JP3338325B2 - ゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法

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JP3338325B2 JP06087197A JP6087197A JP3338325B2 JP 3338325 B2 JP3338325 B2 JP 3338325B2 JP 06087197 A JP06087197 A JP 06087197A JP 6087197 A JP6087197 A JP 6087197A JP 3338325 B2 JP3338325 B2 JP 3338325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム変性スチレン
系樹脂組成物の製造方法に関する。更に詳しくは、面衝
撃強度、剛性、流動性等の物性バランスに優れたゴム変
性スチレン系樹脂組成物を短い重合装置内の滞留時間で
製造できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】HIPS(ハイインパクト−ポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン)に代表されるゴム変性スチ
レン系樹脂組成物は、成形性、寸法安定性に加え、耐衝
撃性、剛性に優れていることから、家電製品、事務機
器、工業部品など多岐の分野において使用されるに至っ
ている。
【0003】近年、これらの分野において製品の大型
化、或は薄肉化、ハイサイクル成形化に伴い、耐衝撃性
と剛性とのバランス、更には流動性の一層高められたも
のが要求されるようになってきた。耐衝撃性の中でも面
衝撃強度に関する要求が高まっている。ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物の耐衝撃性を高めるためには、樹脂組成
物中のゴム状重合体の含量を上げることが有効である
が、反面、剛性及び流動性が低下するという問題があっ
た。このためゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の耐衝撃
性と剛性とのバランス及び流動性を高めるためには、出
来るだけ少量のゴム状重合体を用いて高い耐衝撃性を達
成することが肝要であった。
【0004】周知のごとく、HIPSは一般的にはゴム
状重合体をスチレンに溶解し、剪断力の存在下に重合し
て製造される。重合の進行に伴い、ゴム状重合体にスチ
レンの一部がグラフトし、ついで相反転を経てゴム状重
合体が0.5〜10μmの粒子として分散し、最終工程
にて未反応のスチレンを高温・真空下に除去することに
より得られる。
【0005】より少量のゴム状重合体で、高衝撃性のH
IPSを得るため、これまでに種々の方法が提案されて
きた。例えばゴム状重合体として、ブタジエン単位連鎖
に占めるシス1,4結合の割合が90モル%以上のポリ
ブタジエンゴムを用いたHIPS(特開昭52−864
44号公報)が開示されているが、粒子径や粒子の形態
が充分特定されておらず衝撃性と剛性のバランスが不充
分であった。
【0006】本発明者らが先に出願した特開平7−53
642号公報記載の技術は、これらの問題を解決する技
術として優れたものであるが、一部のより高度な面衝撃
強度を要求される用途では、熱可塑性エラストマーをブ
レンドするなどして耐衝撃性を一段と高めたり、成形品
の肉圧を厚くしたりする必要があった。また、特定の範
囲の重合速度の下での製造方法しか開示されていないた
め、効率的な生産を妨げる場合があった。すなわち、生
産性を向上させるために多量の開始剤を使用すると、グ
ラフト反応が適切に制御できず、結局満足な物性の得ら
れるゴム変性スチレン系樹脂組成物を十分高い生産性で
製造できる技術は開示されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な曲げ弾性率と面衝撃強度とのバランスに優れ、重合装
置内の滞留時間を短くすることができるゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物の製法を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、スチレンを主
成分とする単量体溶液にブタジエン系ゴムを溶解して重
合させるゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法におい
て、重合開始剤として10時間半減温度が75〜95℃
の多官能有機過酸化物を単量体の総量に対して0.00
01〜0.0006当量の範囲、および、10時間半減
温度が110〜130℃の単官能有機過酸化物を単量体
の総量に対して0.00005〜0.0003当量の範
囲で用いると、短い重合装置内の滞留時間で効率良くゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物を製造できるのみならず、
驚くべき事に面衝撃強度と剛性、流動性という相反する
物性のバランスが著しく向上することを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、スチレン単量体の溶
液にブタジエン系ゴムを溶解して重合原液とし重合開始
剤を加えてゴム変性スチレン系樹脂組成物を重合する方
法において、上記重合開始剤として、10時間半減温度
が75〜95℃の多官能有機過酸化物(a)をスチレン
単量体に対して0.0001〜0.0006当量と10
時間半減温度が110〜130℃の単官能有機過酸化物
(b)をスチレン単量体に対して0.00005〜0.
0003当量とを用い、スチレンの転化率が30%に達
するまでの重合を10時間半減温度が75〜95℃の多
官能有機過酸化物(a)の10時間半減温度+40度以
下で行うことを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成
物の製法、である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法において
は、重合開始剤として10時間半減温度が75〜95℃
の多官能有機過酸化物(a)をスチレンの単量体の総量
に対して0.0001〜0.0006当量、および10
時間半減温度が110〜130℃の単官能有機過酸化物
(b)をスチレンの単量体の総量に対して0.0000
5〜0.0003当量の範囲で用いる必要がある。
【0011】本発明におけるスチレン単量体の溶液と
は、スチレン、及び必要に応じてこれと共重合可能な他
の共役C−C2重結合を有する単量体、及び溶剤、若干
量の添加剤より成る、スチレンを主成分とする単量体溶
液をいう。スチレンと共重合可能な他の共役C−C2重
結合を有する単量体の例としては、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン
の置換体類、メタクリル酸及びメチルメタクリレート、
ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル類、
アクリル酸及びメチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト等のアクリル酸エステル類、メタクリロニトリル、ア
クリロニトリル、無水マレイン酸、N−フェニルマレイ
ミド等のマレイン酸誘導体類等が挙げられる。
【0012】本発明に用いる溶剤としては、エチルベン
ゼン、混合キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素、メ
チルエチルケトン等のケトン類、テトラクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素類等が挙げられるが、環境に負荷
を掛けない閉じた系で効率良く樹脂組成物を製造すると
いう本発明の目的に最も合致するのは、エチルベンゼン
である。
【0013】また、同じ目的から溶剤の使用量は少ない
方がよく、およそ15重量%以下であることが好まし
く、10重量%以下であることが一層好ましい。本発明
に用いる添加剤としては、連鎖移動剤、酸化防止剤、鉱
油、シリコンオイル等が挙げられ、有機過酸化物(a)
及び(b)に添加して一緒に使用してもよい。
【0014】本発明におけるブタジエン系ゴムとは、ポ
リブタジエンの他、スチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴムなどの含ブタ
ジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンの一部の2重結合
に水素を付加せしめたゴムなどの変性ポリブタジエンゴ
ム類を指す。本発明におけるゴムの溶液粘度(SV)
は、5%スチレン溶液の25℃での値であり、20〜2
00センチポイズであることが好ましく、30〜100
センチポイズ以下であることが更に好ましい。溶液粘度
が高すぎるとゴムの粉砕、溶解に時間がかかり、また圧
損のために高速な送液が困難となり、本発明の目的の一
つである高い生産性のために好ましくない。逆に溶液粘
度が低すぎると粒子サイズの制御が困難となり、結果と
して充分な耐衝撃性が付与できない場合がある。
【0015】更に、ムーニー粘度(ML)は、ゴムの1
00℃における値であり、上記溶液粘度(SV)の常用
対数との関係において20×log(SV)>MLを満
たすことが好ましい。これを満たす場合は、耐衝撃強度
が一層高く、外観にも優れた樹脂成形品が得られる。満
たさない場合には粒子径分布が広くなり易く、結果とし
て得られる樹脂成形品の外観を損ねる場合がある。
【0016】次に、重合開始剤について説明する。本発
明では分解温度と価数の異なる2つの種類の有機過酸化
物を重合開始剤として使用する。本発明でいう10時間
半減温度とは、窒素雰囲気下、0.1モル/リットルの
ベンゼン溶液中で加熱した場合に、10時間で濃度が半
減すると期待できる温度のことであり、上下の数点の実
験データから内挿で求めることができる。
【0017】有機過酸化物とは、分子内にC−O−O−
Cの結合または、C−O−O−Hの結合を有する化合物
をいい、パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサ
イド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカー
ボネート類、パーオキシエステル類、ケトンパーオキサ
イド類、ハイドロパーオキサイド類などが挙げられる。
【0018】価数とは、一分子に含まれる酸素−酸素結
合の数のことである。単官能とは、価数が1であるこ
と、多官能とは、価数が2以上であることを指す。具体
的に、10時間半減温度が75〜95℃の多官能有機過
酸化物(a)としては、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなど
が挙げられ、10時間半減温度が110〜130℃の単
官能有機過酸化物(b)としては、ジクミルパーオキサ
イド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイドなどが挙げられ、これらの1種または
2種以上を用いる。
【0019】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
製法では、用いる重合開始剤の量は、10時間半減温度
が75〜95℃の多官能有機過酸化物(a)が、スチレ
ン単量体の総量に対して0.0001〜0.0006当
量の範囲であり、10時間半減温度が110〜130℃
の単官能有機過酸化物(b)が単量体の総量に対して
0.00005〜0.0003当量の範囲である。
【0020】上記の割合より少ない場合、或は有機過酸
化物(a)または(b)のいずれか一方のみしか用いな
いと、得られる樹脂の面衝撃強度が不十分であったり、
生産性が低下したりするので好ましくない。用いる有機
過酸化物の量が上記範囲より多い場合は、得られる樹脂
の面衝撃強度が不十分であったり、極端な場合には暴走
反応が起こって制御不能な状態となる可能性があるので
好ましくない。
【0021】更に好ましい重合開始剤の量は、10時間
半減温度が75〜95℃の多官能有機過酸化物(a)
が、0.00015〜0.0004当量であり、10時
間半減温度が110〜130℃の単官能有機過酸化物
(b)が0.00008〜0.0002当量である。本
発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法は、10時
間半減温度が75〜95℃の多官能有機過酸化物(a)
を、始めに他の原材料と混合しておいて加熱してもよい
し、予め加熱された他の原材料に、スチレンの転化率が
5%を越えない時点で添加する方法でもよい。溶媒の一
部で希釈、または有機過酸化物と反応しない添加剤の一
部で希釈して添加することができる。
【0022】これより添加時期が遅いと、ゴム粒子を所
望のサイズに制御することが困難になり、結局得られる
樹脂組成物の物性が不十分となる。本発明のゴム変性ス
チレン系樹脂組成物の製法は、10時間半減温度が11
0〜130℃の単官能有機過酸化物(b)を、始めに他
の原材料と混合しておいて加熱してもよいが、その一部
また全部を、ゴム粒子が分散した以降の重合液に追加す
るのがより好ましい。10時間半減温度が110〜13
0℃の単官能有機過酸化物(b)は、10時間半減温度
が75〜95℃の多官能有機過酸化物(a)よりも分解
温度が高いので、予め混合しておいても重合の後半で分
解する比率が高く、相反転後のゴム粒子に対して作用す
るものと期待できるが、ゴム粒子が分散した以降の重合
液に追加することにより、一層効果的に作用するものと
思われる。
【0023】また、10時間半減温度が75〜95℃の
多官能有機過酸化物(a)の一部または全部を重合原液
またはスチレンの転化率が5%に達するより前の段階の
重合液に加え、10時間半減温度が110〜130℃の
単官能有機過酸化物(b)の一部または全部をゴム粒子
が分散した段階以降の重合液に加えることが好ましい。
【0024】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
製法は、スチレンの転化率が少なくとも30%に達する
までは、10時間半減温度が75〜95℃の多官能有機
過酸化物(a)の10時間半減温度+40度を越えない
範囲で重合する運転条件であることが必要である。この
上記温度を越えた高温で重合すると、10時間半減温度
が75〜95℃の多官能有機過酸化物(a)の開始剤が
短時間で一斉に分解してしまい、制御が困難になるだけ
でなく得られる樹脂の物性バランスも低下するので好ま
しくない。
【0025】また、スチレンの転化率が60%を越える
までに、10時間半減温度が110〜130℃の単官能
有機過酸化物(b)の10時間半減温度+10度以上ま
で重合液の温度を高めておくことが好ましく、得られる
樹脂の物性バランス及び生産性がよくなるので好まし
い。本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法は、
単量体の転化速度で15%/時以上の高い重合速度が達
成できる。また、物性バランス、中でも流動性と面衝撃
強度とのバランスに優れたゴム変性スチレン系樹脂組成
物を得ることができる。
【0026】高い重合速度と物性バランスに優れたゴム
変性スチレン系樹脂組成物が得られる原因は、定かでは
ないが、特定の重合開始剤を組み合わせて使用すること
により分散相にグラフトしたスチレン系重合体鎖の量、
及び、その鎖長分布と連続相を成すスチレン系重合体の
分子量分布との関係が流動性と面衝撃強度を含んだ物性
バランスの発現に好適な範囲になるものと考えられる。
【0027】また、有機過酸化物(a)が多官能である
ことが有効である原因も定かではないが、恐らく1つ目
の官能基が分解してそこからスチレン系重合体が成長す
ると、ポリスチレン相に偏在するようになるため2つ目
以降の官能基がポリブタジエンへのグラフト反応を引き
起こさなくなることにより、過度のグラフト反応を起こ
さずに重合速度のみを高めることができるためであろう
と考えられる。
【0028】重合の方式は、回分式、連続式、或はこれ
らの折衷式のいずれでもよいが、より好適なのは連続式
であり、本発明の目的とする高い生産性が得られ易い。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法は、重合
装置として、完全混合型、プラグフロー型、循環装置を
備えたプラグフロー型などいずれも好適に用いることが
できるが、完全混合型を用いる場合は少なくとも2つ以
上の重合装置を直列に連結して使用する必要がある。
【0029】なお、本発明で得られるゴム変性スチレン
系樹脂組成物には、ポリジメチルシロキサンや鉱油、高
級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸のアミド類を添加するこ
とにより衝撃強度を一段と高めることが出来る。更に、
本発明で得られるゴム変性スチレン系樹脂組成物には、
染顔料、滑剤、充填剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、
難燃剤、無機フィラーなどの添加剤を必要に応じて加え
ることが出来る。
【0030】また、本発明で得られるゴム変性スチレン
系樹脂組成物に、他の熱可塑性樹脂、例えばポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂などを配合し、
熱変形温度、耐薬品性の一段と高められた熱可塑性樹脂
組成物とすることもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、実施例により、本発明を具
体的に説明する。 (1) ブタジエン系ゴムは、下記のものを用いた。 ローシスポリブタジエンゴム(以下PB−1):残
留不飽和結合が1,4−シス36%、1,4−トランス
52%、1,2−ビニル12%で、100℃でのムーニ
ー粘度(ML)が35、5%スチレンの25℃での溶液
粘度(SV)が90センチポイズのもの。
【0032】 ローシスポリブタジエンゴム(以下P
B−2):残留不飽和結合が1,4−シス36%、1,
4−トランス52%、1,2−ビニル12%で、ムーニ
ー粘度が55、5%スチレン溶液粘度が165センチポ
イズのもの。 ローシスポリブタジエンゴム(以下PB−3):残
留不飽和結合が1,4−シス33%、1,4−トランス
49%、1,2−ビニル18%で、ムーニー粘度が6
8、5%スチレン溶液粘度が93センチポイズのもの。
【0033】 ハイシスポリブタジエンゴム(以下P
B−4):残留不飽和結合が1,4−シス96%、1,
4−トランス2%、1,2−ビニル2%で、ムーニー粘
度が29、5%スチレン溶液粘度39センチポイズのも
の。 (2)10時間半減温度が75℃〜95℃の多官能有機
過酸化物(a): 1,1,−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン(以下PO−1) 1,1,−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン(以下PO−2)。 (3)10時間半減温度が110℃〜130℃の単官能
有機過酸化物(b): ジクミルパーオキサイド(以下PO−3) ジ−t−ブチルパーオキサイド(以下PO−4) (4)10時間半減温度が98℃の単官能有機過酸化
物:t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
(以下PO−5)を比較のため用いた。
【0034】分析及び物性測定は、下記方法によった。 (5)曲げ弾性率(kgf/cm2 ):ASTM D7
90に準拠して測定した。 (6)メルトフローレート(g/10min):ISO
−1133(No.12の条件)に準拠した。 (7)面衝撃強度(kgf・cm):射出成形した15
cm×15cm×2mmの平板試験片50枚を用い、1
mの高さより、可変量の荷重を備えた先端曲率30mm
のミサイルを落下させ、試験片が50%破壊を示す荷重
より、破壊エネルギーを求めた(旭化成法)。 (8)Vicat軟化点(℃):ASTM−D648に
準拠した。
【0035】
【実施例1】ローシスポリブタジエン(以下PB−1)
をスチレンに溶解し、次いでエチルベンゼン、連鎖移動
剤としてα−メチルスチレンダイマ−、酸化防止剤とし
てオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネートを加え、最終的に
下記の組成より成る重合原液を調整した(単位は重量
%、表ではWt%と表示)。
【0036】 ・PB−1 ・・・・・・・・・・ 4.4 ・スチレン ・・・・・・・・・・ 77.1 ・エチルベンゼン ・・・・・・・・・・ 14.0 ・PO−2 ・・・・・・・・・・ 0.03 ・PO−4 ・・・・・・・・・・ 0.01 ・α−メチルスチレンダイマ− ・・・・・・・・・・ 0.14 ・ミネラルオイル ・・・・・・・・・・ 4.2 ・オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル −4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート・・ 0.1 PO−2の0.03重量%はスチレンに対して0.00
027当量に相当し、PO−4の0.01重量%はスチ
レンに対して0.00009当量に相当する。
【0037】上記の重合原液を、各々の内容積が8.5
リットル、7.0リットル、7.0リットルの撹拌機付
きの直列3機の塔式反応機よりなる重合装置に3.0リ
ットル/HRにて連続的に送液した。第1反応機出口か
ら第1反応機入り口に循環ラインを設け、還流比25%
で還流した。第一反応機出口の固形分濃度が30〜35
重量%の範囲となるように機内温度を制御した。次いで
第二反応機出口及び第三反応機出口の固形分濃度を各々
55〜60重量%、78〜82重量%となるように槽内
温度を調整した。第一反応機出口におけるスチレンの転
化率は30%以上であるが、第一反応機内の温度は一貫
してPO−2の10時間半減温度である90℃+40度
の130℃より低く保たれていた。
【0038】また、最終的に得られる樹脂中のコールタ
ーマルチサイザーで求めたゴム粒子径が1.8〜2.2
μmとなるよう第一反応機の攪拌数を調整した。次い
で、220℃、真空下の脱揮装置に送り込み、未反応の
スチレン及びエチルベンゼンを除去し、押出機にて造粒
しペレット状のゴム変性スチレン樹脂組成物を得た。重
合原液の組成を一括して表1に示す。
【0039】次いで、得られたゴム変性スチレン樹脂組
成物のペレットを射出成形機で、220℃の成形温度に
て試験片を作成し、物性を測定した。結果を表2に示
す。
【0040】
【実施例2〜4】実施例1のPB−1を、PB−2、P
B−3およびPB−4に変更し、他の成分の量比を表1
の様に変えた以外は実施例1と同様に重合、脱気、ペレ
ット化を行い、3種のゴム変性スチレン樹脂組成物を得
た。実施例1と同様に試験片を作成し、物性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0041】
【実施例5】重合原液の組成を表1のように変更し、送
液速度を3.75リットル/HRに上げて重合以下の工
程を行い、ゴム変性スチレン樹脂組成物を得て物性を評
価した。重合条件を表1に、評価の結果を表2に示す。
【0042】
【比較例1】重合開始剤の10時間半減温度が110℃
〜130℃の単官能有機過酸化物(b)を含まない重合
原液の組成に変えて、実施例1と同様に重合、脱気、ペ
レット化を行い、ゴム変性スチレン樹脂組成物を得て、
物性を測定した。重合原液の組成を表1に、評価の結果
を表2に示す。
【0043】
【比較例2〜4】ポリブタジエンゴムとしてPB−2、
PB−3またはPB−4を使用し、10時間半減温度が
110℃〜130℃の単官能有機過酸化物(b)の重合
開始剤を含まない重合原液の組成に変えて、実施例1と
同様に重合、脱気、ペレット化を行い、3種のゴム変性
スチレン樹脂組成物を得て物性を測定した。
【0044】重合原液の組成を表1に、評価の結果を表
2に示す。表2に記載した曲げ弾性率と面衝撃強度との
関係を図1に示す。本発明の製法により得られる、実施
例の、ゴム変性スチレン系樹脂組成物が良好なバランス
を有することが分かる。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
の製法は、従来にない良好な曲げ弾性率と面衝撃強度と
を有するスチレン系樹脂組成物を、従来の製法に較べ
て、重合装置内の滞留時間を短くして、効率よく生産す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム変性スチレン系樹脂組成物の曲げ弾性率と
面衝撃強度との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
○ :実施例(括弧内の数字は実施例の番号) □ :比較例(括弧内の数字は比較例の番号)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/00 - 279/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン単量体の溶液にブタジエン系ゴ
    ムを溶解して重合原液とし重合開始剤を加えてゴム変性
    スチレン系樹脂組成物を重合する方法において、上記重
    合開始剤として、10時間半減温度が75〜95℃の多
    官能有機過酸化物(a)をスチレン単量体に対して0.
    0001〜0.0006当量と10時間半減温度が11
    0〜130℃の単官能有機過酸化物(b)をスチレン単
    量体に対して0.00005〜0.0003当量とを用
    い、スチレンの転化率が30%に達するまでの重合を1
    0時間半減温度が75〜95℃の多官能有機過酸化物
    (a)の10時間半減温度+40度以下で行うことを特
    徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法。
  2. 【請求項2】 10時間半減温度が75〜95℃の多官
    能有機過酸化物(a)の一部または全部を重合原液また
    はスチレンの転化率が5%に達するより前の段階の重合
    液に加え、10時間半減温度が110〜130℃の単官
    能有機過酸化物(b)の一部または全部をゴム粒子が生
    成した以降の重合液に加えることを特徴とする請求項1
    記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法。
  3. 【請求項3】 ブタジエン系ゴムの溶液粘度(SV)が
    20〜200センチポイズであり、かつムーニー粘度
    (ML)が、上記SVの常用対数との関係において20
    ×log(SV)>MLを満たすブタジエン系ゴムであ
    ることを特徴とする請求項1記載のゴム変性スチレン系
    樹脂組成物の製法。
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