JP2002338776A - 透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物およびその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム質重合体に添加されている老化防止剤によ
って、ラジカル重合反応が阻害されず、かつ得られた樹
脂の成形体が黄変色や透明性の低下がなく、また優れた
成形体表面を持った樹脂組成物及びその製造法を提供す
ること。 【解決手段】芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重
合体ゴムに対して、特定の組み合わせの老化防止剤の存
在下に、芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル化合物を共重合して得
た、共重合体ゴム相を分散粒子として含有することを特
徴とする透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成
物及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品包装容器、ブリス
ターパック、一般容器ケース、シート、フィルムなどに
使用される、透明で高衝撃性芳香族ビニル系共重合樹脂
組成物およびその連続的重合または塊状、懸濁重合製造
方法に関するものであって、詳しくは、老化防止剤であ
る特定のフェノール系安定剤を添加した芳香族ビニル−
共役ジエンブロック共重合ゴムの存在下に、芳香族ビニ
ル系化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系化
合物とをグラフト共重合して得られる透明性ならびに実
用強度、とりわけ耐衝撃性に優れた、換言すれば少ない
ゴム分で相当の耐衝撃性を発現する高いゴム効率を有す
ゴム変性共重合樹脂組成物であって、かつ成形加工時の
樹脂の変色(黄変)や成形加工時の熱履歴によってゴム
質重合体が異常に架橋して生じる成形体表面の凹凸(フ
ィッシュアイ)が生じにくいゴム変性芳香族ビニル系共
重合樹脂組成物およびそのゴム変性芳香族ビニル系共重
合樹脂の生産性に優れた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系樹脂は、耐衝撃性に
優れた熱可塑性樹脂として現在広く用いられているが、
ゴム質が含まれるためにそのポリスチレンの有する透明
性は全く失われ、その用途が制限されるものであった。
従来、これら耐衝撃性スチレン系樹脂の特性を改良する
方法として、特公昭61−50488号、特開昭59−
20334号、特開昭60−203618号などによ
り、ポリブタジエンの溶液粘度、ミクロ構造、分岐構造
などの特性を特定する方法が提案されている。しかしこ
れらの方法について詳細に検討してみると、確かに従来
のポリブタジエンを用いた場合に比べ光沢は改良される
が、耐衝撃性ついては実用的に満足のゆくものは得られ
ていない。一方、特公昭42−17492号、特公昭4
8−18594号、特開昭61−143415号、特開
昭63−48317号、特開昭63−165413号、
特開平3−68612号などでは、スチレン系樹脂と親
和性を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を
使用する方法が提案されている。これらの方法による
と、得られる樹脂の光沢は改良されるが耐衝撃性が著し
く低下することが多く、耐衝撃性と光沢のバランスが不
十分であり、耐衝撃性の低下をいかに抑えるかが大きな
課題として残っていた。
【0003】さらに一方、一般にスチレン−ブタジエン
ブロック共重合体としては、線状ブロック構造のものや
放射状枝分かれブロック構造のものなど種々のものが知
られており、これらスチレン−ブタジエンブロック共重
合体は、その特性として透明性に著しく優れており、一
般にスチレン含有率が多くなるに従い、ゴム質状から樹
脂状に変化する。しかしながら、このようなスチレン−
ブタジエンブロック共重合体は、剛性、強度の実用物性
において劣るという欠点があり、従来においては、かか
る欠点を解消するためにポリスチレンを配合することが
行われている。しかし、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体にポリスチレンを配合することは、剛性におい
て改善されるが、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体の優れた特性である透明性が損なわれるなどの問題点
がある。そのため従来より耐衝撃性と透明性とを合わせ
持つ熱可塑性樹脂として、例えば特開昭52−1240
95号公報、特開昭62−169812号公報、特開昭
62−151415号公報には、ゴム質重合体の存在下
でスチレンモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル化合物を一種あるいはそれ以上の混合溶液をグラフ
ト共重合させる方法が多数開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの開示された技
術で用いられているゴム質重合体は製造過程で、通常ゴ
ム質重合体の劣化等を防ぐ為、老化防止剤を混ぜること
がおこなわれている。ところが、ゴム質重合体の存在下
でスチレンモノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル化合物を一種あるいはそれ以上の混合溶液をグラフ
ト共重合する際、ゴム質重合体に添加されている老化防
止剤の種類や量によっては、ラジカル重合反応が阻害さ
れて、グラフト重合速度が低下し、生産性があがらない
という問題がある。さらに、得られた樹脂を成形加工す
ると、成形体が黄色に変色して、透明性が極端に低下し
たり、また、成形加工時の熱履歴によってゴム質重合体
が異常に架橋して生じるフィッシュアイという成形体表
面の凹凸が生じたりする欠点がある。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、生産性に優れ、透明性を有し、成形体に変色
やフィッシュアイがなく、かつ衝撃強度、流動性等実用
物性に優れたバランスの良いゴム変性芳香族ビニル系共
重合樹脂組成物および製造方法について鋭意検討した結
果、特定の組み合わせの老化防止剤が適量添加されたゴ
ム質重合体を用いることにより、ゴム補強透明樹脂の生
産性が向上し、成形時の樹脂の変色がなく、その熱履歴
によってゴム質重合体が異常に架橋することで生じるフ
ィッシュアイが発生しないことがわかった。さらに、ゴ
ム補強透明樹脂を得るための芳香族ビニル系化合物と
(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物の混合物と
のグラフト共重合に最適な、特に混合物と強い親和性を
有する特定の構造のスチレン−ブタジエンブロック共重
合体構造を持つゴム質重合体を合わせ用いることで得ら
れるゴム補強透明樹脂の衝撃強度が著しく改善され、さ
らに透明性も改良されることが分かり、本発明を完成す
るに至った。
【0006】すなわち本発明は、芳香族ビニル−共役ジ
エン系ブロック共重合体ゴムに前記化学式(化1)で示
されるフェノール系安定剤と前記化学式(化2)〜(化
5)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種のフ
ェノール系安定剤を適量添加したゴム質重合体の存在下
に、芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル化合物を共重合して得た、共
重合ゴム相を分散粒子として含有することを特徴とする
透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物および
そのゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂の製造方法に関
するものである。
【0007】さらに詳しくは、芳香族ビニル−共役ジエ
ン系ブロック共重合体ゴム100重量部に対して、前記
化学式(化1)で示されるフェノール系安定剤0.01
〜1重量部、前記化学式(化2)〜(化5)で示される
化合物から選ばれる少なくとも1種のフェノール系安定
剤0.01〜1重量部を添加したゴム質重合体の存在下
に、芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル化合物を共重合して得た、共
重合体ゴム相を分散粒子として含有する透明なゴム変性
芳香族ビニル系共重合樹脂である。好ましくは、芳香族
ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体ゴム100重量
部に対して、前記化学式(化6)で示されるフェノール
系安定剤0.01〜1重量部、前記化学(化7)で示さ
れるフェノール系安定剤0.01〜1重量部を添加した
ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル系化合物および
一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物
を共重合して得た、共重合ゴム相を分散粒子として含有
する透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂およびそ
の製造方法である。
【0008】芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重
合体ゴムとしてスチレン−ブタジエン系ブロック共重合
体ゴム、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体ゴム
等があるが、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
ゴムが好ましい。スチレン−ブタジエン系ブロック共重
合体ゴムとして、好ましくはAB型ブロック共重合体が
あり、それは(イ)スチレン5〜30重量%とブタジエ
ン70〜95重量%からなるスチレンとブタジエンのラ
ンダム共重合体ブロック部Aと、スチレン85〜100
重量%とブタジエン0〜15重量%からなるスチレン単
独重合体あるいはスチレンとブタジエンのランダム共重
合体ブロック部B、または(SB)nSで表されるスチ
レン85〜99重量%とブタジエン1〜15重量%から
なるスチレンとブタジエンのブロック共重合体ブロック
B(ここでSはスチレンブロック、Bはブタジエンブロ
ックを表し、nは1〜7の整数を表す。)からなる。ま
た(ロ)スチレンとブタジエンのランダム共重合体ブロ
ック部Aのガラス転移点が−80〜−35℃の範囲にあ
り、(ハ)該共重合ゴム中におけるスチレンとブタジエ
ンのランダム共重合体ブロック部Aの占める重量割合が
好ましくは15〜90重量%で、スチレン単独重合体あ
るいはブタジエンとスチレンのランダム共重合体ブロッ
ク部Bまたは(SB)nSで表されるスチレンとブタジ
エンからなるブロック共重合体ブロックBの占める重量
割合が好ましくは85〜10重量%である。更に(ニ)
ブタジエンに基づく不飽和結合のうちの1,2ビニル結
合の割合が好ましくは8.0〜20.0重量%であり、
(ホ)25℃における5重量%スチレン溶液の粘度が好
ましくは20〜50センチポイズの範囲にあり、(ヘ)
スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴムを構成す
るブタジエンとスチレンのランダム共重合体ブロック部
Aに存在するスチレン単位数が1の短連鎖が、スチレン
単位数が1〜30個の範囲の短連鎖スチレン重合体部に
対し好ましくは62重量%以上である。
【0009】このようなAB型ブロック共重合体の存在
下に、芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メタ)
アクリル酸アルキルエステル化合物を共重合して得た、
共重合ゴム相を分散粒子として含有する芳香族ビニル系
共重合樹脂が好ましい。また該共重合ゴム3〜20重量
部と、該ゴム状重合体と実質的に同等の屈折率を有し、
一種以上の芳香族ビニル系化合物20〜80重量%と一
種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物2
0〜80重量%からなる芳香族ビニル系化合物−(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル共重合体97〜80重
量部とから好ましくは構成され、該ゴム状重合体が該芳
香族ビニル系化合物−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体中に分散した平均粒子径が好ましくは0.3〜2.
1μmの粒子であり、かつ該分散粒子のガラス転移点が
好ましくは−75〜−30℃の範囲にある、透明なゴム
変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物およびその製造方
法に関するものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられているゴム質重合体は,芳香族ビニル−共役ジ
エン系ブロック共重合体ゴム100重量部に対して、前
記化学式(化1)で示されるフェノール系安定剤を0.
01〜1重量部および前記化学式(化2)〜(化5)で
示される化合物から選ばれる少なくとも1種のフェノー
ル系安定剤を0.01〜1重量部配合することを特徴と
し、前記化学式(化1)で示されるフェノール系化合物
の配合が0.01未満では、安定化の効果が小さく、前
記化学式(化2)〜(化5)で示されるフェノール系化
合物との併用効果も低下する。また、その配合量が1重
量部を超えると、高温で長時間加熱した際に、該ゴム質
重合体の着色が激しくなり、また熱安定化効果も逆に悪
化してフィッシュアイが増すこともあり、好ましくな
い。より好ましくは0.05〜0.8重量部、更に好ま
しくは0.06〜0.14重量部である。
【0011】本発明に使用される化学式(化1)で示さ
れる化合物において、置換基R1およびR3は−CH2
−S−R5であり、R5は炭素原子数1〜18のアルキ
ル基、好ましくはn−オクチル基またはn−ドデシル基
である。置換基R2はメチル基か水素原子であり、置換
基R4がメチル基以外のときはメチル基を示す。R4は炭
素原子数1〜8のアルキル基または炭素原子数5〜12
のシクロアルキル基を示す。R4が炭素原子数1〜8の
アルキル水素である場合は、例えば、メチル基、エチル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基等、好ましくはメチル基、tert−ブチル基であ
る。R4が炭素原子数5〜12のシクロアルキル基であ
る場合は、例えばシクロペンチル基、シクロオクチル
基、シクロヘプチル基、シクロオキシル基等、好ましく
はシクロヘキシル基である。
【0012】本発明に使用される化学式(化1)で示さ
れるフェノール系化合物の具体例としては、2,4−ビ
ス(nーオクチルチオメチル)−6−メチルフェノー
ル、2,4−ビス(n−ドデシルチオメチル)−6−メ
チルフェノール、2,4−ビス(フェニルチオメチル)
−3−メチル−6−tert−ブチルフェノールなどが
挙げられる。最も好ましいのは、2,4−ビス(n−オ
クチルチオメチル)−6−メチルフェノールである。
【0013】更に、本発明で用いられるゴム質重合体
は、芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体ゴム
100重量部に対して、前記化学式(化2)〜(化5)
で示される化合物から選ばれる少なくとも1種のフェノ
ール系安定剤を0.01〜1重量部配合することを特徴
とし、前記化学式(化2)〜(化5)の配合量が0.0
1重量部未満では安定効果が小さく、前記化学式(化
1)との併用効果も小さい。また、その配合量が1重量
部を超えても熱安定化への影響は実質上それ以上の効果
が無く、不必要な添加は経済的にも不利である。より好
ましい配合量は0.1〜0.6重量部、更に好ましくは
0.2〜0.4重量部である。
【0014】本発明に使用される前記化学式(化2)〜
(化5)のフェノール系化合物において、置換基R6は
2,6-ジ(t−ブチル)フェノール基、R7は炭素数2〜
22のアルキル基、R8〜R9は水素原子または炭素数
1〜6のアルキル基である。置換基R7としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデ
シル基、オクタデシル基等が挙げられ、好ましくはオク
タデシル基等が挙げられる。置換基R8〜R9は、例え
ば、水素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好
ましくは、メチル基、tert−ブチル基等が挙げられ
る。前記化学式(化2)〜(化5)のフェノール系化合
物の具体例を以下に説明する。化学式(化2)で示され
る化合物としては、n−オクタデシルー3−(3’,
5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネートが挙げられる。化学式(化3)で表
される化合物の具体例としては、テトラキス−[メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げら
れる。化学式(化4)で表される化合物の具体例として
は、1,3,5−トリメチルー2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン等が挙げられる。化学式(化5)で表
される化合物具体例としては、エチレンビス(オキシエ
チレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシ−m−トリル)プロピオネート]などが挙げられ
る。
【0015】特に好ましい本発明のゴム質重合体に添加
される安定剤の添加量としては、芳香族ビニル−共役ジ
エン系ブロック共重合体ゴム100重量部あたり前記化
学式(化1)で示されるフェノール系化合物0.06〜
0.14重量部と前記化学式(化2)〜(化5)のフェ
ノール系化合物0.2〜0.4重量部を配合した組み合
わせが最も好ましい。
【0016】更に前記化学式(化1)〜(化5)に示し
た最も好ましい組み合わせは、前記化学式(化6)で示
されるフェノール系安定剤0.01〜1重量部と前記化
学式(化7)で示されるフェノール系安定剤0.01〜
1重量部であり、これによりゴム補強透明樹脂を製造す
るための芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル化合物の共重合速度が
上がり生産性が向上し、ゴム補強透明樹脂の透明性の低
下の抑制、即ち、成形体の変色が無く、表面の凸凹、即
ちフィッシュアイの発生を抑止できる。
【0017】本発明で用いられているゴム質重合体は、
前記化学式(化1)で示されるフェノール系安定剤と前
記化学式(化2)〜(化5)のフェノール系安定剤を配
合してなる事を必須とし、さらに好ましくは、前記化学
式(化6)および(化7)のフェノール系化合物を配合
してなるが、場合によっては、生産性を損なうことな
く、透明性、特に変色やフィッシュアイがなく、かつ衝
撃強度、流動性等実用物性に影響がない範囲であれば、
更に硫黄系化合物である安定剤、リン系化合物である安
定剤、ベンゾトリアゾール系化合物などの光安定剤から
選ばれた少なくとも一種以上を配合しても良い。
【0018】本発明を構成するゴム変性芳香族ビニル系
共重合樹脂は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重
合体の存在下で、芳香族ビニル系化合物および(メタ)
アクリル酸アルキルエステル化合物が重合、あるいは芳
香族ビニル系化合物および(メタ)アクリル酸アルキル
エステル化合物と必要とあらばそれらと共重合しうる1
種あるいは2種以上の化合物が共重合した芳香族ビニル
系共重合体として得られたものである。ここで芳香族ビ
ニル系化合物としては、例えばスチレンの他、α−メチ
ルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどのα
−アルキル置換スチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、2、4ジメチルス
チレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ンのような核アルキル置換スチレン、o−クロルスチレ
ン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2−メチル−1、4−クロルスチレン、
2、4ジブロモスチレン等のような核ハロゲン化スチレ
ン、ビニルナフタレン等、従来ゴム改質スチレン系樹脂
用として知られているスチレン系化合物の1種または2
種以上の混合物が用いられるが、代表的なものは、スチ
レンの単独もしくは、その一部をスチレン以外の上記ビ
ニル芳香族単量体で置き換えた化合物があり、また好ま
しい。
【0019】(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合
物としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシエチル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタ
クリル酸パルミチン、メタクリル酸ペンタデシル、メタ
クリル酸ステアリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸トリデシル、アクリル酸パルミチン、アクリル酸ペ
ンタデシル、アクリル酸ステアリルなどが挙げられ、こ
れらの2種以上の混合物として用いてもよい。好ましい
(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物としては、
メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸メトキシエチルなどが挙げられ、特に
好ましくはメタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが挙
げられる。
【0020】また、本発明の芳香族ビニル系共重合樹脂
を構成する、芳香族ビニル系化合物および(メタ)アク
リル酸アルキルエステル化合物と共重合可能な化合物と
は、例えばアクリロニトリル、メタクリルニトリル、フ
マロニトリル、マレオニトリル、α−クロロアクリロニ
トリル等のシアン化ビニルや、メタクリル酸、アクリル
酸、無水マレイン酸、フェニルマレイミドなどのマレイ
ミド、酢酸ビニル、ジビニルベンゼン等であり、芳香族
ビニル系化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル化合物との混合物として用いられる。
【0021】本発明のゴム変性芳香族ビニル系共重合樹
脂組成物の製造においては必要に応じて有機溶剤を用い
ることが出来る。有機溶剤としてはベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、アセトン、イソプロピ
ルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、特に芳香
族炭化水素類、例えばトルエン、エチルベンゼン単独ま
たは2種以上の混合物の使用が好ましく、さらに、ゴム
状重合体の溶解を損なわない範囲で、他の溶剤、例えば
脂肪族炭化水素類、ジアルキルケトン類を芳香族炭化水
素類と併用することもできる。ゴム状重合体は、芳香族
ビニル系化合物および(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル化合物または芳香族ビニル系化合物および(メタ)
アクリル酸アルキルエステル化合物とそれらと共重合し
うる単量体、ないしは溶剤との混合物中に溶解される。
有機溶剤を使うと重合液中の単量体濃度および生成した
共重合体濃度が低くなるので、重合速度が制御の容易な
程度にまで低くなって重合反応の暴走を防止することが
できるうえに、重合液の粘度が下がって重合液の均一な
混合、さらには重合液の移動が容易になり製造プロセス
としての操作性が向上する。
【0022】しかしながら、重合液中の有機溶剤濃度が
高くなる過ぎると、重合速度が低すぎて生産性が低下
し、さらにゴム状重合体を分散相に反転させる場合には
重合の過程でゴム状重合体粒子が凝集しやすく樹脂の透
明性が低下してしまい好ましくない。また、溶剤の回収
エネルギーが大となり経済性も劣ってくる。従って反応
槽での有機溶剤の濃度は重合液の総量100重量部に対
し通常5〜50重量部の範囲で使用される。溶剤は比較
的高粘度となる重合転化率となってから添加してもよ
く、重合前から添加しておいてもよい。重合前から添加
しておくほうが、品質の均一性、重合温度制御の点で好
ましい。単量体を重合する場合に、重合開始剤不存在下
に110〜190℃の温度範囲で重合してもよいし、重
合開始剤としてラジカルを発生する有機過酸化物を用い
て50〜180℃、好ましくは90〜150℃の温度範
囲で重合することができるが、過酸化物を存在させて重
合させることが好ましい。
【0023】本発明においては前記のように重合開始剤
を用いることが出来る。使用される有機過酸化物は、
2、2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2、2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、1、1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)3、3、5−トリメチルシ
クロヘキサン、n−ブチル−4、4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)バリレート等のパーオキシケタール類、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、α、α’−ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2、
5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2、5−ジメチル−2、5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、3、5、5−ト
リメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、2、4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオ
キサイド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2
−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メト
キシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−
メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネー
ト、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブ
チルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソ
ブチレート、t−ブチルパーオキシピパレート、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネ
オデカノエート、t−ブチルパーオキシ2ーエチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシ3、5、5−トリメ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチ
ルジパーオキシイソフタレート、2、5−ジメチル−
2、5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキ
シエステル類、アセチルアセトンパーオキサイド、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド、3、3、5−トリメチルシクロヘキサノン
パーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジ−イ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メン
タンハイドロパーオキサイド、2、5−ジメチルヘキサ
ン2、5−ジハイドロパーオキサイド、1、1、3、3
−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド類、2塩基酸のポリアシルパーオキ
サイド類、2塩基酸とポリオールとのポリパーオキシエ
ステル類が挙げられ、開始剤を1種または2種以上を使
用できる。しかしながら、有機過酸化物の使用が、高い
グラフト効率が得られ易いので好ましい。その使用量に
ついては、特に制限はないが、モノマー混合物100重
量部に対して0.001〜5.0重量部がよい。
【0024】また、重合に際して、連鎖移動剤、例えば
メルカプタン類、α−メチルスチレンリニアダイマー、
モノテルペノイド系分子量調節剤(タービノーレン)を
使用してもよい。
【0025】また、上記各重合法で得られた樹脂には、
既知の紫外線吸収剤、例えばp−tert−ブチルフェ
ニルサリシレート、2、2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノヘン、2−(2’−ヒドロキシ−4’
−n−オクトキシフェニル)ベンゾチアゾール;既知の
滑剤、例えばパラフィンワックス、ステアリン酸、硬化
油、ステアロアミド、メチレンビスステアロアミド、n
−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアル
コール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸
トリグリセリド;既知の難燃剤、例えば酸化アンチモ
ン、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、トリクレジルホス
フェート、塩素化パラフィン、テトラブロモブタン、ヘ
キサブロモブタン、テトラブロモビスフェノールA;既
知の帯電防止剤、例えばステアロアミドプロピルジメチ
ル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレート;既
知の着色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラック、そ
の他の無機あるいは有機顔料、既知の充填剤、例えば炭
酸カルシウム、クレー、シリカ、ガラス繊維、ガラス
球、カーボン繊維、補強用エラストマーとしてMBS、
SBR,SBS,SIS,あるいはそれらの水添物等を
必要に応じて添加することができるが、これらに限られ
るものではない。さらにこれらの添加剤を樹脂に配合す
る際に添加剤を単独で配合してもよいし複数の種類の添
加剤を配合してもよい。さらに他の樹脂とブレンドして
成形に供することもできる。また、これらの添加剤は、
重合プロセスの途中段階で添加してもよい。またシー
ト、フィルムなどの製品表面の特性を改質するためにス
チレン系樹脂やアクリル樹脂などで用いられている改質
剤を塗布することができる。
【0026】そして、本発明においては、連鎖移動剤の
種類や使用量および添加時期を変えることにより、マト
リックス樹脂の分子量を制御することができる。また、
連鎖移動剤の種類や使用量および添加時期の他、攪拌条
件を変えることにより、ゴム分散粒子の粒子径を制御す
ることができる。また、透明性を維持させるために、重
合過程で生成するポリマー組成を変化させないような方
法が用いられる。例えば、重合途中に必要に応じて単量
体を添加する方法や、連続的に追後添加するなどの方法
が用いられる。
【0027】本発明で用いられる芳香族ビニル−共役ジ
エン系ブロック共重合体ゴムは、ブロック共重合体であ
れば特に制限はないが、好ましくはスチレン−ブタジエ
ン系ブロック共重合体ゴムである。このブロック共重合
体ゴムにおいて、スチレンとブタジエンのランダム共重
合体ブロック部Aとスチレン単独重合体あるいは大部分
がスチレンより構成されるスチレン−ブタジエンランダ
ム共重合体ブロック部B、または(SB)nSで表され
るスチレンとブタジエンのブロック共重合体ブロック部
BからなるAB型ブロック共重合体が好ましく用いられ
る。 ここでスチレンとブタジエンのランダム共重合体
ブロック部Aとは、スチレンとブタジエンの結合様式が
ポリマー鎖に沿ってランダムに均一に分布した構造の共
重合体ブロック部をいう。
【0028】なお、上記AB型ブロック共重合体におい
て、本発明で得られる効果に影響がない範囲で、スチレ
ンとブタジエンのランダム共重合体よりなるブロック部
Aおよび/あるいは、スチレン単独重合体あるいはスチ
レン−ブタジエン共重合体ブロック部B中、あるいはス
チレンとブタジエンのランダム共重合体よりなるブロッ
ク部Aとスチレン単独重合体あるいはスチレン−ブタジ
エン共重合体ブロック部Bの境界部やAおよび/あるい
はBの両末端の一部にブタジエンブロック部を有するこ
ともでき、また同様通常のスチレンーブタジエン系ブロ
ック共重合体ゴムを併用することもできる。
【0029】本発明の樹脂組成物に好ましく使用される
スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴムは、好ま
しくは、(イ)スチレン5〜30重量%とブタジエン7
0〜95重量%からなるスチレンとブタジエンのランダ
ム共重合体ブロック部Aと、スチレン85〜100重量
%とブタジエン0〜15重量%からなるスチレン単独重
合体あるいはスチレンとブタジエンのランダム共重合体
ブロック部B、または(SB)nSで表されるスチレン
85〜99重量%とブタジエン1〜15重量%からなる
スチレンとブタジエンのブロック共重合体ブロック部B
からなり、(ロ)スチレンとブタジエンのランダム共重
合体ブロック部Aのガラス転移点が、好ましくは−80
〜−35℃の範囲にあり、(ハ)該AB型ブロック共重
合体中における、スチレンとブタジエンのランダム共重
合体ブロック部Aの占める重量割合が好ましくは15〜
90重量%、ブロック部Bの占める重量割合が好ましく
は85〜10重量%であり、(ニ)ブタジエンに基づく
不飽和結合のうちの1,2−ビニル結合の割合が好まし
くは8.0〜20.0重量%であり、(ホ)25℃にお
ける5重量%スチレン溶液の粘度が好ましくは20〜5
0センチポイズの範囲にあり、(ヘ)スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体ゴムを構成するスチレンとブタ
ジエンのランダム共重合体ブロック部に存在するスチレ
ン単位数が1の短連鎖が、スチレン単位数が1〜30個
の範囲の短連鎖スチレン重合体部に対し好ましくは62
重量%以上であり、さらに好ましくは、該スチレン−ブ
タジエン系ブロック共重合体ゴムは、(イ)スチレン5
〜25重量%とブタジエン75〜95重量%からなるス
チレンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部Aと
スチレン98〜100重量%とブタジエン0〜2重量%
からなるスチレン単独重合体あるいはスチレンとブタジ
エンのランダム共重合体ブロック部B、または(SB)
nSで表されるスチレン85〜99重量%とブタジエン
1〜15重量%からなるスチレンとブタジエンのブロッ
ク共重合体ブロック部Bからなり、(ロ)スチレンとブ
タジエンのランダム共重合体ブロック部Aのガラス転移
点が−75〜−40℃の範囲にあり、(ハ)該AB型ブ
ロック共重合体中における、スチレンとブタジエンのラ
ンダム共重合体ブロック部Aの占める重量割合が、好ま
しくは60〜85重量%、ブロック部Bの占める重量割
合が好ましくは40〜15重量%であり、(ニ)ブタジ
エンに基づく不飽和結合のうちの1,2−ビニル結合の
割合が、好ましくは10.0〜17.0重量%であり、
(ホ)25℃における5重量%スチレン溶液の粘度が、
好ましくは20〜40センチポイズの範囲にあり、
(ヘ)スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴムを
構成するスチレンとブタジエンのランダム共重合体ブロ
ック部に存在するスチレン単位数が1の短連鎖が、スチ
レン単位数が1〜30個の範囲の短連鎖スチレン重合体
部に対し、好ましくは62重量%以上である。
【0030】本発明の樹脂組成物に使用されるスチレン
−ブタジエン系ブロック共重合体ゴムとして、AB型ブ
ロック共重合体を用いる場合、スチレンとブタジエンの
ランダム共重合体ブロック部Aは、スチレン5〜30重
量%とブタジエン70〜95重量%からなり、さらに該
ランダム共重合体Aのガラス転移点は−80〜−35℃
の範囲にあることが好ましい。これが、ゴム補強透明樹
脂を得るための芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル化合物の混合化合物とのグラフト
共重合に最適な、特に混合化合物と強い親和性を有する
特定の構造である。そして、スチレン−ブタジエン系ブ
ロック共重合体ゴムを構成するスチレンとブタジエンの
ランダム共重合体ブロック部Aが、スチレン5〜25重
量%とブタジエン75〜95重量%からなり、また該ラ
ンダム共重合体Aのガラス転移点が−75〜−40℃の
範囲にあると、芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル化合物との混合化合物と一層強い
親和性を有する特定の構造となり、その結果、ゴム補強
透明樹脂の透明性、衝撃強度等の物性バランスが更に優
れるようになり、好ましい。
【0031】また、本発明の共重合体ゴムとして、AB
型ブロック共重合体を用いる場合の特に好ましいブロッ
ク部Bはスチレン単独重合体、あるいはブタジエンとス
チレンのランダム共重合体の場合、スチレン98〜10
0重量%とブタジエン0〜2重量%からなるランダム共
重合体、またはブロック部Bが(SB)nSで表される
スチレンとブタジエンのブロック共重合体の場合、スチ
レン95〜99重量%とブタジエン1〜5重量%からな
るブロック共重合体である。本発明の共重合体ゴムにお
いて、ブタジエンに基づく不飽和結合のうちの1,2−
ビニルの結合割合は、好ましくは8.0〜20.0重量
%である。1,2−ビニルの結合割合が20重量%を超
えるとゴム粒子の形態や粒子径が不揃いになり耐衝撃性
が劣り、8重量%未満ではゴム形態が不揃いになり耐衝
撃性が劣る。また、本発明の共重合ゴムの25℃におけ
る5重量%スチレン溶液の粘度は、好ましくは20〜5
0センチポイズの範囲である。該粘度が20センチポイ
ズ以下では耐衝撃性が劣り、50センチポイズを超える
場合は、分散ゴム粒子の粒子径が不揃いになり、得られ
る樹脂の光沢が劣る。
【0032】また本発明においては、スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体ゴムとして、上記AB型ブロッ
ク共重合体で用いる場合、該共重合体を構成するスチレ
ンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部Aに存在
するスチレン単位数が1の短連鎖が、スチレン単位数が
1〜30個の範囲の短連鎖スチレン重合体部に対し62
重量%以上であることが好ましい。スチレン−ブタジエ
ン系ブロック共重合体ゴム連鎖中のスチレン単位数が1
の短連鎖部分は、スチレン−ブタジエン系ブロック共重
合体ゴムをオゾン分解(日本ゴム協会誌、54(9)5
64(1981))して得た成分のGPC(検知部に吸
光波長254nmに設定した紫外吸光光度計検知器を使
用)において、各カウント数に対応する分子量を標準ポ
リスチレンおよびポリスチレンオリゴマーを用いて作成
した検量線から求められ、スチレンの1量体に対応する
成分をいう。またスチレン単位数が1〜30個の範囲の
短連鎖スチレン重合体部とは、スチレンの1量体に対応
する成分からスチレン30量体に対応する成分(酸化に
よる分解生成物は水酸基やブタジエン残基を有するの
で、スチレン30量体は分子量4000の酸化分解生成
物に対応するものとして扱う)までの部分をいう。
【0033】そしてスチレンとブタジエンのランダム共
重合体ブロック部Aに存在するスチレン単位数が1の短
連鎖の、スチレン単位数が1〜30個の範囲の短連鎖ス
チレン重合体部に対する割合とは、スチレン−ブタジエ
ン系ブロック共重合体ゴムをオゾン分解して得た成分の
ゲルパーミエーションクロマトグラムにおいて、スチレ
ン単位数が1〜30個の範囲にある全ピーク面積に対す
るスチレン単位数が1個の短連鎖のピーク面積の割合を
いう。この割合が62重量%以上であると、ゴム補強透
明樹脂を得るための芳香族ビニル系化合物と(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル化合物の混合物とAB型ブロ
ック共重合体であるスチレン−ブタジエン系ブロック共
重合体ゴムとのグラフト共重合を行う際に、該混合物と
該共重合体ゴムが一層強い親和性を有するようになり、
その結果、透明性、衝撃強度、流動性等の実用物性に一
層優れたゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂が得られる
ようになり、好ましい。
【0034】本発明の樹脂組成物に使用される芳香族ビ
ニル−共役ジエン系ブロック共重合体ゴムは、製造方法
に特に制限はないが、好ましくは、炭化水素溶媒中にお
いて有機リチウム系触媒を用いた、通常のリビングアニ
オン重合法により製造される。上記芳香族ビニル−共役
ジエンにおいて、例えばスチレンーブタジエン系ブロッ
ク共重合体ゴムの場合は、有機リチウム系触媒を用い、
炭化水素溶媒中において製造する。 有機リチウム系触
媒としては、例えばn−プロピルリチウム、iso−プ
ロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチル
リチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウ
ム、エチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、シクロヘ
キシルリチウム、ベンジルリチウム、リチウムナフタレ
ン等が用いられ、好ましくは、n−ブチルリチウム、s
ec−ブチルリチウム等が用いられる。
【0035】炭化水素溶媒としてはペンタン、n−ヘキ
サン、n−ヘプタン、イソオクタン、n−デカン等の脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、キシ
レン、トルエン等の芳香族炭化水素が用いられる。また
極性物質を重合系に共存させて製造してもよい。極性物
質としてはトリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、
ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレン
ジアミン、ヘキサメチルホスホルアミド、トリフェニル
ホスフィン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、カリウムブトキシ
ド、ナトリウムブトキシド等が挙げられ、好ましくは
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、
テトラヒドロフラン等が用いられる。
【0036】本発明で用いられるスチレンーブタジエン
系ブロック共重合体ゴムとして、スチレンとブタジエン
のランダム共重合体ブロック部Aとスチレン単独重合体
あるいは大部分がスチレンより構成されるスチレンーブ
タジエンランダム共重合体ブロック部Bまたは(SB)
nSで表されるスチレンとブタジエンのブロック共重合
体ブロックBからなるAB型ブロック共重合体を用いる
場合、このようなスチレンーブタジエン系ブロック共重
合体ゴムをリビングアニオン重合法で製造する方法とし
ては、例えば、有機リチウム系触媒の存在する炭化水素
溶媒中に、スチレンとブタジエンの混合物を、設定され
た重合温度における該モノマーの重合速度よりも遅い重
合速度で供給して重合する方法(例えば特公昭38−2
394号公報等に記載の方法)を応用することが挙げら
れる。即ち、所望のブタジエンとスチレンの組成比を有
するモノマー混合物を重合速度以下の速度で供給しなが
ら重合し、次いで必要ならば、スチレンとブタジエンの
組成比の異なるモノマー混合物を重合速度以下の速度で
供給し、更に必要ならば、この操作を1回以上繰り返す
ことによって、本発明のブロック共重合体ゴムにおける
ブロック部Aを重合し、引き続いてスチレンモノマー単
独、或いは所望のスチレンとブタジエンの組成比を有す
るモノマー混合物を供給して、スチレン単独重合体ある
いは大部分がスチレンより構成されるスチレンーブタジ
エンランダム共重合体ブロック部Bを重合でき、あるい
は引き続いてスチレンモノマー単独を供給し、さらにブ
タジエン単独を供給し、更に必要ならば、この操作を1
回以上繰り返すことによって、(SB)nSで表される
スチレンとブタジエンのブロック共重合体ブロック部B
を重合できる。
【0037】また、有機リチウム系触媒を含む重合系に
極性物質を添加する方法(例えば特公昭36−1538
6号公報等に記載の方法)を応用することも、リビング
アニオン重合法による製造方法として挙げることができ
る。即ち、有機リチウム系触媒と極性物質を含有する重
合系に、所望のスチレンとブタジエンの組成比を有する
モノマー混合物を重合させ、その後に必要ならばスチレ
ンとブタジエンの組成比の異なるモノマー混合物を加え
て重合し、更に必要ならばこの操作を1回以上繰り返す
ことによって、本発明のブロック共重合体ゴムにおける
ブロック部Aを重合し、引き続いてスチレンモノマー単
独、或いは所望のスチレンとブタジエンの組成比を有す
るモノマー混合物を供給して、スチレン単独重合体ある
いは大部分がスチレンより構成されるスチレンーブタジ
エンランダム共重合体ブロック部Bを重合でき、あるい
は引き続いてスチレンモノマー単独を供給し、さらにブ
タジエン単独を供給し、更に必要ならば、この操作を1
回以上繰り返すことによって、(SB)nSで表される
スチレンとブタジエンのブロック共重合体ブロック部B
を重合できる。更にまた、これらの方法の組み合わせに
よる方法も可能である。
【0038】また本発明において、該スチレンーブタジ
エン系ブロック共重合体ゴムとしてAB型ブロック共重
合体を用いる場合、該共重合体中ブロック部Aの占める
重量割合は好ましくは15〜90重量%であり、更に好
ましくは15〜85重量%である。そしてブロック部A
の占める重量割合は60〜85%の範囲にあるとなお好
ましい。該共重合体ゴム中におけるブロック部Aの占め
る重量割合が15重量%未満の場合、ゴム補強透明樹脂
のゴム粒子径が小さくなり、衝撃強度が低下して、透明
性と衝撃強度のバランスが劣るようになる。また該共重
合体ゴム中におけるブロック部Aの占める重量割合が9
0重量%を超える場合も、ゴム補強透明樹脂中の分散ゴ
ム粒子と連続相との界面の接着性が下がるため、やはり
衝撃強度が低下し、透明性と衝撃強度のバランスが劣る
ようになる。
【0039】本発明におけるゴム変性芳香族ビニル系共
重合樹脂は、好ましくは、スチレン−ブタジエン系ブロ
ック共重合体ゴムを3〜20重量部と、該ゴム状重合体
と実質的に同等の屈折率を有し、一種以上の芳香族ビニ
ル系化合物20〜80重量%と一種以上の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル化合物20〜80重量%からな
る芳香族ビニル系化合物−(メタ)アクリル酸アルキル
エステル共重合体97〜80重量部とから構成される。
更に好ましくは、スチレンブタジエン系ブロック共重合
体ゴムを5〜15重量部と、該ゴム状重合体と実質的に
同等の屈折率を有し、一種以上の芳香族ビニル系化合物
40〜65重量%と一種以上の(メタ)アクリル酸アル
キルエステル化合物35〜60重量%から成る芳香族ビ
ニル系化合物−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共
重合体85〜95重量部とから構成される。
【0040】本発明におけるゴム変性芳香族ビニル系共
重合樹脂組成物において、連続相を構成する芳香族ビニ
ル系化合物−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重
合体は、屈折率が該共重合体ゴムと実質的に同等であ
る。屈折率を該共重合体ゴムと実質的に同等とするに
は、使用する該共重合体ゴムの化学組成に応じて該共重
合体の芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの割合を制御する方法が用いられる。例え
ば該共重合体ゴムに含まれるスチレン構造単位の割合を
X%、ポリスチレンの屈折率をnPS、ポリブタジエン
の屈折率をnPB、該共重合体に含まれるスチレン系単
量体構造単位の割合をY%、スチレン系単量体構造単位
の屈折率をnS、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
構造単位の屈折率をnMとしたとき、下記の式I、式I
I、式IIIを満足させればよい。 |n1−n2|≦0.01 式I n1=nPS×X÷100+nPB×(100−X)÷100 式I I n2=nS×Y÷100+nM×(100−Y)÷100 式III 式Iにおいてn1はゴム状重合体の屈折率であり、n2
は共重合体の屈折率である。式II及び式IIIにおけ
るnPS、nPB、nS、nMの値は、用いる単量体の
種類に基づいて、例えばポリマーハンドブック(Fou
rth Edition,VI/571)のような文献
に記載されたものを用いることができる。また該共重合
体ゴムに含まれるスチレン構造単位の割合X%、および
該共重合体に含まれるスチレン系単量体構造単位の割合
Y%は、体積分率、重量分率、モル分率のいずれでも構
わず、いずれかの場合に式Iが満たされていればよい。
この中でも好ましくは、体積分率或いは重量分率が用い
られ、特に好ましくは重量分率が用いられる。このよう
に式I、式II、式IIIから、該共重合体の芳香族ビ
ニル系化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
割合を求めることができる。
【0041】本発明の樹脂組成物において、ゴム変性芳
香族ビニル系共重合樹脂組成物に由来するゴム状重合体
の分散粒子の平均径は、好ましくは0.3〜2.1μm
の範囲にあり、さらに好ましくは、ゴム変性芳香族ビニ
ル系共重合樹脂組成物に由来するゴム状重合体の分散粒
子の平均径は、0.5〜1.0μmの範囲である。平均
粒子径が2.1μmを超えると外観が不良となり、0.
3μm未満では耐衝撃性が低下し好ましくない。ここで
いう平均粒子径とは、LS−230(米国コールター社
の分散粒子径測定機の商標)により、ジメチルホルムア
ミドを分散剤として測定し、体積平均値を求める。粒子
径分布状態は特に制限はなく、単峰分布である分布状
態、双山分布を有する分布状態であればよい。また本発
明のゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物に由来す
るゴム状重合体の分散粒子のガラス転移点は−75〜−
30℃の範囲にあることが好ましく、−70〜−35℃
の範囲にあると一層好ましい。該分散粒子のガラス転移
点が−75〜−30℃の範囲にあると、得られるゴム変
性芳香族ビニル系共重合樹脂は優れた耐衝撃性を示すよ
うになる。該分散粒子のガラス転移点の測定方法は特に
制限はないが、DSCや動的粘弾性等の公知の方法で測
定され、好ましくはDSC等が用いられる。
【0042】得られた樹脂組成物は、射出成形や押出成
形によって各種成形品を成形することができる。さら
に、Tダイシート押出機、キャスト加工装置、二軸延伸
加工機、インフレーション加工装置を用いて、シートや
フィルムに成形することができる。得られた成形品は、
その優れた透明性、耐衝撃性を利用して、カバー類、ケ
ース類、日用雑貨などに使用される。特にスチレン系樹
脂シート、フィルム用素材として有用であり、食品包装
容器、日用雑貨包装用、ラミネーションシートフィルム
として好適に使用できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まず、本発明の、ゴム状重合体を分散粒子として
含有するゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂は、従来か
ら公知の方法で製造することができる。すなわち、ゴム
状重合体を芳香族ビニル系化合物および(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル化合物、必要に応じ重合溶媒、重
合開始剤からなる原料溶液に溶解し、通常用いられるラ
ジカル系触媒の存在下、非存在下において、その原料を
攪拌機付き反応器に供給し重合を行う。重合温度はゴム
変性芳香族ビニル系共重合樹脂の流動性、生産性、反応
器の除熱能力等を考慮して決定することができる。重合
終了後、未反応単量体、重合溶媒などを除去するため、
例えば真空下で処理を行い、ゴム変性芳香族ビニル系共
重合樹脂を得る。
【0044】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。尚、実施例および比較例において示すデー
タは、下記方法に従って測定した。スチレン−ブタジエ
ン系ブロック共重合体ゴムの分子量分布は、GPC法に
より、次の条件で測定した。 溶媒(移動相):THF、脱気装置:ERMA社製ER
C−3310、ポンプ:日本分光社製PU−980,流
速1.0ml/min、オートサンプラ:東ソー社製A
S−8020、カラムオーブン:日立製作所製L−50
30、設定温度40℃、カラム構成:東ソー社製TSK
gurdcolumn MP(×L)6.0mmID×
4.0cm 1本、および東ソー社製TSK−GEL
MULTIPORE HXL−M 7.8mmID×3
0.0cm 2本、計3本、検出器:RI 日立製作所
製L−3350、データ処理:SIC480データステ
ーション。
【0045】スチレンとブタジエンのランダム共重合体
ブロック部に存在するスチレン単位数が1の短連鎖の、
スチレン単位数が1〜30個の範囲の短連鎖スチレン重
合体に対する割合は、次のように求めた。スチレン−ブ
タジエン系ブロック共重合体ゴム連鎖中のスチレン単位
数が1個の短連鎖スチレン部分は、スチレン−ブタジエ
ン系ブロック共重合体ゴムをオゾン分解(日本ゴム協会
誌、54(9)564(1981))して得た成分のG
PC(検知部に吸光波長254nmに設定した紫外吸光
光度計検知器を使用)において、各カウント数に対応す
る分子量を標準ポリスチレンおよびポリスチレンオリゴ
マーを用いて作成した検量線から求め、スチレンの1量
体に対応する成分を求めた。さらに、スチレン単位数が
1〜30個の範囲の短連鎖スチレン重合体部分は、スチ
レンの1量体に対応する成分からスチレン30量体に対
応する成分(酸化による分解生成物は水酸基やブタジエ
ン残基を有するので、スチレン30量体は分子量400
0の酸化分解生成物に対応するものとして扱った)まで
の部分(以後これを短連鎖スチレン部分と呼ぶ)とし
た。そして、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
ゴムをオゾン分解して得た成分のゲルパーミエーション
クロマトグラムにおいて、スチレン単位数が1〜30個
の範囲にある全ピーク面積に対するスチレン単位数が1
個の短連鎖のピーク面積の割合を、ブタジエンとスチレ
ンのランダム共重合体ブロック部に存在するスチレン単
位数が1の短連鎖の、スチレン単位数が1〜30個の範
囲の短連鎖スチレン重合体に対する割合とした。
【0046】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
ゴムをオゾン分解して得た成分のゲルパーミエーション
クロマトグラムは次の条件で得た。 溶媒(移動相):THF、脱気装置:ERMA社製ER
C−3310、ポンプ:日本分光社製PU−980,流
速0.5ml/min、オートサンプラ:東ソー社製A
S−8020、カラムオーブン:日立製作所製L−50
30、設定温度40℃、カラム構成:東ソー社製TSK
−GEL G3000HXL 7.8mmID×30.
0cm 1本、および東ソー社製TSK−GEL G2
000HXL 7.8mmID×30.0cm 1本、
および東ソー社製TSK−GELG1000HXL
7.8mmID×30.0cm 4本、計6本、検出
器:UV 日本分光UV−970(波長254nm,D
2ランプ使用)、データ処理:SIC480データステ
ーション。
【0047】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
ゴムにおける、スチレン−ブタジエンランダム共重合体
ブロック部Aのガラス転移点は、セイコー電子工業社製
DSC装置「DSC−200」およびTAステーション
「SSC−5000」を使用し、スチレン−ブタジエン
系ブロック共重合体ゴムを試料に用いて、次の条件で測
定した。室温から、ポリスチレンの融点プラスアルファ
の温度まで昇温し、その温度で約10分間保持し、20
〜25℃/分の冷却速度でポリブタジエンのガラス転移
温度マイナスアルファの温度まで冷却し、その温度で約
10分間保持した後、再度ポリスチレンの融点プラスア
ルファの温度まで10℃/分の昇温速度で昇温し(n=
1)、その温度で約10分間保持し、20〜25℃/分
の冷却速度でポリブタジエンのガラス転移温度マイナス
アルファの温度まで冷却し、その温度で約10分間保持
した後、再度ポリスチレンの融点プラスアルファの温度
まで10℃/分の昇温速度で昇温し(n=2)、2度の
測定結果の平均値を記録した。
【0048】また、ゴム変性芳香族ビニル−(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル共重合体中に分散した軟質分
散粒子のガラス転移点は、ゴム変性芳香族ビニル系共重
合樹脂試料a(約1gを精秤)をアセトン/メチルエチ
ルケトンの4/6(体積比)混合溶剤30ccに分散
し、不溶分を遠心分離法にて分離して乾燥したものを、
セイコー電子工業社製DSC装置「DSC−200」お
よびTAステーション「SSC−5000」を使用し、
次の条件で測定した。室温から、ポリスチレンの融点プ
ラスアルファの温度まで昇温し、その温度で約10分間
保持し、20〜25℃/分の冷却速度でポリブタジエン
のガラス転移温度マイナスアルファの温度まで冷却し、
その温度で約10分間保持した後、再度ポリスチレンの
融点プラスアルファの温度まで10℃/分の昇温速度で
昇温し(n=1)、その温度で約10分間保持し、20
〜25℃/分の冷却速度でポリブタジエンのガラス転移
温度マイナスアルファの温度まで冷却し、その温度で約
10分間保持した後、再度ポリスチレンの融点プラスア
ルファの温度まで10℃/分の昇温速度で昇温し(n=
2)、2度の測定結果の平均値を記録した。
【0049】また、スチレン−ブタジエン系ブロック共
重合体ゴムのミクロ構造、特にブタジエン部のビニル結
合含有量とスチレン含有率は、赤外分光分析法(Ham
pton,Anal.Chem.,21,923(19
49))により、またスチレン溶液粘度は、オストワル
ド粘度計により測定した。ゴム変性芳香族ビニル系共重
合樹脂組成物のグラフト率は試料S1(約1gを精秤)
をアセトン/メチルエチルケトンの4/6(体積比)混
合溶剤30ccに分散し、不溶分を遠心分離法にて分離
して乾燥し、不溶分の重量(S2)を精秤し次の式1で
求める。但しS3は試料S1中のゴム状状重合体の含有
率を示す。 {式1} グラフト率(g)=[(S2/S1)−S3]/S3×100 膨潤指数は、試料S4(約1gを精秤)をトルエン30
ccに投入し、1時間攪拌して溶解させた後、遠心分離
して上澄みを除去し、残存した膨潤物の重量(S5)を
精秤し、続いて残存した膨潤物を真空乾燥して得られる
乾燥固形分の重量(S6)を精秤した結果より、下記式
2により決定される特性値である。 {式2} 膨潤指数=S5/S6
【0050】表面光沢、全光線透過率および曇価はJI
S−K7105、シャルピー衝撃強度はJIS K−7
111(ノッチ付き)に準拠する。また、ゴム変性スチ
レン系共重合樹脂組成物中のポリブタジエンゴム成分量
は、二重結合に塩化ヨウ素を付加して測定するハロゲン
付加法により求めた。表面状態は、厚さ2mmの平板を
射出成形機により成形し、この平板を用いて、目視で確
認をおこない、凸凹の無いものを良(○)、若干凸凹の
ものをやや良(△)、凸凹のあるものを不良(×)で示
す。同様に、樹脂の色は平板を用いて目視で確認し、黄
色を帯びていないものを良(○)、若干黄色を帯びてい
るものをやや良(△)、黄色に変色しているものを不良
(×)で示す。重合時間は、バルク重合で樹脂転化率が
40%に達した時の時間として、下記のように求めた。
重合開始0hrで取り出した重合液10gをはかり取
り、それを50℃のオーブンに入れ、1日乾燥させ、2
5℃の室温で測定し、その重さをM(g)とする。次
に、重合途中に取り出した重合液10gをはかり取り、
それを50℃のオーブンに入れ、1日乾燥させ、25℃
の室温で測定し、その重さをY(g)とする。このY、
Mを用いて、下記の式により樹脂転化率U(%)を求め
る。 U=(Y−M)×100/(10−M) この樹脂転化率U(%)を用いてバルク重合で樹脂転化
率Uが40%に達した時の時間を重合時間として求め
た。
【0051】
【実施例1】該スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
体ゴムを構成するスチレン−ブタジエンランダム共重合
体Aは、US3、094、512をはじめとするスチレ
ン−ブタジエン系ランダム共重合体ゴムの製造方法の条
件が大略利用される。具体的な実施方法は、内容積10
00Lのジャケット・コイル・撹拌機付きステンレス製
重合槽を、水分含量10ppm以下に脱水したシクロヘ
キサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下において
水分含量10ppm以下に脱水しテトラヒドロフラン1
52ppmを含むシクロヘキサン540kgを重合槽に
仕込み、内温80℃に昇温後、n−ブチルリチウム10
wt%のシクロヘキサン溶液を0.8kg添加した。次
に、内温80℃一定の条件下で、水分含量10ppm以
下に脱水したスチレン6.25kg/hrと、モレキュ
ラーシーブを通過させて脱水したブタジエン35kg/
hrを同時に4時間フィードし重合した。その後、水分
含量10ppm以下に脱水したスチレンを80℃で65
kg添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で10
分間重合し、仕込んだスチレンを全て重合させた。その
後、重合溶液を次の反応槽へ移送し、水を重合体100
重量部に対して0.08重量部加えて重合を停止した
後、次の反応槽に移行する間に炭酸ガスを加え中和し
た。
【0052】次に、安定剤としてチバスペシャリティー
ケミカルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフ
ェノール系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学
式(化7)で示されるフェノール系安定剤IRGANO
X1076をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
08重量部と0.24重量部添加してからスチームスト
リッピングにより溶媒を除去し、100℃の熱ロールに
て乾燥してスチレンーブタジエン系ブロック共重体ゴム
を得た。このスチレンーブタジエンブロック共重合体ゴ
ムが9.9重量%、スチレンモノマー50.1重量%、
メタクリル酸メチル34.9重量%、アクリル酸ブチル
5.0重量%になるように溶解した溶液に、n−ドデシ
ルメルカプタンと日本油脂(株)製ナイパーBWがそれ
ぞれ1500ppmと600ppmになるように添加
し、その溶液を第1重合機に仕込み、90℃の重合温度
で攪拌重合反応した後、樹脂転化率Uが40%に達した
時点で、引き続き懸濁重合用反応器に全量装入して懸濁
重合した。その際、重合溶液100重量部に対して、ジ
クミルパーオキサイドを0.2重量部を添加し、純粋4
00重量部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを
0.01重量部、第三リン酸カルシウム5重量部を懸濁
安定剤として添加し、攪拌下に重合率40%の重合液を
分散させた。反応系を100℃で2時間、115℃で
3.5時間、130℃で2.5時間加熱して懸濁重合を
おこなった。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥してビーズ
状のスチレン系重合体を得た。それをベント式押出機に
供給して230℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイス
から溶融ストランドを引き出し、水冷し、カッターにて
切断してペレット状の樹脂を得た。各種分析値および固
体物性評価結果を表1、2に示す。
【0053】
【実施例2】該スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
体ゴムを構成するスチレン−ブタジエンランダム共重合
体A部分は、US3、094、512をはじめとするス
チレン−ブタジエン系ランダム共重合体ゴムの製造方法
の条件が大略利用される。具体的な実施方法は、内容積
1000Lのジャケット・コイル・撹拌機付きステンレ
ス製重合槽を、水分含量10ppm以下に脱水したシク
ロヘキサンで洗浄し窒素置換後、窒素ガス雰囲気下にお
いて水分含量10ppm以下に脱水しテトラヒドロフラ
ン152ppmを含むシクロヘキサン540kgを重合
槽に仕込み、内温80℃に昇温後、n−ブチルリチウム
10wt%のシクロヘキサン溶液を0.8kg添加し
た。次に、内温80℃一定の条件下で、水分含量10p
pm以下に脱水したスチレン6.25kg/hrと、モ
レキュラーシーブを通過させて脱水したブタジエン35
kg/hrを同時に4時間フィードし重合した。その後
引き続きブロック共重合体B部分は、水分含量10pp
m以下に脱水したスチレンを80℃で23.2kg添加
し、最高温度が120℃を超えない範囲で10分間重合
し、仕込んだスチレンを全て重合させた。さらに、モレ
キュラーシーブを通過させて脱水したブタジエンを2.
3kg添加し、最高温度が120℃を超えない範囲で1
0分間重合し、仕込んだブタジエンを全て重合させた。
そして再び、水分含量10ppm以下に脱水したスチレ
ンを80℃で23.2kg添加し、最高温度が120℃
を超えない範囲で10分間重合し、仕込んだスチレンを
全て重合させた。さらに再び、モレキュラーシーブを通
過させて脱水したブタジエンを2.3kg添加し、最高
温度が120℃を超えない範囲で10分間重合し、仕込
んだブタジエンを全て重合させた。そして最後に、水分
含量10ppm以下に脱水したスチレンを80℃で2
3.2kg添加し、最高温度が120℃を超えない範囲
で10分間重合し、仕込んだスチレンを全て重合させ
た。その後、重合溶液を次の反応槽へ移送し、水を重合
体100重量部に対して0.08重量部加えて重合を停
止した後、次の反応槽に移行する間に炭酸ガスを加え中
和した。
【0054】次に、安定剤としてチバスペシャリティー
ケミカルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフ
ェノール系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学
式(化7)で示されるフェノール系安定剤IRGANO
X1076をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
08重量部と0.24重量部添加してからスチームスト
リッピングにより溶媒を除去し、100℃の熱ロールに
て乾燥してスチレンーブタジエン系ブロック共重体ゴム
を得た。このスチレンーブタジエンブロック共重合体ゴ
ム9.9重量%をスチレンモノマー50.1重量%、メ
タクリル酸メチル34.9重量%、アクリル酸ブチル
5.0重量%溶解した溶液に、n−ドデシルメルカプタ
ンと日本油脂(株)製ナイパーBWがそれぞれ1500
ppmと600ppmになるように添加し、その溶液を
第1重合機に仕込み、90℃の重合温度で攪拌重合反応
した後、樹脂転化率Uが40%に達した時点で、引き続
き懸濁重合用反応器に全量装入して懸濁重合した。その
際、重合溶液100重量部に対して、ジクミルパーオキ
サイドを0.2重量部を添加し、純粋400重量部にド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.01重量
部、第三リン酸カルシウム5重量部を懸濁安定剤として
添加し、攪拌下に重合率40%の重合液を分散させた。
反応系を100℃で2時間、115℃で3.5時間、1
30℃で2.5時間加熱して懸濁重合をおこなった。反
応終了後、洗浄、脱水、乾燥してビーズ状のスチレン系
重合体を得た。それをベント式押出機に供給して230
℃、減圧下で揮発性成分を除去しダイスから溶融ストラ
ンドを引き出し、水冷し、カッターにて切断してペレッ
ト状の樹脂を得た。各種分析値および固体物性評価結果
を表1、3に示す。
【0055】
【比較例1】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76をポリマー100重量部に対しそれぞれ1.5重量
部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準じる。各種
分析値および固体物性評価結果を表1、2に示す。
【0056】
【比較例2】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.005
重量部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準じる。
各種分析値および固体物性評価結果を表1、2に示す。
【0057】
【比較例3】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76ポリマー100重量部に対しそれぞれ0.08重量
部と1.5重量部添加ほかは実施例1に準じる。各種分
析値および固体物性評価結果を表1、2に示す。
【0058】
【比較例4】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.08重
量部と0.005重量部添加ほかは実施例1に準じる。
各種分析値および固体物性評価結果を表1、2に示す。
【0059】
【比較例5】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.005
重量部と0.005重量部添加ほかは実施例1に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、2に示
す。
【0060】
【比較例6】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76をポリマー100重量部に対しそれぞれ1.5重量
部と1.5重量部添加ほかは実施例1に準じる。各種分
析値および固体物性評価結果を表1、2に示す。
【0061】
【比較例7】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lをポリマー100
重量部に対し0.24重量部添加ほかは実施例1に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、2に示
す。
【0062】
【比較例8】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76をポリマー100重量部に対しそれぞれ1.5重量
部と0.24重量部添加ほかは実施例2に準じる。各種
分析値および固体物性評価結果を表1、3に示す。
【0063】
【比較例9】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式(化
7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX10
76をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.005
重量部と0.24重量部添加ほかは実施例2に準じる。
各種分析値および固体物性評価結果を表1、3に示す。
【0064】
【比較例10】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式
(化7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX
1076をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.0
8重量部と1.5重量部添加ほかは実施例2に準じる。
各種分析値および固体物性評価結果を表1、3に示す。
【0065】
【比較例11】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式
(化7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX
1076をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.0
8重量部と0.005重量部添加ほかは実施例2に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、3に示
す。
【0066】
【比較例12】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式
(化7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX
1076をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.0
05重量部と0.005重量部添加ほかは実施例2に準
じる。各種分析値および固体物性評価結果を表1、3に
示す。
【0067】
【比較例13】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lと前記化学式
(化7)で示されるフェノール系安定剤IRGANOX
1076をポリマー100重量部に対しそれぞれ1.5
重量部と1.5重量部添加ほかは実施例2に準じる。各
種分析値および固体物性評価結果を表1、3に示す。
【0068】
【比較例14】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lをポリマー10
0重量部に対し0.24重量部添加ほかは実施例2に準
じる。各種分析値および固体物性評価結果を表1、3に
示す。
【0069】
【実施例3】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系安
定剤IRGANOX1010(化学名:ペンタエリスリ
トールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。前記
化学式(化3)で示されるフェノール系安定剤の1種で
ある。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.0
8重量部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、4に示
す。
【0070】
【比較例15】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1010(化学名:ペンタエリス
リトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。前
記化学式(化3)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ1.
5重量部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、4に示
す。
【0071】
【比較例16】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1010(化学名:ペンタエリス
リトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。前
記化学式(化3)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
005重量部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準
じる。各種分析値および固体物性評価結果を表1、4に
示す。
【0072】
【比較例17】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1010(化学名:ペンタエリス
リトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。前
記化学式(化3)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
08重量部と1.5重量部添加ほかは実施例1に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、4に示
す。
【0073】
【比較例18】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1010(化学名:ペンタエリス
リトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]。前
記化学式(化3)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
08重量部と0.005重量部添加ほかは実施例1に準
じる。各種分析値および固体物性評価結果を表1、4に
示す。
【0074】
【実施例4】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系安
定剤IRGANOX1330(化学名:3,3’,
3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−
a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイ
ル)トリ−p−クレゾール。前記化学式(化4)で示さ
れるフェノール系安定剤の1種である。)をポリマー1
00重量部に対しそれぞれ0.08重量部と0.24重
量部添加ほかは実施例2に準じる。各種分析値および固
体物性評価結果を表1、5に示す。
【0075】
【比較例19】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1330(化学名:3,3’,
3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−
a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイ
ル)トリ−p−クレゾール。前記化学式(化4)で示さ
れるフェノール系安定剤の1種である。)をポリマー1
00重量部に対しそれぞれ1.5重量部と0.24重量
部添加ほかは実施例2に準じる。各種分析値および固体
物性評価結果を表1、5に示す。
【0076】
【比較例20】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1330(化学名:3,3’,
3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−
a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイ
ル)トリ−p−クレゾール。前記化学式(化4)で示さ
れるフェノール系安定剤の1種である。)をポリマー1
00重量部に対しそれぞれ0.005重量部と0.24
重量部添加ほかは実施例2に準じる。各種分析値および
固体物性評価結果を表1、5に示す。
【0077】
【比較例21】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1330(化学名:3,3’,
3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−
a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイ
ル)トリ−p−クレゾール。前記化学式(化4)で示さ
れるフェノール系安定剤の1種である。)をポリマー1
00重量部に対しそれぞれ0.08重量部と1.5重量
部添加ほかは実施例2に準じる。各種分析値および固体
物性評価結果を表1、5に示す。
【0078】
【比較例22】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX1330(化学名:3,3’,
3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−
a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイ
ル)トリ−p−クレゾール。前記化学式(化4)で示さ
れるフェノール系安定剤の1種である。)をポリマー1
00重量部に対しそれぞれ0.08重量部と0.005
重量部添加ほかは実施例2に準じる。各種分析値および
固体物性評価結果を表1、5に示す。
【0079】
【実施例5】安定剤としてチバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノー
ル系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系安
定剤IRGANOX245(化学名:エチレンビス(オ
キシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]。前記化
学式(化5)で示されるフェノール系安定剤の1種であ
る。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.08
重量部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準じる。
各種分析値および固体物性評価結果を表1、6に示す。
【0080】
【比較例23】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX245(化学名:エチレンビス
(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]。前
記化学式(化5)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ1.
5重量部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、6に示
す。
【0081】
【比較例24】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX245(化学名:エチレンビス
(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]。前
記化学式(化5)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
005重量部と0.24重量部添加ほかは実施例1に準
じる。各種分析値および固体物性評価結果を表1、6に
示す。
【0082】
【比較例25】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX245(化学名:エチレンビス
(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]。前
記化学式(化5)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
08重量部と1.5重量部添加ほかは実施例1に準じ
る。各種分析値および固体物性評価結果を表1、6に示
す。
【0083】
【比較例26】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製の前記化学式(化6)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1520Lとフェノール系
安定剤IRGANOX245(化学名:エチレンビス
(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]。前
記化学式(化5)で示されるフェノール系安定剤の1種
である。)をポリマー100重量部に対しそれぞれ0.
08重量部と0.005重量部添加ほかは実施例1に準
じる。各種分析値および固体物性評価結果を表1、6に
示す。
【0084】
【比較例27】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製のフェノール系安定剤IRGANOX1
035(化学名:チオジエチレンビス[3−(3,5−
ジ-tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート])と前記化学式(化7)で示されるフェノ
ール系安定剤IRGANOX1076をポリマー100
重量部に対しそれぞれ0.08重量部と0.24重量部
添加するほかは実施例1に準じる。各種分析値および固
体物性評価結果を表1、7に示す。
【0085】
【比較例28】安定剤として前記化学式(化6)で示さ
れるフェノール系安定剤IRGANOX1520Lとフ
ェノール系安定剤2,6−ジ-tert−ブチル−p−
クレゾール(一般にBHTと呼ばれる。関東化学(株)
製試薬を使用。)をポリマー100重量部に対しそれぞ
れ0.08重量部と0.24重量部添加するほかは実施
例1に準じる。各種分析値および固体物性評価結果を表
1、7に示す。
【0086】
【比較例29】安定剤としてチバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製のフェノール系安定剤IRGANOX1
035(化学名:チオジエチレンビス[3−(3,5−
ジ-tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート])とフェノール系安定剤2,6−ジ-ter
t−ブチル−p−クレゾール(一般にBHTと呼ばれ
る。関東化学(株)製試薬を使用。)をポリマー100
重量部に対しそれぞれ0.08重量部と0.24重量部
添加するほかは実施例1に準じる。各種分析値および固
体物性評価結果を表1、7に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【0093】
【表7】
【0094】
【発明の効果】芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共
重合体からなるゴム状重合体を用いて得られるゴム変性
芳香族ビニル樹脂組成物は、そのゴム質重合体に特定の
老化防止剤が適量添加されることにより、ゴム補強透明
樹脂の生産性が向上し、成形時の熱履歴によってゴム質
重合体が異常に架橋することで生じるフィッシュアイが
発生せず、衝撃強度が著しく改善され、さらに透明性も
改良され、成形加工、シート加工、発泡成形などに好適
である。またその製造方法を提供するものであり、その
工業的価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 健史 東京都町田市旭町3−5−1 電気化学工 業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J002 BN141 EJ016 EJ026 EJ036 FD076 GG00 GG01 GG02 4J011 AA01 AA05 AC06 HB24 HB27 PA33 PB24 PC02 PC09

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重
    合体ゴム100重量部に対して、下記化学式(化1)で
    示されるフェノール系安定剤0.01〜1重量部、下記
    化学式(化2)〜(化5)で示される化合物から選ばれ
    る少なくとも1種のフェノール系安定剤0.01〜1重
    量部を添加したゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニル
    系化合物および一種以上の(メタ)アクリル酸アルキル
    エステル化合物を共重合して得た、共重合体ゴム相を分
    散粒子として含有することを特徴とする透明なゴム変性
    芳香族ビニル系共重合樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 (式中、R1およびR3は-CH2-S-R5であり、R5は炭素原子
    数1〜18のアルキル基を示す。R2は水素原子またはメ
    チル基を示す。R4は炭素原子数1〜8のアルキル基また
    は炭素原子数5〜12のシクロアルキル基を示す。R6は
    2,6-ジ(t−ブチル)フェノール基、R7は炭素数2〜2
    2のアルキル基、R8〜R9は水素原子または炭素数1〜6
    のアルキル基である。)
  2. 【請求項2】化学式(化1)で示されるフェノール系安
    定剤が下記化学式(化6)で、化学式(化2)〜(化
    5)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種のフ
    ェノール系安定剤が下記化学式(化7)であることを特
    徴とする請求項1記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系
    共重合樹脂組成物。 【化6】 【化7】
  3. 【請求項3】芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重
    合体ゴムがスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴ
    ムであることを特徴とする請求項1または2いずれかに
    記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
    ゴムが、下記(a)、(b)の構成からなるAB型ブロ
    ック共重合体であり、該AB型ブロック共重合体中のス
    チレンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部Aの
    ガラス転移点が−80〜−35℃の範囲にあることを特
    徴とする請求項3に記載の透明なゴム変性芳香族ビニル
    系共重合樹脂組成物。 (a)Aがスチレン5〜30重量%とブタジエン70〜
    95重量%からなるスチレンとブタジエンのランダム共
    重合体ブロック部。 (b)Bがスチレン85〜100重量%とブタジエン0
    〜15重量%からなるスチレン単独重合体あるいはスチ
    レンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部。
  5. 【請求項5】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
    ゴムが、下記(a)、(b)の構成からなるAB型ブロ
    ック共重合体であり、該AB型ブロック共重合体中のス
    チレンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部Aの
    ガラス転移点が−80〜−35℃の範囲にあることを特
    徴とする請求項3に記載の透明なゴム変性芳香族ビニル
    系共重合樹脂組成物。 (a)Aがスチレン5〜30重量%とブタジエン70〜
    95重量%からなるスチレンとブタジエンのランダム共
    重合体ブロック部。 (b)Bが(SB)nSで表されるスチレン85%〜9
    9重量%とブタジエン1〜15重量%からなるスチレン
    とブタジエンのブロック共重合体ブロック部。ここでS
    はスチレンブロック、Bはブタジエンブロックを表し、
    nは1〜7の整数を表す。
  6. 【請求項6】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
    ゴムが、(1)ブタジエンに基づく不飽和結合のうちの
    1,2−ビニル結合の割合が8.0〜20.0重量%で
    あり、(2)25℃における5重量%スチレン溶液の粘
    度が20〜50センチポイズの範囲にあることを特徴と
    する請求項3〜5のいずれかに記載の透明なゴム変性芳
    香族ビニル系共重合樹脂組成物。
  7. 【請求項7】AB型ブロック共重合体中における、Aの
    占める重量割合が15〜90重量%、Bの占める重量割
    合が85〜10重量%の範囲にある請求項4または5の
    いずれかに記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】AB型ブロック共重合体を構成するスチレ
    ンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部Aに存在
    するスチレン単位数が1の短連鎖が、スチレン単位数が
    1〜30個の範囲の短連鎖スチレン重合体部に対し62
    重量%以上である請求項4、5または7のいずれかに記
    載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物。
  9. 【請求項9】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
    ゴムの存在下に、芳香族ビニル系化合物および一種以上
    の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を共重合
    して得た、共重合ゴム相を分散粒子として含有する芳香
    族ビニル系共重合樹脂において、 (a)上記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴ
    ムの重量割合が3〜20重量%で、 (b)芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル化合物からなる芳香族ビニ
    ル系化合物−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重
    合体の重量割合が97〜80重量%であり、 (c)該芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル化合物からなる該共重
    合体の、 屈折率が上記ゴム状重合体と実質的に同等のものを有
    し、 組成割合が、一種以上の芳香族ビニル系化合物20〜
    80重量%と一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル化合物20〜80重量%から成り、かつ、 (d)上記芳香族ビニル系化合物−(メタ)アクリル酸
    アルキルエステル共重合体中に分散した分散粒子の平均
    粒子径が0.3〜2.1μmの粒子であることを特徴と
    する請求項3〜8のいずれかに記載の透明なゴム変性芳
    香族ビニル系共重合樹脂組成物。
  10. 【請求項10】芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
    ル酸エステルが共重合してなる共重合体中に分散した分
    散粒子のガラス転移点が−75〜−30℃の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の透明
    なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物。
  11. 【請求項11】芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
    ル酸エステルが共重合してなる共重合体の芳香族ビニル
    系化合物がスチレンおよび/またはα−メチルスチレン
    であり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物が
    メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブ
    チル、アクリル酸メトキシエチルから選ばれる1種ある
    いは2種以上の混合物である請求項1〜10のいずれか
    に記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
    ル酸エステルが共重合してなる共重合体の芳香族ビニル
    系化合物がスチレンであり、(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステル化合物がメタクリル酸メチル単独あるいはメ
    タクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの混合物である請
    求項1〜10のいずれかに記載の透明なゴム変性芳香族
    ビニル系共重合樹脂組成物。
  13. 【請求項13】芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共
    重合体ゴム100重量部に対して、上記化学式(化1)
    で示されるフェノール系安定剤0.01〜1重量部、上
    記化学式(化2)〜(化5)で示される化合物から選ば
    れる少なくとも1種のフェノール系安定剤0.01〜1
    重量部を添加したゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニ
    ル系化合物および一種以上の(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステル化合物を共重合して得た、共重合体ゴム相を
    分散粒子として含有することを特徴とする透明なゴム変
    性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】化学式(化1)で示されるフェノール系
    安定剤が上記化学式(化6)で、化学式(化2)〜(化
    5)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種のフ
    ェノール系安定剤が上記化学式(化7)であることを特
    徴とする請求項13記載の透明なゴム変性芳香族ビニル
    系共重合樹脂組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共
    重合体ゴムがスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
    ゴムであることを特徴とする請求項13または14いず
    れかに記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹組
    成物脂組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
    体ゴムが、下記(a)、(b)の構成からなるAB型ブ
    ロック共重合体であり、該AB型ブロック共重合体中の
    スチレンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部A
    のガラス転移点が−80〜−35℃の範囲にあることを
    特徴とする請求項15に記載の透明なゴム変性芳香族ビ
    ニル系共重合樹脂組成物の製造方法。 (a)Aがスチレン5〜30重量%とブタジエン70〜
    95重量%からなるスチレンとブタジエンのランダム共
    重合体ブロック部。 (b)Bがスチレン85〜100重量%とブタジエン0
    〜15重量%からなるスチレン単独重合体あるいはスチ
    レンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部。
  17. 【請求項17】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
    体ゴムが、下記(a)、(b)の構成からなるAB型ブ
    ロック共重合体であり、該AB型ブロック共重合体中の
    スチレンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部A
    のガラス転移点が−80〜−35℃の範囲にあることを
    特徴とする請求項15に記載の透明なゴム変性芳香族ビ
    ニル系共重合樹脂組成物の製造方法。 (a)Aがスチレン5〜30重量%とブタジエン70〜
    95重量%からなるスチレンとブタジエンのランダム共
    重合体ブロック部。 (b)Bが(SB)nSで表されるスチレン85〜99
    重量%とブタジエン1〜15重量%からなるスチレンと
    ブタジエンのブロック共重合体ブロック部。ここでSは
    スチレンブロック、Bはブタジエンブロックを表し、n
    は1〜7の整数を表す。
  18. 【請求項18】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
    体ゴムが、(1)ブタジエンに基づく不飽和結合のうち
    の1,2−ビニル結合の割合が8.0〜20.0重量%
    であり、(2)25℃における5重量%スチレン溶液の
    粘度が20〜50センチポイズの範囲にある請求項15
    〜17のいずれかに記載の透明なゴム変性芳香族ビニル
    系共重合樹脂組成物の製造方法。
  19. 【請求項19】AB型ブロック共重合体中における、A
    の占める重量割合が15〜90重量%、Bの占める重量
    割合が85〜10重量%の範囲にある請求項16〜17
    のいずれかに記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重
    合樹脂組成物の製造方法。
  20. 【請求項20】AB型ブロック共重合体を構成するスチ
    レンとブタジエンのランダム共重合体ブロック部Aに存
    在するスチレン単位数が1の短連鎖が、スチレン単位数
    が1〜30個の範囲の短連鎖スチレン重合体部に対し6
    2重量%以上である請求項16、17または19のいず
    れかに記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂
    組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
    体ゴムの存在下に、芳香族ビニル系化合物および一種以
    上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を共重
    合して得た、共重合ゴム相を分散粒子として含有する芳
    香族ビニル系共重合樹脂において、 (a)上記スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴ
    ムの重量割合が3〜20重量%で、 (b)芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル化合物からなる芳香族ビニ
    ル系化合物−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重
    合体の重量割合が97〜80重量%であり、 (c)該芳香族ビニル系化合物および一種以上の(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル化合物からなる該共重
    合体の、 屈折率が上記ゴム状重合体と実質的に同等のものを有
    し、 組成割合が、一種以上の芳香族ビニル系化合物20〜
    80重量%と一種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステル化合物20〜80重量%からなり、かつ、 (d)上記芳香族ビニル系化合物−(メタ)アクリル酸
    アルキルエステル共重合体中に分散した分散粒子の平均
    粒子径が0.3〜2.1μmの粒子であることを特徴と
    する請求項15〜20のいずれかに記載の透明なゴム変
    性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物の製造方法。
  22. 【請求項22】芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
    ル酸エステルが共重合してなる共重合体中に分散した分
    散粒子のガラス転移点が−75〜−30℃の範囲にある
    ことを特徴とする請求項13〜21のいずれかに記載の
    透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組成物の製造
    方法。
  23. 【請求項23】芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
    ル酸エステルが共重合してなる共重合体の芳香族ビニル
    系化合物がスチレンおよび/またはα−メチルスチレン
    であり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物が
    メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブ
    チル、アクリル酸メトキシエチルから選ばれる1種ある
    いは2種以上の混合物である請求項13〜22のいずれ
    かに記載の透明なゴム変性芳香族ビニル系共重合樹脂組
    成物の製造方法。
  24. 【請求項24】芳香族ビニル系化合物と(メタ)アクリ
    ル酸エステルが共重合してなる共重合体の芳香族ビニル
    系化合物がスチレンであり、(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステル化合物がメタクリル酸メチル単独あるいはメ
    タクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの混合物である請
    求項13〜22のいずれかに記載の透明なゴム変性芳香
    族ビニル系共重合樹脂組成物の製造方法。
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