JP2002356613A - 硬化性組成物およびこれを用いたアルキッド塗料塗装方法 - Google Patents
硬化性組成物およびこれを用いたアルキッド塗料塗装方法Info
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Abstract
しうる珪素含有官能基を有するオキシアルキレン重合体
を含有する硬化性組成物の硬化物表面にアルキッド塗料
を塗装したばあいの塗料乾燥性を改善する。 【解決手段】 シロキサン結合を形成することによって
架橋しうる珪素含有官能基を有するオキシアルキレン重
合体の製造過程で含まれる極微量のBHTがアルキッド
系塗料の乾燥性を極めて悪化させることを見出し、重合
体中のBHTの量を低く制限して製造することによって
アルキッド系塗料の乾燥性を極めて良好に改善できるこ
とを見出し本発明に至った。
Description
形成することによって架橋しうる珪素含有官能基を有す
る有機重合体を含有する硬化性組成物、及び該硬化性組
成物の硬化物の表面にアルキッド塗料を塗装することに
より塗料乾燥性を改善する方法に関する。
架橋しうる珪素含有官能基を有するオキシアルキレン重
合体(以下重合体(A)ともいう)は特公昭45−36319
号、同46−12154号、同49−32673号、特開昭50−156599
号、同51−73561号、同54−6096号、同55−82123号、同
55−123620号、同55−125121号、同55−131022号、同55
−135135号、同55−137129号、特開平3−72527号、同11
−60723号、同11−60724号の各公報などに提案され、シ
ーリング剤や接着剤などの用途に用いることができる。
によって架橋しうる珪素含有官能基を有するオキシアル
キレン系重合体を用いた組成物の硬化物にアルキッド系
塗料を塗装したばあい、塗膜の乾燥性(硬化性)がわる
く、前記硬化物に該塗料を使用するのが実際上困難であ
るという問題が生じる場合があった。
としては、特開平5−287189に示されているごと
く、高分子量可塑剤を用いる方法、特開平5−6540
7に示されているごとく、空気中の酸素と反応しうる不
飽和化合物を添加する方法が提案されているが必ずしも
充分とはいえなかった。
する課題は重合体(A)、または重合体(A)と重合体
(B)との混合物を含む硬化性組成物上にアルキッド塗
料を塗装した場合に塗料乾燥性が改善された硬化性組成
物およびアルキッド塗料を塗装した場合の塗料乾燥性の
改善方法を提供することにある。
ド系塗料の乾燥性の悪化原因について、鋭意検討を重ね
た結果、重合体(A)の製造過程で含まれる極微量のB
HTがアルキッド系塗料の乾燥性を極めて悪化させるこ
とを見出し、重合体(A)中のBHTの量を低く制限し
て製造することによってアルキッド系塗料の乾燥性を極
めて良好に改善できることを見出し、本発明に至った。
成することによって架橋しうる珪素含有官能基を有する
オキシアルキレン系重合体(A)を含む組成物であっ
て、2,6−ジ−ターシャリィブチルヒドロキシトルエ
ンを含有し、その含有量が該重合体に対し350ppm
以下である硬化性組成物に関する。
ることによって架橋しうる珪素含有官能基を有するオキ
シアルキレン系重合体(A)と、分子鎖として(メタ)
アクリル酸エステル単量体単位からなり、シロキサン結
合を形成することによって架橋しうる珪素含有官能基を
有する重合体(B)との混合物を含む組成物であって、
2,6−ジ−ターシャリィブチルヒドロキシトルエンを
含有し、その含有量が該重合体に対し350ppm以下
である硬化性組成物に関する。
化性組成物の硬化物の表面にアルキッド塗料を塗装する
ことにより塗料乾燥性を改善する方法に関する。
重合体(A)の分子鎖は、本質的に一般式(1): −R1−O− (1) (式中、R1は2価の有機基であるが、その大部分が炭素
数3または4の炭化水素基であるときが最も好ましい)
で示される繰返し単位を有するものが好ましい。
CH(C2H5)CH2−、−C(CH3)2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH
2CH2CH2CH2−などがあげられる。前記オキシアルキレン
重合体の分子鎖は1種だけの繰返し単位からなっていて
もよいし、2種以上の繰返し単位よりなっていてもよい
が、R1としてはとくに−CH(CH3)CH2−が好ましい。また
繰り返し単位の全てが同一である単独重合体であって
も良く、2つ以上の種類の繰り返し単位を含む共重合体
であっても良い。さらに主鎖中に分岐構造を有していて
も良い。
はアルキレンオキサイド類、具体的には、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、α−ブチレンオキサイ
ド、β−ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シ
クロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メ
チルスチレンオキシド、およびアルキルまたはアリルま
たはアリールグリシジルエーテル類、具体的にはメチル
グリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソ
プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル等の2個から12個の炭素原子を有する置換また
は非置換エポキシを用い、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリ
コール、メタリルアルコール、水素化ビスフェノール
A、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオー
ル、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等の2価アルコール又は多価アルコール及び水酸
基を有する各種のオリゴマーを開始剤として種々の触媒
の存在下開環重合させることによって得られるポリエー
テルを使用することができる。この重合の触媒としては
KOH、NaOH等のアルカリ触媒、トリフルオロボラ
ン−エーテラート等の酸性触媒、アルミノポルフィリン
金属錯体やシアン化コバルト亜鉛−グライム錯体触媒等
の複合金属シアン化物錯体触媒、非金属分子触媒のホス
ファゼン触媒(PZN)、セシウム触媒等の既に公知の
ものが用いられる。特に副反応が少ない複合金属シアン
化物錯体触媒、非金属分子触媒のホスファゼニウム化合
物触媒(PZN)の使用が塗料への易移行性の低分子量
ポリエーテル成分が少ないため好ましい。
に水酸基を有するものは、例えば特開昭46−2725
0、同50−149797、同61−197631、特
公昭59−15336、特開平2−276821、同1
0−273512、同11−106500等に記載され
ているものが挙げられる。
格は、水酸基末端ポリエーテルオリゴマーを塩基性化合
物、例えばKOH、NaOH、KOCH3、NaOCH3
等の存在下、2官能以上のハロゲン化アルキル、例えば
CH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等によっても得
ることができる。
とによって架橋しうる珪素含有官能基(反応性シリコン
官能基)はよく知られた官能基であり、室温においても
架橋しうるという特徴を有する。この反応性シリコン官
能基の代表例は、一般式(2): −[Si(R3 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa (2) (式中、R2又はR3は炭素数1〜20の置換もしくは非置
換の1価の有機基またはトリオルガノシロキシ基、Xは
水酸基または加水分解性基を示し、Xが二個以上存在す
る時、それらは同一であってもよく、異なっていてもよ
い。aは1、2または3を、bは0、1、または2をそ
れぞれ示す。またm個の−(Si(R3 2-b)(Xb)−
O)−基におけるbについて、それらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。mは0から19の整数を示
す。但し、a+Σb≧1を満足するものとする)で表わ
される。
ン官能基は一般式(3): −Si(R2 3-a)Xa (3) (式中R2、Xは前記と同じ。ここでaは1、2または
3を示す。) さらに好ましくは、R2がメチル基、Xがメトキシ基、
aが2または3の場合が好ましい。
個数は充分な硬化性をうる点から平均1個以上、さらに
は1.1個以上、とくには1.5個以上が好ましく、ま
た見掛け上反応性シリコン官能基1個当りの数平均分子
量が1,000〜15,000になるように存在するこ
とが好ましい。
例としては、たとえばハロゲン原子、水素原子、アルコ
キシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ
基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケ
ニルオキシ基などがあげられる。これらのうちでもメト
キシ基、エトキシ基などのアルコキシ基が好ましい。ま
た一般式(2)におけるR2の具体例としては、たとえ
ばメチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシ
ル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリー
ル基、ベンジル基などのアラルキル基などがあげられ
る。さらにR2は一般式(4): (R20)3SiO− (4) (R20は炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価の有
機基)で示されるトリオルガノシロキシ基であってもよ
い。これらのうちではメチル基がとくに好ましい。
子量は1,000〜50,000が好ましく、3,00
0〜25,000のものがさらに好ましい。ゲルパーミ
ュエーションクロマトグラフを用いて測定した分子量分
布は2.0以下であることが好ましくは、1.5以下で
あることが更に好ましい。数平均分子量が10,000
以上でかつゲルパーミュエーションクロマトグラフを用
いて測定した分子量分布が1.5以下であることが塗料
へ易移行性である低分子量ポリエーテル成分の割合が少
ないので特に好ましい。オキシアルキレン重合体(A)
は単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
(A)は、たとえば一般式(5): H−Si(R2 3-a)Xa (5) (式中R2、Xは前記と同じ。ここでaは1、2または
3を示す。)で表わされる水素化シリコン化合物と一般
式(6): HC(R4)=CH−R5−O−(6) (式中、R4は水素原子または炭素数1〜20の1価の有機
基、R5は炭素数1〜20の2価の有機基)で示されるオレ
フィン基を有するポリエーテルとを白金化合物などVIII
族遷移金属触媒を触媒として付加反応させることにより
製造したものなどがあげられる。
するアルキレンオキシド重合体の具体的製造法として
は、特開昭54−6097号公報や特開平3−72727号公報にお
いて開示されている方法、あるいはエチレンオキシド、
プロピレンオキシドなどのエポキシ化合物を重合する際
に、アリルグリシジルエーテルなどのオレフィン基含有
エポキシ化合物を添加して共重合することにより側鎖に
オレフィン基を導入する方法などが例示されうる。
系重合体は例えば特開昭50−149797、同61−
215623、特公昭61−29371、特開平1−2
94733、同5−97996、同8−231707、
同11−106500公報等に記載されている方法等に
よって製造されるものが挙げられる。
触媒としては、白金、ロジウム、コバルト、パラジウム
およびニッケルから選ばれたVIII族遷移金属錯体化合物
が有効に使用できる。とくに白金ブラック、塩化白金
酸、白金アルコール化合物、白金オレフィンコンプレッ
クス、白金アルデヒドコンプレックス、白金ケトンコン
プレックスなどの白金系化合物が有効である。
を製造する方法としては、(イ)水酸基末端ポリオキシ
アルキレンにトルエンジイソシアネートのようなポリイ
ソシアネート化合物を反応させてイソシアネート基末端
アルキレンオキシド重合体とし、そののち該イソシアネ
ート基に一般式(7): W−R5−Si(R2 3-a)Xa(7) (式中、Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基お
よびアミノ基(1級または2級)から選ばれた活性水素
含有基、R2、R5、Xは前記と同じ。ここでaは1、2
または3を示す。)で示されるシリコン化合物のW基を
反応させる方法、(ロ)一般式(6)で示されるオレフ
ィン基を有するポリオキシアルキレンのオレフィン基
に、Wがメルカプト基である一般式(7)で示されるシ
リコン化合物のメルカプト基を付加反応させる方法、お
よび(ハ)水酸基末端ポリオキシアルキレンの水酸基
に、一般式(8): NCO−R5−Si(R2 3-a)Xa(8) (式中、R2、R5、Xは前記と同じ。ここでaは1、2
または3を示す。)を反応させる方法などが具体的にあ
げられるが、本発明ではこれら上述の方法に限定される
ものではない。
クリル酸エステル単量体単位からなり、シロキサン結合
を形成することによって架橋しうる珪素含有官能基を有
する重合体(B)は、特開昭59−78223号、特開昭59−1
68014号、特開昭60−31556号、特開昭60−228516号、特
開昭60−228517号、特開昭63−112642号等の各公報に記
載されている。特に、オキシアルキレン重合体(A)と
の組成物として用いる場合に有用である。
ル単量体は一般式(9)で示される単量体が好ましい。 CH2=C(R6)(COOR7) (9) (式中、R6は水素原子またはメチル基、R7は置換また
は非置換の1価の炭化水素基を示す。) 前記一般式(9)中のR6としては、たとえばメチル
基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜8のアルキ
ル基;ラウリル基、トリデジル基、セチル基、ステアリ
ル基、炭素数22のアルキル基、ビフェニル基などの炭素
数10以上の長鎖アルキル基;グリシジル基、アミノエ
チル基、ジエチルアミノエチル基などの置換炭化水素基
をあげることができる。
合して用いてもよい。重合体(B)中には(メタ)アク
リル酸エステル単量体以外の単量体に起因する単位が含
まれていてもよい。重合体(B)中の(メタ)アクリル
酸エステル単量体に起因する単位の量は50重量%以
上、さらには70重量%以上が相溶性の点から好まし
い。
ル単量体としては一般式(10)に示す単量体と一般式
(11)に示す単量体に示す単量体の混合物を用いるこ
とが重合体(A)との相溶性を向上させるのでさらに好
ましい。 CH2=C(R6)(COOR8)(10) (式中、R6は前記と同じ、R8は炭素数1〜8のアルキ
ル基を示す。) CH2=C(R6)(COOR9)(11) (式中、R6は前記と同じ、R9は炭素数10以上のアル
キル基を示す。) 重合体(B)中の一般式(10)に示す単量体と一般式
(11)に示す単量体に起因する単量体単位の合計量は
50重量%以上になるようにするのがが好ましく、70
重量%以上になるようにするのがさらに好ましい。ま
た、重合体(B)中の式(10)に示す単量体単位と一
般式(11)に示す単量体単位の存在比は重量比で9
5:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:4
0がさらに好ましい。
単量体としてはたとえばアクリル酸、メタクリル酸など
のアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミドなどのアミド基、クリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレートなどのエポキシ基、ジエチルア
ミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタク
リレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基
を含む単量体;その他アクリロニトリル、イミノールメ
タクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アルキ
ルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、エチレンなどの単量体があげられる。
100,000のものが取扱いの容易さの点から好まし
い。
シリコン官能基とは、前記と同じである。
入する方法としては種々のものがあるが、たとえば
(イ)重合性不飽和結合と反応性シリコン官能基を有す
る化合物(たとえばCH 2=CHSi(OCH3)3)とを、一般式
(9)で表わされる単量体に添加して共重合する方法、
(ロ)重合性不飽和結合および反応性官能基(以下、Y
基という)を有する化合物(たとえばアクリル酸)を一
般式(9)で表わされる単量体に添加して共重合させ、
そののち生成した共重合体を反応性珪素基およびY基と
反応しうる官能基(以下、Y′官能基という)を有する
化合物(たとえばイソシアネート基と−Si(OCH3)3基
を有する化合物)と反応させる方法などがあげられる。
能基を有する化合物としては、一般式(12): CH2=C(R6)COOR9−[Si(R3 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa (12) (式中R6は前記に同じ。R9は炭素数1〜6の2価のア
ルキレン基を示す。R2,R3,X,a,b,mは前記と
同じ。)または一般式(13): CH2=C(R6)−[Si(R3 2-b)(Xb)O]mSi(R2 3-a)Xa(13) (式中R2,R3,R6,X,a,b,mは前記と同
じ。)で表わされる化合物が示される。
れる化合物の具体例としては、たとえば次の化合物があ
げられる。
シラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン等のγ−メタクリロキシプロピルアルキルポリアルコ
キシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の
γ−アクリロキシプロピルアルキルポリアルコキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアルキ
ルポリアルコキシシランなどがあげられる。
合成されるが、たとえばアセチレン、アリルアクリレー
ト、アリルメタクリレート、ジアリルフタレートなどと
メチルジメトキシシラン、メチルジクロルシランなどと
をVIII族遷移金属の触媒下で反応させることにより製造
することができる。
とえばラジカル反応によるビニル重合により、一般式
(9)で表される単量体を通常の溶液重合法や塊重合法
などにより重合させることによりえられる。
開始剤などを、好ましくは数平均分子量500〜100,000の
重合体(B)を得るために必要に応じてn−ドデシルメ
ルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのごとき連鎖移
動剤を加えて50〜150℃で反応させる。溶媒として
はアルコール類、エーテル類、脂肪族系および芳香族系
炭化水素類、酢酸エステル類、ケトン類のごとき非反応
性の溶媒が好ましい。
ことが望ましい。炭化水素類として芳香族系化合物を併
用した場合などには、残存する芳香族系化合物は重合体
(B)に対し出来るだけ少ないことが好ましい。
重合体(A)と重合体(B)との比率は、重合体(B)
の量がオキシアルキレン重合体(A)100部に対して5
〜5000部の範囲が(A)、(B)各重合体の特性改善の
効果が顕著にあるので好ましく、さらに好ましくは5〜
2000部の範囲であり、目的とする用途、性能に応じて選
択するのが通常である。本発明の組成物はオキシアルキ
レン重合体(A)と重合体(B)をそれぞれ製造しその
後混合することによってえられるが、オキシアルキレン
重合体(A)の存在下に(メタ)アクリル酸エステル単
量体を重合することによっても得ることができる。
は、酸化劣化しやすいため、重合前の単量体はもとよ
り、重合体の製造時、重合体となった後の保存のために
酸化防止剤が添加されている。
ン系重合体を製造する過程では特に、末端エーテル化反
応等強アルカリ条件下における反応時の酸化劣化の防止
のためにかなり大量の酸化防止剤が用いられている。
体を製造する際には、その原料となるオキシアルキレン
系化合物の酸化劣化防止のために添加されている酸化防
止剤により、極めて注意すればその後の酸化防止剤を添
加しなくても重合製造することは可能である場合があ
る。しかし、この操作は極めて手数と注意を要するた
め、工業的には特に工程の簡略化と製品特性のばらつき
の点から、酸化防止剤の添加が行われている。
合物が、上市販売されているが、通常は安価、取扱の容
易さの点から、2,6−ジ−ターシャリィブチルヒドロ
キシトルエン(以下「BHT」をいう)が用いられてい
る。本発明では、シロキサン結合を形成することによっ
て架橋しうる珪素含有官能基を有するオキシアルキレン
系重合体組成物中にBHTが該オキシアルキレン系重合
体あたり350ppm以下の範囲にあることにより、ア
ルキッド系塗料の塗装性が改良されることを見いだした
ものである。重合体(A)と重合体(B)の合計量に対
するBHTの量は1ppm以上350ppm以下である
ことが必要である。好ましくは2ppm以上300pp
m以下であることが好ましい。BHTがこれより少ない
場合は、重合体が酸化的雰囲気に曝せられた時にただち
に酸化劣化が開始するので好ましくない。また、これ以
上含有する場合は、アルキッド塗料の硬化に悪影響がで
るので好ましくない。前記アルキッド塗料にはとくに限
定はなく、多塩基酸(無水フタル酸、無水マレイン酸な
ど)と多価アルコール(グリセリン、ペンタエリスリト
ール、エチレングリコール、トリメチロールエタンな
ど)との縮合物を脂肪油または脂肪酸(アマニ油、大豆
油、ヒマシ油、サフラワー油など)で変性したいわゆる
油変性アルキッド樹脂や、アルキッド樹脂を各種の樹脂
あるいはビニル単量体などで変化した変性アルキッド樹
脂を塗膜形成の主要素とする塗料のことであり、車両
用、航空機用、工業用などの塗装に使用されるアルキッ
ド樹脂ワニスやアルキッド樹脂エナメル、建築用、鉄橋
用、船舶用などの塗装に使用されるアルキッド樹脂調合
ペイント(合成樹脂調合ペイントともいわれる)、自動
車、機械、電気製品、家具などの下地塗料として使用さ
れるアルキッド樹脂下地塗料など、いずれの形態のもの
でもよい。とくに汎用で使用される乾性油量の多い長油
アルキッド塗料において効果が顕著である。本発明の硬
化性組成物からの硬化物上にアルキッド塗料を塗装する
際、組成物がほぼ完全に硬化または組成物がタックフリ
ーの状態すなわち表面層が固化している状態になれば塗
装しやすいが、本発明の組成物を施工後直ちにアルキッ
ド塗料を塗布しても構わない。
促進剤、充填剤、各種添加剤などを添加することが出来
る。本発明の組成物においては、特に可塑剤の選択は重
要である。可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどの如
きフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク
酸イソデシル、セバシン酸ジブチルなどの如き脂肪族二
塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエー
ト、ペンタエリスリトールエステルなどの如きグリコー
ルエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール
酸メチルの如き脂肪族エステル類;リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニルな
どの如きリン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキ
シ化アマニ油、エポキシステアリン酸ベンジルなどの如
きエポキシ可塑剤類;2塩基酸と2価アルコールとのポ
リエステル類などのポリエステル系可塑剤;ポリプロピ
レングリコールやその誘導体などのポリエーテル類;ポ
リ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチ
レン類;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリ
ブテン、塩素化パラフィン類などの可塑剤が単独または
2種類以上の混合物の形で任意に使用できる。特にアル
キッド塗料の乾燥性の改善には高分子可塑剤の使用が好
ましい結果を与える。可塑剤の使用量は反応性基含有オ
キシアルキレン系重合体100重量部に対し、0〜10
0重量部の範囲で使用すると、好ましい結果が得られ
る。本発明における高分子可塑剤とは、ポリオキシプロ
ピレン、ポリエステル、ポリ−α−メチルスチレン、ポ
リスチレン、ポリブタジエン、アルキド樹脂、ポリクロ
ロプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、お
よび液状ポリカーボネートから選ばれる一種もしくは数
種のものである。数平均分子量は1,000以上であり、よ
り好ましくは1,500〜30,000のものである。一般的には
本発明の重合体との相溶性が良いものが好ましい。特に
数平均分子量が1,000〜30,000でかつゲルパーミュエー
ションクロマトグラフを用いて測定した分子量分布が
1.5以下であるオキシプロピレン重合体が塗料へ易移
行性である低分子量ポリエーテル成分の割合が少ないの
で特に好ましい。実質的に水酸基を有しないオキシプロ
ピレン重合体が好ましく、特にアルケニル基を含有する
オキシアルキレン系重合体はオキシアルキレン系重合体
(A )の原料となるので用いるのに便利である。
合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミ
ンとの反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸また
はその酸無水物、有機チタネート化合物などがあげられ
る。前記有機スズ化合物の具体例としては、ジブチルス
ズジラウレート、ジオクチルスズジマレート、ジブチル
スズフタレート、オクチル酸スズ、ジブチルスズメトキ
シドなどがあげられる。前記酸性リン酸エステルは、特
開昭63−112642号公報に開示されている。有機
チタネート化合物としては、テトラブチルチタネート、
テトライソプロピルチタネート、トリエタノールアミン
チタネートなどのチタン酸エステルがあげられる。重合
体(A)と重合体(B)との合計量100部に対する硬化
促進剤の量は、0.1〜20部が好ましく、さらに好ましく
は0.5〜10部である。
炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、カオリン、タル
ク、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラックなどが使用さ
れる。添加剤としては、水添ヒマシ油、有機ベントナイ
トなどのタレ防止剤、着色剤、老化防止剤などが用いら
れる。
ング剤の他に接着剤や粘着剤、塗料、塗膜防水材、型取
り用材料および注型ゴム材料、発泡材料などとして使用
することができる。
始剤とし亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触
媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、末端基分析
による平均分子量10,000、ゲルパーミュエーショ
ンクロマトグラフを用いて測定した分子量分布は1.3
8のポリオキシプロピレングリコールを得た。この時、
ガスクロマトグラフィ分析によるBHT濃度は検出限界
以下の微量であり検出されなかった。続いてこの水酸基
末端ポリエーテルオリゴマーに対し500ppmのBH
Tを添加し、水酸基に対して1.2倍当量のNaOMe
のメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さら
に3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基を
アリル基に変換した。アリル化反応中にBHTは消費さ
れて減少した。ガスクロマトグラフィ分析によるBHT
濃度は47ppmであった。アリル化反応物をヘキサン
に溶解し、不純物のアルカリ、塩、重合金属触媒を水抽
出にて分離除去した。水層を除いた後のアリル末端ポリ
エーテルヘキサン溶液に対しBHTを対ポリマー265
ppm添加溶解後、ヘキサン溶媒を蒸発除去して精製ア
リルポリマーを得た。白金錯体触媒、DMS(ジメトキ
シメチルシラン)を加え90℃で2時間反応させ反応性
ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得ら
れたポリマーの数平均分子量は約10,000、末端へ
の反応性ケイ素基導入率は82%であることを1H−N
MR分析より確認した。BHT濃度は310ppmであ
った(重合体イ)。 (合成例2)110℃に加熱したトルエン43g中にア
クリル酸ブチル28g、メタクリル酸メチル46g、メ
タクリル酸ステアリル20g、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン4.4gおよびトルエン2
3g混合物に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リル2.0gを溶かした溶液を4時間かけて滴下した
後、2時間後重合を行ない、固形分濃度60%で、GP
C(ポリスチレン換算)による数平均分子量(Mn)が
8,500の共重合体を得た(重合体ロ)。 (合成例3)実施例1で得られた反応性ケイ素基含有ポ
リエーテルオリゴマー(重合体イ)と合成例1で得られ
た共重合体(重合体ロ)とを固形分比(重量比)70/
30でブレンドし、エバポレーターを用い、減圧下、1
10℃加熱条件で脱揮を行ない、固形分濃度99%以上
の透明で粘稠な液体を得た。ガスクロマトグラフィ分析
によるBHT濃度は215ppmであった(重合体
ハ)。 (合成例4)合成例1において、プロピレンオキサイド
の重合後のBHT添加量を100ppmとしたこと、お
よび不純物のアルカリ、塩、重合金属触媒を水抽出法に
て除いた後のアリル末端ポリエーテルヘキサン溶液に対
しBHTを添加しなかったこと以外は合成例1と同様に
して反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体を
得た。ガスクロマトグラフィ分析によるBHT濃度は5
ppmであった(重合体ニ)。 (合成例5)合成例4で得られた反応性ケイ素基含有ポ
リエーテルオリゴマー(重合体ニ)と合成例2で得られ
た共重合体(重合体ロ)とを固形分比(重量比)70/
30でブレンドし、エバポレーターを用い、減圧下、1
10℃加熱条件で脱揮を行ない、固形分濃度99%以上
の透明で粘稠な液体を得た。ガスクロマトグラフィ分析
によるBHT濃度は4ppmであった(重合体ホ)。 (比較合成例1)合成例1において、残ったアリル末端
ポリエーテルのヘキサン溶液に対しBHTを対ポリマー
500PPM添加溶解した以外は合成例1と同様にして
反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体を得
た。得られたポリマーの数平均分子量は約10,00
0、末端への反応性ケイ素基導入率は82%であること
を1H−NMR分析より確認した。ガスクロマトグラフ
ィ分析によるBHT濃度は606PPMであった(重合
体ヘ)。 (比較合成例2)合成例3において重合体イのかわりに
重合体ホを用いた以外は合成例3と同様にして重合体ニ
と重合体ロとのブレンド物を得た。得られたブレンドポ
リマーのガスクロマトグラフィ分析によるBHT濃度は
405PPMであった。(重合体ト) (実施例1〜4、比較例1〜2)合成例1、合成例3、
合成例4、合成例5、比較合成例1、比較合成例2で得
られた反応性ケイ素基含有重合体150重量部に炭酸カ
ルシウム130重量部、酸化チタン10重量部、タレ防
止剤3重量部、シリコン化合物としてビニルトリメトキ
シシラン3重量部、N−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン2重量部、ジブチル錫
ジアセチルアセトナート1重量部を添加し、均一に混合
して硬化性樹脂組成物を得た。この組成物を厚さ3mm
のシート状物を作製して室温で1日硬化させた後、表1
に示すアルキッドペイントを刷毛で塗布し1日後、3日
後、7日後の塗料の乾燥状態を指触により調べた。塗料
の乾燥性の評価は、5:塗布した塗料が完全に硬化、
4:塗布した塗料が硬化するが、表面にべたつきが残
る、3:塗布面に指をつけるとわずかに塗料が指につ
く、2:一部硬化してきているが、塗布面に指をつける
と塗料が指先につく、1:塗布した塗料が増粘してきて
いる、0:塗布した塗料に全く変化がない、とした。結
果を表1に示す。
s finish(AKZO NOBEL社製)、グラ
ンスラック ハイソリッド(WijzonolGlan
slak Highsolid): (VAN WIJ
HE VERF社製 Holland)、エバーモア
ー:Oil/Alkyd・Gloss(米国 The
Glidden Company)、プレミウム:(米
国 FARF&FLEET社製)はいずれもアルキッド
ペイントである。 (実施例5〜9、比較例3)実施例1において合成例1
の反応性ケイ素基含有重合体の代わりに合成例4又は合
成例5で得られた反応性ケイ素基含有重合体を100重
量部用い、さらに酸化防止剤として、BHT、スチレン
化フェノール、イルガノックス1010(チハ゛・スヘ゜シャルテ
ィ・ケミカル社製)、イルガノックス245(チハ゛・スヘ゜シャルティ
・ケミカル社製)を添加して表2に示す濃度(対反応性ケイ
素基含有重合体)にした以外は実施例1と同様にしてア
ルキッド塗料の乾燥性を評価した。結果を表2に示す。
を塗装する場合に塗料の乾燥性が改善される。
Claims (3)
- 【請求項1】 シロキサン結合を形成することによって
架橋しうる珪素含有官能基を有するオキシアルキレン系
重合体(A)を含む組成物であって、2,6−ジ−ター
シャリィブチルヒドロキシトルエンを含有し、その含有
量が該重合体に対し350ppm以下である硬化性組成
物。 - 【請求項2】 シロキサン結合を形成することによって
架橋しうる珪素含有官能基を有するオキシアルキレン系
重合体(A)と、分子鎖として(メタ)アクリル酸エス
テル単量体単位からなり、シロキサン結合を形成するこ
とによって架橋しうる珪素含有官能基を有する重合体
(B)との混合物を含む組成物であって、2,6−ジ−
ターシャリィブチルヒドロキシトルエンを含有し、その
含有量が該重合体に対し350ppm以下である硬化性
組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の硬化性組成物の硬
化物の表面にアルキッド塗料を塗装することにより塗料
乾燥性を改善する方法。
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