JP2001089620A - ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物

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JP2001089620A
JP2001089620A JP26684599A JP26684599A JP2001089620A JP 2001089620 A JP2001089620 A JP 2001089620A JP 26684599 A JP26684599 A JP 26684599A JP 26684599 A JP26684599 A JP 26684599A JP 2001089620 A JP2001089620 A JP 2001089620A
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rubber
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Norihiro Shimizu
紀弘 清水
Taro Inada
太郎 稲田
Atsushi Watanabe
淳 渡邊
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた外観と高い耐衝撃性・剛性を併せ持
つ、成形加工性の良好な、しかも従来のものに比べて限
りなくゴム分の少ないゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】芳香族ビニルポリマーのマトリックス中
に、芳香族ビニルポリマーが取り込まれたゴム粒子が分
散してなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物であって、
つぎのA〜Cを満たすことを特徴とする該ゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物。A.スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体に由来するスチレン成分と、芳香族ビニルモ
ノマーの重合によって生成する芳香族ビニルポリマーに
由来する芳香族ビニル成分の合計量が98〜90重量
%、B.ゴムに由来するブタジエン成分量がゴム変性芳
香族ビニル樹脂組成物量を基準にして2〜10重量%、
C.マトリックス相中にグラフト化ゴム粒子がカプセル
粒子形態で分散しており、1.0〜3.0μmの体積平
均粒子径を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム状重合体を分
散粒子として含有するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
に関する。具体的に言えば、本発明は芳香族ビニルポリ
マーのマトリックス相中に分散したグラフト化したゴム
粒子が従来に無い巨大なカプセル形態(当業技術では
「単一吸蔵」、「コアーシェル」または「オニオン」形
態とも呼ばれている)を示し、従来のサラミゴム形態
(グラフト化ゴム分散粒子中に気泡のような状態で芳香
族ビニルポリマーが内包されていることから「気泡状形
態」とも呼ばれる)を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂
組成物に比べ、著しいゴム効率を発現するゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、芳香族ビニルポリマーの耐衝撃性
を改良する目的で、ゴムの存在下に芳香族ビニルモノマ
ーを重合させることにより、該ゴムに芳香族ビニルモノ
マーが一部グラフト重合されるとともに、芳香族ビニル
モノマーの残部が芳香族ビニルポリマーとなって、グラ
フト化されたゴムと芳香族ビニルポリマーとが混在した
状態のいわゆるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物とする
ことが広く行われている。ゴム変性芳香族ビニル樹脂組
成物は芳香族ビニルポリマーマトリックス中に分散した
状態のグラフト化ゴム粒子が存在し、該ゴム粒子は通常
はいわゆるサラミ形態である。ゴム変性芳香族ビニル樹
脂組成物は耐衝撃性芳香族ビニル樹脂組成物とも称され
る。重合法として塊状重合法あるいは塊状・懸濁重合法
が一般的に行われている。
【0003】ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物はテレ
ビ、ラジオ、ビデオ、クリーナーなどの家電用電気製品
のハウジングや電気冷蔵庫の内箱の素材などとして広く
使用されている。この場合、実用上耐衝撃性に優れるこ
とはもちろんであるが、同時にゴム分が存在することに
より損なわれる剛性低下や、溶融粘度上昇などに由来す
る成形加工性、耐熱性の低下、難燃剤配合時における耐
熱性の低下、さらには原材料のコストアップなどの問題
点もあり、この改善が望まれており、その究極の改善案
として、特に限りなく少ないゴム量で同様の実用上耐衝
撃性を得る技術開発が望まれていた。
【0004】一方、ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の
外観特性、表面光沢を改良する方法の一つとして、耐衝
撃性改質剤として加えられているゴムとしてスチレン−
ブタジエンブロック共重合体を用いる方法が知られてい
る。例えば、特公昭40−17492号公報には、ポリ
スチレンからなるブロックA(平均分子量5,000〜
60,000)およびポリブタジエンからなるブロック
B(平均分子量60,000〜500,000)からな
る、一般式A−B、A−B−Aで示される結合スチレン
含量2〜40重量%、固有粘度約1〜5dl/g(温度
25℃においてトルエン中で測定)を有するスチレン−
ブタジエンブロック共重合体1〜20重量%を用い、該
ブロック共重合体と芳香族ビニルモノマー99〜80重
量%との混合物を塊状重合することによって、芳香族ビ
ニルポリマーからなるマトリックス相中に分散されたグ
ラフト化ゴム粒子がサラミ形態ではなくカプセル形態を
示すゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を製造する方法が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、確か
に、このようなブロック共重合体をゴム状重合体として
用いた場合、ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の表面光
沢、剛性は大幅に改良されるが、ポリブタジエンゴムを
ゴム重合体として用いた場合に比べ、芳香族ビニルポリ
マーのマトリックス相中に分散されたグラフト化ゴム粒
子径が大きくても0.2〜0.4μm以下の小粒子径で
あることから、この方法で得られたゴム変性芳香族ビニ
ル樹脂組成物は、耐衝撃性と剛性、外観のバランスが不
十分であり、とくに耐衝撃性が著しく劣るという問題が
あった。このように、ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
においては、成形加工性、表面光沢などの外観に優れ、
しかも耐衝撃性と剛性が高いレベルでバランスに優れた
該樹脂組成物の開発が望まれており、極論として限りな
く少量のゴム分であっても上述の優れた特性を有するゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂組成物の開発が望まれていた。
従って、本発明の目的は、特に優れた外観と高い耐衝撃
性・剛性を併せ持つ、成形加工性の良好な、しかも従来
のものに比べて限りなくゴム分の少ないゴム変性芳香族
ビニル樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、鋭意検討した結果、従来のゴム変性芳香族ビ
ニル樹脂組成物として市販されている、すなわち、芳香
族ビニルポリマーマトリックス相中に分散されているグ
ラフト化ゴム粒子がサラミ形態を示す該樹脂組成物と比
較し、グラフト化ゴム粒子が特定のモルフォロジーと、
該モルフォロジーを有するものとしては従来知られてい
なかった巨大な粒子径を有するゴム変性芳香族ビニル樹
脂組成物が、少ないゴム分の含量であっても耐衝撃性に
優れ、しかも耐衝撃性・剛性、および外観が高いレベル
でバランスに優れることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】さらに詳しく説明すると、グラフト化ゴム
粒子が従来のサラミ形態ではグラフト化ゴム粒子内に気
泡のような状態で芳香族ビニルポリマーを内包したゴム
分が存在するが、カプセル形態のグラフト化ゴム粒子で
は芳香族ビニルポリマーは内包されていてもゴム分は内
包されず、従来はこのようなカプセル形態のグラフト化
ゴム粒子としてはごく微小なサイズのものしか得られて
いなかった。本発明者らはしかし大粒子径に属するサラ
ミ形態のグラフト化ゴム粒子径と同サイズの、しかしカ
プセル粒子形態としては巨大な粒子径のカプセル形態の
グラフト化ゴム粒子を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂
組成物を得ることに成功し、この結果同サイズのサラミ
形態のグラフト化ゴム粒子を有するゴム変性芳香族ビニ
ル樹脂組成物に比べ、従来ゴムの存在ゆえに低下がもた
らされた剛性が向上し、溶融粘度が低下するなどから成
形品の薄肉化や成形サイクルの短縮など成形加工性が著
しく改善され、かつ樹脂組成物自体および難燃剤配合時
における該配合樹脂組成物の耐熱性の向上が図られるこ
とを見出し、さらには同様のグラフト化ゴム粒子径であ
りながら、少ないゴム分のカプセル形態であることで原
材料のコストダウンも図れることも見出し、前記の目的
を達成した。
【0008】即ち本発明は、芳香族ビニルポリマーのマ
トリックス相中に、芳香族ビニルポリマーが取り込まれ
たゴム粒子が分散してなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組
成物であって、つぎの(A)〜(C)の規定を満たすこ
とを特徴とする該ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物であ
る。 (A)スチレン−ブタジエンブロック共重合体に由来す
るスチレン成分と、芳香族ビニルモノマーの重合によっ
て生成する芳香族ビニルポリマーに由来する芳香族ビニ
ル成分の合計量が98〜90重量%、(B)ゴムに由来
するブタジエン成分の量が2〜10重量%、(C)芳香
族ビニルポリマーのマトリックス相中に分散したグラフ
ト化されたゴム粒子がカプセル粒子形態で、かつ1.0
〜3.0μmの体積平均粒子径を有する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を構成する芳香族ビニ
ルポリマー成分は、スチレンの他、α−メチルスチレ
ン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキ
ル置換スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレンのような
核アルキル置換スチレン、o−クロロスチレン、m−ク
ロロスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレ
ン、2−メチル−4−クロロスチレン、2,4−ジブロ
モスチレンのような核ハロゲン化スチレン、ビニルナフ
タレン等の多環芳香族ビニルから選ばれる1種または2
種以上からなる。これらの内、好ましくはスチレンの単
独もしくは、その一部をスチレン以外の上記ビニル芳香
族ビニル化合物で置き換えたポリマー成分である。
【0010】また、この芳香族ビニルポリマー成分は、
ブタジエンを除く他の共重合可能なポリマー成分を芳香
族ビニルポリマー成分の一部代替として含んでもよい。
例えばアクリロニトリル、メタクリルニトリル、フマロ
ニトリル、マレオニトリル、α−クロロアクリロニトリ
ル等のシアン化ビニルやメタクリル酸メチルなどのメタ
クリル酸エステル、アクリル酸メチルなどのアクリル酸
エステル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン
酸、フェニルマレイミドなどのマレイミド、酢酸ビニ
ル、ジビニルベンゼン等の1種以上がこれらポリマー成
分として挙げられる。しかし、これら代替ポリマー成分
の量は本発明のゴム変性スチレン樹脂組成物の規定する
組成、粒子形態およびその性能を当然損なわない範囲に
留める必要がある。
【0011】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
は、ゴムに由来するブタジエン成分の量をゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物の全重量を基準にして好ましくは2
〜10重量%、さらに好ましくは3〜8重量%含有す
る。ブタジエン成分量が2重量%未満では耐衝撃性が不
足し、10重量%を超えると耐衝撃性と剛性のバランス
が劣り、またゴム分が有効に働かなくなるにもかかわら
ずコストアップとなるので好ましくない。ブタジエン成
分の含有量はハロゲン付加法として公知の測定法により
求められる。
【0012】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
において、芳香族ビニルポリマーのマトリックス相は重
量平均分子量(Mw)が130,000〜250,00
0、数平均分子量(Mn)が40,000〜120,0
00、Mw/Mnが1.8〜4.8が好ましい。この範
囲であれば、グラフト化されたゴム粒子のカプセル形
態、および1.0〜3.0μmの体積平均粒子径が安定
して得やすい。ここでMw、およびMnは芳香族ビニル
ポリマーに対して良溶媒であるトルエン溶解分別法で分
離した芳香族ビニルポリマー分をGPCを用いて測定す
る公知の方法で求めた。
【0013】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
は、グラフト化されたゴム粒子の体積平均粒子径が前記
のとおり1.0〜3.0μm、好ましくは1.5〜2.
5μmの範囲である。1.0μmより小さいと耐衝撃性
が充分でなく、3.0μmより大きいと表面光沢が低下
するのでやはり好ましくない。なお、ここでいう体積平
均粒子径とは、LS−230型分散粒子径測定器(米国
コールター社製)により、ジメチルホルムアミドを分散
剤として測定した体積平均粒子径をいう。
【0014】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
は例えば以下の方法によって得られる。まず所定量のゴ
ム、即ちポリブタジエンとスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体とを芳香族ビニルモノマーと、必要に応じこ
れに重合溶媒を加え溶解して原料溶液とし、芳香族ビニ
ルモノマーの重合に通常用いられるラジカル系開始剤の
存在下もしくは非存在下でこの原料溶液を第1の撹拌付
き反応器に供給し充分撹拌しながら重合を進める。重合
温度はゴム変性芳香族ビニル樹脂の流動性、生産性、反
応器の除熱能力等を考慮して決定することができる。重
合転化率が大体15〜35重量%進んだところで相反転
現象が見られる。相反転終了後に直ちに、具体的には芳
香族ビニルモノマーの芳香族ビニルポリマーへの重合転
化率が相反転終了時からさらに1〜2重量%進むまでに
第1の反応器に連結した第2のプラグフロー型の塔式も
しくは管型反応器に該重合溶液を導入し、外部撹拌を加
えずにさらに反応を進め、最終的に転化率80重量%以
上として重合を完了する。本発明のゴム変性芳香族ビニ
ル樹脂組成物を得る上で、相反転前においては剪断応力
場で重合させ、相反転のほぼ直後からは剪断応力の存在
しない場で重合を進める点が本発明の重要な条件の一つ
である。原料溶液の供給速度は、反応温度、芳香族ビニ
ルモノマー濃度、開始剤量などによってその適性範囲が
異なり一概には決まらないので実験的に最適化を図る。
反応完了後は定法にしたがって未反応モノマー、重合溶
媒などを除去するため真空下で処理を行い、本発明のゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得る。
【0015】前記のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の
製造例において、ゴムとしてポリブタジエンとスチレン
−ブタジエンブロック共重合体を併用する方法が好まし
い。ポリブタジエンとスチレン−ブタジエンブロック共
重合体を併用して重合に供することにより生成する該樹
脂組成物に含まれるブタジエン成分量を該ゴム変性芳香
族ビニル樹脂組成物量を基準にして2〜10重量%に調
整しやすくなり、またグラフト化ゴム粒子のカプセル粒
子形態と1.0〜3.0μmの体積平均粒子径が安定し
て得られやすくなる。
【0016】ポリブタジエンは使用するうえでとくに制
限はないが、優れた耐衝撃性を得るために好ましくは
1,2−ビニル結合構造が10〜20重量%、シス1,
4−ビニル結合構造が20〜40重量%であり、温度2
5℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が25〜20
0センチポイズ、さらに好ましくは50〜180センチ
ポイズのポリブタジエンである。
【0017】スチレン−ブタジエンブロック共重合体も
とくに制限はないが、優れた耐衝撃性を得るうえで好ま
しくは数平均分子量(Mn)が100,000〜50
0,000で、ブロックスチレン部とブロックブタジエ
ン部をそれぞれもち、全スチレン量が40〜60重量%
であり、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘
度が10〜90センチポイズのスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体であり、さらに好ましくはスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体のMnが250,000〜3
50,000で、ブロックスチレン部とブロックブタジ
エン部をそれぞれもち、全スチレン量が45〜55重量
%であり、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液
粘度が20〜45センチポイズのスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体である。
【0018】また、ポリブタジエンとスチレン−ブタジ
エンブロック共重合体の好ましい使用量比は、両方の合
計量即ちゴム量に対して、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体由来のスチレン量が10〜25重量%、さら
に好ましくは13〜23重量%、とくに好ましくは15
〜20重量%になるように選ばれる。該スチレン重量が
10重量%未満ではグラフト化されたゴム粒子が本発明
のカプセル粒子形態をとり難くなりゴム効率が低下し、
表面光沢、成形加工性が劣り耐衝撃性と剛性のバランス
も損なわれ本発明の性能が得られなくなることがある。
一方、25重量%を超えるとゴム粒子はカプセル粒子形
態ではあるものの粒子径が小さくなり充分な耐衝撃性が
得られないことがある。
【0019】前記のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の
製造例において、ポリブタジエンおよびスチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体のゴム量は、最終的に得られる
該樹脂組成物中のブタジエン成分量が2〜10重量%と
なるようにその量が選ばれる。芳香族ビニルモノマーの
最終転化率によってゴムの使用量が変わってくるが、グ
ラフト化に寄与する芳香族ビニルモノマー量がそれ程多
くはないので、ゴム量と芳香族ビニルモノマー量の合計
量に対し、ブタジエン成分量として大体2〜8重量%を
目安にして重合反応に供し、生成樹脂組成物中のブタジ
エン成分量をみてその量を調整する。
【0020】前記の重合溶媒としては芳香族炭化水素
類、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼンの単独
または2種以上の混合物が挙げられる。さらに、ゴムの
溶解を損なわない範囲で、他の溶媒、例えば脂肪族炭化
水素類、ジアルキルケトン類を芳香族炭化水素類と併用
することもできる。重合溶媒を用いる場合、重合溶媒は
原料溶液中30重量%以下の濃度範囲で使用される。3
0重量%を超えると重合速度が著しく低下する。また、
溶媒の回収エネルギーが大となり経済性も劣ってくる。
重合溶媒は重合が進んで比較的高粘度の重合転化率に達
してから添加してもよく、あるいは重合前から添加して
おいてもよい。しかし重合前から添加しておく方が、品
質の均一性、重合温度制御の点で好ましい。
【0021】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
の製造において、芳香族ビニルモノマーを重合する際に
重合開始剤を用いずに110〜190℃の温度範囲で熱
重合してもよいし、重合開始剤としてラジカルを発生す
る有機過酸化物を用いて50〜180℃、好ましくは9
0〜150℃の温度範囲で重合することができる。
【0022】本発明に使用される有機過酸化物は公知の
ものでよい。例えば、2,2−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)
オクタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)パレード等のパーオ
キシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイ
ド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアル
キルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソ
ブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイ
ド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイ
ド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−イソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパー
オキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ−ミリスチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシ
ジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブ
チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネ
オデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチ
ルジパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキ
シエステル類、アセチルアセトンパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン
パーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メン
タハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン
2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−
テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイド
ロパーオキサイド類、二塩基酸のポリアシルパーオキサ
イド類、二塩基酸とポリオールとのポリパーオキシエス
テル類がある。
【0023】また、重合に際して、連鎖移動剤、例えば
メルカプタン類、α−メチルスチレンリニアダイマー、
テルビノーレン、また酸化防止剤として、ヒンダードフ
ェノール類、ヒンダードビスフェノール類、ヒンダード
トリスフェノール類等、例えば2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ートを使用してもよい。
【0024】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
には、公知の添加剤、例えば酸化防止剤として前記の酸
化防止剤や2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6
−ジメチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4
−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チ
オビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニル
フェニル)ホスファイト、ワックスなど、公知の紫外線
吸収剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレート、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフ
ェニル)ベンゾチアゾール、公知の滑剤、例えばパラフ
ィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミ
ド、メチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレ
ート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリル
アルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、
公知の難燃剤、例えば酸化アンチモン、水酸化アルミニ
ウム、硼酸亜鉛、トリクレジルホスフェート、塩素化パ
ラフィン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモブタン、
テトラブロモビスフェノールA、公知の帯電防止剤、例
えばステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシ
エチルアンモニウムニトレート、公知の着色剤、例えば
酸化チタン、カーボンブラック、その他の無機あるいは
有機顔料、公知の充填剤、例えば炭酸カルシウム、クレ
ー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等を
必要に応じて添加することができる。
【0025】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
は、他のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物、もしくは一
般用の芳香族ビニル樹脂を配合して用いることもでき
る。配合樹脂組成物とする場合、その配合割合は、光沢
性、成形加工性、耐衝撃性と剛性とのバランスを損なわ
ない範囲とする。配合方法にとくに制限はない。
【0026】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成
物、あるいは前記配合樹脂組成物の成形には公知の成形
方法が適用でき、その方法にとくに制限はない。例え
ば、押出機などで溶融、混練する方法、ペレットでブレ
ンドしてから成形機などで溶融混練後、直接成形品を得
る方法などが挙げられる。特殊な成形方法として、一方
の樹脂の成形工程中に溶融、もしくは溶解したもう一方
の樹脂を添加する方法も用いることができる。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例でさらに説明する。な
お、本発明はここに示す実施例に限定されるものではな
い。最初に、実施例および比較例において本発明に用い
た試験方法について説明する。 (i)表面光沢;JIS Z−8742 (ii)シャルピー衝撃強度;JIS K−7111
(ノッチ付き) (iii)曲げ弾性率;JIS K−7208 (iv)高温下における流動性(=MFR);JIS
K−7210 (v)落錘衝撃強度;厚さ2mmの平板を射出成形機に
より成形し、落錘グラフィックインパクトテスター(東
洋精機製作所の計装化落錘衝撃試験機の商標)を用い
て、高さ62cmより質量6.5kgの重鎮をホルダー
(径40mm)に固定した試験片平面上に自然落下さ
せ、重鎮下部に設けてあるストライカー(径12.7m
m)によって試験片を完全破壊または貫通させ、この時
に要した全エネルギー(全吸収エネルギーと称す)を測
定した。 (vi)ゴムに由来するブタジエン成分量;ハロゲン付
加法により求めた。 (vii)マトリックスポリマーのMw、Mn、及びM
w/Mn;GPC法、測定条件はつぎのとおりである。 a.装置;日立製作所製L−5030、b.カラム;東
ソー社製TSK GURDCOLUMN MP(6.0mmφ×4cm)
+TSK−GEL MULTIPORE HXL-M(7.8mmφ×30
cm)2本、c.溶媒(移動相);THF、d.流速;
1.0ml/min、e.温度;40℃、f.検出器;
RI及びUV、g.データ処理装置;システムインスツ
ルメンツ社製SIC480データステーション
【0028】実施例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A、温度2
5℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が170セン
チポイズ)3.2重量%とスチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体(日本ゼオン社製SN442、スチレン含量
49重量%、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶
液粘度が35センチポイズ)1.6重量%をスチレンモ
ノマー94.2重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解
した溶液100重量部とt−ドデシルメルカプタン0.
04重量部からなる溶液を第1反応器に連続的に送入
し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rp
mとして重合反応して相反転を生じるまで反応を進め
た。このとき反応転化率は19重量%であった。引き続
き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロー
型反応器に連続的に送入して相反転直後の反応溶液を撹
拌を加えずに温度125℃でさらに重合を進めた。重合
率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その
溶液をベント式押出機に供給して230℃、減圧下で揮
発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出
し、水冷し、カッターにて切断してペレット状のゴム変
性芳香族ビニル樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
のグラフト化ゴム粒子はカプセル形態であり、体積平均
粒子径は2.1μm、ブタジエン成分量は5.0重量%
であった。
【0029】実施例1で得られたゴム変性芳香族ビニル
樹脂組成物のペレットを新潟鉄工所製2オンス射出成形
機SN−51Bにて、成形温度230℃で所定の厚みの
平板を成形し、前記試験に供した。以下に記す比較例1
〜5においても同様に平板を成形した。
【0030】比較例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)4.8
重量%をスチレンモノマー94.2重量%とエチルベン
ゼン1重量%に溶解した溶液100重量部と1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシル)3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン0.015重量部、およびt−ドデシル
メルカプタン0.04重量部とからなる溶液を第1反応
器に連続的に送入し、温度125℃の重合温度で攪拌機
の回転数を100rpmとして重合反応して相反転を生
じるまで反応を進めた。引き続き第1反応器に連結した
第2反応器であるプラグフロー型反応器に連続的に全量
送入して温度125℃でさらに重合を進めた。第2反応
器には流れ方向に対して直角方向に剪断力を与える撹拌
機が備えられており、回転数を30rpmとした。重合
率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その
溶液をベント式押出機に供給して230℃、減圧下で揮
発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出
し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂組
成物を得た。得られた樹脂組成物はサラミ形態であり、
体積平均粒子径は実施例1で得られた樹脂と同様2.1
μm、ブタジエン成分量は6.0重量%であった。
【0031】比較例2 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)4重量
%をスチレンモノマー95重量%とエチルベンゼン1重
量%に溶解した溶液100重量部と、t−ドデシルメル
カプタン0.04重量部および1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシル)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン0.015重量部とからなる溶液を第1反応器に連続
的に送入し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を1
00rpmとして相反転を生じるまで反応を進めた。引
き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフ
ロー型反応器に連続的に全量送入して温度125℃でさ
らに重合を進めた。第2反応器には流れ方向に対して直
角方向に剪断力を与える撹拌機が備えられており、回転
数を30rpmとした。重合率80重量%まで重合した
ところで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供
給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスか
ら溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切
断してペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物はサラミ形態であり、体積平均粒子径は実施例1で
得られた樹脂組成物と同様2.1μm、ブタジエン成分
量は5.0重量%であった。
【0032】比較例3 スチレン−ブタジエンブロックゴム(旭化成社製アサプ
レン670A;スチレン含量40重量%)8重量%をス
チレンモノマー91重量%とエチルベンゼン1重量%に
溶解した溶液100重量部と、t−ドデシルメルカプタ
ン0.04重量部とからなる溶液を第1反応器に連続的
に送入し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を12
0rpmとして重合反応して相反転を生じるまで反応を
進めた。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であ
るプラグフロー型反応器に連続的に全量送入して温度1
25℃でさらに重合を進めた。第2反応器には流れ方向
に対して直角方向に剪断力を与える撹拌機が備えられて
おり、回転数を30rpmとした。重合率80重量%ま
で重合したところで重合を終了し、その溶液をベント式
押出機に供給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去
しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッ
ターにて切断してペレット状の樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物はカプセル形態であり、体積平均粒子径
は0.3μm、ブタジエン成分量は6.0重量%であっ
た。
【0033】比較例4 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)3.2
重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(日本
ゼオン社製SN442)1.6重量%をスチレンモノマ
ー94.2重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した
溶液100重量部とt−ドデシルメルカプタン0.04
重量部からなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、1
25℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rpmとし
て重合反応して相反転を生じる少し前まで反応を進め
た。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプ
ラグフロー型反応器に連続的に送入して撹拌を加えずに
温度125℃でさらに重合を進めた。相反転は観察され
ずに重合率80重量%まで重合したところで重合を終了
し、その溶液をベント式押出機に供給して温度230
℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストラ
ンドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレッ
ト状のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得た。得られ
た樹脂組成物のグラフト化ゴム粒子は明確な輪郭を有さ
なかった。ブタジエン成分量は5.0重量%であった。
【0034】比較例5 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)3.2
重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(日本
ゼオン社製SN442)1.6重量%をスチレンモノマ
ー94.2重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した
溶液100重量部とt−ドデシルメルカプタン0.04
重量部からなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、1
25℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rpmとし
て重合反応して相反転を生じるまで反応を進めた。引き
続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロ
ー型反応器に連続的に全量送入して温度125℃でさら
に重合を進めた。第2反応器には流れ方向に対して直角
方向に剪断力を与える撹拌機が備えられており、回転数
を30rpmとした。重合率80重量%まで重合したと
ころで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供給
して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから
溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断
してペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成
物はカプセル形態であり、体積平均粒子径は0.4μ
m、ブタジエン成分量は5.0重量%であった。
【0035】実施例1および比較例1〜5で得られたゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂組成物の物性、性状を表1に示
した。本発明の実施例1で得られたゴム変性芳香族ビニ
ル樹脂組成物は大きなカプセル形態のグラフト化ゴム粒
子を有し、表面光沢が25%と、同様粒子径のサラミ形
態の粒子形態のグラフト化ゴム粒子を有する比較例1な
いし2のそれぞれ9%、16%に比べて著しく良好であ
った。また、比較例1〜5と比較して、シャルピー衝撃
強度、落錘衝撃吸収エネルギーで表した耐衝撃性も優
れ、曲げ弾性率も含めたバランスが良好であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成
物は、外観、成形加工性、耐衝撃性、剛性に優れそのバ
ランスが良好である。高価なゴム量も少量でよい点でコ
スト的にも有利であり、その工業的利用価値は極めて大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のゴム変性芳香族ビニル組成
物中の分散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説
明するための透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8
400倍)である。
【図2】比較例1のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分
散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するた
めの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400
倍)である。
【図3】比較例2のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分
散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するた
めの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400
倍)である。
【図4】比較例3のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分
散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するた
めの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400
倍)である。
【図5】比較例4のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分
散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するた
めの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400
倍)である。
【図6】比較例5のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分
散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するた
めの透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400
倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA22 AA77 AA80 AA81 BA01 BB05 4J002 BC031 BC061 BC071 BC081 BC091 BC111 BN142 BN152 BN162 4J026 AA67 AA68 AA69 AA71 BA05 BA06 BA27 BA31 BA32 DB02 DB13 DB31 DB40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニルポリマーのマトリックス相
    中に、芳香族ビニルポリマーが取り込まれたゴム粒子が
    分散してなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物であっ
    て、つぎの(A)〜(C)の規定を満たすことを特徴と
    する該ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。 (A)スチレン−ブタジエンブロック共重合体に由来す
    るスチレン成分と、芳香族ビニルモノマーの重合によっ
    て生成する芳香族ビニルポリマーに由来する芳香族ビニ
    ル成分の合計量が98〜90重量%、(B)ゴムに由来
    するブタジエン成分の量が2〜10重量%、(C)芳香
    族ビニルポリマーのマトリックス相中に分散したグラフ
    ト化されたゴム粒子がカプセル粒子形態で、かつ1.0
    〜3.0μmの体積平均粒子径を有する。
  2. 【請求項2】 芳香族ビニルポリマーがポリスチレンで
    あり、かつゴムがポリブタジエンおよびスチレン−ブタ
    ジエンブロック共重合体からなることを特徴とする請求
    項1記載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 芳香族ビニルポリマーのマトリックスが
    130,000〜250,000の範囲の重量平均分子
    量(Mw)、40,000〜120,000の数平均分
    子量(Mn)、および1.8〜4.8のMw/Mn比を
    もつことを特徴とする請求項1記載のゴム変性芳香族ビ
    ニル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を成形してなる
    成形品。
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