JPH1180467A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JPH1180467A
JPH1180467A JP25165397A JP25165397A JPH1180467A JP H1180467 A JPH1180467 A JP H1180467A JP 25165397 A JP25165397 A JP 25165397A JP 25165397 A JP25165397 A JP 25165397A JP H1180467 A JPH1180467 A JP H1180467A
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JP
Japan
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rubber
spin
component
resin composition
fid
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JP25165397A
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Masaaki Ito
雅章 伊藤
Arimichi Okumura
有道 奥村
Takashi Arai
隆 新井
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃強度及び剛性において優れ、かつ射出
成形時に表面光沢、表面外観特性に優れるゴム変性スチ
レン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 軟質成分粒子が特定の平均粒子径の単一
オクルージョン構造を有し、軟質成分の架橋したゴム分
率が特定の範囲にあり、かつ架橋していないゴムの水素
核スピン−スピン緩和時間が特定の範囲にあるゴム変性
スチレン系樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた品質バラン
スを有するゴム変性スチレン系樹脂組成物に関するもの
である。さらに詳しくは、表面光沢に優れ、かつ優れた
衝撃強度を有する品質バランスに優れたゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、スチレン系樹脂の耐衝撃性を改善
するために、樹脂中にゴム状重合体を分散粒子として含
有せしめたゴム変性スチレン系樹脂が大量に製造され、
プリンターやテレビのハウジング等の家電製品や事務用
品、包装容器あるいは雑貨等の分野で幅広く用いられて
いる。
【0003】近年かかる製品の需要分野が拡大し、また
従来以上の物性、特に耐衝撃性と表面光沢のバランスを
要求する需要が高まっている。
【0004】従来、ゴム変性スチレン系樹脂の耐衝撃性
を改善するためには、分散ゴム粒子の粒子径を大きくす
るか、ゴム状重合体の含有量を多くする方法が知られて
いる。しかし、これらの方法では逆に表面光沢が低下し
てしまい要求にそぐわない。このように、耐衝撃性と表
面光沢とは相反する因子に支配されているために、高い
耐衝撃性を維持し、かつ優れた表面光沢を有するような
品質バランスの優れたゴム変性スチレン系樹脂を得るこ
とは非常に困難であった。
【0005】従来、かかる光沢性能改善のための一つの
方法として組成物中に有機珪素系添加剤を配合すること
を要件とする方法が開示されている。例えば、特開昭57
-170950号公報には特定のゴムを使用したゴム変性スチ
レン系樹脂に有機ポリシロキサンを添加した組成物が開
示されており、また特開昭61-85461号公報には特定のゴ
ム分散粒子径のゴム変性スチレン系樹脂に特定粘度のポ
リジメチルシロキサンを添加した組成物が開示されてい
る。しかし特開昭57-170950号公報の方法では、衝撃強
度の向上が不十分であるという問題があった。また特開
昭61-85461号公報の方法では、粘度を規定しているポリ
ジメチルシロキサンを含有していることを特徴にしてい
るが、表面光沢が不十分であるという問題があった。
【0006】また別の方法として、分散ゴム粒子が小粒
子成分と大粒子成分との2成分からなることを要件とす
る方法が開示されている。例えば、特開平3-263415号公
報には平均粒子径が0.1〜0.4μmである小粒子成分と、
平均粒子径が0.8〜2.0μmである大粒子成分との2成分
の分散ゴム粒子からなる組成物が開示されている。しか
しいずれの方法でもゴム成分として2種以上を用いてお
り、製造コストが高いという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、市場からの原材
料に対するコストダウンの要求に伴い、高品位樹脂から
安価なスチレン系樹脂への切り替えの動きがある。この
動きを背景にして、ゴム変性スチレン系樹脂の耐衝撃性
と光沢との同時改良が強く望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意検討を行った結果、分散ゴム粒
子相の架橋したゴムの分率が耐衝撃性に大きく寄与して
いることを見出した。この結果、1H−NMRで求めた
分散ゴム粒子相の架橋したゴムの分率を特定範囲に限定
し、かつ特定の構造及び特定範囲の粒子径を有する分散
ゴム粒子を含有させることにより、耐衝撃性を損なうこ
となく、高い表面光沢を有する本発明のゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、スチレン系重合体にゴ
ム状重合体を分散させて成るスチレン系樹脂組成物にお
いて、 (A)軟質成分粒子がスチレン系樹脂のみから成る単一
連続相である核部分及び該核部分を内包するゴム状重合
体から成る殻部分により構成されたコア−シェル構造
(単一オクルージョン構造)を有すること (B)軟質成分粒子の平均粒子径が0.1μm〜1.0μmであ
ること (C)下式によって定義される軟質成分粒子のゴム相に
おける架橋したゴムの分率が60〜80%であること 架橋したゴムの分率(%)=FS/(FS+FL) (FS、FLはそれぞれゴム変性スチレン系樹脂組成物を
1H−NMR(プロトン核磁気共鳴分析法)で分析して
得られるFID(Free Induction Decay:自由誘導減
衰)強度曲線を水素核スピン−スピン緩和時間(T2
が長い成分(L)と短い成分(S)の2個の成分に分解
したときの各成分のFID強度である。ただしSの水素
核スピン−スピン緩和時間(T2S)<Lの水素核スピン
−スピン緩和時間(T2L)であるものとする。) (D)ゴム変性スチレン系樹脂組成物を1H−NMRで
分析して得られるFID強度曲線において、軟質成分粒
子中のゴム相に対応するFID成分の時間対FID強度
曲線を、水素核スピン−スピン緩和時間(T2)の異な
る2個の成分に分解したとき、これら2成分のうち水素
核スピン−スピン緩和時間の長い成分(L)の水素核ス
ピン−スピン緩和時間(T2L)が2.5ms〜20.0msの範囲
であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物
である。
【0010】本発明の目的を達成するためには、上記の
如く、分散ゴム粒子相中の架橋したゴムの分率、水素核
スピン−スピン緩和時間(T2L)、分散ゴム粒子の形
状、粒子径を特定することが必要であり、これらの要件
のどの一つが欠けても本発明の目的は達成できない。以
下に各要件についてさらに詳しく説明する。
【0011】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、マトリックスを形成するスチレン系樹脂及び該樹脂
中に分散して存在する軟質成分粒子からなるゴム変性ス
チレン系樹脂組成物である。
【0012】本発明のスチレン系樹脂を構成するスチレ
ン系化合物単量体としては、スチレンが一般的ではある
が、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン等のアルキル置換スチレン類も使用でき
る。本発明の軟質成分粒子は、スチレン系樹脂のみから
成る単一の連続相である核部分及び該核部分を内包(オ
クルード)するゴム状重合体から成る殻部分により構成
された単一オクルージョン構造を有する粒子である。
【0013】前記分散ゴム粒子の平均粒子径は、ゴム状
重合体の溶液粘度、重合時の攪拌速度や攪拌翼の構造等
を変化させることによって、反応液に加わるせん断力を
調整することにより制御することができる。
【0014】本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム
状重合体を芳香族モノビニルモノマーに溶解した後、塊
状重合後さらに懸濁重合を行う塊状−懸濁2段重合法、
又は塊状重合方法によって製造される。
【0015】重合時には分子量調節剤、溶剤、重合開始
剤等を適宜添加することができる。分子量調節剤として
は、α−メチルスチレンダイマー、メルカプタン類、テ
ルペン類、ハロゲン化合物等を挙げることができる。溶
剤としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ジアルキルケト
ン類を挙げることができ、これらを単独又は2種類以上
の混合物として使用することができる。溶剤の使用量は
0〜50重量%の範囲である。50重量%を超えると重合速
度が著しく低下し、また溶剤回収エネルギーが大きくな
り経済性が劣る。重合開始剤としては、シクロヘキサノ
ンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノ
ンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサ
イド等のケトンパーオキサイド類、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシン)シクロへキサノン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパー
オキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイド、ジ
イソプロピルベンゼンパーオキサイド、2,5−ジメチル
ヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド類、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチル
パーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロ
ピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイ
ド類、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキ
サイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド
類、ビス(t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル
類等の有機過酸化物と2,2−アゾビス(2−メチルブチ
ロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カーボニトリル)等のアゾ化合物を挙げることができ、
これらを単独又は2種類以上の混合物として使用するこ
とができる。
【0016】また上記塊状重合反応中においては、通常
芳香族モノビニルモノマーの重合率が約30重量%になる
までは、効果的に攪拌することが好ましいが、その後は
攪拌を緩和することが好ましい。
【0017】ゴム状重合体としては、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の重合溶媒中に溶解されたス
チレン−ブタジエン共重合体を使用することが好まし
い。中でもスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体ゴ
ムが好ましく、完全ブロック型でもテーパーブロック型
でも使用可能であり、例えばスチレン−1,3−ブタジエ
ンブロック共重合体ゴム中のスチレン繰り返し単位の一
部がスチレンと共重合可能なモノビニル芳香族炭化水素
繰り返し単位に置き換わったもの、該スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体ゴム中の1,3−ブタジエン繰り返
し単位の一部が1,3−ブタジエン以外の他のジオレフィ
ン繰り返し単位に置き換わったもの、上記スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体ゴム中のスチレン繰り返し単
位及び1,3−ブタジエン繰り返し単位の一部が、それぞ
れスチレンと共重合可能なモノビニル芳香族炭化水素繰
り返し単位及び1,3−ブタジエン以外のジオレフィン繰
り返し単位に置き換わったもの等が挙げられる。
【0018】なおゴム変性スチレン系樹脂組成物中のゴ
ム状重合体の割合は、4〜12重量%が好ましい。ゴム状
重合体の量が過多な場合には剛性及び光沢度が低下し、
一方該量が過小な場合には耐衝撃強度が低下する。
【0019】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
含有される分散ゴム粒子相の平均粒子径は0.1〜1.0μm
の範囲、好ましくは0.1〜0.4μmの範囲であることが必
要である。分散ゴム粒子径が1.0μm以上では表面光沢が
大きく低下するからである。
【0020】本発明においては下式によって定義される
ゴム相中の架橋したゴム分率が60〜80%である。なお本
発明でいう分散ゴム粒子中の架橋したゴム分率とは、下
式によって定義された値である。
【0021】架橋したゴムの分率(%)=FS/(FS
L) (FS、FLはそれぞれゴム変性スチレン系樹脂組成物を
1H−NMR(プロトン核磁気共鳴分析法)で分析して
得られるFID(Free Induction Decay:自由誘導減
衰)強度曲線を水素核スピン−スピン緩和時間(T2
が長い成分(L)と短い成分(S)の2個の成分に分解
したときの各成分のFID強度である。ただしSの水素
核スピン−スピン緩和時間(T2S)<Lの水素核スピン
−スピン緩和時間(T2L)であるものとする。) 架橋したゴムの分率が上記範囲より高いと対衝撃性能が
悪くなり、一方分率が低すぎる場合には剛性に劣る。こ
こで水素核スピン−スピン緩和時間(T2)とは、例え
ばJEOL製MU-25型パルスNMR装置を用い、水素核
を測定核とし、測定周波数25MHz、90°パルス幅2.0μse
cの条件で、温度30℃におけるハーンエコー法(Hahn Ec
ho Method、90°−τ−180°パルス法)により測定して
得られる該組成物におけるゴム成分の水素核スピン−ス
ピン緩和時間(T2)のことである。
【0022】架橋したゴムの分率の具体的な測定方法の
一例は以下の通りである。ゴム変性スチレン系樹脂組成
物を測定サンプルとし、上記ハーンエコー法により、F
IDを観測し、時間対FID強度(I)曲線を得る。な
お測定は90°パルス幅が2.0μsec、パルス間隔=
4.0sec、積算回数4回、温度30℃の条件とする。次に得
られた時間対FID強度曲線を最小二乗法により、2個
の成分(S及びL)に分解し、それぞれの成分のT2
FID強度(Ai)を求める。なおハーンエコー法(90
°−τ−180°パルス法)で観測されるFID強度
(I)は次式によって与えられる。
【0023】 I(t)=ΣAi exp(−t/T2i) (i=S,L) ここでtは90°パルスと180°パルスとの間の時間
(τ)の2倍、Aiは各i成分(i=S,L)のFID
強度、またT2iは各i成分のT2を表し、Σはiについ
ての合計を表す。1H−NMR測定によりI(t)が得
られるので、上記の解析によりT2i及びAiが求められ
る。したがって各i成分のFID強度(Ai)を比較す
ることにより、本発明の架橋しているゴムの分率が求め
られるのである。
【0024】また本発明では、上記時間(t)対FID
強度曲線(I(t))を解析して得られる水素核スピン
−スピン緩和時間(T2)の異なる2成分のうち、水素
核スピン−スピン緩和時間(T2L)が2.5ms〜20.0msで
あり、好ましくは4.0ms〜8.0msである。この水素核スピ
ン−スピン緩和時間はゴムの分子運動に由来する値であ
り、ゴムの柔らかさ、硬さに関係するパラメータであ
る。すなわち軟質粒子中のゴムの成分が硬い場合には耐
衝撃性が劣ることになり、柔らかい場合には実用性に欠
ける。
【0025】なお前記の軟質成分粒子中の架橋している
ゴムの分率及び水素核スピン−スピン緩和時間の長い成
分の水素核スピン−スピン緩和時間(T2L)は、使用す
るゴムの構造、開始剤の有無、脱揮槽の温度を変化させ
ることにより制御できる。特に脱揮槽温度の効果が大き
い。すなわち脱揮槽温度もしくは脱揮槽の滞留時間が長
い場合には、軟質成分粒子中の架橋しているゴムの分率
が大きくなる。この場合脱揮槽温度としては、220℃〜2
40℃が望ましく、250℃以上においては軟質成分粒子中
の架橋しているゴムの分率が大きくなりすぎ曲げ弾性率
が大きくなるきらいがある。またビニル含有量が高いゴ
ムあるいはlow-cis構造が多いゴムを用いれば、同様に
軟質成分粒子中の架橋しているゴムの分率が大きくな
る。さらには開始剤を用いても同様の効果が得られる。
【0026】
【実施例】次に実施例により、本発明を説明する。測定
及び評価方法は以下の通りである。なお下記以外の項目
については、前記の説明通りに行った。
【0027】(1)軟質成分粒子の構造及び平均粒子径 ゴム変性スチレン系樹脂組成物の超薄切片の透過型電子
顕微鏡写真を撮影し、該写真中のゴム状重合体粒子の構
造及び粒子径を測定した。
【0028】(2)耐衝撃強度 アイゾット衝撃強度 JIS K7710に準拠して測定した。
【0029】デュポン衝撃強度 ASTM D1709に準拠して測定した。
【0030】(3)剛性(曲げ弾性率) JIS K7203に準拠して測定した。
【0031】(4)表面外観(光沢度) 厚み2mmの平板を射出成形し、その中央部をJIS K7105
の光沢度測定方法の規格に準拠して測定した。
【0032】実施例1 スチレン−ブタジエン共重合ゴム(日本ゼオン(株)
製、商品名NS-312)10重量部と1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(日
本油脂(株)製、商品名パーオキシ3M)0.03重量部とを
スチレンモノマー90重量部に溶解し、得られた原料溶
液を、攪拌翼を備えた反応容器(内容積10L)に仕込
んだ。一段目の重合工程において、温度120℃、攪拌翼
の回転数50rpmで重合させ、ゴム状重合体を相反転させ
て、ゴム粒子を生成させた。転化率40%の時点で、2段
目の重合工程に移行し、反応温度を140℃に攪拌翼の回
転数を20rpmとして重合を継続し、転化率70%の時点で
重合液を取り出し、その後240℃の脱揮槽で、揮発分を
除去し、さらに後続の押し出し機を用いてペレット化す
ることによりゴム変性スチレン系樹脂を得た。
【0033】得られたゴム変性スチレン系樹脂は、単一
オクルージョン構造を有し、T2S、T2L、FS、FL、架
橋したゴムの分率、軟質成分粒子の平均粒子径は表1の
通りであった。また測定及び評価結果を併せて表1に示
す。
【0034】実施例2 2段目の重合槽の攪拌回転速度を45rpmとしたこと以外
は、実施例1と同様に行った。得られたゴム変性スチレ
ン系樹脂は、単一オクルージョン構造を有し、T2S、T
2L、FS、FL、架橋したゴムの分率、軟質成分粒子の平
均粒子径は表1の通りであった。また測定及び評価結果
を併せて表1に示す。
【0035】比較例1 脱揮槽の温度を255℃とした以外は、実施例1と同様に
行った。T2S、T2L、FS、FL、架橋したゴムの分率、
軟質成分粒子の平均粒子径は表1の通りであった。また
測定及び評価結果を併せて表1に示す。
【0036】比較例2 脱揮槽の温度を250℃とした以外は、実施例1と同様に
行った。T2S、T2L、FS、FL、架橋したゴムの分率、
軟質成分粒子の平均粒子径は表1の通りであった。また
測定及び評価結果を併せて表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】表1からも明らかなように、本発明のゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物は高い耐衝撃強度を有し、
かつ射出成形時に優れた表面光沢、表面外観を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系重合体にゴム状重合体を分散
    させて成るスチレン系樹脂組成物であって、下記(A)
    〜(D)の条件を満足することを特徴とするゴム変性ス
    チレン系樹脂組成物。 (A)軟質成分粒子がスチレン系樹脂のみから成る単一
    連続相である核部分及び該核部分を内包するゴム状重合
    体から成る殻部分により構成されたコア−シェル構造
    (単一オクルージョン構造)を有する。 (B)軟質成分粒子の平均粒子径が0.1μm〜1.0μmであ
    る。 (C)下式によって定義される軟質成分粒子のゴム相に
    おける架橋したゴムの分率が60〜80%である。 架橋したゴムの分率(%)=FS/(FS+FL) (FS、FLは、それぞれゴム変性スチレン系樹脂組成物
    1H−NMR(プロトン核磁気共鳴分析法)で分析し
    て得られるFID(Free Induction Decay:自由誘導減
    衰)強度曲線を水素核スピン−スピン緩和時間(T2
    が長い成分(L)と短い成分(S)の2個の成分に分解
    したときの各成分のFID強度である。ただしSの水素
    核スピン−スピン緩和時間(T2S)<Lの水素核スピン
    −スピン緩和時間(T2L)であるものとする。) (D)ゴム変性スチレン系樹脂組成物を1H−NMRで
    分析して得られるFID強度曲線において、軟質成分粒
    子中のゴム相に対応するFID成分の時間対FID強度
    曲線を、水素核スピン−スピン緩和時間(T2)の異な
    る2個の成分に分解したとき、これら2成分のうち水素
    核スピン−スピン緩和時間の長い成分(L)の水素核ス
    ピン−スピン緩和時間(T2L)が2.5ms〜20.0msの範囲
    である。
  2. 【請求項2】 前記平均粒子径が0.1μm〜0.4μmの範囲
    である請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記架橋したゴムの分率が70〜80%の範
    囲である請求項1又は2記載のゴム変性スチレン系樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記T2Lが4.0ms〜8.0msの範囲である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム変性スチレン系
    樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089620A (ja) * 1999-09-21 2001-04-03 Denki Kagaku Kogyo Kk ゴム変性芳香族ビニル樹脂組成物
US7208547B2 (en) 2004-10-14 2007-04-24 Dow Global Technologies Inc. Rubber modified monovinylidene aromatic polymers and thermoformed articles
US7642316B2 (en) 2004-10-14 2010-01-05 Dow Global Technologies, Inc. Rubber modified monovinylidene aromatic polymers and fabricated articles prepared therefrom
US7824773B2 (en) 2006-07-27 2010-11-02 Dow Global Technologies Inc. Shrink labels of oriented polystyrene film containing small rubber particles and low rubber particle gel content and block copolymers

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