JP2003096139A - 透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法 - Google Patents
透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法Info
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Abstract
ンスに優れるゴム変性共重合樹脂の製造方法の提供す
る。 【解決手段】 ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合して得
られるゴム変性共重合樹脂の製造方法であって、少なく
とも1基の完全混合型反応器を使用し少なくとも1基の
完全混合型反応器内の樹脂分が45質量%未満の領域で
ゴム状重合体を分散相とし、かつ少なくとも1基のプラ
グフロー型反応器を使用し少なくとも1基のプラグフロ
ー型反応器出口における樹脂分が70質量%以上である
ことを特徴とする透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法
により、得ることができる。
Description
かつ耐衝撃性と剛性のバランスに優れるゴム変性共重合
樹脂樹脂の製造方法に関する。
家電製品、包装材料を始め様々な用途に用いられてい
る。しかしこれらは、透明性、耐衝撃性と剛性のバラン
スや市場の低価格要望に対し充分なものではなかった。
は、可動部分の無い複数のミキシングエレメントが内部
に固定されている管状反応器を組み込んだ装置で重合液
の静的な混合のもと重合を行うという技術が開示されて
いるが、管状反応器は完全混合型反応器と比べて重合液
の混合能力が低いため重合液組成が不均一になりやすく
透明性が充分でない等の問題があった。
ゴム状重合体が粒子化する重合転化率を越えない範囲ま
でに止めた第一の流れと、スチレン系単量体、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体、溶剤とからなる溶液の重
合途中の第二の流れとを混合してゴム状重合体を粒子化
させ、その後さらに重合を進行させるという技術が開示
されているが、ゴム状重合体の粒子径分布が狭く耐衝撃
性に劣る等の問題があった。
重合液中の固形分量が40〜60重量%になる領域にて
ゴム重合体を分散相とした後、脱揮発分装置に供給し未
反応単量体を除去する技術が開示されているが、特殊な
ゴム状重合体を使用する必要があったり、ゴム状重合体
量に対する耐衝撃性や剛性が低い等の問題があった。
好で、かつ耐衝撃性と剛性のバランスに優れるゴム変性
共重合樹脂の製造方法の提供することを目的とする。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、完全混合型反応
器にて特定の樹脂分でゴム状重合体を分散相とし、かつ
プラグフロー型反応器にて特定の樹脂分まで重合するこ
とにより目的を達することを見出し本発明に至った。ま
た、特定の樹脂分までゴム状重合体を分散相とすること
なく重合した後、完全混合型反応器にてゴム状重合体を
分散相とすることによりさらに改良されることを見出し
本発明に至った。さらにゴム状重合体を分散相とする完
全混合型反応器内の粘度を特定の範囲に制御すること、
また、ゴム状重合体を分散相とする完全混合型反応器内
に連鎖移動剤を添加することによりさらに改良されるこ
とを見出し本発明に至った。
チレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体
を重合して得られる厚み2mm部における全光線透過率
が85%以上のゴム変性共重合樹脂の製造方法であっ
て、少なくとも1基の完全混合型反応器を使用し該完全
混合型反応器内の樹脂分が45質量%未満の領域でゴム
状重合体を分散相とし、かつ少なくとも1基のプラグフ
ロー型反応器を使用し該プラグフロー型反応器出口にお
ける樹脂分が70質量%以上であることを特徴とする透
明なゴム変性共重合樹脂の製造方法である。
ム状重合体を分散相とすることなく重合した後、重合液
をゴム状重合体を分散相とする完全混合型反応器内に導
入することを特徴とする透明なゴム変性共重合樹脂の製
造方法である。
合型反応器内の粘度が、50Pa・s以下であることを
特徴とする透明な共重合樹脂の製造方法である。
応器内に連鎖移動剤をスチレン系単量体、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体、ゴム状重合体の合計100質
量部に対し、0.001〜1質量部添加することを特徴
とする透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法である。
使用するスチレン系単量体は、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン
等をあげることができるが、好ましくはスチレンであ
る。これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいし
2種類以上を併用してもよい。
テル系単量体は、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート等があげられるが、好ましくは、メチルメタク
リレート、n−ブチルアクリレートである。これら(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で用いてもよ
く2種類以上を併用してもよい。本発明では、スチレン
系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外の
単量体、例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、メ
タクリル酸等もスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸
エステル系単量体の合計100質量部に対し、50質量
部未満であれば含有させることができる。
タジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタ
ジエンブロックゴム、部分水添ポリブタジエン、部分水
添スチレン−ブタジエンゴム、部分水添スチレン−ブタ
ジエンブロックゴム等があげられるが、好ましくはスチ
レン含量が20〜50質量%のスチレン−ブタジエンゴ
ム、スチレン−ブタジエンブロックゴムである。また、
使用するゴム状重合体は温度25℃における5質量%ス
チレン溶液粘度が、好ましくは15〜200cp、さら
に好ましくは20〜60cpである。ブタジエンに基づ
く不飽和結合のうちの1,2−ビニル結合の割合は、好
ましくは8〜25モル%、さらに好ましくは12〜16
モル%である。本発明では、スチレン−ブタジエン−ス
チレン樹脂等のゴム状重合体以外の重合体もゴム状重合
体100質量部に対し、50質量部未満であれば含有さ
せることができる。
エステル系単量体、ゴム状重合体の割合は、好ましくは
スチレン系単量体5〜95質量部及び(メタ)アクリル
酸エステル系単量体95〜5質量部の合計量100質量
部に対して、ゴム状重合体0.1〜20質量部、さらに
好ましくは、スチレン系単量体10〜90質量部及び
(メタ)アクリル酸エステル系単量体90〜10質量部
の合計量100質量部に対して、ゴム状重合体3〜15
質量部である。スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
酸エステル系単量体、ゴム状重合体が該範囲外の場合は
耐衝撃性が劣る等目的を達しない。
レン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を
重合して得られる。ゴム状重合体は、スチレン系単量
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体に溶解した後
重合する。重合温度は、好ましくは80〜170℃、さ
らに好ましくは100〜160℃である。重合時、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシ
シクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルモノカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−
(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の重合開
始剤や、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−
1、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン等の公知の連鎖移動剤を添加することが好ましい。
また、ジビニルベンゼン等の公知の架橋剤、オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート等の公知の酸化防止剤等を添加
して重合しても差し支えない。
ン、トルエン等の溶剤の存在下重合することが、重合時
の粘度を下げる点から好ましい。エチルベンゼン、トル
エン等の溶剤の添加量はスチレン系単量体及び(メタ)
アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対
し、100質量部未満である。
反応器と少なくとも1基のプラグフロー型反応器を有す
る重合装置と重合液の揮発分を除去する揮発分除去装置
を付した装置を使用する。例えば、1基の完全混合型反
応器と1基のプラグフロー型反応器と1基の脱揮槽を直
列に接続した装置(図1.(a))や、2基の完全混合型
反応器と1基のプラグフロー型反応器と1基の脱揮槽を
直列に接続した装置(図1.(b))、1基のプラグフロ
ー型反応器と1基の完全混合型反応器、さらにもう1基
のプラグフロー型反応器と1基の脱揮槽を直列に接続し
た装置(図1.(c))等があげられる。なお、揮発分を
除去する揮発分除去装置を2基以上用いても差し支えな
い。
反応器内の樹脂分が45質量%未満、好ましくは20〜
40質量%、さらに好ましくは30〜39質量%の領域
でゴム状重合体を分散相とする。少なくとも1基の完全
混合型反応器内の樹脂分が45質量%未満の条件を満た
さないと耐衝撃性に劣るものとなる。完全混合型反応器
内でゴム状重合体を分散相としない場合には耐衝撃性、
透明性に劣るものとなる。なお、最後に設けた完全混合
型反応器内で樹脂分が45質量%未満の領域でゴム状重
合体を分散相となっていることもしくはすることが好ま
しい。また、ゴム状重合体を分散相とする該完全混合型
反応器内の粘度は、好ましくは50Pa・s以下、さら
に好ましくは10Pa・s以下である。50Pa・s以
下とすることにより耐衝撃性、透明性に優れたものとな
る。なお、完全混合型反応器が2基以上の場合には、そ
のうち少なくとも1基が上記の条件を満足すればよい。
手法で行うことができる。例えば、重合液を高温無撹拌
下で固化させた後、超薄切片法透過型電子顕微鏡写真よ
りゴム状重合体の粒子化の有無を確認する方法が挙げら
れる。また、ゴム状重合体を分散相とする該完全混合型
反応器内の粘度の調整は、公知の手法が採用できるが、
t−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤をスチレン系
単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ゴム状
重合体の合計100質量部に対し、0.001〜1質量
部添加することが最も好ましい。
ー型反応器出口における樹脂分が70質量%以上、好ま
しくは71〜90質量%、さらに好ましくは72〜85
質量%とする。70質量%未満であると剛性が低下した
り、生産性が低くなり実用的でない。なお、プラグフロ
ー型反応器が2基以上の場合には、そのうち少なくとも
1基が該条件を満足すればよい。なお、最後に設けたプ
ラグフロー型反応器出口における樹脂分が70質量%以
上であることがが好ましい。
%以上に、さらに好ましくは樹脂分が12質量%以上に
ゴム状重合体を分散相とすることなく重合した後、重合
液をゴム状重合体を分散相とする完全混合型反応器内に
導入する。樹脂分が10質量%以上にゴム状重合体を分
散相とすることなく重合することで耐衝撃性と透明性の
良好な樹脂が得られる。なお、樹脂分が10質量%以上
に重合する反応器は特に制限は無く、公知の完全混合型
反応器やプラグフロー型反応器等が使用できる。
フィーにより未反応の単量体を測定することにより得
る。
共重合樹脂は、厚み2mm部における全光線透過率が8
5%以上が好ましく、さらに好ましくは88%以上、特
に好ましくは90%以上である。85%未満の場合には
透明性が低く実用的でない傾向になる。全光線透過率は
ゴム状重合体の屈折率とスチレン系単量体とアクリル酸
エステル系単量体との共重合体の屈折率を実質的に同等
とすることで達成できる。
共重合樹脂中に分散するゴム状重合体の平均粒子径は
0.2〜2μmであることが好ましい。本発明の平均粒
子径とは、樹脂の超薄切片法透過型電子顕微鏡写真よ
り、写真中の粒子約1000個の粒子径(=(長径+短
径)/2)を測定し、次式数1により得られる平均粒子
径とする。
合型反応器の撹拌数等で制御できる。
ム変性共重合樹脂は、必要に応じて酸化防止剤、耐候
剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油、難燃剤
等の添加剤を添加することができ、製造時任意の段階で
添加することができる。添加剤を添加する方法について
は特に規定はないが、たとえば、重合時添加する方法や
押出機にて溶融混練する方法等があげられる。
ム変性共重合樹脂は、射出成形、押出成形、圧縮成形、
真空成形等の公知の方法により各種成形体に加工され実
用に供される。
が、本発明はこれらの例によって限定されるものではな
い。
拌機を付した容積約15Lの第2完全混合型反応器、容
積約40Lの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付し
た脱揮槽を直列に接続して構成した。ゴム状重合体とし
て旭化成社製タフデン2000A(スチレン−ブタジエ
ンゴム、スチレン含量が25質量%、温度25℃におけ
る5質量%スチレン溶液粘度50cp、1,2−ビニル
結合の割合13.9モル%)を8質量部、スチレン41
質量部、メタクリル酸メチル(以下MMA)59質量部
で構成する単量体溶液に対し、エチルベンゼン15質量
部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネー
ト(1時間半減期温度:118℃)0.03質量部、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネートを0.1質量部を混合
し原料溶液とした。この原料溶液を毎時6.9kgで温
度110℃に制御した第1完全混合型反応器に連続的に
供給した。第1完全混合型反応器における樹脂分は1
2.2質量%であり、ゴム状重合体が分散相となってい
ないことを確認した。この重合液を第1完全混合型反応
器より連続的に抜き出しながら、温度130℃に制御し
た第2完全混合型反応器に供給した。第2完全混合型反
応器にはt−ドデシルメルカプタンをゴム状重合体、ス
チレン、MMAの合計100質量部に対し、0.1質量
部連続的に添加した。第2完全混合型反応器における樹
脂分は34.4質量%であり、ゴム状重合体が分散相と
なっていることを確認した。また、第2完全混合型反応
器における粘度は、1.5Pa・sであった。次にこの
重合液を第2完全混合型反応器より連続的に抜き出しな
がら、流れの方向に向かって温度130℃から150℃
の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器
に導入した。塔式プラグフロー型反応器出口における樹
脂分は73.7質量%であった。この重合液を予熱器で
加温しながら、1.3kPaに減圧した脱揮槽に導入
し、揮槽内温度230℃にて未反応単量体等の揮発分を
除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストラ
ンド状に押出し切断することによりペレット形状のゴム
変性共重合樹脂を得た。表1に物性評価結果を示した。
実施例1と同様に行った。第1完全混合型反応器におけ
る樹脂分は16.5質量%であり、ゴム状重合体が分散
相となっていないことを確認した。第2完全混合型反応
器における樹脂分は37.6質量%であり、ゴム状重合
体が分散相となっていることを確認した。また、第1完
全混合型反応器における粘度は、2.0Pa・sであっ
た。塔式プラグフロー型反応器出口における樹脂分は7
6.1質量%であった。表1に物性評価結果を示した。
ラグフロー型反応器を流れの方向に向かって135℃か
ら150℃の勾配がつくように調整した以外は実施例1
と同様に行った。第2完全混合型反応器における樹脂分
は38.4質量%であり、ゴム状重合体が分散相となっ
ていることを確認した。また、第2完全混合型反応器に
おける粘度は、2.0Pa・sであった。塔式プラグフ
ロー型反応器出口における樹脂分は76.9質量%であ
った。表1に物性評価結果を示した。
くように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した
以外は実施例1と同様に行った。第2完全混合型反応器
における樹脂分は34.4質量%であり、ゴム状重合体
が分散相となっていることを確認した。また、第2完全
混合型反応器における粘度は、1.5Pa・sであっ
た。塔式プラグフロー型反応器出口における樹脂分は7
8.8質量%であった。表1に物性評価結果を示した。
加しなかった以外は実施例1と同様に行った。第2完全
混合型反応器における粘度は、3.7Pa・sであっ
た。塔式プラグフロー型反応器出口における樹脂分は7
4.0質量%であった。表2に物性評価結果を示した。
合型反応器に直接供給した以外は実施例1と同様に行っ
た。第2完全混合型反応器における樹脂分は29.5質
量%であり、ゴム状重合体が分散相となっていることを
確認した。また、第2完全混合型反応器における粘度
は、1.0Pa・sであった。塔式プラグフロー型反応
器出口における樹脂分は70.6質量%であった。表2
に物性評価結果を示した。
チレン−ブタジエンゴム、スチレン含量が40質量%、
25℃における5質量%スチレン溶液粘度33cp、
1,2−ビニル結合の割合13.9モル%)を8質量
部、スチレン56質量部、MMA39質量部、n−ブチ
ルアクリレート(以下n−BA)5重量部で構成する単
量体溶液を用いた以外は実施例1と同様に行った。な
お、第2完全混合型反応器に添加したt−ドデシルメル
カプタンは、ゴム状重合体、スチレン、MMA、n−B
Aの合計100質量部に対し、0.1質量部とした。第
1完全混合型反応器における樹脂分は14.5質量%で
あり、ゴム状重合体が分散相となっていないことを確認
した。第2完全混合型反応器における樹脂分は36.7
質量%であり、ゴム状重合体が分散相となっていること
を確認した。また、第2完全混合型反応器における粘度
は、4.0Pa・sであった。塔式プラグフロー型反応
器出口における樹脂分は75.4質量%であった。表2
に物性評価結果を示した。
型反応器より塔式プラグフロー型反応器に供給した以外
は実施例1と同様に行った。塔式プラグフロー型反応器
出口における樹脂分は65.1質量%であった。表3に
物性評価結果を示した。
ラグフロー型反応器を流れの方向に向かって140℃か
ら150℃の勾配がつくように調整した以外は実施例1
と同様に行った。第2完全混合型反応器における樹脂分
は46.3質量%であり、ゴム状重合体が分散相となっ
ていることを確認した。また、第2完全混合型反応器に
おける粘度は、2.0Pa・sであった。塔式プラグフ
ロー型反応器出口における樹脂分は80.1質量%であ
った。表3に物性評価結果を示した。
がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入
した以外は実施例1と同様に行った。塔式プラグフロー
型反応器出口における樹脂分は68.9質量%であっ
た。表3に物性評価結果を示した。
用いて、シリンダー温度230℃で厚さ1mm、2m
m、3mmの3段プレートを成形した。この3段プレー
トの2mm部を用い、ASTM D1003に準拠し、
日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−1001
DP型)を用いて全光線透過率及び曇価を測定した(単
位:%)。 (2)耐衝撃性 東芝機械(株)社製射出成形機(IS−80CNV)を
用いて、シリンダー温度200℃で12.7×64×
6.4mm寸法の試験片を成形した。この試験片を用
い、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃強度
を測定した(単位:J/m)。 (3)剛性 東芝機械(株)社製射出成形機(IS−80CNV)を
用いて、シリンダー温度200℃で12.7×127×
6.4mm寸法の試験片を成形した。この試験片を用
い、ASTM D790に準拠して曲げ強度及び曲げ弾
性率を測定した(単位:MPa)。 (4)ゴム粒子の平均粒子径 オスミウム酸で染色した樹脂の超薄切片法透過型電子顕
微鏡写真より、写真中の粒子約1000個の粒子径(=
(長径+短径)/2)を測定し、次式数2により得られる
平均粒子径として求めた。粒子径の計測には、画像処理
測定装置Carl Zeiss Vision社製KS
400を使用した。
共重合樹脂に係わる実施例は、いずれも透明性が良好
で、かつ耐衝撃性と剛性のバランスに優れたが、本発明
の条件に合わない製造方法に係わる比較例では、透明
性、耐衝撃性、剛性のうちいずれかの物性において劣る
ものであった。
撃性と剛性のバランスが良好であり、家電製品、包装材
料を始め様々な用途に有用である透明なゴム変性共重合
樹脂を効率よく得る事ができる。
Claims (6)
- 【請求項1】ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合して得
られるゴム変性共重合樹脂の製造方法であって、少なく
とも1基の完全混合型反応器を使用し少なくとも1基の
完全混合型反応器内の樹脂分が45質量%未満の領域で
ゴム状重合体を分散相とし、かつ少なくとも1基のプラ
グフロー型反応器を使用し少なくとも一基のプラグフロ
ー型反応器の出口における樹脂分が70質量%以上であ
ることを特徴とする透明なゴム変性共重合樹脂の製造方
法。 - 【請求項2】ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量
体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合して得
られる厚み2mm部における全光線透過率が85%以上
のゴム変性共重合樹脂の製造方法であって、少なくとも
1基の完全混合型反応器を使用し少なくとも1基の完全
混合型反応器内の樹脂分が45質量%未満の領域でゴム
状重合体を分散相とし、かつ少なくとも1基のプラグフ
ロー型反応器を使用し少なくとも一基の該プラグフロー
型反応器出口における樹脂分が70質量%以上であるこ
とを特徴とする透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法。 - 【請求項3】樹脂分が10質量%以上にゴム状重合体を
分散相とすることなく重合した後、重合液をゴム状重合
体を分散相とする完全混合型反応器に導入することを特
徴とする請求項1または請求項2記載の透明なゴム変性
共重合樹脂の製造方法。 - 【請求項4】樹脂分が10質量%以上にゴム状重合体を
分散相とすることなく重合した後、重合液を少なくとも
1基の完全混合型反応器に導入し該完全混合型反応器内
の樹脂分が45質量%未満の領域でゴム状重合体を分散
相とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
れか1項記載の透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法。 - 【請求項5】ゴム状重合体を分散相とする完全混合型反
応器内の粘度が、50Pa・s以下であることを特徴と
する請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の透明な
ゴム変性共重合樹脂の製造方法。 - 【請求項6】ゴム状重合体を分散相とする完全混合型反
応器内に連鎖移動剤をスチレン系単量体、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体、ゴム状重合体の合計100質
量部に対し、0.001〜1質量部添加することを特徴
とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の透明
なゴム変性共重合樹脂の製造方法。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2009227997A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-10-08 | Kuraray Co Ltd | メタクリル系樹脂組成物の製造方法 |
JP2009227999A (ja) * | 2008-02-28 | 2009-10-08 | Kuraray Co Ltd | メタクリル系樹脂組成物の製造方法 |
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