JP7249998B2 - 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献6、および特許文献7に記載のポリマーも硬化速度を向上させることが知られているが、製造上スズ化合物を使用するため、完全な非錫系を求められる場合は用いることが出来なかった。
すなわち本発明は、
(1).一般式(1):
-Si(R1)3-a(X)a (1)
(式中、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20の炭化水素基であり、R1としての炭化水素基は、置換されてもいてもよく、且つヘテロ含有基を有してもよく、Xは水酸基または加水分解性基であり、aは1、2、または3である。)
で表される反応性ケイ素基を有し、
反応性ケイ素基に隣接する原子が不飽和結合を有する、反応性ケイ素基含有重合体に関する。
(2).一般式(2)~(4):
で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有する(1)に記載の反応性ケイ素基含有重合体に関する。
(3).一般式(2)~(4)で表される構造が、それぞれ一般式(5)~(7):
(4).一般式(1)で表される反応性ケイ素基を、1つの末端に平均して0.8個より多く有する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の反応性ケイ素基含有重合体に関する。
(5).反応性ケイ素基が、ジメトキシメチルシリル基である(1)~(4)のいずれか1つに記載の反応性ケイ素基含有重合体に関する。
(6).反応性ケイ素基が、トリメトキシシリル基、および/または(メトキシメチル)ジメトキシシリル基である(1)~(4)のいずれか1つに記載の反応性ケイ素基含有重合体に関する。
(7).反応性ケイ素基含有重合体の主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体である(1)~(6)のいずれかに記載の反応性ケイ素基含有重合体に関する。
(8).(1)~(7)のいずれか1つに記載の(A)反応性ケイ素基含有重合体を含有する硬化性組成物に関する。
(9).(A)反応性ケイ素基含有重合体と、
(B)硬化触媒と、
を含有する、(8)に記載の硬化性組成物に関する。
(10).(B)硬化触媒として、有機錫化合物、カルボン酸金属塩、アミン化合物、カルボン酸およびアルコキシ金属からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、(9)に記載の硬化性組成物に関する。
(11).(B)硬化触媒として、分子内に加水分解性ケイ素基とアミノ基とを有するシランカップリング剤を含み、(9)に記載の硬化性組成物に関する。
(12).(B)硬化触媒として、分子内に加水分解性ケイ素基とアミノ基とを有するシランカップリング剤以外の硬化触媒を含まない、(11)に記載の硬化性組成物に関する。
(13).(8)~(12)のいずれか1つに記載の硬化性組成物の硬化物に関する。
(14).(8)~(12)のいずれか1つに記載の硬化性組成物を、塗布、注型、または充填することと、
塗布、注型、または充填された硬化性組成物を硬化させることと、を含む、硬化物の製造方法に関する。
(15).(8)~(12)のいずれか1つに記載の硬化性組成物からなる、シーリング材、または接着剤に関する。
反応性ケイ素基含有重合体は、一般式(1):
-Si(R1)3-a(X)a (1)
(式中、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20の炭化水素基であり、R1としての炭化水素基は、置換されていてもよく、且つヘテロ含有基を有してもよく、Xは水酸基または加水分解性基であり、aは1、2、または3である。)
で表される反応性ケイ素基を有する。また、反応性ケイ素基含有重合体において、反応性ケイ素基に隣接する原子が不飽和結合を有する。
反応性ケイ素基含有重合体において、反応性ケイ素基に隣接する原子が不飽和結合を有することによって、反応性ケイ素基の縮合反応性が顕著に高まる。このため、反応性ケイ素基についての上記の要件を満たす反応性ケイ素基含有重合体は、低活性の触媒添加の条件でも優れた速硬化性を示す。
反応性ケイ素基含有重合体における反応性ケイ素基は一般式(1):
-Si(R1)3-a(X)a (1)
(式中、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20の炭化水素基であり、R1としての炭化水素基は、置換されていてもよく、且つヘテロ含有基を有してもよく、Xは水酸基または加水分解性基であり、aは1、2、または3である。)
で表される。
ヘテロ含有基の好適な例としては、水酸基;メルカプト基;Cl、Br、I、およびFなどのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキシ基、およびイソプロピルオキシ基などのアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、およびイソプロピルチオ基などのアルキルチオ基;アセチル基、プロピオニル基、およびブタノイル基などのアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、およびブタノイルオキシ基などのアシルオキシ基;アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、およびジエチルアミノ基などの置換または非置換のアミノ基;アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、およびジエチルアミノカルボニル基などの置換または非置換のアミノカルボニル基;シアノ基などが挙げられる。
これらの炭化水素基が、前述のヘテロ含有基で置換された基も、R1として好ましい。
-Si(R10)3-b(OR11)b (1-1)
(式中、R10はそれぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のハロアルキル基、炭素原子数2~6のアルコキシアルキル基、または-R12N(R13)2で表されるN,N-ジアルキルアミノアルキル基であり、R12はメチル基またはエチル基であり、R13はメチル基またはエチル基であり、R11は炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数2~6のアルケニル基、または炭素原子数2~6のアシル基であり、bは2、または3である。)
で表される基が好ましい。
R10としての炭素原子数1~6のハロアルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、2-クロロエチル基、および2-ブロモエチル基などが挙げられる。これらの中では、クロロメチル基、およびブロモメチル基が好ましく、クロロメチル基がより好ましい。
R10としての炭素原子数2~6のアルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、2-メトキシエチル基、1-メトキシエチル基、エトキシメチル基、2-エトキシエチル基、n-プロピルオキシメチル基、および2-n-プロピルオキシエチル基などが挙げられる。これらの中では、メトキシメチル基、2-メトキシエチル基、およびエトキシメチル基が好ましく、メトキシメチル基がより好ましい。
R10としての、-R12N(R13)2で表されるN,N-ジアルキルアミノアルキル基の具体例としては、N,N-ジメチルアミノメチル基、N,N-ジエチルアミノメチル基、2-N,N-ジメチルアミノエチル基、および2-N,N-ジエチルアミノエチル基などが挙げられる。これらの中では、N,N-ジメチルアミノメチル基、およびN,N-ジエチルアミノメチル基が好ましく、N,N-ジエチルアミノメチル基がより好ましい。
R11としての炭素原子数2~6のアルケニル基の具体例としては、ビニル基、2-プロペニル基、3-ブテニル基、および4-ペンテニル基などが挙げられる。これらの中では、ビニル基、および2-プロペニル基が好ましい。
R11としての炭素原子数2~6のアシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、およびペンタノイル基が挙げられる。これらの中では、アセチル基がこのましい。
R1、X、aは、上記の記載と同様である。
ここで、R4が有する2つの結合手は、それぞれ、連結基内の炭素原子、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子に結合しているとは、R4が有する2つの結合手が、それぞれ、連結基内の炭素原子、酸素原子、窒素原子、または硫黄原子上に存在することを意味する。
2価の連結基の具体例としては、-(CH2)n-、-O-(CH2)n-、-S-(CH2)n-、-NR5-(CH2)n-、-O-C(=O)-NR5-(CH2)n-、および-NR5-C(=O)-NR5-(CH2)n-、などが挙げられる。これらの中では、-O-(CH2)n-、-O-C(=O)-NR5-(CH2)n-、および-NR5-C(=O)-NR5-(CH2)n-が好ましく、-O-CH2-が原料が入手しやすいためより好ましい。R5は、水素原子または炭素原子数1~10の炭化水素基である。R5としての炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、およびイソプロピル基などのアルキル基、フェニル基、およびナフチル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。nとしては、0~10の整数が好ましく、0~5の整数がより好ましく、0~2の整数がさらに好ましく、0または1が特に好ましく、1が最も好ましい。
R2、およびR3としては、具体的には、水素;メチル基、エチル基、およびシクロヘキシルなどのアルキル基;フェニル基、およびトリル基などのアリール基;ベンジル基、およびフェネチル基などのアラルキル基;トリメチルシリル基などのシリル基が挙げられる。これらの中では、水素、メチル基、およびトリメチルシリル基が好ましく、水素、およびメチル基がより好ましく、水素がさらに好ましい。
反応性ケイ素基含有重合体の主鎖構造は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖を有していてもよい。
反応性ケイ素基含有重合体の主鎖骨格には特に制限はない。反応性ケイ素基含有重合体としては、各種の主鎖骨格を持つ重合体を使用することができる。反応性ケイ素基含有重合体の主鎖骨格としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、およびポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレン共重合体などのポリオキシアルキレン系重合体;エチレン-プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレンなどとの共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレンなどとの共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよびスチレンなどとの共重合体、ならびにこれらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体などの飽和炭化水素系重合体;ポリエステル系重合体;エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマーをラジカル重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ならびに(メタ)アクリル酸系モノマー、酢酸ビニル、アクリロニトリル、およびスチレンなどのモノマーをラジカル重合して得られる重合体などのビニル系重合体;前述の重合体中でのビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ポリアミド系重合体;ポリカーボネート系重合体;ジアリルフタレート系重合体;などの有機重合体が挙げられる。上記各重合体はブロック状、グラフト状などに混在していてもよい。これらの中でも、飽和炭化水素系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、および(メタ)アクリル酸エステル系重合体が比較的ガラス転移温度が低いことと、得られる硬化物が耐寒性に優れることとから好ましく、ポリオキシアルキレン系重合体がより好ましい。
次に、反応性ケイ素基含有重合体の合成方法について説明する。
反応性ケイ素基含有重合体の主鎖として、ポリオキシアルキレン系重合体を用いる場合には、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体などの複合金属シアン化物錯体触媒を用いた、水酸基を有する開始剤にエポキシ化合物を重合させる方法によって水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を得た後、(i)得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基に、炭素-炭素三重結合を導入した後、炭素-炭素三重結合にシラン化合物をヒドロシリル化反応により付加させる方法(ii)得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体と、水酸基と反応する基、反応性ケイ素基、および炭素-炭素二重結合を有する化合物とを反応させる方法、および(iii)水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体と過剰のポリイソシアネート化合物を反応させて、末端にイソシアネート基を有する重合体とした後、イソシアネート基と反応する基、反応性ケイ素基、および炭素-炭素二重結合を有する化合物を反応させる方法、が好ましい。
これらの方法の中では、反応が簡便で、反応性ケイ素基の導入量の調整や、得られる反応性ケイ素基含有重合体の物性が安定であるため、(i)の方法がより好ましい。
これらの方法を用いることによって、炭素-炭素二重結合であるアリル基末端を有する重合体のヒドロシリル化では難しい、重合体末端へのシリル基の導入率が80%以上である反応性ケイ素基含有重合体が得られる。
反応性ケイ素基含有重合体の主鎖として、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を用いる場合には、反応性ケイ素基含有重合体の製造方法としては、(I)重合性不飽和基と反応性官能基を有する化合物(例えば、アクリル酸、アクリル酸2-ヒドロキシエチル)を、(メタ)アクリル構造を有するモノマーとともに共重合して重合体を得た後、得られた重合体中のいずれかの位置(好ましくは分子鎖末端)に炭素-炭素三重結合を導入し、次いで、ヒドロシリル化反応により炭素-炭素三重結合に反応性ケイ素基を与えるシラン化合物を付加させる方法、(II)原子移動ラジカル重合などのリビングラジカル重合法によって(メタ)アクリル構造を有するモノマーを重合して重合体を得た後、得られた重合体中のいずれかの位置(好ましくは分子鎖末端)に炭素-炭素三重結合を導入し、次いで、ヒドロシリル化反応により炭素-炭素三重結合に反応性ケイ素基を与えるシラン化合物を付加させる方法などが挙げられる。
反応性ケイ素基含有重合体の主鎖として、飽和炭化水素系重合体を用いる場合には、反応性ケイ素基含有重合体の製造方法としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、およびイソブチレンなどのような炭素原子数2~6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させて重合体を得た後、得られた重合体のいずれかの位置(好ましくは分子鎖末端)に炭素-炭素三重結合を導入し、次いで、ヒドロシリル化反応により炭素-炭素三重結合に反応性ケイ素基を与えるシラン化合物を付加させる方法などが挙げられる。
以上説明した(A)反応性ケイ素基含有重合体(以下、(A)成分とも記す。)を、必要に応じて、種々の添加剤と混合することによって硬化性組成物が得られる。
硬化性組成物は、典型的には、(A)反応性ケイ素基含有重合体と、(B)硬化触媒(以下、(B)成分とも記す。)とを組み合わせて含む。
(B)硬化触媒以外の添加剤としては、充填剤、接着性付与剤、可塑剤、タレ防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、物性調整剤、エポキシ基を含有する化合物、光硬化性物質、酸素硬化性物質、および反応性ケイ素基含有重合体以外のその他の樹脂などが挙げられる。
硬化性組成物には、反応性ケイ素基含有重合体の反応性ケイ素基を加水分解・縮合させる反応を促進し、重合体を鎖延長または架橋させる目的で、シラノール縮合触媒として作用する(B)硬化触媒を使用してもよい。
(B)硬化触媒の使用量としては、有機錫化合物、カルボン酸金属塩、アミン化合物、カルボン酸、アルコキシ金属、および無機酸などを(B)硬化触媒として使用する場合は、(A)反応性ケイ素基含有重合体100重量部に対して、0.001~10重量部が好ましく、0.001~5重量部がより好ましく、0.001~1重量部がさらに好ましく、0.001~0.5重量部が特に好ましい。
アミノ基含有シランカップリング剤であるアミノシランを(B)硬化触媒として使用する場合は、(B)硬化触媒の使用量は、反応性ケイ素基含有重合体100重量部に対して、0.001~10重量部が好ましく、0.001~5重量部が特に好ましい。
これらの(B)硬化触媒の配合量が、上記の範囲内であることにより、作業を容易行なえるような硬化速度を保ちつつ、十分に速い速度で硬化を進行させることができ、また、硬化性組成物の貯蔵安定性が良好である。
また、有機錫化合物、カルボン酸、アルコキシ金属、および無機酸などを(B)硬化触媒として用いた場合には硬化性が悪化する場合がある。
硬化性組成物には、種々の充填剤を配合することができる。充填剤としては、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、クレー、タルク、酸化チタン、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、PVC粉末、PMMA粉末、ガラス繊維およびフィラメントなどが挙げられる。
硬化性組成物には、接着性付与剤を添加することができる。接着性付与剤としては、シランカップリング剤、シランカップリング剤の反応物を添加することができる。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。また、各種シランカップリング剤の反応物も接着性付与剤として使用できる。
硬化性組成物には、可塑剤を添加することができる。可塑剤の具体例としては、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート(DIDP)、およびブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル化合物;ビス(2-エチルヘキシル)-1,4-ベンゼンジカルボキシレートなどのテレフタル酸エステル化合物;1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステルなどの非フタル酸エステル化合物;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、およびアセチルクエン酸トリブチルなどの脂肪族多価カルボン酸エステル化合物;オレイン酸ブチル、およびアセチルリシノール酸メチルなどの不飽和脂肪酸エステル化合物;アルキルスルホン酸フェニルエステル;リン酸エステル化合物;トリメリット酸エステル化合物;塩素化パラフィン;アルキルジフェニル、および部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル;エポキシ化大豆油、およびエポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤などを挙げることができる。
硬化性組成物には、タレを防止し、作業性を良くするためにタレ防止剤を、必要に応じて添加してもよい。タレ防止剤としては特に限定されない。タレ防止剤としては、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、およびステアリン酸バリウムなどの金属石鹸類などが挙げられる。これらタレ防止剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化性組成物には、酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐候性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、およびポリフェノール系が例示できる。酸化防止剤の具体例は、例えば、特開平4-283259号公報や特開平9-194731号公報に記載されている。
硬化性組成物には、光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、およびベンゾエート系化合物などが例示できる。光安定剤として、特にヒンダードアミン系が好ましい。
硬化性組成物には、紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系、および金属キレート系化合物などを例示できる。紫外線吸収剤としては、特にベンゾトリアゾール系が好ましい。ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の好適な具体例としては、市販名チヌビンP、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン329、およびチヌビン571(以上、BASF製)が挙げられる。
硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加してもよい。物性調整剤としては特に限定されない。物性調整剤としては、例えば、フェノキシトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、およびn-プロピルトリメトキシシランなどのアルキルアルコキシシラン類;ジフェニルジメトキシシラン、およびフェニルトリメトキシシランなどのアリールアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、およびγ-グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランなどのアルキルイソプロペノキシシラン;トリス(トリメチルシリル)ボレート、およびトリス(トリエチルシリル)ボレートなどのトリアルキルシリルボレート類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類などが挙げられる。物性調整剤を用いることにより、硬化性組成物の硬化物の硬度を上げたり、逆に硬度を下げ、破断伸びを出したりし得る。物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化性組成物においてはエポキシ基を含有する化合物を使用できる。エポキシ基を含有する化合物を使用すると硬化物の復元性を高めることができる。エポキシ基を含有する化合物としてはエポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、脂環族エポキシ化合物類、およびエピクロルヒドリン誘導体に示す化合物およびそれらの混合物などが例示できる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ビス(2-エチルヘキシル)-4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレート(E-PS)、エポキシオクチルステアレート、およびエポキシブチルステアレートなどが挙げられる。
硬化性組成物には光硬化性物質を使用できる。光硬化性物質を使用すると硬化物表面に光硬化性物質の皮膜が形成され、硬化物のべたつきや硬化物の耐候性を改善できる。この種の物質としては、有機単量体、オリゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物など多くの物質が知られている。代表的な物質としては、アクリル系またはメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマーあるいはそれらの混合物である不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂などが使用できる。
硬化性組成物には酸素硬化性物質を使用することができる。酸素硬化性物質には空気中の酸素と反応し得る不飽和化合物を例示できる。酸素硬化性物質は、空気中の酸素と反応して硬化物の表面付近に硬化皮膜を形成し表面のべたつきや硬化物表面へのゴミやホコリの付着を防止するなどの作用を奏する。
以上説明した硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することが可能である。また、硬化剤としての別途(B)硬化触媒、充填材、可塑剤、および水などの成分を配合しておき、該配合材と重合体組成物を使用前に混合する2成分型として調製することもできる。作業性の点からは、1成分型が好ましい。
以上説明した硬化性組成物は、硬化に先だって、塗布、注型、または充填などの方法によって、所望する形状に整えられる。
塗布、注型、または充填され、形状を整えられた硬化性組成物は、例えば、常温、常湿のような所望する環境下において硬化される。
以上説明した、一般式(1)で表される反応性ケイ素基を有し、反応性ケイ素基に隣接する原子が不飽和結合を有する(A)反応性ケイ素基含有重合体、特に一般式(2)~(4)で表される構造を有する(A)反応性ケイ素基含有重合体を含む硬化性組成物は、従来知られる反応性ケイ素基含有重合体を含む硬化性組成物よりも、顕著に短時間で硬化可能である。
以上説明した硬化性組成物は、粘着剤、建造物・船舶・自動車・道路などにおけるシーリング施工用のシーリング材、型取剤、接着剤、塗料、および吹付剤などに使用できる。また、以上説明した硬化性組成物の硬化物は、防水材、塗膜防水材、防振材、制振材、防音材、および発泡材料などとして好適に使用される。硬化性組成物を硬化して得られる硬化物が柔軟性および接着性に優れることから、硬化性組成物は、上記の用途の中でも、シーリング材または接着剤として用いられることがより好ましい。
送液システム:東ソー製HLC-8120GPC
カラム:東ソー製TSK-GEL Hタイプ
溶媒:THF
分子量:ポリスチレン換算
測定温度:40℃
(平均導入数)=[重合体(Q)のヨウ素価-前駆重合体(P)のヨウ素価]/[前駆重合体(P)の水酸基価]。
数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、両末端に水酸基を有する数平均分子量27,900(末端基換算分子量17,700)、分子量分布Mw/Mn=1.21のポリオキシプロピレン(P-I)を得た。得られた水酸基末端ポリオキシプロピレン(P-I)の水酸基に対して1.05モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-I)の水酸基に対して、さらに1.16モル当量の臭化プロパルギルを添加して末端の水酸基をプロパルギル基に変換した。未反応の臭化プロパルギルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のプロパルギル基末端ポリオキシプロピレンをn-ヘキサンと、水を混合撹拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液からヘキサンを減圧脱揮することでポリマー中の金属塩を除去した。以上により、末端部位にプロパルギル基を有するポリオキシプロピレン(Q-I)を得た。この重合体(Q-I)500gに対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびジメトキシメチルシラン7.5gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、末端にジメトキシメチルシリル基を有する数平均分子量28,500のポリオキシプロピレン(A-I)を得た。重合体(A-I)はジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均1.0個、1分子中に平均2.0個有することが分かった。
合成例1により得られた水酸基末端ポリオキシプロピレン(P-I)の水酸基に対して1.2モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-II)の水酸基に対して、さらに1.5モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。以降は合成例1と同様の精製操作を行った。以上により、末端部位にアリル基を有するポリオキシプロピレン(Q-II)を得た。この重合体(Q-II)500gに対して白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびジメトキシメチルシラン4.8gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、末端にジメトキシメチルシリル基を有する数平均分子量28,500のポリオキシプロピレン(B-II)を得た。重合体(B-II)はジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均0.8個、1分子中に平均1.6個有することが分かった。
合成例1により得られた水酸基末端ポリオキシプロピレン(P-I)の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-I)の水酸基に対して、1.0モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。以降は合成例1と同様の精製操作を行った。以上により、炭素-炭素不飽和結合を2個以上有する末端構造を有するポリオキシプロピレン(Q-III)を得た。重合体(Q-III)では、1つの末端部位に炭素-炭素不飽和結合が平均2.0個導入されていることが分かった。
得られた1つの末端部位に炭素-炭素不飽和結合を平均2.0個有するポリオキシプロピレン(Q-III)500gに対して、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびジメトキシメチルシラン9.6gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、2個以上のジメトキシメチルシリル基を有する末端構造を有する数平均分子量約28,500のポリオキシプロピレン(B-II)を得た。重合体(B-II)はジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均1.7個、一分子中に平均3.4個有することが分かった。
表1に記載の重合体(A-I)、(B-I)、または(B-II)100重量部に対して、DINP((株)ジェイプラス製:ジイソノニルフタレート)55重量部、白艶華CCR(白石カルシウム(株)製:沈降炭酸カルシウム)120重量部、タイペークR820((株)石原産業製:酸化チタン)20重量部、ディスパロン6500(楠本化学(株)製:脂肪酸アマイドワックス)2重量部、チヌビン770(BASF製:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)1重量部、チヌビン326(BASF製:2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)1重量部、を混合して、3本ロールを用いて均一に分散させ120℃で2時間減圧脱水を行った。その後、50℃以下に冷却後、A-171(Momentive製:ビニルトリメトキシシラン)2重量部、A-1120(Momentive製:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部、U-220H(日東化成(株)製:ジブチル錫ビスアセチルアセトナート)2重量部添加し混合した後、実質的に水分の存在しない状態で防湿性のあるカートリッジに密封した。
得られた組成物を型枠に充填し、23℃50%RHで3日間、さらに50℃で4日間養生させて厚さ約3mmのシート状硬化物を作製した。シート状硬化物を3号ダンベル型に打ち抜き、23℃50%RHで引っ張り強度試験を行い100%伸張時のモジュラス、破断時の強度および伸びを測定した。測定は(株)島津製オートグラフ(AGS-J)を用い200mm/minの引張り速度で行った。結果を表1に示す。
得られた組成物を型枠に充填し、23℃50%RHで3日間、さらに50℃で4日間養生させて厚さ約3mmのシート状硬化物を作製した。シート状硬化物を引裂き試験用ダンベル型(JIS A型)に打ち抜き、23℃50%RHで引裂き試験を行った。測定は(株)島津製オートグラフ(AGS-J)を用い200mm/minの引張り速度で行った。結果を表1に示す。
また、反応性ケイ素基含有重合体(A-I)を含む実施例1の硬化性組成物は、ケイ素基に隣接する原子が不飽和結合を有さず、1つの末端に平均して1.0個より多く有する反応性ケイ素基含有重合体(B-II)を含む硬化性組成物に対しては、硬化物の柔軟性(低モジュラス、高伸び)と、強度(TB)とにおいて優れる。
合成例1で得られた重合体(Q-I)500gに対して、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびメトキシメチルジメトキシシラン10.34gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のメトキシメチルジメトキシシランを減圧下留去する事により、末端にメトキシメチルジメトキシシリル基を有する数平均分子量28,500のポリオキシプロピレン(A-1)を得た。重合体(A-1)はメトキシメチルジメトキシシリル基を1分子中に平均2.0個有することが分かった。
数平均分子量が約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、末端に水酸基を有する数平均分子量24,600(末端基換算分子量17,400)、分子量分布Mw/Mn=1.31のポリオキシプロピレン(P-1)を得た。得られた水酸基末端ポリオキシプロピレン(P-1)の水酸基に対して1.05モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-1)の水酸基に対して、さらに1.16モル当量の臭化プロパルギルを添加して末端の水酸基をプロパルギル基に変換した。未反応の臭化プロパルギルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のプロパルギル基末端ポリオキシプロピレンをn-ヘキサンと、水を混合撹拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液からヘキサンを減圧脱揮することでポリマー中の金属塩を除去した。以上により、末端部位にプロパルギル基を有するポリオキシプロピレン(Q-1)を得た。この重合体(Q-1)500gに対して、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびメトキシメチルジメトキシシラン11.49gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のメトキシメチルジメトキシシランを減圧下留去する事により、末端にメトキシメチルジメトキシシリル基を有する数平均分子量26,200のポリオキシプロピレン(A-2)を得た。重合体(A-2)はメトキシメチルジメトキシシリル基を1分子中に平均3.0個有することが分かった。
合成例1で得られた重合体(Q-I)500gに対して、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびトリメトキシシラン8.37gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のトリメトキシシランを減圧下留去する事により、末端にトリメトキシシリル基を有する数平均分子量28,500のポリオキシプロピレン(A-3)を得た。重合体(A-3)はトリメトキシシリル基を1分子中に平均2.0個有することが分かった。
合成例1で得られた水酸基末端ポリオキシプロピレン(P-I)の水酸基に対して1.2モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-I)の水酸基に対して、さらに1.5モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレンをn-ヘキサンと、水を混合撹拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液からヘキサンを減圧脱揮することでポリマー中の金属塩を除去した。以上により、末端部位にアリル基を有するポリオキシプロピレン重合体(Q-2)を得た。この重合体(Q-2)500gに対して、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびメトキシメチルジメトキシシラン6.5gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のメトキシメチルジメトキシシランを減圧下留去する事により、末端にメトキシメチルジメトキシシリル基を有する数平均分子量約28,200のポリオキシプロピレン(E-1)を得た。重合体(E-1)はメトキシメチルジメトキシシリル基を1分子中に平均1.6個有することが分かった。
合成例7で得られた重合体(Q-2)500gに対して、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、およびトリメトキシシラン5.5gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のトリメトキシシランを減圧下留去することにより、末端にトリメトキシシリル基を有する数平均分子量28,500のポリオキシプロピレン(E-2)を得た。重合体(E-2)はトリメトキシシリル基を1分子中に平均1.6個有することが分かった。
合成例5で得られた重合体(Q-2)500gに対して、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)150μL、ジメトキシメチルシラン4.8gを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、末端にジメトキシメチルシリル基を有する数平均分子量28,500のポリオキシプロピレン(E-3)を得た。重合体(E-3)はジメトキシメチルシリル基を1分子中に平均1.6個有することが分かった。
合成例1~7に記載の重合体、および市販品を用い、表2~4に示す処方に従い硬化性を調べた。ミニカップに計り取った重合体に縮合触媒を添加し混練撹拌し、23℃50%の恒温恒湿条件下に静置し、この時間を硬化開始時間とした。はじめの20分は1分毎、以降は10分毎に混合物の表面をスパチュラで触り、スパチュラに混合物が付着しなくなるまでに掛かった時間を皮張り時間として測定を行った。結果を表2~4に示す。
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(東京化成工業(株)製)
PhGu:1-フェニルグアニジンの45%N-n-ブチルベンゼンスルホンアミド溶液(日本カーバイド(株)製)
VA/DEAPA:バーサチック酸/3-ジエチルアミノプロピルアミン=2.5/0.5
U-810:ネオスタンU-810(日東化成(株)製)
A-1120:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(Momentive製)
STP-E30:GENIPSIL STP-E30(Wacker製)
表5に記載の種類の重合体100重量部に対して、DINP((株)ジェイプラス製:ジイソノニルフタレート)55重量部、白艶華CCR(白石カルシウム(株)製:沈降炭酸カルシウム)120重量部、タイペークR820((株)石原産業製:酸化チタン)20重量部、ディスパロン6500(楠本化学(株)製:脂肪酸アマイドワックス)2重量部、チヌビン770(BASF製:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)1重量部、およびチヌビン326(BASF製:2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)1重量部を混合して、3本ロールを用いて均一に分散させ120℃で2時間減圧脱水を行った。その後、50℃以下に冷却後、A-171(Momentive製:ビニルトリメトキシシラン)2重量部、A-1120(Momentive製:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7)0.3重量部添加し混合した後、実質的に水分の存在しない状態で防湿性のあるカートリッジに密封した。
表5に記載の種類の重合体100重量部に対して、DINP((株)ジェイプラス製:ジイソノニルフタレート)55重量部、白艶華CCR(白石カルシウム(株)製:沈降炭酸カルシウム)120重量部、タイペークR820((株)石原産業製:酸化チタン)20重量部、ディスパロン6500(楠本化学(株)製:脂肪酸アマイドワックス)2重量部、チヌビン770(BASF製:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)1重量部、およびチヌビン326(BASF製:2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)1重量部を混合して、3本ロールを用いて均一に分散させ120℃で2時間減圧脱水を行った。その後、50℃以下に冷却後、A-1120(Momentive製:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部添加し混合した後、実質的に水分の存在しない状態で防湿性のあるカートリッジに密封した。
得られた組成物を厚さ約5mmの型枠にスパチュラを用いて充填し、表面を平面状に整えた時間を硬化開始時間とし、表面をスパチュラで触り、スパチュラに評価用組成物が付着しなくなった時間を皮張り時間として硬化時間の測定を行った。結果を表5に示す。
実施例1と同様にして、ダンベル引張物性の測定を行った。結果を表5に示す。
表6に記載の種類の重合体100重量部に対して、DINP((株)ジェイプラス製:ジイソノニルフタレート)55重量部、白艶華CCR(白石カルシウム(株)製:沈降炭酸カルシウム)120重量部、タイペークR820((株)石原産業製:酸化チタン)20重量部、ディスパロン6500(楠本化学(株)製:脂肪酸アマイドワックス)2重量部、チヌビン770(BASF製:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)1重量部、およびチヌビン326(BASF製:2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)1重量部を混合して、3本ロールを用いて均一に分散させ120℃で2時間減圧脱水を行った。その後、50℃以下に冷却後、A-171(Momentive製:ビニルトリメトキシシラン)2重量部、A-1120(Momentive製:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部、U-220H(ジブチル錫ジアセチルアセトネート)2重量部添加し混合した後、実質的に水分の存在しない状態で防湿性のあるカートリッジに密封した。
表6に記載の種類の重合体100重量部に対して、DINP((株)ジェイプラス製:ジイソノニルフタレート)55重量部、白艶華CCR(白石カルシウム(株)製:沈降炭酸カルシウム)120重量部、タイペークR820((株)石原産業製:酸化チタン)20重量部、ディスパロン6500(楠本化学(株)製:脂肪酸アマイドワックス)2重量部、チヌビン770(BASF製:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)1重量部、およびチヌビン326(BASF製:2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)1重量部を混合して、3本ロールを用いて均一に分散させ120℃で2時間減圧脱水を行った。その後、50℃以下に冷却後、A-171(Momentive製:ビニルトリメトキシシラン)2重量部、A-1120(Momentive製:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7)1重量部添加し混合した後、実質的に水分の存在しない状態で防湿性のあるカートリッジに密封した。
実施例17と同様にして、皮張り時間の測定を行った。結果を表6に示す。
Claims (14)
- 一般式(1):
-Si(R1)3-a(X)a (1)
(式中、R1はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20の炭化水素基であり、R1としての前記炭化水素基は、置換されていてもよく、且つ、ヘテロ含有基を有してもよく、Xは水酸基または加水分解性基であり、aは1、2、または3である。)
で表される反応性ケイ素基を有し、
前記反応性ケイ素基に隣接する原子が不飽和結合を有し、
一般式(2)~(4):
で表される構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有する、反応性ケイ素基含有重合体。 - 前記一般式(1)で表される前記反応性ケイ素基を、1つの末端に平均して0.8個より多く有する、請求項1又は2に記載の反応性ケイ素基含有重合体。
- 反応性ケイ素基が、ジメトキシメチルシリル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の反応性ケイ素基含有重合体。
- 反応性ケイ素基が、トリメトキシシリル基、および/または(メトキシメチル)ジメトキシシリル基である請求項1~3のいずれか1項に記載の反応性ケイ素基含有重合体。
- 反応性ケイ素基含有重合体の主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体である請求項1~5のいずれか1項に記載の反応性ケイ素基含有重合体。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載の(A)反応性ケイ素基含有重合体を含有する硬化性組成物。
- 前記(A)反応性ケイ素基含有重合体と、
(B)硬化触媒と、
を含有する、請求項7に記載の硬化性組成物。 - 前記(B)硬化触媒として、有機錫化合物、カルボン酸金属塩、アミン化合物、カルボン酸およびアルコキシ金属からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項8に記載の硬化性組成物。
- 前記(B)硬化触媒として、分子内に加水分解性ケイ素基とアミノ基とを有するシランカップリング剤を含む、請求項8に記載の硬化性組成物。
- 前記(B)硬化触媒として、分子内に加水分解性ケイ素基とアミノ基とを有するシランカップリング剤以外の硬化触媒を含まない、請求項10に記載の硬化性組成物。
- 請求項7~11のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物。
- 請求項7~11のいずれか1項に記載の硬化性組成物を、塗布、注型、または充填することと、
塗布、注型、または充填された前記硬化性組成物を硬化させることと、を含む、硬化物の製造方法。 - 請求項7~11のいずれか1項に記載の硬化性組成物からなるシーリング材、または接着剤。
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