することが重要な技術的要素となる。すなわち、溶融押出により得られたフィルムを延伸加工した場合に、位相差の発現性を低下させない、あるいは低下の度合いを極力小さくするために、溶融押出する環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも+20℃〜Tg+130℃、好ましくはTg+30℃〜Tg+130℃の温度範囲に融点を有するヒンダードフェノール系化合物を酸化防止剤として用いることが好ましい。
融点が溶融押出する環状オレフィン系樹脂のTgよりも+20℃未満であると、ヒンダードフェノール系化合物を用いたとしても、添加量が増えた場合、位相差の発現性が大きく低下することがある。一方、融点が溶融押出する環状オレフィン系樹脂のTgよりも+130℃を超えると、加工時に酸化防止剤が溶解せずにフィッシュアイなどのフィルム欠陥や異物の原因となることがある。また、融点が環状オレフィン系樹脂のTg+20℃〜Tg+130℃にあったとしても、ヒンダードフェノール系化合物以外の化合物を酸化防止剤として用いると、位相差の発現性に低下が認められる場合がある。
本発明の環状オレフィン系樹脂を溶融押出しにより成形する場合に好ましく用いられる上記酸化防止剤の具体例としては、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアネート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、また、これらについても、溶融押出する環状オレフィン系樹脂のTgによっては不適な場合がある。なお、本発明の効果を損なわない限り、これらは組み合わせで使用しても良いし、単独で使用しても良い。
これらの酸化防止剤の添加量は、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜4重量部、さらに好ましくは、0.1〜1.5重量部である。酸化防止剤の添加量が0.01重量部に満たない場合には、押出加工時に樹脂にゲルが発生しやすくなり、これに起因して、得られたフィルム上に欠陥として認識されることがあり好ましくない。一方、添加剤量が、5重量部を超えると、加工時に目やにの発生などを招くことがあり、この目やにがダイライン、フィルム上のフィッシュアイ、焼けなどの原因となるため好ましくない。
係る酸化防止剤は、環状オレフィン系樹脂を製造する際に添加してもよいし、溶融押出する際に環状オレフィン系樹脂のペレットとともに配合してもよい。
また、本発明の環状オレフィン系樹脂を溶融押出しにより成形する場合においては、本発明の効果を損なわない範囲において、滑剤、紫外線吸収剤、染料あるいは顔料などの上記酸化防止剤以外の添加剤を用いることができる。もちろんこの場合でも、融点を有する添加剤の場合、その融点が本発明の必須酸化防止剤の融点の範囲にあることが好ましい。
<フィルム成形>
環状オレフィン系樹脂フィルムの成形方法としては、溶剤キャスト法(溶液流延法)や溶融押出法などが挙げられる。膜厚の均一性および表面平滑性が良好になる点においては溶剤キャスト法が好ましく、製造コスト面においては溶融押出法が好ましい。
〔溶剤キャスト法〕
溶剤キャスト法により環状オレフィン系樹脂フィルムを得る方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を適用すればよい。例えば、上記環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させて適度の濃度の液にし、適当な基材上に注ぐか、または塗布し、これを乾燥した後、基材から剥離させる方法が挙げられる。
以下に、溶剤キャスト法により環状オレフィン系樹脂フィルムを得る方法の諸条件を示すが、本発明は係る諸条件に限定されるものではない。
上記環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させる際には、該樹脂の濃度を、通常は0.1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜35重量%にする。樹脂の濃度が上記範囲よりも低いと、フィルムの厚みを確保することが困難になり、また、溶媒蒸発にともなう発泡などによりフィルムの表面平滑性が得にくくなる傾向にある。一方、濃度が上記範囲を超えると、溶液粘度が高くなりすぎて得られる環状オレフィン系樹脂フィルムの厚みや表面が均一になりにくくなる傾向にある。
また、室温での上記溶液の粘度は、通常は、1〜1,000,000mPa・s、好ましくは10〜100,000mPa・s、さらに好ましくは100〜50,000mPa・s、特に好ましくは1,000〜40,000mPa・sである。
上記溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノールなどのセロソルブ系溶媒;ジアセトンアルコール、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサンなどのシクロオレフィン系溶媒;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン含有溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;1−ペンタノール、1−ブタノールなどのアルコール系溶媒などが挙げられる。
また、上記以外でも、SP値(溶解度パラメーター)が10〜30(MPa1/2)、好ましくは10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、良好な表面均一性および光学特性を有する環状オレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。
上記溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。混合系の場合には、混合系としたときのSP値の範囲を上記範囲内とすることが好ましい。このとき、混合系でのSP値の値は、重量比で予測することができ、例えば2種の混合では、それぞれの重量分率をW1およびW2、SP値をSP1およびSP2とすると混合系のSP値は下記式:
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により求めることができる。
上記溶液を基材上に塗布する方法としては、たとえば、ダイスやコーターを用いる方法の他、スプレー法、刷毛塗り法、ロールコート法、スピンコート法、デッピング法などを採用することができる。なお、繰り返し塗布することで厚みや表面平滑性などを制御してもよい。
上記基材としては、たとえば、金属ドラム、スチールベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレン(商品名;テフロン(登録商標))ベルトなどが挙げられる。
上記溶剤キャスト法の乾燥工程については、特に制限はなく、一般的に用いられる方法、例えば多数のローラーを介して乾燥炉中を通過させる方法などで実施できる。ただし、乾燥工程において溶媒の蒸発に伴い気泡が発生すると、フィルムの特性を著しく低下させるので、これを避けるために、乾燥工程を2段以上の複数工程とし、各工程での温度や風量を制御することが好ましい。特に、基材から剥離するまでの乾燥工程を2段以上の複数工程とし、1段目の乾燥工程における温度を0〜50℃、好ましくは10〜40℃とし、2段目以降の乾燥工程における温度を50〜200℃、好ましくは70〜180℃とすると、得られたフィルムのRth(550)の値を好ましい範囲に調整することができるため、非常に好ましい。
さらに、フィルム面内の位相差R0(550)を0〜300nmとするために、フィルム剥離時の応力T(MPa)が、0.01MPa≦T≦5MPaの範囲であることが好ましい。Tが0.01MPa未満では、うまく剥離できず、一方5MPaを超えてフィルムをロールから剥離すると、R0(550)>300nmとなり好ましくない。
〔溶融押出法〕
溶剤キャスト法により環状オレフィン系樹脂フィルムを得る方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を適用すればよい。例えば、押出機に取り付けられたダイから溶融状態の環状オレフィン系樹脂を押し出し、当該樹脂を鏡面ロール表面に圧着し、その後、冷却して剥離し、シート化する方法が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂を溶融する方法としては、押出機により樹脂を溶融する方法が好ましく、当該溶融樹脂をギアポンプにより定量供給し、これを金属フィルターなどでろ過して不純物を除去した後、ダイにてフィルム形状に賦型しつつ押し出す方法が好ましい。
ダイから押出されたフィルムを冷却してシート化する方法としては、ニップロール方式、静電印加方式、エアナイフ方式、カレンダー方式、片面ベルト方式、両面ベルト方式、3本ロール方式などが挙げられるが、光学歪の少ないシートを製造するには、片面ベルト式、中でもスリーブ式と呼ばれるシート製造装置、静電印加方式などが好ましく用いられる。例えば、ダイの吐出口下方に鏡面ロールと金属ベルトが配置され、当該鏡面ロールと並行に並ぶように剥離ロールが配置されているフィルム製造装置が挙げられる。上記金属ベルトは、その内面に接するように設けられた2つの保持ロールによって張力が作用された状態で保持されている。吐出口より吐出された樹脂は、上記鏡面ロールと金属ベルトの間を通って挟圧され、鏡面ロールに転写されて冷却された後、剥離ロールにより剥離されフィルム化される。また、吐出されるフィルムの両端の位置で、ダイの吐出口下方の鏡面ロールに相対するように配置した、帯電電極から、フィルムを鏡面ロール側にはり付かせることで、光学歪を与えずにフィルムの表面性を良好にする方法なども好ましい方法である。
押出機としては、単軸、二軸、遊星式、コニーダーなどいずれを用いても良いが、好ましくは、単軸押出機が用いられる。また、押出機のスクリュー形状としては、ベント型、先端ダルメージ型、フルフライト型などが上げられるが、好ましくはフルフライト型である。樹脂の計量に使用されるギアポンプは、内部潤滑式、外部潤滑式いずれを使用しても良いが、中でも外部潤滑方式が好ましい。
異物のろ過に使用するフィルターに関しては、リーフディスクタイプ、キャンドルフィルタータイプ、リーフタイプ、スクリーンメッシュなどが挙げられる。なかでも、樹脂の滞留時間分布を小さくする目的では、リーフディスクタイプが最も好ましく、フィルターの目の開きを意味する公称目開きは、20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下であることである。最も好ましくは3μm以下である。公称目開きが、20μmよりも大きい場合には、目に見える異物のほかに、ゲルなどを除去することが難しいために、光学フィルムを作るためのフィルターとしては、好ましくない。
ダイとしては、ダイ内部の樹脂流動を均一にすることが必須であり、フィルムの厚みの均一性を保つには、ダイ出口近傍でのダイ内部の圧力分布が幅方向で一定であることが必須である。このような条件を満たすものとしては、マニホールドダイ、フィッシュテールダイ、コートハンガーダイなどを用いることができ、これらの中では、コートハンガーダイが好ましい。またダイの流量調整には、ベンディングリップタイプが好ましい。また、ヒートボルト方式による自動制御により厚薄調整を行う機能がついているダイが特に好ましい。流量調整のためにチョークバーを取り付けることや、厚み調整のためのリップブロックを取り付けることは、取り付け部分に段差を生じたり、取り付け部分の隙間などに、空気などをかみこんだりして、焼けの発生原因になったり、ダイラインの原因になりうるので好ましくない。ダイの吐出口は、タングステンカーバイドなどの超硬コーティングなどのコーティングがなされていることが好ましい。また、ダイの材質としては、SCM系の鋼鉄、SUSなどのステンレス材などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、表面にクロム、ニッケル、チタンなどのメッキが施されたもの、PVD(Physical Vapor Deposition)法などにより、TiN、TiAlN、TiC、CrN、DLC(ダイアモンド状カーボン)などの被膜が形成されたもの、その他のセラミックスが溶射されたもの、表面が窒化処理されたものなどを用いることができる。このようなダイは、表面硬度が高く、樹脂との摩擦が小さいため、得られる透明樹脂シートに、焼けゴミなどが混入することを防止することができると共に、ダイラインが発生することを防止することができる点で、好ましい。
鏡面ロールは、内部に加熱手段および冷却手段を有するものが好ましく、その表面粗さは0.5μm以下、特に、0.3μm以下であることが好ましい。鏡面ロールとしては、金属ロールにメッキが施されたものを用いることが好ましく、クロムメッキ、無電解ニッケルメッキなどが施されたものが特に好ましい。
鏡面ロールの加熱方法は、ジャケット式オイル温調方式や、誘電加熱方式などが好ましい方法として用いられる。ロールの加熱方法は特に限定されないが、ロールの温度がフィルム製膜範囲で、温度差が無いことが好ましく、許容されるロールの温度差は好ましくは2℃以内、さらに好ましくは1℃以内である。
片面ベルト式装置や、スリーブ式引き取り装置に使用する、金属ベルトとしては、継ぎ目のない無端ベルトを用いることが好ましい。金属ベルトを構成する材料としては、ステンレス、ニッケルなどを用いることができる。また、金属ベルトを保持する保持ロールは、その表面がシリコーンゴムまたその他の耐熱性を有するエラストマーなどによって被覆されていることが好ましい。金属ベルトの厚みは、0.1〜0.4mmが好ましく、0.1mm未満であると、たわみが大きくベルトにすぐに傷がつくことがあり好ましくない。一方、0.4mmよりも厚みがあると、加工時にフィルムに追従して変形しないため、好ましくない。
上記の装置により、例えば次のようにしてフィルムが製造される。
通常、押出機に環状オレフィン系樹脂を投入する前に、当該樹脂に含まれている水分、気体(酸素など)、残溶剤などを予め除去することを目的として、当該樹脂のガラス転移温度(Tg)以下の適切な温度で樹脂の乾燥を行う。
乾燥に用いる乾燥機は、好ましくは、不活性ガス循環式乾燥機、真空乾燥機が用いられる。また、ホッパー内で吸湿したり、酸素の吸収を抑制するため、ホッパーを窒素やアルゴンなどの不活性ガスでシールしたり、減圧状態に保持できる真空ホッパーを使用することも好ましい方法である。
押出機シリンダーは、溶融押出中に樹脂が酸化されてゲルなどが発生することを防止するために、窒素やアルゴンなどの不活性ガスによりシールすることが好ましい。
押出機により溶融された環状オレフィン系樹脂は、ダイ吐出口から垂直方向である下方に向かってシート状に押し出される。ダイ出口の温度分布は、樹脂の溶融粘度差を少なくするため、好ましくは±1℃以下に制御される。
その後、押し出された樹脂が、鏡面ロールと金属ベルトとによって挟圧され、冷却される。そして、鏡面ロール表面に転写された樹脂が、剥離用ロールによって鏡面ロールの表面から剥離されることにより、シート状のフィルムが製造される。
本発明においては、樹脂の加工温度すなわち押出機およびダイの設定温度は、流動性が均一な溶融状態の樹脂をダイから吐出させることができ、樹脂の劣化を抑制することができる観点から、樹脂のTg+100℃以上でTg+200℃以下であることが好ましい。
また、鏡面ロールと金属ベルトにより樹脂を挟圧する際、すなわち、鏡面ロールに樹脂を転写する際の圧力は、好ましくは面圧で0.01〜0.8MPa、特に好ましくは、0.1〜0.6MPaである。特に好ましくは、0.15〜0.45MPaである。上記圧力とすると、得られたフィルムのRth(550)の値を適正範囲に調整することができるため、非常に好ましい。
この時、フィルム厚み方向の光軸とフィルム面に対する法線とのなす角θを0〜3°とするために、鏡面ロールと金属ベルトの周速度を近くすることが好ましい。好ましい範囲としては、鏡面ロールの周速度を1.00としたときに、金属ベルトの周速度は0.95〜1.05、特に好ましくは0.99〜1.01である。このような周速度の範囲であればフィルム厚み方向の光軸とフィルム面に対する法線とのなす角θを0〜3°のものが製造可能となる。
さらに、フィルム面内の位相差R0(550)を0〜300nmとするために、フィルム剥離時の条件として、剥離温度T(℃)、剥離応力T(MPa)とする時、それぞれTg−30℃≦T≦Tg+5℃、0.01MPa≦T≦5MPaの範囲であることが好ましい。この範囲を超えてフィルムをロールから剥離すると、R0(550)>300nmとなり好ましくない。
<フィルム延伸加工>
本発明の光学フィルムは、上記のようにして流延法あるいは溶融押出法により得られる光学フィルムを、さらに延伸することもできる。その場合の延伸加工方法としては、具体的には、公知の一軸延伸法または二軸延伸法を挙げることができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、円周の異なる二組のロールを利用する縦一軸延伸法など、あるいは横一軸と縦一軸を組合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法などを用いることができる。
一軸延伸法の場合、延伸速度は、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
二軸延伸法の場合、同時2方向に延伸を行う場合や一軸延伸後に最初の延伸方向と異なる方向に延伸処理する場合がある。このとき、延伸後のフィルムの屈折率楕円体の形状を制御するための2つの延伸軸の交わり角度は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
延伸加工温度は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂のガラス転移温度Tgを基準として、通常はTg±30℃、好ましくはTg±15℃、さらに好ましくはTg−5℃〜Tg+15℃の範囲である。上記範囲内とすることで、位相差ムラの発生を抑えることが可能となり、また、屈折率楕円体の制御が容易になることから好ましい。
延伸倍率は、所望の特性により決定されるため特に限定はされないが、通常は1.01〜10倍、好ましくは1.03〜5倍、さらに好ましくは1.03〜3倍である。延伸倍率が10倍を超えると、位相差の制御が困難になる場合がある。
延伸したフィルムは、そのまま冷却してもよいが、Tg−20℃〜Tgの温度雰囲気下に少なくとも10秒以上、好ましくは30秒〜60分間、さらに好ましくは1分〜60分間保持してヒートセットすることが好ましい。これにより、透過光の位相差の経時変化が少なく安定した位相差フィルムが得られる。
延伸加工を施さない場合の本発明の光学フィルムの加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を500時間行った場合に、通常、5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
また、本発明の光学フィルムの加熱による寸法収縮率は、100℃における加熱を500時間行った場合に、通常、10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
寸法収縮率を上記範囲内にするためには、本発明の樹脂の原料である特定単量体や共重合性単量体の選択に加え、キャスト方法や延伸方法によりコントロールすることが可能である。
上記のようにして延伸したフィルムは、延伸により分子が配向し透過光に位相差を与えるようになるが、この位相差は、延伸倍率、延伸温度あるいはフィルムの厚さなどにより制御することができる。例えば、延伸前のフィルムの厚さが同じである場合、延伸倍率が大きいフィルムほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。一方、延伸倍率が同じである場合、延伸前のフィルムの厚さが厚いほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸前のフィルムの厚さを変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。また、上記延伸加工温度範囲においては、延伸温度が低いほど透過光の位相差の絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸温度を変更することによって所望の位相差を透過光に与える位相差フィルムを得ることができる。
上記のように延伸して得た光学フィルム(位相差フィルム)の厚さは、通常、100μm以下、好ましくは100〜20μm、さらに好ましくは80〜20μmである。厚みを薄くすることで位相差フィルムが使われる分野の製品に求める小型化、薄膜化に大きく応えることができる。ここで、位相差フィルムの厚みをコントロールするためには、延伸前の光学フィルムの厚さをコントロールしたり、延伸倍率をコントロールすることにより成し得る。例えば、延伸前の光学フィルムを薄くしたり、延伸倍率を比較的に大きくすることでより一層位相差フィルムの厚さを薄くすることができる。
<フィルム特性>
本発明の光学フィルムは、以上のようにして溶剤キャスト法(流延法)、あるいは溶融押出法により製膜化されたのち、円筒状あるいは円柱状の上記コアを軸とし巻き取られる。また、所望の位相差と光軸角度とするために、さらに延伸加工してフィルムとされる。このフィルムの幅は、1,500mm以上、好ましくは1,700mm以上、さらに好ましくは1,700mm〜3,000mmである。フィルムの幅が1,500mm未満では、LCDを大型化することができない。
本発明の光学フィルムは、光線波長550nmにおけるフィルム面内の最大屈折率をnx、フィルム面内でnxに対して直交する方向の屈折率をny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、フィルム厚みをd〔nm〕とするとき、フィルム面内の位相差R0(550)=(nx−ny)×dの値が0〜300nmであり、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは30〜100nmである。フィルム面内の位相差が300nmを超えると、光漏れが発生しやすくなり、コントラスト比が低下してしまうというおそれがある。
また、本発明の光学フィルムは、フィルム厚み方向の位相差Rth(550)={(nx+ny)/2−nz}×dの値が30〜300nm、好ましくは50〜250nm、さらに好ましくは100〜250nmである。Rth(550)の値がこの範囲にあると、当該光学フィルムを視野角補償を目的として用いた場合、得られた液晶パネルのコントラスト比が大きく、かつカラーシフトが小さくなって、視野角特性が非常に良好となる。Rth(550)が30nm未満では、本発明の視野角補償フィルムを液晶パネルに用いた際、光漏れが発生しやすくなり、視野角が狭くなる。一方、300nmを超えると、カラーシフトが大きくなってしまうという問題がある。
さらに、本発明の光学フィルムは、フィルム厚み方向の光軸とフィルム面に対する法線とのなす角θが0〜3°であり、好ましくは0〜2°、さらに好ましくは0〜1°、特に好ましくは0〜0.5°である。θが3°を超えると、カラーシフトやコントラスト比が、液晶パネルを観察する方位によって異なり、偏光板の透過軸に対して非対称となってしまうため好ましくない。
さらに、本発明の光学フィルムにおいて、上記R0のバラツキは、±10%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±2%以下である。
ここで、R0のバラツキは、大塚電子(株)製の位相差フィルム検査装置「RETS」を用い、フィルムの任意の部分を1mサンプリングしてフィルム面内を1cm間隔で測定された値である。
R0のバラツキが±10%を超えると、液晶ディスプレイに使用したときに光学的にムラが発生し、部分的な光漏れや色ムラが発生してしまうため好ましくない。
さらに、本発明の光学フィルムでは、フィルム面内方向の光軸(フィルム面内での屈折率の最大方向)のバラツキが中心値±10度以下、好ましくは中心値±3度以下、さらに好ましくは中心値±1度以下、最も好ましくは中心値±0.5度以下である。フィルム面内の光軸のバラツキが中心値±10度を超えると、液晶ディスプレイに使用したときに光学的にムラが発生し、部分的な光漏れや色ムラが発生してしまうため好ましくない。
なお、上記光軸のバラツキは、大塚電子(株)製の位相差フィルム検査装置「RETS」を用い、フィルムの任意の部分を1mサンプリングしてフィルム面内を1cm間隔で測定された値である。
ここで、光軸とは、遅相軸の方向を意味し、光学フィルムの押出方向(MD方向)や延伸方向が一般に対応する。従って、光軸のズレ(バラツキ)とは、遅相軸の方向のズレであり、光学フィルムの押出方向(MD方向)や延伸方向において発生した遅相軸に対するズレを意味する。
上記R0、Rth、θ、R0のバラツキ、および光軸のバラツキの特性は、例えば下記の方法により調整できる。
(1)R0(550)の値を0〜300nmとするには、溶剤キャスト法で成形する場合に、フィルム剥離時の張力T(kgf)を0.01MPa≦T≦5MPaの範囲とする、もしくは、溶融押出法で成形する場合に、フィルム剥離時の条件が剥離温度T(℃)、剥離張力T(kgf)とする時、それぞれTg−30℃≦T≦Tg+30℃、0.01MPa≦T≦5MPaの範囲とすればよい。
(2)Rth(550)の値を30〜300nmとするには、溶剤キャスト法で成形する場合に、基材から剥離するまでの乾燥工程を2段以上の複数工程とし、2段目以降の乾燥工程における温度を50〜200℃、好ましくは70〜180℃とする、もしくは、溶融押出法で成形する場合に、鏡面ロールに樹脂を転写する際の圧力を面圧で好ましくは0.01〜0.80MPa、さらに好ましくは0.10〜0.60MPaとすればよい。特に好ましくは、0.15〜0.45MPaである。
(3)θの値を0〜3°とするには、溶剤キャスト法で成形する、もしくは、溶融押出法で成形する場合に、鏡面ロールの周速度を1.00としたときに、金属ベルトの周速度を0.95〜1.05とすればよい。あるいは、吐出したフィルムを静電圧着によりロールに密着する。
(4)R0のバラツキを±10%以下にするには、フィルム厚み分布を±10%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±1%以下にすることや、延伸加工する際に生じてしまう応力や温度の分布を極力少なくし、好ましくは±10%以下、さらに好ましくは±5%以下、特に好ましくは±1%以下にすると良い。
(5)光軸のバラツキが中心値±10度以下にするには、フィルム厚み分布を±10%以下、好ましくは±5%以下、さらに好ましくは±1%以下にすることや、延伸加工する際に生じてしまう応力や温度の分布を極力少なくし、好ましくは±10%以下、さらに好ましくは±5%以下、特に好ましくは±1%以下にすると良い。
なお、本発明の光学フィルムに用いられるフィルム中の残留溶媒量は、通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下である。ここで、残留溶媒量が上記範囲を超えると、実際に使用したときに経時による寸法変化が大きくなる傾向にあり、また、残留溶媒によりTgが低くなり、耐熱性が低下することがある。
また、本発明の光学フィルムの厚さは、用途によって異なるが、通常、1〜500μm、好ましくは1〜300μm、さらに好ましくは1〜200μmである。1μm未満の厚みの場合、実質的にハンドリングが困難となる。一方、500μmを超える場合、当該加工前フィルムをロール状に巻き取った際に、いわゆる「巻きぐせ」がついてしまい後加工などにおける取り扱いが困難になる場合があり、また透過率が低下するので好ましくない。
上記フィルムの厚み分布は、通常、平均値に対して±10%以内、好ましくは±5%以内、さらに好ましくは±1%以内、特に好ましくは±0.5%以内である。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は1%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.01%以下、特に好ましくは0.005%以下であることが望ましい。光学フィルムの厚み分布を上記の範囲内に制御することにより、場合により延伸加工処理を行う際に、位相差ムラや光軸の配向ムラが発生することを防止することができる。
ここで、厚み分布は、MOCON社製、フィルム厚み測定装置「Profiler 140E」によって1mm間隔で測定された値である。
≪偏光板≫
本発明の偏光板は、PVA系フィルムなどからなる偏光子の少なくとも片面に、本発明の視野角補償フィルムである光学フィルムを、PVA樹脂を主体とした水溶液からなる水系接着剤、極性基含有粘接着剤、光硬化性接着剤などを使用して貼り合わせ、必要に応じてこれを加熱または露光し、圧着して、偏光子と視野角補償フィルムとを接着(積層)させることにより製造することができる。
≪液晶パネル≫
本発明の液晶パネルは、2枚のガラス基板間に液晶が挟持されてなる液晶表示素子の少なくとも片面に、本発明の偏光板を貼り合わせ、液晶表示素子と偏光板とを接着(積層)させることにより製造することができる。このとき、ガラス基板の両面に偏光板が使用される。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、「部」、「%」は、特に断りのない限り「重量部」、「重量%」を意味する。
また、実施例中のフィルム物性は、次のようにして測定した。
フィルム面内の位相差R0(550)〔nm〕
大塚電子(株)製の位相差フィルム検査装置「RETS」を用い、フィルムの任意の部分を1mサンプリングしてフィルム面内を1cm間隔で測定した。
フィルム厚み方向の位相差Rth(550)〔nm〕
大塚電子(株)製の位相差フィルム検査装置「RETS」を用い、フィルムの任意の部分を1mサンプリングしてフィルム面内を1cm間隔で測定した。
フィルム厚み方向の光軸とフィルム面に対する法線とのなす角θ〔度〕
王子計測機器(株)製のフィルム検査装置「KOBRA 21ADH」を用い、フィルムの任意の部分を1mサンプリングしてフィルム面内を5cm間隔で測定した。
フィルム面内の光軸のばらつき〔%〕
大塚電子(株)製の位相差フィルム検査装置「RETS」を用い、フィルムの任意の部分を1mサンプリングしてフィルム面内を1cm間隔で測定した。
実施例1
環状オレフィン系樹脂として、市販のノルボルネン系樹脂(JSR株式会社製:ノルボルネン系樹脂D4531、Tg=130℃)を用いた。原料樹脂を100℃窒素下で4時間、除湿乾燥を実施した。この乾燥樹脂を、窒素気流下で定量供給して、単軸押出機(ジーエムエンジニアリング製:90mmφ押出機)を用いて、260℃で溶融し、溶融樹脂をギアポンプを用いて、100kg/hrで定量供給した。溶融樹脂をリーフディスク型ポリマーフィルター(日本精線株式会社製:公称目開き3μm)を使用して275℃でろ過を行った。ポリマーフィルターの前後の樹脂の圧力差は3.5MPaであった。ろ過した溶融樹脂を1,800mmTダイに導き、260℃で押し出した。このときのTダイの先端の開口は0.5mmであった。
また、Tダイの先端部分には、超硬のWCコーティングを100μmの厚さで、エッジ部分の両側に10mmずつ溶射、直角に研磨したTダイを用いて、目視で確認できるダイラインがないことを確認した。
Tダイ先端と転写する鏡面ロール間の間隔(エアギャップ)を65mmとして、下記のロールに導いた。
転写させたロールは、ジャケット加熱方式ロール(トクデン社製:1,750mm幅、250mmφ)で128℃に加熱した。金属スリーブは、シリコーンゴム被覆の150mmφロール(ジャケット温調加熱:125℃)と水冷却ロールで支持した。
金属スリーブは、厚みが250μmのニッケル製であり、その表面粗さは0.15sであった。
押し出した樹脂フィルムを周速度が9.88m/minの鏡面ロールと、9.88m/minの周速度のスリーブの間に挟んで、フィルム両面から冷却した。このときの圧着力は、スリーブの駆動エアの圧力を0.18MPaとして圧着した。次に120℃の冷却ロールおよび115℃の冷却ロールに順に接触させてフィルムを冷却した。その後、106℃の剥離ロールを通して、0.4MPaの剥離張力をかけてフィルムを引き取った。剥離時のフィルム表面の温度は、107℃であった。
このようにして製造されたフィルムを、引き続いて厚さ3mmのフェルト布地を巻いた6インチ径のポリプロピレンからなるコア材に巻きまわして幅が1,700mmのフィルムロールとした。
得られたフィルムの平均厚みは、102μmであった。
また、得られたフィルムのR0は5nm、Rthは10nm、θは0.1度であり、上記のようにして測定された、R0のバラツキは±5%以下、フィルム面内の光軸のバラツキは中心値±1.0度以下であった。
実施例2
実施例1で得たフィルムロールを用い、連続的に温度140℃でロールニップ式の縦一軸延伸装置を用いて1.3倍に、フィルム長手方向に一軸延伸した。その後、テンター式の横一軸延伸機を用い、温度138℃で連続的に1.4倍フィルム幅方向に一軸延伸した。この時、延伸時の炉内の温度分布および応力分布が1%以内になるよう調整して行った。上記延伸が終了した後、最終的に実施例1で使用したコア材に巻き、ロール状のフィルムを得た。
得られたフィルムの平均厚みは、65μmであった。
また、得られたフィルムのR0は55nm、Rthは120nm、θは0.0度であり、上記のようにして測定された、R0のバラツキは±1%以下、フィルム面内の光軸のバラツキは中心値±0.5度以下であった。ここで、フィルム面内の光軸はフィルム長手方向に垂直であった。
実施例3
ポリビニルアルコール(以下「PVA」と略)を、ヨウ素濃度0.03重量%、ヨウ化カリウム濃度0.5重量%の30℃水溶液の染色浴にて延伸倍率3倍で前延伸を実施後、ほう酸濃度5重量%とヨウ化カリウム濃度8重量%の水溶液の55℃の架橋浴中でさらに2倍で後延伸して乾燥処理し、偏光子を得た。
次いで、重合度1700のPVAを5%溶かした水溶液を接着剤として用い、偏光子の片面に実施例1のフィルムを貼り、もう一方の面に実施例2のフィルムを連続的に貼って偏光板を得た。当該偏光板の透過率と偏光度を調べたところ、44.0%、99.99%であった。
実施例4
実施例3で得た偏光板を、VA方式の32インチの液晶テレビの液晶パネル両面に貼付している偏光板と位相差フィルムを剥離した後、両面に偏光板の吸収軸が垂直となる状態(クロスニコル状態)で貼付した。その後、黒表示にして光漏れ状態を観察したところ、光漏れも無くムラの無い良好な状態であることを確認できた。
比較例1
実施例1において、押し出した樹脂フィルムを周速度が5.50m/minの鏡面ロールとしたことと、スリーブの駆動エアの圧力を0.08MPaとしたこと以外は同様にしてロールフィルムを得た。
得られたフィルムの平均厚みは、101μmであった。
また、得られたフィルムのR0は8nm、Rthは12nm、θは6.5度であり、上記のようにして測定された、R0のバラツキは最大12%、フィルム面内の光軸のバラツキは中心値最大12度であった。
比較例2
比較例1のロールフィルムを用い、実施例2における延伸時の炉内の温度分布および応力分布がそれぞれ12%、11%になったこと以外は同様にして延伸フィルムロールを得た。
得られたフィルムの平均厚みは、63μmであった。
また、得られたフィルムのR0は58nm、Rthは125nm、θは3.5度であり、上記のようにして測定された、R0のバラツキは最大14%、フィルム面内の光軸のバラツキは中心値最大12度であった。ここで、フィルム面内の光軸はフィルム長手方向に垂直であった。
比較例3
比較例2、比較例3で得たロール状フィルムを用いたこと以外は実施例3と同様にして偏光板を得た。
当該偏光板の透過率と偏光度を調べたところ、43.0%、99.6%であった。
比較例4
比較例3で得た偏光板を使用したこと以外は実施例4と同様にして、黒表示にして光漏れ状態を観察したところ、画面の部分的に光漏れが発生しており、ムラがある状態を確認した。
本発明の光学フィルムおよび偏光板は、例えば携帯電話、デジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどの各種液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子あるいはタッチパネルなどに用いることができる。また、CD、CD−R、MD、MO、DVDなどの光ディスクの記録・再生装置に使用される波長板としても有用である。

Claims (4)

  1. 環状オレフィン系樹脂からなる光学フィルムであって、フィルムの幅が1,500mm以上であり、光線波長550nmにおけるフィルム面内の最大屈折率をnx、フィルム面内でnxに対して直交する方向の屈折率をny、フィルム厚み方向の屈折率をnz、フィルム厚みをd〔nm〕とするとき、
    フィルム面内の位相差R0(550)〔nm〕=(nx−ny)×dと、
    フィルム厚み方向の位相差Rth(550)〔nm〕={(nx+ny)/2−nz}×dと、
    フィルム厚み方向の光軸とフィルム面に対する法線とのなす角θ〔度〕が、それぞれ、
    0 ≦ R0(550) ≦ 300
    30 ≦ Rth(550) ≦ 300
    0 ≦ θ ≦ 3
    であり、R0のバラツキが±10%以下であり、フィルム面内方向の光軸のバラツキが中心値±10度以下である、光学フィルム。
  2. 環状オレフィン系樹脂が下記一般式(I)で表される化合物の(共)重合体である請求項1記載の光学フィルム。
    (一般式(I)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていても良い。また、R1〜R4のうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成しても良い。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。)
  3. 偏光子の少なくとも片面に、請求項1または2記載の光学フィルムが積層されてなることを特徴とする、偏光板。
  4. 液晶表示素子の少なくとも片面に、請求項3記載の偏光板が積層されてなることを特徴とする、液晶パネル。

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