JPH10330438A - ポリブタジエンゴムを用いたゴム変性芳香族ビニル樹脂及びその製造方法 - Google Patents

ポリブタジエンゴムを用いたゴム変性芳香族ビニル樹脂及びその製造方法

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JPH10330438A
JPH10330438A JP15431797A JP15431797A JPH10330438A JP H10330438 A JPH10330438 A JP H10330438A JP 15431797 A JP15431797 A JP 15431797A JP 15431797 A JP15431797 A JP 15431797A JP H10330438 A JPH10330438 A JP H10330438A
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aromatic vinyl
rubber
vinyl monomer
resin
weight
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JP15431797A
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Norihiro Shimizu
紀弘 清水
Tomoyuki Kitsunai
智之 橘内
Atsushi Watanabe
淳 渡辺
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ポリブタジエンゴムの存在下に芳
香族ビニル単量体をグラフト重合し、得られる樹脂中の
分散ゴム粒子がコア・シェル構造を有する高光沢・耐衝
撃性ゴム変性芳香族ビニル樹脂およびその製造方法に関
する。 【解決手段】 ポリブタジエンゴムをゴム重合体として
用い、芳香族ビニル単量体との混合物を塊状重合するに
際し、特定の重合処方および特定のプロセスを用いるこ
とにより、樹脂中の分散ゴム粒子がコア・シェル構造を
有する高光沢・耐衝撃性芳香族ビニル系化合物樹脂組成
物を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高光沢耐衝撃性ゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂に関し、さらに詳しくは安価な
ポリブタジエンゴムの存在下に芳香族ビニル単量体をグ
ラフト重合し、得られる樹脂中の分散ゴム粒子が特定の
粒子形態、すなわちコア・シェル構造を有するゴム変性
芳香族ビニル樹脂およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スチレン系樹脂などの芳香族ビニ
ル系樹脂は、特に成形時の流れ易さ、成形品の透明性お
よび表面の光沢などが良好であるという多くの優れた性
質をもっているが、耐衝撃性に劣るという大きな欠点が
ある。この欠点を改良する方法として、例えば樹脂中
にゴム状重合体を機械的にブレンドする方法、ゴム状
重合体に芳香族ビニル単量体、例えばスチレンをグラフ
ト重合する方法などが知られている。特に、前記ゴム
状重合体に芳香族ビニル単量体をグラフト重合する方法
は、一般に塊状重合法あるいは塊状・懸濁重合法によっ
て行われ、例えばゴム状重合体としてポリブタジエンゴ
ム、芳香族ビニル単量体としてスチレンを用いたもの
は、耐衝撃性ポリスチレン樹脂として知られており、こ
の樹脂はテレビ、ラジオ、ビデオ、クリーナーなどの家
庭用電気製品のハウジングや電気冷蔵庫の内箱の素材な
どとして広く使用されている。この場合、実用上耐衝撃
性に優れることはもちろんであるが、同時に外観特性、
特に表面光沢の優れていることが望まれる。
【0003】一般に耐衝撃性は、上記の方法で製造され
た樹脂のゴム状重合体の量を増すか、または分散粒子の
粒子径を大きくすることで改良できるが、この場合表面
光沢が悪化する。一方、ゴム状重合体の量を減らすか、
または分散ゴム粒子の粒子径を小さくすることによっ
て、外観特性、特に表面光沢を向上させることができる
が、この場合、耐衝撃性は著しく低下する。
【0004】耐衝撃性スチレン系樹脂の耐衝撃性を維持
しながら外観特性、表面光沢を改良する方法の一つに、
耐衝撃性改質剤として加えられているゴム状重合体に、
芳香族ビニル単量体と共役ジオレフィン単量体とのブロ
ック共重合体を用いる方法が知られている。例えば、特
公昭40−17492号公報には、芳香族ビニル単量体
からなるブロックA(平均分子量5,000〜60,0
00)および共役ジエンの重合体からなるブロックB
(平均分子量60,000〜500,000)よりなる
一般式A−BまたはA−B−Aで表される結合スチレン
含量2〜40重量%、固有粘度約1〜5dl/g(25
℃においてトルエン中で測定)のブロック共重合体1〜
20重量%を用い、芳香族ビニル単量体99〜80重量
%との混合物を塊状重合することにより、耐衝撃性スチ
レン系樹脂を製造する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、確か
に、このようなブロック共重合体をゴム状重合体として
用いた場合、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の表面光沢は
大幅に改良されるが、ポリブタジエンゴムをゴム状重合
体として用いた場合に比べ、例えば素材そのものが高価
であることなどの理由から、生産性が損なわれ製造コス
ト高になるという問題を抱えている。特に、最近の技術
動向として、コストダウンが重視され、製造コストが安
価で、かつ品質安定性に優れるものが求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、表
面光沢等の外観が特に優れ、しかも耐衝撃性が改良され
た、生産性が高く、かつ製造コストが安価なスチレン系
樹脂を得るため、高価な芳香族ビニル単量体と共役ジオ
レフィン単量体とのブロック共重合体を用いることな
く、代わりに安価なポリブタジエンゴムをゴム状重合体
として用い、芳香族ビニル単量体との混合物を塊状重合
する技術について、広範囲にかつ詳細に重合処方および
プロセスを鋭意研究した結果、極めて限られた重合処方
および特定のプロセスを用いることにより、樹脂中の分
散ゴム粒子が特定の粒子径および特定の粒子形態、すな
わちコア・シェル構造を有し、上記の目的が達成された
高光沢耐衝撃性のゴム変性芳香族ビニル樹脂が得られる
ことを見出し本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明はポリブタジエンゴムを
含む溶液を重合してなり、コア・シェル構造を有するゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂を提供するものである。また、
本発明は(A)ポリブタジエンゴムと、(B)芳香族ビ
ニル単量体または芳香族ビニル単量体とそれと共重合し
得る1種あるいは2種以上の単量体及び、(C)必要と
あれば溶剤を含む溶液を重合してゴム変性芳香族ビニル
樹脂を製造するに際し、(1)(A)と(B)の初期仕
込み量が、(A)と(B)の総量に対して50重量%以
下であり、(2)初期仕込み溶液中において、ポリブタ
ジエンゴムの割合が、芳香族ビニル単量体または芳香族
ビニル単量体とそれと共重合し得る1種あるいは2種以
上の単量体とポリブタジエンゴムに対し、10〜50重
量%であり、(3)芳香族ビニル単量体の重合した量ま
たは芳香族ビニル単量体とそれと共重合し得る1種ある
いは2種以上の単量体の重合した量とポリブタジエンゴ
ムとの比率が0.009〜0.85:1の範囲となるよ
うな重合反応の時点から、重合転化率が15〜50%に
なるまでの重合反応の時点までの間に、芳香族ビニル単
量体または芳香族ビニル単量体とそれと共重合し得る1
種あるいは2種以上の単量体を、一括あるいは逐次添加
するコア・シェル構造を有するゴム変性芳香族ビニル樹
脂の製造方法を提供するものである。
【0008】上記の方法の中で、特に、溶剤を除く
(A)と(B)の総重量に対し、予め芳香族ビニル単量
体または芳香族ビニル単量体とそれと共重合し得る1種
あるいは2種以上の単量体、および必要とあれば溶剤か
らなる溶液中にゴム状重合体を溶解した初期仕込み溶液
における重量のうち、芳香族ビニル単量体または芳香族
ビニル単量体とそれと共重合し得る1種あるいは2種以
上の単量体とゴム状重合体の割合が、50重量%以下で
あり、好ましくは45重量%以下であること、さらには
該初期仕込み溶液におけるゴム状重合体の割合が、芳香
族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体とそれと共重
合し得る1種あるいは2種以上の単量体とゴム状重合体
に対し、10〜50重量%であり、好ましくは15〜3
0重量%であり、さらには芳香族ビニル単量体の重合し
た量または芳香族ビニル単量体とそれと共重合し得る1
種あるいは2種以上の単量体の重合した量とゴム状重合
体との比率が0.009〜0.85:1、好ましくは
0.027〜0.85:1の範囲となるような重合反応
の時点から、重合転化率が15〜50%、好ましくは2
5〜40%になるまでの重合反応の時点の間に、芳香族
ビニル単量体または芳香族ビニル単量体とそれと共重合
し得る1種あるいは2種以上の単量体を、一括あるいは
逐次添加することの4要件の組み合わせが有効であり、
この組み合わせをとることにより、成形品の外観、特に
光沢が優れた樹脂を得ることができるのである。
【0009】予め芳香族ビニル単量体または芳香族ビニ
ル単量体とそれと共重合し得る1種あるいは2種以上の
単量体、および必要とあれば溶剤からなる溶液中にゴム
状重合体を溶解した初期仕込み溶液における重量のう
ち、芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体とそ
れと共重合し得る1種あるいは2種以上の単量体とゴム
状重合体の割合が、溶剤を除く総重量に対し、50重量
%を超えるか、または該初期仕込み溶液におけるゴム状
重合体重量の割合が、芳香族ビニル単量体または芳香族
ビニル単量体とそれと共重合し得る1種あるいは2種以
上の単量体とゴム状重合体に対し、10重量%未満であ
ると、または、芳香族ビニル単量体を繰り返し単位とす
る重合体または芳香族ビニル単量体とそれと共重合し得
る1種あるいは2種以上の単量体の共重合体とゴム状重
合体に対する比率が0.85:1より大きくなりすぎる
と、ゴム粒子の形態、特にコア・シェル構造を有すモル
フォロジーを制御することが不可能になり光沢が不良と
なる。また、初期仕込み溶液におけるゴム状重合体重量
の割合が、芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量
体とそれと共重合し得る1種あるいは2種以上の単量体
に対し、50重量%を超えるとゴム粒子の分散状態を制
御することが困難となり、やはり光沢が不良となる。
【0010】本発明におけるゴム状重合体としては、ポ
リブタジエンゴムに制限される。また、本発明の効果を
損なわない範囲で、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体(以下SBブロックゴムと記す)やスチレン−ブタ
ジエンゴム(SBR)などをポリブタジエンゴムと併用
することもできる。
【0011】本発明において、原料溶液を構成する芳香
族ビニル単量体としては、例えばスチレンの他、α−メ
チルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどの
α−アルキル置換スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチ
ルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレンのような核アルキル置換スチレン、o−クロルス
チレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p
−ブロモスチレン、2−メチル−1,4−クロルスチレ
ン、2,4−ジブロモスチレン等のような核ハロゲン化
スチレン、ビニルナフタレン等、従来ゴム変性スチレン
系樹脂用として知られているスチレン系モノマーの1種
または2種以上の混合物が用いられるが、代表的なもの
は、スチレンの単独もしくは、その一部をスチレン以外
の上記芳香族ビニル単量体で置き換えた単量体である。
また、芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体とは、
例えばアクリロニトリル、メタクリルニトリル、フマロ
ニトリル、マレオニトリル、α−クロロアクリロニトリ
ル等のシアン化ビニルやメタクリル酸メチルなどのメタ
クリル酸エステル、アクリル酸メチルなどのアクリル酸
エステル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン
酸、フェニルマレイミドなどのマレイミド、酢酸ビニ
ル、ジビニルベンゼン等であり、単独または混合物とし
て用いられる。
【0012】本発明に必要に応じて使用される溶剤とし
ては、芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、
エチルベンゼンの単独または2種以上の混合物がある。
さらに、ゴム状重合体の溶解を損なわない範囲で、他の
溶剤、例えば脂肪族炭化水素類、ジアルキルケトン類を
芳香族炭化水素類と併用することもできる。ゴム状重合
体は、芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体と
それと共重合し得る単量体、ないしは溶剤との混合物の
中で、芳香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体と
それと共重合し得る単量体とゴム状重合体に対し10〜
50重量%の濃度に溶解される。溶剤は0〜30重量%
の範囲で使用される。30重量%を超えると重合速度が
著しく低下する。また、溶剤の回収エネルギーが大とな
り経済性も劣ってくる。溶剤は比較的高粘度となる重合
転化率となってから添加してもよく、重合前から添加し
ておいてもよい。重合前から添加しておく方が、品質の
均一性、重合温度制御の点で好ましい。
【0013】本発明において単量体を重合する場合に
は、重合開始剤を用いて50〜180℃、好ましくは9
0〜150℃の温度範囲で重合する。また、重合開始剤
としてはラジカルを発生する有機過酸化物が好適に用い
られる。
【0014】本発明に使用される有機過酸化物は、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)パレード等のパーオキシケタール類、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、
アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイ
ド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド類、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
ミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキ
シエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−
3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等のパ
ーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシアセテ
ート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチ
ルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチ
ルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタ
レート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート等のパーオキシエステル類、アセチルア
セトンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサ
イド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−
トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシ
クロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイ
ド類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキサイド、p−メンタハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチルヘキサン2、5−ジハイドロパー
オキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイ
ドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、2
塩基酸のポリアシルパーオキサイド類、2塩基酸とポリ
オールとのポリパーオキシエステル類がある。
【0015】また、重合に際して、連鎖移動剤、例えば
メルカプタン類、α−メチルスチレンリニアダイマー、
テルビノーレン、また酸化防止剤として、ヒンダードフ
ェノール類、ヒンダードビスフェノール類、ヒンダード
トリスフェノール類等、例えば2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ートを使用してもよい。
【0016】本発明のゴム変性芳香族ビニル樹脂は、塊
状重合または塊状・懸濁重合のいずれの製造方法によっ
ても製造することが可能である。
【0017】また、上記の製造方法で得られた樹脂に
は、既知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−メチルシク
ロヘキシル)4,6−ジメチルフェノール、2,2’−
メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、4,4’−チオビス−(6−tert−ブ
チル−3−メチルフェノール)、ジラウリルチオジプロ
ピオネート、トリス(ジ−ノニルフェニル)ホスフェイ
ト、ワックス、既知の紫外線吸収剤、例えばp−ter
t−ブチルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノヘン、2−(2’−ヒ
ドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾチア
ゾール、既知の滑剤、例えばパラフィンワックス、ステ
アリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビスステ
アロアミド、n−ブチルステアレート、ケトンワック
ス、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ヒドロ
キシステアリン酸トリグリセリド、既知の難燃剤、例え
ば酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、ト
リクレジルホスフェート、塩素化パラフィン、テトラブ
ロモブタン、ヘキサブロモブタン、テトラブロモビスフ
ェノールA、既知の帯電防止剤、例えばステアロアミド
プロピルジメチル−β−ヒドロキシエチルアンモニウム
ニトレート、既知の着色剤、例えば酸化チタン、カーボ
ンブラック、その他の無機あるいは有機顔料、既知の充
填剤、例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス
繊維、ガラス球、カーボン繊維等を必要に応じて添加す
ることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、実施例および比較例において、射出
成形した試験片を用いて表面光沢はJIS Z−874
2に、アイゾッド衝撃強度はASTM D256に、ま
た曲げ弾性率はASTM D790に準拠して測定し
た。実施例および比較例で用いた押出成形機は、アイ・
ケー・ジー(株)製PMS40−28(口径40mm
φ、L/D28、フルフライトスクリュー)を用いた。
射出成形機は新潟鉄鋼所製SN−51B(50トン)を
用い、射出温度240℃、金型温度40℃で試験片を作
成した。
【0019】また、ゴム分散粒子の平均粒子径は、樹脂
を四酸化オスミウム染色し超薄切片法による透過型電子
顕微鏡写真より200〜1000個のゴム粒子径を測定
し、平均粒子径を求めた。楕円形をしている場合は、長
径aと短径bとの平均すなわち(a+b)/2をもって
粒子径とした。グラフト率G(%)は、試料A(約1g
を精秤)をアセトン/メチルエチルケトンの1/1混合
溶剤30ccに、室温で1時間振とうして分散し、不溶
分を遠心分離法にて分離して乾燥し、不溶分の重量
(B)を精秤し次の式1で求めた。但し、Cは試料A中
のゴム状重合体の含有率を示す。 G(%)={[(B/A)−C]/C}×100 式1
【0020】実施例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン35A)20重
量%をスチレンモノマー79重量%とエチルベンゼン1
重量%に溶解した溶液100重量部と1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン0.015重量部からなる溶液を第1重合機に投
入し、125℃の重合温度で重合反応を開始し、該溶液
のポリスチレンとゴム状重合体の比率が0.4:1とな
る重合反応の時点から、重合転化率が40%になるまで
の重合反応の時点までの間に、スチレンモノマー233
重量部を一定速度で送入し、その後重合転化率90%ま
で重合し、その溶液をベント式押出機に供給して230
℃、真空下に揮発性成分を除去しダイスから溶融ストラ
ンドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレッ
ト状の樹脂を得た。得られた樹脂の諸物性を測定し、結
果を表1に示す。また、ゴム粒子形態の透過型電子顕微
鏡写真を図1に示す。図1からコア・シェル構造のゴム
粒子形態を示すことがわかる。
【0021】実施例2 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)15重
量%をスチレンモノマー84重量%とエチルベンゼン1
重量%に溶解した溶液100重量部と1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン0.015重量部からなる溶液を第1重合機に投
入し、125℃の重合温度で重合反応を開始し、該溶液
のポリスチレンとゴム状重合体の比率が0.05:1と
なる重合反応の時点から、重合転化率が30%になるま
での重合反応の時点までの間に、スチレンモノマー15
1重量部を一定速度で送入し、その後重合転化率90%
まで重合し、その溶液をベント式押出機に供給して23
0℃、真空下に揮発性成分を除去しダイスから溶融スト
ランドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレ
ット状の樹脂を得た。得られた樹脂の諸物性を測定し、
結果を表1に示す。また、ゴム粒子形態の透過型電子顕
微鏡を図2に示す。図2からコア・シェル構造のゴム粒
子形態を示すことがわかる。
【0022】実施例3 ポリブタジエンゴム(旭化成社製700A)20重量%
をスチレンモノマー79重量%とエチルベンゼン1重量
%に溶解した溶液100重量部と1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン0.015重量部からなる溶液を第1重合機に投入
し、125℃の重合温度で重合反応を開始し、該溶液の
ポリスチレンとゴム状重合体の比率が0.4:1となる
重合反応の時点から、重合転化率が30%になるまでの
重合反応の時点までの間に、スチレンモノマー233重
量部を一定速度で送入し、その後重合転化率90%まで
重合し、その溶液をベント式押出機に供給して230
℃、真空下に揮発性成分を除去しダイスから溶融ストラ
ンドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレッ
ト状の樹脂を得た。得られた樹脂の諸物性を測定し、結
果を表1に示す。また、ゴム粒子形態の透過型電子顕微
鏡を図3に示す。図3からコア・シェル構造のゴム粒子
形態を示すことがわかる。
【0023】比較例1 ポリブタジエンゴム(旭化成社製ジエン55A)6重量
%をスチレンモノマー93重量%とエチルベンゼン1重
量%に溶解した溶液100重量部と1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン0.015重量部からなる溶液を第1重合機に投入
し、125℃の重合温度で重合反応を開始し、その後重
合転化率90%まで重合し、その溶液をベント式押出機
に供給して230℃、真空下に揮発性成分を除去しダイ
スから溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターに
て切断してペレット状の樹脂を得た。得られた樹脂の諸
物性を測定し、結果を表2に示す。またゴム粒子形態の
透過型電子顕微鏡写真を図4に示す。このような方法に
よるポリブタジエンゴムを用いたゴム変性ポリスチレン
の製造方法が通常知られている方法である。この方法に
よって得られた樹脂は、いわゆるサラミ構造のモルフォ
ロジーを有す樹脂であり、本発明の方法によって得られ
た樹脂に比べて、外観、特に表面光沢の点で著しく劣
る。
【0024】比較例2 ポリブタジエンゴム(宇部興産社製15H)6重量%を
スチレンモノマー93重量%とエチルベンゼン1重量%
に溶解した溶液100重量部と1,1−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
0.015重量部からなる溶液を第1重合機に投入し、
125℃の重合温度で重合反応を開始し、その後重合転
化率90%まで重合し、その溶液をベント式押出機に供
給して230℃、真空下に揮発性成分を除去しダイスか
ら溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて切
断してペレット状の樹脂を得た。得られた樹脂の諸物性
を測定し、結果を表2に示す。またゴム粒子形態の透過
型電子顕微鏡写真を図5に示す。このような方法による
ポリブタジエンゴムを用いたゴム変性ポリスチレンの製
造方法が通常知られている方法である。この方法によっ
て得られた樹脂は、サラミ構造のモルフォロジーを有す
樹脂であり、本発明の方法によって得られた樹脂に比べ
て、外観、特に表面光沢の点で著しく劣る。
【0025】比較例3 ポリブタジエンゴム(旭化成工業社製700A)6重量
%をスチレンモノマー93重量%とエチルベンゼン1重
量%に溶解した溶液100重量部とベンゾイルパーオキ
サイド0.09重量%からなる溶液を第1重合機に投入
し、85℃の重合温度で重合反応を開始し、その後13
0℃まで昇温しながら重合転化率90%まで重合し、そ
の溶液をベント式押出機に供給して230℃、真空下に
揮発性成分を除去しダイスから溶融ストランドを引き出
し、水冷し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を
得た。得られた樹脂の諸物性を測定し、結果を表2に示
す。またゴム粒子形態の透過型電子顕微鏡写真を図6に
示す。このような方法によるポリブタジエンゴムを用い
たゴム変性ポリスチレンの製造方法が通常知られている
方法である。この方法によって得られた樹脂は、サラミ
構造のモルフォロジーを有す樹脂であり、本発明の方法
によって得られた樹脂に比べて、外観、特に表面光沢の
点で著しく劣る。
【0026】比較例4 SBジブロックゴム(旭化成工業社製670A)15重
量%をスチレンモノマー84重量%とエチルベンゼン1
重量%に溶解した溶液100重量部からなる溶液を第1
重合機に投入し、125℃の重合温度で重合反応を開始
し、その後重合転化率90%まで重合し、その溶液をベ
ント式押出機に供給して230℃、真空下に揮発性成分
を除去しダイスから溶融ストランドを引き出し、水冷
し、カッターにて切断してペレット状の樹脂を得た。得
られた樹脂の諸物性を測定し、結果を表2に示す。また
ゴム粒子形態の透過型電子顕微鏡写真を図7に示す。比
較例4で得られた樹脂は表面光沢の値は実施例と同様の
値を示すものの、ゴム含量が多いにもかかわらず実施例
に比べて衝撃強度が低い。このようなSBジブロックゴ
ムを用いた方法が、コア・シェル構造を有するゴム変性
ポリスチレンの通常知られている製造方法である。この
方法によって得られた樹脂は、コア・シェル構造のモル
フォロジーを有する樹脂であり、本発明の方法によって
得られた樹脂に比べて、ほぼ同等の外観、特に表面光沢
が得られるものの、耐寒性に劣り、高いグラフト率を有
するものが得られないことからゴム分の高い配合処方に
することが必要となるためゴムを多量に使わざるを得
ず、ゴム分が多いことに起因する様々な弊害が生じる。
さらにSBジブロックゴム素材そのものが高価であり、
製造コスト高になるという欠点を有し、この点も著しく
劣る。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上の通り、本発明のゴム変性芳香族ビ
ニル樹脂およびその製造方法は、安価なポリブタジエン
ゴムを用いて、コア・シェル構造を有する樹脂、すなわ
ち外観、特に表面光沢に優れた樹脂を提供するものであ
り、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるゴム粒子形態を示すコア・
シェル構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率20000
倍)。
【図2】 実施例2におけるゴム粒子形態を示すコア・
シェル構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率20000
倍)。
【図3】 実施例3におけるゴム粒子形態を示すコア・
シェル構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率17500
倍)。
【図4】 比較例1におけるゴム粒子形態を示すサラミ
構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率17500倍)。
【図5】 比較例2におけるゴム粒子形態を示すサラミ
構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率17500倍)。
【図6】 比較例3におけるゴム粒子形態を示すサラミ
構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率17500倍)。
【図7】 比較例4におけるゴム粒子形態を示すコア・
シェル構造の透過型電子顕微鏡写真(倍率17500
倍)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル単量体単位を主とする重合
    体からなるコアとポリブタジエンゴムを用いたグラフト
    重合体からなるシェルから構成される、コア・シェル構
    造の粒子を有することを特徴とするゴム変性芳香族ビニ
    ル樹脂。
  2. 【請求項2】 ポリブタジエンゴム及び芳香族ビニル単
    量体を含む溶液を重合してなり、コア・シェル構造の粒
    子を有することを特徴とするゴム変性芳香族ビニル樹
    脂。
  3. 【請求項3】 (A)ポリブタジエンゴムと、(B)芳
    香族ビニル単量体または芳香族ビニル単量体とそれと共
    重合し得る1種あるいは2種以上の単量体及び、(C)
    必要とあれば溶剤を含む溶液を重合してゴム変性芳香族
    ビニル樹脂を製造するに際し、(1)(A)と(B)の
    初期仕込み量が、(A)と(B)の総量に対して50重
    量%以下であり、(2)初期仕込み溶液中において、ポ
    リブタジエンゴムの割合が、芳香族ビニル単量体または
    芳香族ビニル単量体とそれと共重合し得る1種あるいは
    2種以上の単量体とポリブタジエンゴムに対し、10〜
    50重量%であり、(3)芳香族ビニル単量体の重合し
    た量または芳香族ビニル単量体とそれと共重合し得る1
    種あるいは2種以上の単量体の重合した量とポリブタジ
    エンゴムとの比率が0.009〜0.85:1の範囲と
    なるような重合反応の時点から、重合転化率が15〜5
    0%になるまでの重合反応の時点までの間に、芳香族ビ
    ニル単量体または芳香族ビニル単量体とそれと共重合し
    得る1種あるいは2種以上の単量体を、一括あるいは逐
    次添加することを特徴とするゴム変性芳香族ビニル樹脂
    の製造方法。
JP15431797A 1997-05-29 1997-05-29 ポリブタジエンゴムを用いたゴム変性芳香族ビニル樹脂及びその製造方法 Pending JPH10330438A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089620A (ja) * 1999-09-21 2001-04-03 Denki Kagaku Kogyo Kk ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物

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