JP2002518532A - 混成非イソシアネートポリウレタン網状ポリマー及びそれから製造される組成物 - Google Patents

混成非イソシアネートポリウレタン網状ポリマー及びそれから製造される組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1のシクロカーボネートオリゴマーと、少なくとも1のアミンオリゴマーとを架橋することによって形成された混成非イソシアネートポリウレタン網状ポリマーに関する。シクロカーボネートオリゴマーは、複数の末端シクロカーボネート基を含む。少なくとも1のシクロカーボネートオリゴマーは、さらに約4質量%〜約12質量%の末端エポキシ基を含む。少なくとも1のシクロカーボネートオリゴマーは、シクロカーボネート及びエポキシ反応基の両方を含むので、それから形成される網目構造は、混成非イソシアネートポリウレタン網目構造と呼ばれる。シクロカーボネートオリゴマーは、一級アミンに対して約2.0〜約5.44の平均官能性を有する。アミンオリゴマーは、一級アミン基を末端とする少なくとも1の一級アミン末端オリゴマーを含み、かつシクロカーボネート基に対して約3.0〜約3.8の平均官能性を有する。アミンオリゴマーは、アミンオリゴマーの一級アミン基と、シクロカーボネートオリゴマーのシクロカーボネート基との間の化学量論比を達成するのに必要なアミンオリゴマーの量の約0.93〜約0.99の量で存在する。形成される混成非イソシアネートポリウレタン網状ポリマーは、質量で約0.96以上のゲルフラクションを有する。本発明は、混成非イソシアネートポリウレタン網目構造の製造方法及び複合マトリックス材料としてのそれらの使用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野 本発明は、網状ポリマーに係り、さらに詳しくは、末端シクロカーボネート基
を有するオリゴマーと、末端一級アミン基を有するオリゴマーとの反応に基づい
て、混成非イソシアネートポリウレタン網目構造を製造する方法、及びそれらに
よって製造される混成網状非イソシアネートポリウレタンに関する。
【0002】 発明の背景 混成網状非イソシアネートポリウレタン材料は、オリゴマーから及び/又はイ
ソシアネート基を有する出発材料から製造される直鎖状及び網状ポリウレタンと
は、構造及び性質が全く異なる。 直鎖状及び網状ポリウレタン化合物の従来の製造方法は、末端水酸基を有する
オリゴマーと、末端イソシアネート基を有するオリゴマーとの間の反応に基づい
ている。この方法は、毒性のイソシアネートを使用し、それはさらに毒性成分で
あるホスゲンから製造されるので不利である。従来のポリウレタン製造方法の別
の主要な制限は、それが与える非常に多孔性の物質である。従来のウレタン生成
反応は湿気に敏感なので、水との望ましくない副反応によってポリウレタンの製
造の際にその中に二酸化炭素ガスが形成されてしまう。
【0003】 さらに、イソシアネートから誘導される従来のポリウレタンは、それらが分子
組成から生じる固有の弱点を有するので、多くの応用、例えば複合マトリックス
材料、マスチック等に適さない。それらのポリマー構造には、これら材料を環境
分解に対して非常に脆弱にする加水分解性の不安定な化学結合がある。例えば、
慣習的に製造されるポリウレタンマトリックス材料は、その加水分解的不安定性
及び酸及びアルカリ水溶液に対するそれらの乏しい耐薬品性によって制限される
。 ポリマーの構造を変化させることによって、機械的性能及び加水分解安定性を
高める有望な方法が、非イソシアネートポリウレタン網目構造、酸及びアルカリ
水溶液に対して低浸透性で耐薬品性が高められた変性ポリウレタンの形態で提案
されている。さらに、非イソシアネートポリウレタン網目構造は、イソシアネー
ト及びホスゲンよりもずっと環境に優しい材料を使用する合成プロセスで製造さ
れる。
【0004】 直鎖状非イソシアネートポリウレタンの調製及び性質は、M.J.Blankによって
開示されている[「ポリウレタンへの非イソシアネート経路」、第17回耐水性及
び高固体コーティングシンポジウムの予稿集、New Orleans,La,1990年2月21〜2
3日、pp.272-291]。ジヒドロキシ末端非イソシアネートポリウレタンジオール
の調製、その自己縮合、及びこのジオールとポリテトラメチレングリコール及び
ヒドロキシ終結ポリエステルのような他のジオールとの縮合が開示されている。
しかし、この出版物は、非イソシアネートポリウレタン網目構造が形成されうる
こと、末端シクロカーボネート基を有する反応物を用いて非イソシアネートポリ
ウレタン網目構造を形成しうること、又は末端一級アミン基を有する反応物を用
いて非イソシアネートポリウレタン網目構造を形成できることについては教示し
ていない。 さらに、Crawfordらに対する米国特許第5,340,889号は、そこで記載されてい
るオリゴマーの二官能性シクロカーボネートオリゴマーと、アミンとの間の反応
に基づく直鎖状非イソシアネートポリウレタンの製造方法を開示している。しか
し、この方法で製造されるポリウレタンは、架橋型網目構造を欠いているので、
建築及び構造材料には使用できない。さらに、同じ理由のため、これら材料は、
酸及びアルカリ水溶液に対してほとんど化学的に耐性でない。
【0005】 従来の直鎖状ポリウレタン、従来の網状ポリウレタン及び直鎖状非イソシアネ
ートポリウレタンにおける上記欠点は、非イソシアネートポリウレタンを有する
網目構造の形成によって改善することができる。例えば、架橋又は加硫による硬
化後、網状非イソシアネートポリウレタンを、構造要素として役立つ複合材料マ
トリックスとして使用することができる。さらに、これら材料は、以下のものと
して有用である。 −コンクリート、金属及び木面の腐蝕防止及び摩耗保護用に使用できる非多孔
性モノリシックコーティング、カバーリング及びライニング; −電子デバイス及びその部品の保護用に、航空機及びロケット製造において、
かつ主として土木用途に使用可能な加水分解安定性及びガソリン安定性シーラン
ト; −全種類の材料、例えば金属、セラミック、ガラス等を接合するために使用で
きる高接着強度及び長寿の接着剤; −土木及び化学エンジニアリング用途に使用できる強化及び高充填ポリマー。
【0006】 非イソシアネートポリウレタン網目構造が有用な他の可能性のある分野として
は、バンパー、ダッシュボード、座席、装備部品、トラックの荷台及び修理パテ
のような自動車用途;コンクリート添加剤、フローリング及びクラックバリアの
ような建築用途;デッキのような船舶用途;及び電気器具、履物類、家具及び玩
具のような消費財が挙げられる。 上述したもののような用途を意図された非イソシアネーポリウレタンマトリッ
クスは、高い引張強さ及び高い相対伸びのようなかなり高レベルの機械的性質で
特徴づけられ、かつ低空隙率、高い加水分解安定性及び酸やアルカリ水溶液に対
する高い耐薬品性をも有しているにちがいない。また、これら化合物の製造プロ
セスは、それが無毒反応物を使用するので望ましい。
【0007】 米国特許第1,754,748号は、モノリシックフローリング用に使用されるエポキ
シ樹脂系複合材料について開示している。この文献の組成物は、オリゴマージシ
クロカーボネート変性剤及び硬化剤として、その変性剤のシクロカーボネート末
端基に対して一官能性であるアミノフェノールをも含む。従って、これら材料は
、マトリックスとして、オリゴマーのジシクロカーボネートとアミノフェノール
から形成される少量の直鎖状の低分子量非イソシアネートポリウレタンを固定化
するエポキシポリマー網目構造を除き、非イソシアネートポリウレタン網目構造
を含まない。
【0008】 Rappoportらの米国特許第5,175,231号は、多工程プロセスで、その構造中に非
イソシアネートポリウレタン結合を有する網目構造の形成を開示している。開示
された網目構造は、シクロカーボネートがアミンと反応し、アミンがエポキシド
と反応するという反応から形成されるが、使用される反応物及び網目形成方法は
、本発明とは全く異なっている。この特許は、第1工程で、シクロカーボネート
を有するオリゴマーがエポキシ樹脂から形成される。そして、エンドキャッピン
グ工程は、これらオリゴマーが異なる反応性を有するジアミン反応物の2個のア
ミノ基でエンドキャップされて遂行される。最後に、アミンエンドキャップオリ
ゴマーが、エポキシ樹脂と反応して架橋され、網目構造を形成する。対照的に、
本発明は、とりわけ2個のアミン基が異なる反応性を有するジアミンを必要とせ
ず、架橋させるために用いられるエポキシ樹脂も必要でない。
【0009】 発明の概要 本発明の一実施形態は、少なくとも1種のシクロカーボネートオリゴマーと、
少なくとも1種のアミンオリゴマーとを架橋して形成される混成非イソシアネー
トポリウレタン網状ポリマーに関する。シクロカーボネートオリゴマーは、複数
の末端シクロカーボネート基を含む。例えば、シクロカーボネートオリゴマーが
3個のシクロカーボネート末端基を含むときは、その官能性は3である。複数の
末端シクロカーボネート基を含むことに加えて、少なくとも1のシクロカーボネ
ートオリゴマーは、さらに、存在する末端シクロカーボネート基の質量に基づい
て約4質量%〜約12質量%の末端エポキシ基を含む。シクロカーボネートオリ
ゴマーは、一級アミンに対して約2.0〜約5.44の平均官能性を有する。非イソシ
アネートポリウレタン網目構造を形成する反応物の平均官能性の決定については
以下に詳述する。
【0010】 アミンオリゴマーは、複数の一級アミン基を末端とする少なくとも1種の一級
アミン末端オリゴマーを含み、かつシクロカーボネート基に対して約3.0〜約3.8
の平均官能性を有する。アミンオリゴマーは、アミンオリゴマーの一級アミン基
と、シクロカーボネートオリゴマーのシクロカーボネート基との化学量論比を達
成するのに必要であろうアミンオリゴマーの量の約0.93〜約0.99の量で存在する
。 少なくとも1種のシクロカーボネートオリゴマーは、シクロカーボネート基と
エポキシ反応基の両方を含むので、それらから形成される網目構造は、混成非イ
ソシアネートポリウレタン網目構造と呼ばれる。形成される混成非イソシアネー
トポリウレタン網状ポリマーは、約0.96以上のゲルフラクション、即ち、不溶性
材料の質量フラクションを有する。
【0011】 他の実施形態では、本発明は、以下の工程を含む網状非イソシアネートポリウ
レタンポリマーの製造方法に関する。 (a)複数のシクロカーボネート基を末端とする少なくとも1のオリゴマーを
選択する工程であって、そのシクロカーボネート末端オリゴマーが、さらに、存
在する末端シクロカーボネート基の質量に基づいて約4質量〜約12質量%の末
端エポキシ基を有しており、そのオリゴマーが、一級アミンに対して約2.0〜約5
.44の平均官能性を有することを特徴とする工程; (b)複数の一級アミン基を末端とする少なくとも1の他のオリゴマーを選択
する工程であって、そのアミンオリゴマーが、シクロカーボネート基に対して約
3.0〜約3.8の平均官能性を有することを特徴とする工程; (c)それらオリゴマーを、存在するアミンオリゴマーの量が、そのアミンオ
リゴマーの一級アミン基のシクロカーボネートオリゴマーのシクロカーボネート
基に対する化学量論比を達成するのに必要なアミンオリゴマーの量の約0.93〜約
0.99であるようなポットライフを有する混合物を形成するような量で混合する工
程;及び (d)前記混合物を、約10℃〜約140℃の温度で硬化させて、質量で約0.96以
上のゲルフラクションを有する混成非イソシアネートポリウレタン網状ポリマー
を形成する工程。
【0012】 本発明のさらなる実施形態は、マトリックス及び強化材を有する複合材料であ
って、混成非イソシアネートポリウレタン網目構造が、該複合材のマトリックス
中に存在することを特徴とする複合材料に関する。該複合材の強化材は、少なく
とも1の繊維強化材、少なくとも1種の粒状強化材、又はそれらの混合物であり
うる。 本発明は、付加的実施形態であって、非イソシアネートポリウレタン網目構造
の既に優れた耐薬品性が、さらになお活性フィラーとして公知の無機粉末のよう
な粒子を、網目構造に作り上げられて粒状強化複合材を形成されたオリゴマー混
合物と共に添加することによって高められ、該活性フィラーが該粒状強化材を含
み、かつ該混成非イソシアネートポリウレタン網目構造が、該複合材のマトリッ
クスを含む実施形態にも関する。
【0013】 発明の詳細な説明 非イソシアネートポリウレタン網目構造は、典型的には末端シクロカーボネー
ト基を有するオリゴマー又はオリゴマーの混合物であるシクロカーボネート反応
物と、典型的には末端一級アミン基を有するオリゴマー又はオリゴマーの混合物
である少なくとも1種の一級ジアミン及び/又はポリアミンとの間の反応によっ
て形成される。この構造内では、分子内水素結合が形成されて、非イソシアネー
トポリウレタンの加水分解安定性を高めうると考えられる。一般に、分子内水素
結合を含む物質は、同様の化学構造で、このような結合のない物質よりも1.5〜
2倍の耐薬品性を有する。
【0014】 非イソシアネートポリウレタン網目構造は、従来のポリウレタンよりも30%
〜50%化学分解に対して優れた耐性を示す。非イソシアネートポリウレタン網
目構造は、従来のポルウレタンよりも3〜4倍相対的に減少した浸透性を有する
。多孔性構造を有する従来のポリウレタンと異なり、非イソシアネートポリウレ
タン網目構造は、その形成の際に表面又はフィラー上の水分に対して感受性でな
いので、実質的に孔のない物質を形成する。それらは高度に毒性のイソシアネー
ト化合物から形成されないので、非イソシアネートポリウレタンは、一般に室温
で硬化している物質で容易かつ安全に合成できる。
【0015】 加水分解安定性が高まるメカニズムには、非イソシアネートポリウレタン網目
構造に、ウレタンカルボニル基に隣接するヒドロキシ基を導入することによる水
素結合の形成が含まれると考えられる。網状非イソシアネートポリウレタンは、
ウレタン結合を形成するためのシクロカーボネート基と、一級アミン基との反応
によって生成される。特定の理論に拘束されるものではないが、ウレタン形成反
応が起こった後、以下に示すように、分子内水素結合が、ウレタンカルボニル酸
素と、ウレタン結合のβ−炭素原子のヒドロキシ基との間に形成されて7員環構
造が形成されると考えられる。
【化12】 このような系では、安定化効果は、電荷の再分布により互変異性の共鳴構造が形
成されるために生じると考えられる。技術文献で報告されている量子力学的計算
及びIRやNMR分光学研究で、このような環の安定性が確認されている。[O.
L.Figovsky、「非金属の耐腐食性材料及びコーティングの保護特性の改善、J.Me
ndeleev Chem.Soc.,33(3):31-36(1988)を参照せよ。]
【0016】 カルボニル酸素の水素結合による「ブロック化」は、ウレタン基全体の加水分
解に対する感受性をかなり低下させる。さらに、分子内水素結合を含む物質は、
同様の化学構造でそのような結合のない物質よりも酸及びアルカリ水溶液に対し
て1.5〜2倍高い耐薬品性を示す。例えば、分子内水素結合を含む非イソシアネ
ートポリウレタン材料系接着剤の耐薬品性は、同様の化学構造でこのような結合
のない従来のポリウレタン網状接着剤以上に高い。 本発明は、混成非イソシアネートポリウレタン網目構造形成用反応物としてシ
クロカーボネートオリゴマーと、一級アミンオリゴマーを用いる。シクロカーボ
ネートオリゴマーは、例えば、触媒の存在下、液体エポキシオリゴマー中に二酸
化炭素を泡立てることによって、オリゴマークロロヒドリンエーテルをアルカリ
金属の炭酸塩と反応させることによって、又はオリゴマーポリオールを炭酸の酸
塩化物と反応させることによって形成することができる。
【0017】 シクロカーボネートオリゴマーの例としては、限定するものではないが、以下
に示す構造(I)及び(II)のものが挙げられる。
【化13】 式中、m1、m2及びm3は、他とは関係なく3〜12までの範囲の間で選択され
、かつ0≦n≦6であり;及び
【化14】 式中、0≦n≦4である。特に合成されたオリゴマーシクロカーボネート、実施
例1に記載されているいくつかの例も使用できる。
【0018】 一般に、市販のトリオール及びトリエポキシドのような複数のヒドロキシ又は
エポキシ基を有する材料は、シクロカーボネートオリゴマーの形成用の出発材料
として使用できる。これら出発材料は、通常それらの骨格としてポリプロピレン
エーテル、ポリエステル、アルキド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリシ
ロキサン、ポリホスファジン等を含む。 本発明に有用なシクロカーボネートオリゴマーの合成に好適なポリオール出発
材料は当業者には周知であり、限定するものではないが、トリメチロールエタン
、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール
、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール及び参照によって本明細
書に取り込まれる「化学技術のKirk-Othmer辞典」、第4版、1巻、pp.913-925(
1991)に詳述されている他のポリオールが挙げられる。
【0019】 本発明での使用に好適なエポキシ出発材料は当業者には周知であり、限定する
ものではないが、エポキシクレゾール−ノボラック樹脂、エポキシフェノール−
ノボラック樹脂、多核フェノール−グリシジルエーテル誘導樹脂、トリグリシジ
ルp−アミノフェノール誘導樹脂、トリアジン系樹脂、脂肪族グリシジルエーテ
ル及び参照によって本明細書に取り込まれる「化学技術のKirk-Othmer辞典」、
第4版、9巻、pp.730-755(1994)に詳述されている他の多官能性エポキシドが挙
げられる。 エポキシドをシクロカーボネートに変換する周知の合成方法、例えばCrawford
らの米国特許第5,340,889号に開示されているものは、このような材料を本発明
用に好適なシクロカーボネートオリゴマーに変換するのに容易に採用できる。
【0020】 上記(I)及び(II)に示される典型的なシクロカーボネートオリゴマーは、
末端シクロカーボネート(以後「CC」)のみを含んでいる。上記(I)及び(
II)には示されていないが、本発明の実施が成功するためには、シクロカーボネ
ートオリゴマー成分のいくらかの部分は、少なくとも1個の末端エポキシ(以後
「EP」)官能基をも含むことが基本である。例えば、(II)でn=1の場合、
3個の末端シクロカーボネート官能基の1個は、末端エポキシ基に変換され、い
わゆるエポキシ変性シクロカーボネートオリゴマーを得ることができる。それゆ
え、このような分子は、2個のCC基及び1個のEP基を含む。従って、ここで
使用する用語「シクロカーボネートオリゴマー」は、シクロカーボネート末端基
のみを有する分子と、末端シクロカーボネート基及び末端エポキシ基又は複数の
エポキシ基の両方を有する分子を包含する。そして、このようなエポキシ含有オ
リゴマーから形成される網状ポリマーは、時には混成非イソシアネートポリウレ
タン網状ポリマーと呼ばれ、シクロカーボネートとアミン末端基だけから形成さ
れた非イソシアネートポリウレタン網目構造と区別される。ここで使用する場合
、用語混成非イソシアネートポリウレタン網目構造と、非イソシアネートポリウ
レタン網目構造は同義である。
【0021】 エポキシ変性シクロカーボネートオリゴマーの合成は、例えば、触媒の存在下
、(II)の液状エポキシオリゴマー前駆体中で化学量論量未満の二酸化炭素を泡
立てることによって、容易に達成することができる。ここまでは、その前駆体の
一部のエポキシ基だけがシクロカーボネート基に変換される。 網目形成の初期段階では、EPとアミン基の反応が、CCとアミン基の反応よ
りも優先的に起こると考えられる。従って、2個以上のEP基を有するオリゴマ
ーは、アミン末端オリゴマーのジアミン成分と反応して、直鎖状ポリマーを形成
し、後にできる網目によって絡まれるときにクラスレートを形成する。クラスレ
ートが形成されると、生じる全網目構造は不均一であろう。不均一性は、網目構
造の特性、例えば機械的性質の低下を導きうるので望ましくない。従って、実質
的にシクロカーボネートオリゴマーは1分子当たり2個以上のEP基を持たない
で、ジエポキシド及びジアミン間の直鎖状ポリマー形成の可能性を取り除くこと
が好ましい。
【0022】 シクロカーボネートオリゴマーの末端EP基は、構造(III)に示されるよう
に、オリゴマーの一級炭素原子、即ち2個の水素置換基を有する炭素原子に結合
されうる。
【化15】 式中、R1及びR2は水素であり、かつXはシクロカーボネートオリゴマーの残部
である。代わりに、EP基の隣接する炭素原子が二級、即ちR1とR2のうち1個
だけが水素であってもよく、又は三級、即ちR1もR2も水素でなくてもよい。好
ましくは、シクロカーボネートオリゴマーが末端EP基を含む場合、EP基に隣
接する少なくとも1個の一級炭素原子によってEP基はシクロカーボネートオリ
ゴマーの残部と結合されている。
【0023】 シクロカーボネート反応物の所望のCC:EP質量比は、約1:0.04〜約1:
0.12、即ちシクロカーボネート反応物に存在する末端シクロカーボネート基の質
量に基づいて約4質量%〜約12質量%の末端エポキシ基の範囲である。この範
囲内で存在する末端エポキシ基を有するシクロカーボネート反応物は、例えば、
それから調製される網目構造が加水分解に対して優れた耐性を有するので好まし
い。EP基の量が低すぎる、即ち約4質量%未満の場合、それから生じる非イソ
シアネートポリウレタン網目構造は、一般に引張強さが劣る。EP基の量が多す
ぎる、即ち約12質量%を超えると、それから生じる非イソシアネートポリウレ
タン網目構造は、一般に脆く極限伸びが低すぎる。異なるシクロカーボネートオ
リゴマーの混合物、例えば、末端EP基を有する少なくとも1のシクロカーボネ
ートオリゴマーと、末端CC基のみを有する少なくとも1の他のシクロカーボネ
ートオリゴマーの混合物を用いることによって、所望のCC:EP質量比を有す
るシクロカーボネートオリゴマー組成物を調製することができる。
【0024】 各末端一級アミン基は、1個の末端シクロカーボネート基とのみ反応して、例
えば、下図の(IV)のように表示される構造を形成しうる。
【化16】 式中、R1はシクロカーボネートオリゴマーの残部を示し、かつR2は一級アミン
オリゴマーの残部を示す。限定ではないが、ウレタン窒素原子に結合された残り
の水素は、立体障害のため実質的に無反応性と考えられる。
【0025】 しかし、各末端一級アミン基は、2個までの末端エポキシ基と反応して、例え
ば、下図の(V)のように表示される構造を形成することができる。
【化17】 式中、ジアミンオリゴマーの各一級アミンは、2個のエポキシ基と反応すること
を示し、かつR3は、それぞれ上記シクロカーボネートオリゴマーの他のいずれ
とも異なるか又は同一でありうる末端エポキシ基を有する4個のシクロカーボネ
ートオリゴマーの残部を示し、R4は一級ジアミンオリゴマーの残部を示す。
【0026】 従って、シクロカーボネートオリゴマーの一級アミンオリゴマーに対する平均
官能性の決定においては、シクロカーボネートとエポキシ基の反応性の相異を考
慮しなければならない。それを行うメカニズムは、以下の試料の官能性決定によ
って説明される。 例えば、反応性官能基、又はRFGが、90質量%のCC基と、10質量%の
EP基を含む二官能性シクロカーボネートオリゴマーは、シクロカーボネートオ
リゴマーの一級アミンオリゴマーに対する官能性が2.2であり、以下のように決
定される。 0.90CC×2RFG/分子×1CC/アミン=1.8 0.10EP×2RFG/分子×2EP/アミン=0.4 官能性 =2.2
【0027】 反応性官能基が、90質量%のCC基と、10質量%のEP基を含む三官能性
シクロカーボネートオリゴマーは、シクロカーボネートオリゴマーの一級アミン
オリゴマーに対する官能性が3.3であり、以下のように決定される。 0.90CC×3RFG/分子×1CC/アミン=2.7 0.10EP×3RFG/分子×2EP/アミン=0.6 官能性 =3.3 反応性官能基が、95質量%のCC基と、5質量%のEP基を含む三官能性シ
クロカーボネートオリゴマーは、シクロカーボネートオリゴマーの一級アミンオ
リゴマーに対する官能性が3.15であり、以下のように決定される。 0.95CC×3RFG/分子×1CC/アミン=2.85 0.05EP×3RFG/分子×2EP/アミン=0.30 官能性 =3.15
【0028】 異なるシクロカーボネートオリゴマーの混合物を用いることによって、一級ア
ミンに対する所望の、即ち約2.0〜約5.44、好ましくは約2.6〜約5.3の範囲の間
の平均官能性を有するシクロカーボネートオリゴマーを調製可能である。シクロ
カーボネートオリゴマーの混合物が存在する場合、混合物の平均官能性が約2.0
〜約5.44、好ましくは約2.6〜約5.3の範囲内である限り、このような混合物のい
ずれか又はすべての成分は、約2.0未満又は約5.44を超える官能性を有してよい
。 例えば、20質量%の四官能性シクロカーボネート、即ち4.0の官能性、及び
80質量%の三官能性シクロカーボネートオリゴマーであって、その反応性官能
基が95質量%のCC基及び5質量%のEP基を含む、即ち3.15の平均官能性を
有するシクロカーボネートオリゴマーの混合物では、一級アミンに対するそのシ
クロカーボネートオリゴマーブレンドの平均官能性は、3.32であり、以下のよう
に決定される。 0.20×4.0 官能性 =0.80 0.80×3.15 官能性 =2.52 官能性 =3.32
【0029】 本発明の各シクロカーボネートオリゴマーは、単独で又はこのようなオリゴマ
ーの混合物のどちらで用いても、通常約350g/mol〜3,200g/mol、好ましくは約7
00g/mol〜約1,400g/molの平均分子量を有する。本発明のシクロカーボネートオ
リゴマーは、単独で又はこのようなオリゴマーの混合物のどちらで用いても、通
常25℃において、約150mPa・s〜約8,800mPa・s、好ましくは約350mPa・s〜約1,50
0mPa・sの粘度を有する。 好ましいシクロカーボネートオリゴマーとしては、限定するものではないが、
2〜5個の末端ヒドロキシ及び/又はアミン官能基を有する脂肪族若しくは芳香
族化合物のジ−、トリ−、テトラ−及びペンタ−カーボネートエステル、エーテ
ル又はアミン誘導体及びそれらの混合物、例えば、実施例1-1〜1-6に記載さ
れる材料が挙げられる。
【0030】 さらに好ましいシクロカーボネートオリゴマーとしては、限定するものではな
いが、上記の構造(I)と(II)及び以下の構造(VI)、(VII)及び(VIII)
のように示されるものが挙げられる。
【化18】
【化19】
【化20】 式中、R=
【化21】
【化22】 又は
【化23】
【0031】 本発明で用いるアミン反応物は、通常少なくとも2個の一級アミン基、即ちN
2を有するオリゴマーである。末端アミン基は一級でなければならない。二級
及び三級アミン基は好ましくない。一級アミンオリゴマーの例としては、限定す
るものではないが、以下の構造(IX)及び(X)のように示されるものが挙げら
れる。
【化24】 式中、2≦m≦12;及び
【化25】
【0032】 特に合成されたオリゴマーアミン、実施例2に詳述されているいくつかの例も
使用できる。代わりに、オリゴマーシクロカーボネートとの網目形成反応に、ポ
リオキシプロピレントリアミン(JEFFAMITE(登録商標)403、Texaco Chemical Co
.、400〜550g/molの分子量を有すると考えられる)及びトリス−(3−アミノプ
ロピル)−シアヌレート(BASF AG, Germany)のような市販のオリゴマー一級ア
ミンを使用できる。
【0033】 アミンオリゴマーの末端一級アミン基は、オリゴマーの一級炭素原子、即ち構
造(XI)に示されるように2個の水素置換基を有する炭素原子に結合されうる。
【化26】 式中、R1及びR2は水素であり、かつYは一級アミンオリゴマーの残部である
。代わりに、一級アミン基に隣接する炭素原子は二級、即ちR1とR2の1つだけ
が水素であってよい。一級アミン基に隣接する炭素原子が三級、即ち構造(XI)
のR1とR2のどちらも水素でないことは望ましくない。好ましくは、一級アミン
基は、アミン基に隣接する少なくとも1個の一級炭素原子によって一級アミンオ
リゴマーの残部と結合している。
【0034】 さらに好ましくは、アミンオリゴマーの末端一級アミン基は、少なくとも2個
の連結された炭素原子によって一級アミンオリゴマーに結合しており、アミンに
隣接する該炭素原子は、構造(XII)に示されるように、一級炭素原子である。
【化27】 式中、Zは一級アミンオリゴマーの残部である。一級アミン基に対する炭素原
子βは一級、即ち、R3及びR4が水素、二級又は三級でよい。好ましくは、一級
アミン基は、アミン基に隣接する連結された少なくとも2個の一級炭素原子によ
って一級アミンオリゴマーの残部と結合している、即ち、上記構造(XII)でR3 及びR4が水素である。
【0035】 本発明で有効な最も低分子量の脂肪族一級アミンオリゴマーは、1,2−ジア
ミノエタンである。 いずれの一級アミン基も芳香族環上で直接置換され、又はそのような環から1
個だけの炭素原子によって分離されているのは好ましくない。むしろ、一級アミ
ンオリゴマーの各末端一級アミン基は、連結された少なくとも2個の一級炭素原
子によって芳香族環から分離されているべきであり、例えば、上記構造(XII)
のZが芳香環で、R3及びR4が水素である。 いずれの一級アミン基も脂肪族環構造上で直接置換されているのは好ましくな
い。むしろ、各一級アミン基は、少なくとも1個の一級炭素原子、好ましくは連
結された少なくとも2個の炭素原子によってこのような環から分離されているべ
きである。
【0036】 末端一級アミン基が結合される一級アミンオリゴマーの残部が、シロキンサン
基、例えば、以下の実施例2-1で詳細に示されるようなジフェニル−ジメトキ
シシラン又は以下の実施例2-2で詳細に示されるようなシクロヘキシル−メチ
ル−ジメトキシシランを含むときは、一級アミンは連結された少なくとも3個の
一級炭素原子によってシロキサンと分離されていることが好ましい。 しかし、アミンが約12個又はそれ以上の連結された一級炭素原子の鎖によっ
て、一級アミンオリゴマーの残部と結合されているのは好ましくない。このよう
な構造を有する一級アミンオリゴマーは、非極性になり、シクロカーボネートオ
リゴマーに溶解しにくいと考えられる。
【0037】 以上詳述したように、各末端一級アミン基は、1個の末端シクロカーボネート
基とだけ反応しうる。分子当たり異なる数の末端一級アミン基を持っている一級
アミンの混合物、例えば、ジアミン、トリアミン、テトラアミン、ペンタアミン
、ヘキサアミン及び/又はヘプタアミンを有する混合物を用いることによって、
シクロカーボネート基に対する平均官能性が約3.0〜約3.8の範囲の間である一級
アミンオリゴマー反応物を調製することができる。一級アミンオリゴマーの混合
物が存在する場合、その混合物の平均官能性が約3.0〜約3.8の範囲内である限り
、このような混合物のいずれか又はすべての成分は、末端CC基に対する官能性
が約3.0未満又は3.8を超えてよい。 シクロカーボネートオリゴマーに対する一級アミンオリゴマーの平均官能性を
決定するメカニズムは、以下の例の決定によって示される。 20質量%の、1分子当たり10個のアミン基を有する分子、例えばシロキサ
ンと、80質量%のジアミンとを有する一級オリゴマー混合物については、アミ
ンオリゴマーのシクロカーボネートに対する平均官能性は3.6であり、以下のよ
うに決定される。 0.20×10アミン×1アミン/CC =0.80 0.80×2アミン×1アミン/CC =1.6 平均官能性 =3.6
【0038】 本発明の各一級アミンオリゴマーは、単独で又はこのようなオリゴマーの混合
物で用いられようと、通常約60g/mol〜約3,900g/mol、好ましくは約180g/mol
〜約880g/molの平均分子量を有する。本発明の各一級アミンオリゴマーは、単独
で又はこのようなオリゴマーの混合物で用いられようと、通常25℃における粘度
が約10mPa・s〜約2,800mPa・s、好ましくは約50mPa・s〜約750mPa・sである。 好ましい一級アミンオリゴマーとしては、限定するものではないが、3〜7の
CCに対する平均官能性を有するアミノシランオリゴマー、例えば以下の実施例
2-1及び2-2に記載される一級アミンオリゴマー;3〜8のCCに対する官能
性を有するモノエタノールアミンのオリゴビニルエーテル、例えばトリス−8(
3−アミノプロピル)−シアヌレート;ポリプロピレントリアミン;ポリプロピ
レンペンタミン;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0039】 さらに好ましい一級アミンオリゴマーとしては、限定するものではないが、ポ
リオキシプロピレントリアミン、トリス−(3−アミノプロピル)−シアヌレート
、ポリプロピレントリアミン、ポリプロピレンペンタミン、上記構造(IX)及び
(X)に記載されるもの及び以下の構造(XIII)に示されるようなものが挙げら
れる。
【化28】 式中、m1、m2及びm3は、他とは関係なく3〜12の範囲から選択され、か
つ1≦n≦3である。
【0040】 本発明の非イソシアネートポリウレタン網目構造においては、一級アミンオリ
ゴマーと反応する化学量論量のシクロカーボネートオリゴマー、例えば各CC基
がそれと反応可能な1個の一級アミン基を有するような1:1化学量論量の末端
官能基を有することは好ましくない。むしろ、過剰なシクロカーボネート基を有
することが好ましい。存在する各オリゴマーの好ましい量は、アミンオリゴマー
のシクロカーボネートオリゴマーに対する質量比が、約0.93〜約0.99の化学量論
比であり、以後「アミンオリゴマーのシクロカーボネートオリゴマーに対する限
界化学量論比」として区別される。
【0041】 反応物を混合する方法は、本発明の非イソシアネートポリウレタン網目構造形
成の成功には重要でない。その成分は、必ずしも必要ないが、当業者には周知な
ように、減圧下、例えば大気圧、即ち0.1MPa(1atm)未満、約0.0001MPa(0.0
01atm)までで混合して、混合時の気体の除去を容易にすることができる。一級ア
ミン基とシクロカーボネート及びエポキシ基との間に反応が起こるために触媒は
必要ない。反応を促進するための溶媒は必要ない。しかし、重合技術の当業者に
は公知なように、所望により触媒及び/又は溶媒を使用することができる。
【0042】 シクロカーボネート基とジアミン基との反応は、それほど発熱性ではないので
、この反応の速度は、特に反応温度に敏感ではない。一般に、反応は約10℃〜約
140℃、好ましくは約15℃〜約30℃の範囲で達成されうる。一般に、反応は約0.1
〜1.0MPa(1〜10atm)、好ましくは約0.2〜1.0MPa(2〜10atm)、さらに好ま
しくは約0.3〜0.5MPa(3〜5atm)の範囲の圧力において達成されうる。ポット
ライフは、25℃で少なくとも約15分、通常少なくとも約2時間である。一級アミ
ン基は空気と反応しうるので、一級アミンオリゴマーの合成の際、及び本発明の
非イソシアネートポリウレタン網目構造形成時におけるそれらの取り扱いでは、
窒素又は不活性ガスでガスシールするというような熟練技術者が精通している普
通の予防策を講じるべきである。
【0043】 所望により、シクロカーボネートオリゴマーと一級アミンオリゴマーに加え、
本非イソシアネートポリウレタン網目構造は、さらに例えば溶媒、色素、染料、
可塑剤、安定剤、詳細は後述する活性フィラーを含むフィラー、微粒子、強化剤
、例えば詳細は後述するフィラメント、ステープル、マット状の繊維、チキソト
ロープ剤、カップリング剤、触媒及び/又は均染剤を含むことができる。可能な
成分の例は、参照によって本明細書に取り込まれる、工業化学のUllmann辞典、
第5版、A18巻、pp.429-471、VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim 1991に記載
されているものである。
【0044】 非イソシアネートポリウレタン網状ポリマーの架橋の量は、例えばゲルフラク
ション試験を行うことによって容易に決定される。極度に高分子量である網目構
造の架橋フラクションは、架橋されていない低分子量のフラクションが溶ける場
合でもいくつかの溶媒には溶解しない。従って、本技術の当業者には周知のよう
に、架橋された物質の質量フラクション、又はゲルフラクションは、非イソシア
ネートポリウレタン網目構造の試料を秤量し、非架橋部分を溶解し、そしてろ過
、乾燥、かつその不溶部分を秤量することによって決定することができる。
【0045】 通常、形成される非イソシアネートポリウレタン網状ポリマーは、約0.96以上
のゲルフラクション、即ち不溶物質の質量フラクションを有する。好ましくは、
シクロカーボネートオリゴマーと一級アミンオリゴマーから形成される非イソシ
アネートポリウレタン網状ポリマーは、約0.975以上、さらに好ましくは約0.980
以上のゲルフラクションを有する。 何らかの特定理論に限定するものではないが、網目構造を有する約4%以上の
直鎖状非イソシアネートポリウレタンポリマーが存在すると、約0.96未満のゲル
フラクションを生じ、網目構造の特性、例えば引張強さのような機械的性質の低
下を来す。
【0046】 本発明のさらなる実施形態では、複合材料のマトリックスは、本発明の非イソ
シアネートポリウレタン網目構造を含み、これら網目構造の特徴については後述
する。複合材は、一般に2以上の成分の巨視的な組合せとして説明される。複合
材の成分の1つは、繊維と粒子の両方が存在しうるが、通常、繊維又は粒子であ
り、該複合材を強化するのに用いられる;従って、この成分はここでは強化材と
呼ばれる。複合材の他の成分は、通常その繊維又は粒子を取り囲み、一般にマト
リックスと呼ばれる。本発明の複合材においては、そのマトリックスが非イソシ
アネートポリウレタン網状ポリマーを含む。
【0047】 本発明の複合材に有用な繊維状強化材としては、限定するものではないが、E
−ガラス及びS−ガラスのようなガラス繊維;中間モジュラスのポリアクリロニ
トリル(PAN)系中間モジュラス繊維、非常に高強度の繊維(VHS)、超高モジ
ュラス繊維(UHN)及びグラファイト繊維のような炭素繊維;KEVLAR(登録商標)
29及びKEVLAR(登録商標)49のようなアラミド繊維;ホウ素繊維;ポリエチレン繊
維;玄武岩質繊維;セラミック繊維;炭化ケイ素繊維;及びそれらの混合物が挙
げられる。繊維状強化材は、種々の形態で存在してよく、例えば、ランダムに配
列された短い不連続繊維として、相互に軸方向に平行に配列された連続フィラメ
ントとして、ロービング織物としても知られる束状の連続フィラメントとして、
又は組み紐として存在しうる。代わりに、2以上のこのような配列の繊維を用い
て、相互に長軸方向に平行に、垂直に、又は時には中間角度に配向させてもよい
。このような繊維状強化材及びそれらの配列は、参照によって本明細書に取り込
まれる「化学技術のKirk-Othmer辞典」、第4版、7巻、pp.1-60(1993)にさら
に詳述されている。 本発明の複合材に有用な好ましい繊維状強化材としては、ガラス、炭素及び玄
武岩質繊維が挙げられる。好ましくは、非イソシアネートポリウレタン網状マト
リックスは、複合材の総質量に基づき、約12質量%〜約45質量%の量で存在
し、かつ繊維強化複合材中に、繊維強化材が約55質量%〜約85質量%の量で
存在する。
【0048】 本発明は、網目構造に加工されるオリゴマー混合物と共に、活性フィラーとし
て公知の無機粉末のような粒子を添加することによって、非イソシアネートポリ
ウレタン網目構造の既に優れた耐薬品性がさらに高まる実施形態にも関する。こ
のような構造は、粒子強化複合材としても知られ、その活性フィラーは粒子を含
み、非イソシアネートポリウレタン網目構造はマトリックスを含む。 好ましい活性フィラーは、攻撃的媒体、例えば酸、アルカリ及び/又は塩、そ
れらの水溶液、及び/又は水と選択的に反応して、高強度の水和複合体の系を形
成すると考えられる。接着剤のような非イソシアネートポリウレタン網目構造を
有する製剤にこのような添加材を与えると、高強度で、耐久性のある無機充填複
合接着セメントを生じる。
【0049】 何らかの特定理論に限定するものではないが、活性フィラーが、水又は攻撃的
な媒体と相互作用すると、結晶水和物としても知られる水和複合物が、その製剤
の欠損、例えばミクロ細孔及び/又はミクロクラック中に生成する。このプロセ
スが作用して、これらの欠損を「修復」し、それによって製剤の強度を高める。
また、活性フィラーは、攻撃的媒体のさらなる浸透を妨げるバリアとして機能す
ると考えられる。さらに、結晶水和物が形成されると、活性フィラーの体積及び
/又は比表面積が増える。活性フィラーの増加した比表面積増加の直接的な結果
として、フィラー及び非イソシアネートポリウレタン間の接着がさらに強まる考
えられる。
【0050】 活性フィラーとしては、限定するものではないが、金属酸化物及び金属アルミ
ン酸塩、即ち次式を有する化合物が挙げられる。 M3(Al23V 式中、Mは金属イオンであり、vは好ましい金属アルミン酸塩の金属の価数であ
る。好ましい金属は、括弧に示される場合を除きすべて価数は2であり、Cu、
Ca、Pb、Mg、Zn、Fe(3)及びそれらの混合物が挙げられる。活性フィ
ラーとしてさらに好ましいものは、アルミン酸銅、アルミン酸カルシウム、アル
ミン酸鉛及びそれらの混合物である。活性フィラーとしてさらに好ましいのは、
アルミン酸銅、アルミン酸カルシウム及びそれらの混合物である。最も好ましい
活性フィラー、アルミン酸銅は、Sigma Chemical及びAlfa-Aesarから商業的に入
手可能である。
【0051】 活性フィラーは、本発明のいずれの非イソシアネートポリウレタン網状組成物
と共に用いることができる。反応物と活性フィラーとの混合方法は、本発明の非
イソシアネートポリウレタン網目構造から複合材の形成を成功させるには重要で
ない。しかし、好ましくは、活性フィラーは、架橋反応が開始する前に1つの反
応成分に添加される。活性フィラーの平均粒子サイズ、例えば直径は、それが3
0μm以下であれば、本発明の成功には重要でない。活性フィラーの平均粒径は
、通常約2.5μm〜約30μm、好ましくは、約4.5μm〜約15μmの範囲である。 攻撃的媒体に対する耐性が高められることが望ましい場合、活性フィラーは、
100部の非イソシアネートポリウレタン網目構造に基づき、通常約3質量部〜
約200質量部の量で存在する。好ましくは、約10質量部〜約100質量部、
さらに好ましくは約20質量部〜約40質量部の活性フィラーが、非イソシアネ
ートポリウレタン網目構造中に存在する。
【0052】 実施例 以下、本発明に従って形成されるオリゴマー及び混成非イソシアネートポリウ
レタン網目構造の実施例を示して本発明を説明する。しかし、実施例は、説明の
目的だけのためであり、どんな様式によっても本発明を本明細書の特定の開示に
限定しないことを理解すべきである。 シクロカーボネートオリゴマーの末端シクロカーボネート基の質量%を計算す
るのに、101g/molの分子量を使用した。この分子量は、シクロカーボネート
基の分子量、87g/molと、シクロカーボネート基をシクロカーボネートオリゴ
マーの残部に連結する−CH2−単位の分子量とを足して成立する。従って、こ
の適用におけるこのような計算目的では、末端シクロカーボネート基は、101
g/molの分子量と、C453の分子式を有する。
【0053】 シクロカーボネートオリゴマーの末端エポキシ基の質量%を計算するのに、5
7g/molの分子量を使用した。この分子量は、エポキシ基の分子量、43g/mol
と、エポキシ基をシクロカーボネートオリゴマーの残部に連結する−CH2−単
位の分子量とを足して成立する。従って、この適用におけるこのような計算目的
では、末端エポキシ基は、57g/molの分子量と、C35Oの分子式を有する。 一級アミンオリゴマーの末端一級アミン基の質量%を計算するのに、30g/m
olの分子量を使用した。この分子量は、一級アミンの分子量、16g/molと、一
級アミン基を一級アミンオリゴマーの残部に連結する−CH2−単位の分子量と
を足して成立する。従って、この適用におけるこのような計算目的では、末端一
級アミン基は、30g/molの分子量と、CH4Nの分子式を有する。
【0054】 実施例1:シクロカーボネートオリゴマーの合成実施例1-1 ARALDITE(登録商標)MY 0510(Ciba Geigy AG,Switzerland)として知られるジア
ミノフェノールのグリシジルエーテルに、0.7質量%のテトラエチルアンモニウ
ムクロライドを加えた。その混合物をwiped-film蒸留室(Pope Scientific,Inc.)
に入れ、95℃に加熱した。0.76MPa(7.5atm)の圧力で190分間混合物中に二酸
化炭素ガスを泡立てた。IRスペクトルは、合成されたオリゴマーが45.4質量%
のシクロカーボネート基と、2.9質量%のエポキシ基を有することを示した。従
って、シクロカーボネート基:エポキシ基の質量比は、1:0.064だった。シク
ロカーボネートオリゴマーの分子量は666g/molであり、かつその一級アミンに対
する反応性で決定されるその官能性は、3.17であった。
【0055】実施例1-2 OXILIN(登録商標)6a(SIAC,Russia)として知られるオリゴエピクロロヒドリン
トリオールのトリグリシジルエーテルに、0.45質量%のテトラエチルヨーダイド
アンモニウムを加えた。その混合物をwiped-film蒸留室に入れ、65℃に加熱し
た。0.8MPa(8atm)の圧力で280分間混合物中に二酸化炭素ガスを泡立てた。I
Rスペクトルは、合成されたオリゴマーが17.2質量%のシクロカーボネート基と
、1.9質量%のエポキシ基を有することを示した。従って、シクロカーボネート
基:エポキシ基の質量比は、1:0.11だった。シクロカーボネートオリゴマーの
分子量は1668g/molであり、かつその官能性は、2.9であった。
【0056】実施例1-3 ARALDITE(登録商標)MY 720(Ciba Geigy AG)として知られる4,4'-ジアミノジ
フェニルメタンのグリシジルエーテルに、0.35質量%のヒドラジンハイドロクロ
ライドを加えた。その混合物をwiped-film蒸留室に入れ、105℃に加熱した。8.5
atmの圧力で290分間混合物中に二酸化炭素ガスを泡立てた。IRスペクトルは、
合成されたオリゴマーが24.9質量%のシクロカーボネート基と、3.3質量%のエ
ポキシ基を有することを示した。従って、シクロカーボネート基:エポキシ基の
質量比は、1:0.13だった。シクロカーボネートオリゴマーの分子量は1124g/mo
lであり、かつその官能性は、4.2であった。
【0057】実施例1-4 XD-7114(Dow Chemical Co.)として知られるネオペンチルジオールのグリシジ
ルエーテルに、0.55質量%のヒドラジンハイドロブロマイドを加えた。その混合
物をwiped-film蒸留室に入れ、70℃に加熱した。0.6MPa(6.0atm)の圧力で200
分間混合物中に二酸化炭素ガスを泡立てた。IRスペクトルは、合成されたオリ
ゴマーが43.6質量%のシクロカーボネート基と、1.4質量%のエポキシ基を有す
ることを示した。従って、シクロカーボネート基:エポキシ基の質量比は、1:
0.032だった。シクロカーボネートオリゴマーの分子量は480g/molであり、かつ
その官能性は、2.05であった。
【0058】実施例1-5 LAPROXID(登録商標)805(Makromer,Russia)として知られるオリゴオキシプロピ
レンペントールのペンタグリシジックエステルに、0.65質量%のテトラエチルア
ンモニウムクロライドを加えた。その混合物をwiped-film蒸留室に入れ、90℃に
加熱した。0.76MPa(7.5atm)の圧力で300分間混合物中に二酸化炭素ガスを泡立
てた。IRスペクトルは、合成されたオリゴマーが37.8質量%のシクロカーボネ
ート基と、3.6質量%のエポキシ基を有することを示した。従って、シクロカー
ボネート基:エポキシ基の質量比は、1:0.096だった。シクロカーボネートオ
リゴマーの分子量は1285g/molであり、かつその官能性は、5.44であった。
【0059】実施例1-6 ARADDITE(登録商標)PY 306(Ciba Geigy AG)として知られるビスフェノールF
のグリシジルエーテルに、0.4質量%のテトラメチルヨーダイドアンモニウムを
加えた。その混合物をwiped-film蒸留室に入れ、75℃に加熱した。0.96MPa(9.
5atm)の圧力で210分間混合物中に二酸化炭素ガスを泡立てた。IRスペクトルは
、合成されたオリゴマーが29.4質量%のシクロカーボネート基と、2.2質量%の
エポキシ基を有することを示した。従って、シクロカーボネート基:エポキシ基
の質量比は、1:0.076だった。シクロカーボネートオリゴマーの分子量は591g/
molであり、かつその官能性は、2.07であった。
【0060】実施例2 :一級アミンオリゴマーの合成実施例2-1 撹拌反応器中で、53.6gの3−アミノプロピル−トリエトキシシラン(Huls AG
,Germany)を、39.6gのジフェニル−ジメトキシシラン(Huls AG)及び6.6gの水
と混ぜた。20℃で5時間混合後、エタノール及びメタノールを減圧蒸留で除去し
た。生成物アミンオリゴマーは、シクロカーボネート基に対するその反応性によ
って決定される5.98の官能性と、2190g/molの分子量を有していた。実施例2-2 撹拌反応器中で、59.2gの3−アミノプロピル−トリエトキシシラン(Huls AG
)を、33.6gのシクロヘキシル−メチル−ジメトキシシラン(Huls AG)及び7.2g
の水と混ぜた。20℃で6時間混合後、アルコール類を減圧蒸留で除去した。生成
物アミンオリゴマーは、5.96の官能性と、1970g/molの分子量を有していた。実施例2-3 撹拌反応器中で、270.5gのジグリシジル−1,1−ビス(ジオキシメチル)−3
,4−エポキシシクロヘキサン(プラスチック研究所,Donetzk,Ukraineの実験プラ
ントから得られる「UP-650T」として知られる)を、216.0gの1,4−ブチレンジ
アミンと混ぜ、65℃で4時間混合した。生成物アミノオリゴマーは、2.93の官能
性と、505g/molの分子量を有していた。
【0061】実施例3 :混成網状非イソシアネートポリウレタンの調製 低速ミキサー中で、実施例1-1及び1-2のシクロカーボネートオリゴマーを
、それぞれ1:0.8の質量比で(55.6gの1-1及び44.4gの1-2)、5分間20℃
で混合した。このオリゴマー混合物、成分「A」は、3.05の平均官能性(その一
級アミン基に対する反応性で決定される)、32.8質量%のシクロカーボネート末
端基及び2.4質量%のエポキシ末端基を有していた。従って、シクロカーボネー
ト基:エポキシ基の質量比は、1:0.073であった。 低速ミキサー中で、シクロカーボネート基に対する反応性で決定される2.98の
官能性を有するJEFFAMITE(登録商標)403として知られるポリオキシプロピレント
リアミンと、実施例2-2のアミンオリゴマーとを、それぞれ質量比1:0.2(72.
5gのポリオキシプロピレントリアミンと14.45gの2-2)で、5分間20℃で混合
した。このようなアミンの混合物、成分「B」は、3.475の平均官能性(そのシ
クロカーボネート基に対する反応性で決定される)を有していた。
【0062】 上記A成分のCC基と、上記B成分の一級アミン基の化学量論比、B:Aは、
0.878:1、即ち100gのAについて87.8gのBと計算された。この比率は、成分
Aの平均官能性を成分Bの平均官能性で割ることによって、即ち3.05/3.475で決
定された。過剰のシクロカーボネート基は、100gのAと86.5gだけのB、即ち0
.865:1のB:A比を混合することで確実にした。従って、実際の0.685:1の
B:A比は、0.878:1の化学量論B:A比と異なり、後者の98.5%である。この
ように、アミンオリゴマーのシクロカーボネートオリゴマーに対する限界化学量
論比は、0.985である。 低速ミキサー中で、A及びB成分を0.865:1のB:A比で15分間20℃で混合
した。特有の混合方法は、反応の成功に重要でない。そして、混合物を注ぎ出し
、20℃で10日間架橋又は硬化させた。生成した網状ポリマーは、882の数平均分
子量で特徴づけられる分子間距離を有しており、質量で0.987のゲルを含んでい
た。IR分析により、反応したCC基の反応したEP基に対する後反応質量比は
1:0.08(31.7質量%CC:2.5質量%EP)だった。
【0063】実施例4 :混成非イソシアネートポリウレタン網状組成物及び性質 上記実施例で合成されるオリゴマーと商業的に入手可能な反応物の両方を使用
して、シクロカーボネート末端基のエポキシ末端基に対する種々の比率、アミノ
オリゴマー成分の種々の平均官能性、及びアミンオリゴマーのシクロカーボネー
トオリゴマー成分に対する種々の限界化学量論比を有する試料非イソシアネート
ポリウレタン網状組成物を調製した。これら試料組成物は、表1及び2に示され
る化学組成及び物理的性質を有する。 引張り特性は、ASTM D 638-84で規定される方法に従って決定した。 ゲルフラクションは、形成された各網目構造の試料5〜10gを取り、それを
秤量し、それをろ紙で包んでその試料をSoxhlet 抽出装置に入れて測定した。各
試料を20%エチルアルコール/80%トルエンの沸騰混合物で、一定質量にな
るまで、通常3〜7日で抽出した。ゲルフラクションは、最後の質量を最初の質
量で割って決定した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】 表1及び2に示される結果から、一般に、本発明の混成非イソシアネートポリ
ウレタン網目構造、即ち試料番号3〜8、12、15、18及び19は、それら
の引張強さ、極限伸び及び破壊比エネルギーによって示されるように優れた機械
的性質を有することが明かである。 他方、CC:EP基の質量比が低すぎる、即ち約1:0.04以下又は4質量%以
下のEPである場合、網目構造の性質は低下することが明かである。例えば、表
1で1:0.03のCC:EP質量比を有する試料番号1C及び2Cでは、引張強さ
及び破壊比エネルギーは、本発明の試料、即ち試料番号3〜8のいずれの対応値
よりも低い。
【0067】 さらに、CC:EP基が高すぎる、即ち約1:0.12以上又は12質量%以上のE
Pである場合も、網目構造の性質は低下する。例えば、表1の1:0.13のCC:
EP質量比を有する試料番号9Cでは、極限伸び及び破壊比エネルギーが、本発
明の試料、即ち試料番号3〜8のいずれの対応値より低い。表1の1:0.13のC
C:EP質量比を有する他の例、試料番号10Cでは、引張強さ及び破壊比エネ
ルギーが、本発明の試料のいずれの対応値より低い。 一級アミンオリゴマーの末端シクロカーボネート基に対する平均官能性が高す
ぎる、即ち約3.8を超える場合、網目構造の性質は低下する。例えば、表2の試
料13C、16C及び20Cは、すべてアミン平均官能性値が3.9であり、引張
強さ及び破壊比エネルギーが、本発明の試料、即ち試料番号12、15、18及
び19のいずれの対応値より低い。
【0068】 他方、一級アミンオリゴマーの末端シクロカーボネート基に対する平均官能性
が低すぎる、即ち約3.0未満の場合も、網目構造の性質は低下する。例えば、表
2の試料番号11C及び14Cは、両者とも2.9のアミン平均官能性を有し、引
張強さ及び破壊比エネルギーは、本発明の試料、即ち試料番号12、15、18
及び19のいずれの対応値より低い。同様に、表2の低アミン平均官能性値を有
する他の試料については、2.8の試料番号17Cでは、極限伸び及び破壊比エネ
ルギーが、本発明の試料のいずれの対応値より低い。 さらに、ゲルフラクションが低すぎる、即ち約0.96未満の場合、網目構造の性
質は低下する。例えば、0.955のゲルフラクションを有する試料番号20Cは、
表1及び2に示される試料のいずれよりも最も破壊比エネルギーが低い。
【0069】実施例5 :活性フィラーを有する混成非イソシアネートポリウレタン網目構造 実施例3に記載したように調製した組成物の100質量部をマトリックスとして
使用して、一連の粒状強化複合材を製造した。活性フィラーとして、約30μmの
粒径を有するアルミン酸銅(Sigma Chemicals)を表3に示される量で用いた。約3
0μmの粒径を有する石英粉末(Solel Bone,Ltd.,Israel)も、表3に示される量で
、フィラーとして該複合材中に存在していた。 ガラスミキサー中でマトリックスとフィラーを混合後、試料を7日間20℃で完
全に硬化させ、粒子強化複合材試料を製造した。
【0070】 混成非イソシアネートポリウレタン網目構造と活性フィラーを有するこれら複
合材の耐薬品性を決定するために、硫酸の30%水溶液を用いた。耐薬品性係数
は、以下のように定義される。 KCR=σr/σv 式中、σr及びσvは、上述したように決定されるそれぞれ30%硫酸に期間τヶ
月さらされた試料、及びさらされない対照の引張強さである。 表3は、上述のように同一の混成非イソシアネートポリウレタン網状マトリッ
クスと、異なる量のアルミン酸銅強化材とで調製された一連の複合材試料から得
られた結果をまとめている。これら試料を試験し、20℃で30%硫酸にさらし
て6、9及び12ヶ月後のそれらのKCRを決定した。
【0071】
【表3】
【0072】 上記結果から、活性フィラーのない対照試料、21Cでさえ、活性媒体への長
期曝露下良く機能し、例えば6ヶ月30%硫酸にさらされた後、0.87という比較
的高いKCRを有することがわかる。しかし、活性フィラーを有するすべての上記
非イソシアネートポリウレタン網状試料は、6ヶ月曝露後の対照が維持した以上
にずっとその最初の引張強さを維持した。実際に、試料22、23及び24の引
張強さは、6ヶ月の30%硫酸への曝露後に、実質的に最初の引張強さ以上に高
まり、それによってこれら試料組成物における活性フィラーを含むことによって
与えられる有益な効果を示している。
【0073】 対照試料では破壊した期間である12ヶ月の30%硫酸に対する曝露後でさえ
、試料22〜26は、すべて優れた引張強さを有していた。実際に、試料23及
び24の引張強さは、30%硫酸に対する曝露12ヶ月後でさえ、実質的に最初
の引張強さ以上に高まった。 さらに、非イソシアネートポリウレタン網状マトリックス及び活性フィラー強
化材のすべての非曝露複合材試料は、活性フィラーのない対照よりもずっと強靱
であった。例えば、多次元引張試験から楕円の破壊を測定すると、楕円の面積は
、活性フィラーが充填された複合非イソシアネートポリウレタン網状試料では非
常に増加し、例えば活性フィラーのない非複合対照の10倍以上になる場合もあ
った。
【0074】 ここで開示した本発明の例示的実施形態が、上述の目的を果たすことは明かで
あるが、当業者によって多くの変形及び他の実施形態が工夫されうることは理解
されるだろう。従って、特許請求の範囲は、本発明の精神及び範囲内であるこの
ような変形及び実施形態のすべてを包含するものと理解すべきである。 ここで引用したすべての特許の内容は、参照によってその全体が取り込まれて
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W Fターム(参考) 4J002 BB032 BG102 CK051 CL062 DA016 DA026 DE186 DJ006 DK006 DL006 DM006 FA042 FA046 FD012 FD016 GC00 GJ01 GJ02 GL00 GN00 GQ00 4J034 SA02 SB01 SB04 SC03 SC04 SD02 SD07 SE00

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロカーボネートオリゴマーと、アミンオリゴマーとを架
    橋することによって形成された網状非イソシアネートポリウレタンポリマーであ
    って、 前記シクロカーボネートオリゴマーが、一級アミンに対して約2.0〜約5.44の
    平均官能性を有し、 前記シクロカーボネートオリゴマーが、複数個のシクロカーボネート基を末端
    とする少なくとも1種のシクロカーボネート末端オリゴマーを含み、 少なくとも1種のシクロカーボネート末端オリゴマーが、さらに、存在する末
    端シクロカーボネート基の質量に基づいて約4質量%〜約12質量%の末端エポ
    キシ基を含み、 前記アミンオリゴマーが、シクロカーボネート基に対して約3.0〜約3.8の平均
    官能性を有し、 前記アミンオリゴマーが、複数個の一級アミン基を末端とする少なくとも1種
    の一級アミン末端オリゴマーを含み、 前記アミンオリゴマーが、該アミンオリゴマーの一級アミン基の前記シクロカ
    ーボネートオリゴマーのシクロカーボネート基に対する化学量論比を達成するの
    に必要な該アミンオリゴマーの質量の約0.93〜約0.99の量で存在し、かつ 形成される前記網状ポリマーが、質量で約0.96以上のゲルフラクションを有す
    ることを特徴とする網状非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  2. 【請求項2】 前記シクロカーボネートオリゴマーの一級アミンに対する平
    均官能性が、約2.6〜約5.3の範囲である請求項1に記載の網状非イソシアネート
    ポリウレタンポリマー。
  3. 【請求項3】 前記ゲルフラクションが、約0.975以上である請求項1に記
    載の網状非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  4. 【請求項4】 前記ゲルフラクションが、約0.980以上である請求項1に記
    載の網状非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  5. 【請求項5】 前記シクロカーボネート末端オリゴマーが、約350g/mol〜約
    3,200g/molの数平均分子量を有する請求項1に記載の網状非イソシアネートポリ
    ウレタンポリマー。
  6. 【請求項6】 前記シクロカーボネート末端オリゴマーが、約700g/mol〜約
    1400g/molの数平均分子量を有する請求項5に記載の網状非イソシアネートポリ
    ウレタンポリマー。
  7. 【請求項7】 前記シクロカーボネート末端オリゴマーが、25℃において約
    150mPa・s〜約8,800mPa・sの粘度を有する請求項1に記載の網状非イソシアネート
    ポリウレタンポリマー。
  8. 【請求項8】 前記シクロカーボネート末端オリゴマーが、25℃において約
    350mPa・s〜約1,500mPa・sの粘度を有する請求項7に記載の網状非イソシアネート
    ポリウレタンポリマー。
  9. 【請求項9】 前記シクロカーボネート末端オリゴマーが、ヒドロキシ基、
    アミン基、及びそれらの混合物からなる群より選択される2〜5個の末端官能基
    を有する脂肪族若しくは芳香族化合物のジ−カーボネート、トリ−カーボネート
    、テトラ−カーボネート及びペンタ−カーボネートエステル、エーテル又はアミ
    ン誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の物質を含む、請求項1に記
    載の網状非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  10. 【請求項10】 前記シクロカーボネート末端オリゴマーが、下記式の群よ
    り選択される少なくとも1種の物質を含む請求項1に記載の網状非イソシアネー
    トポリウレタンポリマー。 【化1】 式中、m1、m2及びm3は、独立に3〜12までの範囲の間で選択され、かつ0
    ≦n≦6であり、 【化2】 式中、0≦n≦4であり、 【化3】 【化4】 及び 【化5】 式中、R= 【化6】 【化7】 又は 【化8】
  11. 【請求項11】 シクロカーボネート末端オリゴマーを有する少なくとも1
    個の末端エポキシ基が、基本的に残部及びエポキシ基から成り、該エポキシ基が
    、該エポキシ基に隣接する少なくとも1個の一級炭素原子によって該残部に結合
    されている請求項1に記載の網状非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  12. 【請求項12】 前記一級アミン末端オリゴマーが、約60g/mol〜約3,900g/
    molの数平均分子量を有する請求項1に記載の網状非イソシアネートポリウレタ
    ンポリマー。
  13. 【請求項13】 前記一級アミン末端オリゴマーが、約180g/mol〜約800g/m
    olの数平均分子量を有する請求項12に記載の網状非イソシアネートポリウレタ
    ンポリマー。
  14. 【請求項14】 前記一級アミン末端オリゴマーが、25℃において約10mPa・
    s〜約2,800mPa・sの粘度を有する請求項1に記載の網状非イソシアネートポリウ
    レタンポリマー。
  15. 【請求項15】 前記一級アミン末端オリゴマーが、25℃において約50mPa・
    s〜約750mPa・sの粘度を有する請求項14に記載の網状非イソシアネートポリウ
    レタンポリマー。
  16. 【請求項16】 前記一級アミン末端オリゴマーが、約3〜約7の末端シク
    ロカーボネート基に対する官能性を有するアミノシランオリゴマー、約3〜約8
    の末端シクロカーボネート基に対する官能性を有するモノエタノールアミンのオ
    リゴビニルエーテル、モノマートリアミン、モノマーテトラアミン、ポリプロピ
    レントリアミン、ポリプロピレンペンタミン及びそれらの混合物から選択される
    少なくとも1種の物質を含む、請求項1に記載の網状非イソシアネートポリウレ
    タンポリマー。
  17. 【請求項17】 前記一級アミン末端オリゴマーが、ポリオキシプロピレン
    トリアミン、トリス−(3−アミノプロピル)−シアヌレート、ポリプロピレント
    リアミン、ポリプロピレンペンタミン、 【化9】 式中、2≦m≦12、 【化10】 及び 【化11】 式中、m1、m2及びm3は、独立に3〜12の範囲から選択され、かつ1≦n≦
    3である; からなる群より選択される少なくとも1種の物質を含む、請求項1に記載の網状
    非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  18. 【請求項18】 前記一級アミン末端オリゴマーが、基本的に少なくとも1
    個の一級アミン基と、残部とから成り、該一級アミン基が、該一級アミン基に隣
    接する少なくとも1個の一級炭素原子によって該残部に結合されている請求項1
    に記載の網状非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  19. 【請求項19】 前記一級アミン基が、該一級アミン基に隣接する少なくと
    も2個の連結された一級炭素原子によって該残部に結合されている請求項18に
    記載の網状非イソシアネートポリウレタンポリマー。
  20. 【請求項20】 網状非イソシアネートポリウレタンポリマーの製造方法で
    あって、以下の工程を有する方法。 (a)第1オリゴマーとして、複数個のシクロカーボネート基を末端とする少
    なくとも1種のオリゴマーを選択する工程であって、前記シクロカーボネート末
    端オリゴマーが、さらに、存在する末端シクロカーボネート基の質量に基づいて
    約4質量%〜約12質量%のエポキシ基をし、前記第1オリゴマーが、一級アミ
    ンに対して約2.0〜約5.44の平均官能性を有する工程; (b)第2オリゴマーとして、複数個の一級アミン基を末端とする少なくとも
    1種のオリゴマーを選択する工程であって、前記第2オリゴマーが、シクロカー
    ボネート基に対して約3.0〜約3.8の平均官能性を有する工程; (c)前記第1及び第2オリゴマーを、存在する前記第2オリゴマーの量が、
    前記第2オリゴマーの一級アミン基の前記第1オリゴマーのシクロカーボネート
    基に対する化学量論比を達成するのに必要な前記第2オリゴマーの量の約0.93〜
    約0.99となるポットライフを有する混合物を形成する量で混合する工程;及び (d)前記混合物を、約10℃〜140℃の温度で硬化させて、質量で約0.96以上
    のゲルフラクションを有する網状ポリマーを形成する工程。
  21. 【請求項21】 前記第1オリゴマーが、さらに、その反応性末端基が、基
    本的にシクロカーボネート基から成る少なくとも1種のシクロカーボネート末端
    オリゴマーを含むように選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記第1オリゴマーの一級アミンに対する平均官能性が、
    約2.6〜約5.3の範囲である請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 さらに、約0.975以上のゲルフラクションを有する網状ポ
    リマーを形成する工程を含む、請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 さらに、約0.980以上のゲルフラクションを有する網状ポ
    リマーを形成する工程を含む、請求項20に記載の方法。
  25. 【請求項25】 さらに、約0.0001MPa(0.001atm)から約0.1MPa(1atm)
    未満の圧力で、前記オリゴマーを混合する工程を含む、請求項20に記載の方法
  26. 【請求項26】 さらに、約15℃〜約30℃の温度で、前記混合物を硬化させ
    る工程を含む、請求項20に記載の方法。
  27. 【請求項27】 さらに、約0.1〜1.0MPa(1〜10atm)の圧力で、前記混合
    物を硬化させる工程を含む、請求項20に記載の方法。
  28. 【請求項28】 さらに、約0.2〜1.0MPa(2〜10atm)の圧力で、前記混合
    物を硬化させる工程を含む、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 さらに、約0.3〜0.5MPa(3〜5atm)の圧力で、前記混合
    物を硬化させる工程を含む、請求項27に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ポットライフが、25℃で少なくとも約15分である、請
    求項20に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記ポットライフが、25℃で少なくとも約2時間である、
    請求項20に記載の方法。
  32. 【請求項32】 各シクロカーボネート末端オリゴマーが、約350g/mol〜約
    3,200g/molの数平均分子量を有する、請求項20に記載の方法。
  33. 【請求項33】 各シクロカーボネート末端オリゴマーが、約350g/mol〜約
    3,200g/molの数平均分子量を有する、請求項21に記載の方法。
  34. 【請求項34】 各シクロカーボネート末端オリゴマーが、25℃において、
    約150mPa・s〜約8,800mPa・sの粘度を有する、請求項20に記載の方法。
  35. 【請求項35】 各シクロカーボネート末端オリゴマーが、25℃において、
    約150mPa・s〜約8,800mPa・sの粘度を有する、請求項21に記載の方法。
  36. 【請求項36】 複数個の一級アミン基を末端とする各オリゴマーが、約60
    g/mol〜約3,900g/molの数平均分子量を有する、請求項20に記載の方法。
  37. 【請求項37】 複数個の一級アミン基を末端とする各オリゴマーが、25℃
    において、約10mPa・s〜約2,800mPa・sの粘度を有する、請求項20に記載の方法
  38. 【請求項38】 マトリックスと、強化材とを有する複合材料であって、前
    記マトリックスが、請求項1に記載の網状非イソシアネートポリウレタンポリマ
    ーを含むことを特徴とする複合材料。
  39. 【請求項39】 前記マトリックスが、約12〜45質量%の量で存在する
    ことを特徴とする請求項38に記載の複合材料。
  40. 【請求項40】 前記強化材が、繊維強化材、粒状強化材、及びそれらの混
    合物からなる群より選択されることを特徴とする請求項38に記載の複合材料。
  41. 【請求項41】 前記繊維強化材が、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩質繊維
    、及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項40に記載の複合材料。
  42. 【請求項42】 前記粒状強化材が、平均粒径を有する活性フィラーを含み
    、前記活性フィラーが金属酸化物及び金属アルミン酸塩からなる群より選択され
    る少なくとも1種の物質である請求項40に記載の複合材料。
  43. 【請求項43】 前記金属アルミン酸塩が、アルミン酸銅、アルミン酸カル
    シウム、アルミン酸鉛、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸亜鉛、アルミン酸
    鉄、及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項42に記載の複合材料
  44. 【請求項44】 前記金属アルミン酸塩が、アルミン酸銅、アルミン酸カル
    シウム、及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項42に記載の複合
    材料。
  45. 【請求項45】 前記金属アルミン酸塩が、アルミン酸銅である請求項42
    に記載の複合材料。
  46. 【請求項46】 前記活性フィラーが、前記網状非イソシアネートポリウレ
    タンポリマーの100質量部に基づいて約3質量部〜約200質量部の量で存在する請
    求項42に記載の複合材料。
  47. 【請求項47】 前記活性フィラーが、前記網状非イソシアネートポリウレ
    タンポリマーの100質量部に基づいて約10質量部〜約100質量部の量で存在する請
    求項46に記載の複合材料。
  48. 【請求項48】 前記活性フィラーが、前記網状非イソシアネートポリウレ
    タンポリマーの100質量部に基づいて約20質量部〜約40質量部の量で存在する請
    求項47に記載の複合材料。
  49. 【請求項49】 前記活性フィラーの平均粒径が、約30μm以下である請求
    項42に記載の複合材料。
  50. 【請求項50】 前記活性フィラーの平均粒径が、約2.5μm〜約30μmであ
    る請求項42に記載の複合材料。
  51. 【請求項51】 前記活性フィラーの平均粒径が、約4.5μm〜約15μmであ
    る請求項50に記載の複合材料。
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