JP2021098806A - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を与え得る硬化性組成物を提供すること。【解決手段】式(1)の反応性ケイ素基を1分子中に平均1.6個より多く有し、数平均分子量が13,000〜100,000である直鎖状のポリオキシアルキレン系重合体(A)、及び、式(1)の反応性ケイ素基を1分子中に平均0.4〜1.2個有し、数平均分子量が3,000〜25,000であるポリオキシアルキレン系重合体(B)を含有し、重合体(A)の数平均分子量が重合体(B)の数平均分子量よりも大きく、重合体(A)の含有量100重量部に対する重合体(B)の含有量が120重量部以上である。−Si(R1)3−a(X)a(1)R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基は、ヘテロ含有基を有してもよい。Xは、水酸基または加水分解性基を表す。aは1、2、または3である。【選択図】なし

Description

本発明は、反応性ケイ素基を有する重合体を含む硬化性組成物、及び、その硬化物に関する。
反応性ケイ素基含有重合体は、湿分反応性ポリマーとして知られており、接着剤、シーリング剤、コーティング剤、塗料、粘着剤等の多くの工業製品に含まれ、幅広い分野で利用されている。
このような反応性ケイ素基含有重合体としては、主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体や(メタ)アクリル酸エステル系共重合体などの各種重合体が知られているが、中でも、特許文献1に記載されているようなポリオキシアルキレン系重合体は、室温において比較的低粘度で取扱い易く、また反応後に得られる硬化物も良好な弾性を示すなどの特徴から、その適用範囲は広い。
特開昭52−73998号公報
このような反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含む硬化性組成物は、例えば、シーリング剤や、コーティング剤として使用することができる。
その際、該硬化性組成物の硬化物からなるシーラント又はコーティング膜には、被着体が破損した場合などにその動きに追従する特性、即ち応力緩和性が要求される。一方で、高い破断強度を持つことも要請される。通常、応力緩和性と破断強度はトレードオフの関係にあり、両特性を両立することは困難であった。
本発明は、上記現状に鑑み、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含み、応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を与え得る硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討した結果、特定の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を2種類、特定比で含有する硬化性組成物が、応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を与え得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を1分子中に平均して1.6個より多く有し、数平均分子量が13,000〜100,000である直鎖状のポリオキシアルキレン系重合体(A)、及び、
下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を1分子中に平均して0.4〜1.2個有し、数平均分子量が3,000〜25,000であるポリオキシアルキレン系重合体(B)を含有し、
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量が、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の数平均分子量よりも大きく、
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の含有量100重量部に対するポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量が、120重量部以上である、硬化性組成物に関する。
−Si(R3−a(X) (1)
(式中、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基は、ヘテロ含有基を有してもよい。Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基を表す。aは1、2、または3である。)
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(A)が、下記一般式(2)で表される反応性ケイ素基含有構造を有する。
−O−R−CH(R)−CH−Si(R3−a(X) (2)
(式中、Rは、直接結合、又は炭素原子数1〜4の2価の炭化水素基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R、X、及びaは、前記一般式(1)と同じ。)
好ましくは、Rがメチル基を表す。
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(A)が、下記一般式(4)で表される反応性ケイ素基含有構造を有する。
Figure 2021098806
(式中、Rは、直接結合、又は炭素原子数1〜4の2価の炭化水素基を表す。Rは水素または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R10は、直接結合、又は炭素原子数1〜6の2価の結合基を表す。R11は水素、または炭素原子数1〜10の炭化水素基を表す。nは1から10の整数である。R、X、及びaは、前記一般式(1)と同じ。)
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(A)が有する反応性ケイ素基を表す一般式(1)において、aが、2である。
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(B)が有する反応性ケイ素基を表す一般式(1)において、aが、2である。
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(B)が、前記反応性ケイ素基を、重合体骨格の末端のうち1個の末端のみに有する。
好ましくは、充填剤として、カーボンブラックをさらに含有する。
好ましくは、充填剤として、ヒュームドシリカをさらに含有する。
また本発明は、前記硬化性組成物の硬化物に関し、また、前記硬化物からなるシーラント又はコーティング膜にも関する。
本発明によれば、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含み、応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を与え得る硬化性組成物を提供することができる。
以下に本発明の実施形態を具体的に説明する。
本実施形態に係る硬化性組成物は、硬化性樹脂として、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、及び、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)を含有する。
<<反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)>>
ポリオキシアルキレン系重合体は、複数の繰り返し単位から構成される重合体骨格と、該重合体骨格の末端に結合した末端構造を有する。前記重合体骨格とは、複数の繰り返し単位から構成される重合体主鎖のことをいう。反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の重合体骨格は、直鎖状のものである。直鎖状の重合体骨格は、重合体骨格を形成するための重合方法において、1分子中に1個または2個の水酸基を有する開始剤を使用することによって形成できる。
前記重合体骨格は、互いに連結した複数の繰り返し単位のみから構成される重合体骨格であるか、または、当該複数の繰り返し単位に加えて、重合時に使用される開始剤に由来する構造も含み、これらのみから構成される重合体骨格であることが好ましい。前記繰り返し単位とは、オキシアルキレン単位を指し、例えば、炭素原子数2〜6、好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン単位のことをいう。
前記末端構造とは、重合体骨格を構成する繰り返し単位を含まない部位であって、前記重合体骨格の末端に結合した部位を指す。前記末端構造は、酸素原子を介して、前記重合体骨格の端に位置するオキシアルキレン単位に結合していることが好ましい。また、重合体(A)が有する反応性ケイ素基は、末端構造中に含まれていることが好ましい。この時、各末端構造がそれぞれ反応性ケイ素基を含むものであってもよいし、反応性ケイ素基を含む末端構造と、反応性ケイ素基を含まない末端構造が併存してもよい。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、反応性ケイ素基を、直鎖状の重合体骨格の両末端に有することが好ましい。この時、重合体(A)は、直鎖状の重合体骨格の両末端に反応性ケイ素基を有する重合体分子から構成される重合体成分であることが好ましいが、重合体(A)全体のなかには、前記重合体分子に加えて、直鎖状の重合体骨格の片末端にのみ反応性ケイ素基を有する重合体分子、及び/又は、反応性ケイ素基を有しない重合体分子が含まれている場合もある。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の1分子あたりの反応性ケイ素基の数は、平均して1.6個を超える。重合体(A)1分子あたりの反応性ケイ素基の平均数が1.6を超えることで、応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を得ることができる。好ましくは1.7以上であり、より好ましくは1.8以上であり、さらに好ましくは1.9以上である。反応性ケイ素基の平均数の上限は、好ましくは5.0以下であり、より好ましくは4.0以下であり、さらに好ましくは3.5以下である。
<反応性ケイ素基>
ポリオキシアルキレン系重合体(A)が有する反応性ケイ素基は、一般式(1):
−Si(R3−a(X) (1)
(式中、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基は、ヘテロ含有基を有してもよい。Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基を表す。aは1、2、または3である。)
で表される。
は、炭素原子数1〜20の炭化水素基である。Rとしての炭化水素基の炭素原子数としては、1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。該炭化水素基は、無置換の炭化水素基であってもよいし、置換基を有する炭化水素基であってもよい。
としての炭化水素基が置換基として有してもよいヘテロ含有基は、ヘテロ原子を含む基である。ここで、炭素原子および水素原子以外の原子をヘテロ原子とする。
ヘテロ原子の好適な例としては、N、O、S、P、Si、およびハロゲン原子が挙げられる。ヘテロ含有基について、炭素原子数とヘテロ原子数との合計は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。
ヘテロ含有基の好適な例としては、水酸基;メルカプト基;Cl、Br、I、およびFなどのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、およびイソプロピルオキシ基などのアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、およびイソプロピルチオ基などのアルキルチオ基;アセチル基、プロピオニル基、およびブタノイル基などのアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、およびブタノイルオキシ基などのアシルオキシ基;アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基などの置換または非置換のアミノ基;アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、およびジエチルアミノカルボニル基などの置換または非置換のアミノカルボニル基;シアノ基などが挙げられる。
がヘテロ含有基で置換された炭化水素基である場合、Rにおける炭素原子数とヘテロ原子数との合計は、2〜30が好ましく、2〜18がより好ましく、2〜10がさらに好ましく、2〜6が特に好ましい。
としての炭素原子数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、およびn−イコシル基などのアルキル基;ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、および4−ペンテニル基などのアルケニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、およびシクロオクチル基などのシクロアルキル基;フェニル基、ナフタレン−1−イル基、ナフタレン−2−イル基、o−フェニルフェニル基、m−フェニルフェニル基、およびp−フェニルフェニル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基、ナフタレン−1−イルメチル基、およびナフタレン−2−イルメチル基などのアラルキル基が挙げられる。
これらの炭化水素基が、前述のヘテロ含有基で置換された基も、Rとして好ましい。
の好適な例としては、例えば、メチル基、およびエチル基などのアルキル基;クロロメチル基、およびメトキシメチル基などのヘテロ含有基を有するアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;などを挙げることができる。Rとしては、メチル基、メトキシメチル基、およびクロロメチル基が好ましく、メチル基、およびメトキシメチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
Xとしては、例えば、水酸基、水素、ハロゲン、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、およびアルケニルオキシ基などが挙げられる。これらの中では、加水分解性が穏やかで取扱いやすいことからメトキシ基、およびエトキシ基などのアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
aは1、2、または3である。aとしては、2または3が好ましく、2がより好ましい。aが2であると、硬化物が応力緩和性と破断強度の双方に優れるため好ましい。
前記反応性ケイ素基としては、上記式(1)により表される基である限り特に限定されない。式(1)で表される反応性ケイ素基としては、下記一般式(1−1):
−Si(R3−b(OR (1−1)
(式中、Rはそれぞれ独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロアルキル基、炭素原子数2〜6のアルコキシアルキル基、または−RN(Rで表されるN,N−ジアルキルアミノアルキル基であり、Rはメチレン基またはエチレン基であり、Rはメチル基またはエチル基であり、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、または炭素原子数2〜6のアシル基であり、bは2、または3である。)
で表される基が好ましい。
としての炭素原子数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、およびn−ヘキシル基などが挙げられる。これらの中では、メチル基、およびエチル基が好ましい。
としての炭素原子数1〜6のハロアルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2−クロロエチル基、および2−ブロモエチル基などが挙げられる。これらの中では、クロロメチル基、およびブロモメチル基が好ましく、クロロメチル基がより好ましい。
としての炭素原子数2〜6のアルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、1−メトキシエチル基、エトキシメチル基、2−エトキシエチル基、n−プロピルオキシメチル基、および2−n−プロピルオキシエチル基などが挙げられる。これらの中では、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、およびエトキシメチル基が好ましく、メトキシメチル基がより好ましい。
としての、−RN(Rで表されるN,N−ジアルキルアミノアルキル基の具体例としては、N,N−ジメチルアミノメチル基、N,N−ジエチルアミノメチル基、2−N,N−ジメチルアミノエチル基、および2−N,N−ジエチルアミノエチル基などが挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノメチル基、およびN,N−ジエチルアミノメチル基が好ましく、N,N−ジエチルアミノメチル基がより好ましい。
としての炭素原子数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、およびn−ヘキシル基などが挙げられる。これらの中では、メチル基、およびエチル基が好ましい。
としての炭素原子数2〜6のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、および4−ペンテニル基などが挙げられる。これらの中では、ビニル基、および2−プロペニル基が好ましい。
としての炭素原子数2〜6のアシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、およびペンタノイル基が挙げられる。これらの中では、アセチル基が好ましい。
前記反応性ケイ素基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリス(2−プロペニルオキシ)シリル基、トリアセトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジメトキシエチルシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(クロロメチル)ジエトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジエトキシシリル基、(N,N−ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリル基、および(N,N−ジエチルアミノメチル)ジエトキシシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中では、ジメトキシメチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、および(メトキシメチル)ジメトキシシリル基が良好な機械物性を有する硬化物が得られるため好ましい。活性の観点から、トリメトキシシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、および(メトキシメチル)ジメトキシシリル基がより好ましく、トリメトキシシリル基、および(メトキシメチル)ジメトキシシリル基が特に好ましい。安定性の観点から、ジメトキシメチルシリル基、およびトリエトキシシリル基がより好ましく、ジメトキシメチルシリル基が特に好ましい。
本開示の一態様では、ポリオキシアルキレン系重合体(A)において、前記反応性ケイ素基を有する末端構造は、下記一般式(2)で表されることが好ましい。一般式(2)で表される末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)は、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基の平均数が1.6を超えることが可能である。
−O−R−CH(R)−CH−Si(R3−a(X) (2)
式(2)中、Rは、直接結合、又は炭素原子数1〜4の2価の炭化水素基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。左端の酸素は、複数の繰り返し単位が連結して構成される重合体骨格の末端に位置する繰り返し単位中の酸素、又は、前記重合体骨格の末端に位置する繰り返し単位に結合した酸素を示す。R、X、及びaは、式(1)について上述したものと同じである。
としては、炭素原子数1〜3の2価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜2の2価の炭化水素基がより好ましい。該炭化水素基としては、アルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基を使用することができる。メチレン基が特に好ましい。
としては、炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基がより好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。Rとしては、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
本開示の別の態様では、ポリオキシアルキレン系重合体(A)において、前記反応性ケイ素基を有する末端構造は、後述する一般式(4)で表されることが好ましい。一般式(4)で表される末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)も、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基の平均数が1.6を超えることが可能である。
<主鎖構造>
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の主鎖構造は、直鎖状である。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の主鎖骨格としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、およびポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体などが挙げられる。上記各重合体はブロック状、グラフト状などに混在していてもよい。これらの中でも、ポリオキシプロピレンが特に好ましい。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、上記した各種主鎖骨格のうち、いずれか1種の主鎖骨格を有する重合体でもよく、異なる主鎖骨格を有する重合体の混合物でもよい。また、混合物については、それぞれ別々に製造された重合体の混合物でもよいし、任意の混合組成になるように同時に製造された混合物でもよい。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量は、特に限定されないが、GPCにおけるポリスチレン換算分子量として、13,000〜100,000が好ましく、15,000〜70,000がより好ましく、20,000〜50,000が特に好ましい。重合体(A)の数平均分子量が上記の範囲内であると、応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を形成することができる。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量としては、反応性ケイ素基導入前の重合体前駆体を、JIS K 1557の水酸基価の測定方法と、JIS K 0070に規定されたよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定し、重合体の構造(使用した重合開始剤によって定まる分岐度)を考慮して求めた末端基換算分子量で示すことも出来る。反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の末端基換算分子量は、重合体前駆体の一般的なGPC測定により求めた数平均分子量と上記末端基換算分子量の検量線を作成し、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)のGPCにより求めた数平均分子量を末端基換算分子量に換算して求めることも可能である。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、狭いことが好ましい。具体的には2.0未満が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましい。反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布はGPC測定により得られる数平均分子量と重量平均分子量から求めることが出来る。
<反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)の製造方法>
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、後述する反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の製造方法に準じて製造することができる。
特に、一般式(2)で表される末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)の製造方法は、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(C)に対し、水酸基の反応性を利用してオレフィン基を導入して、オレフィン基を有する前駆重合体を得た後、該前駆重合体に、該オレフィン基との反応性を有する反応性ケイ素基含有化合物を反応させて反応性ケイ素基を導入する方法が好ましい。オレフィン基を導入する際には、後述するオレフィン基を有する有機ハロゲン化物(E1)として、塩化メタリル、臭化メタリル、又はヨウ化メタリル等を使用することができる。このような化合物を使用することによって、上記一般式(2)で表される構造の形成が可能となり、また、得られる重合体1分子あたりの反応性ケイ素基の平均数を1.6超とすることができる。
また、一般式(4)で表される末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)は、重合体(B)に関して後述するとおり、有機ハロゲン化物(E1)とエポキシ化合物(E2)を順次使用してオレフィン基を導入した後、該オレフィン基との反応性を有する反応性ケイ素基含有化合物を反応させて反応性ケイ素基を導入する方法によって製造することができる。一般式(4)で表される末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)は、重合時に用いる開始剤が有する水酸基の個数や、各化合物の使用量などを調節することによって、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基の平均数を1.6超とすることができる。
<<反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)>>
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の重合体骨格は、直鎖状のものであってもよいし、分岐鎖状のものであってもよい。直鎖状の重合体骨格は、硬化性組成物の硬化物の伸びが高い点で好ましく、分岐鎖状の重合体骨格は、硬化性組成物の硬化物の強度が高い点で好ましい。直鎖状の重合体骨格は、重合体骨格を形成するための重合方法において、1分子中に1個又は2個の水酸基を有する開始剤を使用することによって形成でき、分岐鎖状の重合体骨格は、1分子中に3個又はそれ以上の水酸基を有する開始剤を使用することによって形成できる。
前記重合体骨格は、互いに連結した複数の繰り返し単位のみから構成される重合体骨格であるか、または、当該複数の繰り返し単位に加えて、重合時に使用される開始剤に由来する構造も含み、これらのみから構成される重合体骨格であることが好ましい。前記繰り返し単位とは、オキシアルキレン単位を指し、例えば、炭素原子数2〜6、好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン単位のことをいう。
前記末端構造とは、重合体骨格を構成する繰り返し単位を含まない部位であって、前記重合体骨格の末端に結合した部位を指す。前記末端構造は、酸素原子を介して、前記重合体骨格の端に位置するオキシアルキレン単位に結合していることが好ましい。また、重合体(B)が有する反応性ケイ素基は、末端構造中に含まれていることが好ましい。この時、反応性ケイ素基を含む末端構造と、反応性ケイ素基を含まない末端構造が併存していることが好ましい。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、反応性ケイ素基を、重合体骨格の末端のうち1個の末端のみに有することが好ましい。この時、重合体骨格の他の末端には、反応性ケイ素基を有していない。反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、好ましくは、重合体骨格の末端のうち1個の末端のみに反応性ケイ素基を有する重合体分子から構成される重合体成分であるが、反応性ケイ素基含有重合体(B)全体のなかには、前記重合体分子に加えて、反応性ケイ素基を有しない重合体分子、及び/又は、2個以上の末端に反応性ケイ素基を有する重合体分子が含まれている場合もある。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の1分子あたりの反応性ケイ素基の数は、平均して0.4〜1.2個である。重合体(B)1分子あたりの反応性ケイ素基の平均数が0.4〜1.2個の範囲内にあることで、応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を形成することができる。好ましくは0.5〜1.1個であり、より好ましくは0.6〜1.0個であり、さらに好ましくは0.7〜0.9個である。
<反応性ケイ素基>
ポリオキシアルキレン系重合体(B)が有する反応性ケイ素基は、前記一般式(1)で表される。一般式(1)の詳細は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の項で詳述したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。ポリオキシアルキレン系重合体(A)が有する反応性ケイ素基と、ポリオキシアルキレン系重合体(B)が有する反応性ケイ素基は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。高い応力緩和性を発現できることから、ポリオキシアルキレン系重合体(A)が有する反応性ケイ素基とポリオキシアルキレン系重合体(B)が有する反応性ケイ素基は同一であることが好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)において、反応性ケイ素基を有する末端構造は、特に限定されないが、代表的なものとして、下記一般式(3)又は(4)で表される末端構造が挙げられる。
−O−R−CH(R)−CH−Si(R3−a(X) (3)
式(3)中、Rは、直接結合、又は炭素原子数1〜4の2価の炭化水素基を表し、Rは水素または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。左端の酸素は、複数の繰り返し単位が連結して構成される重合体骨格の末端に位置する繰り返し単位中の酸素、又は、前記重合体骨格の末端に位置する繰り返し単位に結合した酸素を示す。R、X、及びaは、式(1)について上述したものと同じである。
としては、炭素原子数1〜3の2価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜2の2価の炭化水素基がより好ましい。該炭化水素基としては、アルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基を使用することができる。メチレン基が特に好ましい。
としては、水素または炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、水素または炭素原子数1〜3のアルキル基がより好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。Rとしては、水素、メチル基、エチル基が好ましく、水素、メチル基がより好ましい。
Figure 2021098806
式(4)中、R10は、直接結合、又は炭素原子数1〜6の2価の結合基である。R11は水素、または炭素原子数1〜10の炭化水素基である。nは1から10の整数である。左端の酸素は、複数の繰り返し単位が連結して構成される重合体骨格の末端に位置する繰り返し単位中の酸素、又は、前記重合体骨格の末端に位置する繰り返し単位に結合した酸素を示す。R、R、R、X、及びaは、式(1)及び(3)について上述したものと同じである。
10としては、炭素原子数1〜6の2価の有機基であってよい。該有機基は、炭化水素基、又は、酸素原子を含む炭化水素基が好ましい。前記炭素原子数は1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2がさらに好ましい。好ましくは、CHOCH、CHO、CHであり、より好ましくは、CHOCHである。
11としては、水素、または炭素原子数1〜5の炭化水素基が好ましく、水素、または炭素原子数1〜3の炭化水素基がより好ましく、水素、または炭素原子数1〜2の炭化水素基がさらに好ましい。特に好ましくは、水素原子、メチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
一般式(4)で表される末端構造は、重合体骨格の1個の末端に結合した1個の末端構造を表すものである。式(4)中には2以上の反応性ケイ素基が示されているが、式(4)は、2以上の末端を示すものではなく、1個の末端構造の中に、2以上の反応性ケイ素基が存在していることを示すものである。また、式(4)中には、左端の酸素を除いて、オキシアルキレン単位である繰り返し単位から構成される重合体骨格は含まれていない。つまり、式(4)中にn個存在するカッコ内の構造は、重合体骨格中の繰り返し単位に該当するものではない。
<主鎖構造>
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の主鎖構造は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖を有していてもよいが、直鎖状が好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(B)の主鎖骨格としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、およびポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体などが挙げられる。上記各重合体はブロック状、グラフト状などに混在していてもよい。これらの中でも、ポリオキシプロピレンが特に好ましい。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、上記した各種主鎖骨格のうち、いずれか1種の主鎖骨格を有する重合体でもよく、異なる主鎖骨格を有する重合体の混合物でもよい。また、混合物については、それぞれ別々に製造された重合体の混合物でもよいし、任意の混合組成になるように同時に製造された混合物でもよい。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の数平均分子量は、特に限定されないが、GPCにおけるポリスチレン換算分子量として、3,000〜25,000が好ましく、4,000〜15,000がより好ましく、5,000〜10,000が特に好ましい。重合体(B)の数平均分子量が上記の範囲内であると、応力緩和性と破断強度の双方に優れた硬化物を形成することができる。但し、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量が、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の数平均分子量よりも大きくなるように両重合体の数平均分子量は設定される。これによって、ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)に対して可塑剤として作用し得る。ポリオキシアルキレン系重合体(B)の数平均分子量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量と同様にして測定することができる。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、狭いことが好ましい。具体的には2.0未満が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましい。反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の分子量分布はGPC測定により得られる数平均分子量と重量平均分子量から求めることが出来る。
<反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)の製造方法>
次に反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)を製造する方法について説明する。反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、反応性ケイ素基を導入することが可能な前駆重合体に対し、反応性ケイ素基を導入することで製造できる。具体的には、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(C)に対し、水酸基の反応性を利用してオレフィン基を導入して、オレフィン基を有する前駆重合体を得た後、該前駆重合体に、該オレフィン基との反応性を有する反応性ケイ素基含有化合物を反応させて反応性ケイ素基を導入することで製造できる。
(重合)
ポリオキシアルキレン系重合体の重合体骨格は、従来公知の方法によって、水酸基を有する開始剤にエポキシ化合物を重合させることで形成することができ、これによって末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(C)が得られる。具体的な重合方法としては特に限定されないが、分子量分布(Mw/Mn)の小さい水酸基末端重合体が得られることから、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体等の複合金属シアン化物錯体触媒を用いた重合方法が好ましい。
水酸基を有する開始剤としては特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、低分子量のポリオキシプロピレングリコール、低分子量のポリオキシプロピレントリオール、ブタノール、アリルアルコール、低分子量のポリオキシプロピレンモノアリルエーテル、低分子量のポリオキシプロピレンモノアルキルエーテルなどが挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体(B)が反応性ケイ素基を重合体骨格の末端のうち1個の末端のみに有する実施形態においては、水酸基を1個有する開始剤(例えば、ブタノール、アリルアルコール、低分子量のポリオキシプロピレンモノアリルエーテル、低分子量のポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル)を用いることが好ましい。
前記エポキシ化合物としては特に限定されないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類等が挙げられる。好ましくはプロピレンオキサイドである。
(アルカリ金属塩との反応)
末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(C)に対しオレフィン基を導入するにあたっては、まず、ポリオキシアルキレン系重合体(C)に対しアルカリ金属塩を作用させて末端の水酸基をメタルオキシ基に変換することが好ましい。また、アルカリ金属塩の代わりに、複合金属シアン化物錯体触媒を用いることもできる。以上によって、メタルオキシ基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)が形成される。
前記アルカリ金属塩としては特に限定されないが、例えば、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、水酸化カリウム、カリウムアルコキシド、水酸化リチウム、リチウムアルコキシド、水酸化セシウム、セシウムアルコキシド等が挙げられる。取り扱いの容易さと溶解性から、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドが好ましく、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドがより好ましい。入手性の点で、ナトリウムメトキシドが好ましい。アルカリ金属塩は溶剤に溶解した状態で反応に供してもよい。
(求電子剤(E)との反応)
以上のようにして得られたメタルオキシ基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)に対し、オレフィン基を有する求電子剤(E)を作用させることで、メタルオキシ基を、オレフィン基を含む構造に変換することができる。これにより、末端構造中にオレフィン基を有するポリオキシアルキレン系重合体(F)が形成される。
オレフィン基を有する求電子剤(E)としては、ポリオキシアルキレン系重合体(D)が有する前記メタルオキシ基と反応し、ポリオキシアルキレン系重合体にオレフィン基を導入できる化合物であれば特に限定されないが、例えば、オレフィン基を有する有機ハロゲン化物や、オレフィン基を有するエポキシ化合物等が挙げられる。
求電子剤(E)の一態様である、前記オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(E1)は、ハロゲンの置換反応によって前記メタルオキシ基と反応してエーテル結合を形成して、ポリオキシアルキレン系重合体の末端構造としてオレフィン基を含む構造を導入することができる。オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(E1)は、限定されるものではないが、下記一般式(5):
Z−R−C(R)=CH (5)
で表すことができる。式(5)中、R及びRは、それぞれ、一般式(3)について上述したR及びRと同じ基である。Zは、ハロゲン原子を表す。当該有機ハロゲン化物(E1)を反応させて得られた、末端構造中にオレフィン基を有するポリオキシアルキレン系重合体(F)に対して、後に説明する反応性ケイ素基の導入を行うと、前記一般式(3)で表される末端構造が形成され得る。
オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(E1)の具体例としては、特に限定されないが、塩化ビニル、塩化アリル、塩化メタリル、臭化ビニル、臭化アリル、臭化メタリル、ヨウ化ビニル、ヨウ化アリル、ヨウ化メタリル等が挙げられる。取り扱いの容易さから、塩化アリル、塩化メタリルが好ましい。
求電子剤(E)の別の態様である、前記オレフィン基を有するエポキシ化合物(E2)は、エポキシ基の開環付加反応によって前記メタルオキシ基と反応してエーテル結合を形成して、ポリオキシアルキレン系重合体の末端構造としてオレフィン基と水酸基を含む構造を導入することができる。前記開環付加反応においては、前記メタルオキシ基に対するエポキシ化合物(E2)の使用量や反応条件を調節することで、1つのメタルオキシ基に対して、単数又は複数のエポキシ化合物(E2)を付加させることができる。
前記オレフィン基を有するエポキシ化合物(E2)は、限定されるものではないが、下記一般式(6):
Figure 2021098806
で表すことができる。式(6)中、R10及びR11は、それぞれ、一般式(4)について上述したR10及びR11と同じ基である。
オレフィン基を有するエポキシ化合物(E2)の具体例としては、特に限定されないが、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ブタジエンモノオキシドが反応活性の点から好ましく、アリルグリシジルエーテルが特に好ましい。
以上のようにメタルオキシ基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)に対しオレフィン基を有するエポキシ化合物(E2)を作用させると、エポキシ基の開環によって新たにメタルオキシ基が生成する。そのため、該エポキシ化合物(E2)を作用させた後、連続的に、前述したオレフィン基を有する有機ハロゲン化物(E1)を作用させることもできる。この実施形態で用いるオレフィン基を有する有機ハロゲン化物(E1)としては、前述したものと同じ化合物を使用することができ、また、その使用量や反応温度についても上記と同様である。この方法は、重合体へのオレフィン基の導入量、および反応性ケイ素基の導入量をより高めることができるため好ましい。エポキシ化合物(E2)と有機ハロゲン化物(E1)を併用する方法により得られた、末端構造中にオレフィン基を有するポリオキシアルキレン系重合体(F)に対して、次に説明する反応性ケイ素基の導入を行うと、前記一般式(4)で表される末端構造が形成され得る。
(反応性ケイ素基の導入)
以上によって得られた末端構造中にオレフィン基を有するポリオキシアルキレン系重合体(F)(前駆重合体)に対し、反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物(G)をヒドロシリル化反応させることで、重合体に反応性ケイ素基を導入することができる。これにより、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)が製造される。ヒドロシリル化反応には、簡便に実施できることに加え、反応性ケイ素基の導入量の調整が容易であり、また、得られる重合体の物性が安定している利点がある。
前記反応性ケイ素基を有するヒドロシラン化合物(G)の具体例としては、トリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、ジクロロフェニルシラン、(クロロメチル)ジクロロシラン、(ジクロロメチル)ジクロロシラン、ビス(クロロメチル)クロロシラン、(メトキシメチル)ジクロロシラン、(ジメトキシメチル)ジクロロシラン、ビス(メトキシメチル)クロロシランなどのハロシラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、エチルジメトキシシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、(クロロメチル)メチルメトキシシラン、(クロロメチル)ジメトキシシラン、(クロロメチル)ジエトキシシラン、ビス(クロロメチル)メトキシシラン、(メトキシメチル)メチルメトキシシラン、(メトキシメチル)ジメトキシシラン、ビス(メトキシメチル)メトキシシラン、(メトキシメチル)ジエトキシシラン、(エトキシメチル)ジエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、(N,N−ジエチルアミノメチル)ジメトキシシラン、(N,N−ジエチルアミノメチル)ジエトキシシラン、[(クロロメチル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(クロロメチル)ジエトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(メトキシメチル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(メトキシメチル)ジエメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン等のアルコキシシラン類;ジアセトキシメチルシラン、ジアセトキシフェニルシラン等のアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランなどのケトキシメートシラン類、トリイソプロペニロキシシラン、(クロロメチル)ジイソプロペニロキシシラン、(メトキシメチル)ジイソプロペニロキシシラン等のイソプロペニロキシシラン類(脱アセトン型)等が挙げられる。
ヒドロシリル化反応は、反応促進のため、ヒドロシリル化触媒の存在下で実施することが好ましい。ヒドロシリル化触媒としては、コバルト、ニッケル、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の金属や、その錯体等が知られており、これらを用いることができる。具体的には、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコールやアルデヒドやケトン等とからなる塩化白金酸錯体;白金−オレフィン錯体[例えばPt(CH=CH(PPh)、Pt(CH=CHCl];白金−ビニルシロキサン錯体[例えばPt{(vinyl)MeSiOSiMe(vinyl)}、Pt{Me(vinyl)SiO}];白金−ホスフィン錯体[例えばPh(PPh、Pt(PBu];白金−ホスファイト錯体[例えばPt{P(OPh)]等が挙げられる。反応効率の点から、塩化白金酸、白金ビニルシロキサン錯体等の白金触媒が好ましい。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)を製造するための別の方法として、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(C)(前駆重合体)に対し、一分子中に反応性ケイ素基およびイソシアネート基を有する化合物(H)を作用させて、ウレタン結合を形成させて反応性ケイ素基を導入する方法も適用することができる。この方法によっても、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)を製造できる。
一分子中に反応性ケイ素基およびイソシアネート基を有する化合物(H)としては、ポリオキシアルキレン系重合体(C)が有する水酸基とのウレタン化反応が可能なイソシアネート基と、反応性ケイ素基を一分子中に併せ有する化合物であれば特に限定されないが、具体例としては、(3−イソシアネートプロピル)トリメトキシシラン、(3−イソシアネートプロピル)ジメトキシメチルシラン、(3−イソシアネートプロピル)トリエトキシシラン、(3−イソシアネートプロピル)ジエトキシメチルシラン、(イソシアネートメチル)トリメトキシシラン、(イソシアネートメチル)トリエトキシシラン、(イソシアネーメチル)ジメトキシメチルシラン、(イソシアネートメチル)ジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
ウレタン化反応は、ウレタン化触媒を使用せずに実施してもよいが、反応速度を向上させたり反応率を向上させる目的で、ウレタン化触媒の存在下で実施してもよい。このようなウレタン化触媒としては、例えば、Polyurethanes: Chemistry and Technology,Part I,Table 30,Chapter 4,Saunders and Frisch,Interscience Publishers,New York,1963に列挙されている触媒など、従来公知のウレタン化触媒を使用できる。具体的には、有機錫化合物、ビスマス化合物、有機アミン等の塩基触媒等が挙げられるが、これらに限定されない。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)を製造するためのさらに別の方法として、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(C)に対し、過剰のポリイソシアネート化合物(I)を反応させて、末端にイソシアネート基を有する重合体(前駆重合体)とした後、該前駆重合体に対し、イソシアネート基と反応する基(例えば、アミノ基)および反応性ケイ素基を有する化合物(J)を反応させる方法も適用することができる。この方法によっても、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)を製造できる。
ポリイソシアネート化合物(I)としては、例えば、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート等が挙げられる。
イソシアネート基と反応する基および反応性ケイ素基を有する化合物(J)としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−フェニル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルジメトキシメチルシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジメトキシメチルシラン、等のアミノ基含有シラン類;γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルジメトキシメチルシラン等のヒドロキシ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン等のメルカプト基含有シラン類;等が挙げられる。
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)を製造するためのさらに別の方法として、末端構造中にオレフィン基を有するポリオキシアルキレン系重合体(F)(前駆重合体)に対し、一分子中に反応性ケイ素基およびメルカプタン基を有する化合物(K)を作用させて、オレフィン基に対するメルカプタン基の付加によりスルフィド結合を形成させて反応性ケイ素基を導入する方法も適用することができる。この方法によっても、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(B)を製造できる。
一分子中に反応性ケイ素基およびメルカプタン基を有する化合物(K)としては、ポリオキシアルキレン系重合体(F)が有するオレフィン基への付加反応が可能なメルカプタン基と、反応性ケイ素基を一分子中に併せ有する化合物であれば特に限定されないが、具体例としては、(3−メルカプトプロピル)メチルジメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)メチルジエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジメトキシシラン、(メルカプトメチル)トリメトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、(メルカプトメチル)トリエトキシシラン等が挙げられる。
オレフィン基へのメルカプタン基の付加反応は、ラジカル開始剤を使用せずに実施してもよいが、反応速度を向上させたり反応率を向上させる目的で、ラジカル開始剤の存在下で実施してもよい。このようなラジカル開始剤としては、従来公知のものを使用できる。具体的には、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。
公知のラジカル開始剤の中でも、反応性ケイ素基に対して活性の低い触媒が好ましく、この観点から、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59)、2,2’−アゾビス(1−メチルシクロヘキサンカルボニトリル)(V−40)などのアゾ系開始剤が特に好ましい。
本実施形態の硬化性組成物におけるポリオキシアルキレン系重合体(A)とポリオキシアルキレン系重合体(B)の配合比率は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の含有量100重量部に対するポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量が、120重量部以上である。このようにポリオキシアルキレン系重合体(B)を相対的に多く配合することで、形成される硬化物の破断強度を維持しつつ、応力緩和性を良好なものとすることができる。前記含有量は130重量部以上が好ましく、140重量部以上がより好ましく、150重量部以上がさらに好ましい。上限値は特に限定されないが、400重量部以下が好ましく、350重量部以下がより好ましく、300重量部以下がさらに好ましい。
<<硬化性組成物>>
本実施形態の硬化性組成物は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)以外に、必要に応じて、種々の添加剤を含んでよい。
当該添加剤としては、成分以外のシラノール縮合触媒、充填剤、接着性付与剤、可塑剤、タレ防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、物性調整剤、エポキシ基を含有する化合物、光硬化性物質、酸素硬化性物質、および、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)以外の樹脂などが挙げられる。
また、硬化性組成物または硬化物の諸物性の調整を目的として、硬化性組成物には、必要に応じて上記以外の他の添加剤が添加されてもよい。このような他の添加剤の例としては、例えば、粘着付与樹脂、溶剤、希釈剤、エポキシ樹脂、表面性改良剤、発泡剤、硬化性調整剤、難燃剤、シリケート、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、防かび剤などが挙げられる。
以下、代表的な添加剤について、それぞれ説明する。
<シラノール縮合触媒>
硬化性組成物には、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の反応性ケイ素基を加水分解・縮合させる反応を促進し、重合体を鎖延長または架橋させる目的で、シラノール縮合触媒を使用してもよい。
シラノール縮合触媒としては、例えば有機錫化合物、カルボン酸金属塩、アミン化合物、カルボン酸、およびアルコキシ金属などが挙げられる。
有機錫化合物の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジオクチル錫ビス(トリエトキシシリケート)等のジオクチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、およびジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などが挙げられる。
カルボン酸金属塩の具体例としては、カルボン酸錫、カルボン酸ビスマス、カルボン酸チタン、カルボン酸ジルコニウム、およびカルボン酸鉄などが挙げられる。また、カルボン酸金属塩としては下記のカルボン酸と各種金属を組み合わせた塩を用いることができる。
アミン化合物の具体例としては、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ラウリルアミン、およびステアリルアミンなどのアミン類;ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、および1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)などの含窒素複素環式化合物;グアニジン、フェニルグアニジン、およびジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニド、および1−フェニルビグアニドなどのビグアニド類;アミノ基含有シランカップリング剤;ケチミン化合物などが挙げられる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、およびバーサチック酸などが挙げられる。
アルコキシ金属の具体例としては、テトラブチルチタネート、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、およびジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトセテート)などのチタン化合物類や、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウム化合物類や、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類が挙げられる。
その他のシラノール縮合触媒として、フッ素アニオン含有化合物、光酸発生剤、および光塩基発生剤も使用できる。
シラノール縮合触媒は使用しなくてもよいが、使用する場合、その使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましく、0.001〜5重量部がより好ましく、0.001〜1重量部がさらに好ましく、0.001〜0.5重量部が特に好ましい。
<充填剤>
硬化性組成物には、種々の充填剤を配合することができる。充填剤としては、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、クレー、タルク、カオリン、シリチン、及び焼成シリチン、酸化チタン、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、PVC粉末、PMMA粉末、ガラス繊維およびフィラメントなどが挙げられる。中でも、破断強度の高い硬化物が得られることから、カーボンブラック、及び/又は、ヒュームドシリカが好ましい。
充填剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、1〜300重量部が好ましく、10〜250重量部が特に好ましい。
硬化性組成物を用いて形成される硬化物の軽量化(低比重化)の目的で、有機バルーン、および無機バルーンなどのバルーン(中空充填剤)を添加してもよい。バルーンは、球状体充填剤で内部が中空のものである。バルーンの材料としては、ガラス、シラス、およびシリカなどの無機系の材料、ならびに、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン、およびポリ塩化ビニリデンなどの有機系の材料が挙げられる。
バルーンの使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、1〜20重量部が特に好ましい。
<接着性付与剤>
硬化性組成物には、接着性付与剤を添加することができる。接着性付与剤としては、シランカップリング剤、シランカップリング剤の反応物を添加することができる。
シランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、および(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、α−イソシアネートメチルトリメトキシシラン、およびα−イソシアネートメチルジメトキシメチルシランなどのイソシアネート基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、およびγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、およびβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有シラン類、が挙げられる。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。また、各種シランカップリング剤の反応物も接着性付与剤として使用できる。
シランカップリング剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部が特に好ましい。
<可塑剤>
硬化性組成物には、可塑剤を添加することができる。可塑剤の具体例としては、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート(DIDP)、およびブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル化合物;ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレートなどのテレフタル酸エステル化合物;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステルなどの非フタル酸エステル化合物;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、およびアセチルクエン酸トリブチルなどの脂肪族多価カルボン酸エステル化合物;オレイン酸ブチル、およびアセチルリシノール酸メチルなどの不飽和脂肪酸エステル化合物;アルキルスルホン酸フェニルエステル;リン酸エステル化合物;トリメリット酸エステル化合物;塩素化パラフィン;アルキルジフェニル、および部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル;エポキシ化大豆油、およびエポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤などを挙げることができる。
また、高分子可塑剤を使用することができる。高分子可塑剤の具体例としては、ビニル系重合体;ポリエステル系可塑剤;数平均分子量500以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール、これらポリエーテルポリオールのヒドロキシ基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体などのポリエーテル類;ポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、およびポリクロロプレンなどが挙げられる。
可塑剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、5〜150重量部が好ましく、10〜120重量部がより好ましく、20〜100重量部が特に好ましい。上記の範囲内で可塑剤を使用すると、可塑剤としての所望する効果を得つつ、機械強度に優れる硬化物を形成できる硬化性組成物を得やすい。可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<タレ防止剤>
硬化性組成物には、タレを防止し、作業性を良くするためにタレ防止剤を、必要に応じて添加してもよい。タレ防止剤としては特に限定されない。タレ防止剤としては、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、およびステアリン酸バリウムなどの金属石鹸類などが挙げられる。これらタレ防止剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
タレ防止剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。
<酸化防止剤>
硬化性組成物には、酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐候性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ジアリールアミン系、およびポリフェノール系が例示できる。酸化防止剤の具体例は、例えば、特開平4−283259号公報や特開平9−194731号公報に記載されている。
酸化防止剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部が特に好ましい。
<光安定剤>
硬化性組成物には、光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、およびベンゾエート系化合物などが例示できる。光安定剤として、特にヒンダードアミン系が好ましい。
光安定剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部が特に好ましい。
<紫外線吸収剤>
硬化性組成物には、紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系、および金属キレート系化合物などを例示できる。紫外線吸収剤としては、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の好適な具体例としては、市販名チヌビンP、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン329、およびチヌビン571(以上、BASF製)が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜5重量部が特に好ましい。
<物性調整剤>
硬化性組成物には、必要に応じて、生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加してもよい。物性調整剤としては特に限定されない。物性調整剤としては、例えば、フェノキシトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、およびn−プロピルトリメトキシシランなどのアルキルアルコキシシラン類;ジフェニルジメトキシシラン、およびフェニルトリメトキシシランなどのアリールアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、およびγ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランなどのアルキルイソプロペノキシシラン;トリス(トリメチルシリル)ボレート、およびトリス(トリエチルシリル)ボレートなどのトリアルキルシリルボレート類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類などが挙げられる。物性調整剤を用いることにより、硬化性組成物の硬化物の硬度を上げたり、逆に硬度を下げ、破断伸びを出したりし得る。物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
特に、加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物は、硬化物の表面のべたつきを悪化させずに硬化物のモジュラスを低下させる作用を有する。特にトリメチルシラノールを生成する化合物が好ましい。加水分解により分子内に1価のシラノール基を有する化合物を生成する化合物としては、ヘキサノール、オクタノール、フェノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、およびソルビトールなどのアルコールの誘導体であって加水分解によりシランモノオールを生成するシリコン化合物を挙げることができる。具体的には、フェノキシトリメチルシラン、トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン等が挙げられる。
物性調整剤の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部が特に好ましい。
<エポキシ基を含有する化合物>
硬化性組成物においてはエポキシ基を含有する化合物を使用できる。エポキシ基を含有する化合物を使用すると硬化物の復元性を高めることができる。エポキシ基を含有する化合物としてはエポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、脂環族エポキシ化合物類、およびエピクロルヒドリン誘導体に示す化合物およびそれらの混合物などが例示できる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ビス(2−エチルヘキシル)−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(E−PS)、エポキシオクチルステアレート、およびエポキシブチルステアレートなどが挙げられる。
エポキシ化合物の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.5〜50重量部が好ましい。
<光硬化性物質>
硬化性組成物には光硬化性物質を使用できる。光硬化性物質を使用すると硬化物表面に光硬化性物質の皮膜が形成され、硬化物のべたつきや硬化物の耐候性を改善できる。この種の物質としては、有機単量体、オリゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物など多くの物質が知られている。代表的な物質としては、アクリル系またはメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマーあるいはそれらの混合物である不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂などが使用できる。
光硬化性物質の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。上記の範囲内で光硬化性物質を用いると、耐候性に優れ、柔軟であってヒビ割れが生じにくい硬化物を形成できる硬化性組成物を得やすい。
<酸素硬化性物質>
硬化性組成物には酸素硬化性物質を使用することができる。酸素硬化性物質には空気中の酸素と反応し得る不飽和化合物を例示できる。酸素硬化性物質は、空気中の酸素と反応して硬化物の表面付近に硬化皮膜を形成し表面のべたつきや硬化物表面へのゴミやホコリの付着を防止するなどの作用を奏する。
酸素硬化性物質の具体例には、キリ油、およびアマニ油などで代表される乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッド樹脂;アクリル系重合体、エポキシ系樹脂、およびシリコン樹脂などの樹脂の乾性油による変性物;ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、および1,3−ペンタジエンなどのジエン系化合物を重合または共重合させて得られる1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、およびC5〜C8ジエンの重合体などの液状重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
酸素硬化性物質の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。酸素硬化性物質の使用量が上記の範囲内であると、十分な汚染性の改善効果を得やすく、且つ硬化物の引張り特性などを損ないにくい。特開平3−160053号公報に記載されているように、酸素硬化性物質は光硬化性物質と併用されるのが好ましい。
<<硬化性組成物の調製>>
本実施形態の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することが可能である。また、硬化剤として、シラノール縮合触媒、充填材、可塑剤、および水などの成分を配合しておき、該硬化剤と、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)を含む主剤を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。作業性の点からは、1成分型が好ましい。
硬化性組成物が1成分型の場合、すべての配合成分が予め配合されるため、水分を含有する配合成分は予め脱水乾燥してから使用されるか、または、配合混練中に減圧などにより脱水されるのが好ましい。また、脱水乾燥法に加えて、n−プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、およびγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケイ素化合物を脱水剤として添加することにより、さらに貯蔵安定性は向上する。
脱水剤、特にビニルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケイ素化合物の使用量は、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
<<硬化物の製造方法>>
本実施形態の硬化性組成物は、硬化に先だって、塗布、注型、または充填などの方法によって、所望の形状に整えられる。塗布、注型、または充填され、形状を整えられた本実施形態の硬化性組成物は、常温又は加熱下で硬化させることができる。
<<用途>>
本実施形態の硬化性組成物は、種々の物品において、隙間やピンホールにおける液体や気体などの流体の流通を防止するためのコーティング膜を形成する、コーティング用組成物として好ましく用いることができる。その他、粘着剤、接着剤、型取剤、防振材、制振材、防音材、発泡材料、塗料、吹付材、塗膜防水剤としても使用できる。
また、本実施形態の硬化性組成物、または当該組成物の硬化物をシーラントとして用いることができる。シーラントは、気密、または水密状態を達成する目的や、防音、断熱の目的などのために、隙間、亀裂、ピンホールなどが発生し得る面や空間に、塗布、貼り付け、注入(充填)などの方法により施工される。塗布等により施工される被着体は、本実施形態の硬化性組成物が粘接着する材質であれば特に制限はなく、例えば、アルミやステンレスなどの金属類、コンクリートなどのセメント類、ガラス、陶磁器類、石類、木類、ゴム類、プラスチック類、樹脂類などが挙げられる。シーラントは、典型的には前述の組成物を硬化させることにより形成される。シーラントは、好ましくは、種々の物品において、隙間やピンホールにおける液体や気体などの流体の流通を防止するためのシール材として使用される。
例えば、建築物などに用いられるコンクリート表面に本シーラントを塗布することにより、乾燥収縮などによって発生する亀裂からの漏水を防ぐことが可能となる。また、建築内外装や自動車内外装の各種パネル間に充填したり、または跨ぐように本シーラントを塗布することにより、熱膨張や振動やパネル固定具の緩みに依って生じるパネル間の隙間からの漏水や空気の漏れなどを防ぎ、また防音性や断熱性能も維持できる。さらには、断熱材や複層ガラスの表面などに本シーラントを塗布することにより、これらに貫通孔やひび割れが生じた場合でも気体の浸入および流出を抑制できるため断熱性能の低下を抑制可能である。これらの使用例は一例を示しており、本実施形態の硬化性組成物、または当該組成物の硬化物は、対象物の隙間を充填したり、使用時に発生する亀裂や貫通孔を防ぐべく対象物の内面および/または外面に塗布して、気体や液体の流出入を防いだり、断熱性や防音性の低下を防ぐシール材として使用できる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として使用し、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量28,500のポリオキシプロピレンジオールを得た。
このポリオキシプロピレンジオールの水酸基1当量に対して1.2当量のナトリウムメトキシドを含有するメタノール溶液を添加し、メタノールを留去した後、さらに1.5当量の3−クロロ−2−メチル−1−プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基に変換した。
容器内を6vol%O/Nで置換し、得られたメタリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対して、硫黄(0.25重量%のヘキサン溶液)100ppm、及び、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)100ppmを加え、撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン2.30重量部をゆっくりと滴下した。その混合溶液を100℃で5時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去することにより、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基を重合体骨格の両末端に有し、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基数が平均2.0であり、数平均分子量(Mn)が28,500であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.2である直鎖状のポリオキシプロピレン(A−1)を得た。
なお、重合体(A−1)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、送液システムとして東ソー製HLC−8120GPC、カラムとして東ソー製TSK−GEL Hタイプ、溶媒としてTHF、標準としてポリスチレンを用いて測定した値である。重合体(A−1)の反応性ケイ素基の平均個数は、反応性ケイ素基が直接結合した炭素上のプロトンを高分解能H−NMR測定法により定量する方法により求めた。以上の測定方法は合成例2以下も同様である。
(合成例2)
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として使用し、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量37,600のポリオキシプロピレンジオールを得た。
このポリオキシプロピレンジオールの水酸基1当量に対して1.2当量のナトリウムメトキシドを含有するメタノール溶液を添加し、メタノールを留去した後、さらに1.5当量の3−クロロ−2−メチル−1−プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基に変換した。
容器内を6vol%O/Nで置換し、得られたメタリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対して、硫黄(0.25重量%のヘキサン溶液)100ppm、及び、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)100ppmを加え、撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン1.90重量部をゆっくりと滴下した。その混合溶液を100℃で5時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去することにより、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基を重合体骨格の両末端に有し、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基数が平均2.0であり、数平均分子量(Mn)が37,600であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.2である直鎖状のポリオキシプロピレン(A−2)を得た。
(合成例3)
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量約28,500のポリオキシプロピレンジオールを得た。
この水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.0モル当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、続いて水酸基に対して、1.0モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。以上により、1つの末端部位に炭素−炭素不飽和結合を平均2.0個有するポリオキシプロピレン重合体を得た。
次に得られた重合体100重量部に対し白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)36ppmを加え、撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン1.9重量部をゆっくりと滴下し、90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、1つの末端部位にジメトキシメチルシリル基を平均1.6個含み、重合体1分子当たりの反応性ケイ素基数が平均3.2個、数平均分子量(Mn)が28,500であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.2である直鎖状のポリオキシプロピレン(A−3)を得た。
(合成例4)
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として使用し、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量約28,500のポリオキシプロピレンジオールを得た。
この水酸基末端ポリオキシプロピレンジオールの水酸基に対して1.2倍当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに1.5当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。
得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)36ppmを加え撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン0.96重量部をゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去することにより、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基を有し、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基数が平均1.6個、数平均分子量28,500であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.2である直鎖状のポリオキシプロピレン(P−1)を得た。
(合成例5)
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として使用し、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量約37,600のポリオキシプロピレンジオールを得た。
この水酸基末端ポリオキシプロピレンジオールの水酸基に対して1.2倍当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに1.5当量の3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。
得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)36ppmを加え撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン0.89重量部をゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去することにより、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基を有し、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基数が平均1.6個、数平均分子量37,600であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.2である直鎖状のポリオキシプロピレン(P−2)を得た。
(合成例6)
ブタノールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、片末端に水酸基を有する数平均分子量7,000のポリオキシプロピレンを得た。
この水酸基末端ポリオキシプロピレンの水酸基に対して1.2倍当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。
得られたアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)36ppmを加え撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン1.72重量部をゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させることにより、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基を重合体骨格の片末端に有し、重合体1分子あたりの反応性ケイ素基数が平均0.7個、数平均分子量が7,000である直鎖状の反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン重合体(B−1)を得た。
(実施例1)
合成例1で得られた反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン(A−1)77.5重量部に対して、合成例6で得られた反応性ケイ素基含有ポリオキシプロピレン(B−1)222.5重量部、Printex30(充填剤:カーボンブラック、オリオンエンジニアドカーボンズ(株)製)45重量部、Crayvallac SLT(チキソ性付与剤:脂肪族アマイドワックス、ARKEMA製)5重量部、Irganox245(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF製)1重量部を、2軸ミキサー((株)井上製作所社製)に添加し、低速攪拌を110rpm、高速攪拌を1600rpmとし、減圧しながら2時間攪拌した。50℃以下に冷却後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(Momentive(株)製、商品名:A−171)3重量部、接着性付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−603)3重量部、縮合触媒としてジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220H)3.5重量部を加えて混練し、防湿性のカートリッジ型容器に充填後、密封して、1成分型硬化性組成物を得た。得られた組成物について、次に記載するように引張試験を実施し、緩和弾性率を測定した。結果を表1に示す。
(引張試験)
得られた組成物を厚み2mmのポリエチレン製の型枠に気泡が入らないよう充填し、23℃、相対湿度50%で7日間養生することにより硬化物を得た。得られた硬化物から、JIS K 6251に準拠して2号ダンベルを打ち抜き、引張り試験(引張り速度200mm/分、23℃、相対湿度50%)を行い、100%伸張時のモジュラス(M100)、破断時強度(TB)、破断時伸び率(EB)を測定した。評価結果を表1に記す。
(緩和弾性率の測定方法)
得られた組成物を厚み2mmのポリエチレン製の型枠に気泡が入らないよう充填し、23℃、相対湿度50%で7日間養生することにより硬化物を得た。得られた硬化物から、1cm×1cmの試験片を作製し、治具に直径8mmの平行円板を用いて、50℃で、ひずみ30%を与えて、緩和弾性率(G(t))の測定を行った。初期の緩和弾性率から20%緩和するのに要した時間をt(80%)(秒)とした。評価結果を表1に記す。
(実施例2〜7及び比較例1〜5)
表1の配合に従い、重合体の種類又は配合量を変更した以外は実施例1と同様にして1成分型硬化性組成物を得、該組成物について引張試験を実施し、緩和弾性率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021098806
(1):カーボンブラック(オリオンエンジニアドカーボンズ(株))
(2):ヒュームドシリカ(日本アエロジル(株))
(3):脂肪酸アマイドワックス(ARKEMA)
(4):ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF(株))
(5):ビニルトリメトキシシラン(Momentive(株))
(6):N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株))
(7):ジブチル錫ジアセトアセトナート(日東化成(株))
表1より以下のことが分かる。実施例1〜7はいずれも、破断強度TBが高い値を示し、かつ、20%緩和するのに要する時間t(80%)が50秒未満と短く、応力緩和性に優れていた。一方、重合体(A)100重量部に対する重合体(B)の比率が105重量部と低かった比較例1では、t(80%)が622秒と長く、応力緩和性が極めて低くなる結果が示された。また、重合体(A)の代わりに、1分子当たりの反応性ケイ素基数が1.6と少ない重合体(P−1)又は(P−2)を使用した比較例2〜5では、応力緩和性は良好であるものの、破断強度TBが低い値を示した。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を1分子中に平均して1.6個より多く有し、数平均分子量が13,000〜100,000である直鎖状のポリオキシアルキレン系重合体(A)、及び、
    下記一般式(1)で表される反応性ケイ素基を1分子中に平均して0.4〜1.2個有し、数平均分子量が3,000〜25,000であるポリオキシアルキレン系重合体(B)を含有し、
    ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量が、ポリオキシアルキレン系重合体(B)の数平均分子量よりも大きく、
    ポリオキシアルキレン系重合体(A)の含有量100重量部に対するポリオキシアルキレン系重合体(B)の含有量が、120重量部以上である、硬化性組成物。
    −Si(R3−a(X) (1)
    (式中、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基は、ヘテロ含有基を有してもよい。Xは、それぞれ独立に、水酸基または加水分解性基を表す。aは1、2、または3である。)
  2. ポリオキシアルキレン系重合体(A)が、下記一般式(2)で表される反応性ケイ素基含有構造を有する、請求項1に記載の硬化性組成物。
    −O−R−CH(R)−CH−Si(R3−a(X) (2)
    (式中、Rは、直接結合、又は炭素原子数1〜4の2価の炭化水素基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R、X、及びaは、前記一般式(1)と同じ。)
  3. がメチル基を表す、請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. ポリオキシアルキレン系重合体(A)が、下記一般式(4)で表される反応性ケイ素基含有構造を有する、請求項1に記載の硬化性組成物。
    Figure 2021098806
    (式中、Rは、直接結合、又は炭素原子数1〜4の2価の炭化水素基を表す。Rは水素または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R10は、直接結合、又は炭素原子数1〜6の2価の結合基を表す。R11は水素、または炭素原子数1〜10の炭化水素基を表す。nは1から10の整数である。R、X、及びaは、前記一般式(1)と同じ。)
  5. ポリオキシアルキレン系重合体(A)が有する反応性ケイ素基を表す一般式(1)において、aが、2である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. ポリオキシアルキレン系重合体(B)が有する反応性ケイ素基を表す一般式(1)において、aが、2である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. ポリオキシアルキレン系重合体(B)が、前記反応性ケイ素基を、重合体骨格の末端のうち1個の末端のみに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 充填剤として、カーボンブラックをさらに含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 充填剤として、ヒュームドシリカをさらに含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物。
  11. 請求項10に記載の硬化物からなるシーラント。
  12. 請求項10に記載の硬化物からなるコーティング膜。
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