JP2001323151A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2001323151A JP2000145803A JP2000145803A JP2001323151A JP 2001323151 A JP2001323151 A JP 2001323151A JP 2000145803 A JP2000145803 A JP 2000145803A JP 2000145803 A JP2000145803 A JP 2000145803A JP 2001323151 A JP2001323151 A JP 2001323151A
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友香 金盛
Hideji Kino
秀治 城野
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英年 尾高
Hiroshi Iwakiri
浩 岩切
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応性ケイ素含有ポリオキシプロピレン系重合
体組成物の作業性や硬化性、接着性、耐久性を維持した
まま、硬化物の強度と伸びを向上させる。 【解決手段】 特定の構造を有する加水分解性ケイ素基
含有ポリオキシアルキレン重合体(A)と、(A)とは
異なる特定の構造を有する加水分解性ケイ素基含有ポリ
オキシアルキレン重合体(B)とを必須成分とする硬化
性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化物の強度と伸
びを向上させた反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレ
ン系重合体を含有する新規な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】反応性ケイ素基を有するポリオキシアル
キレン系重合体をベースにした室温硬化性組成物は、優
れた作業性や硬化性、接着性、耐久性を示すことから、
土木・建築用のシーリング材や接着剤として利用されて
いる。しかしながら、硬化物の機械強度はエポキシ樹脂
やウレタン樹脂に比べて低く、高い強度が必要とされる
構造用途への使用例は殆どないのが現状である。こうし
た反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の
強度を改善する方法としては、特開昭59−12254
1、特開昭61−268720等に記載されたポリマー
ブレンドや補強性充填材等の添加が提案されているが、
まだ満足される域には達していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記手法以外では、ポ
リオキシアルキレン系重合体自身の分子量を上げ、硬化
物の網目鎖長を伸ばし、高伸び、高強度化させるのが有
効と考えられるが、重合体の粘度が高くなりすぎ使い難
くなるといった理由より実現は難しかった。こうしたこ
とから、硬化前の作業性は良好で、かつ硬化後は優れた
機械強度を示すポリオキシアルキレン系重合体を含有す
る硬化性組成物が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、従来の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレ
ン系重合体に、網目鎖を伸ばすだけの働きをする反応性
ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を混合する
こと、具体的には、下記に示す一般式(1)で表わされ
る加水分解性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系
重合体(A)と、一般式(2)で表わされる加水分解性
ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)
を混合した組成物により硬化前の作業性は良好で、かつ
硬化後は優れた機械強度を示す硬化物が得られることを
見出し、本発明を完成するに到った。
【0005】即ち、本発明は、下記一般式(1)で表わ
される加水分解性ケイ素基を有するポリオキシアルキレ
ン重合体(A)と、一般式(2)で表わされる加水分解
性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体(B)
を必須成分とする硬化性組成物に関する。 −[Si(R1 2-b)(X1 b)O]mSi(R2 3-a)X1 a・・・(1) (式中R1およびR2は同一または異なる炭素数1から2
0のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素
数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1または
2が二個以上存在するとき、それらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から
20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。X1は水酸基または加
水分解性基を示す。aは0、1、2または3を、bは
0、1、または2をそれぞれ示し、a+Σb≧2を満足
するものとする。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb
O−基におけるbについて、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。mは0から19の整数を示
す。) −[Si(R3 2-d)(X2 d)O]mSi(R4 3-c)X2 c・・・(2) (式中R3およびR4は同一または異なる炭素数1から2
0のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素
数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、それらは同
一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は
炭素数1から20の一価の炭化水素基であり3個のR’
は同一であってもよく、異なっていてもよい。X2は水
酸基または加水分解性基を示す。c、dは0または1を
示し、c+Σd=1を満足するものとする。mは0から
19の整数を示す。) 好ましい実施態様としては、重合体(A)および(B)
の主鎖が主にポリプロピレンオキシドからなることを特
徴とする前記に記載の硬化性組成物に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用される(A)成分の
反応性ケイ素基としては、特に限定されるものではない
が、代表的なものを示すと、例えば一般式(1)で表わ
される基が挙げられる。 −[Si(R1 2-b)(X1 b)O]mSi(R2 3-a)X1 a・・・(1) (式中R1およびR2は同一または異なる炭素数1から2
0のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素
数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1または
2が二個以上存在するとき、それらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から
20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。X1は水酸基または加
水分解性基を示す。aは0、1、2または3を、bは
0、1、または2をそれぞれ示し、a+Σb≧2を満足
するものとする。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb
O−基におけるbについて、それらは同一であってもよ
く、異なっていてもよい。mは0から19の整数を示
す。) 上記X1のうちの加水分解性基は特に限定されず、従来
公知の加水分解性基であれば良い。具体的には例えば水
素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ
基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド
基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
基等が挙げられる。これらの内では、加水分解性が穏や
かで取扱やすいという点でメトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が特に
好ましい。
【0007】この水酸基や加水分解性基は1個のケイ素
原子に1〜3個結合することができ、(a+Σb)は2
から5であるのが好ましい。水酸基や加水分解性基が反
応性ケイ素基中に2個以上存在する場合には、それらは
同一であっても良く、異なっていてもよい。
【0008】反応性ケイ素基中のケイ素原子の数は1個
でもよく2個以上でもよいが、シロキサン結合等により
ケイ素原子の連結された反応性ケイ素基の場合には20
個程度でもよい。
【0009】なお、下記一般式(3)で表される反応性
ケイ素基が入手が容易であるため好ましい。 −Si(R2 3-e)X1 e・・・(3) (式中R2、X1は前記に同じ。eは2または3を示
す。) また、上記一般式(1)または(3)におけるR1、R2
の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアル
キル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェ
ニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、
R’がメチル基やフェニル基等である(R’)3SiO
−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。
1、R2,R’としてはメチル基が特に好ましい。
【0010】本発明に使用される(B)成分の反応性ケ
イ素基としては、特に限定されるものではないが、代表
的なものを示すと、例えば一般式(2)で表わされる基
が挙げられる。 −[Si(R3 2-d)(X2 d)O]mSi(R4 3-c)X2 c・・・(2) (式中R3およびR4は同一または異なる炭素数1から2
0のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素
数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO−
で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、それらは同
一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は
炭素数1から20の一価の炭化水素基であり3個のR’
は同一であってもよく、異なっていてもよい。X2は水
酸基または加水分解性基を示す。c、dは0または1を
示し、c+Σd=1を満足するものとする。mは0から
19の整数を示す。) 上記X2のうちの加水分解性基は特に限定されず、従来
公知の加水分解性基であれば良い。具体的には例えば水
素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、ア
ミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、
アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキ
シ基等のアルコキシ基やフェノキシ基、置換フェノキシ
基等アリールオキシ基が特に好ましい。
【0011】なお、下記一般式(4)で表される反応性
ケイ素基が入手が容易であるため好ましい。 −Si(R4 2)X2・・・(4) (式中R4、X2は前記に同じ。) また、上記一般式(2)または(4)におけるR3、R4
の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアル
キル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェ
ニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、
R’がメチル基やフェニル基等である(R’)3SiO
−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。
3、R4,R’としてはメチル基が特に好ましい。
【0012】本発明に使用される(A)および(B)成
分のポリオキシアルキレン系重合体の主鎖構造として
は、−R−O−で示される構造を繰り返し単位とする重
合体であればよく、このとき、Rは炭素数1から20の
2価の有機基であればよい。また、繰り返し単位の全て
が同一である単独重合体であっても良く、2つ以上の種
類の繰り返し単位を含む共重合体であっても良い。さら
に、主鎖中に分岐構造を有していても良い。
【0013】Rの具体例としては、−CH2CH2−、−
CH(CH3)CH2−、−CH(C 25)CH2−、−
C(CH32CH2−、−CH2CH2CH2CH2−等が
挙げられる。Rとしては特に−CH(CH3)CH2−が
好ましい。
【0014】(A)および(B)成分のポリオキシアルキ
レン系重合体の主鎖骨格は、例えば開始剤と触媒の存在
下、モノエポキシドを開環重合することによって得られ
る。
【0015】開始剤の具体例としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサ
メチレングリコール、メタリルアルコール、ビスフェノ
ールA、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコ
ール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオ
ール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール等の2価アルコ
ールや多価アルコール、水酸基を有する各種のオリゴマ
ー等が挙げられる。
【0016】モノエポキシドの具体例としては、エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、α-ブチレンオ
キサイド、β-ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイ
ド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、
α−メチルスチレンオキシド等のアルキレンオキサイド
類や、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエ
ーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリ
シジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、ア
リルグリシジルエーテル類、アリールグリシジルエーテ
ル類等が挙げられる。
【0017】触媒としてはKOH、NaOH等のアルカ
リ触媒、トリフルオロボラン−エーテラート等の酸性触
媒、アルミノポルフィリン金属錯体やシアン化コバルト
亜鉛−グライム錯体触媒等の複合金属シアン化物錯体触
媒等の既に公知のものが用いられる。特に副反応が少な
い複合金属シアン化物錯体触媒の使用が好ましいがそれ
以外のものであってもよい。
【0018】この他、ポリオキシアルキレン系重合体の
主鎖骨格は、水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体を
塩基性化合物、例えばKOH、NaOH、KOCH3
NaOCH3等の存在下、2官能以上のハロゲン化アル
キル、例えばCH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等
によっても得ることができる。
【0019】本発明の(A)成分であるポリオキシアルキ
レン系重合体の製造法としては、特に限定されず、種々
の方法を用いることができる。特に、1分子中に一般式
(5): H2C=C(R5)−R6−O−・・・(5) または一般式(6): HC(R5)=CH−R6−O−・・・(6) (式中R5は炭素数10以下の炭化水素基、R6は炭素数
1から20の2価の有機基)で示される不飽和基を末端
に有するポリオキシアルキレン系重合体と、一般式
(7): H−[Si(R1 2-b)(X1 b)O]mSi(R2 3-a)X1 a・・・(7) (式中R1,R2,X1,a,b,mは前記に同じ。)で
示される反応性ケイ素基含有化合物とを、VIII族遷
移金属触媒の存在下で反応させる方法が、分子末端に平
均して85%以上の反応性ケイ素基を導入できるという
点で好ましい。
【0020】末端に(5)または(6)で示される不飽
和基を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造法と
しては、従来公知の方法を用いればよく、例えば水酸基
末端ポリオキシアルキレン系重合体に不飽和結合を有す
る化合物を反応させて、エーテル結合、エステル結合、
ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合させる
方法等が挙げられる。例えばエーテル結合により不飽和
基を導入する場合は、ポリオキシアルキレン重合体の水
酸基末端のメタルオキシ化により−OM(MはNaまた
はK等)を生成した後、一般式(8): H2C=C(R5)−R6−X3・・・(8) または一般式(9): HC(R5)=CH−R6−X3・・・(9) (式中R5,R6は前記に同じ。X3はハロゲン原子)で
示される不飽和基含有化合物を反応させる方法が挙げら
れる。
【0021】一般式(8)または(9)で示される不飽
和基含有化合物の具体例としては、H2C=C(CH3
−CH2−Cl、H2C=C(CH3)−CH2−Br、H
2C=C(CH2CH3)−CH2−Cl、H2C=C(C
2CH3)−CH2−Br、H2C=C(CH2CH(C
32)−CH2−Cl、H2C=C(CH2CH(C
32)−CH2−Br、HC(CH3)=CH−CH2
−Cl、HC(CH3)=CH−CH2−Br等が挙げら
れ、特に、反応性の点から、H2C=C(CH3)−CH
2−Cl、HC(CH3)=CH−CH2−Clが好まし
い。更に、原料入手、および合成の容易さから H2C=C(CH3)−CH2−Cl が特に好ましい。
【0022】不飽和基の導入方法としては、これ以外に
2C=C(CH3)−CH2−基やHC(CH3)=CH
−CH2−基等を有するイソシアネート化合物、カルボ
ン酸、エポキシ化合物を用いることもできる。
【0023】本発明の(B)成分であるポリオキシアルキ
レン系重合体の製造法としては、特に限定されず、種々
の方法を用いることができる。特に、1分子中に一般式
(5): H2C=C(R5)−R6−O−・・・(5) または一般式(6): HC(R5)=CH−R6−O−・・・(6) または一般式(10): H2C=CH−R6−O−・・・(10) (式中R5、R6は前記に同じ。)で示される不飽和基を
末端に有するポリオキシアルキレン重合体と、一般式
(11): H−[Si(R3 2-d)(X2 d)O]mSi(R4 3-c)X2 c・・・(11) (式中R3,R4,X2,c,d,mは前記に同じ。)で
示される反応性ケイ素基含有化合物とを、VIII族遷
移金属触媒の存在下で反応させる方法が好ましい。
【0024】末端に(5)、(6)で示される不飽和基
を有するポリオキシアルキレン系重合体の製造法は前記
の通りであり、末端に(10)で示される不飽和基を有
するポリオキシアルキレン系重合体の製造法は、一般式
(12): H2C=CH−R6−X3・・・(12) (式中R6,X3は前記に同じ。)で示される不飽和基含
有化合物を用いる方法が挙げられる。
【0025】一般式(12)で示される不飽和基含有化
合物の具体例としては、H2C=CH−CH2−Cl、H
2C=CH−CH2−Br、H2C=CH−C24−C
l、H2C=CH−C24−Br、H2C=CH−C36
−Cl、H2C=CH−C36−Br等が挙げられ、特
に、反応性の点から、H2C=CH−CH2−Clが好ま
しい。
【0026】不飽和基の導入方法としては、これ以外に
2C=CH−CH2−基等を有するイソシアネート化合
物、カルボン酸、エポキシ化合物を用いることもでき
る。
【0027】VIII族遷移金属触媒としては、白金、
ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケル等のVI
II族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒等が有効
に使用される。例えば、H2PtCl6・6H2O、白金
−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、Pt
メタル、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/A
23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、PdCl2
・2H2O、NiCl2等のような化合物が使用できる
が、ヒドロシリル化の反応性の点から、H2PtCl6
6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフ
ィン錯体のいずれかであることが特に好ましい。
【0028】ヒドロシリル化反応は、通常10から15
0℃、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは4
0〜100℃の範囲とするのが好適であり、反応温度の
調節、反応系の粘度の調整などの必要に応じて、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、塩化メ
チレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の溶剤を用い
ることができる。
【0029】ヒドロシリル化反応の触媒としては、これ
以外にもAlCl3やTiCl4等も使用することができ
る。
【0030】ヒドロシリル化反応の反応促進には、酸素
の使用による触媒の再活性化(特開平8―28333
9)や硫黄添加などの方法を用いることができる。
【0031】さらにヒドロシリル化反応においてポリオ
キイアルキレン系重合体、反応溶媒、系中の可塑剤等が
酸素により酸化されることを抑制するために、酸化防止
剤の存在下でヒドロシリル化反応を行うことができる。
【0032】反応性ケイ素基の導入率を測定する方法と
しては種々の方法が考えられるが、現在のところNMR
スペクトルにより、反応性ケイ素基の導入された末端と
導入されなかった末端の積分値を比較することで正確な
値を得ることができる。
【0033】本発明の(A)成分は、硬化物の網目を形
成するものであるから、分子鎖末端に対する反応性ケイ
素基の導入率は高い方が好ましく、平均すると85%以
上であるが、より優れた物性発現のためには90%以上
が必要で、更に優れた物性を得る為には95%であるこ
とが好ましい。
【0034】本発明の(B)成分は、(A)成分の硬化
物網目に導入され鎖延長剤として機能するものであるか
ら、分子鎖末端が2つの重合体の場合、末端に対する反
応性ケイ素基の導入率は高い方が好ましく、分子鎖末端
が3つ以上の重合体の場合、ケイ素基の導入率は低くて
もよい。分子鎖末端が2つの重合体の場合、平均して8
5%以上必要であるが、より優れた物性発現のためには
90%以上が必要で、更に優れた物性を得るには95%
であることが好ましい。また、分子鎖末端が3つ以上の
重合体の場合、50%以上であれば良く、好ましくは6
0%以上であれば良い。
【0035】ポリオキシアルキレン系重合体の分子量に
は特に制限はないが、GPCにおけるポリスチレン換算
での数平均分子量が1,000から100,000であ
ることが好ましい。数平均分子量が1,000未満では
得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合
体の硬化物が脆くなり、100,000を越えると官能
基濃度が低くなりすぎ、硬化速度が低下する、また、ポ
リマーの粘度が高くなりすぎ、取扱いが困難となるため
好ましくない。さらに、数平均分子量が2,000から
70,000であることが好ましく、3,000〜5
0,000であることが機械物性発現上特に好ましい。
【0036】更に(A)成分として反応性ケイ素基を有
するポリオキシアルキレン系重合体の変性体を用いるこ
ともできる。代表的な変性体としては、反応性ケイ素基
を有するポリオキシアルキレン系重合体存在下に、下記
一般式(13)で表される炭素数1〜8のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーお
よび(又は)下記一般式(14)で表される炭素数10以
上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アクリルエ
ステルモノマーおよび(又は)下記一般式(15)で表さ
れる反応性ケイ素基含有(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルモノマーの混合物を重合して得られるものであ
る。この他(13)、(14)、(15)の重合物を反
応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン重合体とブレン
ドしたものも使用することができる。 CH2=C(R7)COOR8・・・(13) (式中R7は水素原子またはメチル基、R8は炭素数1から
8のアルキル基を示す) CH2=C(R7)COOR9・・・(14) (式中R7は前記に同じ。R9は炭素数10以上のアルキ
ル基を示す) CH2=C(R7)COOR10−[Si(R1 2-b)(X1 b)O]mSi(R2 3-a)X1 a ・・・(15) (式中R7は前記に同じ。R10は炭素数1〜6の2価の
アルキレン基を示す。R1,R2,X1,a,b,mは前
記に同じ。) 前記一般式(13)のR8としては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、
2ーエチルヘキシル基などの炭素数1〜8、好ましくは
1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基を挙げる
ことができる。なお一般式(13)で表されるモノマー
は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
【0037】前記一般式(14)のR9としては、例え
ばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル
基、ビフェニル基などの炭素数10以上、通常は10〜
30、好ましくは10〜20の長鎖アルキル基が挙げら
れる。なお一般式(14)で示されるモノマーは1種類
でもよく、2種以上用いてもよい。
【0038】前記一般式(15)のR10としては、例えば
メチレン基、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1
〜6、好ましくは1〜4を挙げることができる。R10
結合する反応性ケイ素基としては、例えばトリメトキシ
シリル基、メチルジメトキシシリル基、トリエトキシシ
リル基、メチルジエトキシシリル基等を挙げることがで
きる。なお一般式(15)で表されるモノマーは1種類で
もよく、2種以上用いてもよい。
【0039】この重合には式(13)、(14)、(15)
以外のモノマーを併用してもよく、そのようなモノマー
としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリ
ル酸やアクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド
などのアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレートなどのエポキシ基、ジエチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基を含む
モノマーやアクリロニトリル、スチレン、α―メチルス
チレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等のモノマーが挙
げられる。この場合、重合した式(13)、(14)、(1
5)のモノマーの合計が重合したモノマー全体の50%
以上、特に70重量%以上であることが好ましい。
【0040】本発明の硬化性組成物から得られた硬化物
の破断伸びおよび破断強度は、それぞれの単独重合体の
硬化物に比べて大きく向上する。また、本発明では、使
用する1種または2種以上の反応性ケイ素基含有ポリオ
キシプロピレン系重合体(A)、(B)の混合比を変化
させることにより、一定の範囲内で硬化物のモジュラ
ス、伸び、強度を変化させることが可能となる。さら
に、組成物の粘度も作業上適した範囲に設定することが
可能となる。
【0041】(A)成分と(B)成分のブレンド比に特
に限定はないが、(A)成分100重量部に対し(B)
成分1〜200部、さらには5〜100部の範囲が好ま
しい。1部未満では硬化物の網目鎖間分子量が十分に伸
びず、また200部を超えると硬化物の網目鎖密度が低
下しすぎる等の悪影響が出る場合があり好ましくない。
【0042】本発明の硬化性組成物には、必要に応じて
硬化触媒、充填剤、可塑剤、接着性付与剤、エポキシ樹
脂、エポキシ樹脂硬化剤、溶剤やその他の添加剤等を添
加することができる。
【0043】硬化触媒としては、従来公知のものを広く
使用することができる。その具体例としては、テトラブ
チルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン
酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルス
ズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸
スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズオキサイドとフタ
ル酸エステルとの反応物、ジブチルスズビスアセチルア
セトナート等の有機スズ化合物類;アルミニウムトリス
アセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセ
トアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルア
セトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコ
ニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセ
チルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸
鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、
ラウリルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリアタノールアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロ
ピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミ
ン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−
トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリ
ン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7(DBU)等のアミン化合物、あるいはこ
れらアミン化合物のカルボン酸等との塩;酸性リン酸エ
ステル;酸性リン酸エステルとアミンの反応物;飽和若
しくは不飽和の多価カルボン酸又はその酸無水物;過剰
のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリア
ミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応
生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等
のシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性
触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が挙げられる。こ
れらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用し
てもよい。
【0044】これらの硬化触媒の使用量は、(A)成分
と(B)成分を混合した反応性ケイ素基含有ポリオキシ
プロピレン系重合体100重量部に対して0.1〜20
重量部程度が好ましく、1〜10重量部程度が更に好ま
しい。
【0045】充填剤の具体例としては、フュームシリ
カ、沈降性シリカ、無水ケイ酸およびカーボンブラック
等の補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チ
タン、ベントナイト、有機ベントナイト、カオリン、酸
化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、水添ヒマシ油および
シラスバルーン、等の如き充填剤;石綿、ガラス繊維お
よびフィラメント等の繊維状充填剤等が挙げられる。こ
れら充填剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以
上混合使用してもよい。
【0046】可塑剤の例としては、ジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート等
のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク
酸イソデシル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸
エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペ
ンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル
類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等
の脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル、リン酸オクチルジフェニル等のリン酸エステ
ル類、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキ
システアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;2塩基
酸と2価アルコールとのポリエステル類等のポリエステ
ル系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体等
のポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレン、ポリス
チレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ブタジエ
ン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポ
リイソプレン、ポリブテン、塩素化パラフィン類等が挙
げられる。これらの可塑剤は単独または2種類以上の混
合物の形で任意に使用できる。
【0047】接着性付与剤の例としては、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−
ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシ
シラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシ
シラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含
有シラン類;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2
−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキ
シルメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン等のカルボキシシラン類;アミノ基含有シ
ラン類と各種ケトンとの脱水縮合により得られるケチミ
ン化シラン類等が挙げられる。これら接着性付与剤は、
単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0048】エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルS型エポキシ樹脂やこれらを水添したエポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン
型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、ウレタンプレポリマーの末端をエポキシ化
したウレタン変性エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹
脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性
エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシ
ジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂等、が挙げられ
る。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2
種以上併用してもよい。
【0049】又、エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば
脂肪族アミンや脂環族アミン、芳香族アミン、ポリアミ
ノアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、エポキシ
変性アミン、マンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性
アミン、ケチミン、酸無水物、アルコール類、フェノー
ル類等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いて
もよく、2種以上併用してもよい。
【0050】溶剤には、炭化水素類、酢酸エステル類、
アルコール類、エーテル類、ケトン類のごとき非反応性
のものが挙げられ、このような溶剤であれば特に限定は
ない。
【0051】その他の添加剤としては、例えば、水添ヒ
マシ油、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウム等
のタレ防止剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光
安定剤等が挙げられる。さらに、必要に応じて接着性改
良剤、物性調整剤、保存安定性改良剤、滑剤、顔料、発
泡剤等の添加剤も適宜添加することが可能である。
【0052】
【実施例】本発明をより一層明らかにするために、以下
具体的な実施例を揚げて説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。 (合成例1)攪拌機付耐圧ガラス製反応容器に、末端が
メタリル基である分子量25,000の2官能ポリオキ
シプロピレン重合体500g、ヘキサン10gを加えて
90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去した
後、8%O2/N2で容器内を置換した。白金ビニル触媒
(白金換算で3重量%のトルエン溶液)56μl、硫黄
(1重量%のトルエン溶液)25μlを加え、撹拌しな
がらジメトキシメチルシラン(DMS)9.7gをゆっ
くりと滴下した。その混合溶液を90℃で12時間反応
させた後、未反応のDMSを減圧下留去してシリル化ポ
リマーを得た。得られたポリマーの1H−NMR分析を
実施した結果、ジメトキシメチルシリル基導入率は97
%であった(ポリマーA)。 (合成例2)攪拌機付耐圧ガラス製反応容器に、末端が
メタリル基である分子量10,000の2官能ポリオキ
シプロピレン重合体500g、ヘキサン10gを加えて
90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去した
後、8%O2/N2で容器内を置換した。白金ビニル触媒
(白金換算で3重量%のトルエン溶液)60μl、硫黄
(1重量%のトルエン溶液)27μlを加え、撹拌しな
がらジメチルフェノキシシラン(DMPS)33.3g
をゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で8時間
反応させた後、未反応のDMPSを減圧下留去してシリ
ル化ポリマーを得た。得られたポリマーの1H−NMR
分析を実施した結果、ジメチルフェノキシシリル基導入
率は98%であった(ポリマーB)。 (合成例3)攪拌機付耐圧ガラス製反応容器に、末端が
メタリル基である分子量19,000の3官能ポリオキ
シプロピレン重合体500g、ヘキサン10gを加えて
90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去した
後、8%O2/N2で容器内を置換した。白金ビニル触媒
(白金換算で3重量%のトルエン溶液)54μl、硫黄
(1重量%のトルエン溶液)23μlを加え、撹拌しな
がらジメチルエトキシシシラン(DMES)15.7g
をゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で6時間
反応させた後、未反応のDMPSを減圧下留去してシリ
ル化ポリマーを得た。得られたポリマーの1H−NMR
分析を実施した結果、ジメチルエトキシシリル基導入率
は97%であった(ポリマーC)。 (合成例4)攪拌機付耐圧ガラス製反応容器に、末端が
アリル基である分子量19,000の3官能ポリオキシ
プロピレン重合体500g、ヘキサン10gを加えて9
0℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去した
後、窒素で容器内を置換した。塩化白金酸触媒(塩化白
金酸六水和物換算で4.8重量%のイソプロパノール溶
液)30μlを加え、撹拌しながらジメチルフェノキシ
シラン(DMPS)13.4gをゆっくりと滴下した。
その混合溶液を90℃で3時間反応させた後、未反応の
DMPSを減圧下留去してシリル化ポリマーを得た。得
られたポリマーの1H−NMR分析を実施した結果、ジ
メチルエトキシシリル基導入率は77%であった(ポリ
マーD)。 (実施例1)合成例1で得られたポリマーAと合成例2
で得られたポリマーBを70対30で混ぜたポリマー1
00重量部に対し、オクチル酸錫触媒(日東化成(株)
製ネオスタンU−28)3重量部、硬化促進剤としてラ
ウリルアミン0.5重量部、水0.6重量部を加えて攪
拌し、厚さ約3mmの型枠へ流し込んだ。23℃で1時
間放置した後、70℃で20時間加熱し硬化させた。得
られた硬化物シートから、JISK6301に規定され
た3号形ダンベル試験片を打ち抜き、オートグラフにて
引張り試験を実施した(引張り速度200mm/mi
n)。50%伸びた時点でのモジュラス(M50)、1
00%伸びた時点でのモジュラス(M100)、ダンベ
ル破断時の強度(TB)、ダンベル破断時の伸び(E
B)の測定結果を表1に示す。 (実施例2)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAと合成例3で得られたポリマーCを80対20で
混ぜたものを用いた以外は、実施例1と同様とした。結
果を表1に示す。 (実施例3)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAと合成例3で得られたポリマーCを70対30で
混ぜたものを用いた以外は、実施例1と同様とした。結
果を表1に示す。 (実施例4)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAと合成例3で得られたポリマーCを60対40で
混ぜたものを用いた以外は、実施例1と同様とした。結
果を表1に示す。 (実施例5)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAと合成例4で得られたポリマーDを80対20で
混ぜたものを用いた以外は、実施例1と同様とした。結
果を表1に示す。 (実施例6)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAと合成例4で得られたポリマーDを70対30で
混ぜたものを用いた以外は、実施例1と同様とした。結
果を表1に示す。 (実施例7)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAと合成例4で得られたポリマーDを60対40で
混ぜたものを用いた以外は、実施例1と同様とした。結
果を表1に示す。 (比較例1)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAのみを用いた以外は、実施例1と同様とした。結
果を表1に示す。
【0053】
【表1】 (実施例8)合成例1で得られたポリマーAと合成例3
で得られたポリマーCを80対20で混ぜたポリマー1
00重量部に対し、炭酸カルシウム(白石工業(株)製
CCR)120重量部、二酸化チタン(石原産業(株)
製タイペークR−820)20重量部、ジイソデシルフ
タレート55重量部、老化防止剤2重量部、硬化触媒
(日東化成(株)製ネオスタンU−28)3重量部、お
よび硬化促進剤ラウリルアミン0.5重量部を加えて混
練し、厚さ3mmのシート状硬化物を作製した(23℃
×3日+50℃×4日間養生)。得られたシートから、
JISK6301に規定された3号形ダンベル試験片を
打ち抜き、オートグラフにて引張り試験を実施した(引
張り速度200mm/min)。50%伸びた時点での
モジュラス(M50)、100%伸びた時点でのモジュ
ラス(M100)、ダンベル破断時の強度(TB)、ダ
ンベル破断時の伸び(EB)の測定結果を表2に示す。 (実施例9)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAと合成例4で得られたポリマーDを80対20で
混ぜたものを用いた以外は、実施例8と同様とした。結
果を表2に示す。 (比較例2)ポリマーとして、合成例1で得られたポリ
マーAのみを用いた以外は、実施例8と同様とした。結
果を表2に示す。
【0054】
【表2】 (実施例10)養生条件を70℃×3日とした以外は、
実施例8と同様とした。結果を表3に示す。 (実施例11)養生条件を70℃×3日とした以外は、
実施例9と同様とした。結果を表3に示す。 (比較例3)養生条件を70℃×3日とした以外は、比
較例2と同様とした。結果を表3に示す。
【0055】
【表3】 (実施例12)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(日本ユニカー(株)製A−187)3重量部を
添加した以外は、実施例8と同様とした。結果を表4に
示す。 (実施例13)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン(日本ユニカー(株)製A−187)3重量部を
添加した以外は、実施例9と同様とした。結果を表4に
示す。 (比較例4)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン(日本ユニカー(株)製A−187)3重量部を添
加した以外は、比較例2と同様とした。結果を表4に示
す。
【0056】
【表4】 (実施例14)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(日本ユニカー(株)製A−1100)3重量部を添加
した以外は、実施例9と同様とした。結果を表5に示
す。 (比較例5)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(日本ユニカー(株)製A−1100)3重量部を添加
した以外は、比較例2と同様とした。結果を表5に示
す。
【0057】
【表5】 表1〜5より明らかなように、実施例の硬化物の強度と
伸びは、比較例と比べて大幅に向上している。
【0058】
【発明の効果】本発明の反応性ケイ素含有ポリオキシプ
ロピレン系重合体組成物は、従来の反応性ケイ素含有ポ
リオキシプロピレン系重合体組成物の作業性や硬化性、
接着性、耐久性を維持したまま、優れた強度と伸びを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CH05W CH05X FD010 FD020 FD150 FD340 GJ01 GJ02 4J005 AA04 BD08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表わされる加水分解
    性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体(A)
    と、一般式(2)で表わされる加水分解性ケイ素基を有
    するポリオキシアルキレン重合体(B)を必須成分とす
    る硬化性組成物。 −[Si(R1 2-b)(X1 b)O]mSi(R2 3-a)X1 a・・・(1) (式中R1およびR2は同一または異なる炭素数1から2
    0のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素
    数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1または
    2が二個以上存在するとき、それらは同一であっても
    よく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から
    20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であっ
    てもよく、異なっていてもよい。X1は水酸基または加
    水分解性基を示す。aは0、1、2または3を、bは
    0、1、または2をそれぞれ示し、a+Σb≧2を満足
    するものとする。またm個の−Si(R1 2-b)(Xb
    O−基におけるbについて、それらは同一であってもよ
    く、異なっていてもよい。mは0から19の整数を示
    す。) −[Si(R3 2-d)(X2 d)O]mSi(R4 3-c)X2 c・・・(2) (式中R3およびR4は同一または異なる炭素数1から2
    0のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素
    数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO−
    で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、それらは同
    一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は
    炭素数1から20の一価の炭化水素基であり3個のR’
    は同一であってもよく、異なっていてもよい。X2は水
    酸基または加水分解性基を示す。c、dは0または1を
    示し、c+Σd=1を満足するものとする。mは0から
    19の整数を示す。)
  2. 【請求項2】重合体(A)および(B)の主鎖が主にポ
    リプロピレンオキシドからなることを特徴とする請求項
    1に記載の硬化性組成物。
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