JP2003191281A - 異材質樹脂の複合成形方法及び射出成形機 - Google Patents
異材質樹脂の複合成形方法及び射出成形機Info
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- B29C45/03—Injection moulding apparatus
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 二色成形による複合成形品の保持ピン跡を押
圧ピンによる樹脂の補填によりなくし、補填時の一次成
形品の横ずれも防止する。押圧ピンにより一次成形品に
形成した流通孔により閉鎖された凹所とキャビティへの
樹脂の充填を可能となす。 【解決手段】 固定盤１の対称位置に一次キャビティ型
１１と二次キャビティ型１２とを並設する。その両方と
交互に型閉するコア型１４を可動盤４に設けた回転盤７
に並設する。コア型１４に一次成形品３０の保持ピン１
５と樹脂の押圧ピン１６とをキャビティに対し出没自在
に内設する。保持ピン１５により一次成形品３０を二次
キャビティ型面に当接保持する。押圧ピン１６を後退し
てコア型面に補填用樹脂のピン孔２０を開口形成する。
ピン孔２０を含めて二次キャビティに異材質樹脂を射出
充填する。保持ピン１５を後退してキャビティ型面に没
入する。押圧ピン１６を前進してピン孔２０の補填用樹
脂をキャビティ内樹脂に圧入し、保持ピン１５による樹
脂の未充填部位を補填する。
圧ピンによる樹脂の補填によりなくし、補填時の一次成
形品の横ずれも防止する。押圧ピンにより一次成形品に
形成した流通孔により閉鎖された凹所とキャビティへの
樹脂の充填を可能となす。 【解決手段】 固定盤１の対称位置に一次キャビティ型
１１と二次キャビティ型１２とを並設する。その両方と
交互に型閉するコア型１４を可動盤４に設けた回転盤７
に並設する。コア型１４に一次成形品３０の保持ピン１
５と樹脂の押圧ピン１６とをキャビティに対し出没自在
に内設する。保持ピン１５により一次成形品３０を二次
キャビティ型面に当接保持する。押圧ピン１６を後退し
てコア型面に補填用樹脂のピン孔２０を開口形成する。
ピン孔２０を含めて二次キャビティに異材質樹脂を射出
充填する。保持ピン１５を後退してキャビティ型面に没
入する。押圧ピン１６を前進してピン孔２０の補填用樹
脂をキャビティ内樹脂に圧入し、保持ピン１５による樹
脂の未充填部位を補填する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、射出成形した一
次成形品をコア型と共に二次キャビティ型に回転移送
し、保持ピンによりキャビティ型面に当接保持して、二
次キャビティ型により一次成形品と射出成形した異材質
樹脂の二次成形品とを複合化する成形方法と射出成形機
に関するものである。
次成形品をコア型と共に二次キャビティ型に回転移送
し、保持ピンによりキャビティ型面に当接保持して、二
次キャビティ型により一次成形品と射出成形した異材質
樹脂の二次成形品とを複合化する成形方法と射出成形機
に関するものである。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】色彩又は材質が異なっ
た２種の材料樹脂（異材質樹脂という）からなる複合成
形品の成形には、他の射出成形機により成形した成形品
を、製品本体を成形する金型のキャビティにインサート
して一体に射出成形する方法と、文字の部分と本体とを
一次成形し、次いで文字の周囲を異材質樹脂により二次
成形する所謂二色成形方法とがある。
た２種の材料樹脂（異材質樹脂という）からなる複合成
形品の成形には、他の射出成形機により成形した成形品
を、製品本体を成形する金型のキャビティにインサート
して一体に射出成形する方法と、文字の部分と本体とを
一次成形し、次いで文字の周囲を異材質樹脂により二次
成形する所謂二色成形方法とがある。
【０００３】インサート成形方法では、インサートを保
持ピンにより保持してキャビティ内に樹脂の充填スペー
スを確保するようにしている。このため保持ピンの抜き
出しを樹脂が冷却固化した後に行うと、ピン跡が孔とし
て成形品に表面に残る。このピン跡は製品として好まし
くな瑕疵となることが多く、その解決策として、保持ピ
ンの抜き出し時期を樹脂が固化する前に早め、保持ピン
による未充填部位の樹脂の補填を、射出装置から樹脂を
二次的に射出充填して行い、それによりピン跡が残らな
いようにしている。
持ピンにより保持してキャビティ内に樹脂の充填スペー
スを確保するようにしている。このため保持ピンの抜き
出しを樹脂が冷却固化した後に行うと、ピン跡が孔とし
て成形品に表面に残る。このピン跡は製品として好まし
くな瑕疵となることが多く、その解決策として、保持ピ
ンの抜き出し時期を樹脂が固化する前に早め、保持ピン
による未充填部位の樹脂の補填を、射出装置から樹脂を
二次的に射出充填して行い、それによりピン跡が残らな
いようにしている。
【０００４】しかしながら、保持ピンの後退移動により
インサートは、流動性を有する樹脂に支えられているだ
けで固定されておらず、樹脂と共に移動し易い状態にあ
るこので、そこに補填用の樹脂を射出装置からキャビテ
ィに充填すると、インサートが充填圧力による樹脂の流
れ方向、すなわち、反ゲート方向に樹脂圧により移動し
て設定位置からずれ、不良品となることが多い。
インサートは、流動性を有する樹脂に支えられているだ
けで固定されておらず、樹脂と共に移動し易い状態にあ
るこので、そこに補填用の樹脂を射出装置からキャビテ
ィに充填すると、インサートが充填圧力による樹脂の流
れ方向、すなわち、反ゲート方向に樹脂圧により移動し
て設定位置からずれ、不良品となることが多い。
【０００５】二色成形方法では、一次成形品が囲繞部を
有する形態の文字や数字（例えばＡ，Ｂ，Ｐ，８，９，
０）を上面に部分的に突設したものであると、囲繞部に
より閉鎖された凹所とキャビティの２箇所或いは３個所
にゲートが必要となり、それらゲートのホットランナー
を金型内に設けなければならないことから、二次キャビ
ティ型の構造が複雑となる。また小さな複合製品ではゲ
ート位置の制限から成形が行えないものもある。
有する形態の文字や数字（例えばＡ，Ｂ，Ｐ，８，９，
０）を上面に部分的に突設したものであると、囲繞部に
より閉鎖された凹所とキャビティの２箇所或いは３個所
にゲートが必要となり、それらゲートのホットランナー
を金型内に設けなければならないことから、二次キャビ
ティ型の構造が複雑となる。また小さな複合製品ではゲ
ート位置の制限から成形が行えないものもある。
【０００６】この解決手段として、突出ピンにより一次
成形品の凹所に流通孔を形成し、その一次成形品をイン
サート成形の場合と同様に、保持ピンによりキャビティ
型面に当接保持し、その流通孔により１個所のゲートか
らキャビティ内と凹所の両方に樹脂を射出充填すること
が考えられるが、上記インサート成形の課題である保持
ピン跡による瑕疵や一次成形品の横ずれは解決されてい
ない。
成形品の凹所に流通孔を形成し、その一次成形品をイン
サート成形の場合と同様に、保持ピンによりキャビティ
型面に当接保持し、その流通孔により１個所のゲートか
らキャビティ内と凹所の両方に樹脂を射出充填すること
が考えられるが、上記インサート成形の課題である保持
ピン跡による瑕疵や一次成形品の横ずれは解決されてい
ない。
【０００７】この発明は、上記従来の課題を解決するた
めに考えられたものであって、その目的は、二色成形方
法を採用して異材質樹脂による複合成形品を連続成形す
るものであつても、閉鎖された凹所とキャビティへの樹
脂の充填が１個所のゲートにより行え、また保持ピンに
よる樹脂の未充填部位を、射出充填後の押圧ピンによる
樹脂の圧入により補填することによって、補填時の樹脂
圧による一次成形品の移動を防止し、ピン跡による瑕疵
のない複合成形品を成形することができる新たな方法と
射出成形機とを提供することある。
めに考えられたものであって、その目的は、二色成形方
法を採用して異材質樹脂による複合成形品を連続成形す
るものであつても、閉鎖された凹所とキャビティへの樹
脂の充填が１個所のゲートにより行え、また保持ピンに
よる樹脂の未充填部位を、射出充填後の押圧ピンによる
樹脂の圧入により補填することによって、補填時の樹脂
圧による一次成形品の移動を防止し、ピン跡による瑕疵
のない複合成形品を成形することができる新たな方法と
射出成形機とを提供することある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的によるこの発明
の成形方法は、固定盤の対称位置に一次キャビティ型と
二次キャビティ型とを並設し、その両方と交互に型閉す
るコア型を可動盤に設けた回転盤に並設して、一次キャ
ビティ型とコア型とにより射出成形した一次成形品を、
回転盤によるコア型の移動により二次キャビティ型に移
行し、二次キャビティ型で一次成形品と射出成形した異
材質樹脂の二次成形品とを一体に複合成形するにあた
り、上記コア型に一次成形品の保持ピンと樹脂の押圧ピ
ンとをキャビティに対し出没自在に内設し、その保持ピ
ンにより一次成形品を二次キャビティ型面に当接保持す
るとともに、押圧ピンを後退してコア型面に補填用樹脂
のピン孔を開口形成し、そのピン孔を含めて二次キャビ
ティに異材質樹脂を射出充填したのち、保持ピンを後退
してコア型面に没入する一方、押圧ピンを前進してピン
孔の補填用樹脂をキャビティ内樹脂に圧入し、保持ピン
による樹脂の未充填部位を補填してなるというものであ
り、また「補填用樹脂の容量≧総未充填部位の容量」と
するものでもある。
の成形方法は、固定盤の対称位置に一次キャビティ型と
二次キャビティ型とを並設し、その両方と交互に型閉す
るコア型を可動盤に設けた回転盤に並設して、一次キャ
ビティ型とコア型とにより射出成形した一次成形品を、
回転盤によるコア型の移動により二次キャビティ型に移
行し、二次キャビティ型で一次成形品と射出成形した異
材質樹脂の二次成形品とを一体に複合成形するにあた
り、上記コア型に一次成形品の保持ピンと樹脂の押圧ピ
ンとをキャビティに対し出没自在に内設し、その保持ピ
ンにより一次成形品を二次キャビティ型面に当接保持す
るとともに、押圧ピンを後退してコア型面に補填用樹脂
のピン孔を開口形成し、そのピン孔を含めて二次キャビ
ティに異材質樹脂を射出充填したのち、保持ピンを後退
してコア型面に没入する一方、押圧ピンを前進してピン
孔の補填用樹脂をキャビティ内樹脂に圧入し、保持ピン
による樹脂の未充填部位を補填してなるというものであ
り、また「補填用樹脂の容量≧総未充填部位の容量」と
するものでもある。
【０００９】この発明の他の成形方法は、上記一次キャ
ビティ型とコア型とにより、囲繞部を有する形態の文字
や数字等の表示体を上面に部分的に突設した一次成形品
を成形する際に、上記押圧ピンにより囲繞部内に流通孔
を形成し、その流通孔により二次キャビティ型面に当接
保持した一次成形品の囲繞部内と、二次キャビティの両
方に異材質樹脂を射出充填し、二次成形品の表面に表示
体を露出してなる、というものである。
ビティ型とコア型とにより、囲繞部を有する形態の文字
や数字等の表示体を上面に部分的に突設した一次成形品
を成形する際に、上記押圧ピンにより囲繞部内に流通孔
を形成し、その流通孔により二次キャビティ型面に当接
保持した一次成形品の囲繞部内と、二次キャビティの両
方に異材質樹脂を射出充填し、二次成形品の表面に表示
体を露出してなる、というものである。
【００１０】またこの発明の射出成形機は、固定盤の対
称位置に並設した一次キャビティ型と二次キャビティ型
と、その両方のキャビティ型と交互に型閉する可動盤側
の回転盤に並設したコア型と、可動盤にピストンを連結
した型締シリンダ及び回転盤の駆動装置と、一次キャビ
ティ型と二次キャビティ型のそれぞれにノズルタッチし
た一対の異材質樹脂の射出装置とからなり、上記コア型
に一次成形品を二次キャビティ型面に当接保持する複数
本の保持ピンと、樹脂の押圧ピンとをキャビティに対し
出没自在に内設して、コア型面に押圧ピンの後退による
補填用樹脂のピン孔を開口形成し、それらのピンの駆動
装置を可動盤に設けて、駆動ロッドを可動盤及び回転盤
を通して各ピンに接離自在に当接してなる、というもの
である。
称位置に並設した一次キャビティ型と二次キャビティ型
と、その両方のキャビティ型と交互に型閉する可動盤側
の回転盤に並設したコア型と、可動盤にピストンを連結
した型締シリンダ及び回転盤の駆動装置と、一次キャビ
ティ型と二次キャビティ型のそれぞれにノズルタッチし
た一対の異材質樹脂の射出装置とからなり、上記コア型
に一次成形品を二次キャビティ型面に当接保持する複数
本の保持ピンと、樹脂の押圧ピンとをキャビティに対し
出没自在に内設して、コア型面に押圧ピンの後退による
補填用樹脂のピン孔を開口形成し、それらのピンの駆動
装置を可動盤に設けて、駆動ロッドを可動盤及び回転盤
を通して各ピンに接離自在に当接してなる、というもの
である。
【００１１】
【発明の実施の形態】図１は、この発明の射出成形機の
１実施形態を示すもので、タイバー３，３により連結し
て対設した固定盤１，２と、そのタイバー３，３に挿通
支持した可動盤４と、可動盤４の外側中央にピストン５
を連結して固定盤２に固設した型締シリンダ６と、可動
盤４の内側中央に回転自在に設けた回転盤７と、可動盤
４の外側中央のピストン連結部内に設けて、回転盤７に
接続した油圧又は電動モータ等の回転駆動装置８とから
なる型締装置を、図では省略した機台上に、型締シリン
ダ側を下位にして設置し、固定盤１の上部に一対の射出
装置９，１０を下向きに設けた竪型成形機からなる。
１実施形態を示すもので、タイバー３，３により連結し
て対設した固定盤１，２と、そのタイバー３，３に挿通
支持した可動盤４と、可動盤４の外側中央にピストン５
を連結して固定盤２に固設した型締シリンダ６と、可動
盤４の内側中央に回転自在に設けた回転盤７と、可動盤
４の外側中央のピストン連結部内に設けて、回転盤７に
接続した油圧又は電動モータ等の回転駆動装置８とから
なる型締装置を、図では省略した機台上に、型締シリン
ダ側を下位にして設置し、固定盤１の上部に一対の射出
装置９，１０を下向きに設けた竪型成形機からなる。
【００１２】上記固定盤１の対称位置には、キャビティ
形状を異にする一次キャビティ型１１と二次キャビティ
型１２とが並設してある。また上記回転盤７には両方の
キャビティ型１１，１２と交互に型閉する一対の同一構
造のコア型１４，１４が並設してあり、このコア型１４
と一次キャビティ型１１とにより一次成形品３０が、ま
た二次キャビティ型１２とコア型１４とにより製品本体
となる二次成形品３１（図３参照）が、スプルブッシュ
１３やホットランナー１３ａにノズルタッチした上記射
出装置９，１０から、各キャビティに射出充填した異材
質の樹脂により成形することができるようにしてある。
形状を異にする一次キャビティ型１１と二次キャビティ
型１２とが並設してある。また上記回転盤７には両方の
キャビティ型１１，１２と交互に型閉する一対の同一構
造のコア型１４，１４が並設してあり、このコア型１４
と一次キャビティ型１１とにより一次成形品３０が、ま
た二次キャビティ型１２とコア型１４とにより製品本体
となる二次成形品３１（図３参照）が、スプルブッシュ
１３やホットランナー１３ａにノズルタッチした上記射
出装置９，１０から、各キャビティに射出充填した異材
質の樹脂により成形することができるようにしてある。
【００１３】上記コア型１４には、左右一対の保持ピン
１５，１５と、中央の押圧ピン１６がバネ部材１７，１
８により後退方向に常時付勢して、キャビティに対し出
没自在に内設してあり、その押圧ピン１６の後退により
コア型面に補填用樹脂のピン孔２０が開口形成するよう
にしてある。
１５，１５と、中央の押圧ピン１６がバネ部材１７，１
８により後退方向に常時付勢して、キャビティに対し出
没自在に内設してあり、その押圧ピン１６の後退により
コア型面に補填用樹脂のピン孔２０が開口形成するよう
にしてある。
【００１４】上記可動盤７のコア型１４の一次側と二次
側の停止位置には、押圧ピン１６の駆動装置２１が、ま
た二次側の停止位置には保持ピン１５の駆動装置２２
が、駆動ロッド２３，２４を可動盤４及び回転盤７に穿
設した貫通孔を通して各ピンに接離自在に当接して設け
てあり、その駆動ロッド２３，２４の油圧による進退移
動とバネ部材１７，１８とによって、各ピンはキャビテ
ィ内に突出し、またコア型内に没入する。
側の停止位置には、押圧ピン１６の駆動装置２１が、ま
た二次側の停止位置には保持ピン１５の駆動装置２２
が、駆動ロッド２３，２４を可動盤４及び回転盤７に穿
設した貫通孔を通して各ピンに接離自在に当接して設け
てあり、その駆動ロッド２３，２４の油圧による進退移
動とバネ部材１７，１８とによって、各ピンはキャビテ
ィ内に突出し、またコア型内に没入する。
【００１５】上記一次成形品３０は、囲繞部を有する形
態の英字や数字（例えばＡ，Ｂ，Ｐ，８，９，０）、囲
繞部を有しない形態の英字や数字（例えばＥ，Ｆ，Ｈ，
２，３，７）、標識板、カラープレート等のいずれでも
よく、要は二次成形品３１として成形される製品本体の
表面側に埋設された状態で複合化される成形品の全てが
対象となる。
態の英字や数字（例えばＡ，Ｂ，Ｐ，８，９，０）、囲
繞部を有しない形態の英字や数字（例えばＥ，Ｆ，Ｈ，
２，３，７）、標識板、カラープレート等のいずれでも
よく、要は二次成形品３１として成形される製品本体の
表面側に埋設された状態で複合化される成形品の全てが
対象となる。
【００１６】上記射出成形機による複合成形を、図２
（Ａ）〜（Ｅ）に示す成形工程に従い説明する。この成
形工程は、図４に示す囲繞部３２を有する英文字Ｐの表
示体を、上面に部分的に突設した板体を一次成形品３０
とし、二次成形品３１として射出成形されたキャップ状
の製品本体の天面に、その英文字Ｐを複合成形して露出
させた場合の実施形態を示すものである。
（Ａ）〜（Ｅ）に示す成形工程に従い説明する。この成
形工程は、図４に示す囲繞部３２を有する英文字Ｐの表
示体を、上面に部分的に突設した板体を一次成形品３０
とし、二次成形品３１として射出成形されたキャップ状
の製品本体の天面に、その英文字Ｐを複合成形して露出
させた場合の実施形態を示すものである。
【００１７】先ず可動盤４を型締シリンダ６の油圧作動
により上昇移動して、一次キャビティ型１１とコア型１
４及び二次キャビティ型１２とコア型１４とを型閉す
る。次に一次キャビティ型側では駆動装置２１を油圧作
動し、押圧ピン１６をバネ圧に抗してキャビティ内に突
き出す。なお一次成形品３０が囲繞部を有しない英文字
Ｈなどの場合には、押圧ピン１６の突出はコア型１４の
型面までとし、押圧ピン１６による後記の通孔３４の成
形は行わない。
により上昇移動して、一次キャビティ型１１とコア型１
４及び二次キャビティ型１２とコア型１４とを型閉す
る。次に一次キャビティ型側では駆動装置２１を油圧作
動し、押圧ピン１６をバネ圧に抗してキャビティ内に突
き出す。なお一次成形品３０が囲繞部を有しない英文字
Ｈなどの場合には、押圧ピン１６の突出はコア型１４の
型面までとし、押圧ピン１６による後記の通孔３４の成
形は行わない。
【００１８】二次キャビティ型側では駆動装置２４を油
圧作動して、保持ピン１５，１５をキャビティ内に突き
出し、一次キャビティ型側で射出成形した一次成形品３
０をキャビティ型面に当接してその状態を保持する。次
に型締を行って射出装置９，１０から、それぞれ異なっ
た材質の樹脂をキャビティに射出充填する。
圧作動して、保持ピン１５，１５をキャビティ内に突き
出し、一次キャビティ型側で射出成形した一次成形品３
０をキャビティ型面に当接してその状態を保持する。次
に型締を行って射出装置９，１０から、それぞれ異なっ
た材質の樹脂をキャビティに射出充填する。
【００１９】一次キャビティ型内では、キャビティに突
出した押圧ピン１６により、囲繞部３２により閉鎖され
た凹所３３の板面に、流通孔３４を有する一次成形品３
０が射出成形される。また二次キャビティ型内では、上
記凹所３３に臨むゲートから一次成形品３０とは異材質
の樹脂が、凹所３３に充填されるととも、流通孔３４か
らキャビティ１２ａと補填用樹脂のピン孔２０とに充填
されて、製品本体となる二次成形品３１が成形され、一
次成形品３０と一体に複合して天面に文字Ｐが表れた複
合成形品となる。
出した押圧ピン１６により、囲繞部３２により閉鎖され
た凹所３３の板面に、流通孔３４を有する一次成形品３
０が射出成形される。また二次キャビティ型内では、上
記凹所３３に臨むゲートから一次成形品３０とは異材質
の樹脂が、凹所３３に充填されるととも、流通孔３４か
らキャビティ１２ａと補填用樹脂のピン孔２０とに充填
されて、製品本体となる二次成形品３１が成形され、一
次成形品３０と一体に複合して天面に文字Ｐが表れた複
合成形品となる。
【００２０】樹脂の射出充填の終了後に、一次キャビテ
ィ型側では駆動装置２１による押圧ピン１６の突き出し
が解除され、これにより押圧ピン１６はバネ圧により後
退して、ピン孔２０がコア型面に開口形成される。また
二次キャビティ型側では樹脂が流動性を有するうちに、
駆動装置２２による保持ピン１５，１５の突き出しが解
除され、同時に駆動装置２１による押圧ピン１６の突き
出しが行われる。突き出し解除により保持ピン１５，１
５はバネ圧によりコア型面まで後退し、押圧ピン１６は
ピン孔２０に充填された補填用樹脂をキャビティの樹脂
内に押し出す。
ィ型側では駆動装置２１による押圧ピン１６の突き出し
が解除され、これにより押圧ピン１６はバネ圧により後
退して、ピン孔２０がコア型面に開口形成される。また
二次キャビティ型側では樹脂が流動性を有するうちに、
駆動装置２２による保持ピン１５，１５の突き出しが解
除され、同時に駆動装置２１による押圧ピン１６の突き
出しが行われる。突き出し解除により保持ピン１５，１
５はバネ圧によりコア型面まで後退し、押圧ピン１６は
ピン孔２０に充填された補填用樹脂をキャビティの樹脂
内に押し出す。
【００２１】この際、充填完了時の射出圧力はキャビテ
ィ内圧よりも高い状態にあるので、そのまま保持ピン１
５，１５をコア型面まで後退すると、圧力差により射出
装置側の樹脂がゲートからキャビティ側に流入して、補
填用樹脂よりも先に未充填部位を埋めると共に、キャビ
ティ内樹脂に流れが生じて一次成形品３０が横ずれする
ようになる。
ィ内圧よりも高い状態にあるので、そのまま保持ピン１
５，１５をコア型面まで後退すると、圧力差により射出
装置側の樹脂がゲートからキャビティ側に流入して、補
填用樹脂よりも先に未充填部位を埋めると共に、キャビ
ティ内樹脂に流れが生じて一次成形品３０が横ずれする
ようになる。
【００２２】そこで射出圧力をキャビティ内圧の近くま
で下げて、射出装置側からキャビティ内に樹脂２１が流
入するのを防止してから、保持ピン１５，１５の後退移
動と押圧ピン１６の前進移動とを、各駆動装置２１，２
２を同時作動して行う。これによりピン孔２０の補填用
樹脂がキャビティ内の樹脂に強制的に押し入れられるよ
うになる。
で下げて、射出装置側からキャビティ内に樹脂２１が流
入するのを防止してから、保持ピン１５，１５の後退移
動と押圧ピン１６の前進移動とを、各駆動装置２１，２
２を同時作動して行う。これによりピン孔２０の補填用
樹脂がキャビティ内の樹脂に強制的に押し入れられるよ
うになる。
【００２３】この押圧による樹脂の圧力は、キャビティ
型面から一次成形品３０に突き当たり、左右に分かれて
キャビティ内の樹脂を両端の未充填部位へと加圧する。
これにより保持解除後の樹脂の圧入による一次成形品３
０の横ずれがなくなり、二次成形品３１における未充填
部位は、保持ピン１５，１５の後退移動に伴い確実に埋
め尽くされて、ピン跡が完全に補填されたものとなる。
型面から一次成形品３０に突き当たり、左右に分かれて
キャビティ内の樹脂を両端の未充填部位へと加圧する。
これにより保持解除後の樹脂の圧入による一次成形品３
０の横ずれがなくなり、二次成形品３１における未充填
部位は、保持ピン１５，１５の後退移動に伴い確実に埋
め尽くされて、ピン跡が完全に補填されたものとなる。
【００２４】しかるのち、可動盤４の後退による型開を
行い。型開位置にて複合成形品の離型が保持ピン１５，
１５の再度の突き出しにより行ってから、回転盤７を駆
動装置８により１８０°回転して、一次成形品３０を二
次キャビティ型１２との型閉じ位置に移行する。これに
より次回の射出工程となる。
行い。型開位置にて複合成形品の離型が保持ピン１５，
１５の再度の突き出しにより行ってから、回転盤７を駆
動装置８により１８０°回転して、一次成形品３０を二
次キャビティ型１２との型閉じ位置に移行する。これに
より次回の射出工程となる。
【００２５】上記ピン孔２０による補填用樹脂の量は、
図３から保持ピン１本当たりの樹脂の未充填部位の容
量、 π／４ｄ1 2×Ｓ1 但、ｄ1 ：保持ピンの直径、 Ｓ1 ：保持ピンの突出
長さ、 ピン孔１個所の容量、 π／４ｄ2 2×Ｓ2 但、ｄ2 ：ピン孔の直径、 Ｓ2 ：ピン孔の深さ、 となることから、図示の保持ピン２本、ピン孔１個所の
場合、 （π／４ｄ2 2×Ｓ2 ）×１≧（π／４ｄ1 2×Ｓ1 ）×２ に設定すればよく、未充填部位の樹脂の補填を不足なく
行うことができる。
図３から保持ピン１本当たりの樹脂の未充填部位の容
量、 π／４ｄ1 2×Ｓ1 但、ｄ1 ：保持ピンの直径、 Ｓ1 ：保持ピンの突出
長さ、 ピン孔１個所の容量、 π／４ｄ2 2×Ｓ2 但、ｄ2 ：ピン孔の直径、 Ｓ2 ：ピン孔の深さ、 となることから、図示の保持ピン２本、ピン孔１個所の
場合、 （π／４ｄ2 2×Ｓ2 ）×１≧（π／４ｄ1 2×Ｓ1 ）×２ に設定すればよく、未充填部位の樹脂の補填を不足なく
行うことができる。
【００２６】また射出充填完了後の樹脂の流入防止とし
ては、圧力制御以外に図１に示す開閉ピン２５を備えた
バルブゲートを採用し、そのバルブゲートを樹脂の射出
充填後に油圧シリンダ２６により開閉ピン２５を前進移
動して閉鎖し、ホットランナー２７の樹脂がキャビティ
側へ流入しないようにしてから、保持ピン１５，１５と
押圧ピン１６との相対的作動による未充填部位の補填を
行うようにすることもできる。
ては、圧力制御以外に図１に示す開閉ピン２５を備えた
バルブゲートを採用し、そのバルブゲートを樹脂の射出
充填後に油圧シリンダ２６により開閉ピン２５を前進移
動して閉鎖し、ホットランナー２７の樹脂がキャビティ
側へ流入しないようにしてから、保持ピン１５，１５と
押圧ピン１６との相対的作動による未充填部位の補填を
行うようにすることもできる。
【００２７】図５（Ａ）〜（Ｃ）は、一次成形品３０が
英文字Ｂの表示体のように、囲繞部３２により形成され
た凹所３３が、中央の仕切り３５により更に二分されて
いる場合の成形工程を示すものである。このような一次
成形品３０については押圧ピン１６を大径に形成し、こ
の押圧ピン１６により仕切り３５を境に両方の凹所３
３，３３に開口した図（Ｂ）に示すような流通孔３４を
成形すればよい。このような流通孔３４により射出充填
された樹脂は、図（Ｃ）に示すようにキャビティと両方
の凹所３３，３３に流入して、製品本体となる二次成形
品３１を成形すると共にともに、一次成形品３０と一体
に複合して天面に英文字Ｂが表れた複合成形品となる。
英文字Ｂの表示体のように、囲繞部３２により形成され
た凹所３３が、中央の仕切り３５により更に二分されて
いる場合の成形工程を示すものである。このような一次
成形品３０については押圧ピン１６を大径に形成し、こ
の押圧ピン１６により仕切り３５を境に両方の凹所３
３，３３に開口した図（Ｂ）に示すような流通孔３４を
成形すればよい。このような流通孔３４により射出充填
された樹脂は、図（Ｃ）に示すようにキャビティと両方
の凹所３３，３３に流入して、製品本体となる二次成形
品３１を成形すると共にともに、一次成形品３０と一体
に複合して天面に英文字Ｂが表れた複合成形品となる。
【００２８】また図では省略するが、一次成形品３０が
閉鎖された凹所のない平板状の場合には、押圧ピンによ
る流通孔の成形は不要となり、押圧ピンは専ら二次キャ
ビティ型内おける補填用樹脂のピン孔の形成と補填用の
ピンとして作用する。
閉鎖された凹所のない平板状の場合には、押圧ピンによ
る流通孔の成形は不要となり、押圧ピンは専ら二次キャ
ビティ型内おける補填用樹脂のピン孔の形成と補填用の
ピンとして作用する。
【図１】 この発明に係わる異材質樹脂の複合成形用の
射出成形機の縦断正面図である。
射出成形機の縦断正面図である。
【図２】 この発明に係わる異材質樹脂の複合成形方法
の工程説明図である。
の工程説明図である。
【図３】 補填樹脂の容量計算図である。
【図４】 異材質樹脂の複合製品の平面図である。
【図５】 この発明に係る他の実施形態の複合成形方法
の工程説明図である。
の工程説明図である。
１，２ 固定盤
３ タイバー
４ 可動盤
６ 型締シリンダ
７ 回転盤
８ 回転盤の駆動装置
９，１０ 射出装置
１１ 一次キャビティ型
１２ 二次キャビティ型
１４ コア型
１５ 保持ピン
１６ 押圧ピン
１７，１８ バネ部材
２０ 補填用樹脂のピン孔
２１ 押圧ピンの駆動装置
２２ 保持ピンの駆動装置
２３．２４ 駆動ロッド
３０ 一次成形品
３１ 二次成形品
３２ 囲繞部
３３ 凹所
３４ 流通孔
Claims (4)
- 【請求項１】 固定盤の対称位置に一次キャビティ型と
二次キャビティ型とを並設し、 その両方と交互に型閉するコア型を可動盤に設けた回転
盤に並設して、一次キャビティ型とコア型とにより射出
成形した一次成形品を、回転盤によるコア型の移動によ
り二次キャビティ型に移行し、 二次キャビティ型で一次成形品と射出成形した異材質樹
脂の二次成形品とを一体に複合成形するにあたり、 上記コア型に一次成形品の保持ピンと樹脂の押圧ピンと
をキャビティに対し出没自在に内設し、 その保持ピンにより一次成形品を二次キャビティ型面に
当接保持するとともに、押圧ピンを後退してコア型面に
補填用樹脂のピン孔を開口形成し、 そのピン孔を含めて二次キャビティに異材質樹脂を射出
充填したのち、保持ピンを後退してコア型面に没入する
一方、押圧ピンを前進してピン孔の補填用樹脂をキャビ
ティ内樹脂に圧入し、 保持ピンによる樹脂の未充填部位を補填してなることを
特徴とする異材質樹脂の複合成形方法。 - 【請求項２】 請求項１において「補填用樹脂の容量≧
総未充填部位の容量」に設定してなることを特徴とする
異材質樹脂の複合成形方法。 - 【請求項３】 上記一次キャビティ型とコア型とによ
り、囲繞部を有する形態の文字や数字等の表示体を上面
に部分的に突設した一次成形品を成形する際に、上記押
圧ピンにより囲繞部内に流通孔を形成し、 その流通孔により二次キャビティ型面に当接保持した一
次成形品の囲繞部内と、二次キャビティの両方に異材質
樹脂を射出充填し、 二次成形品の表面に表示体を露出してなることを特徴と
する請求項１又は２記載の異材質樹脂の複合成形方法。 - 【請求項４】 固定盤の対称位置に並設した一次キャビ
ティ型と二次キャビティ型と、 その両方のキャビティ型と交互に型閉する可動盤側の回
転盤に並設したコア型と、可動盤にピストンを連結した
型締シリンダ及び回転盤の駆動装置と、一次キャビティ
型と二次キャビティ型のそれぞれにノズルタッチした一
対の異材質樹脂の射出装置とからなり、 上記コア型に一次成形品を二次キャビティ型面に当接保
持する複数本の保持ピンと、樹脂の押圧ピンとをキャビ
ティに対し出没自在に内設して、コア型面に押圧ピンの
後退による補填用樹脂のピン孔を開口形成し、 それらのピンの駆動装置を可動盤に設けて、駆動ロッド
を可動盤及び回転盤を通して各ピンに接離自在に当接し
てなることを特徴とする異材質樹脂の複合射出成形機。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001392355A JP3553544B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 異材質樹脂の複合成形方法及び射出成形機 |
| TW091133083A TWI243742B (en) | 2001-12-25 | 2002-11-11 | Composite-molding method and injection-molding machine of different material resin |
| US10/326,534 US7070724B2 (en) | 2001-12-25 | 2002-12-19 | Composite-molding method and injection-molding machine of different material resin |
| CNB02159628XA CN1297381C (zh) | 2001-12-25 | 2002-12-25 | 异材质树脂的复合成型方法及注塑成型机 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001392355A JP3553544B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 異材質樹脂の複合成形方法及び射出成形機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003191281A true JP2003191281A (ja) | 2003-07-08 |
| JP3553544B2 JP3553544B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=19188619
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001392355A Expired - Fee Related JP3553544B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 異材質樹脂の複合成形方法及び射出成形機 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US7070724B2 (ja) |
| JP (1) | JP3553544B2 (ja) |
| CN (1) | CN1297381C (ja) |
| TW (1) | TWI243742B (ja) |
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