JP4260304B2 - ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ビニルポリマーマトリックス中に、芳香族ビニルポリマーが取り込まれたゴム粒子が分散してなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法に関する。さらに具体的に言えば、本発明は分散したグラフト化ゴム粒子が従来に無い巨大なカプセル形態(当業技術では「単一吸蔵」、「コアーシェル」または「オニオン」形態とも呼ばれている)を示し、従来のサラミゴム形態(グラフト化ゴム分散粒子中に気泡のような状態で芳香族ビニルポリマーが内包されていることから「気泡状形態」とも呼ばれる)を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物に比べ、著しいゴム効率を発現するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、芳香族ビニルポリマーの耐衝撃性を改良する目的で、ゴムの存在下に芳香族ビニルモノマーを重合させることにより、該ゴムに芳香族ビニルモノマーが一部グラフト重合されるとともに、芳香族ビニルモノマーの残部が芳香族ビニルポリマーとなって、グラフト化されたゴムと芳香族ビニルポリマーとが混在した状態のいわゆるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物とすることが広く行われている。ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物は芳香族ビニルポリマーのマトリックス相中に分散した状態のグラフト化ゴム粒子が存在し、該ゴム粒子は通常はいわゆるサラミ形態を有する。
ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物は耐衝撃性芳香族ビニル樹脂組成物とも称される。重合法として塊状重合法あるいは塊状・懸濁重合法が一般的に行われている。
【0003】
ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物はテレビ、ラジオ、ビデオ、クリーナーなどの家電用電気製品のハウジングや電気冷蔵庫の内箱の素材などとして広く使用されている。この場合、実用上耐衝撃性に優れることはもちろんであるが、同時にゴム分が存在することにより損なわれる剛性低下や、溶融粘度上昇などに由来する成形加工性、耐熱性の低下、難燃剤配合時における耐熱性の低下、さらには原材料のコストアップなどの問題点もあり、この改善が望まれており、その究極の改善案として、特に限りなく少ないゴム量で同様の実用上耐衝撃性を得る技術開発が望まれていた。
【0004】
一方、ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の外観特性、表面光沢を改良する方法の一つとして、耐衝撃性改質剤として加えられているゴムとしてスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用いる方法が知られている。例えば、特公昭40−17492号公報には、ポリスチレンからなるブロックA(平均分子量5,000〜60,000)およびポリブタジエンからなるブロックB(平均分子量60,000〜500,000)からなる、一般式A−B、A−B−Aで示される結合スチレン含量2〜40重量%、固有粘度約1〜5dl/g(温度25℃においてトルエン中で測定)を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体1〜20重量%を用い、該ブロック共重合体と芳香族ビニルモノマー99〜80重量%との混合物を塊状重合することによって、芳香族ビニルポリマーからなるマトリックス相中に分散されたグラフト化ゴム粒子がサラミ形態ではなくカプセル形態を示すゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を製造する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、確かに、このようなブロック共重合体をゴム状重合体として用いた場合、ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の表面光沢、剛性は大幅に改良されるが、ポリブタジエンゴムをゴム重合体として用いた場合に比べ、芳香族ビニルポリマーのマトリックス相中に分散されたグラフト化ゴム粒子径が大きくても0.2〜0.4μm以下の小粒子径であることから、この方法で得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物は、耐衝撃性と剛性、外観のバランスが不十分であり、とくに耐衝撃性が著しく劣るという問題があった。
このように、ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物においては、成形加工性、表面光沢などの外観に優れ、しかも耐衝撃性と剛性が高いレベルでバランスに優れた該樹脂組成物の開発が望まれており、極論として限りなく少量のゴム分であっても上述の優れた特性を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の開発が望まれていた。本発明の目的は、特に優れた外観と高い耐衝撃性・剛性を併せ持つ、成形加工性の良好な、しかも従来のものに比べて限りなくゴム分の少ないゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法である。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、かかる現状に鑑み、鋭意検討した結果、従来のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物として市販されている、すなわち、芳香族ビニルポリマーマトリックス相中に分散されているグラフト化ゴム粒子がサラミ形態を示す該樹脂組成物と比較し、グラフト化ゴム粒子が特定のモルフォロジーと、該モルフォロジーを有するものとしては従来知られていなかった巨大な粒子径を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物をある特定の製造方法をもって初めて得ることができたものであり、該樹脂組成物が少ないゴム分の含量であっても耐衝撃性に優れ、しかも耐衝撃性・剛性、および外観が高いレベルでバランスした優れたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物であることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
さらに詳しく説明すると、グラフト化ゴム粒子が従来のサラミ形態ではグラフト化ゴム粒子内に気泡のような状態で芳香族ビニルポリマーを内包したゴム分が存在するが、カプセル形態のグラフト化ゴム粒子では芳香族ビニルポリマーは内包されていてもゴム分は内包されず、従来はこのようなカプセル形態のグラフト化ゴム粒子としてはごく微小なサイズのものしか得られていなかった。本発明者らはしかし大粒子径に属するサラミ形態のグラフト化ゴム粒子径と同サイズの、しかしカプセル粒子形態としては巨大な粒子径のカプセル形態のグラフト化ゴム粒子を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物が得られる特定の製造方法を見出し、得られた該樹脂組成物が従来の同サイズのサラミ形態のグラフト化ゴム粒子を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物に比べ、従来ゴムの存在ゆえに低下がもたらされた剛性が向上し、溶融粘度が低下するなどから成形品の薄肉化や成形サイクルの短縮など成形加工性が著しく改善され、かつ樹脂組成物自体および難燃剤配合時における該配合樹脂組成物の耐熱性の向上が図られることを見出し、さらには同様のグラフト化ゴム粒子径でありながら、少ないゴム分のカプセル形態であることで原材料のコストダウンも図れることも見出し、前記の目的を達成した。
【0008】
即ち本発明は、芳香族ビニルポリマーのマトリックス相中に、芳香族ビニルポリマーが取り込まれたゴム粒子が分散してなるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法に関する。本発明の製造方法は、(i)ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体をゴムとして用い、スチレン−ブタジエンブロック共重合体に由来するスチレン成分量がゴム量全体の10〜25重量%になるよう各ゴムの比率を選び、(ii)該ゴムに由来するブタジエン成分の割合が2〜10重量%になるように芳香族ビニルモノマーを加えてこれを溶解し、必要に応じてこれに溶媒を溶液全体中の割合で30重量%以下加えた原料溶液を、(iii)第1の撹拌機付き反応器に導入して充分撹拌しながら相反転が生じるまで重合を進め、次いで、(iv)前記第1の反応器に連結したプラグフロー型の第2の反応器中に相反転直後の該重合液を導入し、以降は外部撹拌を加えずにさらに重合を進めて、(v)最終的に転化率を75重量%以上とすることを特徴とするゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法である。
【0009】
本発明の製造方法によって、大粒子径に属するサラミ形態のグラフト化ゴム粒子径と同サイズの、しかしカプセル粒子形態としては巨大な粒子径のカプセル形態のグラフト化ゴム粒子を有するゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得ることができる。本発明の製造方法によればつぎの(A)〜(C)の規定を満たすゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得ることができ、これは本発明の課題に叶う一層好ましいゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物である。
(A)スチレン−ブタジエンブロック共重合体に由来するスチレン成分と、芳香族ビニルモノマーの重合によって生成する芳香族ビニルポリマーに由来する芳香族ビニル成分の合計量が98〜90重量%、(B)ゴムに由来するブタジエン成分の量が2〜10重量%、(C)芳香族ビニルポリマーのマトリックス相中に分散したグラフト化されたゴム粒子がカプセル粒子形態で、かつ1.0〜3.0μmの体積平均粒子径を有する。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造に用いる芳香族ビニルモノマーとしては、スチレンの他、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレンのような核アルキル置換スチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−4−クロロスチレン、2,4−ジブロモスチレンのような核ハロゲン化スチレン、ビニルナフタレン等の多環芳香族ビニルから選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。これらの内、好ましくはスチレンモノマーの単独もしくは、スチレンモノマーとスチレン以外の上記芳香族ビニルモノマーとの併用であり、とくに好ましくはスチレンモノマーの単独使用である。
【0011】
また、芳香族ビニルモノマー以外の、ブタジエンを除く他の共重合可能なビニルモノマーを芳香族ビニルモノマーの一部代替として併用することもできる。例えばアクリロニトリル、メタクリルニトリル、フマロニトリル、マレオニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニルやメタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸メチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、フェニルマレイミドなどのマレイミド、酢酸ビニル、ジビニルベンゼン等の1種以上をこれらモノマーとして挙げることができる。しかし、これら代替モノマーの量はゴム変性スチレン樹脂組成物の組成、粒子形態およびその性能を損なわない範囲に留めることが必要である。
【0012】
本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法は、ゴムとしてポリブタジエンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体を併用する。
使用するポリブタジエンはとくに制限はないが、優れた耐衝撃性を得る上で好ましくは1,2−ビニル結合構造が10〜20重量%、シス1,4−ビニル結合構造が20〜40重量%であり、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が25〜200センチポイズ、さらに好ましくは50〜180センチポイズのポリブタジエンである。
【0013】
使用するスチレン−ブタジエンブロック共重合体もとくに制限はないが、優れた耐衝撃性を得る上で好ましくは数平均分子量(Mn)が100,000〜500,000で、ブロックスチレン部とブロックブタジエン部をそれぞれもち、全スチレン量が40〜60重量%であり、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が10〜90センチポイズのスチレン−ブタジエンブロック共重合体であり、さらに好ましくはスチレン−ブタジエンブロック共重合体のMnが250,000〜350,000で、ブロックスチレン部とブロックブタジエン部をそれぞれもち、全スチレン量が45〜55重量%であり、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が20〜45センチポイズのスチレン−ブタジエンブロック共重合体である。
【0014】
また、ポリブタジエンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体の使用量比は、ゴム量全量に対して、スチレン−ブタジエンブロック共重合体由来のスチレン量が10〜25重量%、好ましくは13〜23重量%、さらに好ましくは15〜20重量%になるように選定される。該スチレン重量が10重量%未満ではグラフト化されたゴム粒子がカプセル粒子形態をとり難くなりゴム効率が低下し、表面光沢、成形加工性が劣り耐衝撃性と剛性のバランスも損なわれ所望の性能が得られなくなることがある。一方25重量%を超えると該ゴム粒子はカプセル粒子形態ではあるものの粒子径が小さくなり、充分な耐衝撃性が得られないことがある。
【0015】
本発明の製造方法において、使用するポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエンブロック共重合体のゴム量は、該ゴムに由来するブタジエン量が芳香族ビニルモノマーとゴム量の合計量に対して2〜10重量%となるようにその量が選ばれる。得られるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物中に含まれるブタジエン成分量は芳香族ビニルモノマーの最終転化率によって変わってくるので、該ブタジエン成分量が2〜10重量%、好ましくは2〜8重量になるようにゴム量を調整する。
得られるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物中のブタジエン成分量はハロゲン付加法として公知の測定法により求められる。
【0016】
本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法は、まず所定量のゴム、即ちポリブタジエンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体とを所定量の芳香族ビニルモノマーと、必要に応じこれに重合溶媒を加え溶解して原料溶液とし、スチレン重合に通常用いられるラジカル系開始剤の存在下もしくは非存在下でこの原料溶液を第1の撹拌付き反応器に供給し、充分撹拌しながら重合を進める。重合温度はゴム変性芳香族ビニル樹脂の流動性、生産性、反応器の除熱能力等を考慮して決定することができる。重合転化率が大体15〜35重量%進んだところで相反転現象が見られる。相反転終了後に直ちに、具体的には芳香族ビニルモノマーの芳香族ビニルポリマーへの重合転化率が相反転終了時からさらに1〜2重量%進むまでに第1の反応器に連結した第2のプラグフロー型の塔式もしくは管型反応器に該重合溶液を導入し、外部撹拌を加えずにさらに反応を進め、最終的に転化率75重量%以上、好ましくは80重量%以上として重合を完了する。本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得る上で、相反転前においては剪断応力場で重合させ、相反転のほぼ直後からは剪断応力の存在しない場で重合を進める点が本発明の重要な条件の一つである。原料溶液の供給速度は、反応温度、芳香族ビニルモノマー濃度、開始剤量などによってその適性範囲が異なり一概には決まらないので実験的に最適化を図る。反応完了後は定法にしたがって未反応モノマー、重合溶媒などを除去するため真空下で処理を行い、本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得る。
【0017】
本発明の製造方法において、必要に応じて加える重合溶媒としては芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼンの単独または2種以上の混合物が挙げられる。さらに、ゴム状重合体の溶解を損なわない範囲で他の溶媒、例えば脂肪族炭化水素類、ジアルキルケトン類を芳香族炭化水素類と併用することも差し支えない。重合溶媒を使用する場合、その割合は原料溶液中30重量%以下の範囲で使用する。30重量%を超えると重合速度が著しく低下する。また、溶媒の回収エネルギーが大となり経済性も劣ってくる。重合溶媒は重合が進んで比較的高粘度の重合転化率に達してから添加してもよく、あるいは重合前から添加しておいてもよい。しかし重合前から添加しておく方が、品質の均一性、重合温度制御の点で好ましい。
【0018】
本発明の製造方法において、重合反応は重合開始剤を用いずに110〜190℃の温度範囲で熱重合してもよいし、重合開始剤としてラジカルを発生する有機過酸化物を用い、温度50〜180℃、好ましくは90〜150℃の範囲で重合することもできる。
【0019】
重合開始剤を使用する場合は公知のものが使用できる。公知の有機過酸化物として例えば、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4、4−ビス(t−ブチルパーオキシ)パレード等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−ミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、二塩基酸のポリアシルパーオキサイド類、二塩基酸とポリオールとのポリパーオキシエステル類が挙げられる。
【0020】
また、重合に際しては、連鎖移動剤、例えばメルカプタン類、α−メチルスチレンリニアダイマー、テルビノーレンを使用してもよい。
【0021】
本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法において、該樹脂組成物を構成する芳香族ビニルポリマーのマトリックス相は重量平均分子量(Mw)が130,000〜250,000、数平均分子量(Mn)が40,000〜120,000、Mw/Mnが1.8〜4.8となるように調整することが好ましい。この調整は重合温度、重合開始剤濃度などによって制御される。
前記の範囲であれば、グラフト化されたゴム粒子のカプセル形態、および1.0〜3.0μmの体積平均粒子径を安定して得やすい。
ここでMw、およびMnは芳香族ビニルポリマーに対して良溶媒であるトルエン溶解分別法で分離した芳香族ビニルポリマー分をGPCを用いて測定する公知の方法で求められる。
【0022】
本発明の製造方法で得られるゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を構成するグラフト化されたゴム粒子の体積平均粒子径は、好ましくは1.0〜3.0μm、さらに好ましくは1.5〜2.5μmの範囲である。1.0μmより小さいと耐衝撃性が充分でなく、3.0μmより大きいと表面光沢が低下するのでやはり好ましくない。なお、ここでいう体積平均粒子径とは、LS−230型分散粒子径測定器(米国コールター社製)により、ジメチルホルムアミドを分散剤として測定した体積平均粒子径をいう。この調整はポリブタジエンとスチレン−ブタジエンブロック共重合体の使用量比率、重合時の相反転前に於ける撹拌速度などによって制御される。
【0023】
本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法において、所望により各種の添加剤を使用することができる。これら添加剤は重合前、重合中または重合後の任意の段階で添加可能である。例えば公知の酸化防止剤としてヒンダードフェノール類、ヒンダードビスフェノール類、ヒンダードトリスフェノール類等、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートや、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスファイト、ワックスなど、公知の紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾチアゾール、公知の滑剤、例えばパラフィンワックス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、公知の難燃剤、例えば酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、トリクレジルホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモブタン、テトラブロモビスフェノールA、公知の帯電防止剤、例えばステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレート、公知の着色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラック、その他の無機あるいは有機顔料、公知の充填剤、例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等が挙げられる。
【0024】
本発明の製造方法で得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物に、他のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物、もしくは一般用の芳香族ビニル樹脂を配合して成形に供することもできる。配合樹脂組成物とする場合、その配合割合は、光沢性、成形加工性、耐衝撃性、剛性の高いレベルのバランスを損なわない範囲とする。配合方法にはとくに制限はない。
【0025】
本発明の製造方法で得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物、あるいは前記配合樹脂組成物の成形には公知の成形方法が適用でき、その方法にとくに制限はない。例えば、押出機などで溶融、混練する方法、ペレットでブレンドしてから成形機などで溶融混練後、直接成形品を得る方法などが挙げられる。特殊な成形方法として、一方の樹脂の成形工程中に溶融、もしくは溶解したもう一方の樹脂を添加する方法も用いることができる。
【0026】
【実施例】
以下に本発明を実施例でさらに説明する。なお、本発明はここに示す実施例に限定されるものではない。
最初に、実施例および比較例において本発明に用いた試験方法について説明する。
(i)表面光沢;JIS Z−8742
(ii)シャルピー衝撃強度;JIS K−7111(ノッチ付き)
(iii)曲げ弾性率;JIS K−7208
(iv)高温下における流動性(=MFR);JIS K−7210
(v)落錘衝撃強度;厚さ2mmの平板を射出成形機により成形し、落錘グラフィックインパクトテスター(東洋精機製作所の計装化落錘衝撃試験機の商標)を用いて、高さ62cmより質量6.5kgの重鎮をホルダー(径40mm)に固定した試験片平面上に自然落下させ、重鎮下部に設けてあるストライカー(径12.7mm)によって試験片を完全破壊または貫通させ、この時に要した全エネルギー(全吸収エネルギーと称す)を測定した。
(vi)ゴムに由来するブタジエン成分量;ハロゲン付加法により求めた。
(vii)マトリックスポリマーのMw、Mn、及びMw/Mn;GPC法、測定条件はつぎのとおりである。
a.装置;日立製作所製L−5030、b.カラム;東ソー社製TSK GURDCOLUMN MP(6.0mmφ×4cm)+TSK−GEL MULTIPORE HXL-M(7.8mmφ×30cm)2本、c.溶媒(移動相);THF、d.流速;1.0ml/min、e.温度;40℃、f.検出器;RI及びUV、g.データ処理装置;システムインスツルメンツ社製SIC480データステーション
【0027】
実施例1
ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が170センチポイズ)3.2重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(日本ゼオン社製SN442、スチレン含量49重量%、温度25℃で測定した5重量%スチレン溶液粘度が35センチポイズ)1.6重量%をスチレンモノマー94.2重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した溶液100重量部とt−ドデシルメルカプタン0.04重量部からなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rpmとして重合反応して相反転を生じるまで反応を進めた。このとき反応転化率は19重量%であった。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロー型反応器に連続的に送入して相反転直後の反応溶液を撹拌を加えずにさらに重合を進めた。重合率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のグラフト化ゴム粒子はカプセル形態であり、体積平均粒子径は2.1μm、ブタジエン成分量は5.0重量%であった。
【0028】
実施例1で得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物のペレットを新潟鉄工所製2オンス射出成形機SN−51Bにて、成形温度230℃で所定の厚みの平板を成形し、前記試験に供した。
以下の比較例1〜5においても同様に平板を成形した。
【0029】
比較例1
ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)4.8重量%をスチレンモノマー94.2重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した溶液100重量部と1,1−ビス(t−ブチルパーオキシル)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.015重量部、およびt−ドデシルメルカプタン0.04重量部とからなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、温度125℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rpmとして重合反応して相反転を生じるまで反応を進めた。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロー型反応器に連続的に全量送入して温度125℃でさらに重合を進めた。第2反応器には流れ方向に対して直角方向に剪断力を与える撹拌機が備えられており、回転数を30rpmとした。重合率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はサラミ形態であり、体積平均粒子径は実施例1で得られた樹脂と同様2.1μm、ブタジエン成分量は6.0重量%であった。
【0030】
比較例2
ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)4重量%をスチレンモノマー95重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した溶液100重量部と、t−ドデシルメルカプタン0.04重量部および1,1−ビス(t−ブチルパーオキシル)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.015重量部とからなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rpmとして相反転を生じるまで反応を進めた。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロー型反応器に連続的に全量送入して温度125℃でさらに重合を進めた。第2反応器には流れ方向に対して直角方向に剪断力を与える撹拌機が備えられており、回転数を30rpmとした。重合率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はサラミ形態であり、体積平均粒子径は実施例1で得られた樹脂組成物と同様2.1μm、ブタジエン成分量は5.0重量%であった。
【0031】
比較例3
スチレン−ブタジエンブロックゴム(旭化成社製アサプレン670A;スチレン含量40重量%)8重量%をスチレンモノマー91重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した溶液100重量部と、t−ドデシルメルカプタン0.04重量部とからなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を120rpmとして重合反応して相反転を生じるまで反応を進めた。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロー型反応器に連続的に全量送入して温度125℃でさらに重合を進めた。第2反応器には流れ方向に対して直角方向に剪断力を与える撹拌機が備えられており、回転数を30rpmとした。重合率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はカプセル形態であり、体積平均粒子径は0.3μm、ブタジエン成分量は6.0重量%であった。
【0032】
比較例4
ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)3.2重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(日本ゼオン社製SN442)1.6重量%をスチレンモノマー94.2重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した溶液100重量部とt−ドデシルメルカプタン0.04重量部からなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rpmとして重合反応して相反転を生じる少し前まで反応を進めた。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロー型反応器に連続的に送入して撹拌を加えずに温度125℃でさらに重合を進めた。相反転は観察されずに重合率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供給して温度230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物のグラフト化ゴム粒子は明確な輪郭を有さなかった。ブタジエン成分量は5.0重量%であった。
【0033】
比較例5
ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)3.2重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体(日本ゼオン社製SN442)1.6重量%をスチレンモノマー94.2重量%とエチルベンゼン1重量%に溶解した溶液100重量部とt−ドデシルメルカプタン0.04重量部からなる溶液を第1反応器に連続的に送入し、125℃の重合温度で攪拌機の回転数を100rpmとして重合反応して相反転を生じるまで反応を進めた。引き続き第1反応器に連結した第2反応器であるプラグフロー型反応器に連続的に全量送入して温度125℃でさらに重合を進めた。第2反応器には流れ方向に対して直角方向に剪断力を与える撹拌機が備えられており、回転数を30rpmとした。重合率80重量%まで重合したところで重合を終了し、その溶液をベント式押出機に供給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はカプセル形態であり、体積平均粒子径は0.4μm、ブタジエン成分量は5.0重量%であった。
【0034】
実施例1および比較例1〜5で得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の物性、性状を表1に示した。
本発明の実施例1で得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物は大きなカプセル形態のグラフト化ゴム粒子を有し、表面光沢が25%と同様粒子径のサラミ形態の粒子形態のグラフト化ゴム粒子を有する比較例1ないし2のそれぞれ9%、16%に比べて著しく良好であった。また、比較例1〜5と比較して、シャルピー衝撃強度、落錘衝撃吸収エネルギーで表した耐衝撃性も優れ、曲げ弾性率も含めたバランスが著しく良好であった。
【0035】
【表1】
Figure 0004260304
【0036】
【発明の効果】
本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法は、外観、成形加工性、耐衝撃性、剛性に優れそのバランスが良好なゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物を提供する。高価なゴム量も少量でよい点でコスト的にも有利であり、その工業的利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するための透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400倍)である。
【図2】比較例1のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するための透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400倍)である。
【図3】比較例2のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するための透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400倍)である。
【図4】比較例3のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するための透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400倍)である。
【図5】比較例4のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するための透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400倍)である。
【図6】比較例5のゴム変性芳香族ビニル組成物中の分散グラフト化ゴムの粒子形態および粒子径を説明するための透過型電子顕微鏡(TEM)写真(倍率8400倍)である。

Claims (3)

  1. (i)ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体をゴムとして用い、スチレン−ブタジエンブロック共重合体に由来するスチレン成分量がゴム量全体の10〜25重量%になるよう各ゴムの比率を選び、(ii)該ゴムに由来するブタジエン成分の割合が2〜10重量%になるように芳香族ビニルモノマーを加えてこれを溶解し、必要に応じてこれに溶媒を溶液全体中の割合で30重量%以下加えた原料溶液を、(iii)第1の撹拌機付き反応器に導入して充分撹拌しながら相反転が生じるまで重合を進め、次いで、(iv)前記第1の反応器に連結したプラグフロー型の第2の反応器中に相反転直後の該重合液を導入し、以降は外部撹拌を加えずにさらに重合を進めて、(v)最終的に転化率を75重量%以上とすることを特徴とするゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法。
  2. ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物が、(A)スチレン−ブタジエンブロック共重合体に由来するスチレン成分と、芳香族ビニルモノマーの重合によって生成する芳香族ビニルポリマーに由来する芳香族ビニル成分の合計量が98〜90重量%、(B)ゴムに由来するブタジエン成分の量が2〜10重量%、(C)芳香族ビニルポリマーのマトリックス相中に分散したグラフト化されたゴム粒子がカプセル粒子形態で、かつ1.0〜3.0μmの体積平均粒子径を有する該ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法。
  3. ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物が、(A)スチレン−ブタジエンブロック共重合体に由来するスチレン成分と、芳香族ビニルモノマーの重合によって生成する芳香族ビニルポリマーに由来するスチレン成分の合計98〜90重量%、(B)ゴムに由来するブタジエン成分の量が2〜10重量%、(C)芳香族ビニルポリマーからなるマトリックス相が130,000〜250,000の重量平均分子量(Mw)、40,000〜120,000の数平均分子量(Mn)、および1.8〜4.8のMw/Mn比を有し、かつ該マトリックス相中にグラフト化されたゴム粒子が分散しており、該ゴム粒子がカプセル粒子形態で、かつ1.0〜3.0μmの体積平均粒子径を有する該ゴム変性ポリスチレン樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載のゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物の製造方法。
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