JPH11349642A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物

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JPH11349642A
JPH11349642A JP15742498A JP15742498A JPH11349642A JP H11349642 A JPH11349642 A JP H11349642A JP 15742498 A JP15742498 A JP 15742498A JP 15742498 A JP15742498 A JP 15742498A JP H11349642 A JPH11349642 A JP H11349642A
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rubber
polymer
polystyrene
styrene
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JP15742498A
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Takashi Arai
隆 新井
Akihiro Iwatsuki
彰浩 岩槻
Shinya Nagano
慎哉 長野
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性及び表面光沢をバランスよく具備し
た成形品が得られるゴム変性スチレン系樹脂組成物を得
る。 【解決手段】 (A)ゴム状重合体分散粒子の面積平均
粒子径が0.1〜2.0μmであること、(B)ゴム重
合体にグラフトしたポリスチレン鎖の数平均分子量(M
1)が、連続相ポリスチレンの数平均分子量(Mn2
に対して60〜100%の範囲であること及び(C)ゴ
ム重合体にグラフトしたポリスチレン鎖の平均鎖数が、
ゴム重合体の鎖1つあたり1.3〜3.0であること、
の3つの要件を満足するゴム変性スチレン系樹脂を含有
するゴム変性スチレン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面光沢に優れ、
かつ優れた耐衝撃性を有する品質バランスに優れた成形
品を得ることができるゴム変性スチレン系樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
スチレン系樹脂の耐衝撃性を改善するために、樹脂中に
ゴム状重合体を分散粒子として含有したゴム変性スチレ
ン系樹脂が大量に製造され、プリンターやテレビのハウ
ジング等の家電製品や事務用品、包装容器、雑貨等の分
野で幅広く用いられている。かかる製品の需要分野の拡
大に伴い、従来以上の物性、特に耐衝撃性と表面光沢の
バランスを具備することに対する要求が高まっている。
耐衝撃性を改善するためには、分散ゴム粒子の粒子径を
大きくするか、ゴム状重合体の含有量を多くする方法が
知られているが、これらの方法では逆に表面光沢を低下
させてしまう。このように、耐衝撃性と表面光沢とは相
反する因子に支配されているために、高い耐衝撃性を維
持し、かつ優れた表面光沢を有するような品質バランス
の優れたゴム変性スチレン系樹脂を得ることは非常に困
難である。
【0003】光沢性能改善のためのひとつの方法とし
て、有機珪素系添加剤を加える方法が知られている。例
えば、特開昭57−170950号公報には、特定のゴ
ムを使用したゴム変性スチレン系樹脂に有機ポリシロキ
サンを添加した組成物が開示されており、特開昭61−
85461号公報には、特定のゴム分散粒子径のゴム変
性スチレン系樹脂に特定粘度のポリジメチルシロキサン
を添加した組成物が開示されている。しかしこれらの方
法によっても、上記問題は解決されていない。
【0004】また、その他にも、分散ゴム粒子が小粒子
成分と大粒子成分との2成分からなることを要件とする
方法が知られている。例えば、特開平3−263415
号公報には、平均粒子径が0.1〜0.4μmである小
粒子成分と平均粒子径が0.8〜2.0μmである大粒
子成分との2成分の分散ゴム粒子からなる組成物が開示
されている。しかし、この方法はゴム成分を2種以上を
用いているため、製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0005】ゴム変性スチレン系樹脂は、それに含有さ
れるゴム分散粒子の粒子径、粒子構造、ゴム相体積分率
等を制御することにより、物性バランスが優れたものと
なることが知られている。ゴム分散粒子の形成機構につ
いては、Ounther E.MolauやHenno.Keskkula(J.P
olymer.Sci.A 1,4,1595(1966),J.Polymer.Sci.A
3,4235(1965),Applied Polymer Symposia 1,35,(19
68)に記載されているように、重合反応中に適当な攪拌
力を加えることにより、ビニルポリマーマトリックス中
のゴム状物質が油中油滴型エマルションとして形成さ
れ、その過程においては生成したゴムグラフトポリマー
が乳化剤として作用するものと考えられている。従っ
て、分散ゴムの粒子径、粒子構造、分散状態等の相構造
は、連続相であるポリスチレンと、ブタジエンにスチレ
ンがグラフト反応したグラフトゴムとの相溶性と攪拌等
の剪断力によって決定されるものであり、ゴムとスチレ
ンのグラフト反応の制御は、ゴム変性スチレン系樹脂の
相構造にも影響を与える重要な因子である。
【0006】このような観点から、グラフト反応を制御
することにより、得られたスチレン系モノマーとブタジ
エンゴムのグラフトゴムについて種々の評価方法を用い
て規定した発明が開示されている。例えば、特許登録第
2608481号には、単位面積当たりに存在する分散
ゴム粒子の外周の長さの総和をゴム成分の濃度で除した
値(周長パラメーター)とパルスNMR装置を用い、分
散ゴム成分の緩和時間T2で規定した組成物が開示され
ている。しかし、この組成物の場合は、緩和時間T2の
範囲が広く、しかも緩和時間T2の測定に際してNMR
装置間の誤差が大きいため、緩和時間T2の変化と耐衝
撃性変化の間に一定した相関関係を見出すことができ
ず、目的とする組成物を再現性よく得ることが困難であ
る。また、特開平5−320272号公報には、パルス
NMR装置を用い、水素緩和時間対FID強度(自由誘
導減衰強度)の関係からグラフト効率を規定した発明が
開示されている。しかし、この発明の場合は、測定誤差
が大きいため、やはり目的とする組成物を再現性よく得
ることが困難である。
【0007】本発明は、製造コストを引き上げることな
く、優れた耐衝撃性と表面光沢を有する成形品を安定し
て得ることができるゴム変性スチレン系樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点の解決に鋭意検討したところ、ゴム変性スチレン系樹
脂において、分散ゴム粒子中のゴムにスチレンがグラフ
ト反応したグラフトゴムは、ゴムにグラフトしたポリス
チレン鎖の数平均分子量とグラフト点の数が物性のバラ
ンスに大きく寄与していることを見出し、本発明を完成
した。
【0009】即ち、本発明は、下記(A)〜(C)の要
件を満足するゴム変性スチレン系樹脂を含有することを
特徴とするゴム変性スチレン系樹脂組成物を提供する。
(A)ゴム状重合体分散粒子の面積平均粒子径が0.1
〜2.0μmであること;(B)ゴム重合体にグラフト
したポリスチレン鎖の数平均分子量(Mn1)が、連続
相ポリスチレンの数平均分子量(Mn2)に対して0.
60〜1.00の範囲であること;(C)ゴム重合体に
グラフトしたポリスチレン鎖の平均鎖数が、ゴム重合体
の鎖1つあたり1.3〜3.0であること。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のゴム変性スチレン系樹脂
組成物は、マトリックスとなるスチレン系樹脂と、スチ
レン系樹脂中に分散する軟質成分粒子を含むゴム変性ス
チレン系樹脂を含有するものである。なお、以下におい
て「ポリスチレン」という場合は、ゴム変性スチレン系
樹脂に含まれるスチレン系樹脂を意味するものとする。
【0011】本発明で用いるゴム変性スチレン系樹脂に
おける軟質成分粒子は、スチレン系樹脂のみからなる単
一の連続相である核部分及び前記核部分を内包(オクル
ード)するゴム状重合体からなる殻部分により構成され
た単一オクルージョン構造を有する粒子又は単一の連続
相である核部分が4個以内で内包された粒子である。
【0012】ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合体
を芳香族モノビニルモノマーに溶解し、塊状重合した
後、さらに懸濁重合を行う塊状−懸濁2段重合法又は塊
状重合方法により製造することができる。
【0013】芳香族モノビニルモノマーとしては、スチ
レンのほか、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン等のアルキル置換スチレン類を
挙げることができる。
【0014】ゴム状重合体としては、ブタジエン重合
体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等を挙げる
ことができる。ブタジエン重合体としては、シス含有量
の高いハイシスポリブタジエン、シス含有量の低いロー
シスポリブタジエンを用いることができる。スチレン−
ブタジエン系ブロック共重合体ゴムとしては、完全ブロ
ック型でもテーパーブロック型でも使用可能であり、例
えばスチレン−1,3−ブタジエンブロック共重合体ゴ
ム中のスチレン繰り返し単位の一部が、スチレンと共重
合可能なモノビニル芳香族炭化水素繰り返し単位に置き
換わったもの;スチレン−ブタジエンブロック共重合体
ゴム中の1,3−ブタジエン繰り返し単位の一部が、
1,3−ブタジエン以外の他のジオレフィン繰り返し単
位に置き換わったもの;スチレン−ブタジエンブロック
共重合体ゴム中のスチレン繰り返し単位及び1,3−ブ
タジエン繰り返し単位の一部が、それぞれスチレンと共
重合可能なモノビニル芳香族炭化水素繰り返し単位及び
1,3−ブタジエン以外のジオレフィン繰り返し単位に
置き換わったもの等を挙げることができる。
【0015】重合反応は、溶剤の存在下で行うことが好
ましい。溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族炭化水素類及びジアルキルケトン類
等から選ばれる1種以上を挙げることができる。溶剤の
使用量は、好ましくは0.1〜50重量%である。前記
範囲内であると、重合速度を適正に保持できると共に、
溶剤回収エネルギーを低減できるので製造コストも低下
できる。
【0016】また、重合反応は、重合開始剤の存在下で
行うことが好ましい。重合開始剤としては、シクロヘキ
サノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパ
ーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチ
ル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート
等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、2,5
−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイ
ド類;t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α’−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等
のジアルキルパーオキサイド類;デカノイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等
のジアシルパーオキサイド類;ビス(t−ブチルシクロ
ヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカ
ーボネート類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化
物;2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニト
リル)等のアゾ化合物等から選ばれる1種以上を挙げる
ことができる。
【0017】さらに、重合反応時には、α−メチルスチ
レンダイマー、メルカプタン類、テルペン類、ハロゲン
化合物等の分子量調節剤を配合することができる。
【0018】重合反応の条件は特に限定されるものでは
なく、通常のゴム変性スチレン系樹脂と同様にして行う
ことができるが、塊状重合法を適用した場合は、重合反
応中においては、芳香族モノビニルモノマーの重合率が
約30重量%になるまではやや激しく撹拌し、その後は
撹拌を緩和することが好ましい。
【0019】ゴム変性スチレン系樹脂中におけるゴム状
重合体の含有量は、好ましくは4〜12重量%であり、
特に好ましくは6〜10重量%である。ゴム状重合体の
含有量が4重量%以上であると耐衝撃性を向上させるこ
とができ、12重量%以下であると剛性及び表面光沢を
向上させることができる。
【0020】本発明で用いるゴム変性スチレン系樹脂
は、下記の要件(A)、(B)及び(C)を具備してい
る。
【0021】要件(A) ゴム状重合体分散粒子の面積平均粒子径が、0.1〜
2.0μmであること。この面積平均粒子径が0.1μ
m以上であると耐衝撃性を向上させることができ、2.
0μm以下であると表面光沢を向上させることができ
る。この面積平均粒子径は、好ましくは0.1〜1.0
μmである。分散ゴム粒子の平均粒子径は、ゴム重合体
にグラフト反応したグラフトゴムのスチレンの数平均分
子量、グラフト点の数、ゴム状重合体の溶液粘度、重合
時の撹拌速度や撹拌翼の構造等により、反応液に加わる
せん断力を調整することにより制御できる。
【0022】要件(B) ゴム重合体にグラフトしたポリスチレン鎖の数平均分子
量(Mn1)が、連続相ポリスチレンの数平均分子量
(Mn2)に対して(Mn1/Mn2)0.60〜1.0
0の範囲であること。ゴム変性スチレン系樹脂の相構造
は、マトリックスのポリスチレンとゴム重合体にグラフ
トしたポリスチレンとの相溶性によって決定される。こ
の相溶性は、マトリックスのポリスチレンとゴム重合体
にグラフトしたポリスチレンの数平均分子量の割合によ
って決定される因子であり、例えば同じ分子量であると
相溶性は若干悪くなり、また分子量が大きく異なる場合
にも悪くなる。よって、前記範囲であると、ゴム変性ス
チレン系樹脂における相溶性を高めることができる。M
1/Mn2は、好ましくは0.8〜1.0である。
【0023】要件(C) ゴム重合体にグラフトしたポリスチレン鎖の平均鎖数
が、ゴム重合体の鎖1つあたり1.3〜3.0であるこ
と。上記要件(B)と同様の理由により、要件(C)を
満たすことにより、ゴム変性スチレン系樹脂における相
溶性を高めることができる。ゴム重合体にグラフトした
ポリスチレン鎖の平均鎖数は、ゴム重合体の鎖1つあた
り1.5〜2.5であることが好ましい。
【0024】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない種類及び量の他の成分、
例えば、着色剤、安定剤、滑剤、難燃剤等の公知の添加
剤を配合することができる。このような他の成分の配合
量は、成形品の耐衝撃性及び表面光沢を損なわないた
め、好ましくは10重量%以下であり、特に好ましくは
5重量%以下である。
【0025】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。また、以下の例における測定及び評価
方法は下記のとおりである。
【0026】(1)要件(A) ゴム変性スチレン系樹脂成形品の超薄切片の透過型電子
顕微鏡写真を撮影し、写真中のゴム状重合体粒子の構造
及び粒子径を測定し、要件(A)に該当するかどうかを
判断した。
【0027】(2)要件(B) グラフトゴムの分別 ゴム変性スチレン系樹脂は、連続相のポリスチレン、ゴ
ム重合体とスチレンがグラフト反応したグラフトゴム、
未反応のゴム重合体及びオクルードされたポリスチレン
の4種の混合物であるため、有機溶剤に対する溶解度の
差を利用して、グラフトゴムだけを分別した。サンプリ
ングした重合液のコンバージョンから固形分率を計算
し、2−ブタノン/トルエン(2/3体積比率)混合溶
媒を用いて、固形分が1重量%となるようにサンプル溶
液を調製した。次に、この溶液を25mlの遠心沈殿管
に入れ、メタノールを2.5ml加えた。滴下終了後、
−4℃にて15分間15000回転で遠心分離し、沈殿
物と上澄み液に分けた。この場合の沈殿物は未反応のゴ
ム重合体であり、上澄み部分はグラフトゴム部分とホモ
のスチレン相部分の可溶部である。これら可溶部を再度
新しい遠心沈殿管に移し、さらに4.0mlのメタノー
ルを加えた。これを再度−4℃にて15分間、1500
0rpmで遠心分離し、沈殿物を室温にて4時間減圧乾
燥してグラフトポリマーを単離した。なお、上澄み部分
はホモのスチレンしか存在しないことは上澄み部分の溶
媒を留去した固体部分の1H−NMRで確認した。
【0028】グラフトゴム中のスチレンの割合 前記で単離したグラフトゴムの1H−NMRスペクト
ルからグラフトゴム中のスチレンの割合を算出した。
【0029】グラフト反応したスチレンにおける数平
均分子量(Mn1)の測定 前記で得られたグラフトゴム100mgを取り出し、こ
れをあらかじめ乾燥、蒸留した100mlのジメチルアセ
トアミドに溶解させ、円筒ガラスフィルター付きガス洗
浄ビンを用いて、オゾンを吹き込んだ。この場合オゾン
の吹き込み量が多いと、グラフト反応したスチレンまで
もが分解する可能性があるため、吹き込み量は、で測
定したスチレンの割合から計算したゴム量(モル)の
1.1当量にとどめた。オゾン吹き込み終了後、ジメチ
ルアセトアミド溶液をトルエン溶液(100ml)に変更
後、このトルエン溶液を300mlの3つ口フラスコに移
し、先に求めたゴム量(モル)の5倍当量のリチウムア
ルミニウムハイドライドを用いて、生成したオゾニドを
還元した。還元後、蒸留水を用いて過剰に存在するリチ
ウムアルミニウムハイドライドを分解した。得られた溶
液を濾別し、可溶部を取り出し、無水硫酸マグネシウム
によって乾燥した。乾燥終了後、溶液部分を再度取り出
し、溶媒を留去後、クロロホルムに溶解させ、蒸留水に
より洗浄を行った。得られた有機相の溶媒部分を留去
後、真空乾燥することによって、グラフト反応したポリ
スチレン部分のみを単離した。得られたポリスチレンを
GPC測定することによってグラフトしたポリスチレン
の数平均分子量(Mn1)を測定した。
【0030】連続相を形成するポリスチレンの数平均
分子量(Mn1)の測定 ポリスチレンの数平均分子量(Mn2)は、GPC測定
により求めた。
【0031】上記〜の測定結果をもとに、次式:
Mn1/Mn2から要件(B)に該当するかどうかを判断
した。
【0032】(3)要件(C) ゴム重合体の数平均分子量の測定 ゴム重合体の分子量は、GPC−LALLS測定により
求めた。
【0033】上記(2)欄と前記の測定結果をもと
に、下記式から要件(C)に該当するかどうかを判断し
た。
【0034】
【数1】
【0035】(4)耐衝撃性 アイゾット衝撃強度 JIS K7710に準拠して測定した。 デュポン衝撃強度 ASTM D1709に準拠して測定した。
【0036】(5)表面外観(光沢度) 厚さ2mmの平板を射出成形し、その中央部をJIS
K7105の光沢度測定方法の規格に準拠して測定し
た。
【0037】実施例1 通常のラジカル重合法を用い、ゴム変性スチレン系樹脂
を製造した。ブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製、商
品名1242T Mn=145,000)10重量部と
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)−3,3,5,5-トリメチルシ
クロヘキサン(日本油脂(株)製、商品名パーヘキサ3
M)0.25重量部とを、スチレンモノマー90重量部
に溶解し、得られた原料溶液を反応容器(内容積10
L)に仕込んだ。1段目の重合工程において、温度12
0℃、撹拌翼の回転数50rpmで重合させてゴム状重合
体を相反転し、ゴム粒子を生成させた。転化率40%の
時点で、2段目の重合工程に移行し、反応温度を140
℃に昇温した。この際、さらに開始剤としてt-ブチルク
ミルパーオキサイド(日本油脂(株)製、商品名パーブ
チルC)0.25重量部を添加した。撹拌翼の回転数を
20rpmとして重合を継続し、転化率70%の時点で重
合液を取り出し、その後240℃の脱揮槽で揮発分を除
去し、さらに後続の押出機を用いてペレット化すること
により、ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。この組
成物について、耐衝撃性及び表面光沢についての測定を
行った。結果を表1に示す。
【0038】実施例2 1段目の重合時に開始剤として1,1-ビス(t-ブチルパー
オキシ)−3,3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(日本油
脂(株)製、商品名パーヘキサ3M)0.5重量部、2
段目の重合時に開始剤としてt−ブチルクミルパーオキ
サイド(日本油脂(株)製、商品名パーブチルC)0.
5重量部を用いた以外は実施例1と同様に行った。この
組成物について、耐衝撃性及び表面光沢についての測定
を行った。結果を表1に示す。
【0039】比較例1 1段目の重合における開始剤をジクミルパーオキサイド
(日本油脂(株)製、商品名パークミルD)とした以外
は実施例2と同様に行った。この組成物について、耐衝
撃性及び表面光沢についての測定を行った。結果を表1
に示す。
【0040】比較例2 1段目の重合における開始剤をt-ブチルクミルパーオキ
サイド(日本油脂(株)製、商品名パーブチルC)とし
た以外は実施例2と同様に行った。この組成物につい
て、耐衝撃性及び表面光沢についての測定を行った。結
果を表1に示す。
【0041】比較例3 1段目の重合における開始剤をt-ブチルパーオキシベン
ゾエート(日本油脂(株)製、商品名パーブチルZ)と
した以外は実施例2と同様に行った。この組成物につい
て、耐衝撃性及び表面光沢についての測定を行った。結
果を表1に示す。
【0042】比較例4 1段目の重合におけるブタジエンゴムを日本ゼオン社製
のBR74(Mn=220,000)とした以外は実施
例1と同様に行った。この組成物について、耐衝撃性及
び表面光沢についての測定を行った。結果を表1に示
す。
【0043】比較例5 1段目の重合におけるブタジエンゴムを宇部興産社製の
1220SG(Mn=131,000)とした以外は実
施例1と同様に行った。この組成物について、耐衝撃性
及び表面光沢についての測定を行った。結果を表1に示
す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、ゴム変性スチレン系樹脂が所定の要件(A)〜
(C)を満足しているため、耐衝撃性及び表面光沢をバ
ランスよく具備する高品質の成形品を安定して得ること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(C)の要件を満足するゴ
    ム変性スチレン系樹脂を含有することを特徴とするゴム
    変性スチレン系樹脂組成物。 (A)ゴム状重合体分散粒子の面積平均粒子径が0.1
    〜2.0μmであること; (B)ゴム重合体にグラフトしたポリスチレン鎖の数平
    均分子量(Mn1)が、連続相ポリスチレンの数平均分
    子量(Mn2)に対して0.60〜1.00の範囲であ
    ること; (C)ゴム重合体にグラフトしたポリスチレン鎖の平均
    鎖数が、ゴム重合体の鎖1つあたり1.3〜3.0であ
    ること。
  2. 【請求項2】 要件(A)において、ゴム状重合体分散
    粒子の面積平均粒子径が、0.1〜1.0μmである請
    求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物。
JP15742498A 1998-06-05 1998-06-05 ゴム変性スチレン系樹脂組成物 Pending JPH11349642A (ja)

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