JP4101175B2 - 透明なゴム変性共重合樹脂およびその樹脂組成物 - Google Patents

透明なゴム変性共重合樹脂およびその樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、かつ透明性の成形条件依存性が少ないゴム変性共重合樹脂、並びに上記の特性を有しさらに実用強度に優れたゴム変性共重合樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より透明なゴム変性共重合樹脂は、家電製品、包装材料、光学用途を始め様々な用途に用いられている。しかしこれらは、透明性、耐衝撃性、剛性が充分なものではなく、また、透明性の成形条件依存性がみられ満足なものではなかった。さらに最近の市場の要求である実用強度が高いこと等に対し充分なものではなかった。
【0003】
例えば特開平4−180907号公報には、トルエン不溶分や膨潤指数等を特定の範囲内にしたゴム変性共重合樹脂が開示されているが、該樹脂では特定のスチレン−ブタジエン共重合体や特定の反応器を使用する必要があり、かつ、透明性、耐衝撃性、剛性等のバランスが充分でない等の問題があった。
【0004】
特開平8−269142号公報には、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合体を連続相、二峰性を有するゴム粒子を分散相としたゴム変性スチレン系樹脂組成物が開示されているが、ゴム粒子径分布やゲル分、膨潤指数の制御が充分でなく、透明性の成形条件依存性が大きく、また実用強度が低いこと等により使用に制限があった。
【0005】
特開平11−147993号公報には、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合体を連続相に、二峰性を有するゴム粒子を分散相とし、かつ分子量分布を特定の範囲内としたゴム変性スチレン系樹脂組成物が開示されているが、耐衝撃性の低い小粒子径が多く、耐衝撃性と剛性のバランスが充分でない等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、かつ透明性の成形条件依存性が少ないゴム変性共重合樹脂の提供、並びに上記の特性を有しさらに実用強度に優れたゴム変性共重合樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のゴム粒子径分布を有するゴム変性共重合樹脂が透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、かつ透明性の成形条件依存性が少ないことを見出し本発明に至った。また、該ゴム変性共重合樹脂にあって、特定のゲル分、膨潤指数、重量平均分子量を有するゴム変性共重合樹脂がさらに透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、透明性の成形条件依存性が少ないことを見出した。
【0008】
また、該ゴム変性共重合樹脂と乳化グラフト共重合体よりなるゴム変性共重合樹脂組成物が透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、透明性の成形条件依存性が少なく、さらに実用強度の高いことを見出し本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明は、以下の特徴を有する。
(1)ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られる、1種又は2種以上の混合物からなるゴム変性共重合樹脂であって、樹脂中に分散するゴム粒子の体積平均粒子径(以下dvとする)が0.4〜2.0μmで、かつ、ゴム粒子径体積積算分布曲線における積算値の75%径(以下dv75とする)と積算値の25%径(以下dv25とする)の差が0.2〜2.0μmであることを特徴とする透明なゴム変性共重合樹脂である。
(2)ゴム粒子径体積積算分布曲線において、粒子径0.8μm未満のゴム粒子が95〜30体積%を占め、粒子径0.8μm以上のゴム粒子が5〜70体積%を占める上記(1)に記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
(3)ゴム粒子径体積頻度分布曲線において、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有する上記(1)又は(2)に記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
(4)ゲル分が5〜25質量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
(5)膨潤指数が9〜17である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
(6)重量平均分子量(Mw)が8万〜20万である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
(7)ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られる、1種又は2種以上の混合物からなるゴム変性共重合樹脂であって、樹脂中に分散するゴム粒子の体積平均粒子径(dv)が0.5〜2.0μmで、かつゴム粒子径体積積算分布曲線において積算値の75%径(d75)と25%径(d25)の差が0.2〜2.0μmである透明なゴム変性共重合体(A)の60〜99.9質量%と、ブタジエン若しくはスチレン−ブタジエンラテックスにスチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化グラフト重合して得られる乳化グラフト共重合体(B)の0.1〜40質量%とを含むことを特徴とするゴム変性共重合樹脂組成物。
(8)透明なゴム変性共重合樹脂(A)中に分散するゴム粒子の粒子径体積積算分布曲線において、粒子径0.8μm未満のゴム粒子が95〜30体積%を占め、粒子径0.8μm以上のゴム粒子が5〜70体積%である上記(7)に記載のゴム変性共重合樹脂組成物。
(9)透明なゴム変性共重合樹脂(A)中に分散するゴム粒子の粒子径体積頻度分布曲線において、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有する上記(7)又は(8)に記載のゴム変性共重合樹脂組成物。
(10)透明なゴム変性共重合樹脂(A)と乳化グラフト共重合体(B)の温度25℃における屈折率差が、0.03未満である上記(7)〜(9)のいずれかに記載のゴム変性共重合樹脂組成物。
【0010】
なお、本発明において、ゴム粒子径体積積算分布曲線とは、横軸に粒子径、縦軸に体積分率で表示するゴム粒子径分布の体積積算分布曲線をいう。また、ゴム粒子径体積頻度分布曲線とは、横軸に粒子径、縦軸に体積分率で表示するゴム粒子径分布の体積頻度分布曲線をいうものとする。
【0011】
【発明の実施の態様】
以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の透明なゴム変性共重合樹脂について説明する。
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂は、ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られる。本発明で使用するスチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等をあげることができるが、好ましくはスチレンである。これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0012】
本発明で使用する(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等があげられるが、好ましくは、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートである。これら(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよいが、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートを併用して使用することが最も好ましい。
【0013】
本発明では、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体以外の単量体、例えばアクリロニトリル、無水マレイン酸、メタクリル酸等もスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対し、50質量部未満であれば含有させることができる。
【0014】
スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の割合は、好ましくはスチレン系単量体5〜95質量部および(メタ)アクリル酸エステル系単量体95〜5質量部、さらに好ましくは、スチレン系単量体10〜90質量部および(メタ)アクリル酸エステル系単量体90〜10質量部である。但しスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計を100質量部とする。スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体が該範囲外の場合は透明性等が劣る場合がある。
【0015】
本発明で使用するゴム状重合体は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロックゴム、部分水添ポリブタジエン、部分水添スチレン−ブタジエンゴム、部分水添スチレン−ブタジエンブロックゴム等があげられるが、好ましくはスチレン含量が20〜50質量%のスチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロックゴムである。また、ゴム状重合体の温度25℃における5質量%スチレン溶液粘度が、好ましくは15〜200mPa・s、さらに好ましくは20〜60mPa・sである。ブタジエンに基づく不飽和結合のうちの1,2−ビニル結合の割合は、好ましくは8〜25モル%、さらに好ましくは12〜16モル%である。
【0016】
本発明では、スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂等のゴム状重合体以外の重合体もゴム状重合体100質量部に対し、50質量部未満であれば含有させることができる。
ゴム状重合体の割合は、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対し、好ましくは0.1〜30質量部、さらに好ましくは3〜15質量部である。ゴム状重合体が該範囲外の場合は耐衝撃性等が劣る等目的を達しない場合がある。
【0017】
本発明で、ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを重合する場合、ゴム状重合体は、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体に溶解した後重合する。重合は高温下で実施する。重合温度は、好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは100〜160℃である。また、重合時において、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレート等の公知の重合開始剤や、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−1、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の公知の分子量調整剤を添加することが好ましい。
【0018】
重合開始剤、分子量調整剤の添加量はスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対し、好ましくは0.005〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。該範囲外の場合は耐衝撃性が劣る等目的を達しない場合がある。
【0019】
また重合時、ジビニルベンゼン等の公知の架橋剤、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の公知の酸化防止剤等を添加しても差し支えない。
【0020】
本発明では重合時、エチルベンゼン、トルエン等の有機系溶剤をスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対して好ましくは0.1〜50質量部、さらに好ましくは5〜20質量部使用する。溶剤の使用により重合時の粘度が下がり、重合制御性が向上する等好ましい場合がある。また、本発明における重合の様式は連続重合様式が好ましい。
【0021】
上記のようにして、ゴム粒子が分散して含有される透明なゴム変性共重合樹脂が製造されるが、本発明の透明なゴム変性共重合樹脂中では、ゴム粒子は以下のような特性を有するようにされる。なお、かかる特性を有するゴム粒子を含有するゴム変性共重合樹脂は、ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られる、1種類のゴム変性共重合樹脂から構成してもよいが、また、ゴム粒子の粒子径の異なる、別個に得られた2種以上のゴム変性共重合樹脂を混合、溶融して構成してもよい。
【0022】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂中では、分散して含有されるゴム粒子の体積平均粒子径(dv)は0.4〜2μm、好ましくは0.4〜1.5μm、さらに好ましくは0.5〜1.2μmである。ゴム粒子の体積平均粒子径(dv)が0.4μm未満の場合は耐衝撃性が低いものとなり、2μmを越えた場合は透明性の劣るものとなる。
【0023】
本発明の体積平均粒子径(dv)とは、樹脂の超薄切片法透過型電子顕微鏡写真より、写真中のゴム粒子約1000個の粒子径(=(長径+短径)/2)を測定し、次式数1により得られる平均粒子径とする。
数1
平均粒子径=Σni・Di4/Σni・Di3
(niは粒子径Diを有するゴム粒子の個数)
なお、ゴム粒子は、ゴム変性共重合樹脂が製造される際、重合の進行に伴い形成されるが、ゴム粒子の体積平均粒子径(dv)の制御は、重合時の撹拌数、重合開始剤や分子量調整剤の添加量、異なる粒子径を有するゴム変性共重合樹脂の混合等で行われる。
【0024】
また、本発明の透明なゴム変性共重合樹脂中に分散するゴム粒子は、dv75とdv25の差(以下dv75−dv25とする)が0.2〜2.0μm、好ましくは0.4〜1.7μm、さらに好ましくは0.5〜1.5μmである。dv75−dv25が0.2μm未満であると耐衝撃性、剛性のバランスが劣り、2.0μmを越えると透明性、剛性のバランスが劣り、さらに透明性の成形条件依存性が大きくなる。dv75−dv25の制御は、重合時の撹拌条件、重合開始剤や分子量調整剤の種類や添加量、異なる粒子径を有するゴム変性共重合樹脂の混合等で行われる。
【0025】
なお、dv75、dv25は、前掲したように横軸に粒子径、縦軸に体積分率で表示するゴム粒子径分布の体積積算分布曲線において、積算値がそれぞれ75%、25%に対応する粒子径である。なお、ゴム粒子径は、ゴム粒子の体積平均粒子径(dv)と同様、樹脂の超薄切片法透過型電子顕微鏡写真より粒子径を測定し求めるものとする。また、体積分率は、該粒子径で得られたゴム粒子を球体とみなしたときの体積分率で示したものである。
【0026】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂中に分散するゴム粒子は、ゴム粒子径体積積算分布曲線において、粒子径0.8μm未満が95〜30体積%で、粒子径0.8μm以上が5〜70体積%を占めることが好ましい。さらに好ましくは、粒子径0.8μm未満が80〜40体積%で、粒子径0.8μm以上が20〜60体積%である。粒子径0.8μm未満が95〜30体積%、粒子径0.8μm以上が5〜70体積%であると、さらに透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、透明性の成形条件依存性の良好なものとなる。なお、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上の比率の制御は、重合時の撹拌条件、重合開始剤や分子量調整剤の添加量、異なる粒子径を有するゴム変性共重合樹脂の混合等で行われる。
【0027】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂中に分散するゴム粒子は、前掲したように横軸に粒子径、縦軸に体積分率で表示するゴム粒子径分布のゴム粒子径体積頻度分布曲線において、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有することが好ましい。粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有するとさらに透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、かつ透明性の成形条件依存性が少なく良好なものとなる。ゴム粒子径体積頻度分布曲線において、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値をもたらしめるための制御は、重合時の撹拌条件、重合開始剤や分子量調整剤の種類や添加量、異なる粒子径を有するゴム変性共重合樹脂の混合等で行われる。
なお、ゴム粒子径体積頻度分布曲線の例として、ゴム粒子径の対数に対する体積基準の頻度分布である一例を図1に示す。
【0028】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂のゲル分は好ましくは5〜25質量%、さらに好ましくは15〜23質量%である。ゲル分が5質量%未満であると耐衝撃性が劣り、ゲル分が25質量%を越えると透明性、剛性が劣り、さらに透明性の成形条件依存性が大きくなる。ゲル分の調整は、重合時の撹拌条件、重合開始剤や分子量調整剤の種類や添加量等で行われる。
【0029】
なお、本発明におけるゲル分は以下の様に測定する。
試料1gを精秤(a)しメチルエチルケトン(MEK)100mlに温度25℃で24時間かけて溶解させた後、溶解液を質量(b)を測定した遠心管に移し、温度10℃以下、14000rpmで40分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションにより取り除いた後、温度70℃の真空乾燥器で24時間乾燥させ、乾燥後の遠心管の質量(c)を測定し、下式数2によりゲル分を算出する。
数2
ゲル分(質量%)={(c−b)/a}×100
【0030】
また、本発明の透明なゴム変性共重合樹脂の膨潤指数は好ましくは9〜17、さらに好ましくは10〜14である。膨潤指数が9未満であると耐衝撃性が劣り、膨潤指数が17を越えると透明性、剛性が劣り、さらに透明性の成形条件依存性が大きくなる。膨潤指数の調整は、酸化防止剤の添加や、脱揮槽内の加熱条件等で調整できる。
【0031】
なお、本発明における膨潤指数は以下の様に測定する。
試料約1gをトルエン100mlに温度25℃で24時間かけて溶解させた後、溶解液を質量(d)を測定した遠心管に移し、温度10℃以下、14000rpmで40分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションにより取り除いた後、乾燥前の遠心管の質量(e)を測定する。温度70℃の真空乾燥器で24時間乾燥させ、乾燥後の遠心管の質量(f)を測定し下式数3によりゲル分を算出する。
数3
膨潤指数=(e−d)/(f−d)
【0032】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)は好ましくは8万〜20万、さらに好ましくは10万〜16万である。Mwが8万未満であると耐衝撃性が劣り、20万を越えると透明性が低下し、さらに透明性の成形条件依存性が大きくなる。Mwの調整は、重合開始剤や分子量調整剤の種類や添加量、重合温度条件等で調整できる。
【0033】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油、難燃剤等の添加剤を添加することができ、製造時任意の段階で添加することができる。添加剤を添加する方法については特に規定はないが、たとえば、重合時添加する方法や押出機にて溶融混練する方法等があげられる。
【0034】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂は、射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形等の公知の方法により各種成形体に加工され実用に供される。
【0035】
次に、本発明のゴム変性共重合樹脂を含む組成物について詳述する。
本発明におけるゴム変性共重合樹脂組成物は、前掲した透明なゴム変性共重合樹脂(A)と乳化グラフト共重合体(B)とを含むものである。
透明なゴム変性共重合樹脂(A)は、既に詳述したので、乳化グラフト共重合体(B)について説明する。
乳化グラフト共重合体(B)は、例えば、呉羽化学工業(株)会社製クレハBTA、鐘淵化学工業(株)会社製カネエースとして市場に入手し得るものを用いても良く、また、公知の乳化重合手法により得たものであっても良い。
【0036】
本発明では、透明なゴム変性共重合樹脂(A)で述べたゴム状重合体のラテックス、即ち、ブタジエン若しくはスチレン−ブタジエンラテックスにスチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化グラフト重合して得たものが使用される。また、必要に応じてこれらの単量体と共重合可能なビニル系単量体をグラフト重合して得たのが使用できる。
【0037】
具体的には、ゴム状重合体ラテックスの存在下で、スチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を使用し、乳化グラフト重合する。ゴム状重合体量はスチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体の合計100質量部に対し、30質量部を越え500質量部以下の存在下で使用して得たものでよい。
【0038】
ゴム状重合体が30質量部未満だとゴム変性共重合樹脂組成物の実用強度が低下する。また、ゴム状重合体が500質量部を超えると透明性の成形依存性が生じ易くなる。
【0039】
透明なゴム変性共重合樹脂(A)と乳化グラフト共重合体(B)の比率は99.9〜60質量%:0.1〜40質量%、好ましくは95〜70質量%:5〜30質量%、さらに好ましくは90〜75質量%:10〜25質量%である。乳化グラフト共重合体(B)が0.1質量%未満であると実用強度に劣るものとなり、また、40質量%を超えると剛性が低下する。
なおゴム変性共重合樹脂組成物はそれぞれ2種類以上の透明なゴム変性共重合樹脂(A)と乳化グラフト共重合体(B)からなっても差し支えない。
【0040】
なお、本発明の樹脂組成物を構成する透明なゴム変性共重合樹脂(A)としては、ゴム変性共重合樹脂中に分散するゴム粒子の体積平均粒子径(dv)が0.5〜2.0μmで、かつ、ゴム粒子径体積積算分布曲線における積算値の75%径(dv75)と積算値の25%径(dv25)の差が0.2〜2.0μmであるゴム変性共重合樹脂(A)が選択される。
【0041】
透明なゴム変性共重合樹脂(A)中に分散するゴム粒子の体積平均粒子径は、好ましくは0.6〜1.7μm、さらに好ましくは0.7〜1.5μmである。ゴム粒子の体積平均粒子径が0.5μm未満の場合はゴム変性共重合樹脂組成物の耐衝撃性や実用強度が低いものとなり、2.0μmを越えた場合は透明性の劣るものとなる。
【0042】
また、dv75とdv25の差は、好ましくは0.4〜1.7μm、さらに好ましくは0.5〜1.5μmである。dv75−dv25が0.2μm未満であるとゴム変性共重合樹脂組成物の耐衝撃性、剛性のバランスおよび実用強度が劣り、2.0μmを越えると透明性、剛性のバランスが劣り、さらに透明性の成形条件依存性が大きくなる。
【0043】
透明なゴム変性共重合樹脂(A)中に分散するゴム粒子は、ゴム粒子径体積積算分布曲線において、粒子径0.8μm未満が95〜30体積%で、粒子径0.8μm以上が5〜70体積%を占めることが好ましい。さらに好ましくは、粒子径0.8μm未満が80〜40体積%で、粒子径0.8μm以上が20〜60体積%である。粒子径0.8μm未満が95〜30体積%で、粒子径0.8μm以上が5〜70体積%であると、さらにゴム変性共重合樹脂組成物の透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、透明性の成形条件依存性が良好で実用強度が高いものとなる。
【0044】
また、透明なゴム変性共重合樹脂(A)中に分散するゴム粒子は、前掲したように横軸にゴム粒子径、縦軸に体積分率で表示するゴム粒子径分布の粒子径体積頻度分布曲線において、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有することが好ましい。粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有すると、さらにゴム変性共重合樹脂組成物の透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、透明性の成形条件依存性が良好で実用強度が高いものとなる。
【0045】
さらには、本発明では透明なゴム変性共重合樹脂(A)と乳化グラフト共重合体(B)の温度25℃における屈折率差が、好ましくは0.03未満、さらに好ましくは0.02未満である。屈折率差が0.03以上であると大幅に透明性が低下するので好ましくない。
【0046】
なお、本発明の屈折率は、組成分析により構成する単量体単位の組成比を測定し、次式数4を用いて計算により屈折率を求めるものとする。
数4
n=XA×nA+XB×nB+XC×nC+・・・
【0047】
すなわち、単量体単位の組成が、Am単量体:X、Bm単量体:XおよびCm単量体:Xからなる場合(但し、質量比でX+X+X=1)、nはAm単量体からなるポリマーの屈折率、nはBm単量体からなるポリマーの屈折率、nはCm単量体からなるポリマーの屈折率を示すものとし、上式に代入して計算より求めるものである。なお、組成分析は公知の手法、例えば、熱分解ガスクロマトグラフィー等で行うことができる。
【0048】
透明なゴム変性共重合樹脂(A)と乳化グラフト共重合体(B)は、公知の手法により混合しゴム変性共重合樹脂組成物とすることができる。例えば押出機を用い溶融混練する方法があげられる。
【0049】
本発明のゴム変性共重合樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油、難燃剤等の添加剤を添加することができ、製造時任意の段階で添加することができる。添加剤を添加する方法については特に規定はないが、たとえば、各々の樹脂または共重合体の重合時に添加する方法や樹脂組成物の製造時に押出機にて溶融混練する方法等があげられる。
【0050】
本発明のゴム変性共重合樹脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形等の公知の方法により各種成形体に加工され実用に供される。
【実施例】
【0051】
次に実施例をもって本発明をさら説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(1)透明なゴム変性共重合体樹脂の実施例
【0052】
参考例1
撹拌機を付した容積約5Lの第1完全混合型反応器、撹拌機を付した容積約15Lの第2完全混合型反応器、容積約40Lの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。ゴム状重合体として旭化成社製アサプレン670A(スチレン−ブタジエンゴム、スチレン含量が40質量%、温度25℃における5質量%スチレン溶液粘度33mPa・s、1,2−ビニル結合の割合13.9モル%)を8質量部、スチレン56質量部、メチルメタアクリレート(以下MMA)39質量部、n−ブチルアクリレート(以下n−BA)5質量部で構成する単量体溶液に対し、エチルベンゼン14質量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(1時間半減期温度:118℃)0.05質量部、t−ドデシルメルカプタンを0.1質量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを0.1質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時7kgで温度110℃に制御した第1完全混合型反応器に導入した後連続的に温度130℃に制御した第2完全混合型反応器に供給した。次いで重合液を第2完全混合型反応器より連続的に抜き出しながら、流れの方向に向かって温度130℃から150℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この重合液を予熱器で加温しながら、1.3kPaに減圧した脱揮槽に導入し、脱揮槽内温度230℃にて未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の樹脂を得た。第2完全混合型反応器の撹拌数を変更し、ゴム粒子径を制御することによりサンプルA〜Eを得た。表1に物性評価結果を示した。
【0053】
参考例2
第1完全混合型反応器を用いず、かつt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを添加しない原料溶液を第2完全混合型反応器に直接供給した以外は参考例1と同様に行った。第2完全混合型反応器の撹拌数を変更し、ゴム粒子径を制御することによりサンプルF〜Gを得た。表1に物性評価結果を示した。
【0054】
参考例3
t−ドデシルメルカプタンを0.02質量部とし、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの代わりに4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを0.1質量部を混合し原料溶液とした以外は参考例1と同様に行い、サンプルHを得た。表1に物性評価結果を示した。
【0055】
【表1】
Figure 0004101175
【0056】
実施例1〜6、比較例1〜4
表2、3、4に示す配合で40mm単軸押出機を用い温度230℃でストランド状に押出し、ペレタイザーにて切断することによりペレット形状のゴム変性共重合樹脂を得た。また、表2、3、4に物性評価結果を示した。
【0057】
【表2】
Figure 0004101175
【0058】
【表3】
Figure 0004101175
【0059】
【表4】
Figure 0004101175
【0060】
本発明の透明なゴム変性共重合樹脂に係わる実施例は、何れも、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、かつ透明性の成形条件依存性が少なく、本発明の条件に合わない比較例では、透明性、耐衝撃性、剛性、透明性の成形条件依存性のうちいずれかの物性において劣るものであった。
【0061】
(2)ゴム変性共重合樹脂組成物の実施例
参考例4
撹拌機を付した容積約5Lの第1完全混合型反応器、撹拌機を付した容積約15Lの第2完全混合型反応器、容積約40Lの塔式プラグフロー型反応器、予熱器を付した脱揮槽を直列に接続して構成した。ゴム状重合体として旭化成社製アサプレン670A(スチレン−ブタジエンゴム、スチレン含量が40質量%、温度25℃における5質量%スチレン溶液粘度33mPa・s、1,2−ビニル結合の割合13.9モル%)を10質量部、スチレン56質量部、メチルメタクリレート(以下MMA)39質量部、n−ブチルアクリレート(以下n−BA)5質量部で構成する単量体溶液に対し、エチルベンゼン15質量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート0.05質量部、t−ドデシルメルカプタンを0.15質量部、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを0.1質量部を混合し原料溶液とした。この原料溶液を毎時7kgで温度110℃に制御した第1完全混合型反応器に導入した後連続的に温度130℃に制御した第2完全混合型反応器に供給した。第2完全混合型反応器の撹拌数によりゴム粒子径を制御した。次いで重合液を第2完全混合型反応器より連続的に抜き出しながら、流れの方向に向かって温度130℃から150℃の勾配がつくように調整した塔式プラグフロー型反応器に導入した。この重合液を予熱器で加温しながら、1.3kPaに減圧した脱揮槽に導入し、脱揮槽内温度230℃にて未反応単量体等の揮発分を除去した。この樹脂液をギアポンプで抜き出し、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の樹脂を得た。第2完全混合型反応器の撹拌数を変更し、ゴム粒子径を制御することによりサンプルA’〜E’を得た。表5に物性評価結果を示した。
【0062】
参考例5
第1完全混合型反応器を用いず、かつt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを添加しない原料溶液を第2完全混合型反応器に直接供給した以外は参考例4と同様に行った。第2完全混合型反応器の撹拌数を変更し、ゴム粒子径を制御することによりサンプルF’〜G’を得た。表5に物性評価結果を示した。
【0063】
参考例6
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの代わりに4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾールを0.1質量部を混合し原料溶液とした以外は参考例4と同様に行い、サンプルHを得た。表5に物性評価結果を示した。
【0064】
【表5】
Figure 0004101175
【0065】
参考例7
表6、表7に示す配合で40mmの単軸押出機を用い温度230℃でストランド状に押出し、ペレタイザーにて切断することによりペレット形状のゴム変性共重合樹脂(A)を得た。表6、表7に物性評価結果を示した。
なお、得られた樹脂を構成する単量体単位の組成より算出された屈折率は、組成分析によりゴム変性共重合樹脂(A)を構成する単量体単位の組成比を測定し、前掲した式数4を用いてスチレン、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、ブタジエン単量体の屈折率をそれぞれ、1.595、1.494、1.463、1.518として、計算により屈折率を求めた。いずれも1.548であった。
【0066】
【表6】
Figure 0004101175
【0067】
【表7】
Figure 0004101175
【0068】
参考例8
容積200リットルのオートクレーブに純水115kg、オレイン酸カリウム500g、ピロリン酸ナトリウム75g、硫酸第一鉄1.5g、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム2.2g、ロンガリット22gを加えて撹拌下で均一に溶解した。次いでスチレン20.0kg、ブタジエン30.0kg、t−ドデシルメルカプタン148g、ジビニルベンゼン30g、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド96gを加え、撹拌しながら温度50℃で16時間反応を行って重合を完結し、ゴム状重合体ラテックスを得た。得られたゴム状重合体ラテックスにナトリウムスルホサクシネート45gを添加して充分安定化した後、0.2%塩酸水溶液と2%苛性ソーダ水溶液を別々のノズルから、ラテックスのPHが8〜9を保つように添加し、ラテックスを凝集肥大化させ、平均粒径0.42μmのゴム状弾性体ラテックスを得た。ゴム状弾性体ラテックスを固形分換算で30kg計量して容積200Lのオートクレーブに移し、純水80kgを加え、攪拌しながら窒素気流下で温度50℃に昇温した。ここに硫酸第一鉄1.25g、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム2.5g、ロンガリット100gを溶解した純水2kgを加え、スチレン16kg、メチルメタクリレート14kg、t−ドデシルメルカプタン60gからなる混合物と、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド120gをオレイン酸カリウム450gを含む純水8kgに分散した溶液とを、別々に6時間かけて連続添加した。添加終了後、温度を70℃に昇温して、さらにジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド30g添加した後2時間放置して重合を終了した。
【0069】
得られた乳化液に酸化防止剤を加え、純水で固形分を15質量%に希釈した後に温度60℃に昇温し、激しく撹拌しながら希硫酸を加えて塩析を行い、その後温度を90℃に昇温して凝固させ、次に脱水、水洗、乾燥して粉末状の乳化グラフト共重合体(B)を得た。
得られた乳化グラフト共重合体(B)を構成する単量体単位の組成比を測定し、前掲した式数4を用いて算出された屈折率は1.548であった。
【0070】
実施例7〜13、比較例5〜9
表8、9に示す配合で35mmの2軸押出機を用い温度230℃でストランド状に押出し、ペレタイザーにて切断することによりペレット形状のゴム変性共重合樹脂組成物を得た。表8、9に物性評価結果を示した。
【0071】
【表8】
Figure 0004101175
【0072】
【表9】
Figure 0004101175
【0073】
本発明のゴム変性共重合樹脂組成物に係わる実施例は、表8に示すとおり何れも、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、透明性の成形条件依存性が少なく、かつ実用強度に優れている。本発明の条件に合わない比較例では、表9に示すとおり透明性、耐衝撃性、剛性、透明性の成形条件依存性、実用強度のうちいずれかの物性において劣るものであった。
【0074】
なお、評価は下記の方法によった。
(1)ゴム粒子の体積平均粒子径(dv)
オスミウム酸で染色した樹脂の超薄切片法透過型電子顕微鏡写真より、写真中の粒子約1000個の粒子径(=(長径+短径)/2)を測定し、次式数5により得られる平均粒子径として求めた。粒子径の計測には、画像処理測定装置Carl Zeiss Vision社製KS400を使用した。
数5
平均粒子径=Σni・Di4/Σni・Di3
(niは粒子径Diを有するゴム粒子の個数)
なお、dv75%径とdv25%径も上記の測定で得られた粒子径を画像処理測定装置を使用して、整理し得た。
(2)ゲル分、膨潤指数は前掲した方法で測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)
下記記載のGPC測定条件で測定した。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラハイドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製し、重量平均分子量はPS換算値で表した。
(4)透明性
東芝機械(株)社製射出成形機(IS−50EPN)を用いて、シリンダー温度200℃および230℃で厚さ1mm、2mm、3mmの3段プレートを成形した。この3段プレートの2mm部を用い、ASTM D1003に準拠し、日本電色工業社製HAZEメーター(NDH−1001DP型)を用いて全光線透過率および曇価を測定した(単位:%)。
(5)耐衝撃性
東芝機械(株)社製射出成形機(IS−80CNV)を用いて、シリンダー温度200℃で12.7×64×6.4mm寸法の試験片を成形した。この試験片を用い、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃強度を測定した(単位:J/m)。
(6)剛性
東芝機械(株)社製射出成形機(IS−80CNV)を用いて、シリンダー温度200℃で12.7×127×6.4mm寸法の試験片を成形した。この試験片を用い、ASTM D790に準拠して曲げ弾性率を測定した(単位:MPa)
(7)実用強度
東芝機械(株)社製射出成形機(IS−80CVN)を用いて、シリンダー温度230℃で厚さ1mm、2mm、3mmの3段プレートを成形した。この試験片の1mm部を用い、JIS K7211に準拠して、錘先端5R、錘径14mmφ、重量200gfの錘を用い、50%破壊高さを測定した(単位:cm)。
【0075】
【発明の効果】
本発明のゴム変性共重合樹脂は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、かつ透明性の成形条件依存性が少なく良好である。
また、本発明のゴム変性共重合樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性、剛性に優れ、透明性の成形条件依存性が少なく、さらに実用強度が高く、家電製品、包装材料を始め様々な用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、透明なゴム変性共重合樹脂(A)のゴム粒子径体積頻度分布曲線の一例である。

Claims (10)

  1. ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られる、1種又は2種以上の混合物からなるゴム変性共重合樹脂であって、樹脂中に分散するゴム粒子の体積平均粒子径(dv)が0.4〜2.0μmで、かつゴム粒子径体積積算分布曲線において積算値の75%径(d75)と25%径(d25)の差が0.2〜2.0μmであることを特徴とする透明なゴム変性共重合樹脂。
  2. ゴム粒子径体積積算分布曲線において、粒子径0.8μm未満のゴム粒子が95〜30体積%を占め、粒子径0.8μm以上のゴム粒子が5〜70体積%を占める請求項1に記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
  3. ゴム粒子径体積頻度分布曲線において、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有する請求項1または2に記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
  4. ゲル分が5〜25質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
  5. 膨潤指数が9〜17である請求項1〜4のいずれかに記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
  6. 重量平均分子量(Mw)が8万〜20万である請求項1〜5のいずれかに記載の透明なゴム変性共重合樹脂。
  7. ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを共重合して得られる、1種又は2種以上の混合物からなるゴム変性共重合樹脂であって、樹脂中に分散するゴム粒子の体積平均粒子径(dv)が0.5〜2.0μmで、かつゴム粒子径体積積算分布曲線において積算値の75%径(d75)と25%径(d25)の差が0.2〜2.0μmであるゴム変性共重合体(A)の60〜99.9質量%と、ブタジエン若しくはスチレン−ブタジエンラテックスにスチレン系単量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量体を乳化グラフト重合して得られる乳化グラフト共重合体(B)の0.1〜40質量%と、を含むことを特徴とするゴム変性共重合樹脂組成物。
  8. 透明なゴム変性共重合樹脂(A)中に分散するゴム粒子の粒子径体積積算分布曲線において、粒子径0.8μm未満のゴム粒子が95〜30体積%を占め、粒子径0.8μm以上のゴム粒子が5〜70体積%である請求項7に記載のゴム変性共重合樹脂組成物。
  9. 透明なゴム変性共重合樹脂(A)中に分散するゴム粒子の粒子径体積頻度分布曲線において、粒子径0.8μm未満と粒子径0.8μm以上に、それぞれ少なくとも一つの極大値を有する請求項7又は8に記載のゴム変性共重合樹脂組成物。
  10. 透明なゴム変性共重合樹脂(A)と乳化グラフト共重合体(B)の温度25℃における屈折率差が、0.03未満である請求項7〜9のいずれかに記載のゴム変性共重合樹脂組成物。
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