JP3395097B2 - ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法

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JP3395097B2 JP18393394A JP18393394A JP3395097B2 JP 3395097 B2 JP3395097 B2 JP 3395097B2 JP 18393394 A JP18393394 A JP 18393394A JP 18393394 A JP18393394 A JP 18393394A JP 3395097 B2 JP3395097 B2 JP 3395097B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性と弾性率のバ
ランスに優れたゴム変性スチレン系樹脂の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法とし
ては、芳香族モノビニル系単量体にゴム状重合体を溶解
し、撹拌しながら塊状もしくは溶液重合してゴム状重合
体を分散ゴム粒子とした後、引き続き塊状または溶液重
合するか、或いは懸濁重合する方法等が知られている。
しかしながら、塊状重合あるいは溶液重合は連続重合方
式であるため、一般に回分重合方式である懸濁重合より
も生産性の点で有利であり経済性が高いかわりに得られ
る樹脂の耐衝撃性と弾性率のバランスが劣る。
【0003】従来、連続重合方式において重合開始前の
原料中にポリスチレン重合体を添加する方法として、米
国特許第3144420号や日本特許(特公昭60−3
9282号)等が公知であるが、これらはゴム状重合体
が相反転する分散粒子化を完全混合型反応器で行うため
に樹脂中に分散するゴム粒子径分布が広く、得られる樹
脂の衝撃強度と弾性率のバランス改良効果が不十分であ
る。また、類似の方法として、ゴム状重合体と芳香族モ
ノビニル系単量体の重合途中にある第1の流れと、部分
重合段階のポリスチレン重合体溶液の第2の流れを混合
して強制的にゴム状重合体を分散粒子化してから更に重
合を継続することで得られる樹脂の着色性を改良する方
法(特公昭62−34327号公報)も提案されている
が、衝撃強度と弾性率のバランス改良効果の面で未だ不
十分である。本願発明はかかる従来技術を改良したゴム
変成スチレン系樹脂の製造方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は連続塊状重合
方式において、ゴム粒子径分布が狭く衝撃強度と弾性率
のバランスに優れたゴム変性スチレン系樹脂の製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、連続塊状
重合方式においてこのような好ましい物性を有するゴム
変性スチレン系樹脂の製造方法を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、重合反応中にゴム状重合体のゴム相が連続
相から分散相に反転してポリスチレン樹脂中に分散粒子
化する重合転化率に達する以前の重合反応が内包スチレ
ン系樹脂の形状とゴム粒子径分布を制御する上で非常に
大きな影響を与えることを見出した。かかる観点から芳
香族モノビニル系単量体とゴム状重合体とからなるゴム
シロップ溶液にポリスチレン重合体を特定の範囲内に混
合した溶液を特にプラグフロー型反応器へ供給し、ゴム
相が反転するような特定の条件下で重合を進行すること
によって前記目的を達成し得ることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、芳香族モノビニル系
単量体が60〜95重量%、ゴム状重合体が3〜10重
量%及びポリスチレン重合体が2〜30重量%の範囲内
で混合溶解したものであって, 当該混合溶液中のゴム状
重合体の含有率R(wt%)とポリスチレン重合体の含
有率Ps(wt%)の関係が、0.2<Ps/R<3を
満足し且つゴム相反転前の状態を保つように調整した混
合溶液100重量部に対して溶剤0〜30重量部を配合
してなる原料溶液を予熱器にて70〜120℃まで、芳
香族モノビニル系単量体の重合転化率が10重量%を越
えない範囲内でしかもゴム相反転前の条件を維持できる
ように予備加熱処理を行った後、プラグフロー型反応器
の入口の一端から連続的に送入して重合反応を継続しな
がらゴム相反転を行い所定の分散ゴム粒子を形成させ、
出口である他端から抜き出される重合溶液を引き続き後
続のプラグフロー型反応器に供給して重合転化率を高め
た後に脱揮処理して未反応単量体及び溶媒等の除去を行
うことを特徴とするゴム変成スチレン系樹脂の製造方法
である。
【0007】又ゴム状重合体はその90重量%以上が2
5℃における5wt%スチレン溶液粘度(SV値)が、
10cps〜500cpsの範囲からなるポリブタジエ
ンゴム及び/又はスチレンーブタジエンゴムを使用する
ことに特徴のあるゴム変成スチレン系樹脂の製造方法で
ある。更に又予備加熱処理を行った後の原料溶液100
重量部に対して、有期過酸化物0.01〜0.2重量部
を添加してプラグフロー型反応器へ送入するゴム変成ス
チレン系樹脂の製造方法である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方
法において、原料の1 成分として用いられる芳香族モノ
ビニル系単量体としては、スチレン単独またはスチレン
と共重合可能な他のビニル系単量体との混合物を挙げる
ことができる。該共重合可能な単量体としては、例えば
α−メチスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、
ビニルキシレン、ビニルナフタレン等の芳香族モノビニ
ル化合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、アクリル酸、
無水マレイン酸、フェニルマレイミド、あるいはハロゲ
ン含有ビニル系単量体等が挙げられる。これらの共重合
可能な単量体は、その1 種のみを用いてもよいし、2 種
以上を組み合せて用いてもよいが、スチレンを含む全芳
香族モノビニル系単量体に対して、通常30重量%以
下、好ましくは10重量%以下の割合で用いられる。
【0009】本発明方法において、原料の他の成分とし
て用いられるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、
スチレンーブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタ
ジエンーイソプレン共重合体、天然ゴム等が挙げられ
る。ゴム状重合体は、その90%以上がポリブタジエン
ゴムまたはスチレンーブタジエンゴムであるか、あるい
はポリブタジエンゴムおよびスチレンーブタジエンゴム
の混合物である。ポリブタジエンは、ローシスポリブタ
ジエンゴムであってもよいし、ハイシスポリブタジエン
ゴムであってもよく、ローシスポリブタジエンゴムとハ
イシスポリブタジエンゴムの混合物あってもよい。ま
た、スチレンーブタジエン共重合体はスチレン含有量が
2〜40重量%のランダム型であってもよいし、ブロッ
ク型やテーパー型であってもよいし、これらの混合物で
あってもよい。これらのゴム状重合体はその1 種のみを
用いてもよいし、2 種以上を組み合せて用いてもよい。
【0010】さらに、ゴム状重合体の5wt%スチレン
溶液の25℃における溶液粘度(SV値)は、10cp
s〜500cpsの範囲である必要がある。好ましくは
25cps〜350cpsの範囲が好ましい。溶液粘度
(SV値)が10cps以下では、ゴム粒子径が小さく
なりすぎる傾向があり衝撃強度が低下するので好ましく
なく、500cps以上では、ゴムの価格が比較的高く
なるので経済的に不利である。混合液に含まれるかかる
ゴム状重合体の配合量は、3重量%〜10重量%の範囲
内である必要がある。混合液に含まれるゴム状重合体の
量が3重量%未満では、得られたゴム変性スチレン系樹
脂の耐衝撃性が不十分であり、10重量%以上では得ら
れたゴム変性スチレン系樹脂の耐衝撃性は良くなるが曲
げ弾性率が低下しすぎて実用的ではない。
【0011】さらに本発明の製造方法においては、かか
る芳香族モノビニル系単量体とゴム状重合体とからなる
ゴムシロップ溶液にポリスチレン樹脂を特定の範囲内に
混合溶解する。ここで溶解するポリスチレン樹脂は市販
されているポリスチレン樹脂ペレットでもよいし、又は
ポリスチレン樹脂の重合ラインから直接得られるポリス
チレン樹脂或いは部分重合段階でポリスチレン樹脂が芳
香族モノビニル系単量体中に溶解した混合溶液であって
もよい。混合するポリスチレン樹脂は、還元粘度(η)
が、0.6<η<1.4の範囲を満足するものが好まし
い。ηが、0.6以下では得られるゴム変性スチレン系
樹脂の耐衝撃性が低下する。又ηが、1.4以上ではゴ
ムシロップ溶液に対して混合溶解し難いので結果的にゴ
ム変性スチレン系樹脂の物性を悪化させ本発明の効果が
得られない。混合溶解する際は、芳香族モノビニル系単
量体60〜95重量%, ゴム状重合体3〜10重量%及
びポリスチレン系重合体2〜30重量%の範囲内であっ
て,当該混合液中のゴム状重合体の含有率R(wt%) と芳
香族モノビニル系重合体の含有率Ps(wt%) の関係が、
0. 2<Ps/R<3の範囲でかつゴム相反転前の状態
に調整することが重要である。Ps/Rが0. 2以下で
は、樹脂中に分散したゴム粒子径分布の改良効果が不十
分であり、Ps/Rが3以上では、得られた樹脂の強度
が低下する。又混合溶液を調整した時点で、既にゴム相
が反転してしまうと、分散したゴムの粒子径分布がきわ
めて悪くなるために好ましくない。
【0012】本発明においては、ゴムシロップ溶液中へ
のポリスチレン樹脂の溶解に伴う系内の粘度を調整する
ために、当該混合液中に、必要に応じて溶媒を添加する
ことができる。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン等の
ケトン類から選ばれた少なくとも1 種の有機溶媒を混合
液100重量部に対して30重量部以下の範囲内で配合
することができる。好ましくは10〜20重量部の割合
で配合する。
【0013】本発明は、原料溶液をバックミキシングの
ないプラグフロー反応器に送入する前に予熱器にて特定
の条件下で予備加熱処理を行なう必要がある。ここで使
用する予熱器については、特に限定するものではない
が、運転操作面の容易さから、撹拌機付き完全混合槽や
多管式熱交換器が好ましい。予熱器での加熱温度条件と
しては使用する重合開始剤の種類や添加量によって異な
るが、70〜120°C までの範囲内であることが望ま
しい。かかる加熱温度では, 芳香族モノビニル系単量体
の一部が重合するが, その重合転化率は、芳香族モノビ
ニル系単量体の10重量%以下で且つゴム相反転前の条
件下を維持させるべきであって、より好ましくは5重量
%以下が望ましい。
【0014】予熱器による重合転化率が10重量%を超
えかつゴム相が反転した条件では、得られる樹脂中のゴ
ム分散粒子径分布の改良効果が不十分であり、本発明の
効果が得られず好ましくない。なお原料溶液をかかる予
備加熱処理なしにプラグフロー反応器に送入した場合は
その入口付近が急加熱となり, 反応器内部でのゲル状異
物の発生と半重合物の器壁への付着の問題が発生し易く
なる。又プラグフロー反応器としての有効体積が小さく
なるし, 反応器内で加熱と除熱を行うのは温度条件が安
定せず製品の品質にバラツキが生じる。
【0015】原料溶液には必要に応じて、重合開始剤と
しての有機過酸化物や連鎖移動剤、酸化防止剤、ミネラ
ルオイル、シリコンオイル等を適宜添加することができ
る。かかる添加剤は、混合原料中に最初から添加しても
良いし、或いは予熱器以降の重合の途中に添加しても良
い。ただし本発明においては, 特に有機過酸化物は, 予
備加熱処理を行った後に添加することが望ましい。その
理由としては, 有機過酸化物の一部が予備加熱処理段階
で分解し易く, しかも芳香族モノビニル系単量体の重合
転化率が高まりすぎると、ゴム粒子径分布が悪くなる欠
点もある。
【0016】かかる予備加熱処理を行った原料溶液を、
プラグフロー型反応器の入口側一端に連続的に送入し重
合反応を行う。このプラグフロー型反応器は1 基もしく
は複数基を直列に配置した構造のものからなる。このプ
ラグフロー型反応器内の重合温度は、通常100〜18
0℃の範囲で調節され、一般的には流れ方向に沿って温
度が高くなるような温度勾配が生じるように制御され
る。なお、プラグフロー型反応器は、例えば特開昭63
−238101号公報で提案されている撹拌機付き塔型
プラグフロー反応器やスタティックミキサー型プラグフ
ロー反応器などを使用することができる。
【0017】一般には重合の進行にともなって重合液の
粘度が上昇するため例えば、比較的粘度の低い重合初期
のゴム相反転が生じゴム状重合体の分散粒子化が起こる
領域を撹拌機付塔型プラグフロー反応器で重合すること
が好ましい。特にこの領域を、プラグフロー性のない反
応器、たとえば完全混合型反応器やループ状に配置した
スタティックミキサー型反応器によって重合すると、得
られる樹脂中に分散したゴム粒子径分布が悪くなる為に
耐衝撃性が低下する。
【0018】さらにこの領域では、ゴム状重合体の分散
粒子径を制御するために、重合溶液に対する剪断速度を
調節出来るような構造を備えていることが必要である。
このような目的のために、細長い縦型塔式であって, 水
平面での回転数の変更が可能な攪拌翼によって剪断作用
を付与することができ, 実質的にバックミキシングが生
じないようなものであればよい。かかる撹拌機付縦型塔
式プラグフロー反応器においては、重合反応を継続しな
がらゴム相反転が生じてゴム状重合体の粒子化が起こる
が、撹拌機の撹拌速度の制御などによって、ゴム粒子の
重量平均粒子径を所望の範囲に制御し重合反応を進行さ
せることが重要である。
【0019】撹拌速度とゴム粒子の重量平均粒子径の関
係は、ゴム状重合体の溶液粘度(SV値)を調節するこ
とによって適当な関係にすることが可能である。重合転
化が進んでゴム相反転が生じゴム状重合体が分散粒子化
した後の比較的粘度の高い重合後期はスタティックミキ
サー型プラグフロー反応器で重合できるように複数の反
応器を直列に組み合わせて配置したものを使用する。こ
の際、重合反応は原料溶液中の芳香族モノビニル系単量
体の重合転化率が60〜98重量%となるまで継続させ
る。所定の重合転化率まで高めた後の重合液は、適宜加
熱処理を施しながら減圧下の脱揮装置にて脱揮処理して
未反応単量体及び溶媒等を除去することによって所望の
ゴム変成スチレン系樹脂を得ることができる。
【0020】
【実施例】次に、実施例及び比較例に基づいて、本発明
方法を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
よってなんら限定されるものではない。なお、樹脂の物
性は次に示す方法により求めた。 (1)ゴム粒子径および粒子径分布の測定 樹脂ペレット2 〜3 粒をメチルエチルケトン/ アセトン
混合溶媒を用いてマトリックスを形成するポリスチレン
部分のみを溶解せしめた後, 遠心分離機において未溶解
のゴム粒子部分と分離する。その後ジメチルホルムアミ
ド電解質溶液に適度な濃度で分散させて 30μm径の
アパチャーチューブを装着したコールターカウンター(
コールタール・マルチサイザーII型) において測定す
る。 (2)IZ衝撃強度(Kgf・cm/cm) JISK−6871( ノッチ付き) に準拠して求めた。 (3)ゴム含有量(Rc) ウイス(wis)法により求めた。 (4)曲げ弾性率(Kg/mm2) ASTMD−790に準拠して求めた。
【0021】実施例1 スチレン79重量部、ローシスポリブタジェン(SV値
85cp)6重量部、ポリスチレン15重量部を溶解し
た混合液(Ps/R=2.5)100重量部に対して、
エチルベンゼン10重量部とn−ドデシルメルカプタン
0.015重量部を添加して溶解した原料液を30リッ
トル/hrの供給速度で25リットルの内容積の完全攪
拌混合槽型予熱器に連続的に供給し100℃まで予熱し
た後、引き続き45リットルの撹拌機付き塔型プラグフ
ロー反応器である第1反応器に連続的に装入して重合し
た。第一反応器内の重合温度は、100〜115℃の範
囲で流れ方向に沿って温度が高くなるような温度勾配が
生じるように調節した。予熱器の出口では、原料中のモ
ノマーに対するスチレンの重合転化率は2. 1%でしか
もゴム状重合体はまだ相反転していない状態であった。
又第1反応器で撹拌しながら重合した結果、第1反応器
の出口では重合液は相反転が終了した状態であった。次
いで、内容積50リットルのスタティックミキサー型プ
ラグフロー反応器を3基直列に配置した第2反応器に上
記重合液を連続的に装入して重合を継続してスチレンの
重合転化率88%になるまで重合を進行させ、この重合
液を3ベント付き二軸押出機において230°C の加熱
処理を施しながら減圧下で揮発性成分を除去した後にペ
レット化した。得られた樹脂の物性値を表1 に示す。
【0022】実施例2 前記実施例1において、スチレン91重量部、スチレン
ーブタジェンゴム(SV値350cp、スチレン含有量
5wt%)6重量部、ポリスチレン3重量部を溶解した
混合液(Ps/R=0.5)を使用し、原料液100重
量部に対して重合開始剤の1,1−ジーtertーブチ
ルパーオキシシクロヘキサン0.02重量部を予熱器出
口の原料溶液に添加したこと以外は全て実施例1と同じ
条件で実験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。
【0023】比較例1 前記実施例1において、スチレン94重量部、スチレン
ーブタジェンゴム(SV値350cp、スチレン含有量
5wt%)6重量部を溶解した混合液を使用したこと以
外は、全て実施例1と同じ条件で実験した。得られた樹
脂の物性値を表1に示す。原料中にポリスチレンを添加
しなかった結果、ゴム粒子系分布が悪くなり、また曲げ
弾性率が低下している。
【0024】実施例3 前記実施例1において、スチレン89.5重量部、ハイ
シスポリブタジエンゴム(SV値170cp)3.5 重量
部、ポリスチレン7重量部を溶解した混合液(Ps/R
=2)を使用し、混合液100重量部に対して、エチル
ベンゼン10重量部とn−ドデシルメルカプタン0.0
15重量部を添加して溶解した原料液を使用したこと以
外は、全て実施例.1と同じ条件で実験した。得られた樹
脂の物性値を表1に示す。
【0025】実施例4 前記実施例1において、スチレン93重量部、スチレン
ーブタジェンゴム(SV値350cp、スチレン含有量
5wt%)3.5重量部、ポリスチレン3.5重量部を
溶解した混合液を使用し、混合液100重量部に対し
て、エチルベンゼン15重量部とn−ドデシルメルカプ
タン0.015重量部を添加して溶解した原料液(Ps
/R=1)を使用したこと以外は、全て実施例1と同じ
条件で実験した。得られた樹脂の物性値を表1 に示す。
【0026】比較例2 前記実施例1において、スチレン82.5重量部、ロー
シスポリブタジエンゴム(SV値170cp)3.5重
量部、ポリスチレン14重量部を溶解した混合液(Ps
/R=4)を使用し、混合液100重量部に対して、エ
チルベンゼン10重量部とn−ドデシルメルカプタン
0.015重量部を添加して溶解した原料液を使用した
こと以外は、全て実施例.1と同じ条件で実験した。得ら
れた樹脂の物性値を表1に示す。原料中のポリスチレン
添加量が本発明の範囲を越えているため、IZ強度が低
下している。
【0027】実施例5 前記実施例1において、スチレン66重量部、スチレン
ーブタジェンゴム(SV値25cp、スチレン含有量4
wt%)9重量部、ポリスチレン25重量部を溶解した
混合液(Ps/R=2.8)を使用し、混合液100重
量部に対して、エチルベンゼン25重量部とn−ドデシ
ルメルカプタン0.015重量部を添加して溶解した原
料液を使用したこと以外は全て実施例1と同じ条件で実
験した。得られた樹脂の物性値を表1に示す。
【0028】実施例6 前記実施例1において、スチレン73重量部、スチレン
ーブタジェンゴム(SV値25cp、スチレン含有量4
wt%)4.5重量部、ローシスポリブタジエンゴム
(SV値85cp)4.5重量部、ポリスチレン18重
量部を溶解した混合液(Ps/R=2)を使用し、混合
液100重量部に対して、エチルベンゼン25重量部と
n−ドデシルメルカプタン0.015重量部と1,1−
ジーtertーブチルパーオキシシクロヘキサン0.0
4重量部を添加して溶解した原料液を使用したこと以外
は、全て実施例.1と同じ条件で実験した。スチレンーブ
タジェンゴム(SV値25cps、スチレン含有量4w
t%)と、ローシスポリブタジエンゴム(SV値85c
ps)を1対1の重量比率で混合して測定したときのゴ
ムのSV値は45cpであった。 得られた樹脂の物性
値を表1に示す。
【表1】
【0029】 ( 表1の続き) ┌────────┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐ │実施例又は比較例│実-1│実-2│比-1│実-3│実-4│比-2│実-5│実-6│ ├────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │製品中のゴム粒子│2.3 │2.5 │2.3 │2.2 │2.5 │2.8 │2.2 │2 │ │平均径:μ │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │ゴム粒子径分布 │1.45│1.43│1.71│1.5 │1.46│1.45│1.48│1.5 │ │(Dw/Dn) │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │IZOD衝撃強度 │8.5 │ 9 │8.5 │5.1 │5.5 │3.3 │14 │14.8│ │ Kgfcm/cm2 │ │ │ │ │ │ │ │ │ ├────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤ │曲げ弾性率 │227 │220 │197 │259 │255 │260 │194 │186 │ │Kgf/mm2 │ │ │ │ │ │ │ │ │ └────────┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘
【0030】比較例3 前記実施例1において、スチレン66重量部、スチレン
ーブタジェンゴム(SV値25cps、スチレン含有量
4wt%)9重量部、ポリスチレン25重量部を溶解し
た混合液(Ps/R=2.8)を使用し、混合液100
重量部に対して、エチルベンゼン25重量部とn−ドデ
シルメルカプタン0.015重量部を添加して溶解した
原料液を使用したことと、予熱器による予熱温度を11
0℃としたこと以外は、全て実施例1と同じ条件で実験
した。予熱器出口における原料溶液は、すでに一部のゴ
ム状重合体が分散粒子化した状態であった。得られた樹
脂の物性値を表2に示す。ゴム粒子系分布が悪くなり、
また曲げ弾性率が低下している。
【0031】比較例4 スチレン88重量部、ローシスポリブタジエンゴム(S
V値170cps)6重量部、ポリスチレン6重量部を
溶解した混合液(Ps/R=1)100重量部に対し
て、エチルベンゼン10重量部とn−ドデシルメルカプ
タン0.015重量部を添加して溶解した原料液を30
リットル/hrの供給速度で25リットルの内容積の完
全混合槽型予熱器に連続的に供給し100℃まで予熱し
た後、引き続き49リットルの完全混合槽型反応器であ
る第1反応器に連続的に全量装入して重合した。第一反
応器内の重合温度は、125℃に調節した。予熱器の出
口では、ゴム状重合体はまだ相反転していない状態であ
り、第1反応器で撹拌しながら重合した結果、第1反応
器の出口では重合液は相反転が終了した状態であった。
次いで、内容積50リットルのスタティックミキサー型
プラグフロー反応器を3基直列に配置した第2反応器に
上記重合液を連続的に全量装入して重合を継続してスチ
レンの重合転化率86%になるまで重合を進行させ、こ
の重合液を3ベント付き二軸押出機において230℃の
加熱処理を施しながら減圧下で揮発性成分を除去した後
にペレット化した。得られた樹脂の物性値を表2に示
す。完全混合槽型反応器である第1反応器で相反転した
ために、ゴム粒子系分布が悪く、Izod強度も低下し
ている。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】本発明方法によれば、ゴム粒子径分布が
狭く衝撃強度と弾性率のバランスに優れたゴム変成スチ
レン系樹脂を容易に製造することができその産業上の有
用性は多大なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−233117(JP,A) 特開 平3−162407(JP,A) 特開 昭63−113009(JP,A) 特開 平5−239159(JP,A) 特公 昭62−34327(JP,B1) 米国特許3144420(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/00 - 279/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族モノビニル系単量体が60〜95重
    量%、ゴム状重合体が3〜10重量%及びポリスチレン
    重合体が2〜30重量%の範囲内で混合溶解したもので
    あって, 当該混合溶液中のゴム状重合体の含有率R(w
    t%)とポリスチレン重合体の含有率P(wt%)の関
    係が、0.2<P/R<3を満足し且つゴム相反転前の
    状態を保つように調整した混合溶液100重量部に対し
    て溶剤0〜30重量部を配合してなる原料溶液を予熱器
    にて70〜120℃まで、芳香族モノビニル系単量体の
    重合転化率が10重量%を越えない範囲内でしかもゴム
    相反転前の条件を維持できるように予備加熱処理を行っ
    た後、プラグフロー型反応器の一端から連続的に送入し
    て重合反応を継続しながらゴム相反転を行い所定の分散
    ゴム粒子を形成させ、他端から抜き出される重合溶液を
    引き続き後続のプラグフロー型反応器に供給して重合転
    化率を高めた後に脱揮処理して未反応単量体及び溶媒等
    の除去を行うことを特徴とするゴム変成スチレン系樹脂
    の製造方法。
  2. 【請求項2】ゴム状重合体はその90重量%以上が25
    ℃における5wt%スチレン溶液粘度(SV値)が、1
    0cp〜500cpの範囲からなるポリブタジエンゴム
    及び/又はスチレンーブタジエンゴムである請求項1記
    載のゴム変成スチレン系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】予備加熱処理を行った後の原料溶液100
    重量部に対して、有期過酸化物0.01〜0.2重量部
    を添加してプラグフロー型反応器へ送入する請求項1記
    載のゴム変成スチレン系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】混合するポリスチレン重合体の還元粘度
    (η)が、0.6<η<1.4の範囲を満足する請求項
    1記載のゴム変成スチレン系樹脂の製造方法。
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