JPH08183818A - 透明性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

透明性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JPH08183818A
JPH08183818A JP32855394A JP32855394A JPH08183818A JP H08183818 A JPH08183818 A JP H08183818A JP 32855394 A JP32855394 A JP 32855394A JP 32855394 A JP32855394 A JP 32855394A JP H08183818 A JPH08183818 A JP H08183818A
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rubber
styrene
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rubber component
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JP32855394A
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Kazuhito Bando
和仁 板東
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性と衝撃強度のバランスに優れたゴム変
性スチレン系樹脂組成物を得る。 【構成】 ゴム成分(A)の存在下に、スチレン系単量
体と、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アル
キルエステルからなる群より選ばれる少なくとも2種類
の単量体との混合物である共重合体成分(B)をグラフ
ト重合させて得られるゴム変性スチレン系樹脂組成物に
おいて、(A)の含有率が 0.5≧A/(A+B)の範囲
であり、かつ、組成物中に分散したゴム成分粒子の80%
以上が、その内部に、共重合体成分(B)からなる分散
微粒子を2個以上含有する構造であることを特徴とす
る、透明性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性及び耐衝撃性に
優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するものであ
る。さらに詳しくは、成形品の透明性と耐衝撃性のバラ
ンスに優れ、弱電機器、事務機器、包装容器または雑貨
等の用途に適したゴム変性スチレン系樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン樹脂(HIPS) は、
強度や成形性等に優れているため、食品容器、包装用材
料等の家庭用品や、家電製品用の成形材料等として一般
に広く使用されている。しかし、HIPSは白濁して不
透明であるために、透明性を要求される分野では使用で
きないという問題点があった。
【0003】近年、かかる透明性が要求される製品の需
要分野が拡大し、同時にコストダウンの要求及び薄肉化
志向が高まるに伴い、従来以上の物性、特にアイゾット
衝撃強度と透明性とのバランスを要求する製品の需要が
高まっている。
【0004】成形品の強度と透明性を同時に満足させる
方法としては、ポリスチレンにスチレン−ブタジエンの
ブロック共重合体をブレンドする方法があり、この方法
で得られる樹脂は食品容器や包装の分野で使用されてい
る。しかし、この方法でも強度の改善が不十分であると
いう問題点があり、強度を十分に改善するためにはポリ
スチレン中のスチレン−ブタジエンブロック共重合体含
有量をさらに増やす必要がある。しかし、ポリスチレン
中のスチレン−ブタジエンブロック共重合体含有量が増
えると剛性が低下するため、強度と剛性のバランスの点
で満足できる方法であるとは言えなかった。また、透明
性においても完全には満足できるものではなく、さらに
コストが高いという重大な問題もあった。
【0005】一方、特公昭61−44102号公報に
は、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体にスチレン
−ブタジエンブロック共重合体を混合して得られる樹脂
組成物が開示されている。しかし、この方法では強度と
透明性とのバランスの改善に限界があるという問題点が
あった。
【0006】また、特公昭62−25701号公報に
は、ビニル芳香族炭化水素と、脂肪族不飽和カルボン
酸、脂肪族不飽和カルボン酸エステルより選ばれる少な
くとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体との共重
合体にスチレン−ブタジエンブロック共重合体を混合し
て得られる樹脂組成物が開示されている。しかし、この
方法では確かに強度の改善は見られるが、得られる樹脂
のガラス転移温度が低いために成形性や耐熱性に問題が
あった。
【0007】また、強度と透明性を有する別の樹脂とし
て、ゴム状重合体にスチレンとメタクリル酸メチルをグ
ラフト共重合させたゴム成分を用いたゴム変性スチレン
系樹脂組成物が提案されている。例えば、特開平4−1
80907号公報には、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体存在下でスチレンとメタクリル酸メチルを共重
合する方法が、また特開平4−224849号公報に
は、スチレン−ブタジエン共重合体に芳香族ビニル化合
物単位とメタクリル酸メチル単位からなる共重合体をグ
ラフト重合したグラフト重合体をゴム成分として用いる
方法が開示されている。しかし、この方法では強度と透
明性とのバランスの点で、まだまだ実用的に満足のゆく
ものは得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、市場からの原材
料に対するコストダウンの要求に伴い、高品位樹脂から
安価なスチレン系樹脂への切り替えの動きがある。この
動きを背景にして、ゴム変性スチレン系樹脂の強度と透
明性との同時改良が強く望まれている。すなわち、本発
明は強度と透明性のバランスに優れた透明なゴム変性ス
チレン系樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0009】
【発明を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、特定のスチレン含量を
有し、特定の溶液粘度を有するゴム成分と、3成分以上
のスチレン単量体混合物とをグラフト反応させて得られ
るゴム変性スチレン系樹脂において、ゴム成分の含有量
と、分散ゴム成分粒子の構造を規定することにより、高
いアイゾット衝撃強度と高い透明性を有するスチレン系
樹脂組成物を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、25℃における5%ス
チレン溶液粘度が5〜65センチポイズであり、かつ、0
〜19重量%のポリスチレンと 100〜81重量%のポリブタ
ジエンからなるゴム成分(A)の存在下に、(メタ)ア
クリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルから
なる群より選ばれる少なくとも2種類の単量体と、スチ
レン系単量体との混合物である共重合体成分(B)をグ
ラフト重合させて得られるゴム変性スチレン系樹脂組成
物において、(A)と(B)の混合比率が 0.5≧A/
(A+B)の範囲であり、かつ、組成物中に分散したゴ
ム成分粒子の80%以上が、その内部に、共重合体成分
(B)からなる分散微粒子を2個以上含有する構造であ
ることを特徴とする透明性に優れたゴム変性スチレン系
樹脂組成物に関するものである。
【0011】本発明の目的を達成するためには、上記の
如く、使用する単量体の種類、ゴム成分中に結合してい
るポリスチレンの割合、25℃における5%スチレン溶液
粘度、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム成分の含有量と
分散ゴム成分粒子の構造について規定された要件を満足
する必要があり、これらの要件のどの1つが欠けても本
発明の目的は達成できない。以下、本発明について詳し
く説明する。
【0012】本発明で使用するスチレン系単量体として
は、スチレンが一般的であるが、o−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジ
メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−ブチル
スチレン等の核アルキル置換スチレン、α−メチルスチ
レン、α−メチル−p−メチルスチレン等のα−アルキ
ル置換スチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチ
レン等のハロゲン化スチレン等を用いることができる。
好ましいスチレン系単量体としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレンがあり、特にスチレ
ンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、単独で又
は2種以上混合して使用してもよい。
【0013】また、(メタ)アクリル酸またはそのアル
キルエステルとしては、メタクリル酸メチルが一般的で
あるが、それ以外にもアクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−ブチル等も使用できる。これらの単量体は2
種以上混合して使用する必要がある。これらの単量体を
単独で使用した場合には、強度と透明性のバランスを改
善することが困難となり、その結果として物性のバラン
スが低下してしまう。この場合、各単量体は混合物中少
なくとも2重量%、好ましくは5重量%以上存在するこ
とが望ましい。
【0014】また、本発明で使用するゴム成分は、0〜
19重量%のスチレン系単量体と100〜81重量%のブタジ
エンからなる必要がある。ゴム成分中のスチレン系単量
体の割合が19重量%よりも多くなると耐衝撃性が低下す
る。
【0015】本発明で使用するゴム成分の25℃における
5%スチレン溶液粘度は、5〜65センチポイズである必
要がある。5%スチレン溶液粘度が5センチポイズ未満
になるとゴム成分の取り扱いが煩雑になり、同時に耐衝
撃性が低下してしまう。また、5%スチレン溶液粘度が
65センチポイズよりも大きくなると透明性が低下する。
また、本発明で使用するゴム成分の、ブタジエン単位中
の1,2−ビニル結合の割合は特に限定するものではな
いが、5〜20モル%であることが好ましい。1,2−ビ
ニル結合の割合が、この範囲外にあると透明性と耐衝撃
性のバランスが低下するので好ましくない。
【0016】また、ゴム変性スチレン系樹脂組成物中の
ゴム成分の含有量は50重量%以下、好ましくは3〜15重
量%の範囲にある必要がある。ゴム成分の含有量が50重
量%よりも大きくなると透明性が低下してしまう。3〜
15重量%の範囲にある場合には、特に透明性と耐衝撃性
のバランスに優れるゴム変性スチレン系樹脂組成物を得
ることができる。
【0017】組成物中に分散したゴム成分粒子の平均粒
子径は特に限定するものではないが、好ましくは 0.2〜
0.8 μm 、更に好ましくは 0.3〜0.6 μm である。平均
粒子径が 0.2μm 未満では耐衝撃性が低下し、 0.8μm
よりも大きくなると透明性が低下する。なお、ここでい
う平均粒子径とは、超薄切片法を用いて組成物の透過型
電子顕微鏡写真を撮影し、分散ゴム成分粒子1000個の円
換算粒子径を測定して、次式を用いて算出した値であ
る。
【0018】平均粒子径=(Σnii 4)/(Σnii 3) (式中のniは円換算粒子径Di(μm)を有するゴム状重合
体粒子の個数を表す。)。
【0019】この分散ゴム粒子の平均粒子径を制御する
方法としては、重合時の攪拌速度を変える方法、重合温
度を変える方法、連鎖移動剤や開始剤を添加する方法、
用いるゴム成分の分子量や構造を変える方法等を挙げる
ことができる。また、これらの方法を単独あるいはいく
つか組み合わせて用いてもよい。
【0020】また、組成物中に分散したゴム成分粒子の
80%以上が、その内部にスチレン系単量体と、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルより
選ばれる少なくとも2種類の単量体との混合物である共
重合体成分からなる分散微粒子を2個以上、好ましくは
3個以上含有する構造であることが必要である。ゴム成
分粒子中に共重合体成分からなる微粒子を2個以上含有
する構造であるゴム成分粒子の割合が80%未満になる
と、透明性と耐衝撃性のバランスが低下する。なお、こ
こでいうゴム成分粒子中に共重合体成分からなる微粒子
を2個以上含有する構造であるゴム成分粒子の割合と
は、超薄切片法を用いて組成物の透過型電子顕微鏡写真
を撮影し、ゴム成分粒子 500個を目視観察して求めた値
である。また該微粒子の組成は、溶媒中にゴム変性スチ
レン系樹脂組成物を溶解した後、遠心分離装置を用いて
ゴム成分を分離し、分離したゴム成分をNMR分析する
ことにより測定することができる。
【0021】本発明で使用するゴム成分には、スチレン
系単量体と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルより選ばれる少なくとも2種類の単量
体との混合物である共重合体成分がグラフト重合してい
るものを用いる必要がある。これに対し例えば、スチレ
ンとメチルメタクリレートの2成分だけがグラフトした
ゴム成分を用いた場合には、透明性と耐衝撃性のバラン
スが低下する。
【0022】上記のグラフト重合を達成するため、本発
明のゴム変性スチレン系樹脂組成物は、ゴム成分をスチ
レン系単量体と、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アク
リル酸アルキルエステルからなる群より選ばれる少なく
とも2種類の単量体との混合液に溶解した後、一般的な
重合法を用いて製造する必要がある。一般的な重合法の
例としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、または塊
状重合後さらに懸濁重合を行う塊状−懸濁重合法を挙げ
ることができる。中でも、塊状重合が好ましい。
【0023】これに対し、スチレン系単量体と、(メ
タ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルからなる群より選ばれる少なくとも2種類の単量体と
の混合物からなる共重合体成分と、ポリスチレンとポリ
ブタジエンからなるゴム成分とを押出機等で溶融混練し
ても同様の組成を有するゴム変性スチレン系樹脂組成物
を得ることはできるが、この場合にはゴム成分に対して
グラフト重合がほとんど起こらないために、透明性と耐
衝撃性のバランスを十分に改善することができず、本発
明の目的を達成することができない。
【0024】重合するにあたり、重合開始剤不存在下に
90〜 190℃の温度範囲で重合を行い得るが、重合開始剤
としてはラジカルを発生する有機過酸化物を使用し、重
合温度50〜 150℃の範囲で重合することも出来る。
【0025】本発明に使用される重合開始剤としては、
シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘ
キサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシ
ケタール類、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプ
ロピルベンゼンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロ
パーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、
α,α' −ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロ
ピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオ
キサイド類、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキ
サイド類、ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキ
シジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパー
オキシエステル類等の有機過酸化物と、2,2−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾ系化
合物があり、これらを単独で、または2種類以上の混合
物として用いることができる。
【0026】重合時には、α−メチルスチレンダイマ
ー、メルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化合物等の
分子量調節剤、溶剤等を添加することができる。溶剤と
しては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香
族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ジアルキルケトン類
の単独または2種類以上の混合物がある。溶剤の使用量
としては、重合溶液中0〜50重量%の範囲で使用され
る。50重量%を越えると重合速度が著しく低下し、また
溶剤回収エネルギーが大きくなり経済性が劣ってくる。
【0027】さらに、本発明の組成物は、必要に応じて
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、またはエ
チレンビスステアリルアミド等の滑剤、ミネラルオイル
等の可塑剤、フェノール系やリン系の酸化防止剤、紫外
線吸収剤、着色剤等の添加剤を樹脂の透明性を損なわな
い範囲内で含んでもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン樹脂組成物
は、高い衝撃強度、かつ優れた透明性を有する品質バラ
ンスの優れた成形品を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、実施例および比較例において樹
脂の物性は下記に示す方法で測定した。
【0030】強度:ASTM D256 に準じてアイゾッ
ト衝撃強度を測定した。 透明性:射出成型で厚さ2mmの試験片を作製し、AST
M D1003に準じてヘーズを測定した。
【0031】実施例1 本実施例では、攪拌羽根を備えた完全混合槽型反応器を
2機直列に用い、さらにその後ろに管型反応器を接続
し、最後に脱揮能力を持つ2軸押出機を用いて残留モノ
マー成分を脱揮し、ペレット化することができる重合装
置を用いてゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造した。
スチレン35.0重量部、メタクリル酸メチル57.0重量部、
アクリル酸メチル8重量部、ポリスチレン含量が10重量
%で5%スチレン溶液粘度が25センチポイズのスチレン
−ブタジエン共重合ゴム 7.9重量部、エチルベンゼン
4.8重量部よりなる原料溶液を、反応装置に供給し、第
一反応槽 125℃、第二反応槽 135℃、第三反応槽 145℃
の温度条件で、重合率95%まで重合させた。第一反応槽
と第二反応槽の攪拌速度は、それぞれ100rpm、50rpm と
した。得られたゴム変性スチレン系樹脂組成物を射出成
形して試験片を作製し、アイゾット衝撃強度とヘーズを
測定した。また、超薄切片法を用いゴム変性スチレン系
樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真を撮影し、樹脂中の
分散ゴム成分粒子の平均粒子径と、ゴム成分粒子中に
(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルからなる群より選ばれる少なくとも2種類の単量
体との混合物である共重合体成分からなる微粒子を2個
以上含有する構造であるゴム成分粒子の割合を測定し
た。また、NMR分析装置を用い、得られたゴム変性ス
チレン系樹脂のマトリックスのモノマー組成を分析し
た。さらに、分散ゴム成分粒子中に内包された微粒子の
組成を分析した結果、マトリックスのモノマー組成とほ
ぼ同一組成であることがわかった。これらの測定結果を
表1にまとめて示す。
【0032】実施例2 スチレン42.0重量部、メタクリル酸メチル52.0重量部、
アクリル酸エチル6.0重量部、ポリスチレン含量が17.2
重量%で5%スチレン溶液粘度が58センチポイズのスチ
レン−ブタジエン共重合ゴム10.2重量部、エチルベンゼ
ン 3.1重量部よりなる原料溶液を用いたこと以外、実施
例1と同様の方法で重合した。さらに実施例1と同様、
アイゾット衝撃強度、ヘーズ、樹脂中の分散ゴム成分粒
子の平均粒子径、ゴム成分粒子中に共重合体成分からな
る微粒子を2個以上含有する構造であるゴム成分粒子の
割合を測定して求め、マトリックスのモノマー組成を分
析した。さらに、分散ゴム成分粒子中に内包された微粒
子の組成を分析した結果、マトリックスのモノマー組成
とほぼ同一組成であることがわかった。これらの測定結
果を表1にまとめて示す。
【0033】比較例1 第一反応槽と第二反応槽の攪拌速度を、それぞれ200rp
m、150rpmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で
重合した。さらに実施例1と同様、アイゾット衝撃強
度、ヘーズ、樹脂中の分散ゴム成分粒子の平均粒子径、
ゴム成分粒子中に共重合体成分からなる微粒子を2個以
上含有する構造であるゴム成分粒子の割合を測定して求
め、マトリックスのモノマー組成を分析した。これらの
測定結果を表1にまとめて示す。
【0034】比較例2 スチレン57.0重量部、メタクリル酸メチル39.0重量部、
アクリル酸エチル4.0重量部、ポリスチレン含量が40.0
重量%で5%スチレン溶液粘度が30センチポイズのスチ
レン−ブタジエン共重合ゴム 8.3重量部、エチルベンゼ
ン 3.1重量部よりなる原料溶液を用い、第一反応槽の温
度を 130℃としたこと以外、実施例1と同様の方法で重
合した。さらに実施例1と同様、アイゾット衝撃強度、
ヘーズ、樹脂中の分散ゴム成分粒子の平均粒子径、ゴム
成分粒子中に共重合体成分からなる微粒子を2個以上含
有する構造であるゴム成分粒子の割合を測定して求め、
マトリックスのモノマー組成を分析した。これらの測定
結果を表1にまとめて示す。
【0035】比較例3 スチレン44.1重量部、メタクリル酸メチル55.9重量部、
ポリスチレン含量が20重量%で5%スチレン溶液粘度が
37.5センチポイズのスチレン−ブタジエン共重合ゴム1
0.0重量部、エチルベンゼン 3.0重量部よりなる原料溶
液を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で重合し
た。さらに実施例1と同様、アイゾット衝撃強度、ヘー
ズ、樹脂中の分散ゴム成分粒子の平均粒子径、ゴム成分
粒子中に共重合体成分からなる微粒子を2個以上含有す
る構造であるゴム成分粒子の割合を測定して求め、マト
リックスのモノマー組成を分析した。これらの測定結果
を表1にまとめて示す。
【0036】
【表1】
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】実施例1 本実施例では、攪拌羽根を備えた完全混合槽型反応器を
2機直列に用い、さらにその後ろに管型反応器を接続
し、最後に脱揮能力を持つ2軸押出機を用いて残留モノ
マー成分を脱揮し、ペレット化することができる重合装
置を用いてゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造した。
スチレン35.0重量部、メタクリル酸メチル57.0重量部、
アクリル酸メチル8重量部、ポリスチレン含量が10重量
%で5%スチレン溶液粘度が25センチポイズのスチレン
−ブタジエン共重合ゴム 7.9重量部、エチルベンゼン
4.8重量部よりなる原料溶液を、反応装置に供給し、第
一反応槽 125℃、第二反応槽 135℃、第三反応 145℃
の温度条件で、重合率95%まで重合させた。第一反応槽
と第二反応槽の攪拌速度は、それぞれ100rpm、50rpm と
した。得られたゴム変性スチレン系樹脂組成物を射出成
形して試験片を作製し、アイゾット衝撃強度とヘーズを
測定した。また、超薄切片法を用いゴム変性スチレン系
樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真を撮影し、樹脂中の
分散ゴム成分粒子の平均粒子径と、ゴム成分粒子中に
(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルからなる群より選ばれる少なくとも2種類の単量
体とスチレン単量体との混合物である共重合体成分から
なる微粒子を2個以上含有する構造であるゴム成分粒子
の割合を測定した。また、NMR分析装置を用い、得ら
れたゴム変性スチレン系樹脂のマトリックスのモノマー
組成を分析した。さらに、分散ゴム成分粒子中に内包さ
れた微粒子の組成を分析した結果、マトリックスのモノ
マー組成とほぼ同一組成であることがわかった。これら
の測定結果を表1にまとめて示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃における5%スチレン溶液粘度が5
    〜65センチポイズであり、かつ、0〜19重量%のポリス
    チレンと 100〜81重量%のポリブタジエンからなるゴム
    成分(A)の存在下に、(メタ)アクリル酸及び(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれ
    る少なくとも2種類の単量体と、スチレン系単量体との
    混合物である共重合体成分(B)をグラフト重合させて
    得られるゴム変性スチレン系樹脂組成物において、
    (A)と(B)の混合比率が 0.5≧A/(A+B)の範
    囲であり、かつ、組成物中に分散したゴム成分粒子の80
    %以上が、その内部に、共重合体成分(B)からなる分
    散微粒子を2個以上含有する構造であることを特徴とす
    る透明性に優れたゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 共重合体成分(B)が、スチレン単量
    体、メタクリル酸メチルとメタクリル酸メチル以外の
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルよりなる、請求項
    1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 組成物中に分散したゴム成分粒子の平均
    粒子径が 0.2〜0.8μm であり、かつ分散したゴム粒子
    の80%以上が、その内部に、共重合体成分(B)からな
    る分散微粒子を3個以上含有する構造であることを特徴
    とする請求項1又は2記載のゴム変性スチレン系樹脂組
    成物。
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