JPH0629301B2 - 高い溶液粘度を示すゴムの分散粒子をもつabs型樹脂の製造法 - Google Patents

高い溶液粘度を示すゴムの分散粒子をもつabs型樹脂の製造法

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JPH0629301B2
JPH0629301B2 JP58169504A JP16950483A JPH0629301B2 JP H0629301 B2 JPH0629301 B2 JP H0629301B2 JP 58169504 A JP58169504 A JP 58169504A JP 16950483 A JP16950483 A JP 16950483A JP H0629301 B2 JPH0629301 B2 JP H0629301B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F279/02Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of monomers having two or more carbon-to-carbon double bonds as defined in group C08F36/00 on to polymers of conjugated dienes
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はゴム補強コポリマー更に詳しくは高い溶液粘度
を示すゴムをコポリマーマトリツクス中に小さなゴム粒
子として分散させたモノビニリデン芳香族と不飽和ニト
リルとのコポリマーからなるゴム補強コポリマーの製造
法、に関する。
スチレンのようなモノビニリデン芳香族とアクリロニト
リルのような不飽和ニトリルとから成り、コポリマーマ
トリツクス(通常はABS樹脂と呼ばれる)中にゴム、
一般にはアルカジエンゴム、の粒子を分散させたゴム補
強(または変性)コポリマーは包装、冷蔵庫ライニン
グ、家具、家庭用具および玩具のような広範囲の商業的
用途に使用されている。ABS樹脂の物理的性質たとえ
ば室温および低温の双方における強靱性(すなわち伸び
と衝撃強度の組合せ)が分散させたゴム粒子の大きさと
組成と形態および/またはゴム補強コポリマー中のゴム
の濃度によつて影響を受けることは周知である。たとえ
ば、多くの用途に必要とされる物理的性質の均衡を達成
するために、ゴム粒子は比較的に小さい粒径たとえば約
1.5ミクロンより小さい粒径でコポリマーマトリツクス
中に必然的に分散せしめられる。
従来、ABS樹脂は種々の重合技術を使用して製造され
てきた。たとえば、ABS製造の一方法において、あら
かじめ作つたゴム粒子をモノマー類の重合前、重合中ま
たは重合後にスチレン/アクリロニトリルと混合する。
一般に、乳化重合技術を使用して予備作成ゴム粒子を製
造し、このものは凝固ラテツクスの密なゴム小滴から成
る。この技術を使用して、望ましく小さいゴム粒子が乳
化重合技術を使用して製造しうる実質的にすべてのゴム
から製造しうる。不幸なことに、乳化重合技術を使用す
るゴム粒子の製造にはかなりな費用がかかり、そして乳
化剤のような乳化重合助剤は多くの場合えられたABS
樹脂生成物の性質に望ましくない影響を及ぼす。その
上、えられたゴム補強コポリマー生成物に所望の均衡の
とれた性質を付与するためには比較的高濃度の乳化重合
ゴム粒子を一般に必要とする。
別の、より経済的なABS樹脂製造法は塊状重合技術か
ら成る。このような技術はスチレンおよびアクリロニト
リルのモノマー混合物にゴムを溶解し、次いでこれらの
モノマー類を重合させることを包含する。生成するコポ
リマーは始めに、十分な重合後にゴムが今やコポリマー
を含有する連続相中に分散した多数の粒子として分離す
る(いわゆる“相転移”)まで、分離した不連続相を形
成する。重合を完了させ、その後に溶媒または未反応モ
ノマーを生成物から除く。(たとえば米国特許第3,243,
841号参照)。類似の方法として塊状重合と懸濁重合と
の組合せがある。この方法において、相転移後に重合混
合物を水中に懸濁させて重合を完了させる。(たとえば
米国特許第3,509,237号参照)。ABS樹脂は塊状重合
技術または塊状/懸濁重合技術のいづれかを使用して経
済的に且つ効率的に製造しうるけれども、所望の均衡の
とれた物理的性質をもつABS樹脂はある種の高分子量
ゴムたとえば実質的に線状の高分子量低シスのブタジエ
ンホモポリマーを用いる通常の塊状重合技術または塊状
/懸濁重合技術を使用しては従来製造されなかつた。詳
しくいえば、分散ゴムの粒径は重合反応器中の機械的攪
拌の速度を増大させることによつて減小させうるけれど
も、高分子量ゴムが最終製品に所望の性質を付与するに
十分な高い濃度において望ましく小さい粒径(すなわち
1.5ミクロンより小さい容積平均米径)を示すABS樹
脂は塊状重合技術または塊状/懸濁重合技術を使用して
は従来製造されなかつた。
それ故に、従来技術に記載されたABS樹脂とその製造
法についての上述の欠点にかんがみ、モノビニリデン芳
香族と不飽和ニトリルとから成り、高分子量ゴムの分離
した粒子をコポリマーマトリツクス中に分散させたゴム
補強コポリマーを塊状重合技術または塊状/懸濁重合技
術を使用して製造するための有効で経済的な方法を提供
することは依然として非常に望ましいこととして残つて
いる。
従つて、一面において、本発明は1種またはそれ以上の
モノビニリデン芳香族化合物と1種またはそれ以上の不
飽和ニトリル化合物とから誘導されるコポリマーマトリ
ツクスを含むゴム補強コポリマーであつて、スチレン中
の5重量%溶液として少なくとも120センチポイズの
粘度を示すゴムをゴムと芳香族/ニトリルコポリマーと
の合計重量を基準にして少なくとも6重量%の量で分離
した粒子として該コポリマーマトリツクス中に分散させ
て成るゴム補強コポリマーである。上記のゴム粒子はグ
ラフト化したおよび/またはグラフト化していないポリ
マーの吸蔵物を含み且つ1.5ミクロンより小さい容積平
均粒径をもつものを特定の方法で製造するものである。
本発明のゴム補強コポリマーは多くの場合、すぐれた均
衡の性質を示す。たとえば、ゴムがブタジエンの線状、
高分子量、低シスのホモポリマーである好ましい具体例
において、このゴム補強コポリマーは柔軟性の破砕機構
をもつ予想外の実用的な強靱性ならびに室温および低温
(たとえば−20℃)の双方における良好な諸性質(た
とえば伸びおよび衝撃強度)をもつ驚くべき高度の光沢
を示す。
別の面において、本発明はモノビニリデン芳香族と不飽
和ニトリルと任意成分としての1種またはそれ以上の他
のコモノマーから成り且つ高い溶液粘度を示すゴムの分
離した粒子をコポリマーマトリツクス中に分散させたゴ
ム補強コポリマーの製造法である。この方法は1種また
はそれ以上のモノビニリデン芳香族化合物、1種または
それ以上の不飽和ニトリル、およびスチレン中の5重量
%溶液として少なくとも120センチポイズの粘度を示
す少なくとも5重量%のゴム(該重量%はモノマー類と
ゴムとの合計重量を基準とする)から成る溶液を塊状重
合することから成る。この塊状重合は、当初(相転移以
前)から攪拌を伴う通常の方法で行われ、塊状重合混合
物の相転移と爾後のゴムのサイシングの際にゴムが重合
混合物を過度にかくはんすることなしに1.5ミクロンま
たはそれ以下の容積平均粒径で生成されるような十分に
高い分子量をもつ、モノビニリデン芳香族と不飽和ニト
リルと他の任意成分とのコポリマーを形成させる条件で
行なわれる。相転移およびゴム粒子のサイジングの後
に、塊状重合技術を使用して反応を完了させる。塊状重
合技術を使用するとき、所望の転化をえた後に、重量混
合物を十分な条件に付して未反応モノマーを除去しそし
て/またはゴムを交差結合させる。
所望の方法において、モノビニリデン芳香族と不飽和ニ
トリルとのコポリマーは相転移時に十分に高い分子量を
示し、相転移および爾後のサイジングの際にゴムはコポ
リマーから成る連続相中に望ましく小さい粒径をもつ分
離した粒子として容易に分散される。このような小さい
粒径は過度の機械的エネルギー(すなわち均質化のよう
なかくはん)なしに重合混合物の化学的変性により達成
される。それ故、ABS樹脂は塊状重合技術を使用し
て、高い溶液粘度を示すゴムから効果的に製造しうる。
物理的諸性のすぐれた均衡のために、本発明のゴム補強
コポリマーは冷蔵庫内張り、家事用具、玩具および家具
のような広範囲の用途に有用である。
本発明のゴム補強コポリマーは高粘度ゴムを比較的小さ
い粒径でコポリマー相中に分散させた、少なくとも1種
のモノビニリデン芳香族と少なくとも1種の不飽和ニト
リルとのコポリマーマトリツクスから成る。代表的なモ
ノビニリデン芳香族化合物にはスチレン;アルキル置換
スチレンたとえばα−アルキルスチレン(たとえばα−
メチルスチレンおよびα−エチルスチレン);環置換ス
チレン(たとえばビニルトルエン特にp−ビニルトルエ
ン、t−ブチルスチレンおよび2,4−ジメチルスチレ
ン);環置換ハロスチレンたとえばクロロスチレン、
2,4−ジクロロスチレンなど;ハロおよびアルキル基
で置換したスチレンたとえば2−クロロ−4−メチルス
チレン;ビニルアンスラセン;およびこれらの混合物が
包含される。一般に、ポリマーマトリツクスはスチレン
またはスチレンとα−メチルスチレンとの組み合せ(ス
チレンとα−メチルスチレンとの合計重量を基準にして
有利には10〜50重量%の、更に有利には15〜40
重量%のα−メチルスチレン)から好ましくは誘導され
る。スチレンは最も好ましいモノビニリデン芳香族化合
物である。
代表的な不飽和ニトリルはアクリルニトリル、メタクリ
ロニトリル、エタクリロニトリルなどおよびそれらの混
合物である。好ましい不飽和ニトリルはアクリロニトリ
ルである。
ここに最も有利に使用されるモノビニリデン芳香族およ
び不飽和ニトリルの量は、最終のゴム変性製品に望まれ
る物理的および化学的性質に依存して変化する。一般に
ゴム補強コポリマーは有利にはモノビニリデン芳香族と
不飽和ニトリルの合計重量を基準にして5〜35重量%
好ましくは15〜25重量%の不飽和ニトリルおよび9
5〜65重量%好ましくは85〜75重量%のモノビニ
リデン芳香族から構成される。
少量の他のコモノマーも不飽和ニトリルおよびモノビニ
リデン芳香族と組合せて使用することができる。このよ
うな他のコモノマーの代表例は共役ジエンたとえばブタ
ジエンおよびイソプレン;α,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸およびそのエステルたとえばアクリル酸、メタ
クリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアク
リレート;エチレン性不飽和アミドたとえばアクリルア
ミドおよびメタクリルアミド;ビニリデンクロライドお
よびビニリデンブロマイド;ビニルエステルたとえば酢
酸ビニルなど、である。使用するとしたら、これらのモ
ノマーは一般にゴム補強生成物を製造するのに使用する
モノマー類の全重量を基準にして10重量以下、更に一
般には5重量%以下の量で使用される。
ゴム補強コポリマーに使用するゴム成分は、キヤノン−
フエンスケ毛管粘度計(Capillary No.400、1.92mm内
径)を使用して粘度を測定したときスチレン中の5重量
%として25℃において少なくとも120センチポイズ
の溶液粘度を示すゴムである。以後、このような高い溶
液粘度を示すゴムを“高粘度ゴム”と呼ぶ。好ましくは
このゴムの溶液粘度はスチレン中の5重量%溶液として
少なくとも140センチポイズ更に好ましくは150セ
ンチポイズである。本発明はスチレン中の5重量%溶液
として500センチポイズまたはそれ以上の溶液粘度を
もつゴムを使用して好適に行ないうるが、このゴムは一
般に有利には300センチポイズより小さい、更に有利
には250センチポイズより小さい粘度を示すものであ
る。一般には、このようなゴムのムーニー粘度(ML−
4、100℃)は少なくとも40、好ましくは45より
大である。
高い溶液粘度を示すこのようなゴムの代表的なものはブ
タジエンの線状、高分子量、低シスのホモポリマーであ
る。一般にこのようなゴムのシス含量は通常の赤外スペ
クトル技術によつて測定して55%より小さく、更に好
ましくは50%より小さく、そしてASTM命名D−3
536に記載のゲル浸透クロマトグラフ技術によつて測
定した且つゴムとポリスチレン標準物との差についての
補正なしに表示した重量平均分子量は少なくとも325,00
0好ましくは375,000であり、重量平均分子量と数平均分
子量との比は3より小、好ましくは2.75より小である。
ブタジエンの代表的な線状、高分子量、低シスのホモポ
リマーにはフアイアストン タイヤ アンド ラバー
カンパニーから市販されているDiene 55、バイエルから
市販されているCB−55−NFAおよびHX529−
B、インターナシヨナル シンセテイツク ラバーから
市販されているIntene 55、および旭化成から市販され
ているアカデン55が包含される。好ましいゴムは50
%より小さいシス含量、400,000〜600,000の重量平均分
子量をもち重量平均分子量:数平均分子量の比が2.6よ
り小である1,3−ブタジエンのホモポリマーである。
ここに最も有利に使用される高粘度ゴムの量は、使用す
る特定の高粘度ゴム、高粘度ゴムと組み合せて使用する
場合の他のゴムの特定の種類および量、ならびに最終の
ゴム変性製品に望まれる物理的および化学的性質を包含
する多くの因子に依存する。最も望ましい性質をうるた
めに、ゴム補強コポリマー製品はコポリマーとゴムとの
合計重量を基準にして少なくとも6重量%の高粘度ゴム
を含む。好ましくはゴム補強コポリマーはコポリマーと
ゴムとの合計重量を基準にして7〜15重量%の、好ま
しくは8〜13重量%の高粘度ゴムを含む。本発明のゴ
ム補強コポリマー製品中のゴムは1.5ミクロンより小さ
い、好ましくは1.2ミクロンより小さい、最も好ましく
は1.1ミクロンより小さい容積平均粒径でコポリマーマ
トリツクス中に分散されている。一般に分散ゴム粒子は
少なくとも0.1ミクロン、好ましくは少なくとも0.2ミク
ロンの体積平均粒径をもつている。このゴム粒子はグラ
フト化した又はグラフト化していないポリマーの吸蔵物
を含んでいる。代表的には、このゴム粒子はいわゆる
“コイル化した”または“セル状の”形態を示す。その
粒径(直径)は視覚相コントラスト顕微鏡または電子顕
微鏡の技術によつて補足したCoulter Counterのような
通常の技術を使用して測定して、分散ゴム粒子中に存在
する吸蔵物を含有する粒子の直径である。
ゴム補強コポリマーの製造において、高粘度ゴムをモノ
マー類にとかして少なくとも5重量%溶液を作る。ただ
し該重量%は使用するゴムとモノマー類との合計量を基
準とするものである。一般に該溶液中のゴムの濃度はゴ
ムとモノマー類との合計重量を基準にして13.5重量%よ
り低い。
一般に、然し任意に、モノマー/ゴム溶液は有機液体希
釈剤を含む。有機液体希釈剤は使用する重合条件におい
て沸とうせず且つ重合可能なモノマーおよびそれから作
られるポリマーと溶液を形成する常温で液体の有機物質
である。代表的な有機液体希釈剤には芳香族炭化水素お
よび不活性基置換芳香族炭化水素たとえばトルエン、ベ
ンゼン、エチルベンゼン、キシレンなど;5個またはそ
れ以上の炭素原子の直鎖あるいは分岐鎖の飽和脂肪族ま
たは不活性基置換飽和脂肪族たとえばペンタン、ヘキサ
ン、オクタンなど;5個または6個の炭素原子をもつ脂
環族または不活性置換脂環族の炭化水素たとえばシクロ
ヘキサンなどである。このような有機液体希釈剤のうち
で好ましいものは不活性基置換芳香族であり、エチルベ
ンゼンおよびキシレンが最も好ましい。一般に、有機液
体希釈剤は重合混合物の加工性たとえば流れ特性を改良
するに十分な量で使用する。このような量は使用するゴ
ム、モノマーおよび希釈剤;処理装置;および所望の重
合度に依存して変化する。一般に、希釈剤を採用すると
き、重合混合物はふつうゴム、モノマーおよび希釈剤の
合計重量を基準にして2〜30重量%の希釈剤を含む。
また、塊状重合混合物は重合助剤たとえば重合開始剤ま
たは鎖転移剤、酸化防止剤(たとえばジ−t−ブチル−
p−クレゾールのようなアルキル化フエノール、または
トリスノニルフエニルホスフアイトのようなホスフアイ
ト類)、離型剤(たとえばステアリン酸亜鉛)、および
/または可塑剤または潤滑剤(たとえばステアリン酸ブ
チル、鉱油またはジオクチルフタレート)のような重合
に任意に使用される他の物質を含む。
えられたモノマー/ゴム溶液は次いで塊状重合させる。
重合中、ゴムは重合したモノマー類でグラフト化され、
モノマー類は共重合し、共重合したモノマー類は溶液か
ら出てゴムとモノマー類との溶液の連続相中に分散した
不連続ポリマー相を形成する。最終的には、十分な量の
モノマー類が重合した後に、不連続コポリマー相が連続
となり、グラフト化したゴムが連続コポリマー層中に分
散した不連続相を形成する。この現象を“相転移”と呼
ぶ。この用語は、重合可能なモノマー類の十分量が重合
する際に、コポリマーが、重合混合物中に明瞭な連続相
および明瞭な不連相のない点を通つて未重合のモノマー
の連続相中に分散している不連続相から、ゴムを分離し
た粒子としてくまなく分散させた連続コポリマー相に転
化することを慣例的に呼ぶものである。好ましくは、相
転換の時点で、ゴムは十分にグラフト化されていて始め
のサイジングの後に、分散ゴム粒子が重合プロセスの残
余の間をとおして実質的に同じ平均粒径と形態上の性質
を保持しうるものである。
本発明の実施において、塊状重合は、相転移および爾後
のゴム粒子のサイジングの際にゴムが1.5ミクロンより
小さい容積平均粒径をもつ分離した粒子として分散する
ように十分に高い分子量をもつモノビニリデン芳香族と
不飽和ニトリルとのコポリマーを形成させるような条件
において行なう。好ましくは、コポリマーの分子量はゴ
ムが1.2ミクロンより小さい、更に好ましくは1.1ミクロ
ンより小さい容積平均粒径でコポリマーマトリツクス中
に分散されうるように十分に高いものである。
望ましく小さい粒径のゴム粒子の生成に必要な相転移時
のコポリマーの分子量は、種々の因子特に重合混合物の
組成(たとえばゴムの性質特に分子量および濃度ならび
に有機液体希釈剤を使用する場合にはその種類と濃度)
に依存する。一般に小粒径のゴム粒子を得るためには、
相転移時のコポリマーの重量平均分子量(w)は使用
するゴムのMwの少なくとも0.6倍、好ましくは少なく
とも0.7倍、更に好ましくは少なくとも0.8倍である。具
体的には、400,000〜450,000のwをもつ好ましい線状
高分子量低シス−ポリブタジエンゴムを使用するとき、
相転移時のコポリマーのwは240,000またはそれ以上
であるべきである。一般に、相転移時のコポリマーの
wはゴムのwの1.8倍を越えるべきではなく、有利に
はゴムのwの1.5倍より小さい。最も好ましくはコポ
リマーのwはゴムのwの0.8〜1.2倍である。
本発明の目的のために、コポリマーの分子量は相転移時
の重合混合物の残余から抽出した非グラフト化ポリマー
について、あるいは相転移の直後に重合混合物をアセト
ン中に24時間浸漬し、アセトン含有混合物を遠心分離
し、上澄液を回収し、そしてこの液を乾燥して非グラフ
ト化コポリマーを得ることによつて測定する。次いでこ
の残渣の分子量をASTM D−3536に記載のゲル
浸透クロマトグラフ技術を使用して測定し、コポリマー
とポリスチレン標準物との間の差についての補正なしに
表示する。
好ましくは、相転移時のコポリマーのwは少なくとも
300,000であり、数平均分子量(n)は少なくとも15
0,000である。更に好ましくはnは少なくとも360,000
であり、wは少なくとも175,000である。
このような分子量は通常の塊状重合法を使用するABS
樹脂の製造においてえられるものよりも大きく、このよ
うに増大した分子量をもつコポリマーを作るために重合
法に1つ又はそれ以上の変形が必要である。たとえば、
相転換前に使用する鎖移動剤の量および種類はコポリマ
ーの分子量に影響を及ぼすことが見出された。具体的に
いえば、分子量の増大は重合系中の鎖移動剤の濃度を減
少させることによつてえられ、そして本発明の一具体例
において、重合は望ましく高い分子量のコポリマーを製
造しうるように十分に低い濃度の鎖移動剤を使用して行
なわれる。特に、ABS樹脂を製造するための通常の塊
状重合法においては、アルキルメルカプタンのような鎖
移動剤が始めの供給物の流れと共に重合系に加えられ
る。本発明においては、供給物の流れの中のこの鎖移動
剤の量は望ましく低い濃度に減少される。有利には、こ
の供給物の流れは鎖移動剤を含まず、任意の鎖移動剤が
相転移後に加えられるか、あるいは相転移前に加えられ
るとしてもコモノマー類の十分な量が重合した後にのみ
加えられる。任意に、ゴム補強コポリマーの製造は鎖移
動剤の不存在下に行なわれ、これによつてえられたゴム
補強生成物は高い衝撃性を示す。
別法として、重合開始剤の種類と量はコポリマーの分子
量に影響を及ぼすことが見出された。具体的には、塊状
重合混合物は通常、過酸素開始剤(たとえば第3級ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシ
アゼレートおよび第3級ブチルパーオキシアセテートの
ようなパーエステル開始剤)、ジベンゾイルパーオキサ
イドまたは1種またはそれ以上の化学開始剤の混合物を
包含する化学開始剤;光化学開始剤など;のような一般
にはフリーラジカル発生物質である重合開始剤を含む。
これらの開始剤はコポリマーの生成を開始させ且つコポ
リマーの十分量がゴムにグラフトして分散ゴム粒子が望
ましい寸法安定性を示すようになるに有効な量で使用さ
れ、その量は供給物中のモノマー重量を基準にして一般
的には少なくとも0.01重量%、多くの場合に少なくとも
0.02重量%である。開始剤の最大濃度は最終製品中に望
まれる性質および経済的考慮によつて一般に決定され、
開始剤は一般に供給物中のモノマー類の重量を基準にし
て0.1重量%より少ない量で使用される。これらの組成
上の範囲内では、重合温度の低下、重合混合物中の開始
剤の量の増加、および/または開始剤の活性の増大(2
官能性開始剤たとえばジパーオキサイドを1官能性開始
剤の一部または全部の代りに使用することなどによる開
始剤の活性の増大)などによつて重合速度を一定に保つ
ならば、えられるコポリマーの分子量は重合温度を低下
するなどして重合速度を一定に保つ限り一般に増大す
る。あるいはまた、コポリマーの分子量の増大は他の重
合条件を一定に保ちながら、たとえば重合開始剤の同一
濃度および同一活性を保ちながら、重合温度を低下させ
ることによつて達成しうる。
別法において、コポリマーの分子量の増大は分子量増大
剤たとえばジビニル化合物を重合混合物に加えることに
よつてえられる。十分に高い分子量のコポリマーを製造
するための更に別の方法は、相転移前の重合を減少濃度
の有機反応希釈剤を使用して行なうことを包含する。
重合を行なう諸条件は相互に関係があるので、重合反応
への1つの変形は多くの場合、所望の性質をもつゴム補
強コポリマーを得るために1つ又はそれ以上の他の変形
を必要とする。たとえば、相転移前の重合温度を低下さ
せてコポリマーの分子量を増大させようとするときは、
所望量の転化を達成するために、相転移後により高い重
合温度を使用することが一般に必要である。重合条件の
これらの相互関係および所望の生成物をうるための重合
条件の必要な変形は当業者にとつて周知であり、簡単な
実験技術を使用して決定することができる。
上述の技術のうちで、所望の分子量をもつコポリマーを
うるための好ましい方法は、相転移前の鎖移動剤の濃度
を調節すること、または重合を所望量の重合開始剤の存
在下で及び/または十分に低温で行なうことから成る。
最も好ましくは、十分に高い分子量のポリマーは相転移
前の重合混合物内の鎖移動剤の濃度を調節することによ
つてえられる。
一般に、連続塊状重合技術がゴム補強コポリマー生成物
の製造に有利に使用される。好ましくは、重合は米国特
許第2727884号に記載されているような1つ又は
それ以上の実質的に線状の層流またはいわゆる“プラグ
流”型の反応器(部分的に重合した生成物の一部の再循
環を含んでいてもよく又は含まなくてもよい)の中で、
あるいはまた攪拌タンク反応器(そこでは反応器の内容
物が該反応器中くまなく均一であり、該反応器は一般に
1つ又はそれ以上の“プラグ流”型反応器と組合せて使
用される)の中で行なわれる。重合が最も有利に行なわ
れる温度は、特定の開始剤、ならびにゴム、モノマー、
および反応希釈剤(使用される場合)の種類と濃度を包
含する種々の因子に依存する。一般に、60〜160℃
の重合温度が相転移前に使用され、100〜190℃の
温度が相転移後に使用される。一般的にいつて、重合系
に添加したモノマー(すなわち供給物中に加えたモノマ
ーおよび任意のリサイクル流を包含する追加の流れ中に
加えたモノマー)の65〜90重量%好ましくは70〜
85重量%がポリマーに転化するのが望ましい。
所望量のモノマーがポリマーに転化した後に、重合混合
物を次いでゴムを交差結合させ且つ未反応モノマーを除
くに十分な条件に付す。このような交差結合と未反応モ
ノマーならびに反応希釈剤(使用した場合)および他の
揮発性物質の除去とは通常の揮発物除去技術たとえば重
合混合物の揮発物除去室への導入、真空下での昇温たと
えば200〜300℃でのモノマーおよび他の揮発物の
フラツシングによる追い出し、および揮発物除去室から
のモノマーおよび他の揮発物の除去を使用して有利に行
なわれる。
一般に、重合中のある時点で、好ましくは相転換と爾後
のゴム粒子のサイジングの後に、第2のモノマー含有混
合物を重合系に加える。この第2のモノマー含有混合物
は多くの場合に有利には揮発物除去工程中に回収された
揮発物から成るリサイクル流である。リサイクル流中
の、全モノマー重量を基準にした、モノマー類の相対比
率は供給物の流れ中のその相対比率と同一でありうる
が、第2のモノマー流は一般にはもとの供給物に見出さ
れるよりも高濃度の有機液体希釈剤を含む。
別法として、塊状重合技術と懸濁重合技術との組合せが
使用される。相転移および爾後のゴム粒子のサイズ安定
化の後に、これらの技術を使用して、部分的に重合した
生成物を追加のモノマー類と共に又は追加のモノマー類
なしに重合開始剤含有水性媒質中に懸濁させて重合を完
了させることができる。ゴム補強コポリマーを次いで酸
性化により水性媒質から分離し、遠心分離または過す
る。回収した生成物を次いで水で洗浄して乾燥する。
本発明のゴム補強コポリマー生成物はまた、2つまたは
それ以上の異なる粒径をもつ同一または異種のゴムのゴ
ム粒子たとえば双峰粒径分布を示すゴム粒子を分散させ
て作ることができる。たとえば、双峰粒径分布をもつゴ
ム補強コポリマー生成物は同一または異種のゴムを第2
の異なつた粒径でコポリマーマトリツクス中に分散させ
て含むゴム補強コポリマー生成物を機械的にブレンドす
ることによつて製造しうる。別の方法において、第1の
粒径の粒子として高粘度ゴムを分散させたコポリマーか
ら成る部分重合生成物を第2の粒径で同一または異種の
ゴムを分散させた部分重合生成物と混合する。えられた
混合物の重合を次いで完了させる。双峰粒径分布のゴム
をもつ生成物を製造するための好ましい方法において、
少なくとも1種のモノビニリデン芳香族および/または
不飽和ニトリル中のゴム溶液から成る第2のゴム含有混
合物を、高溶液粘度ゴムを分散させたコポリマーの部分
重合生成物から成る重合反応混合物と混合し、次いで重
合を完了させる。類似の技術を使用して、2種またはそ
れ以上のゴム(そのうちの少なくとも1種は高粘度ゴム
である)を同一または実質的に同一の粒径でコポリマー
マトリツクス中に分散させたゴム補強コポリマーを製造
することができる。
次の実施例は本発明の利点を説明するために示すもので
あつて、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでは
ない。これらの実施例において、すべての部および%は
他に特別の記載のない限り重量基準である。
実施例1 高分子量で低シスのブタジエンのホモポリマーが分散し
たゴムを有するコポリマーマトリツクスからなるスチレ
ンとアクリロニトリルのゴム補強コポリマーを製造する
ために、スチレン710部、アクリロニトリル363
部、エチルベンゼン268部、スチレン中5%溶液とし
て150センチポイズの溶液粘度を有する線状、高分子
量、低シスのブタジエンホモポリマー190部及びフリ
ーラジカル開始剤0.2部を攪拌機、と加熱及び冷却手段
を有する十分な大きさのバツチ反応器に入れる。反応混
合物を125rpmの定速で攪拌する。4時間後、反応器
には24.4%の固体が含まれており相転移は終了したとこ
ろである。連続コポリマー相全体に分散したゴム粒子は
1.44ミクロンの容量平均粒子径を示す。5時間後、ゴム
粒子は1.16ミクロンの容積平均粒子径を示す。この時点
で、ゴム粒子のサイズはほぼ安定する。6時間後、ゴム
粒子の容積平均粒子径は1.13ミクロンである。この時点
で、スチレン51部、エチルベンゼン173部,抗酸化
剤3部及び鎖移動剤2.5部を反応容器に加え、攪拌速度
を60rpmに減ずる。重合をさらに1時間半つづける。
重合の間の反応混合物の温度は最初95℃で徐々に増加
し最終155℃になる。次いで、反応混合物を真空オー
ブン中に220℃で1時間置きゴムを架橋し、残存モノ
マーとエチルベンゼンを重合混合物から除く。生成物中
のゴムの容積平均粒子径は、必要に応じ透過電子顕微鏡
を備えた市販の粒子径分析機(たとえばCoulterカウン
ター)により測定すると、1.1ミクロンである。
比較実施例1 供給流が鎖移動剤2部を含むことを除いて実施例1に記
載の方法を用いて、高分子量で低シスのブタジエンのホ
モポリマーが分散したゴムを有するコポリマーマトリツ
クスからなるスチレンとアクリロニトリルのゴム強化コ
ポリマーをつくる。4時間後、相転移がおこる。この時
点での分散ゴム相の容積平均粒子径は3.6ミクロンであ
る。実施例1で加えた追加のモノマー流と同じ組成を有
する追加のモノマー流をこの時点で反応器に加え、攪拌
速度を60rpmに減ずる。重合をさらに3時間(全体で
7時間)続ける。揮発分除去の後分散ゴム粒子は24ミ
クロンの容積平均粒子径を有する。
実施例1から明らかなように、十分に小さい粒子径でコ
ポリマーマトリツクス中に分散した高溶液粘度を示すゴ
ムを有するモノビニリデン芳香族と不飽和ニトリルのゴ
ム強化コポリマーが本発明方法によるマス重合技術を用
いてつくられうる。十分な分子量のコポリマーをつく
り、相転移後まで鎖移動剤の添加を遅らせることによ
り、ゴム粘度連続コポリマー相粘度に対する比を相転移
時に十分低くして過度の機械的攪拌なしに比較的小さい
粒子をつくることを可能にすることにより、比較的小さ
い粒子をつくることができる。
比較実施例1でつくつたゴム補強コポリマーにより明ら
かなように、重合の初期段階から鎖移動剤を除去しない
場合にはゴムの粒子径は十分に大きい。このように大き
い粒子径は比較的小さい粒子径を有するゴム強化コポリ
マーに比し物理的性質の劣るゴム補強コポリマーを与え
る。
実施例2 米国特許第2,727,884号に記載されたと実質的に同じい
くつかのプラグ−フロー型反応器を用いて、高溶液粘度
を示す分散ゴムを有するスチレンとアクリロニトリルの
コポリマーマトリツクスからなるゴム補強コポリマーを
つくる。反応器を連結し、各反応器に可変速攪拌機と加
熱及び冷却手段をつける。第1反応器の上に、スチレン
55%、アクリロニトリル17.3%、エチルベンゼン20
%、スチレン中5wt%溶液として150センチポアズの
溶液粘度を示す低−シスポリブタジエン7.5%、抗酸化
剤0.2%及びフリーラジカル開始剤0.015%を含む溶液を
連続的に加える。相転移及び次いてのゴム粒子のサイジ
ングの間重合混合物を240rpmの攪拌速度で攪拌す
る。40%固体に達したら、スチレン26%、アクリロ
ニトリル11.4%、エチルベンゼン62.5部及び鎖移動剤0.
5%を含むモノマー混合物12部(供給流の各100部
当り)を重合混合物に加える。この混合物を加えて後、
モノマーからポリマーへの所望の転化率を達するまで重
合をつづける。生じた混合物を最後の反応器の底から取
り出し、デボラチライザーに通しゴムをさらに架橋し、
残存モノマーとエチルベンゼンを重合混合物から除く。
得られたゴム補強コポリマーを分析すると、高分子量、
低−シスのブタジエンホモポリマーの容量平均粒子径は
0.65ミクロンであることがわかつた。
相転移と引続いてのゴム粒子のサイジング時の攪拌を2
00rpmの速度で行なうことを除いて同じ方法でゴム強
化コポリマーをつくる。最終生成物の分析により、ゴム
粒子の容積平均粒子径は0.62ミクロンであることが判つ
た。
相転移と引続いてのゴム粒子のサイジング時の攪拌を1
50rpmの速度で行なうことを除いて同じ方法を用いて
別のゴム補強コポリマーをつくる。この場合、最終生成
物中のゴム粒子は0.65ミクロンの容積平均粒子径を有す
ることが判つた。このゴム強化ポリマーをサンプルNo.
1とする。
相転移と引続いてのゴム粒子のサイジング時の攪拌を9
0rpmで行なうことを除いて同じ方法でつくつたゴム補
強コポリマーは0.88ミクロンのゴム粒子径を有する。こ
のコポリマー生成物をサンプルNo.2とする。さらに、
相転移と引続いてのゴムのサンジング時の攪拌を60rp
mで行なうことを除いて同じ方法でつくつたゴム補強コ
ポリマーは1.35ミクロンの粒子径を示す。
上記から明らかなように、本発明の方法を用いて過度の
攪拌速度を要することなく、比較的小さい粒子径で分散
し高い溶液粘度を示すゴムを有するゴム強化コポリマー
が得られる。事実、ここに開示したゴムをサイジングす
るための化学的手法を用いてある攪拌速度においてそれ
以上では粒子径の更なる減少は達せられないという最小
のゴム粒子径が得られる。
比較実施例 供給溶液が0.15%の鎖移動剤を含有することを除いてサ
ンプルNo.1をつくる際に用いたと同じ方法を用いて、
高分子量で低シスのブタジエンのホモポリマーが分散し
たスチレンとアクリロニトリルのコポリマーマトリツク
スからなるゴム補強コポリマーをつくる。最終生成物中
のブタジエンのホモポリマーの容量平均粒子径は2.9ミ
クロンである。このゴム強化コポリマーをサンプルNo.
Aとする。
サンプルNo.1及び2の物理的性質を測定し本発明のゴ
ム補強コポリマーと従来法でつくられたゴム補強コポリ
マーとを比較した。このテスト結果を表1に示す。
表1のデータから明らかなように、小さい粒子径で分散
した高分子量で低シスゴムを有するスチレンとアクリロ
ニトリルのコポリマーマトリツクスからなる本発明のA
BS樹脂の物理的性質はコポリマーマトリツクス中によ
り大きな径のゴム粒子が分散したABS樹脂の物理的性
質に比し顕著にすぐれている。
実施例3 連結したいくつかの“プラグ−フロー”型反応器を用い
て、高分子量、低シスのゴムが分散したスチレンとアク
リロニトリルのコポリマーマトリツクスからなるゴム補
強コポリマーをつくる。各反応器には可変速攪拌機と加
熱及び冷却手段がとりつけてある。スチレン56.3%、ア
クリロニトリル16%、エチルベンゼン20%、線状・
低−シス、高分子量ポリブタジエンゴム7.5%、抗酸化
剤0.2%及びフリーラジカル開始剤0.015%を含む溶液を
第1反応器の上に連続的に加える。相転移の前ではある
が、20%固体レベルの重合混合物を得た後に、スチレ
ン25%、アクリロニトリル5%、エチルベンゼン69.5
%及び鎖移動剤0.5%を含むモノマー混合物の更なる1
0部(供給物100部当り)を重合混合物に加える。そ
のすぐ後に相転移がおこり、分散ゴム粒子が引続いてサ
イジングされる。次いでモノマーからポリマーへの所望
の変換が終わるまで重合を続ける。得られた混合物を最
終の反応器の底から取出し、デボラチライザーに通しゴ
ムを更に架橋し、残存モノマーとエチルベンゼンを重合
混合物から除く。このゴム補強コポリマーをサンプルN
o.1とする。
サンプルNo.1をつくる際に用いた第2モノマー混合物
と同じ組成を有する第2モノマー混合物を、供給物10
0部当り、12部を、重合混合物中の固体レベルが30
%に達した。相転移の前ではなく、相転移の後に加えた
以外は上記と同じ方法によりゴム補強コポリマーをつく
る。このゴム強化コポリマーをサンプルNo.2とする。
重合混合物中の固体が35%の時点で第2モノマー混合
物を加える(供給物つまりフイード100部当り15
部)以外は、サンプルNo.2をつくる際と同じ方法を用
いて別のゴム強化コポリマーをつくる。このゴム強化コ
ポリマーをサンプルNo.3とする。
かくしてつくつたゴム強化コポリマー生成物の各々の容
積平均粒子径と種々の物理的性質を測定する。このテス
トの結果を表2に示す。また比較の目的で、実施例2の
サンプルNo.Aの性質を表2にのべる。
表2のデータから明らかなように、本発明のゴム補強コ
ポリマーは顕著にバランスのとれた物理的性質を示す。
また、容量平均粒子径が重合混合物に加えた鎖移動剤の
量とその添加時期に影響されることが判つた。特に、鎖
移動剤の添加を相転移後まで遅らせたときにゴム粒子径
がより小さくなることが判つた。
さらに、鎖移動剤を相転移の前に加えた場合には、ゴム
粒子径は鎖移動剤の濃度とその添加場所に著しく依存す
る。
実施例4 下記条件以外は実施例3のサンプルNo.1の製造に用い
たと同じ方法により、高溶液粘度を示し分散したゴムを
有するスチレンとアクリロニトリルのコポリマーマトリ
ツクスからなるゴム補強コポリマーをつくつた。初期供
給物としてアクリロニトリル21.5%、スチレン50.3%、
エチルベンゼン20%、線状、高分子、低シスのポリブ
タジエン8%、抗酸化剤0.2%及びフリーラジカル開始
剤0.015%を含むものを用い、重合混合物が約20%固
体に達した相転移の前に、アクリロニトリル11%、ス
チレン25.4%、エチルベンゼン63%及び鎖移動剤0.6
%を含む第2モノマー含有混合物14部(供給物100
部当り)を重合混合物に加える。得られた生成物の分散
ゴム相の容量平均粒子径は1.3ミクロンである。生成物
はアイゾツト衝撃が160J/m、グロスが50℃の金
型温度で60%、15℃の金型温度で50%、引張降伏
が39N/mm2、破断伸度が45%、メルトフローレー
トが2.1g/10分というように極めてバランスのよい
物理的性質を示す。
実施例5 下記条件以外は実施例3のサンプル3の製造に用いたと
同じ方法により、高溶液粘度を示し分散したゴムを有す
るスチレンとアクリロニトリルのコポリマーマトリツク
スからなるゴム補強コポリマーをつくる。初期供給物と
して、アクリロニトリル12%、スチレン63.3%、エチ
ルベンゼン20%、線状、高分子量、低シスのポリブタ
ジエン7.5%、抗酸化剤0.2%及びフリーラジカル開始剤
0.015%含有するものを用い、重合混合物が約35%固
体含量に達し、重合混合物の相転移がおこる前に、アク
リロニトリル11%、スチレン25.4%、エチルベンゼン
62.1%及び鎖移動剤1.5%を含む第2モノマー含有混合
物6.5部(供給物100部当り)を重合混合物に加え
る。
得られた生成物の分散ゴム相の容積平均粒子径は0.9ミ
クロンである。この生成物は、アイゾツト衝撃が190
J/m、グロスが50℃の金型温度で90%、15℃の
金型温度で80%、引張降伏が34N/mm2、破断伸度
が15%、メルトフローレートが2.4g/10分、シヤ
ルピー衝撃強度が15Kj/m2というように極めてバラ
ンスのよい物理的性質を示す。
実施例6 第2モノマー混合物を重合混合物に加えないことを除い
て実施例5と同じ条件を用いてゴム補強コポリマーをつ
くる。
鎖移動剤を用いないでつくつた生成物は0.9ミクロンの
容積平均粒子径を有する分散ゴム粒子を含有している。
生成物はアイゾツト衝撃が213J/mと顕著に高い値
を示し、グロスは50℃の金型温度で85%、15℃の
金型温度で75%、引張降伏は34N/mm2、破断伸度
は15%、メルトフローレートは1.4g/10分であ
る。
実施例7 下記条件以外は実施例2のサンプルNo.2の製造に用い
たと同じ方法により、高溶液粘度を示し分散したゴムを
有するスチレンとアクリロニトリルのコポリマーマトリ
ツクスからなるゴム補強コポリマーをつくる。初期供給
物として、アクリロニトリル22%、スチレン50.3%、
エチルベンゼン20%、線状、高分子量、低シスのポリ
ブタジエン7.5%、抗酸化剤0.2%及びフリーラジカル開
始剤0.015%を含むものを用い、重合混合物が約17%
固体含量に達し、重合混合物の相転移がおこる前に、ア
クリロニトリル11%、スチレン25.4%及びエチルベン
ゼン63.6%を含む第2モノマー含有混合物を9部(供給
物100部当り)重合混合物に加える。
得られた生成物の分散ゴム相の容積平均粒子径は1.05ミ
クロンである。この生成物はアイゾツト衝撃が320J
/mと顕著に高い値を示し、グロスは50℃の金型温度
で65%、15℃の金型温度で50%、引張降伏は41
N/mm2、破断伸度は30%、メルトフローレートは0.5
g/10分というように極めてバランスのよい物理的性
質を示す。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノビニリデン芳香族と不飽和ニトリルと
    任意成分としての1種またはそれ以上の他のコモノマー
    とから成り且つ高い溶液粘度を示すゴムの分離した粒子
    をコポリマーマトリックス中に分散させたゴム補強コポ
    リマーの製造法であって;1種またはそれ以上のモノビ
    ニリデン芳香族化合物、1種またはそれ以上の不飽和ニ
    トリル化合物、およびスチレン中の5重量%溶液として
    少なくとも120センチポイズの粘度を示すゴムの少な
    くとも5重量%(該重量%はモノマー類とゴムとの合計
    重量を基準とする)を含有する溶液を、過度ではない攪
    拌下に塊状重合させて塊状重合混合物の相転移とゴムの
    サイジングを生起させゴムが1.5ミクロン以下の容積
    平均粒径で分散されたモノビニリデン芳香族と不飽和ニ
    トリルと他の任意成分のコモノマーとから成る十分に高
    い分子量をもつコポリマーを生成させる工程;および塊
    状重合を続けて所望量のモノマーをポリマーに転化する
    工程;から成ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】ゴムとモノマー類との溶液が更に2〜30
    重量%の有機希釈剤を含む(ただし該重量%はゴムとモ
    ノマー類と有機希釈剤との合計重量を基準とする)特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】相転移におけるコポリマーの重量平均分子
    量がゴムの重量平均分子量の少なくとも0.6倍である
    特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】相転移におけるコポリマーの重量平均分子
    量が少なくとも240,000である特許請求の範囲第
    2項記載の方法。
  5. 【請求項5】相転移前の重合の少なくとも一部を鎖転移
    剤の不存在下で行う特許請求の範囲第4項記載の方法。
  6. 【請求項6】ゴム補強コポリマー生成物の製造を相転換
    前および相転移後の両方において鎖転移剤の不存在下で
    行う特許請求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】相転移前の重合を2価官能性開始剤の存在
    下で行う特許請求の範囲第3項記載の方法。
  8. 【請求項8】相転移前の重合を相転移時に望ましい高分
    子量のコポリマーがえられるような十分に低い濃度の鎖
    移動剤を使用して行う特許請求の範囲第3項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】相転移前のモノマーの重合を分子量増大剤
    の存在下で行う特許請求の範囲第3項記載の方法。
  10. 【請求項10】相転移時のコポリマーの重量平均分子量
    が少なくとも300,000であり、そしてコポリマー
    の重量平均分子量がゴムの重量平均分子量の少なくとも
    0.8倍である特許請求の範囲第2項記載の方法。
  11. 【請求項11】ゴムがスチレン中の5重量%溶液として
    少なくとも140センチポイズの粘度を示す特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  12. 【請求項12】ゴムがASTM D−3536に記載の
    ゲル浸透クロマトグラフで測定して少なくとも325,
    000の未補正重量平均分子量をもつブタジエンの線
    状、低シス、ホモポリマーであり、該ゴムが1.2ミク
    ロンより小さい容積平均粒径でコポリマーマトリックス
    中に分散されている特許請求の範囲第11項記載の方
    法。
  13. 【請求項13】不飽和ニトリルがアクリロニトリルであ
    り、モノビニリデン芳香族がスチレンまたはスチレンと
    α−メチルスチレンとの組合せ物である特許請求の範囲
    第12項記載の方法。
  14. 【請求項14】モノビニリデン芳香族がスチレンであ
    り、コポリマーマトリックスがゴムとコポリマーとの合
    計重量を基準にして少なくとも7重量%のゴムを1.1
    ミクロンよりも小さい粒径でコポリマー相中に分散させ
    た状態で含む特許請求の範囲第13項記載の方法。
  15. 【請求項15】コポリマーマトリックスが少なくとも1
    種のモノビニリデン芳香族、少なくとも1種の不飽和ニ
    トリル、およびポリビニル芳香族から誘導されたもので
    ある特許請求の範囲第1項記載の方法。
JP58169504A 1982-09-17 1983-09-16 高い溶液粘度を示すゴムの分散粒子をもつabs型樹脂の製造法 Expired - Lifetime JPH0629301B2 (ja)

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