JP3280079B2 - ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物

Info

Publication number
JP3280079B2
JP3280079B2 JP21495592A JP21495592A JP3280079B2 JP 3280079 B2 JP3280079 B2 JP 3280079B2 JP 21495592 A JP21495592 A JP 21495592A JP 21495592 A JP21495592 A JP 21495592A JP 3280079 B2 JP3280079 B2 JP 3280079B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl aromatic
molecular weight
rubber
weight
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21495592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0649146A (ja
Inventor
明弘 金山
弘昭 石川
順 米沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP21495592A priority Critical patent/JP3280079B2/ja
Publication of JPH0649146A publication Critical patent/JPH0649146A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3280079B2 publication Critical patent/JP3280079B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、耐熱性、流
動性に優れた樹脂組成物に関する。更に詳しくは、耐衝
撃性、耐熱性、流動性に優れたゴム変性ビニル芳香族樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】HIPSに代表されるゴム変性ビニル芳
香族樹脂は、成形性、寸法安定性に加え、衝撃強度に優
れていることから、家電機器、OA機器を始め多岐にわ
たり使用されている。従来より、HIPSは工業的に
は、ゴム状重合体をスチレンおよび必要に応じてエチル
ベンゼンなどの不活性溶媒や遊離基発生剤を加えた液に
溶解し、剪断力の存在下に塊状・塊状懸濁または溶液重
合条件下にラジカル重合を行ない、ゴム状重合体をポリ
スチレンよりなる重合体マトリックス中に、分散粒子と
して析出させて得るのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ラジカル重合において
は、重合の開始と停止反応がランダムに生起するため、
得られるポリスチレンの分子量分布(重量平均分子量と
数平均分子量の比)は、理想的な重合条件下において
も、必然的に1.5〜2.0の範囲に広がってしまう。
工業的には、重合の進行に伴う重合速度の低下、重合液
粘度の上昇を補うため、重合温度を段階的に高めるのが
通例であり、この結果市販のポリスチレンの分子量分布
は、上記に挙げた範囲より一層広くなり、一般的には
1.8〜3.0の範囲であった。このため、流動性を高
める目的で平均分子量を小さくすると必然的に低分子量
成分(特に分子量が4万以下の成分)の生成を伴い、結
果としてHIPSの衝撃強度や耐薬品性が低下するジレ
ンマを抱えていた。
【0004】他方、近年の成形技術の進歩に伴い、成形
品形状が多様化、大型化、薄肉化しまた成形サイクルも
高速化する傾向にあり、衝撃強度と流動性のバランスに
優れたHIPSが求められているが、上記に述べた理由
により、既存のHIPSは必ずしも満足出来るものでは
なかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を加えた結果、本発明者等は、ビニル芳香族重
合体の連続相とゴム状重合体の分散相よりなるゴム変性
ビニル芳香族樹脂組成物であって、上記ビニル芳香族重
合体の連続相の重合体の特定分子量範囲の成分が特定の
重量比に制御されたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
が、上記課題を効果的に解決することを見い出し本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、ビニル芳香族重合体の
連続相とゴム状重合体の分散相よりなるゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物において、上記ビニル芳香族重合体の
連続相の総重量中に占める (1)分子量4万以下の成分の割合が8重量%以下であ
り(以下、要件1と略称する) (2)分子量32万以上の成分の割合が12重量%以下
である(以下、要件2と略称する) ことを特徴とする、衝撃強度、流動性及び耐熱性に優れ
たゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物である。
【0007】本発明においては、上記要件1、2のいず
れを欠いても、その目的を達成することが出来ない。以
下、本発明について詳細に説明する。本発明のゴム変性
ビニル芳香族樹脂組成物の連続相を成す上記ビニル芳香
族重合体は、ビニル芳香族単量体の重合体または共重合
体である。ビニル芳香族単量体としては、スチレンのほ
かo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキル置
換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メ
チルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなどを指
すが、代表的なものは、スチレン、α−メチルスチレン
である。ビニル芳香族重合体の具体例としては、ポリス
チレン、スチレン−α−メチルスチレンの共重合体など
でを挙げることが出来る。
【0008】次に本発明の樹脂組成物の分散相の形成に
与るゴム状重合体は、ポリブタジエン、スチレン−ブタ
ジエンのランダムまたはブロック共重合体、α−メチル
スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合
体、スチレン−イソプレンのランダムまたはブロック共
重合体、及び以上の重合体の水素添加物(水添重合
体)、エチレン−プロピレンゴム(EPラバー)、エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリル
ゴムなどを挙げることが出来るが、代表的なものとして
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
及びそれらの水素添加物である。
【0009】本発明の樹脂組成物は前記ビニル芳香族重
合体よりなる連続相中に上記のゴム状重合体が分散相を
形成してなる構造を有する。分散相は、連続相を形成す
るビニル芳香族重合体と同一組成の重合体によりグラフ
トされた成分を含んでいることが好ましい。また樹脂組
成物中の分散相の重量は、樹脂組成物の衝撃強度、剛性
及び成形性のバランスから、およそ3〜18重量%の範
囲に調整される。
【0010】分散相の平均粒子径は、定法に従い0.2
〜10μmの範囲に制御される。また上記分散相は、
0.02〜0.6μmの範囲の小粒子部分と1.0〜
3.0μmの大粒子部分よりなる2峰分布のものであっ
ても良い。本発明のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の
特徴は、その連続相が特定分子量範囲の成分を特定の重
量比で含有している点にある。
【0011】すなわち、その連続相の総重量に占める (1)分子量4万以下の成分の割合が8重量%以下であ
り、(2)分子量32万以上の成分の割合が12重量%
以下であることが必要である。連続相の総重量に占める
分子量4万以下の成分の割合が8重量%を越えると得ら
れるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の衝撃強度や耐薬
品性が低下する。
【0012】また連続相の総重量に占める分子量32万
以上の成分の割合が12重量%を越えると得られるゴム
変性ビニル芳香族樹脂組成物の流動性が低下する。分子
量が32万以上の成分の割合は、好ましくは10重量%
以下である。加えて連続相の総重量に占める分子量が2
0万以上の成分の割合が、25重量%以下であると、ゴ
ム変性ビニル芳香族樹脂組成物の衝撃強度と流動性が一
層優れたものとなりより好ましく、20重量%以下であ
ることが更に好ましい。
【0013】なお、本発明で用いる分子量、及び分子量
分布は市販の標準ポリスチレンを用いて検量されたゲル
パーミエーションクロマトグラフ(以下GPCと略
記。)を測定して求める。溶出曲線を微分分子量分布曲
線に変換するに際しては、分子量の異なる6種以上の標
準ポリスチレンで校正された検量線で補正し、クロマト
グラムの広幅化については補正を行わないこととする。
【0014】以上の要件を満たすゴム変性ビニル芳香族
樹脂組成物は、種々の方法により得られるが、一般的に
は前記ゴム状重合体の存在下に、前記ビニル芳香族単量
体をラジカル重合して得られるゴム変性ビニル芳香族重
合体に、別途調整した特定分子量かつ分子量分布の狭い
ビニル芳香族重合体を配合することにより得られる。よ
り具体的には、前記ゴム状重合体の存在下にビニル芳香
族単量体を所望量の遊離基発生剤、分子量調節剤等とと
もにラジカル重合して得たゴム変性ビニル芳香族重合体
(以下、A成分と略称する。)に、別途調整した重量平
均分子量が10万〜16万の範囲にあり、重量平均分子
量と数平均分子量の比が1.5以下のビニル芳香族重合
体(以下、B成分と略称する。)を配合することにより
効率よく得ることが出来る。
【0015】以下、上記A成分及びB成分の調整方法に
ついて説明する。上記A成分のゴム変性ビニル芳香族重
合体をラジカル重合する方法としては、塊状重合、塊状
・懸濁重合、溶液重合、乳化重合などの方法があるが、
ゴム状重合体をビニル芳香族単量体に溶解し、塊状重
合、塊状・懸濁重合または溶液重合を行う方が経済的で
あり好ましい。この場合、A成分中のゴム状重合体の含
量は、8〜20重量%の範囲にあることが、最終的に得
られるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物の衝撃強度と流
動性のバランスの調整が容易となり、好ましい。
【0016】上記A成分を塊状重合、塊状・懸濁重合ま
たは溶液重合により得るに際しては、熱開始によりラジ
カル重合することもできるが、遊離基発生剤を加えて重
合する方が、重合速度が高まり、かつ前記ゴム状重合体
へのビニル芳香族単量体のグラフト率が向上し、更に熱
開始ラジカル重合の副産物であるビニル芳香族単量体の
2量体、3量体の生成が少なくなり、好ましい。
【0017】上記目的にかなう遊離基発生剤としては、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5
−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール
類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどの
ジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トルオイルパーオキサイドなどのジアシルパー
オキサイド類、ジミリスチルパーオキシジカーボネート
などのパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオ
キシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネートなどのパーオキシエステル類、シクロヘキサ
ノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、p
−メンタハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオ
キサイド類を挙げることが出来る。
【0018】以上の遊離基発生剤のうち、特に単官能性
のものがA成分の連続相の分子量分布が狭くなり、本発
明の目的達成のためにより好ましい。また重合速度の制
御の上から、10時間半減期温度が70〜120℃の範
囲にあるものが好ましい。上記の遊離基発生剤の量とし
ては、重合液中のビニル芳香族単量体の総重量に対し、
0.005〜1.0重量%の範囲が好ましい。
【0019】また前記の分子量調節剤としては、α−メ
チルスチレン2量体、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなど
のメルカプタン類等の常用のものを好適に用いることが
出来る。次にA成分の分散相の平均粒子径は、塊状、塊
状・懸濁重合または溶液重合による場合には、定法に従
い、ゴム状重合体が分散相として析出に至るまでの剪断
力の大きさにより調整される。次いで、ビニル芳香族単
量体を所望の転化率まで重合させる。この際、ビニル芳
香族重合体よりなる連続相は、その重量平均分子量が1
2万〜23万の範囲にあり、かつ重量平均分子量と数平
均分子量の比が3.0以下となるように調整すると、上
記A成分と後記するB成分を配合して本発明の前記要件
1、2を満足するゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物を得
ることが容易となり好ましい。
【0020】ついで未反応のビニル芳香族単量体を脱揮
発分装置にて、高温・高真空下に除去し、A成分のゴム
変性ビニル芳香族重合体を得る。なお、塊状重合または
溶液重合による場合、脱揮発分処理の温度を調整によ
り、ゴム状重合体の分散相の架橋度(通常、ゴム変性ビ
ニル芳香族樹脂組成物中のトルエン不溶のゲル分を分取
し、該ゲル分のトルエンに対する膨潤指数を以て、分散
相の架橋度の指標とする。)が制御される。これらの操
作は公知の技術範囲に属することがらであり、その詳細
は省略する。
【0021】次に前記B成分の特定分子量範囲のビニル
芳香族重合体は、ビニル芳香族単量体をエチルベンゼ
ン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの不
活性溶剤とともに、アルキルリチウム化合物を用いてア
ニオン重合を行うことにより効率よく得ることが出来
る。上記不活性溶剤は、ビニル芳香族単量体との混合液
中、10〜90重量%の範囲で用いられる。
【0022】上記のアルキルリチウム化合物としては、
n−ブチルリチウムなどを挙げることが出来る。アニオ
ン重合を実施する温度は、定法の室温〜150℃の範囲
である。なお上記n−ブチルリチウムを用いアニオン重
合を行い、B成分のビニル芳香族重合体を得るに際して
は、回分式、連続式のいずれによっても良いが、本発明
の目的からは、回分式にアニオン重合を行って得られる
ビニル芳香族重合体の方が、分子量分布がより狭いもの
となり、好ましい。また連続式にアニオン重合を実施す
る場合には、プラグフロー型反応機を用いることが好ま
しい。完全混合型反応機や循環式の管型反応機を用いて
連続式にアニオン重合を行うと、重合液の反応機内の滞
留時間分布が広がり、その結果得られるビニル芳香族重
合体の分子量分布が広いものとなり、好ましくない。
【0023】かくして得られたA成分のゴム変性ビニル
芳香族重合体及びB成分のビニル芳香族重合体を所望の
割合にて配合することにより、本発明のゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物を得ることができる。上記A成分とB
成分の割合は、最終的に得られるゴム変性ビニル芳香族
樹脂組成物の連続相が、前記の要件1、2を満たす限り
において特に制約はない。
【0024】上記A成分とB成分の配合方法に特に制約
はなく、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー
などの常用の混練機を好適に使用することができる。ま
た本発明のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物を得る変法
として、前記A成分のゴム変性ビニル芳香族重合体の重
合途中の液と、前記B成分のアニオン重合を終了したビ
ニル芳香族重合体の液を混合し、必要に応じラジカル重
合を継続し、次いで未反応のビニル芳香族単量体を脱揮
発分装置にて、高温・高真空下に除去することにより、
本発明のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物を直接得るこ
ともできる。
【0025】また本発明で得られた樹脂組成物には、ポ
リジメチルシロキサンや高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪
酸のアミド類を添加することにより衝撃強度を一段と高
めることが出来る。更に本発明で得られた樹脂組成物に
は、染顔料、滑剤、充填剤、離型剤、可塑剤、帯電防止
剤、難燃剤、無機フィラーなどの添加剤を必要に応じて
加えることが出来る。
【0026】また本発明のゴム変性ビニル芳香族樹脂組
成物に、他の熱可塑性樹脂、例えばブロックSBR、ブ
ロックSIR(スチレン−イソプレン共重合体)及びこ
れらの水素添加物やポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ
オレフィン樹脂などを配合し、衝撃強度、熱変形温度、
耐薬品性の一段と高められた熱可塑性樹脂組成物と成す
こともできる。
【0027】以下、実施例により、本発明を具体的に説
明する。
【0028】
【実施例】以下の実施例、比較例に於いては、下記の参
考例に示すブタジエン系重合体を用いた。 [参考例1−ゴム変性ポリスチレンの調整]ポリブタジ
エン(日本ゼオン(株)製、Nipol 1220S
L)をスチレンに溶解し、次いでエチルベンゼン及び、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドを
少量加え、最終的に下記の組成より成る重合原液を調整
した(単位は重量部数)。 ・ポリブタジエン 9.8 ・スチレン 76.8 ・エチルベンゼン 13.0 ・1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5− トリメチルシクロヘキサン 0.01 ・ジ−t−ブチルパーオキサイド 0.02 ・α−メチルスチレンダイマー 0.04 ・鉱油 0.25 ・ポリジメチルシロキサン 0.10 上記の重合原液を、各々の内容積が6.2リットルの撹
拌機付きの3槽式反応機に2.2リットル/時間にて連
続的に送液した。第一槽反応機出口の固形分濃度が38
重量%となるように反応機内温度を制御した。最終槽反
応機出口の固形分濃度が80重量%となるように反応機
内温度を調整した。次いで230℃、真空下の脱揮装置
に送り込み、未反応のスチレン及びエチルベンゼンを除
去し、押出機にて造粒しペレット状のゴム変性ポリスチ
レン、R1を得た。ゴム変性ポリスチレン中のポリブタ
ジエンの割合は、12.3重量%であった。
【0029】次いで、R1のトルエン不溶分を求め、ゲ
ル含量を求めた結果、30重量%であった。またトルエ
ン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフにより
求めた連続相の重量平均分子量及び数平均分子量は各々
21.6万、8.2万であった。またトルエン可溶分中
の分子量4万以下の成分の割合は9.0重量%であり、
分子量32万以上の成分の割合は20.5重量%であっ
た。
【0030】また透過型電子顕微鏡写真より求めた分散
相の重量平均粒子径は1.3μmであった。次に下記の
組成より成る重合原液を調整した(単位は重量部数)。 ・ポリブタジエン 5.5 ・スチレン 56.5 ・エチルベンゼン 37.8 ・t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート 0.10 ・ポリジメチルシロキサン 0.10 上記の重合原液を、内容積が4.0リットルの撹拌機付
きの回分式反応機に投入し、100℃で固形分濃度が4
7重量%となるまで重合した。次いで230℃、真空下
の脱揮装置に送り込み、未反応のスチレン及びエチルベ
ンゼンを除去し、押出機にて造粒しペレット状のゴム変
性ポリスチレン、R2を得た。ゴム変性ポリスチレン中
のポリブタジエンの割合は、12.3重量%であった。
【0031】R2のゲル含量、連続相の重量平均分子量
及び数平均分子量、分子量4万以下及び分子量32万以
上の成分の割合、分散相の重量平均粒子径は表1に示す
とおりであった。 [参考例2−アニオン重合ポリスチレンの調整]オート
クレーブ中にシクロヘキサン1600重量部、スチレン
400重量部、n−ブチルリチウム0.44重量部を加
え、内温を40℃に保ち、2時間に渡り重合を行った。
スチレンの転化率は99.7%であった。次いで反応液
を過剰のメタノール中に注いで、重合体を沈殿・回収
し、60℃、高真空下に揮発分を除去し、ポリスチレン
A1を得た。得られたポリスチレンのゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフにより求めた重量平均分子量は9.
0万であった。また分子量4万以下の成分の割合は3.
9重量%であり、分子量32万以上の成分は含まれてい
なかった。
【0032】次いで、n−ブチルリチウムの量を変える
他は同様にして重合を行い、ポリスチレン、A2〜A3
を得た。各々の重量平均分子量及び数平均分子量、分子
量4万以下の成分及び分子量32万以上の成分の割合は
表1に示すとおりであった。 [参考例3−ラジカル重合ポリスチレンの調整]スチレ
ン、エチルベンゼンよりなる重合原液を、各々の内容積
が6.2リットルの撹拌機付きの3槽式反応機にて連続
的に送液し、熱開始ラジカル重合を行いポリスチレンG
1を得た。得られたポリスチレンをゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフにより求めた重量平均分子量及び数平
均分子量は各々17.8万、7.4万であり、また分子
量4万以下の成分及び分子量32万以上の成分の割合
は、各々8重量%、29重量%であった。
【0033】次いで、内容積が2リットルの完全混合式
リアクターに80部のスチレン、20部のエチルベンゼ
ン、及び200ppmの1,1−ジ−t−ブチルパーオ
キシ3,3,5−トリメチルシクロヘキサンからなる重
合原液を0.77リットル/時間で連続的に送液した。
重合温度を150℃に調節して重合した。反応機出口の
固形分濃度は50重量%であった。次いで重合液を23
0℃、真空下の脱揮装置に送り込み、未反応のスチレン
及びエチルベンゼンを除去し、押出機にて造粒しペレッ
ト状のポリスチレンG2を得た。また、内容積が4リッ
トルの回分式重合装置にスチレン、エチルベンゼン、及
びt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートを仕
込み、100℃で重合を行い、ポリスチレンG3を得
た。各々の重量平均分子量及び数平均分子量、また分子
量4万以下の成分及び分子量32万以上の成分の割合
は、表1に示すとおりであった。
【0034】
【表1】
【0035】
【実施例1〜2、参照例1、比較例1〜3】参考例1〜
3で得られたゴム変性ポリスチレンR1〜R2、アニオ
ン重合ポリスチレンA1〜A3及びラジカル重合ポリス
チレンG1〜G3を表2に示す割合で、押出機にて混練
しゴム変性ポリスチレンH1〜H6のペレットを得た。
次いで参考例1と同様の手順にて、ゴム変性ポリスチレ
ンH1〜H6の分子量4万以下の成分及び分子量32万
以上の成分の割合を求めた。結果を表2に示す。また、
参照例1及び比較例1の連続相のGPCのチャートを図
1に示す。
【0036】さらに、得られたゴム変性樹脂組成物のペ
レットより射出成形機にて、220℃の成形温度にて試
験片を作成し物性を測定した。結果を表2に示す。なお
分析及び物性測定は、下記方法によった。 ・分子量及び分子量分布 東ソー(株)製GPC装置(HLC−8010)を用
い、THFを溶媒としてGPCを測定した。検量は分子
量2100から8,420,000にわたって12点の
標準ポリスチレンを用いて行った。
【0037】・重量平均粒子径 分散粒子の平均粒子径は樹脂を四酸化オスミウムで染色
した後、超薄切片に切りだし、透過型電子顕微鏡写真を
撮影する。顕微鏡写真上で200個以上の粒子について
円相当径Dを求め、次式により算出する。 重量平均粒子径=ΣniDi4/ΣniDi3 ここでniは円相当径がDiである分散粒子の個数を表
す。なお、円相当径とは写真平面上で粒子の面積と同じ
面積を有する円の直径のことである。
【0038】 ・アイゾット衝撃強度:ASTM D256に準拠。 ・メルトフローレート:ISO−R1133に準拠。 ・ビカット軟化点:ASTM D1525に準拠。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明のビニル芳香族樹脂組成物は実施
例からも明らかなように従来のビニル芳香族樹脂組成物
に比べて耐熱性と耐衝撃性を損なうことなく、成形加工
性を改良した熱可塑性成形材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の明細書中、参照例1及び比較例1の樹
脂組成物の連続相成分のゲルパーミエーションクロマト
グラムである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−75648(JP,A) 特開 平4−226142(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/02 C08L 51/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族重合体の連続相とゴム状重
    合体の分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
    において、ビニル芳香族重合体の連続相の総重量中に占
    める (1)分子量4万以下の成分の割合が8重量%以下であ
    り、 (2)分子量32万以上の成分の割合が12重量%以下
    であり、 且つアニオン重合して得られる重量平均分子量10万〜
    16万、重量平均分子量/数平均分子量が1.5以下の
    ビニル芳香族重合体(但し、α−メチルスチレン75重
    量%以上を含むビニル芳香族重合体は除く。)が含有さ
    れている ことを特徴とするゴム変性ビニル芳香族樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 ビニル芳香族重合体の連続相の総重量中
    に占める分子量20万以上の成分の割合が25重量%以
    下である請求項1記載のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成
    物。
JP21495592A 1992-06-02 1992-08-12 ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3280079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21495592A JP3280079B2 (ja) 1992-06-02 1992-08-12 ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-141663 1992-06-02
JP14166392 1992-06-02
JP21495592A JP3280079B2 (ja) 1992-06-02 1992-08-12 ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0649146A JPH0649146A (ja) 1994-02-22
JP3280079B2 true JP3280079B2 (ja) 2002-04-30

Family

ID=26473860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21495592A Expired - Fee Related JP3280079B2 (ja) 1992-06-02 1992-08-12 ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3280079B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0649146A (ja) 1994-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20030055177A1 (en) Monovinylidene aromatic polymers based on highly linear high molecular weight polybutadiene rubbers and a process for their preparation
JPS6348317A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂およびその製造方法
EP0418042B1 (en) Monovinylidene aromatic polymers with improved properties and process for their preparation
RU2263122C2 (ru) Моновинилиденовые ароматические полимеры с улучшенными свойствами и способ их получения
JPH0482021B2 (ja)
US4972032A (en) Process for preparing copolymers of alpha-methylstyrene and acrylonitrile
US3592878A (en) Compositions comprising a high cis graft copolymer and a high trans graft copolymer
JP3280079B2 (ja) ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
JP3280082B2 (ja) 衝撃性と流動性に優れるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
JP4833529B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物
KR100587649B1 (ko) 초고충격 고무변성 스티렌계 수지의 연속 제조 방법
JP3254054B2 (ja) ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物及びその製法
KR100650915B1 (ko) 고충격 폴리스티렌 수지의 연속 제조 방법
JPH06116344A (ja) Abs系樹脂の製造方法
JPH05132605A (ja) ゴム変成ポリスチレン組成物
JP3254060B2 (ja) ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
JP3338325B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物の製法
KR100587650B1 (ko) 실용충격강도가 우수한 고무변성 스티렌계 수지의 연속제조 방법
JP2781335B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法
JP3290012B2 (ja) ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
KR100763954B1 (ko) 내화학특성이 우수한 고충격 폴리스티렌 수지의 연속 제조방법
JPH09124885A (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物およびその製造方法
KR100591451B1 (ko) 고충격 및 고광택을 갖는 고무변성 스티렌계 수지 및 이의제조 방법
JP2908093B2 (ja) ゴム変性スチレン系樹脂組成物
JPH02175740A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020205

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees