JPH05239159A - ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法

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JPH05239159A
JPH05239159A JP7585392A JP7585392A JPH05239159A JP H05239159 A JPH05239159 A JP H05239159A JP 7585392 A JP7585392 A JP 7585392A JP 7585392 A JP7585392 A JP 7585392A JP H05239159 A JPH05239159 A JP H05239159A
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寿江 上野
Keiichi Hayashi
敬一 林
Yasuji Shichijo
保治 七條
Masayuki Nozawa
正行 野沢
Yoshitaka Sakamaki
義孝 坂巻
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 グラフト量を制御でき、ゴム粒子径分布が狭
く、外観と衝撃強度バランスとが共に優れたゴム変性ス
チレン系樹脂の製造方法を提供する。 【構成】 スチレン系単量体を第1反応器に供給して重
合転化率が50%を越えない範囲まで重合反応を行った
第1の流れと、5〜25重量%のゴム状重合体を含有す
るスチレン系単量体溶液の第2の流れとをスチレン系単
量体の重合生成物とゴム状重合体との重量比が0.5〜
3.5、スチレン系単量体とその重合生成物に対するゴ
ム状重合体の含有量が3〜18重量%になるように配合
調整し、プラグフロー型反応器で重合反応を継続しなが
らゴム相反転を行い、ゴム粒子の重量平均粒子径/数平
均粒子径の比が2.0以下になるように制御し、引続き
重合転化率を高めた後に脱揮処理するゴム変性スチレン
系樹脂の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性バランスと外
観に優れたゴム変性スチレン系樹脂の製造方法に係り、
更に詳しくは、グラフト量を任意に制御し、かつ、ゴム
粒子径分布が狭い用途に応じた機械的強度を有し、しか
も、ウエルドライン、フローマーク等の外観のムラが生
じ難いようなゴム変性スチレン系樹脂の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴム状重合
体を芳香族モノビニル系単量体に溶解し、重合攪拌しな
がら分散ゴム粒子とした後、そのまま塊状重合又は溶液
重合するか、懸濁重合するかの何れかの方法で製造され
る。しかしながら、この様な方法で製造されたゴム変性
スチレン系樹脂は、ゴム状重合体が分散ゴム粒子となる
ゴム相反転の以前に、ゴム状重合体が重合反応下に一定
時間さらされるためグラフト反応の微妙なコントロール
が行えず、しかも、重量平均粒子径/数平均粒子径の比
(Dw/Dn)で表されるゴム粒子径分布が広くなり、
特に射出成形品においてウエルドラインやフローマーク
等の外観のムラができ易いという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、グラ
フト量を任意に制御し、ゴム粒子径分布が狭く、外観と
衝撃強度バランスとが共に優れたゴム変性スチレン系樹
脂を製造することができるゴム変性スチレン系樹脂の製
造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
好ましい物性を有するゴム変性スチレン系樹脂を開発す
べく鋭意研究を重ねた結果、ゴム状重合体が相反転して
粒子化する重合転化率に達する以前の反応がグラフト量
を制御する上で、また、ゴム粒子径分布を狭くする上で
非常に大きな影響を与えるという知見を得、ゴム状重合
体を含有しない芳香族モノビニル系単量体の重合物とゴ
ム状重合体を含有する芳香族モノビニル系単量体溶液と
を配合調整しながらプラグフロー型反応器へ供給し、特
定の条件下で重合を進行させることによって前記目的を
達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、ゴム状重合体を含有
しない芳香族モノビニル系単量体を第1反応器に供給し
て重合転化率が50%を越えない範囲まで重合反応を行
った第1の流れと、5〜25重量%のゴム状重合体を含
有する芳香族モノビニル系単量体溶液の第2の流れとを
芳香族モノビニル系単量体の重合生成物とゴム状重合体
との重量比が0.5〜3.5になるように、かつ、芳香
族モノビニル系単量体とその重合生成物に対するゴム状
重合体の含有量が3〜18重量%になるように配合調整
し、プラグフロー型反応器内部に連続的に装入して重合
反応を継続しながらゴム相反転を行い、ゴム相反転を生
起させた後のゴム粒子の重量平均粒子径/数平均粒子径
の比(Dw/Dn)が2.0以下になるように制御し、
引続き後続の反応器に供給して重合転化率を高めた後に
脱揮処理して未反応単量体及び溶媒等の除去を行うこと
によりグラフト量の任意なコントロールを可能としたゴ
ム変性スチレン系樹脂の製造方法である。
【0006】また、このゴム変性スチレン系樹脂の製造
方法において、後続の反応器に供給して重合転化率を高
める際に更にゴム状重合体を含有しない芳香族モノビニ
ル系単量体を配合させる方法である。更に、このゴム変
性スチレン系樹脂の製造方法において、最終重合反応器
からの重合溶液を脱揮処理に先立つ加熱処理条件の調整
によって、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム状重合体成
分のトルエン中における膨潤指数を8〜13の範囲内に
調整する方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方
法において、原料の1成分として用いられる芳香族モノ
ビニル系単量体としては、スチレン単独又はスチレンと
共重合可能な他のビニル系単量体との混合物を挙げるこ
とができる。この共重合可能な単量体としては、例えば
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼ
ン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等の芳香族モノ
ビニル化合物や、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、アクリ
ル酸、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、あるいは
ハロゲン含有ビニル系単量体等が挙げられる。これらの
共重合可能な単量体は、その1種のみを用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、スチレン
を含む全芳香族モノビニル系単量体に対して、通常30
重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で用いら
れる。
【0008】本発明方法において、原料の他の成分とし
て用いられるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、
スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタ
ジエン−イソプレン共重合体、天然ゴム等が挙げられ
る。ポリブタジエンは、ローシスポリブタジエンであっ
てもよいし、ハイシスポリブタジエンであってもよく、
また、スチレン−ブタジエン共重合体はスチレン含有量
が5〜50重量%のランダム型であってもよいし、ブロ
ック型であってもよい。これらのゴム状重合体はその1
種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよいが、第2の流れを形成する芳香族モノビニル系
単量体との合計重量に基づき、5〜25重量%になるよ
うにこの単量体に溶解させることが必要であり、第1の
流れと混合後に芳香族モノビニル系単量体とその重合生
成物に対するゴム状重合体の含有量が3〜18重量%と
なるように配合調整する必要がある。第2の流れに含ま
れるゴム状重合体の量が5重量%未満では、第1の流れ
の重合液との配合調整後に十分な耐衝撃性を得るゴム状
重合体の量を維持する範囲内においてはグラフト量のコ
ントロールに対し十分な効果が得られない。25重量%
以上では、第2の流れの粘度が上昇し、配合調整時に反
応系内が不均一な状況となり、ゴム粒子径及びゴム粒子
径分布の制御が不十分となる。また、配合調整後のゴム
状重合体の量が3重量%未満では耐衝撃性が不十分であ
るし、18重量%を超えると重合系の粘度が高くなりす
ぎて、運転上のトラブルが発生し易くなる等の好ましく
ない事態を生じる。
【0009】本発明方法においては、重合系内の粘度を
適宜調整するために、ゴム状重合体を溶解した芳香族モ
ノビニル系単量体溶液中に必要に応じて有機溶媒を添加
することができる。かかる溶媒としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素類や、メチルエチルケトン
等のケトン類から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を
挙げることができ、ゴム状重合体を溶解した芳香族モノ
ビニル系単量体溶液に対して30重量%以下の範囲内で
配合することができる。また、必要に応じて、重合開始
剤としての有機過酸化物や連鎖移動剤、更には一般的な
酸化防止剤、ミネラルオイル、シリコンオイル等を適宜
添加することができる。
【0010】本発明は、ゴム状重合体を含有しない芳香
族モノビニル系単量体を第1反応器に供給して重合転化
率が50%を超えない範囲まで重合反応を行う。ここで
使用する第1反応器については、特に限定するものでは
ないが、運転操作面の容易さから、また、芳香族モノビ
ニル系単量体重合物の分子量等を制御する上で、好まし
くは攪拌付き完全混合槽型反応器を使用し、有機過酸化
物の種類にもよるが、重合温度80〜120℃の範囲内
で連続的に塊状重合反応を行うことが望ましい。この第
1反応器で重合する重合転化率は、芳香族モノビニル系
単量体の50重量%以下、好ましくは10〜40重量%
であることが必要である。重合転化率が50重量%を超
えると、ゴム状重合体を含有する第2の流れと配合調整
する際に、2つの流れの粘度差等の影響により所定のゴ
ム濃度に調整することが困難になり好ましくない。
【0011】かかる重合反応を行った第1の流れをプラ
グフロー型第2反応器に供給する際、当該重合反応液に
芳香族モノビニル系単量体に対して5〜25重量%のゴ
ム状重合体を含有する芳香族モノビニル系単量体溶液の
第2の流れを芳香族モノビニル系単量体及びその重合生
成物に対してゴム状重合体の含有量が3〜18重量%と
なるように配合調整させる。かかる配合調整は、プラグ
フロー型第2反応器に供給する前に予め配管中で配合し
てもよいし、あるいは、別々に供給して反応器内で配合
してもよい。なお、配合調整させる第1の流れの供給量
及び芳香族モノビニル系単量体の重合転化率は、第2の
流れのゴム状重合体の含有量と供給量によって決定され
る。この際の芳香族モノビニル系単量体の重合生成物と
ゴム状重合体との重量比が0.5〜3.5となるように
調整して供給することが望ましい。特に芳香族モノビニ
ル系単量体の重合生成物とゴム状重合体との重量比が
0.5未満の領域においてはプラグフロー型第2反応器
内部においてゴム相反転までに受けるグラフト反応の影
響のためグラフト量を制御することが困難となり、か
つ、ゴム粒子径分布を狭くすることができない。また、
3.5以上の重量比となるように配合調整すると、グラ
フト量が極端に低下してしまい衝撃強度の低下を招く。
【0012】プラグフロー型第2反応器内部において
は、配合調整された後のゴム状重合体の含有量及び芳香
族モノビニル系単量体の重合生成物とゴム状重合体との
重量比に応じて重合反応を継続しながらゴム相反転して
ゴム状重合体の粒子化が起こるが、攪拌機の攪拌速度と
反応温度の制御によって、ゴム粒子の重量平均粒子径/
数平均粒子径の比(Dw/Dn)を2.0以下となるよ
うに制御し重合反応を進行させることが重要である。こ
の時、ゴム粒子の重量平均粒子径/数平均粒子径の比
(Dw/Dn)が2.0を超えるとウエルドライン、フ
ローマーク等の外観のムラが見られるようになり好まし
くない。ゴム粒子の重量平均粒子径/数平均粒子径の比
(Dw/Dn)を2.0以下に制御しつつ重合させるに
は、第2反応器出の重合反応液をサンプル分析し、重合
温度と攪拌速度、第1の流れと第2の流れの供給量等を
適宜制御することによって行うのがよい。
【0013】なお、プラグフロー型第2反応器は、バッ
クミキシングの少ない完全混合槽列モデルにおける相当
槽数が10以上、好ましくは30以上となる性能のもの
であり、それが所望の重合転化率まで重合し得るもので
あればよく、例えば特開昭63−238,101号公報
で提案されている攪拌機付き重合反応装置やスタティッ
クミキサー型プラグフロー反応器を使用することができ
る。このプラグフロー型第2反応器内の重合温度は、約
100〜140℃の範囲内が好ましく、この範囲外では
反応熱の除去、マトリックスを形成する芳香族モノビニ
ル系単量体の重合生成物の分子量制御、ゴム粒子径の制
御等の点で好ましくない。
【0014】本発明では、引続き後続の反応器に供給し
て芳香族モノビニル系単量体の重合転化率を高めた後に
脱揮処理して未反応単量体や溶媒等を除去する。この後
続の反応器としては、特に限定するものではなく、塊状
重合法、溶液塊状重合法、懸濁重合法等の方法で重合を
続けることができるものであればよい。
【0015】後続の反応器に供給する際に、更にゴム状
重合体を含有しない芳香族モノビニル系単量体を芳香族
モノビニル系単量体とこの単量体の重合生成物に対する
ゴム状重合体の含有量が3〜18重量%の範囲内となる
ように配合し、重合転化率を高めると同時にグラフト量
を高めることも衝撃強度バランスをとる上で重要な要素
である。特にグラフト量の範囲については限定されない
が、その上昇度合いは、第2反応器出の重合転化率と配
合されるゴム状重合体を含有しない芳香族モノビニル系
単量体の量を調整することによって制御される。
【0016】重合終了後に適宜加熱処理を施しながら減
圧下で未反応単量体、有機溶媒等を除去する。この際の
加熱処理の温度と時間等の条件を選定し、粒子化された
ゴム成分のトルエン中における膨潤指数を特定の範囲内
に制御することも重要な要素である。加熱温度が高く、
加熱時間が長いほど膨潤指数は低下し、加熱時間が短い
ほど膨潤指数は増大する。また、ゴム成分のトルエン中
における膨潤指数は8〜13、好ましくは9〜11の範
囲内にあることが好ましい。この膨潤指数は8より低下
すると衝撃強度が著しく低下し、また13より大きくな
ると粒子径分布を制御しても、射出成形時のウエルドラ
イン、フローマーク等の外観ムラが起こり易い。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、樹脂の物性は次に示す方法に
より求めた。 (1)トルエン中における膨潤指数 ゴム成分のトルエン中における膨潤指数は1gの樹脂に
35mlのトルエンを加えて十分に溶解あるいは膨潤さ
せ次に遠心分離機にてゲル成分を沈降させた後、デカン
テーションで沈降したゲルを分離し秤量する。この様に
して得られたトルエン膨潤ゲルを120℃、常圧で1時
間、続いて減圧下で1時間乾燥させ、デシケータ中で放
冷後の乾燥ゲルを秤量する。膨潤指数はトルエン膨潤ゲ
ルの重量を乾燥ゲルの重量で除した値とする。 (2)ゴム粒子径及び粒子径分布の測定 30μm径のアパチャーチューブを装着したコールター
カウンター(コールター・マルチサイザーII型)におい
て、樹脂ペレット2〜3粒をメチルエチルケトン/アセ
トン混合溶媒を用いてマトリックスを形成するポリスチ
レン部分のみを溶解せしめた後、遠心分離機において未
溶解のゴム粒子部分と分離する。その後ジメチルホルム
アミド電解質溶液に適度な濃度で分散させて測定する。 (3)グラフト量 樹脂1gをメチルエチルケトン/アセトン=50/50
(WT/WT)の混合溶媒に十分溶解させ、不溶分を遠
心分離機にかけて分離後、デカンテーションし沈降物を
乾燥させ秤量する。グラフト量は、この値をメチルエチ
ルケトン/アセトン不溶分とすることにより、以下の式
で得られる。 グラフト量=(メチルエチルケトン/アセトン不溶分−
ゴム含有量)÷ゴム含有量 (4)IZ衝撃強度(kg・cm/cm) JIS K−6871(ノッチ付き)に準拠して求め
た。 (5)落錘衝撃強度(kg・cm) ASTM D−1709に準拠して求めた。 (6)曲げ弾性率(kg/mm2 ) ASTM D−790に準拠して求めた。 (7)外観ムラ 射出成形品の目視により判定した。
【0018】実施例1 スチレン93.3重量%とエチルベンゼン16.7重量
%からなる原料液を3リットル/hrの供給速度で6リ
ットルの内容積の攪拌重合型第1反応器に連続的に供給
し、115℃の重合反応条件下で塊状重合反応を行って
定常状態になった反応器出口のスチレンの重合転化率は
30%であった。次いで、内容積10リットルのプラグ
フロー型第2反応器に、ローシスポリブタジエン11.
6重量%、スチレン71.7重量%、エチルベンゼン1
6.7重量%からなる原料溶液を3リットル/hrの供
給速度で第1反応器出口からの重合液と混合して、この
ときローシスポリブタジエンの含有量が5.8重量%、
生成したポリスチレンとの重量比が2.0となるように
調整しつつ、同時に供給した。
【0019】その後、第2反応器出口からのスチレンの
重合転化率30%でゴム相反転した重合物に対し、1,
1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン及
びtert−ブチルクミルパーオキサイドを添加し、引
続き後続のプラグフロー型反応器を用いてスチレンの重
合転化率を95%になるまで重合を進行させ、3ベント
付き二軸押出機において230℃の加熱処理を施しなが
ら減圧下で揮発性成分を除去してペレット化した。得ら
れた樹脂の物性値の測定結果を表1に示す。
【0020】実施例2 前記実施例1において、第1反応器の重合温度を110
℃とし第1反応器出口のスチレンの重合転化率を22.
6%とし混合後の重量比が1.5となるように調整した
こと以外は、全て実施例1と同じ条件でペレット化し
た。得られた樹脂の物性値の測定結果を表1に示す。
【0021】実施例3 前記実施例1において、第1反応器の重合温度を105
℃とし第1反応器出口のスチレンの重合転化率を15.
1%とし混合後の重量比が1.0となるように調整した
こと以外は、全て実施例1と同じ条件でペレット化し
た。得られた樹脂の物性値の測定結果を表1に示す。
【0022】実施例4 前記実施例1において、第2反応器出口からのスチレン
の重合転化率30%でゴム相反転した重合物に対し、1
リットル/hrの供給速度でスチレンを添加したこと以
外は、全て実施例1と同じ条件でペレット化した。得ら
れた樹脂の物性値の測定結果を表1に示す。
【0023】比較例1 前記実施例1において、第1反応器の重合温度を100
℃とし第1反応器出口のスチレンの重合転化率を7.0
%とし混合後の重量比が0.46となるように調整した
こと以外は、全て実施例1と同じ条件でペレット化し
た。得られた樹脂の物性値の測定結果を表1に示す。
【0024】比較例2 前記実施例1において、第1反応器の重合温度を140
℃とし第1反応器出口のスチレンの重合転化率を60.
0%とし混合後の重量比が4.0となるように調整した
こと以外は、全て実施例1と同じ条件でペレット化し
た。得られた樹脂の物性値の測定結果を表1に示す。
【0025】比較例3 前記実施例1において、二軸押出機における加熱処理の
温度を210℃にしたこと以外は、全て実施例1と同じ
条件でペレット化した。得られた樹脂の物性値の測定結
果を表1に示す。
【0026】比較例4 前記実施例1において、二軸押出機における加熱処理の
温度を250℃にしたこと以外は、全て実施例1と同じ
条件でペレット化した。得られた樹脂の物性値の測定結
果を表1に示す。
【0027】比較例5 ローシスポリブタジエン5.8重量%、スチレン77.
5重量%、エチルベンゼン16.7重量%からなる原料
溶液を6リットル/hrの供給速度で6リットルの内容
積の攪拌重合型第1反応器に連続的に供給し、115℃
の重合反応条件下でスチレンの重合転化率12%まで塊
状予備重合反応を行った後、内容積10リットルのプラ
グフロー型第2反応器に何も混合を行わずに供給したこ
と以外は、全て実施例1と同じ条件でペレット化した。
得られた樹脂の物性値の測定結果を表1に示す。
【0028】比較例6 前記比較例5の原料溶液中に連鎖移動剤としてtert
−ドデシルメルカブタンを添加したこと以外は、全て実
施例1と同じ条件でペレット化した。得られた樹脂の物
性値の測定結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明方法によれば、グラフト量を任意
に制御し、ゴム粒子径分布が狭く、外観と衝撃強度バラ
ンスとが共に優れたゴム変性スチレン系樹脂を容易に製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂巻 義孝 福岡県北九州市小倉北区中井4−7−6、 101号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体を含有しない芳香族モノビ
    ニル系単量体を第1反応器に供給して重合転化率が50
    %を越えない範囲まで重合反応を行った第1の流れと、
    5〜25重量%のゴム状重合体を含有する芳香族モノビ
    ニル系単量体溶液の第2の流れとを芳香族モノビニル系
    単量体の重合生成物とゴム状重合体との重量比が0.5
    〜3.5になるように、かつ、芳香族モノビニル系単量
    体とその重合生成物に対するゴム状重合体の含有量が3
    〜18重量%になるように配合調整し、プラグフロー型
    反応器内部に連続的に装入して重合反応を継続しながら
    ゴム相反転を行い、ゴム相反転を生起させた後のゴム粒
    子の重量平均粒子径/数平均粒子径の比(Dw/Dn)
    が2.0以下になるように制御し、引続き後続の反応器
    に供給して重合転化率を高めた後に脱揮処理して未反応
    単量体及び溶媒等の除去を行うことによりグラフト量の
    任意なコントロールを可能としたゴム変性スチレン系樹
    脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 後続の反応器に供給して重合転化率を高
    める際に更にゴム状重合体を含有しない芳香族モノビニ
    ル系単量体を配合調整してグラフト量を高める請求項1
    記載のゴム変性スチレン系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 最終重合反応器からの重合溶液を脱揮処
    理に先立つ加熱処理条件の調整によって、ゴム変性スチ
    レン系樹脂中のゴム状重合体成分のトルエン中における
    膨潤指数を8〜13の範囲内に調整する請求項1又は2
    記載のゴム変性スチレン系樹脂の製造方法。
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