JP3301850B2 - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JP3301850B2 JP04383594A JP4383594A JP3301850B2 JP 3301850 B2 JP3301850 B2 JP 3301850B2 JP 04383594 A JP04383594 A JP 04383594A JP 4383594 A JP4383594 A JP 4383594A JP 3301850 B2 JP3301850 B2 JP 3301850B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた品質バランスを
有するゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するものであ
る。さらに詳しくは、表面光沢に優れ、かつ優れた衝撃
強度を有する品質バランスの優れたゴム変性スチレン系
樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、スチレン樹脂の耐衝撃性を改善す
るために、樹脂中にゴム状重合体を分散粒子として含有
したゴム変性スチレン系樹脂が大量に製造され、プリン
ターやTVのハウジング等の弱電機器や事務用品、包装
容器、或いは雑貨等の分野で幅広く用いられている。
【0003】近年かかる製品の需要分野が拡大し、ま
た、従来以上の物性、特に耐衝撃性と表面光沢のバラン
スを要求する需要が高まっている。
【0004】従来、耐衝撃性を改善するためには、分散
ゴム粒子の粒子径を大きくするか、またはゴム状重合体
の含有量を多くする方法が知られている。しかし、これ
らの方法では表面光沢が逆に低下してしまう。このよう
に、耐衝撃性と表面光沢とは相反する因子に支配されて
いるために、高い耐衝撃性を維持し、かつ優れた表面光
沢を有するような品質バランスの優れたゴム変性スチレ
ン系樹脂を得ることは非常に困難であった。
【0005】かかる光沢性能改善のための一つの方法と
して有機珪素系添加剤を加えることを要件とする方法が
開示されている。例えば、特開昭57-170950 号には特定
構造のゴムを使用したゴム変性スチレン系樹脂に有機ポ
リシロキサンを添加した組成物が開示されており、ま
た、特開昭61-85461号には特定のゴム分散粒子径のゴム
変性スチレン系樹脂に特定粘度のポリジメチルシロキサ
ンを添加した組成物が開示されているが、特開昭57-170
950 号の方法では特殊なゴムの使用という制約があり、
特開昭61-85461号の方法では衝撃強度の向上が不十分で
あるという問題があった。
【0006】また、別の方法としては分散ゴム粒子が小
粒子成分と大粒子成分との二成分からなることを要件と
する方法が開示されている。例えば、特開平3-263415号
には平均粒子径が 0.1〜0.4 μmである小粒子成分と平
均粒子径が 0.8〜3μmである大粒子成分との二成分の
分散ゴム粒子からなる組成物が開示されており、また、
特開平4-88006 号には平均粒子径が 0.1〜0.6 μmであ
る小粒子成分と平均粒子径が 0.3〜2μmである大粒子
成分との二成分の分散ゴム粒子からなる組成物が開示さ
れているが、いずれの方法でもゴム成分としてスチレン
−ブタジエン共重合体というコストの高いゴムを多量に
使用する必要があるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、市場からの原材
料に対するコストダウンの要求に伴い、高品位樹脂から
安価なスチレン系樹脂への切替えの動きがある。この動
きを背景にして、ゴム変性スチレン系樹脂の耐衝撃性と
光沢との同時改良が強く望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
の解決に鋭意検討した結果、分散ゴム粒子相の体積分率
を特定範囲に限定し、かつ、特定の構造、特定範囲の粒
子径、及び特定範囲の粒子分散を有する分散ゴム粒子を
含有させることにより、耐衝撃性を損なうことなく高い
表面光沢を有する本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成
物を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、ゴム状重合体が粒子状に
分散し、ゴム状重合体の含有量が4〜8重量%の範囲で
あるゴム変性スチレン系樹脂組成物において、 (A)樹脂組成物全体に対する分散ゴム粒子相の体積分
率が 0.4〜0.8 の範囲であり、 (B)分散ゴム粒子が (a) セルラー構造、またはセルラー構造とカプセル構造
との混合構造を有し、 (b) 平均ゴム粒子径が 0.4〜4.0 μmの範囲であり、 (c) 平均ゴム粒子径が2μm以下のゴム粒子がゴム粒子
全体の80重量%以上であることを特徴とするゴム変性ス
チレン系樹脂組成物である。
【0010】本発明の目的を達成するためには、上記の
如く、分散ゴム粒子相の体積分率、分散ゴム粒子の形
状、粒子径、粒子径分布をそれぞれ特定することが必要
であり、これらの要件のどの1つが欠けても、本発明の
目的は達成できない。
【0011】以下に、各要件についてさらに詳しく説明
する。本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に含有さ
れる分散ゴム粒子相の体積分率は、 0.4〜0.8 の範囲、
好ましくは0.45〜0.75の範囲であることが必要である。
体積分率が 0.4未満の場合には耐衝撃性が低下し、ま
た、体積分率が 0.8よりも大きな場合には表面光沢が低
下してしまう。
【0012】また、分散ゴム粒子はセルラー構造、また
はセルラー構造とカプセル構造との混合構造である必要
がある。セルラー構造のゴム粒子を含まない場合は、耐
衝撃性が低下してしまう。
【0013】分散ゴム粒子の平均粒子径は 0.4〜4.0 μ
mの範囲、好ましくは 0.4〜2.0 μmの範囲であること
が必要である。平均粒子径が 0.4μm未満の場合には耐
衝撃性が低下し、また、平均粒子径が 4.0μmよりも大
きい場合には表面光沢が低下してしまう。
【0014】さらに、平均粒子径が2μm以下のゴム粒
子が分散ゴム粒子全体の80重量%以上であることが必要
である。平均粒子径が2μm以下のゴム粒子が分散ゴム
粒子全体の80重量%未満の場合には、表面光沢が低下し
てしまう。
【0015】なお、本発明で言う分散ゴム粒子相の体積
分率とは、ゴム変性スチレン系樹脂を四酸化オスミウム
で染色し、超薄切片を作成して透過型電子顕微鏡写真を
撮り、写真中の分散ゴム粒子相の面積(X)とマトリッ
クスポリスチレン相の面積(Y)を画像処理装置を用い
て求め、X/(X+Y)の式に従って求めたものであ
る。
【0016】また、平均粒子径とは、上記と同様の方法
で透過型電子顕微鏡写真を撮り、写真中の分散ゴム粒子
1000個の粒子径を測定して求めたものである。平均粒子
径は、次式によって計算する。
【0017】平均粒子径=(Σnii 4)/(Σn
i ) (式中、nは粒子径Diを有する分散ゴム粒子の個数
を示す。)。
【0018】前記分散ゴム粒子の平均粒子径は、ゴム状
重合体の溶液粘度、重合時の攪拌速度や攪拌翼の構造な
どにより、反応液に加わる剪断力を調整することにより
制御できる。
【0019】本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム
状重合体を芳香族モノビニルモノマーに溶解した後、塊
状重合後さらに懸濁重合を行う塊状−懸濁二段重合法、
または塊状重合法によって製造される。
【0020】重合時には、α−メチルスチレンダイマ
ー、メルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化合物等の
分子量調節剤、溶剤、重合開始剤等を添加することがで
きる。溶剤としては、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン等の芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ジアル
キルケトン類の単独または2種類以上の混合物がある。
溶剤の使用量としては0〜50重量%の範囲で使用され
る。50重量%を越えると重合速度が著しく低下し、また
溶剤回収エネルギーが大きくなり経済性が劣ってくる。
重合開始剤としては、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、 3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトン
パーオキサイド類、 1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)− 3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、 1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル
− 4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等の
パーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、 2,5−ジ
メチルヘキサン− 2,5−ジハイドロパーオキサイド等の
ハイドロパーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキ
サイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−
イソプロピル)ベンゼン、 2,5−ジメチル− 2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキル
パーオキサイド類、デカノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4
−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパー
オキサイド類、ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パー
オキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、 2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオ
キシエステル類等の有機過酸化物と、2,2−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ系化合物が
あり、これらを単独で、または2種類以上の混合物とし
て用いることができる。
【0021】また、上記塊状重合反応中においては、通
常、芳香族モノビニルモノマーの重合率が約30重量%に
なるまでは、効果的に攪拌することが好ましいが、その
後は攪拌を緩和することが好ましい。特に、重合反応の
後期には塔型反応機を使用することが好ましい。
【0022】ゴム状重合体としては、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の重合溶媒中、Co系、Ni系、
Ti系のチーグラー型触媒を用いて製造されるシス 1,4結
合含有率が90重量%以上であるハイシスポリブタジエ
ン、またはLi系のアルキルリチウム触媒を用いて製造さ
れるシス 1,4結合含有率が35〜40重量%であるローシス
ポリブタジエン共に用いることができる。しかし、ゴム
状重合体として、ハイシスポリブタジエンを単独で使用
する場合には、重合開始剤を添加することが望ましい。
【0023】また、上記のポリブタジエンにスチレン−
ブタジエン共重合体類を少量混合して用いてもよい。た
だし、スチレン−ブタジエン共重合体類の使用量はゴム
状重合体の50重量%以下が望ましい。スチレン−ブタジ
エン共重合体類の使用量が50重量%を越えると原料コス
トが大となり、経済性が劣ってくるので望ましくない。
【0024】芳香族モノビニルモノマーとしては、スチ
レンが一般的であるが、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、 2,4−ジメチルスチ
レン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の
核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メ
チル−p−メチルスチレン等のα−アルキル置換スチレ
ンも使用できる。また、芳香族モノビニルモノマーに
は、必要に応じて、例えばメタクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸
エステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、アク
リロニトリル等の共重合可能なモノマーを、経済性が劣
らない範囲内で添加してもよい。
【0025】ゴム変性スチレン系樹脂組成物中のゴム状
重合体の含有量は、4〜8重量%の範囲である。ゴム状
重合体含有量が4重量%未満の場合には耐衝撃性が低下
し、また8重量%よりも大きい場合には光沢が低下して
しまう。
【0026】本発明の組成物は、必要に応じて、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエチレンビ
スステアリルアミド等の滑剤、ミネラルオイル等の可塑
剤、フェノール系やリン系の酸化防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、ジメチルシ
リコーンオイル等の添加剤を含んでいてもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、分散ゴム粒子相の体積分率が特定範囲にあり、か
つ、特定の構造、特定範囲の粒子径と粒子分散を有する
分散ゴム粒子を含むので、添加剤の添加やコストの高い
ゴム成分を用いなくても、高い耐衝撃性と高い表面光沢
を有する品質バランスの優れた成形品を得ることができ
る。
【0028】
【実施例】以下に実施例で本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。尚、以下の例における「%」は「重量%」であ
る。また、以下の測定方法によって各物性値を測定し
た。
【0029】 (1) アイゾット衝撃強度:JIS K 6871に準じて測定 (2) 表面光沢:JIS Z 8741に準じて測定。
【0030】実施例1 攪拌羽根を備えた10リットル反応機に、スチレンモノマ
ー6636gとローシスポリブタジエン 364g、エチルベン
ゼン 350gを仕込み、窒素置換した後、攪拌羽根の回転
速度30rpm で重合率35%まで重合し、さらに反応溶液を
塔型反応機内に移し、重合率95%まで重合する。その
後、塔型反応機から反応溶液を取り出し、200℃、10mmH
gの減圧下で未反応モノマーを除去し、ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を得た。得られたゴム変性スチレン系樹
脂組成物を射出成形して試験片を作成し、アイゾット衝
撃強度と表面光沢を測定した。さらに、電子顕微鏡写真
を撮影し、分散ゴム粒子相の体積分率、分散ゴム粒子の
構造、分散ゴム粒子の粒子径、及び分散ゴム粒子の粒子
分散を測定した。これらの測定結果を表1にまとめて示
す。
【0031】比較例1 攪拌羽根を備えた10リットル反応機に、スチレンモノマ
ー6636gとローシスポリブタジエン 364g、エチルベン
ゼン 350gを仕込み、窒素置換した後、攪拌羽根の回転
速度30rpm で重合率35%まで重合し、反応溶液を攪拌機
付き管状反応機内に移し、攪拌羽根の回転速度20rpm で
攪拌しながら重合率60%まで重合した。さらに、反応溶
液を別の攪拌機付き管状反応機内に移し、攪拌羽根の回
転速度10rpm で攪拌しながら重合率95%まで重合し、実
施例1と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂組成物を得
た。樹脂組成物を評価したところ、表1に示す結果を得
た。
【0032】比較例2 ローシスポリブタジエンの代わりにハイシスポリブタジ
エンを用いること以外、実施例1と同様にしてゴム変性
スチレン系樹脂組成物を得た。樹脂組成物を評価したと
ころ、表1に示す結果を得た。
【0033】実施例2 原料モノマー混合液に 1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)− 3,3,5−トリメチルシクロヘキサン 1.4gを添加
し、10リットル反応機の攪拌羽根の回転速度が100rpmで
あること以外、実施例1と同様にしてゴム変性スチレン
系樹脂組成物を得た。樹脂組成物を評価したところ、表
1に示す結果を得た。
【0034】比較例3 原料モノマー混合液に 1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)− 3,3,5−トリメチルシクロヘキサン 1.4gを添加
し、10リットル反応機の攪拌羽根の回転速度が100rpmで
あること以外、比較例1と同様にしてゴム変性スチレン
系樹脂組成物を得た。樹脂組成物を評価したところ、表
1に示す結果を得た。
【0035】比較例4 ローシスポリブタジエンの代わりにハイシスポリブタジ
エンを用い、 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン 1.4gを添加しない
こと以外、実施例2と同様にしてゴム変性スチレン系樹
脂組成物を得た。樹脂組成物を評価したところ、表1に
示す結果を得た。
【0036】実施例3 攪拌羽根を備えた10リットル反応機に、スチレンモノマ
ー6468gとローシスポリブタジエン 532g、エチルベン
ゼン 420gを仕込み、窒素置換した後、攪拌羽根の回転
速度20rpm で重合率35%まで重合し、さらに反応溶液を
塔型反応機内に移し、重合率95%まで重合し、実施例1
と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹
脂組成物を評価したところ、表1に示す結果を得た。
【0037】比較例5 攪拌羽根を備えた10リットル反応機に、スチレンモノマ
ー6468gとローシスポリブタジエン 532g、エチルベン
ゼン 350gを仕込み、窒素置換した後、攪拌羽根の回転
速度20rpm で重合率35%まで重合し、さらに反応溶液を
攪拌機付き管状反応機内に移し、攪拌羽根の回転速度20
rpm で攪拌しながら重合率60%まで重合した。さらに、
反応溶液を別の攪拌機付き管状反応機内に移し、攪拌羽
根の回転速度10rpm で攪拌しながら重合率95%まで重合
し、実施例1と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂組成
物を得た。樹脂組成物を評価したところ、表1に示す結
果を得た。
【0038】比較例6 攪拌羽根を備えた10リットル反応機に、スチレンモノマ
ー5571gとハイシスポリブタジエン 429g、エチルベン
ゼン 350gを仕込み、窒素置換した後、攪拌羽根の回転
速度10rpm で重合率35%まで重合し、さらに反応溶液を
攪拌機付き管状反応機内に移し、攪拌羽根の回転速度10
rpm で攪拌しながら重合率60%まで重合した。さらに、
反応溶液を別の攪拌機付き管状反応機内に移し、攪拌羽
根の回転速度5rpm で攪拌しながら重合率95%まで重合
し、実施例1と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂組成
物を得た。樹脂組成物を評価したところ、表1に示す結
果を得た。
【0039】実施例4 攪拌羽根を備えた10リットル反応機に、スチレンモノマ
ー5766gとローシスポリブタジエン 234g、エチルベン
ゼン 350gを仕込み、窒素置換した後、攪拌羽根の回転
速度100rpmで重合率35%まで重合し、さらに反応溶液を
塔型反応機内に移し、重合率95%まで重合し、実施例1
と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹
脂組成物を評価したところ、表1に示す結果を得た。
【0040】比較例7 仕込み原料が、スチレンモノマー5802gとスチレン−ポ
リブタジエン共重合体198g、エチルベンゼン 350gで
あること以外、実施例1と同様にしてゴム変性スチレン
系樹脂組成物を得た。樹脂組成物を評価したところ、表
1に示す結果を得た。
【0041】
【表1】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体が粒子状に分散し、ゴム状
    重合体の含有量が4〜8重量%の範囲であるゴム変性ス
    チレン系樹脂組成物において、 (A)樹脂組成物全体に対する分散ゴム粒子相の体積分
    率が 0.4〜0.8 の範囲であり、 (B)分散ゴム粒子が (a) セルラー構造、またはセルラー構造とカプセル構造
    との混合構造を有し、(b) 平均ゴム粒子径が 0.4〜4.0
    μmの範囲であり、 (c) 平均ゴム粒子径が2μm以下のゴム粒子がゴム粒子
    全体の80重量%以上であることを特徴とするゴム変性ス
    チレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物全体に対する分散ゴム粒子相
    の体積分率が0.45〜0.75の範囲である請求項1記載のゴ
    ム変性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ゴム粒子の平均ゴム粒子径が 0.4〜2.0
    μmの範囲である請求項1又は2記載のゴム変性スチレ
    ン系樹脂組成物。
JP04383594A 1994-03-15 1994-03-15 ゴム変性スチレン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3301850B2 (ja)

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