JP2003041978A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2003041978A JP2001226415A JP2001226415A JP2003041978A JP 2003041978 A JP2003041978 A JP 2003041978A JP 2001226415 A JP2001226415 A JP 2001226415A JP 2001226415 A JP2001226415 A JP 2001226415A JP 2003041978 A JP2003041978 A JP 2003041978A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止中のコモンレール圧を適切な値
にする。詳細には、エンジン自動停止・再始動装置が作
動されることによってエンジンが停止されるときのエン
ジンの再始動性を向上させつつ、エンジン自動停止・再
始動装置が作動されることなくエンジンが停止されると
きにコモンレール内の燃料が漏れてしまうのを回避す
る。 【解決手段】 燃費を向上させるためにエンジンを自動
的に停止しかつエンジンを自動的に再始動するエンジン
自動停止・再始動装置が作動されることなくエンジンが
停止されるときにはコモンレール3内の圧力を減少さ
せ、エンジン自動停止・再始動装置が作動されることに
よってエンジンが停止されるときには、エンジン自動停
止・再始動装置が作動されることなくエンジンが停止さ
れるときのコモンレール圧の減少量よりもコモンレール
3内の圧力の減少量を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料噴射
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加圧された燃料を蓄圧するための
コモンレールを具備し、エンジンの再始動性を向上させ
るようにした内燃機関の燃料噴射制御装置が知られてい
る。この種の内燃機関の燃料噴射制御装置の例として
は、例えば特開平10−89178号公報に記載された
ものがある。特開平10−89178号公報に記載され
た内燃機関の燃料噴射制御装置では、エンジン停止時に
コモンレール圧を減少させないことにより、エンジンの
再始動性を向上させている。詳細には、特開平10−8
9178号公報に記載された内燃機関の燃料噴射制御装
置では、エンジン停止後にコモンレール圧が所定の設定
圧に維持される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに特開平10−89178号公報に記載された内燃機
関の燃料噴射制御装置では、例えばイグニッションスイ
ッチがオフにされてエンジンが停止された後において
も、コモンレール圧は、ゼロまで減少されず、所定の設
定圧に維持される。そのため、例えば内燃機関の燃料噴
射制御装置が故障したときには、コモンレール内の燃料
が漏れてしまうおそれがある。また例えば、その所定の
設定圧が比較的高い値に設定されている場合には、エン
ジン再始動時に燃焼音が大きくなったり、HC発生量が
多くなったりするのに伴って燃焼が悪化してしまうおそ
れがある。
【0004】前記問題点に鑑み、本発明はエンジン停止
中のコモンレール圧を適切な値にすることができる内燃
機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
詳細には、例えばイグニッションスイッチがオフにされ
てエンジンが停止された後に内燃機関の燃料噴射制御装
置の故障によってコモンレール内の燃料が漏れてしまう
のを回避することができる内燃機関の燃料噴射制御装置
を提供することを目的とする。また、エンジン再始動時
にコモンレール圧が高いために燃焼が悪化してしまうの
を抑制することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、加圧された燃料を蓄圧するためのコモンレール
を具備し、エンジンの再始動性を向上させるようにした
内燃機関の燃料噴射制御装置において、燃費を向上させ
るためにエンジンを自動的に停止しかつエンジンを自動
的に再始動するエンジン自動停止・再始動装置を具備
し、エンジン自動停止・再始動装置が作動されることな
くエンジンが停止されるときにはコモンレール圧を減少
させ、エンジン自動停止・再始動装置が作動されること
によってエンジンが停止されるときには、エンジン自動
停止・再始動装置が作動されることなくエンジンが停止
されるときのコモンレール圧の減少量よりもコモンレー
ル圧の減少量を少なくすることを特徴とする内燃機関の
燃料噴射制御装置が提供される。
【0006】請求項2に記載の発明によれば、エンジン
自動停止・再始動装置が作動されることによってエンジ
ンが停止されるのか否かに応じてエンジン停止中のコモ
ンレール圧を切換えることを特徴とする請求項1に記載
の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
【0007】請求項1及び2に記載の内燃機関の燃料噴
射制御装置では、燃費を向上させるためにエンジンを自
動的に停止しかつエンジンを自動的に再始動するエンジ
ン自動停止・再始動装置が設けられ、エンジン自動停止
・再始動装置が作動されることなくエンジンが停止され
るときにはコモンレール圧が減少される。そのため、例
えばイグニッションスイッチがオフにされてエンジンが
停止されるときのような、エンジン自動停止・再始動装
置が作動されることなくエンジンが停止されるときにコ
モンレール圧が減少されないのに伴って、例えば内燃機
関の燃料噴射制御装置の故障時にコモンレール内の燃料
が漏れてしまうのを回避することができる。また、エン
ジン自動停止・再始動装置が作動されることによってエ
ンジンが停止されるときには、エンジン自動停止・再始
動装置が作動されることなくエンジンが停止されるとき
のコモンレール圧の減少量よりもコモンレール圧の減少
量が少なくされる。そのため、エンジン自動停止・再始
動装置が作動されることによってエンジンが停止される
ときにコモンレール圧が例えばゼロまで減少されるのに
伴ってエンジンの再始動性が悪化してしまうのを回避す
ることができる。つまり、エンジン自動停止・再始動装
置が作動されることによってエンジンが停止されるのか
否かに応じてエンジン停止中のコモンレール圧が切換え
られるため、エンジン自動停止・再始動装置が作動され
ることによってエンジンが停止されるのか否かに応じて
エンジン停止中のコモンレール圧を適切な値にすること
ができる。詳細には、エンジン自動停止・再始動装置が
作動されることによってエンジンが停止されるときのエ
ンジンの再始動性を向上させつつ、エンジン自動停止・
再始動装置が作動されることなくエンジンが停止される
ときにコモンレール内の燃料が漏れてしまうのを回避す
ることができる。
【0008】請求項3に記載の発明によれば、加圧され
た燃料を蓄圧するためのコモンレールを具備し、エンジ
ンの再始動性を向上させるようにした内燃機関の燃料噴
射制御装置において、エンジン停止中にコモンレール圧
をゼロまで減少させないことが要求されるときであっ
て、コモンレール圧が目標値よりも高いときには、コモ
ンレール圧を所定量だけ減少させることを特徴とする内
燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
【0009】請求項4に記載の発明によれば、燃費を向
上させるためにエンジンを自動的に停止しかつエンジン
を自動的に再始動するエンジン自動停止・再始動装置を
具備し、エンジン自動停止・再始動装置を作動してエン
ジンを停止させることが要求されるときであって、コモ
ンレール圧が目標値よりも高いときには、コモンレール
圧を所定量だけ減少させることを特徴とする請求項3に
記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
【0010】請求項3及び4に記載の内燃機関の燃料噴
射制御装置では、エンジンの再始動性を向上させるため
にはエンジン停止中にコモンレール圧を比較的高い値に
しておくことが好ましいものの、例えば高速走行直後に
エンジンが停止される場合など、エンジン停止時のコモ
ンレール圧がかなり高い場合においてもエンジン停止中
にコモンレール圧が減少されないと、エンジン再始動時
に、コモンレール圧が高すぎるために燃焼音が大きくな
ったりHCの発生量が多くなったりするおそれがある点
に鑑み、エンジン停止中にコモンレール圧をゼロまで減
少させないことが要求されるときであってコモンレール
圧が目標値よりも高いときには、コモンレール圧が所定
量だけ減少される。詳細には、エンジンを自動的に停止
しかつエンジンを自動的に再始動するエンジン自動停止
・再始動装置を作動してエンジンを停止させることが要
求されるときであってコモンレール圧が目標値よりも高
いときには、コモンレール圧が所定量だけ減少される。
それゆえ、エンジン再始動時のコモンレール圧が高いた
めにエンジン再始動時に燃焼音が大きくなったりHC発
生量が多くなったりするのを回避することができる。つ
まり、エンジン停止中のコモンレール圧を適切な値にす
ることにより、エンジン再始動時に燃焼が悪化してしま
うのを抑制することができる。
【0011】請求項5に記載の発明によれば、エンジン
停止中にコモンレール圧をゼロまで減少させないことが
要求されるときであって、コモンレール圧が目標値より
も高いときには、エンジンを停止させた後にコモンレー
ル圧を所定量だけ減少させることを特徴とする請求項3
に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供される。
【0012】請求項6に記載の発明によれば、エンジン
自動停止・再始動装置を作動してエンジンを停止させる
ことが要求されるときであって、コモンレール圧が目標
値よりも高いときには、エンジンを停止させた後にコモ
ンレール圧を所定量だけ減少させることを特徴とする請
求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置が提供され
る。
【0013】請求項5及び6に記載の内燃機関の燃料噴
射制御装置では、エンジン停止前にコモンレール圧が減
少される場合にはコモンレール圧を減少させている間に
燃料が消費されてしまう点に鑑み、エンジン停止中にコ
モンレール圧をゼロまで減少させないことが要求される
ときであって、コモンレール圧が目標値よりも高いとき
には、エンジンを停止させた後にコモンレール圧が所定
量だけ減少される。詳細には、エンジン自動停止・再始
動装置を作動してエンジンを停止させることが要求され
るときであって、コモンレール圧が目標値よりも高いと
きには、エンジンを停止させた後にコモンレール圧が所
定量だけ減少される。つまり、エンジンを停止させた後
にコモンレール圧が減少される。そのため、エンジン停
止前にコモンレール圧が減少されるのに伴って燃費が悪
化してしまうのを回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。
【0015】図1は本発明の内燃機関の燃料噴射制御装
置の第一の実施形態の概略構成図である。図1におい
て、1はエンジン本体、2は加圧された燃料を噴射する
ための燃料噴射弁、3は加圧された燃料を蓄圧するため
のコモンレールである。燃料は燃料ポンプ(図示せず)
によって加圧されてコモンレール3に供給される。4は
コモンレール3内の圧力を減少させるための減圧弁、5
はスロットル弁、6はインタークーラ、7はターボチャ
ージャ、8は排気ガス浄化用触媒、9はEGR通路、1
0はEGR制御弁である。11はコモンレール3内の圧
力を検出するためのコモンレール圧センサ、12は車速
センサ、13はイグニッションスイッチ、14はECU
(電子制御装置)である。
【0016】第一の実施形態の内燃機関の燃料噴射制御
装置には、燃費を向上させるためにエンジンを自動的に
停止しかつエンジンを自動的に再始動するエンジン自動
停止・再始動機能が備えられている。例えば車両が信号
で停止するのに伴って車速がゼロになった場合であっ
て、ドライバがイグニッションスイッチをONからOF
Fに切換えない場合には、エンジン自動停止・再始動機
能が作動される。詳細には、エンジンが自動的に停止
し、次いでドライバが車両を発進しようとする時にエン
ジンが自動的に再始動する。一方、例えば車両が停止し
て車速がゼロになった場合であっても、ドライバがイグ
ニッションスイッチをONからOFFに切換える場合に
は、エンジン自動停止・再始動機能が作動されず、ドラ
イバの要求に応じてエンジンが停止する。この場合、エ
ンジンは自動的に再始動せず、ドライバがスタータを作
動するまでエンジンは再始動しない。
【0017】図2はエンジン自動停止・再始動機能を備
えた第一の実施形態の内燃機関の燃料噴射制御装置にお
けるコモンレール圧制御方法を示した図である。図2に
示すルーチンは所定時間間隔で実行される。図2に示す
ように、このルーチンが開始されると、まずステップ1
00において、エンジンを停止させることが要求されて
いるか否かが判断される。エンジンを停止させることが
要求されているときにはステップ101に進み、エンジ
ンを停止させることが要求されていないときには、この
ルーチンを終了する。ステップ102では、上述したエ
ンジン自動停止・再始動機能が作動されることによって
エンジンを停止させることが要求されているか否かが判
断される。
【0018】エンジン自動停止・再始動機能が作動され
ることなくエンジンが停止されるときには、仮にエンジ
ン停止中に内燃機関の燃料噴射制御装置が故障した場合
に高圧のコモンレール3から燃料が漏れてしまうのを回
避する必要があると判断し、ステップ102に進む。一
方、エンジン自動停止・再始動機能が作動されることに
よってエンジンが停止されるときときには、コモンレー
ル3内の圧力が減少されるのに伴ってエンジン再始動時
における始動性が悪化してしまうのを回避する必要があ
ると判断し、ステップ103に進む。ステップ102で
は、減圧弁4が駆動され、仮にエンジン停止中に内燃機
関の燃料噴射制御装置が故障した場合であってもコモン
レール3から燃料が漏れないようにコモンレール3内の
圧力が減少される。ステップ103では、減圧弁4が駆
動されず、コモンレール3内の圧力が減少されるのに伴
ってエンジン再始動時における始動性が悪化しないよう
にコモンレール3内の圧力が維持される。
【0019】つまり、第一の実施形態では、エンジン自
動停止・再始動機能が作動されることによってエンジン
が停止されるのか否かに応じてエンジン停止中のコモン
レール3内の圧力が切換えられる。すなわち、エンジン
自動停止・再始動機能が作動されることによってエンジ
ンが停止されるのか否かに応じてコモンレール3内の圧
力が適切な値にされる。また、第一の実施形態では、ス
テップ103において減圧弁4が全く駆動されず、コモ
ンレール3内の圧力が維持されているが、第一の実施形
態の変形例では、代わりにステップ103において、ス
テップ102におけるコモンレール3内の圧力の減少量
よりもコモンレール3内の圧力の減少量が少なくなるよ
うに減圧弁4を駆動することも可能である。
【0020】図3はコモンレール内の圧力と時間との関
係を示した図である。詳細には図3(A)は図2のステ
ップ103が実行されず、コモンレール内の圧力がゼロ
まで減少された場合のコモンレール内の圧力と時間との
関係を示した図である。図3(B)は図2のステップ1
03が実行されることによりエンジン停止中にコモンレ
ール内の圧力が減少されることなく維持されていた場合
のコモンレール内の圧力と時間との関係を示した図であ
る。図3(A)及び図3(B)において、時間t1はエ
ンジンを再始動させるために燃料噴射弁2から燃料を噴
射すべき要求が出されるタイミングを示しており、時間
t2は時間t1に開始された気筒判別が終了するタイミ
ングを示している。図3(A)に示すように、エンジン
停止中にコモンレール3内の圧力がゼロまで減少されて
しまうと、時間t1に燃料を噴射すべき要求が出されて
からコモンレール3内の圧力が噴射可能コモンレール圧
よりも高くなるまでに時間を要してしまうため、燃料が
噴射されてエンジンが再始動されるのは時間t3になっ
てしまう。一方、図3(B)に示すように、ステップ1
03が実行されてエンジン停止中にコモンレール3内の
圧力が噴射可能コモンレール圧よりも高い圧力に維持さ
れていると、気筒判別が終了する時間t2に燃料を噴射
してエンジンを再始動させることができる。
【0021】第一の実施形態によれば、燃費を向上させ
るためにエンジンを自動的に停止しかつエンジンを自動
的に再始動するエンジン自動停止・再始動機能が備えら
れ、エンジン自動停止・再始動機能が作動されることな
くエンジンを停止させることが要求されるとステップ1
00及びステップ101において判断されたときには、
ステップ102においてコモンレール3内の圧力が減少
される。そのため、例えばイグニッションスイッチ13
がオフにされてエンジンが停止されるときのような、エ
ンジン自動停止・再始動機能が作動されることなくエン
ジンが停止されるときにコモンレール3内の圧力が減少
されないのに伴って、例えば内燃機関の燃料噴射制御装
置の故障時にコモンレール3内の燃料が漏れてしまうの
を回避することができる。また、エンジン自動停止・再
始動機能が作動されることによってエンジンを停止させ
ることが要求されるとステップ100及びステップ10
1において判断されたときには、ステップ103におい
て、エンジン自動停止・再始動機能が作動されることな
くエンジンが停止されるときのコモンレール3内の圧力
の減少量よりもコモンレール3内の圧力の減少量が少な
くされる。詳細には、コモンレール3内の圧力が減少さ
れることなく維持される。そのため、エンジン自動停止
・再始動機能が作動されることによってエンジンが停止
されるときにコモンレール3内の圧力が例えばゼロまで
減少されるのに伴ってエンジンの再始動性が悪化してし
まうのを回避することができる。つまり、ステップ10
2又はステップ103において、エンジン自動停止・再
始動機能が作動されることによってエンジンが停止され
るのか否かに応じてエンジン停止中のコモンレール3内
の圧力が切換えられるため、エンジン自動停止・再始動
機能が作動されることによってエンジンが停止されるの
か否かに応じてエンジン停止中のコモンレール3内の圧
力を適切な値にすることができる。詳細には、ステップ
103を実行することにより、エンジン自動停止・再始
動機能が作動されることによってエンジンが停止される
ときのエンジンの再始動性を向上させつつ、ステップ1
02を実行することにより、エンジン自動停止・再始動
機能が作動されることなくエンジンが停止されるときに
コモンレール3内の燃料が漏れてしまうのを回避するこ
とができる。
【0022】以下、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装
置の第二の実施形態について説明する。第二の実施形態
の構成は、後述する点を除き、上述した第一の実施形態
の構成とほぼ同様である。図4はエンジン自動停止・再
始動機能を備えた第二の実施形態の内燃機関の燃料噴射
制御装置におけるコモンレール圧制御方法を示した図で
ある。図4に示すルーチンは所定時間間隔で実行され
る。図4に示すように、このルーチンが開始されると、
まずステップ200において、エンジン自動停止・再始
動機能を作動することによってエンジンを停止させるこ
とが要求されているか否かが判断される。つまりステッ
プ200において、エンジン自動停止・再始動機能を作
動し、コモンレール3内の圧力を減少させることなく維
持してエンジンを停止させることが要求されているか否
かが判断される。YESのときにはステップ201に進
み、NOのときには、このルーチンを終了する。
【0023】ステップ201では、コモンレール圧セン
サ11により検出された実際のコモンレール圧が目標コ
モンレール圧よりも高いか否かが判断される。実際のコ
モンレール圧が目標コモンレール圧よりも高いときに
は、コモンレール圧が高いために燃焼音が大きくなった
りHCの発生量が多くなったりするのを回避する必要が
あると判断し、ステップ202に進む。一方、実際のコ
モンレール圧が目標コモンレール圧以下のときには、燃
焼音が大きくなったりHCの発生量が多くなったりする
おそれがないと判断し、ステップ204に進む。詳細に
は、エンジン自動停止・再始動機能を作動することによ
ってエンジンを自動的に停止し、次いでエンジン停止中
に図1に示したようにコモンレール3内の圧力を減少さ
せることなく維持し、次いでエンジンを再始動させて
も、燃焼音が大きくなったりHCの発生量が多くなった
りするおそれがないと判断し、ステップ204に進む。
【0024】ステップ202では、エンジン自動停止・
再始動機能の作動が禁止される。詳細には、コモンレー
ル3内の圧力を減少させることなく維持してエンジンを
停止させることが禁止される。次いでステップ203で
は、減圧弁4が駆動され、コモンレール3内の圧力が減
少される。ステップ203においてコモンレール3内の
圧力が減少されて実際のコモンレール圧が目標コモンレ
ール圧以下になると、次に図4に示すルーチンが実行さ
れるときにステップ201においてNOと判断され、ス
テップ204においてエンジン自動停止・再始動機能の
作動が許容され、コモンレール3内の圧力を減少させる
ことなく維持してエンジンが停止される。
【0025】つまり第二の実施形態では、エンジン自動
停止・再始動機能が作動されることによってエンジンが
停止される前にステップ203においてコモンレール3
内の圧力が減少される。すなわち、エンジン自動停止・
再始動機能が作動されることによってエンジンが再始動
される前にステップ203においてコモンレール3内の
圧力が減少される。
【0026】第二の実施形態によれば、エンジンの再始
動性を向上させるためにはエンジン停止中にコモンレー
ル3内の圧力を比較的高い値にしておくことが好ましい
ものの、例えば高速走行直後にエンジンが停止される場
合など、エンジン停止時のコモンレール3内の圧力がか
なり高い場合においてもエンジン停止中にコモンレール
3内の圧力が減少されないと、エンジン再始動時に、コ
モンレール3内の圧力が高すぎるために燃焼音が大きく
なったりHCの発生量が多くなったりするおそれがある
点に鑑み、エンジン停止中にコモンレール3内の圧力を
ゼロまで減少させないことが要求されるときであってコ
モンレール圧が目標コモンレール圧よりも高いときに
は、ステップ203においてコモンレール圧が所定量だ
け減少される。詳細には、ステップ200においてエン
ジン自動停止・再始動装置を作動してエンジンを停止さ
せることが要求されていると判断され、かつ、ステップ
201において実際のコモンレール圧が目標コモンレー
ル圧よりも高いと判断されたときには、ステップ203
において減圧弁4が駆動され、コモンレール圧が所定量
だけ減少される。それゆえ、エンジン再始動時のコモン
レール圧が高いためにエンジン再始動時に燃焼音が大き
くなったりHC発生量が多くなったりするのを回避する
ことができる。つまり、エンジン停止中のコモンレール
圧を適切な値にすることにより、エンジン再始動時に燃
焼が悪化してしまうのを抑制することができる。
【0027】上述した第二の実施形態にはエンジン自動
停止・再始動機能が設けられているが、第二の実施形態
の変形例では、エンジン自動停止・再始動機能を排除す
ることも可能である。第二の実施形態の変形例において
も、エンジン停止中にコモンレール圧をゼロまで減少さ
せないことが要求されるときであって、実際のコモンレ
ール圧が目標コモンレール圧よりも高いとき、エンジン
が再始動される前にコモンレール圧を所定量だけ減少さ
せることにより、エンジン再始動時のコモンレール圧が
高いためにエンジン再始動時に燃焼音が大きくなったり
HC発生量が多くなったりするのを回避することができ
る。
【0028】以下、本発明の内燃機関の燃料噴射制御装
置の第三の実施形態について説明する。第三の実施形態
の構成は、後述する点を除き、上述した第一及び第二の
実施形態の構成とほぼ同様である。図5はエンジン自動
停止・再始動機能を備えた第三の実施形態の内燃機関の
燃料噴射制御装置におけるコモンレール圧制御方法を示
した図である。図5に示すルーチンは所定時間間隔で実
行される。図5に示すように、このルーチンが開始され
ると、まずステップ300において、エンジン自動停止
・再始動機能を作動することによってエンジンを停止さ
せることを許容するエンジン自動停止・再始動フラグが
ONになっているか否かが判断される。つまりステップ
300において、エンジン自動停止・再始動機能を作動
し、コモンレール3内の圧力を減少させることなく維持
してエンジンを停止させることを許容するエンジン自動
停止・再始動フラグがONになっているか否かが判断さ
れる。YESのときにはステップ301に進み、NOの
ときには、このルーチンを終了する。
【0029】ステップ301ではエンジンが停止され
る。詳細には、エンジン自動停止・再始動機能が作動さ
れ、コモンレール3内の圧力を減少させることなく維持
してエンジンが停止される。次いでステップ201で
は、第二の実施形態と同様に、コモンレール圧センサ1
1により検出された実際のコモンレール圧が目標コモン
レール圧よりも高いか否かが判断される。実際のコモン
レール圧が目標コモンレール圧よりも高いときには、コ
モンレール圧が高いために燃焼音が大きくなったりHC
の発生量が多くなったりするのを回避する必要があると
判断し、ステップ203に進む。一方、実際のコモンレ
ール圧が目標コモンレール圧以下のときには、燃焼音が
大きくなったりHCの発生量が多くなったりするおそれ
がないと判断し、このルーチンを終了する。詳細には、
ステップ301においてエンジン自動停止・再始動機能
を作動することによってコモンレール圧が減少されるこ
となく維持されてエンジンが停止され、次いで不図示の
ステップにおいてそのコモンレール圧の下でエンジンが
再始動されても、燃焼音が大きくなったりHCの発生量
が多くなったりするおそれがないと判断し、ステップ2
03に進む。
【0030】ステップ203では、第二の実施形態と同
様に、減圧弁4が駆動され、コモンレール3内の圧力が
減少される。ステップ203においてコモンレール3内
の圧力が減少されて実際のコモンレール圧が目標コモン
レール圧以下になると、次いで不図示のステップにおい
てそのコモンレール圧の下でエンジンが再始動されて
も、燃焼音が大きくなったりHCの発生量が多くなった
りしない。
【0031】つまり第三の実施形態では、第二の実施形
態とは異なり、ステップ301においてエンジン自動停
止・再始動機能が作動されることによってエンジンが停
止された後にステップ203においてコモンレール3内
の圧力が減少される。但し、第二の実施形態と同様に、
エンジン自動停止・再始動機能が作動されることによっ
てエンジンが再始動される前にステップ203において
コモンレール3内の圧力は減少される。
【0032】第三の実施形態によれば、エンジン停止中
にコモンレール3内の圧力をゼロまで減少させないこと
が要求されるときであってコモンレール圧が目標コモン
レール圧よりも高いときには、ステップ203において
コモンレール圧が所定量だけ減少される。詳細には、ス
テップ300においてエンジン自動停止・再始動装置を
作動してエンジンを停止させることが要求されていると
判断され、かつ、ステップ201において実際のコモン
レール圧が目標コモンレール圧よりも高いと判断された
ときには、ステップ203において減圧弁4が駆動さ
れ、コモンレール圧が所定量だけ減少される。それゆ
え、エンジン再始動時のコモンレール圧が高いためにエ
ンジン再始動時に燃焼音が大きくなったりHC発生量が
多くなったりするのを回避することができる。つまり、
エンジン停止中のコモンレール圧を適切な値にすること
により、エンジン再始動時に燃焼が悪化してしまうのを
抑制することができる。
【0033】更に第三の実施形態によれば、第二の実施
形態のようにエンジン停止前に燃料噴射を利用してコモ
ンレール圧が減少される場合にはコモンレール圧を減少
させている間に燃料が消費されてしまう点に鑑み、エン
ジン停止中にコモンレール圧をゼロまで減少させないこ
とが要求されるときであって、実際オンコモンレール圧
が目標コモンレール圧よりも高いときには、ステップ3
01においてエンジンを停止させた後、ステップ203
において減圧弁4が駆動され、コモンレール圧が所定量
だけ減少される。詳細には、ステップ300においてエ
ンジン自動停止・再始動装置を作動してエンジンを停止
させることが要求されかつ許容されていると判断され、
かつ、ステップ201において実際のコモンレール圧が
目標コモンレール圧よりも高いと判断されたときには、
ステップ301においてエンジンが停止された後にステ
ップ203においてコモンレール圧が所定量だけ減少さ
れる。つまり、エンジンを停止させた後にコモンレール
圧が減少される。そのため、エンジン停止前にコモンレ
ール圧が減少されるのに伴って燃費が悪化してしまうの
を回避することができる。
【0034】上述した第三の実施形態にはエンジン自動
停止・再始動機能が設けられているが、第三の実施形態
の変形例では、エンジン自動停止・再始動機能を排除す
ることも可能である。第三の実施形態の変形例において
も、エンジン停止中にコモンレール圧をゼロまで減少さ
せないことが要求されるときであって、実際のコモンレ
ール圧が目標コモンレール圧よりも高いとき、エンジン
が再始動される前にコモンレール圧を所定量だけ減少さ
せることにより、エンジン再始動時のコモンレール圧が
高いためにエンジン再始動時に燃焼音が大きくなったり
HC発生量が多くなったりするのを回避することができ
る。また、エンジン停止中にコモンレール圧をゼロまで
減少させないことが要求されるときであって、実際のコ
モンレール圧が目標コモンレール圧よりも高いとき、エ
ンジンを停止させた後にコモンレール圧を所定量だけ減
少させることにより、エンジン停止前にコモンレール圧
が減少されるのに伴って燃費が悪化してしまうのを回避
することができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1及び2に記載の発明によれば、
例えばイグニッションスイッチがオフにされてエンジン
が停止されるときのような、エンジン自動停止・再始動
装置が作動されることなくエンジンが停止されるときに
コモンレール圧が減少されないのに伴って、例えば内燃
機関の燃料噴射制御装置の故障時にコモンレール内の燃
料が漏れてしまうのを回避することができる。また、エ
ンジン自動停止・再始動装置が作動されることによって
エンジンが停止されるときにコモンレール圧が例えばゼ
ロまで減少されるのに伴ってエンジンの再始動性が悪化
してしまうのを回避することができる。つまり、エンジ
ン自動停止・再始動装置が作動されることによってエン
ジンが停止されるのか否かに応じてエンジン停止中のコ
モンレール圧が切換えられるため、エンジン自動停止・
再始動装置が作動されることによってエンジンが停止さ
れるのか否かに応じてエンジン停止中のコモンレール圧
を適切な値にすることができる。
【0036】請求項3及び4に記載の発明によれば、エ
ンジン再始動時のコモンレール圧が高いためにエンジン
再始動時に燃焼音が大きくなったりHC発生量が多くな
ったりするのを回避することができる。つまり、エンジ
ン停止中のコモンレール圧を適切な値にすることによ
り、エンジン再始動時に燃焼が悪化してしまうのを抑制
することができる。
【0037】請求項5及び6に記載の発明によれば、エ
ンジン停止前にコモンレール圧が減少されるのに伴って
燃費が悪化してしまうのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置の第一の
実施形態の概略構成図である。
【図2】エンジン自動停止・再始動機能を備えた第一の
実施形態の内燃機関の燃料噴射制御装置におけるコモン
レール圧制御方法を示した図である。
【図3】コモンレール内の圧力と時間との関係を示した
図である。
【図4】エンジン自動停止・再始動機能を備えた第二の
実施形態の内燃機関の燃料噴射制御装置におけるコモン
レール圧制御方法を示した図である。
【図5】エンジン自動停止・再始動機能を備えた第三の
実施形態の内燃機関の燃料噴射制御装置におけるコモン
レール圧制御方法を示した図である。
【符号の説明】
1…エンジン本体 2…燃料噴射弁 3…コモンレール 4…減圧弁 11…コモンレール圧センサ 12…車速センサ 13…イグニッションスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA02 AB02 AD12 BA00 BA26 BA35 CB01 CB07U CB12 CE22 DB01 DB19 DC18 DC26 3G084 BA14 CA07 DA28 EA11 EC03 FA00 FA05 FA36 3G093 BA04 BA21 BA22 CA00 DA02 DA13 DB05 EA00 FA08 FB02 3G301 HA01 HA04 JA21 KA28 LB06 NE06 PB08Z PF01Z PF16Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧された燃料を蓄圧するためのコモン
    レールを具備し、エンジンの再始動性を向上させるよう
    にした内燃機関の燃料噴射制御装置において、燃費を向
    上させるためにエンジンを自動的に停止しかつエンジン
    を自動的に再始動するエンジン自動停止・再始動装置を
    具備し、エンジン自動停止・再始動装置が作動されるこ
    となくエンジンが停止されるときにはコモンレール圧を
    減少させ、エンジン自動停止・再始動装置が作動される
    ことによってエンジンが停止されるときには、エンジン
    自動停止・再始動装置が作動されることなくエンジンが
    停止されるときのコモンレール圧の減少量よりもコモン
    レール圧の減少量を少なくすることを特徴とする内燃機
    関の燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジン自動停止・再始動装置が作動さ
    れることによってエンジンが停止されるのか否かに応じ
    てエンジン停止中のコモンレール圧を切換えることを特
    徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装
    置。
  3. 【請求項3】 加圧された燃料を蓄圧するためのコモン
    レールを具備し、エンジンの再始動性を向上させるよう
    にした内燃機関の燃料噴射制御装置において、エンジン
    停止中にコモンレール圧をゼロまで減少させないことが
    要求されるときであって、コモンレール圧が目標値より
    も高いときには、コモンレール圧を所定量だけ減少させ
    ることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 燃費を向上させるためにエンジンを自動
    的に停止しかつエンジンを自動的に再始動するエンジン
    自動停止・再始動装置を具備し、エンジン自動停止・再
    始動装置を作動してエンジンを停止させることが要求さ
    れるときであって、コモンレール圧が目標値よりも高い
    ときには、コモンレール圧を所定量だけ減少させること
    を特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御
    装置。
  5. 【請求項5】 エンジン停止中にコモンレール圧をゼロ
    まで減少させないことが要求されるときであって、コモ
    ンレール圧が目標値よりも高いときには、エンジンを停
    止させた後にコモンレール圧を所定量だけ減少させるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制
    御装置。
  6. 【請求項6】 エンジン自動停止・再始動装置を作動し
    てエンジンを停止させることが要求されるときであっ
    て、コモンレール圧が目標値よりも高いときには、エン
    ジンを停止させた後にコモンレール圧を所定量だけ減少
    させることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の燃
    料噴射制御装置。
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