JPH04366116A - ゴム変性スチレン系樹脂の製造法 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂の製造法

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JPH04366116A
JPH04366116A JP16620691A JP16620691A JPH04366116A JP H04366116 A JPH04366116 A JP H04366116A JP 16620691 A JP16620691 A JP 16620691A JP 16620691 A JP16620691 A JP 16620691A JP H04366116 A JPH04366116 A JP H04366116A
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reactor
rubber
polymerization
raw material
weight
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Withdrawn
Application number
JP16620691A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shibata
博幸 柴田
Masaya Fujita
昌也 藤田
Yoshitaka Sakamaki
坂巻 義孝
Masashi Hirai
平井 正史
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム変性スチレン系樹
脂の製造法に係り、特に耐衝撃性等の物性に優れたゴム
変性スチレン系樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性に優れたゴム変性スチレン系樹
脂を製造するには、樹脂中に分散しているゴム粒子の粒
径を適当な大きさに調節し、かつ、その粒径分布を適当
な範囲に調節しなければならない。そして、このゴム粒
子径については、それが小さくなるほど樹脂の外観は良
好になるが、耐衝撃性が低下する傾向があり、一般には
1〜5μm、好ましくは1.5〜4μmの範囲内が最適
であるとされている。また、ゴム変性スチレン系樹脂の
ゴム粒子中に含まれている内包スチレン系重合体の含有
量もこの樹脂の耐衝撃性と密接な関係があり、この内包
スチレン系重合体の含有率が多くなればなるほど樹脂の
耐衝撃性が高くなるとされている。従って、このゴム変
性スチレン系樹脂の耐衝撃性等の物性値の向上を図るに
は、樹脂の外観を損ねない範囲でゴム粒子の粒径を大き
くし、かつ、そのゴム粒子中に含まれる内包スチレン系
重合体の含有量を多くすることが有利である。
【0003】ところで、2段に構成した完全混合系の反
応器を使用し、第1反応器をゴム相反転前の状態に維持
し、第2反応器でゴム相反転後の状態まで予備重合を行
い、次いでこの予備重合液をプラグフロー型反応器で主
重合するゴム変性スチレン系樹脂の製造法が知られてい
る(特開昭63−118,315号公報、特開昭63−
118,346号公報)。
【0004】しかしながら、この様な方法を採用するに
当って、従来から指摘されているものとして、相反転後
のゴム粒子径が細かくなるという問題がある。そして、
この現象は、反応初期にグラフト反応を促進させること
によりゴム中に捕獲されるポリスチレン量を増大させる
ために、重合開始剤として過酸化物を使用した場合に更
に強調されることが知られている。この様な現象が生じ
る原因については、過酸化物を使用すると、ゴム粒子と
スチレン系重合体とのグラフト物が多くなってゴム粒子
中の内包スチレン系重合体の含有量が増加するが、その
反面、生成したグラフト物がゴム粒子と連続相スチレン
系樹脂との間の界面活性剤として作用し、その結果とし
てゴム粒子が連続相スチレン系樹脂中に細かく乳化分散
してその粒子径が非常に小さくなり、また、たとえこの
ゴム粒子の平均粒子径が望みの範囲内に入っても、その
粒子径分布が非常に広くなって物性向上の効果が充分で
なく、強度的にも不十分なものしか得られない、と考え
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
、重合初期のグラフト反応を促進し、相反転後の内包ス
チレン系重合体の増大化を図ると同時に、最適なゴム平
均粒子径と粒子径分布を有する製品を得るために鋭意研
究を重ねた結果、以下に示す方法を見出した。
【0006】すなわち、原料溶液中に重合開始剤を配合
し、2段に構成した完全混合系反応器の第1反応器でゴ
ム相反転直前の状態まで初期重合し、引続き第2反応器
でゴム相反転後の状態まで予備重合し、次いで後続の主
重合用反応器で重合転化率を所望の値まで上昇せしめる
重合方式において、ゴム状重合体を除く原料溶液の一部
を予め分割し、ゴム状重合体を含む原料溶液を第1反応
器に供給すると共に分割された原料溶液を第2反応器に
供給し、第1反応器ではゴム状重合体含有率の高い原料
溶液を重合し、また、第2反応器で通常のゴム状重合体
含有率に調整することにより、この問題を解決し得るこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ス
チレン系単量体又はスチレン系単量体とこのスチレン系
単量体に対して共重合可能なコモノマーとの混合物から
なる原料モノマー98〜88重量%とゴム状重合体2〜
12重量%とからなる重合原料100重量部に対し、有
機過酸化物0.01〜0.2重量部及び必要に応じて使
用される不活性有機溶剤0〜30重量部を添加した原料
溶液を、完全混合型第1反応器、完全混合型第2反応器
及び少なくとも1つの主重合用反応器を直列に接続して
構成された重合装置で連続塊状重合してゴム変性スチレ
ン系樹脂を製造するに際し、ゴム状重合体を除く上記原
料溶液の一部を分割し、残りの原料溶液とゴム状重合体
全量とを上記第1反応器に連続的に供給して攪拌下にゴ
ム相反転直前の状態まで初期重合し、引続き得られた初
期重合液を第2反応器に連続的に移送すると共に、この
第2反応器には上で分割された原料溶液を連続的に供給
しながら攪拌下にゴム相反転後の状態まで予備重合して
ゴム状重合体を分散粒子化させ、次いで後続の主重合用
反応器で重合転化率を上昇せしめるゴム変性スチレン系
樹脂の製造法である。
【0008】そして、本発明方法においては、分割され
る原料溶液の構成成分としては原料モノマー及び/又は
必要に応じて使用される不活性有機溶剤であるのがよく
、また、第1反応器に供給される原料モノマーの割合に
ついては全原料モノマーの70〜100重量%であって
、分割されて第2反応器に供給される原料モノマーの割
合が残りの30〜0重量%であることが望ましい。そし
て、第1反応器から移送されてくる初期重合液と分割さ
れた原料溶液とはそれぞれ別個に第2反応器に供給する
のがよく、また、第2反応器での重合温度を第1反応器
から移送されてくる初期重合液の温度より2〜10℃高
い温度に維持することが望ましい。更に、使用するゴム
状重合体は25℃における5重量%スチレン溶液粘度に
ついては100〜2,000センチポイズである高粘性
重合体であるのが望ましく、また、第1反応器の出口に
おける初期重合液の固形分含有率はこの第1反応器の入
口における原料溶液のゴム状重合体含有率の1.8〜2
.7倍の範囲内に制御されることが望ましい。
【0009】すなわち、本発明方法は、重合開始剤を使
用し、かつ、ゴム状重合体を除く原料溶液の一部を分割
し、この分割された原料溶液を第2反応器に供給し、こ
れによって第1反応器ではゴム状重合体含有率を高め、
第2反応器では内包ポリスチレン樹脂を増加させた状態
で良好な攪拌状態を維持し、ゴム粒子径を適当な範囲に
調節できるようにしたことをその要旨とするものである
【0010】本発明で使用するゴム状重合体は、特に限
定するものではないが、25℃における5重量%スチレ
ン溶液粘度(以下、SVと略称する)が100センチポ
イズ以上で2,000センチポイズ以下の範囲、好まし
くは400〜1,500センチポイズの範囲であること
が望ましい。このSVが100センチポイズより小さい
と、本発明の効果が小さい。また、SVが2,000セ
ンチポイズを越えると、このゴム変性ポリスチレン系樹
脂の生産にあたって原料モノマーへの溶解性が低下し、
その生産性が悪化するという問題が生じる。
【0011】本発明のゴム状重合体としては、例えばポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR
)、ブロックSBR等を挙げることができるが、SBR
の場合にはスチレンが3〜20重量%の範囲で結合した
スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
【0012】本発明で使用する原料モノマーとしては、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
クロルスチレン等のスチレン又は置換スチレンの1種又
は2種以上の混合物からなるスチレン系単量体、又はこ
の様なスチレン系単量体とこのスチレン系単量体に対し
て共重合可能な、例えばアクリロニトリル、無水マレイ
ン酸、メタクリル酸メチル等のコモノマーとの混合物を
挙げることができるが、好ましくはスチレンである。
【0013】本発明の方法において、上記原料モノマー
とゴム状重合体とからなる重合原料の組成割合は、原料
モノマーが98〜88重量%、好ましくは97〜90重
量%であって、ゴム状重合体が2〜12重量%、好まし
くは3〜10重量%の範囲である。ゴム状重合体の使用
量が2重量%より少ないと、本発明が目的とする耐衝撃
性の改良効果が不十分であり、また、12重量%を越え
ると強度の向上も頭打ちとなる。
【0014】また、本発明方法においては、上述した重
合原料100重量部に対して0.01〜0.2重量部の
重合開始剤、例えば1,1−ジターシャリブチルパーオ
キシシクロヘキサン、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル等の有機過酸化物を使用することが必要であり、こ
れによってグラフト物の生成量を増加させることができ
、耐衝撃強度等の物性値を顕著に向上させることができ
る。この有機過酸化物の使用量が0.01重量部より少
ないと、この重合開始剤使用の効果が不十分であり、0
.2重量部より多いと、重合速度が速くなりすぎて実用
的でない。
【0015】更に、本発明方法においては、必要に応じ
て不活性有機溶剤、例えばトルエン、キシレン、エチル
ベンゼン等の単独又は2種以上の混合物等からなる芳香
族炭化水素類等を使用するのがよく、その使用量は上記
重合原料100重量部に対して0〜30重量部、好まし
くは0〜25重量部の範囲である。この不活性有機溶剤
の使用量が30重量部を越えると、重合速度が著しく低
下して経済的に不利である。
【0016】また、分子量の調節を目的として連鎖移動
剤、例えばターシャリドデシルメルカプタン等のメルカ
プタン化合物等を添加することもできる。しかしながら
、この様な連鎖移動剤の添加は、樹脂の物性値を低下さ
せる場合があるので、好ましくは極少量にとどめておく
か、添加しないほうがよい。
【0017】そして、原料モノマー及び/又は必要に応
じて使用される不活性有機溶剤の一部を分割して第2反
応器に供給する場合、その割合は、第1反応器に供給す
る原料モノマー及び/又は必要に応じて使用される不活
性有機溶剤が全原料モノマー及び/又は必要に応じて使
用される不活性有機溶剤の50〜95重量%、より好ま
しくは60〜90重量%であり、分割されて第2反応器
に供給される原料モノマー及び不活性有機溶剤が残りの
50〜5重量%、より好ましくは40〜10重量%であ
るのがよい。
【0018】また、上記不活性有機溶剤を使用する場合
、この不活性有機溶剤に対して重合反応の過程でその溶
液粘度を低減する効果を期待する意味から、溶液粘度が
より高くなる第2反応器に対してより多く供給するのが
好ましく、必要に応じて全ての不活性有機溶剤を分割し
第2反応器に供給するようにしてもよい。この様に第1
反応器での不活性有機溶剤の使用量を少なくし、第2反
応器での不活性有機溶剤の使用量を多くすることにより
、全重合工程で最もグラフト反応の反応速度が速い重合
初期、すなわち第1反応器での初期重合において、この
グラフト反応の障害となる不活性有機溶剤の添加量が少
なくなり若しくは不要になり、その結果、この初期重合
でのグラフト反応が充分に進行し、製品の品質が向上す
る。
【0019】そして、本発明の方法においては、後述す
るゴム相反転が生じる第2反応器での撹拌速度を制御す
ることによって所定のゴム分散粒子径を形成せしめ、続
いて行われる主重合時の反応器での適切な制御により、
製造されるゴム変性スチレン系樹脂中のゴム分散粒子を
破壊することなく、最終的にゴム粒子径を1.5〜4μ
m、好ましくは1.5〜3μmの範囲内に維持すること
が必要である。ゴム粒子径が1.5μmより小さくなる
とこのゴム変性ポリスチレン系樹脂の耐衝撃性が不十分
になり、また、4μmより大きくなると外観が低下する
【0020】本発明方法においては、完全混合型第1反
応器、完全混合型第2反応器及び後続の主重合用反応器
を直列に接続した重合装置に上記各原料をそれぞれ予め
混合し原料溶液としてあるいは予め混合することなく連
続的に供給して重合させる。ここで、完全混合型の第1
及び第2反応器としては、各反応器内の原料溶液がほぼ
均一な混合状態を維持し得るものであればよく、例えば
撹拌翼付完全混合型反応器が使用される。
【0021】本発明方法によりゴム変性スチレン系樹脂
を製造する一例をより具体的に説明すると、一般に次の
ように実施される。先ず、ゴム状重合体を第1反応器に
供給される原料モノマーに溶解し、この溶液を重合開始
剤の分解温度に合わせて一定の重合温度に保持されてい
る完全混合型第1反応器に装入して重合し、ここではゴ
ム状重合体の単量体溶液が連続相を形成し、また、スチ
レン系重合体の単量体溶液が分散相をそれぞれ形成する
、いわゆるゴム相反転前の状態に保持される。この際に
重要なことは、ゴム相反転前直前まで重合させることに
より、ゴム相反転前のゴム溶液中にスチレン系重合体を
できるだけ多く分散させることである。従って、好まし
くは完全混合型第1反応器の出口における初期重合液の
固形分含有量を重合液中のゴム状重合体の含有量の1.
8〜2.7倍の範囲内、より好ましくは2.0〜2.6
倍の範囲内に保持し、この第1反応器での初期重合を相
反転することなくゴム状重合体が粒子化しない範囲に止
めるように操業するのがよい。
【0022】次に、上記第1反応器からは初期重合液の
一部が連続的に抜き出され、引続いて完全混合型第2反
応器へ連続的に供給されると共に、予め分割されたゴム
状重合体を含まない原料溶液が連続的に供給される。こ
の第2反応器では、重合温度が第1反応器から移送され
てくる初期重合液の温度より2〜10℃程度高くなるよ
うに保持することが好ましく、ゴム状重合体の単量体溶
液が分散相を、スチレン系重合体の単量体溶液が連続相
を形成する、いわゆるゴム相反転後の状態にまで重合さ
れる。ここで、第1反応器から抜き出されて第2反応器
に供給される初期重合液と予め分割されて直接第2反応
器に供給される原料溶液とは、この第2反応器に供給さ
れる前に混合してもよいが、好ましくはこれら初期重合
液と予め分割された原料溶液とを別々に第2反応器に供
給するのがよい。この様に初期重合液と予め分割された
原料溶液とを別々に第2反応器に供給することにより、
本発明の効果が一段と高くなるという利点が生じる。そ
して、この第2反応器においては、ゴム相反転後の重合
原料中の単量体重合転化率を40重量%以下、好ましく
は重合原料中のゴム量に応じて20〜30重量%の範囲
内に維持される。この第2反応器出口の重合転化率が4
0重量%以上になると、ゲル含有率、すなわちゴム粒子
中に内包されるスチレン系重合体の含有量が低下し、結
果として製造される樹脂の物性の向上を図ることが難し
くなる。
【0023】ここで、第2反応器の出口における予備重
合液の重合転化率については、重合原料中のゴム状重合
体の含有量によって異なるが、ゴム粒子が形成される範
囲内でできるだけ低く制御することが望ましい。
【0024】本発明方法では、上記第1及び第2反応器
で予備重合され、相反転した予備重合液は、次に後続の
主重合用反応器に装入され、ここで主重合が行われ、連
続的に重合転化率が上昇される。この目的で使用する主
重合用反応器としては、特に限定するものではないが、
比較的弱い撹拌条件で使用される槽型撹拌反応器あるい
は塔式反応器やプラグフロー型反応器等が使用され、こ
れらはそれぞれ単独で使用できるほか、適宜複数個組合
せて使用することもでき、また、複数の種類の反応器を
複数個組合せて使用することもできる。
【0025】これらの反応器のうち、特に好ましい反応
器は、完全混合槽列モデルにおける相当槽数が10以上
、好ましくは30以上となる性能のものであり、それぞ
れ所望の高い重合転化率まで重合し得るものであればよ
く、例えば撹拌機付プラグフロー反応器やスタティック
ミキサー型プラグフロー反応器等を単独若しくは組合わ
せて使用することができる。例えば、重合転化率が撹拌
機付プラグフロー反応器で50重合%以下の範囲内まで
とし、次いでスタテックミキサー型プラグフロー反応器
で50〜100重量%の範囲内までとなるようにそれぞ
れ制御するのがよい。この様に重合転化率を制御するこ
とにより、第2反応器で形成されたゴム粒子の粒径がプ
ラグフロー型反応器の重合過程で著しく変化するのを防
止し、得られる樹脂中のゴム粒径を1.5〜4μmの範
囲内に制御することができるほか、ゲル含有率の向上を
図ることができる。そして、このプラグフロー反応器を
使用して主重合を行う際には、好ましくは少量の重合開
始剤、例えば1,1−ジターシャリブチルパーオキシシ
クロヘキサン、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等
の有機過酸化物等を追加して添加するのがよく、これに
よって製品樹脂の耐衝撃性を更に向上させることができ
る。
【0026】以上の様にして高い重合転化率まで重合さ
れた重合液は、その重合液中に未反応単量体が含有され
ている場合、この未反応単量体を公知の方法、例えば加
熱減圧下に脱揮処理して除去する方法等によって除去し
、所望の形状の製品、例えばチョップドストランド等に
加工される。
【0027】
【作用】本発明の方法によれば、完全混合型の第1及び
第2反応器での予備重合において、ゴム状重合体を除く
原料溶液の一部を分割し、この分割した原料溶液を第1
反応器に供給することなく第2反応器に直接供給するこ
とにより、第1反応器での原料溶液中のゴム状重合体含
有率を高めた状態で初期重合をさせることになり、この
結果、ゴム粒子中の内包ポリスチレン含有量が向上し、
かつ、これによって製造される樹脂中のゴム粒子につい
て所望のゴム粒子径とゴム粒子分布とを得ることができ
、また、得られた予備重合液を後続の反応器で主重合し
てゴム粒子とゲル含有率とを最適な状態に制御できるよ
うになり、物性のより一層の向上を図ることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基いて、本発明方
法を具体的に説明する。なお、各重合液についての固形
分含有量の測定は、試料1〜2gを採取し、これを真空
に近い減圧下に200℃で30分間脱揮し乾燥し、その
ときの残分を重量%で算出して求めた。ゴム粒子の粒径
はCoulter  Electronics  In
c.製商品名:Coulter  Multisize
rを使用してジメチルホルムアミド電解液中に分散させ
たゴム粒子の粒径を測定して求めた。また、内包ポリス
チレン含有率については、試料樹脂1gを40mlのメ
チルエチルケトン・アセトンの1:1混合溶媒で処理し
、不溶ゲル(ゴム粒子)を遠心分離機で沈降させてその
上澄液を捨て、沈降した不溶ゲルを恒量になるまで乾燥
した後、その重量を測定して樹脂中に含まれるゲルの割
合(ゲル含有量)を測定し、式(ゲル含有量−製品樹脂
中ゴム含有量)÷(製品樹脂中のゴム含有量)(但し、
ゲル含有量及びゴム含有量の単位は何れも重量%である
)により求めた。
【0029】実施例1〜5及び比較例1〜3容積約10
リットルの撹拌翼付完全混合型第1反応器Aと、容積約
11リットルの撹拌翼付完全混合型第2反応器Bと、主
重合用反応器である容積20リットルの撹拌翼付プラグ
フロー反応器Cとを直列に接続して重合工程を構成した
。スチレン、SVが表1に示す値のポリブタジエンゴム
、及びエチルベンゼンを使用し、表1に示す様に、第1
反応器に供給される各実施例及び比較例の主原料溶液と
第2反応器に供給される分割原料溶液とを調製し、上記
主原料溶液中には有機過酸化物として1,1−ジターシ
ャリブチルパーオキシシクロヘキサン0.035重量部
を添加した。
【0030】これらの原料溶液をそれぞれ反応器A及び
反応器Bに連続的に供給し、表1にそれぞれに示す条件
で重合を行った。反応器Aの出口における初期重合液中
のゴム状重合体は粒子化していない状態であった。また
、反応器Bの出口における予備重合液中のゴム状重合体
は粒子化していた。これらの反応器A及びBの出口にお
ける重合液中の固形分含有率S1 、S2 を測定した
。 結果を表1に示す。
【0031】反応器Bから連続的に抜き出された予備重
合液は、次に反応器Cに順次装入された。これらの反応
器では、重合液の流れ方向に沿って温度勾配がつくよう
に反応温度を調節して重合を行った。
【0032】反応器Cから得られた重合液については、
常法により脱揮処理して未反応スチレンと溶剤のエチル
ベンゼンを除去し、溶融押出しをした後冷却し、切断し
て粒状の製品とした。これらの製品樹脂について、ゴム
粒子の粒径(DW;μm)、内包ポリスチレン含有率(
RC;%)、アイゾット衝撃強度(IZ;kgf・cm
/cm、JIS  K  7110)及び落錘衝撃強度
(FI;kgf・cm、JIS  K  7211に準
じ、試験片状態調節24時間以上、試験片厚さ3mmの
平板、サンプル数30、錘重さ変数、落下高さ1m、及
び、錘形状R=1/4inchの条件)を測定した。結
果を表3に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明方法によれば、ゴム状重合体を除
く原料溶液の一部を予め分割し、ゴム状重合体を含む残
りの原料溶液を第1反応器に供給すると共に分割された
原料溶液を第1反応器からの重合溶液と共に第2反応器
に供給し、第1反応器ではゴム状重合体含有率の高い原
料溶液を重合することによりグラフト反応を促進させ、
また、第2反応器で通常のゴム状重合体含有率に調整す
ることにより、重合初期のグラフト反応を促進し、相反
転後の内包スチレン系重合体の分布量の増大化を図ると
同時に、最適なゴム平均粒子径と粒子径分布を達成する
ことができ、耐衝撃性等の物性値に優れたゴム変性スチ
レン系樹脂を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  スチレン系単量体又はスチレン系単量
    体とこのスチレン系単量体に対して共重合可能なコモノ
    マーとの混合物からなる原料モノマー98〜88重量%
    とゴム状重合体2〜12重量%とからなる重合原料10
    0重量部に対し、有機過酸化物0.01〜0.2重量部
    及び必要に応じて使用される不活性有機溶剤0〜30重
    量部を添加した原料溶液を、完全混合型第1反応器、完
    全混合型第2反応器及び少なくとも1つの主重合用反応
    器を直列に接続して構成された重合装置で連続塊状重合
    してゴム変性スチレン系樹脂を製造するに際し、ゴム状
    重合体を除く上記原料溶液の一部を分割し、残りの原料
    溶液とゴム状重合体全量とを上記第1反応器に連続的に
    供給して攪拌下にゴム相反転直前の状態まで初期重合し
    、引続き得られた初期重合液を第2反応器に連続的に移
    送すると共に、この第2反応器には上で分割された原料
    溶液を連続的に供給しながら攪拌下にゴム相反転後の状
    態まで予備重合してゴム状重合体を分散粒子化させ、次
    いで後続の主重合用反応器で重合転化率を上昇せしめる
    ことを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】  ゴム状重合体が、25℃における5重
    量%スチレン溶液粘度100〜2,000センチポイズ
    の高粘性重合体である請求項1記載のゴム変性スチレン
    系樹脂の製造法。
  3. 【請求項3】  分割される原料溶液の構成成分が原料
    モノマー及び/又は必要に応じて使用される不活性有機
    溶剤である請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂の製
    造法。
  4. 【請求項4】  第1反応器に供給する原料モノマー及
    び溶剤が全原料モノマー及び溶剤の50〜95重量%で
    あり、分割されて第2反応器に供給される原料モノマー
    及び溶剤が残りの50〜5重量%である請求項1記載の
    ゴム変性スチレン系樹脂の製造法。
  5. 【請求項5】  第1反応器から移送されてくる初期重
    合液と分割された原料溶液とをそれぞれ別個に第2反応
    器に供給する請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂の
    製造法。
  6. 【請求項6】  第2反応器での重合温度を第1反応器
    から移送されてくる初期重合液の温度より2〜10℃高
    い温度に維持する請求項1記載のゴム変性スチレン系樹
    脂の製造法。
  7. 【請求項7】  第1反応器の出口における初期重合液
    の固形分含有率がこの第1反応器の入口における原料溶
    液のゴム状重合体含有率の1.8〜2.7倍の範囲内で
    ある請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂の製造法。
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