JPH09309934A - ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents
ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法Info
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- JPH09309934A JPH09309934A JP12843196A JP12843196A JPH09309934A JP H09309934 A JPH09309934 A JP H09309934A JP 12843196 A JP12843196 A JP 12843196A JP 12843196 A JP12843196 A JP 12843196A JP H09309934 A JPH09309934 A JP H09309934A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゴム分散粒子径を任意にコントロールするこ
とによって、優れた透明性を有し且つ剛性と強度のバラ
ンスの優れたゴム変性芳香族ビニル系樹脂を提供するこ
と。 【解決手段】 ゴム変性芳香族ビニル系樹脂を溶液重合
または塊状重合により連続的に製造する方法において、
(A)芳香族ビニル系単量体 10〜80 重量%とアルキル
基の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系単量体90〜10 重量%からなる単量体混合溶
液 100 重量部に対して、ゴム状重合体2〜30 重量部及
び溶媒2〜100 重量部を配合してなる原料液を、(B)
初期重合工程にて単量体の重合転化率が 10〜50 %、そ
のゴム相反転後のゴム分散粒子径(D50)が0.2〜10 μ
mの範囲になるように予備重合し、(C)得られた予備
重合物を剪断機に通して剪断速度 200〜40000 sec-1の
高剪断力を与えることによって、(D)剪断機出口での
ゴム分散粒子径を 0.2〜2.0 μmに調整し、(E)次い
で後続の反応器で 50 重量%以上に重合転化率を高める
ことを特徴とする。
とによって、優れた透明性を有し且つ剛性と強度のバラ
ンスの優れたゴム変性芳香族ビニル系樹脂を提供するこ
と。 【解決手段】 ゴム変性芳香族ビニル系樹脂を溶液重合
または塊状重合により連続的に製造する方法において、
(A)芳香族ビニル系単量体 10〜80 重量%とアルキル
基の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系単量体90〜10 重量%からなる単量体混合溶
液 100 重量部に対して、ゴム状重合体2〜30 重量部及
び溶媒2〜100 重量部を配合してなる原料液を、(B)
初期重合工程にて単量体の重合転化率が 10〜50 %、そ
のゴム相反転後のゴム分散粒子径(D50)が0.2〜10 μ
mの範囲になるように予備重合し、(C)得られた予備
重合物を剪断機に通して剪断速度 200〜40000 sec-1の
高剪断力を与えることによって、(D)剪断機出口での
ゴム分散粒子径を 0.2〜2.0 μmに調整し、(E)次い
で後続の反応器で 50 重量%以上に重合転化率を高める
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系単量体
とメタクリル酸アルキルエステル系単量体を重合して得
られるゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関する
ものである。
とメタクリル酸アルキルエステル系単量体を重合して得
られるゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム状重合体の存在下にスチレンおよび
メタクリル酸アルキルエステル系単量体を共重合をさせ
て得られるゴム変性スチレン−メタクリル酸アルキルエ
ステル系樹脂の製造方法として、スチレン、メタクリル
酸アルキルエステル及びブタジエン系ゴム状重合体から
なる混合溶液を塊状重合工程で予備重合し、ついでこの
重合液を懸濁工程に移して重合を完結する方法(塊状−
懸濁重合法)が知られている(特公昭52-39875号)。し
かしこの塊状−懸濁重合方法においては、凝固工程、乾
燥工程等の諸工程を必要とし、工程管理が複雑になるこ
と、懸濁安定剤等を使用するため重合体への不純物が混
入し透明性が低下すること、さらに廃棄物質の複雑な後
処理を必要とする等の問題がある。
メタクリル酸アルキルエステル系単量体を共重合をさせ
て得られるゴム変性スチレン−メタクリル酸アルキルエ
ステル系樹脂の製造方法として、スチレン、メタクリル
酸アルキルエステル及びブタジエン系ゴム状重合体から
なる混合溶液を塊状重合工程で予備重合し、ついでこの
重合液を懸濁工程に移して重合を完結する方法(塊状−
懸濁重合法)が知られている(特公昭52-39875号)。し
かしこの塊状−懸濁重合方法においては、凝固工程、乾
燥工程等の諸工程を必要とし、工程管理が複雑になるこ
と、懸濁安定剤等を使用するため重合体への不純物が混
入し透明性が低下すること、さらに廃棄物質の複雑な後
処理を必要とする等の問題がある。
【0003】一方、ゴム変性スチレン−メタクリル酸ア
ルキルエステル系樹脂の他の製造方法として、重合工
程、後処理工程が簡単で廃棄物質が少ない等のメリット
がある連続塊状重合法又は溶液重合法が特開平4-180907
号、特開平6-16744号で知られている。しかし、特開平4
-180907号や特開平6-16744号に挙げられている方法は、
静的ミキシングエレメントを有する管状反応機を組み込
んだ連続塊状重合によるもので、この場合の剪断は静的
なものであることからゴム分散粒子径のコントロールに
長時間を要したり、またゴム分散粒子径を小さく制御す
るには限界があり、得られる樹脂の物性は必ずしも優れ
たものではなかった。
ルキルエステル系樹脂の他の製造方法として、重合工
程、後処理工程が簡単で廃棄物質が少ない等のメリット
がある連続塊状重合法又は溶液重合法が特開平4-180907
号、特開平6-16744号で知られている。しかし、特開平4
-180907号や特開平6-16744号に挙げられている方法は、
静的ミキシングエレメントを有する管状反応機を組み込
んだ連続塊状重合によるもので、この場合の剪断は静的
なものであることからゴム分散粒子径のコントロールに
長時間を要したり、またゴム分散粒子径を小さく制御す
るには限界があり、得られる樹脂の物性は必ずしも優れ
たものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スチレン系
単量体、メタクリル酸アルキルエステル及びゴム状重合
体からなる混合溶液からゴム変性スチレン−メタクリル
酸エステル系樹脂を溶液重合または塊状重合により重合
させる方法において、特に得られる樹脂の物性の重要因
子であるゴム分散粒子径を任意にコントロールすること
によって、優れた透明性を有し且つ剛性と強度のバラン
スの優れたゴム変性芳香族ビニル系樹脂を提供すること
にある。
単量体、メタクリル酸アルキルエステル及びゴム状重合
体からなる混合溶液からゴム変性スチレン−メタクリル
酸エステル系樹脂を溶液重合または塊状重合により重合
させる方法において、特に得られる樹脂の物性の重要因
子であるゴム分散粒子径を任意にコントロールすること
によって、優れた透明性を有し且つ剛性と強度のバラン
スの優れたゴム変性芳香族ビニル系樹脂を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、メタクリル酸
アルキルエステル系単量体単位を含有するゴム変性芳香
族ビニル系樹脂の製造方法において、使用するゴム状重
合体に特定なゴム構造を有するものを用い、初期重合工
程において所定の転化率にてゴム分散粒子径を制御した
重合液に高剪断力をかけてゴム分散粒子径を小さくした
後で、更に重合を継続することによって、得られる樹脂
が透明性を有し、且つ剛性と強度バランスが著しく向上
することを見いだし本発明を完成するに到った。
アルキルエステル系単量体単位を含有するゴム変性芳香
族ビニル系樹脂の製造方法において、使用するゴム状重
合体に特定なゴム構造を有するものを用い、初期重合工
程において所定の転化率にてゴム分散粒子径を制御した
重合液に高剪断力をかけてゴム分散粒子径を小さくした
後で、更に重合を継続することによって、得られる樹脂
が透明性を有し、且つ剛性と強度バランスが著しく向上
することを見いだし本発明を完成するに到った。
【0006】すなわち、本発明は、連続マトリクス樹脂
中にゴム状重合体を分散粒子として含有するゴム変性芳
香族ビニル系樹脂を溶液重合または塊状重合により連続
的に製造する方法において、(A)連続マトリクス樹脂
を形成するための芳香族ビニル単量体 10〜80 重量%と
アルキル基の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系単量体 90〜10 重量%からなる単量
体混合溶液 100 重量部に対して、分散粒子となるゴム
状重合体 2〜30 重量部及び溶媒 2〜100 重量部を配合
してなる原料液を(B)初期重合工程にて単量体の重合
転化率が 10〜50 %、そのゴム相反転後のゴム分散粒子
径(D50)が0.2〜10 μmの範囲になるように予備重合
し、(C)得られた予備重合物を剪断機に通して剪断速
度 200〜40000[sec-1]の高剪断力を与えることによっ
て、(D)剪断機出口でのゴム分散粒子径を 0.2〜2.0
μmに調整し、(E)次いで後続の反応器で 50 重量%
以上に重合転化率を高めた後に揮発分を除去することを
特徴とするゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関
するものである。
中にゴム状重合体を分散粒子として含有するゴム変性芳
香族ビニル系樹脂を溶液重合または塊状重合により連続
的に製造する方法において、(A)連続マトリクス樹脂
を形成するための芳香族ビニル単量体 10〜80 重量%と
アルキル基の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系単量体 90〜10 重量%からなる単量
体混合溶液 100 重量部に対して、分散粒子となるゴム
状重合体 2〜30 重量部及び溶媒 2〜100 重量部を配合
してなる原料液を(B)初期重合工程にて単量体の重合
転化率が 10〜50 %、そのゴム相反転後のゴム分散粒子
径(D50)が0.2〜10 μmの範囲になるように予備重合
し、(C)得られた予備重合物を剪断機に通して剪断速
度 200〜40000[sec-1]の高剪断力を与えることによっ
て、(D)剪断機出口でのゴム分散粒子径を 0.2〜2.0
μmに調整し、(E)次いで後続の反応器で 50 重量%
以上に重合転化率を高めた後に揮発分を除去することを
特徴とするゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法に関
するものである。
【0007】上記本発明において、原料として使用する
ゴム状重合体としては、25 ℃での5 重量%スチレン溶
液粘度が 10〜50 cps の範囲であり、一般式がSBまた
はSBS(但しSはスチレンを主体とする重合体ブロッ
ク、Bはブタジエンを主体とする重合体ブロックを示
す)で表わされ、かつ、スチレン含有量が 10〜40 重量
%のスチレン−ブタジエンブロック型共重合体が好まし
い。
ゴム状重合体としては、25 ℃での5 重量%スチレン溶
液粘度が 10〜50 cps の範囲であり、一般式がSBまた
はSBS(但しSはスチレンを主体とする重合体ブロッ
ク、Bはブタジエンを主体とする重合体ブロックを示
す)で表わされ、かつ、スチレン含有量が 10〜40 重量
%のスチレン−ブタジエンブロック型共重合体が好まし
い。
【0008】また上記本発明において、初期重合工程に
おける反応器が1基以上の完全撹拌型反応器、または、
ピストンフロー型反応器であるものが好ましい。更にま
た上記本発明において、製造中の任意の段階においてゴ
ム変性芳香族ビニル系樹脂100重量部に対して、有機
ポリシロキサン化合物を0.001〜0.01重量部の
範囲で添加し含有させることが好ましい。
おける反応器が1基以上の完全撹拌型反応器、または、
ピストンフロー型反応器であるものが好ましい。更にま
た上記本発明において、製造中の任意の段階においてゴ
ム変性芳香族ビニル系樹脂100重量部に対して、有機
ポリシロキサン化合物を0.001〜0.01重量部の
範囲で添加し含有させることが好ましい。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明で用いられる芳香族ビニル系単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン等の側鎖アルキル置換スチレ
ン、ビニルトルエン等の核アルキル置換スチレン、クロ
ルスチレン等のハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン
等を挙げることができる。これらの芳香族ビニル系単量
体は1種もしくは2種以上併用して使用することができ
る。また、アルキル基の炭素数1〜2からなる(メタ)
アクリル酸低級アルキルエステル系単量体としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチルが上げられる。これらのアクリ
ル酸アルキルエステル系単量体も、1種もしくは2種以
上併用して使用することができる。
発明で用いられる芳香族ビニル系単量体としては、スチ
レン、α−メチルスチレン等の側鎖アルキル置換スチレ
ン、ビニルトルエン等の核アルキル置換スチレン、クロ
ルスチレン等のハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン
等を挙げることができる。これらの芳香族ビニル系単量
体は1種もしくは2種以上併用して使用することができ
る。また、アルキル基の炭素数1〜2からなる(メタ)
アクリル酸低級アルキルエステル系単量体としては、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチルが上げられる。これらのアクリ
ル酸アルキルエステル系単量体も、1種もしくは2種以
上併用して使用することができる。
【0010】芳香族ビニル系単量体と(メタ)アクリル
酸アルキルエステル系単量体からなる原料の単量体溶液
100 重量部中において、芳香族ビニル系単量体分の割
合は、10〜80 重量%であることが必要であり、20〜80
重量%であることが好ましい。芳香族ビニル系単量体分
の割合が 10 重量%未満の場合は、透明性、流動性が低
下し、また 90 重量%を越えると透明性が悪くなる。ま
た、原料溶液中におけるアルキル基の炭素数1〜2から
なる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体分の割
合は、20〜90 重量%であることが必要であり、20〜80
重量%であることが好ましい。アクリル酸アルキルエス
テル単量体分の割合が 20 重量%未満では強度が悪くな
り 90 重量%を越えると流動性が悪く、いずれも物性の
バランスを満足させることができない。
酸アルキルエステル系単量体からなる原料の単量体溶液
100 重量部中において、芳香族ビニル系単量体分の割
合は、10〜80 重量%であることが必要であり、20〜80
重量%であることが好ましい。芳香族ビニル系単量体分
の割合が 10 重量%未満の場合は、透明性、流動性が低
下し、また 90 重量%を越えると透明性が悪くなる。ま
た、原料溶液中におけるアルキル基の炭素数1〜2から
なる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体分の割
合は、20〜90 重量%であることが必要であり、20〜80
重量%であることが好ましい。アクリル酸アルキルエス
テル単量体分の割合が 20 重量%未満では強度が悪くな
り 90 重量%を越えると流動性が悪く、いずれも物性の
バランスを満足させることができない。
【0011】さらに、原料溶液中の芳香族ビニル単量体
と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体の重量
配合比は、これらを重合して得られる樹脂のマトリクス
相の屈折率が分散相であるゴム状重合体の屈折率にでき
るだけ合わせるように設定することが望ましく、製造さ
れる樹脂に透明性が要求される場合には、マトリクス樹
脂を構成する単量体成分とゴム状重合体の屈折率の差
を、0.01 以内に制御することが望ましい。
と(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体の重量
配合比は、これらを重合して得られる樹脂のマトリクス
相の屈折率が分散相であるゴム状重合体の屈折率にでき
るだけ合わせるように設定することが望ましく、製造さ
れる樹脂に透明性が要求される場合には、マトリクス樹
脂を構成する単量体成分とゴム状重合体の屈折率の差
を、0.01 以内に制御することが望ましい。
【0012】原料溶液中のゴム状重合体の割合は、芳香
族ビニル系単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル系単量体の合計 100 重量部に対して、2〜30 重量部
であることが必要であり、5〜20 重量部の範囲であるこ
とが好ましい。ゴム状重合体の割合が、2 重量部未満と
なると耐衝撃性が悪化し、30 重量部を越えるものは透
明性が低下するので好ましくない。
族ビニル系単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル系単量体の合計 100 重量部に対して、2〜30 重量部
であることが必要であり、5〜20 重量部の範囲であるこ
とが好ましい。ゴム状重合体の割合が、2 重量部未満と
なると耐衝撃性が悪化し、30 重量部を越えるものは透
明性が低下するので好ましくない。
【0013】ここで、ゴム状重合体の種類としては、公
知のポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体等を使用することができる。
本発明において透明性が要求される場合には、特に 25
℃での 5 重量%スチレン溶液粘度が 10〜50 cpsで一般
式SBまたはSBS(但しSはスチレンを主体とする重
合体ブロック、Bはブタジエンを主体とする重合体ブロ
ックを示す)でスチレン含有量が 10〜40 重量%のスチ
レン−ブタジエンブロック型共重合体であることが望ま
しい。スチレン−ブタジエンブロック型共重合体中のス
チレン含量が 10 重量%以下のものは透明性が悪くな
り、40 重量%以上のものは耐衝撃性が悪くなる。これ
らのゴム状重合体のブロック率は特に制約はないが、ブ
ロックスチレン含量が結合スチレン含量の 80 重量%以
上であることが好ましい。また、これら2種類のゴムを
それぞれ単独で使用してもよいし混合して使用してもよ
い。
知のポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体等を使用することができる。
本発明において透明性が要求される場合には、特に 25
℃での 5 重量%スチレン溶液粘度が 10〜50 cpsで一般
式SBまたはSBS(但しSはスチレンを主体とする重
合体ブロック、Bはブタジエンを主体とする重合体ブロ
ックを示す)でスチレン含有量が 10〜40 重量%のスチ
レン−ブタジエンブロック型共重合体であることが望ま
しい。スチレン−ブタジエンブロック型共重合体中のス
チレン含量が 10 重量%以下のものは透明性が悪くな
り、40 重量%以上のものは耐衝撃性が悪くなる。これ
らのゴム状重合体のブロック率は特に制約はないが、ブ
ロックスチレン含量が結合スチレン含量の 80 重量%以
上であることが好ましい。また、これら2種類のゴムを
それぞれ単独で使用してもよいし混合して使用してもよ
い。
【0014】本発明で使用する原料溶液には、スチレン
系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体ゴム状重合体以
外に溶媒を使用することが望ましい。使用する溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
等の芳香族炭化水素の他、アセトン、メチルエチルケト
ン、アセトフェノン等のケトン系化合物や、プロピルア
ルコール、フェノール等のアルコール系化合物を挙げる
ことができるが、芳香族炭化水素、ケトン化合物、アル
コール系化合物を単独で使用してもよいし併用してもよ
い。溶媒の使用量は単量体混合物 100 重合部に対し
て、2〜100 重量部である。溶媒量が少ないと反応液の
粘度が高くなるため、ゴム粒子径の形成を制御しにくく
なる。溶媒量が 100 重量部を越えると生成したゴム状
重合体の分散粒子が大きくなり、また生産効率も低下し
てしまい好ましくない。
系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体ゴム状重合体以
外に溶媒を使用することが望ましい。使用する溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
等の芳香族炭化水素の他、アセトン、メチルエチルケト
ン、アセトフェノン等のケトン系化合物や、プロピルア
ルコール、フェノール等のアルコール系化合物を挙げる
ことができるが、芳香族炭化水素、ケトン化合物、アル
コール系化合物を単独で使用してもよいし併用してもよ
い。溶媒の使用量は単量体混合物 100 重合部に対し
て、2〜100 重量部である。溶媒量が少ないと反応液の
粘度が高くなるため、ゴム粒子径の形成を制御しにくく
なる。溶媒量が 100 重量部を越えると生成したゴム状
重合体の分散粒子が大きくなり、また生産効率も低下し
てしまい好ましくない。
【0015】本発明においては、所定量の原料溶液を連
続重合反応させるが、この際、同時に触媒として、有機
過酸化物等のラジカル開始剤を配合することが好まし
い。使用されるラジカル開始剤としては、例えばベンゾ
イルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ラ
ウロイルパーオキサイド等があげられ、開始剤を1種も
しくは2種以上併用して使用できる。その使用量につい
ては、特に制限はないが、原料の単量体混合溶液 100
重量部に対して、0.005〜0.5 重量部であることが好ま
しい。
続重合反応させるが、この際、同時に触媒として、有機
過酸化物等のラジカル開始剤を配合することが好まし
い。使用されるラジカル開始剤としては、例えばベンゾ
イルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ラ
ウロイルパーオキサイド等があげられ、開始剤を1種も
しくは2種以上併用して使用できる。その使用量につい
ては、特に制限はないが、原料の単量体混合溶液 100
重量部に対して、0.005〜0.5 重量部であることが好ま
しい。
【0016】また、本発明においては有機過酸化物の他
に連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤とし
ては、メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、
モノテルペノイド系分子量調整剤(ターピノーレン)等
がある。そして、本発明においては、これら連鎖移動剤
の種類や使用量及び添加位置を変えることにより、マト
リクス樹脂の分子量を制御することができる。一般的に
は、樹脂の透明性を維持させ、また重合過程で生成する
ポリマー組成を変化させないようにするために、重合途
中に必要に応じて単量体を添加したり、連続的に追加添
加する等の方法がとられる。
に連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤とし
ては、メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー、
モノテルペノイド系分子量調整剤(ターピノーレン)等
がある。そして、本発明においては、これら連鎖移動剤
の種類や使用量及び添加位置を変えることにより、マト
リクス樹脂の分子量を制御することができる。一般的に
は、樹脂の透明性を維持させ、また重合過程で生成する
ポリマー組成を変化させないようにするために、重合途
中に必要に応じて単量体を添加したり、連続的に追加添
加する等の方法がとられる。
【0017】本発明のゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製
造方法としては、前記原料溶液を初期重合工程におい
て、反応器に連続的に装入して初期重合を行う。この
際、初期重合反応器としては、完全撹拌型反応器または
ピストンフロー型反応器をそれぞれ単独または複数組み
合せたものを使用して重合転化率が 10〜50 %、そのゴ
ム相反転後のゴム分散粒子径(D50)が 0.2〜10 μm
以下、グラフト率を0.2以上、より好ましくはグラフト
率を 0.4 以上にコントロールする。
造方法としては、前記原料溶液を初期重合工程におい
て、反応器に連続的に装入して初期重合を行う。この
際、初期重合反応器としては、完全撹拌型反応器または
ピストンフロー型反応器をそれぞれ単独または複数組み
合せたものを使用して重合転化率が 10〜50 %、そのゴ
ム相反転後のゴム分散粒子径(D50)が 0.2〜10 μm
以下、グラフト率を0.2以上、より好ましくはグラフト
率を 0.4 以上にコントロールする。
【0018】初期重合工程での初期重合転化率は、10〜
50%であることが必要である、初期重合転化率が 10 %
未満であると所定のゴム分散粒子径への制御が困難であ
り、また 50 %を越えると重合物の粘度が高くなりす
ぎ、その後の強い剪断力によるゴム分散粒子径の制御が
困難である。初期重合転化率は、初期重合反応器での重
合温度、ゴム相反転時の撹拌速度等を調整することによ
って行うことができる。
50%であることが必要である、初期重合転化率が 10 %
未満であると所定のゴム分散粒子径への制御が困難であ
り、また 50 %を越えると重合物の粘度が高くなりす
ぎ、その後の強い剪断力によるゴム分散粒子径の制御が
困難である。初期重合転化率は、初期重合反応器での重
合温度、ゴム相反転時の撹拌速度等を調整することによ
って行うことができる。
【0019】前記、初期重合工程でのゴム分散粒子径
は、0.2〜10 μm、好ましくは 1〜6μmの範囲である
ことが必要である。この初期重合工程でのゴム分散粒子
径は、0.2 μmより小さくてもかまわないが、現実的に
は不可能である。また、初期重合工程でのグラフト率の
値は、0.2 以上、さらには 0.4 以上であることが好ま
しい。グラフト率が 0.2 未満ではゴム粒子が凝集しや
すくなり、その後の強い剪断力を与えても所定のゴム粒
子径まで小さくすることが困難である。また、所定のゴ
ム分散粒子径に制御しても剪断後の重合工程でゴム粒子
が凝集してしまうので好ましくない。
は、0.2〜10 μm、好ましくは 1〜6μmの範囲である
ことが必要である。この初期重合工程でのゴム分散粒子
径は、0.2 μmより小さくてもかまわないが、現実的に
は不可能である。また、初期重合工程でのグラフト率の
値は、0.2 以上、さらには 0.4 以上であることが好ま
しい。グラフト率が 0.2 未満ではゴム粒子が凝集しや
すくなり、その後の強い剪断力を与えても所定のゴム粒
子径まで小さくすることが困難である。また、所定のゴ
ム分散粒子径に制御しても剪断後の重合工程でゴム粒子
が凝集してしまうので好ましくない。
【0020】本発明において、初期重合工程で重合転化
率、ゴム分散粒子径、グラフト率等を調整した初期重合
物は、その後、強い剪断力を与える剪断機に通して、さ
らにゴム粒子径を小さくすることが重要である。この剪
断処理工程での剪断速度としては、200〜40000 [sec-1]
の範囲であることが必要であり、1000〜6000[sec-1]の
範囲にすることが好ましい。
率、ゴム分散粒子径、グラフト率等を調整した初期重合
物は、その後、強い剪断力を与える剪断機に通して、さ
らにゴム粒子径を小さくすることが重要である。この剪
断処理工程での剪断速度としては、200〜40000 [sec-1]
の範囲であることが必要であり、1000〜6000[sec-1]の
範囲にすることが好ましい。
【0021】この剪断処理工程で高剪断力を与えゴム分
散粒子径を 0.2〜2.0 μm、好ましくは 0.3〜1.0 μm
に小さく調整する。剪断速度が 200 [sec-1] 以下であ
ると、ゴム分散粒子径が小さくならず透明性が低下す
る。また、40000 [sec-1] 以上の剪断力では、剪断が過
酷すぎてゴム分散粒子が凝集し逆にその径が大きくなり
逆効果となる。剪断処理工程でのゴム分散粒子径が 0.2
μm未満のものは耐衝撃性が悪く、2.0 μmを越える
ものは透明性が悪い。
散粒子径を 0.2〜2.0 μm、好ましくは 0.3〜1.0 μm
に小さく調整する。剪断速度が 200 [sec-1] 以下であ
ると、ゴム分散粒子径が小さくならず透明性が低下す
る。また、40000 [sec-1] 以上の剪断力では、剪断が過
酷すぎてゴム分散粒子が凝集し逆にその径が大きくなり
逆効果となる。剪断処理工程でのゴム分散粒子径が 0.2
μm未満のものは耐衝撃性が悪く、2.0 μmを越える
ものは透明性が悪い。
【0022】本発明の剪断処理工程で使用する剪断機
は、回転部及び固定部より構成されており、その剪断速
度〔sec-1〕は、剪断機内の回転部と固定部の隙間を
h〔m〕とし、回転部の外周速度をv〔m/sec〕と
したときに次式により算出することができる。 剪断速度=v/h 本発明でいう剪断機の構造としては、ラインミキサー、
ホモジナイザー、ミル、押出機等の高速剪断力が得られ
るものであれば特に限定されるものではない。ただし、
剪断処理工程での剪断機中の重合物の流れが、実質的に
循環しない構造であることが望ましい。
は、回転部及び固定部より構成されており、その剪断速
度〔sec-1〕は、剪断機内の回転部と固定部の隙間を
h〔m〕とし、回転部の外周速度をv〔m/sec〕と
したときに次式により算出することができる。 剪断速度=v/h 本発明でいう剪断機の構造としては、ラインミキサー、
ホモジナイザー、ミル、押出機等の高速剪断力が得られ
るものであれば特に限定されるものではない。ただし、
剪断処理工程での剪断機中の重合物の流れが、実質的に
循環しない構造であることが望ましい。
【0023】剪断機中で循環してしまう構造のものは、
分散機による剪断がかからないまま反応液が分散機を通
過する現象(ショートパス)が発生しやすくなり、また
剪断回数が異なる重合物が発生し分散ゴム粒子に大粒子
を含んだり、またゴム粒子の分布が広くなり透明性の悪
化につながる。ここで、循環流れとは、分散機内部で攪
拌により発生する混合流れをいう。上記剪断機の構造と
しては、剪断機中に2段もしくは2枚以内の撹拌翼をも
つものが好ましい。この攪拌翼によって適当な剪断力を
与え所定の分散ゴム粒子径にコントロールすることがで
きる。
分散機による剪断がかからないまま反応液が分散機を通
過する現象(ショートパス)が発生しやすくなり、また
剪断回数が異なる重合物が発生し分散ゴム粒子に大粒子
を含んだり、またゴム粒子の分布が広くなり透明性の悪
化につながる。ここで、循環流れとは、分散機内部で攪
拌により発生する混合流れをいう。上記剪断機の構造と
しては、剪断機中に2段もしくは2枚以内の撹拌翼をも
つものが好ましい。この攪拌翼によって適当な剪断力を
与え所定の分散ゴム粒子径にコントロールすることがで
きる。
【0024】攪拌翼の数が2段もしくは2枚以上でのも
は、過度な剪断力がかかりやすくゴム粒子が凝集しやす
く、また、剪断処理工程直前の重合物の重合転化率、あ
るいはゴム分散粒子径変動の影響を受けやすく所定ゴム
粒子径へのコントロールが難かしく好ましくない。本発
明で使用する好ましい剪断機としては、2枚の円盤状の
撹拌翼をもつホモジナイザー、1枚の円盤状の撹拌翼を
もつディスクミキサー、2段タービン型翼撹拌機をもつ
ラインミキサー等が挙げられるが、200〜40000[sec-1]
の高剪断力を与えられるものであれば特に限定されるも
のではない。
は、過度な剪断力がかかりやすくゴム粒子が凝集しやす
く、また、剪断処理工程直前の重合物の重合転化率、あ
るいはゴム分散粒子径変動の影響を受けやすく所定ゴム
粒子径へのコントロールが難かしく好ましくない。本発
明で使用する好ましい剪断機としては、2枚の円盤状の
撹拌翼をもつホモジナイザー、1枚の円盤状の撹拌翼を
もつディスクミキサー、2段タービン型翼撹拌機をもつ
ラインミキサー等が挙げられるが、200〜40000[sec-1]
の高剪断力を与えられるものであれば特に限定されるも
のではない。
【0025】かかる剪断機においては、装置を加熱して
重合を進行させる条件下でもよいし、重合が進行しない
程度に保温、冷却する状態としてもよいが、たとえ重合
を進行させる場合でも、剪断機内では転化率は50%以下
に止めることが好ましい。剪断機内での重合転化率が5
0%を超えると、混合物の粘度が高くなり過ぎ、ゴム分
散粒径の制御が困難になるので好ましくない。
重合を進行させる条件下でもよいし、重合が進行しない
程度に保温、冷却する状態としてもよいが、たとえ重合
を進行させる場合でも、剪断機内では転化率は50%以下
に止めることが好ましい。剪断機内での重合転化率が5
0%を超えると、混合物の粘度が高くなり過ぎ、ゴム分
散粒径の制御が困難になるので好ましくない。
【0026】剪断機を出た重合物は、更に後続の1個以
上の反応器で重合転化率が 50 %以上、好ましくは 50
〜90 %になるまで重合を進行させる。後続の反応工程
としては、例えば完全混合槽型反応器、あるいはスタテ
ィクミキサー型反応器またはこれらを適宜直列に組み合
せた装置を使用した重合プロセスにより行われる。この
際、更に重合生成物の全量もしくは一部を剪断機に循環
させてもよいが、ゴム粒子径の制御は剪断機でおこなう
ことが必要である。重合を終了するにあたっては転化率
を 50 重量%以上とした後、最終反応器から取り出した
重合液を、公知の脱揮処理工程により未反応単量体や溶
媒を除去しポリマーを回収する。この際、転化率は 50
重量%以上にすることが必要である。転化率が 50 重量
%に達していないと、生産効率が低下するので好ましく
ない。
上の反応器で重合転化率が 50 %以上、好ましくは 50
〜90 %になるまで重合を進行させる。後続の反応工程
としては、例えば完全混合槽型反応器、あるいはスタテ
ィクミキサー型反応器またはこれらを適宜直列に組み合
せた装置を使用した重合プロセスにより行われる。この
際、更に重合生成物の全量もしくは一部を剪断機に循環
させてもよいが、ゴム粒子径の制御は剪断機でおこなう
ことが必要である。重合を終了するにあたっては転化率
を 50 重量%以上とした後、最終反応器から取り出した
重合液を、公知の脱揮処理工程により未反応単量体や溶
媒を除去しポリマーを回収する。この際、転化率は 50
重量%以上にすることが必要である。転化率が 50 重量
%に達していないと、生産効率が低下するので好ましく
ない。
【0027】本発明より得られるゴム変性芳香族ビニル
系樹脂中のマトリクス樹脂成分のゴム分散粒子に対する
グラフト率は特に限定するものではないが 0.2〜3.0、
好ましくは0.4〜2.0、更に好ましくは0.4〜1.0のものが
良い。グラフト率が 0.2 未満のものは、透明性、耐衝
撃性のいずれの物性とも劣り、3.0 を越えるものは特に
流動性と耐衝撃性が悪くなる。また、製造されるゴム変
性芳香族ビニル系樹脂の膨潤比は 5〜15 のものが良
く、好ましくは 6〜9 のものが良い。膨潤比が 5 未満
のものは耐衝撃性が悪く、15 を越えるものは透明性が
悪くなる。
系樹脂中のマトリクス樹脂成分のゴム分散粒子に対する
グラフト率は特に限定するものではないが 0.2〜3.0、
好ましくは0.4〜2.0、更に好ましくは0.4〜1.0のものが
良い。グラフト率が 0.2 未満のものは、透明性、耐衝
撃性のいずれの物性とも劣り、3.0 を越えるものは特に
流動性と耐衝撃性が悪くなる。また、製造されるゴム変
性芳香族ビニル系樹脂の膨潤比は 5〜15 のものが良
く、好ましくは 6〜9 のものが良い。膨潤比が 5 未満
のものは耐衝撃性が悪く、15 を越えるものは透明性が
悪くなる。
【0028】本発明により得られるゴム変性芳香族ビニ
ル系樹脂には添加剤として有機ポリシロキサン化合物を
添加することが望ましい。有機ポリシロキサン化合物の
好ましい添加量としては、ゴム変性芳香族ビニル系樹脂
100 重量部に対して、有機ポリシロキサン化合物を 0.
001〜0.01 重量部の範囲である。有機ポリシロキサンの
添加量が 0.001 重量部未満だとゴム変性芳香族ビニル
樹脂組成物の耐衝撃性が十分発現せず、0.01 重量部を
超えると透明性が低下するので好ましくない。
ル系樹脂には添加剤として有機ポリシロキサン化合物を
添加することが望ましい。有機ポリシロキサン化合物の
好ましい添加量としては、ゴム変性芳香族ビニル系樹脂
100 重量部に対して、有機ポリシロキサン化合物を 0.
001〜0.01 重量部の範囲である。有機ポリシロキサンの
添加量が 0.001 重量部未満だとゴム変性芳香族ビニル
樹脂組成物の耐衝撃性が十分発現せず、0.01 重量部を
超えると透明性が低下するので好ましくない。
【0029】ここで本発明に使用できる有機ポリシロキ
サン化合物としては一般式(1) (式中、R1,R2は有機基を示し、例えばメチル、フェ
ニル、エポキシ基、フッ素等があげられ、それぞれ同一
であっても異なっていてもよい。)で示される構造単位
の繰り返しを骨格に含むポリマーを示すものである。
サン化合物としては一般式(1) (式中、R1,R2は有機基を示し、例えばメチル、フェ
ニル、エポキシ基、フッ素等があげられ、それぞれ同一
であっても異なっていてもよい。)で示される構造単位
の繰り返しを骨格に含むポリマーを示すものである。
【0030】有機ポリシロキサンの具体例としては、ポ
リジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサ
ン、ポリジフェニルシロキサン等が例示される。本発明
においては、有機ポリシロキサンを構成する構造単位が
一種のみからなるホモポリマー型有機ポリシロキサンで
あっても、二種以上の組合せからなる例えばランダム、
ブロック、グラフト型共重合体の有機ポリシロキサンで
あってもよい。
リジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサ
ン、ポリジフェニルシロキサン等が例示される。本発明
においては、有機ポリシロキサンを構成する構造単位が
一種のみからなるホモポリマー型有機ポリシロキサンで
あっても、二種以上の組合せからなる例えばランダム、
ブロック、グラフト型共重合体の有機ポリシロキサンで
あってもよい。
【0031】これらの分子量は特に限定されるものでは
なく、また、これら重合体の末端あるいは分子鎖中にエ
ポキシ基、ビニル基、アミノ基、アルコキシ基、フッ素
等を導入したものであってもよい。ただし、使用する有
機ポリシロキサンの粘度は、10 cst〜2000 cst である
ことが好ましい。有機ポリシロキサンの粘度が、10 cst
未満だと、耐衝撃性が劣り好ましくなく、2000 cst を
越えると耐衝撃性や伸びが低下してしまう他、成形加工
時の取扱いがやりにくくなる場合があるので好ましくな
い。
なく、また、これら重合体の末端あるいは分子鎖中にエ
ポキシ基、ビニル基、アミノ基、アルコキシ基、フッ素
等を導入したものであってもよい。ただし、使用する有
機ポリシロキサンの粘度は、10 cst〜2000 cst である
ことが好ましい。有機ポリシロキサンの粘度が、10 cst
未満だと、耐衝撃性が劣り好ましくなく、2000 cst を
越えると耐衝撃性や伸びが低下してしまう他、成形加工
時の取扱いがやりにくくなる場合があるので好ましくな
い。
【0032】本発明の製造方法において、有機ポリシロ
キサンを添加する方法としては、原料溶液に添加して重
合系へ供給する方法、重合途中で重合系へ供給する方
法、回収系の前又は後で添加する方法、ゴム変性芳香族
ビニル系樹脂と有機ポリシロキサンを押出し機で混合す
る方法、ゴム変性芳香族ビニル系樹脂と有機ポリシロキ
サンをマスターバッチ化した物を押出し機で混合する方
法が一般的である。ただし、ゴム変性芳香族ビニル系樹
脂と有機ポシロキサンをブレンドし、そのまま射出成形
機、シート押出し機等で成形する方法、マスターバッチ
化した有機ポリシロキサンをゴム変性スチレン系樹脂と
混合し射出成形機、シート押出し機等で成形する方法等
を用いる事も出来、特に制約はない。
キサンを添加する方法としては、原料溶液に添加して重
合系へ供給する方法、重合途中で重合系へ供給する方
法、回収系の前又は後で添加する方法、ゴム変性芳香族
ビニル系樹脂と有機ポリシロキサンを押出し機で混合す
る方法、ゴム変性芳香族ビニル系樹脂と有機ポリシロキ
サンをマスターバッチ化した物を押出し機で混合する方
法が一般的である。ただし、ゴム変性芳香族ビニル系樹
脂と有機ポシロキサンをブレンドし、そのまま射出成形
機、シート押出し機等で成形する方法、マスターバッチ
化した有機ポリシロキサンをゴム変性スチレン系樹脂と
混合し射出成形機、シート押出し機等で成形する方法等
を用いる事も出来、特に制約はない。
【0033】本発明により得られるゴム変性芳香族ビニ
ル系樹脂には、有機ポリシロキサン化合物の他に例えば
フォスファイト等の有機安定剤、カルシウム、錫等の無
機安定剤、フェノール系スルファイド系等の酸化防止
剤、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニル等の紫外線
吸収剤、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、金属
石鹸等の滑剤、その他目的に合わせて繊維補強材、無機
充填材、顔料、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、着色剤、
難燃剤等を適宜配合することもできるが、これらに限ら
れるものではない。
ル系樹脂には、有機ポリシロキサン化合物の他に例えば
フォスファイト等の有機安定剤、カルシウム、錫等の無
機安定剤、フェノール系スルファイド系等の酸化防止
剤、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニル等の紫外線
吸収剤、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、金属
石鹸等の滑剤、その他目的に合わせて繊維補強材、無機
充填材、顔料、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、着色剤、
難燃剤等を適宜配合することもできるが、これらに限ら
れるものではない。
【0034】さらに、これら添加剤を樹脂に配合する際
には、添加剤を単独で配合してもよいし複数種の添加剤
を配合してもよい。さらに幾つかの樹脂とブレンドして
成形に供することもできる。又、これら添加剤は、重合
プロセスで添加してもよいし、押出し機,成形機を用い
て添加してもよい。又、成形品,シート,フィルム等の
製品表面の特性を改質するためにスチレン系樹脂で用い
られている改質剤を塗布することができる。本発明によ
り得られたゴム変性芳香族ビニル系樹脂は、公知の射出
成形や押出し成形等の方法で成形することができ、Tダ
イシート押出し機、キャスト加工装置、二軸延伸加工装
置、インフレーション加工装置等を用いて、シートやフ
ィルムに成形することもできる。
には、添加剤を単独で配合してもよいし複数種の添加剤
を配合してもよい。さらに幾つかの樹脂とブレンドして
成形に供することもできる。又、これら添加剤は、重合
プロセスで添加してもよいし、押出し機,成形機を用い
て添加してもよい。又、成形品,シート,フィルム等の
製品表面の特性を改質するためにスチレン系樹脂で用い
られている改質剤を塗布することができる。本発明によ
り得られたゴム変性芳香族ビニル系樹脂は、公知の射出
成形や押出し成形等の方法で成形することができ、Tダ
イシート押出し機、キャスト加工装置、二軸延伸加工装
置、インフレーション加工装置等を用いて、シートやフ
ィルムに成形することもできる。
【0035】
【発明の実施の形態】下記に、本発明の実施の形態とし
て、具体的な実施例を挙げて説明するが、実施例で行っ
たゴム変性芳香族ビニル樹脂(組成物)の物性測定方法
および各種(分析)試験方法を下記に示す。
て、具体的な実施例を挙げて説明するが、実施例で行っ
たゴム変性芳香族ビニル樹脂(組成物)の物性測定方法
および各種(分析)試験方法を下記に示す。
【0036】(1)シート成形品の評価・ 落錘衝撃試験(FI);厚み 0.6mmの試験片を、J
IS−K 7124 に準じて測定した。錘は 1/4 インチの
ものを使用した。・ 引張り強度;厚み 0.6 mmの試験片を、JIS−K 7
124 に準じて測定した。 ・全光線透過率および雲価;
厚み0.6mmの試験片を、JISーK6714に準じ
て曇価を測定した。
IS−K 7124 に準じて測定した。錘は 1/4 インチの
ものを使用した。・ 引張り強度;厚み 0.6 mmの試験片を、JIS−K 7
124 に準じて測定した。 ・全光線透過率および雲価;
厚み0.6mmの試験片を、JISーK6714に準じ
て曇価を測定した。
【0037】(2) 射出成形品の評価・ アイゾット衝撃強度(IZ);寸法 63.5×12.7×6.35
mmのノッチ付き試験片をASTM−D 256 に準じて
測定した。 (3)ゴム分散粒子の平均粒子径(D50);樹脂を四酸
化オスミウム染色し超薄切片法による透過型電子顕微鏡
写真より200〜1000個のゴム粒子径を測定し、重
量平均粒子径を求める。楕円形をしている場合は、長径
aと短径bとの平均すなわち(a+b)/2をもって粒
子径とする。
mmのノッチ付き試験片をASTM−D 256 に準じて
測定した。 (3)ゴム分散粒子の平均粒子径(D50);樹脂を四酸
化オスミウム染色し超薄切片法による透過型電子顕微鏡
写真より200〜1000個のゴム粒子径を測定し、重
量平均粒子径を求める。楕円形をしている場合は、長径
aと短径bとの平均すなわち(a+b)/2をもって粒
子径とする。
【0038】(4)グラフト率(g);試料A(約 1
gを精秤)をアセトン/メチルエチルケトンの 1/1 の
混合溶剤 30 ccに投入し、不溶分を遠心分離法にて分
離して乾燥し不溶分の重量(B)を精秤し次式により求
める。但しCは試料A中のゴム状重合体の含有率を示
す。 グラフト率(g)=〔(B/A)−C〕/C
gを精秤)をアセトン/メチルエチルケトンの 1/1 の
混合溶剤 30 ccに投入し、不溶分を遠心分離法にて分
離して乾燥し不溶分の重量(B)を精秤し次式により求
める。但しCは試料A中のゴム状重合体の含有率を示
す。 グラフト率(g)=〔(B/A)−C〕/C
【0039】(5)膨潤比;試料(約 1 gを精秤)を
トルエン 30 mlに投入し、1 時間撹拌して溶解させた
後、遠心分離して上澄みを除去し、残存した膨潤物の重
量(D)を精秤する。さらに 120 ℃、2 時間減圧下で
乾燥して得られた重量(E)を精秤し、下記式により算
出した。 膨潤比=D/E
トルエン 30 mlに投入し、1 時間撹拌して溶解させた
後、遠心分離して上澄みを除去し、残存した膨潤物の重
量(D)を精秤する。さらに 120 ℃、2 時間減圧下で
乾燥して得られた重量(E)を精秤し、下記式により算
出した。 膨潤比=D/E
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0041】実施例1 スチレン 40 重量部、メタクリル酸メチル 60 重量部の
単量体混合物 100 重量部に対して、エチルベンゼン 20
重量部、ゴム状重合体(スチレン分含有量が 30 重量
%でスチレン溶液が 25 cps であるブロック型スチレン
ーブタジエンゴム;b−SBR)9 重量部、有機過酸化
物系の開始剤 1000ppm およびt−ドデシルメルカプタ
ン(連鎖移動剤)2000 ppmを混合した原料混合液を用い
た。この原料混合液を完全混合型反応器で転化率 37 %
になるまで初期重合し、剪断機(ホモジナイザー;タイ
プ1)にて回転数を制御することで剪断速度 3000 [sec
-1]の剪断力を与え、平均 10 分間滞留させた後、後続
の完全混合槽型反応器一基とスタティクミキサー型反応
器一基を直列に組み合せた反応工程に移行した。
単量体混合物 100 重量部に対して、エチルベンゼン 20
重量部、ゴム状重合体(スチレン分含有量が 30 重量
%でスチレン溶液が 25 cps であるブロック型スチレン
ーブタジエンゴム;b−SBR)9 重量部、有機過酸化
物系の開始剤 1000ppm およびt−ドデシルメルカプタ
ン(連鎖移動剤)2000 ppmを混合した原料混合液を用い
た。この原料混合液を完全混合型反応器で転化率 37 %
になるまで初期重合し、剪断機(ホモジナイザー;タイ
プ1)にて回転数を制御することで剪断速度 3000 [sec
-1]の剪断力を与え、平均 10 分間滞留させた後、後続
の完全混合槽型反応器一基とスタティクミキサー型反応
器一基を直列に組み合せた反応工程に移行した。
【0042】この剪断後の重合工程で重合転化率が 80
%になるまで重合を行い、その後、脱揮装置にて未反応
単量体と溶媒を脱揮処理しゴム変性スチレン−メタクリ
ル酸メチル系樹脂ペレットを得た。得られたペレットに
粘度 20 cst の有機ポリシロキサン化合物を 0.005 重
量部加へ、30 mm単軸押出し機を用いて厚さ 0.6 mm
のシートを成形した。所定の試験片をダンベルカッター
で切り抜いて作成した。又、型締力 15 Ton の射出成形
機を用い所定のアイゾット衝撃強度用試験片を成形し
た。得られた測定結果を表1に記載する。
%になるまで重合を行い、その後、脱揮装置にて未反応
単量体と溶媒を脱揮処理しゴム変性スチレン−メタクリ
ル酸メチル系樹脂ペレットを得た。得られたペレットに
粘度 20 cst の有機ポリシロキサン化合物を 0.005 重
量部加へ、30 mm単軸押出し機を用いて厚さ 0.6 mm
のシートを成形した。所定の試験片をダンベルカッター
で切り抜いて作成した。又、型締力 15 Ton の射出成形
機を用い所定のアイゾット衝撃強度用試験片を成形し
た。得られた測定結果を表1に記載する。
【0043】実施例2 剪断機の回転数を制御することで剪断速度1500[sec-1]
の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を
製造した。得られた樹脂の物性を表1に記載する。
の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を
製造した。得られた樹脂の物性を表1に記載する。
【0044】実施例3 剪断機の回転数を制御することで剪断速度6000[sec-1]
の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を
製造した。得られた樹脂の物性を表1に記載する。
の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を
製造した。得られた樹脂の物性を表1に記載する。
【0045】実施例4 原料のゴム状重合体の割合を 11 重量部、剪断機の回転
数を制御することで剪断速度 4000 [sec-1]の剪断力を
与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を製造した。
得られた樹脂の物性を表1に記載する。
数を制御することで剪断速度 4000 [sec-1]の剪断力を
与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を製造した。
得られた樹脂の物性を表1に記載する。
【0046】実施例5 剪断機としてラインミル;タイプ2を用いて平均 2.5
秒間滞留させ、剪断機の回転数を制御することで剪断速
度 1500 [sec-1]の剪断力を与えた以外は、実施例1と
同じ条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表1
に記載する。
秒間滞留させ、剪断機の回転数を制御することで剪断速
度 1500 [sec-1]の剪断力を与えた以外は、実施例1と
同じ条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表1
に記載する。
【0047】実施例6 初期の重合反応器として、縦型塔式で途中複数段にわた
って水平方向の撹拌棒を備えたピストンフロー型反応器
を一基用いた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を製造
した。得られた樹脂の物性を表1に記載する。
って水平方向の撹拌棒を備えたピストンフロー型反応器
を一基用いた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂を製造
した。得られた樹脂の物性を表1に記載する。
【0048】実施例7 初期の重合の反応器として、縦型塔式で途中複数段にわ
たって水平方向の撹拌棒を備えたピストンフロー型反応
器を一基用い、剪断機の回転数を制御することで剪断速
度 1500 [sec-1] の剪断力を与えた以外は、実施例1と
同じ条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表1
に記載する。
たって水平方向の撹拌棒を備えたピストンフロー型反応
器を一基用い、剪断機の回転数を制御することで剪断速
度 1500 [sec-1] の剪断力を与えた以外は、実施例1と
同じ条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表1
に記載する。
【0049】
【表1】
【0050】比較例1 剪断機を使用しなかったほかは、実施例1と同じ条件で
樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記載す
る。
樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記載す
る。
【0051】比較例2 剪断機の回転数を制御することで剪断速度 150 [sec-1]
の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂
を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記載する。
の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹脂
を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記載する。
【0052】比較例3 剪断機の回転数を制御することで剪断速度 45000 [sec
-1]の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹
脂を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記載する。
-1]の剪断力を与えた以外は、実施例1と同じ条件で樹
脂を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記載する。
【0053】比較例4 初期の重合の完全混合槽型反応器の回転数を低減させ、
大きなゴム粒子径を造りこんだ以外は、実施例1と同じ
条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記
載する。
大きなゴム粒子径を造りこんだ以外は、実施例1と同じ
条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表2に記
載する。
【0054】比較例5 初期重合の転化率を上げるために初期の重合の反応器を
完全混合槽型反応器を二基組み合せた以外は、実施例1
と同じ条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表
2に記載する。
完全混合槽型反応器を二基組み合せた以外は、実施例1
と同じ条件で樹脂を製造した。得られた樹脂の物性を表
2に記載する。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、優れた透明性、剛性、
衝撃強度等のバランスの優れた食品包装容器、ブリスタ
ーパック、一般工業用容器ケース等の成形加工,シート
及びフィルム等に適用しうるゴム変性芳香族ビニル系樹
脂を極めて容易にかつ効率的に製造することが可能であ
る。
衝撃強度等のバランスの優れた食品包装容器、ブリスタ
ーパック、一般工業用容器ケース等の成形加工,シート
及びフィルム等に適用しうるゴム変性芳香族ビニル系樹
脂を極めて容易にかつ効率的に製造することが可能であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 連続マトリクス樹脂中にゴム状重合体を
分散粒子として含有するゴム変性芳香族ビニル系樹脂を
溶液重合または塊状重合により連続的に製造する方法に
おいて、(A)連続マトリクス樹脂を形成するための芳
香族ビニル単量体 10〜80 重量%とアルキル基の炭素数
が1または2の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系
単量体 90〜10 重量%からなる単量体混合溶液 100 重
量部に対して、分散粒子となるゴム状重合体 2〜30 重
量部及び溶媒 2〜100 重量部を配合してなる原料液を
(B)初期重合工程にて単量体の重合転化率が 10〜50
%、そのゴム相反転後のゴム分散粒子径(D50)が0.2
〜10 μmの範囲になるように予備重合し、(C)得ら
れた予備重合物を剪断機に通して剪断速度 200〜40000
[sec-1]の高剪断力を与えることによって、(D)剪断
機出口でのゴム分散粒子径を 0.2〜2.0 μmに調整し、
(E)次いで後続の反応器で 50 重量%以上に重合転化
率を高めた後に揮発分を除去することを特徴とするゴム
変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 原料として使用するゴム状重合体が 25
℃での 5 重量%スチレン溶液粘度が 10〜50 cps の範
囲であり、一般式がSBまたはSBS(但しSはスチレ
ンを主体とする重合体ブロック、Bはブタジエンを主体
とする重合体ブロックを示す)で表わされ、かつ、スチ
レン含有量が 10〜40 重量%のスチレン−ブタジエンブ
ロック型共重合体である請求項1記載のゴム変性芳香族
ビニル系樹脂の製造方法。 - 【請求項3】 初期重合工程における反応器が1基以上
の完全撹拌型反応器、または、ピストンフロー型反応器
である請求項1記載のゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製
造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の製造方法の段階中におい
てゴム変性芳香族ビニル系樹脂100重量部に対して、
有機ポリシロキサン化合物を0.001〜0.01重量
部の範囲で添加し含有させるゴム変性芳香族ビニル系樹
脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12843196A JPH09309934A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12843196A JPH09309934A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09309934A true JPH09309934A (ja) | 1997-12-02 |
Family
ID=14984584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12843196A Withdrawn JPH09309934A (ja) | 1996-05-23 | 1996-05-23 | ゴム変性芳香族ビニル系樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09309934A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000065554A3 (es) * | 1999-04-26 | 2001-08-09 | Plastiglas De Mexico S A De C | Procedimiento para la obtencion de lamina acrilica modificada de alta resistencia al impacto |
JP2003096139A (ja) * | 2001-09-26 | 2003-04-03 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法 |
US6734230B1 (en) | 2000-04-26 | 2004-05-11 | Plastiglas De Mexico, S.A. De C.V. | Procedure for obtaining modified acrylic sheets of high impact resistance |
-
1996
- 1996-05-23 JP JP12843196A patent/JPH09309934A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000065554A3 (es) * | 1999-04-26 | 2001-08-09 | Plastiglas De Mexico S A De C | Procedimiento para la obtencion de lamina acrilica modificada de alta resistencia al impacto |
US6734230B1 (en) | 2000-04-26 | 2004-05-11 | Plastiglas De Mexico, S.A. De C.V. | Procedure for obtaining modified acrylic sheets of high impact resistance |
JP2003096139A (ja) * | 2001-09-26 | 2003-04-03 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 透明なゴム変性共重合樹脂の製造方法 |
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