JP2005519180A - ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)組成物 - Google Patents

ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005519180A
JP2005519180A JP2003574728A JP2003574728A JP2005519180A JP 2005519180 A JP2005519180 A JP 2005519180A JP 2003574728 A JP2003574728 A JP 2003574728A JP 2003574728 A JP2003574728 A JP 2003574728A JP 2005519180 A JP2005519180 A JP 2005519180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
carbon atoms
composition
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003574728A
Other languages
English (en)
Inventor
ビュヴァ,ピエリック
ジュース,フランク
ノニ,ファビエン
ジェラール,ジャン−フランソワ
Original Assignee
コミツサリア タ レネルジー アトミーク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コミツサリア タ レネルジー アトミーク filed Critical コミツサリア タ レネルジー アトミーク
Publication of JP2005519180A publication Critical patent/JP2005519180A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/14Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers in which at least two but not all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/16Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • C08K5/0016Plasticisers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

少なくとも1種のポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーと、ブレンドを硬化させたときにブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な少なくとも1種の化合物とのブレンドを含む、組成物。

Description

本発明は、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)タイプのポリマーを含む組成物に関する。
さらに本発明は、前記組成物を熱処理することによって得ることができる硬化生成物に関する。
本発明によるポリマー組成物は、特に複合材料のためのマトリックスに使用することができる。
本発明の産業上の利用分野は、熱安定性プラスチック、すなわち、たとえば600℃までの高温に耐えうるポリマーの分野と定義することができる。
この数十年の間に、そのような熱安定性プラスチックに対する産業界、とりわけ電子分野および航空宇宙分野からのニーズがますます強くなってきている。
そのようなポリマーは、同様の用途で従来使用されてきた材料の欠点を克服する目的で開発が進められてきた。
具体的には、よく知られていることではあるが、鉄、チタンおよびスチールなどのような金属は非常に高い耐熱性を有してはいるが、それらは重い。アルミニウムは軽量であるが、耐熱性が低く、すなわち最高でも約300℃までである。セラミックス、たとえばSiC、Siおよびシリカは金属よりは軽く、耐熱性も非常に高いが、成形ができない。軽量で、成形可能で、良好な機械的性質を有する多くのプラスチックが合成されてきたのは、このような理由からであって、それらは実質的には炭素系のポリマーである。
ポリイミドはすべてのプラスチックの中でも最高の耐熱性を有していて、その熱変形温度は460℃にもなるが、これらの化合物は、現在知られているものの内では最も安定なものに入りはするが、非常に使いにくい。その他、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾチアゾールおよびポリベンズオキサゾールのようなポリマーもポリイミドよりは高い耐熱性を有してはいるものの、それらは成形不能であるし、可燃性である。
ケイ素系ポリマー、たとえばシリコーンまたはカルボシランについても精力的に研究されてきた。それらのポリマー、たとえばポリ(シリレンエチニレン)化合物は通常、炭化ケイ素SiCタイプのセラミックスの前駆体、貯蔵化合物(reserve compound)および導電材料として使用される。
最近になって文献[4]に、フェニルシランとm−ジエチニルベンゼンとの間の脱水素カップリングによる重合反応を含む合成法により調製される、ポリ[(フェニルシリレン)エチニレン−1,3−フェニレンエチニレン](またはMSP)が著しく高い熱安定性を有していることが示された。このことは文献[1]において確認され、そこではさらに一般的に、次の式(A)で表される繰り返し単位を含むポリ(シリレンエチニレンフェニレンエチニレン)が優れた熱安定性を有することが示された。
Figure 2005519180
金属触媒を使用した標準的な方法を経由してシラン官能基とジエチニルベンゼンを含むポリカルボシランを合成すると、大量の金属触媒残分を含む純度の低いポリマーが得られ、その金属触媒がポリマーの熱的性質を大きく損なってしまう。
また別の改良された合成法が文献[2]に紹介されていて、それらはパラジウム触媒を用いた合成法であるが、非常に限定された数の、ケイ素が2つのたとえばフェニルまたはメチル基を担持している特定のポリマーにしか、適用できない。
具体的には、その繰り返し単位が上記の式(A)で表されるような化合物は、この方法では合成することができないということに、注目されたい。特に得ることが困難な、そのような化合物のSiH結合が好都合であることが見出されたが、その理由は、それらの反応性が極端に高く、多くの転位や反応を引き起こすことが可能だからである。
シランとアルキンを塩化銅およびアミンをベースにした触媒系の存在下にクロス脱水素カップリングまたは重縮合させるまた別の方法が、文献[3]に記載されている。しかしながら、この方法でもやはりいくつかのポリマーに限定され、その構造が部分的に架橋され、質量平均分子量が非常に高い(10〜10)化合物になってしまう。
これらの構造的な欠陥があると、それらのポリマーの溶解性および熱的性質の両方が大きく損なわれる。
上記の方法の欠陥を克服し、特に熱安定性の面で優れて明瞭に区別できる性質を有し、微量の金属も含まない純粋な化合物を調製することを目的としたまた別の合成方法が、上記の文献[4]中で提案された。その方法を用いれば、ケイ素が水素原子を担持するような上記の式(A)の化合物を実質的に合成することが可能となる。文献[4]による方法は、官能化ヒドロシランとジエチニルタイプの化合物とを、金属酸化物たとえばMgOの存在下に脱水素させることによる重縮合であって、次の反応スキーム(B)に従う。
Figure 2005519180
この方法によれば、先に述べたように優れた熱安定性を有する弱く架橋したポリマーが得られるが、その質量分布は非常に広い。
また別の、より最近の記事[1]では、同じ著者たちが−Si(H)−C≡C−単位を含む一連のポリマーを調製しているが、それには方法(B)を経由したり、他のさらに有利な方法を経由しているが、そこでは、ジクロロシランとジエチニレン有機マグネシウム試薬を縮合反応させ、次いで得られた生成物をモノクロロシランと反応させ、さらに加水分解させるもので、次の反応スキーム(C)に従う。
Figure 2005519180
方法(B)とは対照的に、方法(C)では、構造的欠陥がなく、良好な収率で、質量分布の狭いポリマーを得ることが可能となる。
このプロセスにより得られる化合物は、全体として純度が高く、極めて特徴的な熱的性質を有している。それらは熱硬化性ポリマーである。
前記の文献にはさらに、ガラス、炭素またはSiC繊維で補強された、上述のポリマーの調製も開示されている。
極めて一般的な繰り返し単位(D)
Figure 2005519180
(ここで、RおよびR’は有機化学においては公知の各種の基)を含むポリマーに関する特許が文献[1]および[4]の著者らに与えられているが、それは特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書である(対応米国特許は、米国特許A第5 420 238号明細書)。
それらのポリマーは、実質的にはスキーム(C)の方法によって調製されるが、スキーム(B)の方法によっても可能であり、それらは500から1 000 000までの重量平均分子量を有している。前記の文献にはさらに、これらのポリマーをベースにした硬化生成物および熱処理によるそれらの調製についても記載されている。前記文献に記載されたポリマーは熱安定性ポリマー、耐火性ポリマー、導電性ポリマー、およびエレクトロルミネセント要素のための材料として使用できることが示されている。事実、そのようなポリマーは実質的にはセラミックスの有機前駆体としても使用できると考えられる。
特に特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書において調製されたポリマーは、熱安定性が優れているので、それらを使用して、熱安定性複合材料の有機マトリックスを形成する樹脂を構成させことができる。
複合材料を製造するには多くの方法がある。
極めて一般的な言い方をすれば、この各種の方法には射出法(特にRTM)またはプレプレグ圧縮法が含まれる。
プレプレグとは、厚みの薄い、樹脂を含浸させた繊維からなる半仕上げ製品である。高性能複合材料構造を製造する目的のプレプレグには、少なくとも50容積%の繊維が含まれる。
さらに、使用時には、このマトリックスは低粘度でなければならないが、それは補強用のシートの中に浸透して繊維を適切に含浸し、それによって繊維のゆがみを防ぎ、その完全性を保持するようにするためである。補強用繊維は、適切な溶媒に樹脂を溶解させた溶液を用いるか、または純粋な樹脂の溶融物を用いるかのいずれかで含浸するが、後者は「ホットメルト」法である。熱可塑性マトリックスを用いてプレプレグを製造する方法は、実質的にはポリマーのモルホロジーによって支配される。
射出成形は、モールドとカウンターモールドからなるインプリントの中に予め配置した織物補強材の中に、液状樹脂を射出することからなるプロセスである。最も重要なパラメーターは粘度であって、射出温度(通常は50〜250℃)で100〜1000mPa・sの間でなければならない。
これらの2通りの方法では、このように粘度が決定的なパラメーターであって、それによって使用するポリマーの性能が左右される。
非晶質ポリマーは、骨格構造が完全に乱れたマクロモレキュールに相当する。それらは、ガラス状態からゴム状態への変化に相当するそれらのガラス転移温度(Tg)によって特徴付けられる。しかしながら、Tgより上では、熱可塑性プラスチックは大きなクリープ強度を特徴としている。
特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書において調製されたポリマーは、粉体の形状の化合物である。本願発明者らは、前記文献に記載された合成を再現してみることによって、調製されたポリマーは50℃の領域のガラス転移温度を有しているであろうことを確かめた。
この温度より下では、このポリマーの粘度は無限大であり、この温度より上になると、温度が高くなるにつれて粘度が徐々に低下する。
しかしながら、この程度の粘度低下では、このポリマーを複合材料の分野で通常使用される方法、たとえばすでに先に述べたRTMや予備含浸などで使用することを可能とするには、充分ではない。
ブバ(Buvat)らによる特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書には、欧州特許B1第0 617 073号明細書に記載されているポリマーの構造と同様な構造を有するポリマーが記載されていて、すなわちそれらは、特に熱安定性を備えていながら、通常射出または含浸法において使用される温度のたとえば100から120℃で使用、加工することが可能なくらいその粘度が低い、というそれらの有利な性質を備えている。
特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書に記載されているそれらのポリマーは、次の式(I)、
Figure 2005519180
または、次の式(Ia)に相当する。
Figure 2005519180
これらの式で使用されている各種の記号の意味については、特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書を参照されたい。仏国特許A第2 798 662号明細書によるポリマーは、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書のポリマーと実質的には同様の構造を有しているが、基本的に異なっているのは、鎖の末端に連鎖調節剤(chain−limiting agent)に由来する基Yが存在する点であることに注目することが重要である。仏国特許A第2 798 622号明細書の熱安定性ポリマーは、完全に規定され調節可能なレオロジー的性質を有しているために、熱安定性複合材料のためのマトリックスとして使用することができる。それらのポリマーの一連の性質については、仏国特許A第2 798 622号明細書に記載されているので、参照されたい。
特許文献の仏国特許A第2 798 622号明細書にはさらに、それらの熱安定性ポリマーの合成方法も記載されている。この開発技術によって、ポリマーの粘度を、複合材料の技術的な作業の制約の要因として、希望通りに調節することが可能となる。この性質は、ポリマーの分子量と密接に関係している。低分子量のポリマーでは、低粘度が観察される。分子量の調節は、反応媒体に全体の反応収率には影響を及ぼさずに重合反応をブロックする反応性薬剤(reactive species)を添加することによって達成できる。この薬剤は、ポリマーを合成するために使用する2つの反応物質のうちの1つの類似体ではあるが、カップリングを可能とする官能基を1つしか担持していないものである。この薬剤をポリマー鎖の中に導入すると、成長が停止する。したがって、連鎖調節剤の添加を調節する手段によって、ポリマーの長さを容易に調節することができる。上記のポリマー合成方法の詳細については、特許文献の仏国特許A第2 798 622号明細書に記載されているので、参照されたい。
さらに、イトー(Itoh)による特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書、およびブバ(Buvat)による特許文献の仏国特許A第2 798 622号明細書、いずれにおいて調製されたプレポリマーも、熱硬化性であるので、これらの材料の架橋は熱で活性化される。
この現象に含まれる反応は主として2つのメカニズムに従っており、それについてはイトー(Itoh)により公表された文献[5]に記載がある。
第1のメカニズムはディールス・アルダー反応であって、一方は芳香族核に結合したアセチレン性結合、および他方は別の芳香族の結合を含む。この反応を示すと次のようになる。
Figure 2005519180
この反応によってナフタレン単位が形成される。この反応は、R、R、RまたはRの性質とは無関係に起きる。
したがって、このメカニズムによって得られる構造は芳香族性が高く、多くの不飽和結合を含んでいる。これらの特性によって、これらのポリマーに観察される優れた熱的性質がもたらされている。
第2のメカニズムは、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)プレポリマーの架橋反応の間に起きる、ヒドロシリル化反応で、SiH結合とアセチレン性三重結合とが関与する。この反応を示すと次のようになる。
Figure 2005519180
この反応は、ケイ素がSiH結合を担持している化合物の場合にのみ起きる。
後者の化合物については、ヒドロシリル化反応は、ディールス・アルダー反応と同じ温度範囲で活性化される。
ポリマーのネットワークは、なかんずく、架橋密度と、2つの架橋点を分離する鎖単位の長さによって定義される。これらの特性が、ポリマーの機械的性質のほとんどを支配している。したがって、鎖単位が短く、高度に架橋されたネットワークは、低変形能材料の範囲に分類される。フェノール樹脂またはフェノールシアネートエステル樹脂は特に、このカテゴリーの材料の一部を形成している。
ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)の場合、架橋には単に芳香族核によって分離されただけのアセチレン性三重結合が含まれる。したがって、架橋密度が非常に高く、節間の鎖単位は非常に短い。したがって、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)をベースとした硬化材料は、低変形能を有するポリマーマトリックスに分類される。
架橋密度は、ポリマーの使用時に適当な熱処理をすることによって調節することができる。具体的には、マクロモレキュールの鎖の易動度がもはや充分ではなくなったときに、ポリマーの架橋が停止する。この易動度は、作業温度がそのネットワークのガラス転移温度よりも高くなれば、充分なものとなると理解されたい。したがって、そのガラス転移温度は作業温度を超えることができず、そのために架橋密度は、ポリマーの硬化温度によって調節される。
しかしながら、架橋不足の材料は不安定な材料であって、その作業温度より上で使用すると、その構造に変化が起きてしまう。
したがって、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)の機械的性質を熱処理で制御するのは困難である。しかしながら、ケイ素によって担持された化学基の性質によって、それらの性質を制御することが可能である。特に、長い鎖は、可塑剤として働いて、関連する材料の剛直性を減少させる。しかしながら、この原則も、熱安定性も影響を受けるために、ポリマーの熱安定性の面からは限界が避けられない。
このようなことで、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマー、というかむしろそれを含む組成物で、これらのポリマーおよびこれらのコポリマーを含む組成物の有利な性質すべて、特に熱安定性を提供しながらも、制御可能な改良された機械的性質を有するもの、が求められている。
さらに、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマーを含む組成物であって、熱処理することによって、特に、その脆性(fragility)、脆化性(brittle nature)および硬度が低下し、対照的にその可撓性(flexibility)および柔軟性(suppleness)が向上する方向で、その機械的性質が改良された硬化生成物を与えるようなものが必要とされている。
これらの硬化生成物のその他の有利な性質、特に、またここでも挙げるが、熱安定性の面での性質に悪影響を与えることなく、これらの機械的性質が、得られなくてはならない。
さらに、好ましくは、このポリマーおよびそれを含む組成物は、粘度が充分に低くて、射出法や含浸法で通常使用される温度、たとえば、100〜120℃の温度で、使用可能(usable)、取り扱い可能(manipulable)、加工可能(「processable」)でなければならない。
本発明の目的は、これらの要件を満たすポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマーの組成物、なかんずく、具体的には特許文書の欧州特許B1第0 617 073号明細書および仏国特許A第2 798 622号明細書で示されているような従来技術のポリマー組成物の欠陥(defects)、欠点(drawbacks)、限界(limitations)および不利(disadvantages)を有することなく、そして従来技術での問題点を解決するような、組成物を提供することである。
この目的およびその他の目的は、少なくとも1種のポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーと、ブレンドを硬化させた時にブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な少なくとも1種の化合物とのブレンドを含む組成物の手段を用いることによる本発明によって達成される。特定のポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーと、ブレンドを硬化させた時にブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な化合物とのブレンドを含む組成物については、従来技術では触れられていない。
ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーに加えて、ブレンドを硬化させた時にブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な化合物を含む特定のブレンドを調製することによって、特異的かつ驚くべきことには、その機械的性質が、たとえば、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書および仏国特許A第2 798 622号明細書などに記載されている従来技術の硬化生成物と比較すると著しく改良され、しかもその熱的な性質は依然として優れたままの、化合物または硬化生成物が得られる。
具体的には、本発明による組成物を熱処理することによって調製される硬化生成物は、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)を含むが可塑化効果を発揮することが可能な化合物を基本的に含んでいない、従来技術による組成物を熱処理することによって調製される硬化生成物よりも、より柔軟で、より可撓性があり、脆さが少ない。
ポリマーとブレンドすることで「可塑化」効果を発揮することができる化合物の存在という、基本的な特性を有しているために、本発明による組成物は、従来技術で提起されていた課題の解決法を提供し、先に挙げた要求を満たす。
そのようなブレンド物を調製するということは、当業者にとって自明といったものではまったくなく、その理由は、ポリマーの性質を修正しようということを目的としたポリマー組成物の配合は、統一された規則に従うなどということはほとんどなく、ポリマーのタイプによって実質的に大幅に異なるので、その結果、ブレンドを硬化させたときに可塑化効果を発揮することが可能な化合物をブレンドの中に加えることによって、上記のように、特に硬化した材料の柔軟性および可撓性を増加させるような、その機械的性質が改良され、しかも他の性質、たとえばそれらの材料の熱的な性質に悪影響を及ぼさない、などということを前もって予見するようなことは、困難、あるいはさらには不可能となるからである。
さらに詳しく説明すれば、本発明の組成物のブレンド中に含まれる基本的な化合物は、そのブレンドを硬化させたときに、ブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な化合物である。
一般的に言って、「そのブレンドを硬化させたときに、ブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な化合物」という表現は、硬化生成物の「可塑的な」性質を(たとえ最小限であっても)増加させる、すなわち、前記の化合物を含まない硬化生成物の場合に比較して、その応力をかけた硬化生成物からなる材料の変形能を増大させる、各種化合物を意味する。
これが特に意味していることは、本発明による組成物から調製した硬化生成物においては、同一のポリマーを含むが可塑化効果を発揮することが可能な前記の化合物は含まない硬化生成物に比較して、その化合物が、硬化生成物の剛性および硬度を下げながら、一方ではその柔軟性および可撓性を上げるような効果を発揮する、ということである。
本発明によれば、「可塑化効果を発揮することが可能な」化合物は、特にプラスチックおよびプラスチック加工の分野において一般に定義されているような「可塑化」化合物である必要はない、という点に注目することが重要である。
事実、この化合物は、一般には可塑剤であるとは定義されないが、本発明の文脈においては、硬化生成物中で可塑化効果を発揮するという意味で、好適な化合物であるような、数多くの化合物から選択することが可能である。
しかしながら、そのまま可塑剤として知られているようなものも、前記の化合物として使用することはできる。
別の言い方をすれば、先に述べたように、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)から調製された硬化生成物は、極端に堅く、剛直で、脆いので、そのような生成物の中に、そのポリマーよりは相対的に柔軟ではあるが通常は「可塑剤」には分類されないような化合物を加えることで、そのポリマーネットワークの易動度を増大させ、その結果可塑化効果を充分に発揮させることができる。
ブレンド中に含まれるそのような化合物は、本来的に「可塑剤」ではないが、最終的な硬化させた材料の中では「可塑剤」としての機能を示している。
このようにして、この可塑化効果を発揮することが可能な化合物は一般に、有機質および鉱物質の樹脂並びにポリマーから選択される。
有機ポリマーは一般に、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーから選択される。
その熱可塑性ポリマーは、たとえば、フルオロポリマーから選択することができる。
その熱硬化性ポリマーは、たとえば、エポキシ樹脂、ポリイミド(ポリ(ビスマレイミド))、ポリイソシアネート、ホルムアルデヒド−フェノール樹脂、シリコーンまたはポリシロキサン、およびその他の芳香族および/またはヘテロサイクリックポリマーから選択することができる。
たとえばポリマーのような、この「可塑化」化合物と、それにブレンドするポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とは、相互に相溶性が無くてもよいし、あるいはそれとは別で相互に部分的に相溶性があってもよいし、あるいはまたそれとは別で相互に完全に相溶性であってもよい。
たとえばポリマーのような、この可塑化効果を発揮することが可能な化合物は、反応性化合物であるのが好ましく、すなわち、自体で反応することが可能、または、他の可塑化効果を発揮することが可能な化合物と反応することが可能、またはポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)と反応することが可能な化合物である。たとえばポリマーのような、そのような反応性化合物は、一般に、アセチレン性官能基および水素化シラン官能基から選択された、少なくとも1つの反応性官能基を含む。
この反応性化合物は、水素化シリコーン樹脂およびポリマー、および/または少なくとも1つのアセチレン性官能基を含むシリコーン樹脂およびポリマーから選択されるのが好ましい。
このシリコーン樹脂またはポリマーは、以下の式を有するシリコーン樹脂およびポリマーから選択される:
Figure 2005519180
(ここで、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に担持された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよい);
Figure 2005519180
(ここで、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に担持された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよい);
Figure 2005519180
(ここで、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に担持された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよい);
Figure 2005519180
(ここで、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に担持された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよく、xおよびyは、関連するそれぞれの単位のモル分率を表し、0から1までの間で各種の値をとることができる)。
可塑化効果を発揮することが可能な1つまたは複数の化合物の分子量は、一般に200から10g/molの間である。このことから、それらのものは、モノマー、オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよいことに注目されたい。
その配合中に導入される、可塑化効果を発揮することが可能な化合物の量は、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレンシリレン)の質量の0.1%から200%の間であり、目的とする性質によって異なるが、好ましくは、10%から50%の間である。
ブレンドの中に取り込まれるポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーについては特に制限はなく、このタイプのポリマーならどのようなものでもよいが、具体的には、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書および仏国特許A第2 798 662号明細書に記載されているポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーでもよいが、それらのポリマーに関わるそれらの特許の関連部分は、本明細書にも含まれている。
したがって、本発明の第1の実施態様によるポリマーは、次の式(I):
Figure 2005519180
または、次の式(Ia)に相当してもよい:
Figure 2005519180
(ここで、中央の繰り返し単位のフェニレン基は、o−、m−またはp−の形のどれでもよく;
Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチルジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは2つの置換基で置換しされたアミノ基、またはシラニル基で置換されていてもよく;
nは0〜4の整数、qは1〜40の整数であり;
R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、または2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R’およびR”の炭素原子に結合した水素原子の1つまたは複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基と置換されていてもよく;これらの基の例は上のRのところですでに述べられており;そして、
Yは、連鎖調節剤(chain−limiting agent)から導入された基を表す)。
本発明の組成物のこの実施態様によるポリマーは、特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書に記載されているポリマーであり、実質的にその構造は、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書のポリマーと同様であるが、基本的なところで異なっているのは、その鎖末端に、連鎖調節剤から導入された基Yが存在している点である。
この構造的な差は、これらのポリマーの有利な性質にはほとんど影響を与えることなく、特にポリマーの熱安定性には実質的に影響がない。その一方で、鎖末端にこの基が存在することによって、式(I)または(Ia)のポリマーが、所定の、完全に規定された長さと、これによる分子量を有するという、はっきりとした効果が得られる。
その結果、このポリマー(I)または(Ia)もまた、完全に規定され、制御可能なレオロジー的性質を有する。
この基Yの性質は、それが導入される元となった連鎖調節剤の性質に依存し、式(I)のポリマーの場合、Yは式(III)の基で表すことができ:
Figure 2005519180
(ここで、R’’’は、Rと同じ意味を有し、Rと同じであっても異なっていてもよく、そしてn’はnと同じ意味を有し、nと同じであっても異なっていてもよい。)
また別な場合で、式(Ia)のポリマーの場合、Yは式(IV)の基で表すこともでき:
Figure 2005519180
(ここで、R’、R”およびR’’’は、同一であっても異なっていてもよいが、すでに先に挙げたのと同じ意味を有する。)
式(I)のポリマーの1つで特に好適なものは次の式に相当するものであり:
Figure 2005519180
ここでqは1〜40の整数である。
本発明の組成物において使用されてもよいその他のポリマーは、所定の分子量を有するポリマーであって、式(Ia)のポリマーを加水分解することによって得られるもので、次の式(Ib)に相当するものであり:
Figure 2005519180
ここでR、R’、R”、nおよびqは、すでに先に挙げたのと同じ意味を有する。
本発明の実施態様によるポリマー(I)、(Ia)および(Ib)の分子量は、完全に規定されていて、ポリマーの鎖長、したがってその分子量は、反応混合物への連鎖調節剤の添加量を調節することによって容易に調節することが可能であり、それを反映しているのが、ポリマー中の基Yの各種の割合である。
したがって、本発明の組成物の第1の実施態様によれば、鎖末端の基Yのエチニレンフェニレンエチニレンシリレン繰り返し単位に対するモル比は一般に、0.01〜1.5である。この比は好ましくは0.25〜1である。
同様にして、本発明の組成物のこの第1の実施態様によれば、鎖末端における基Yのモル比率は、一般に式(I)または(Ia)のポリマーの1%〜60%、好ましくは20%〜50%である。
本発明の組成物のこの第1の実施態様によるポリマー(I)、(Ia)および(Ib)の数平均分子量は、完全に規定されているものであるが、一般に400〜10000、好ましくは400〜5000であり、その重量平均分子量は600〜20000、好ましくは600〜10000である。
本発明の組成物の第2の実施態様によれば、本発明の組成物中に含まれるポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーは、少なくとも1つの繰り返し単位を含むポリマーであって、前記繰り返し単位には2つのアセチレン結合、少なくとも1個のケイ素原子、および少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含むものであってもよい。前記ポリマーにはさらに、鎖末端に連鎖調節剤から導入された基(Y)を含んでいるのが好都合である。
「不活性なスペーサー基」という用語は一般に、架橋に関与しない、あるいは架橋の間に反応しない基を意味する。
このポリマーの繰り返し単位は、n回繰り返されるのがよい。
基本的には、本発明のこの実施態様におけるポリマーは、このポリマーが本発明のこの実施態様において後に関わることになる架橋プロセスに関与しない、少なくとも1つのスペーサー基を含む少なくとも1つの繰り返し単位を、含む。
ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマーの中にそのようなスペーサー基を存在させることについては、従来技術においては触れられていない。驚くべきことには、本発明の組成物のこの実施態様によるポリマーの、この基本的な構造的特徴は、ポリマーの熱的性質は顕著に変化させることなく優れたままに残しながら、そのポリマーの機械的性質が大きく改善するものである。
いかなる理論にも捕らわれることなく言えば、このスペーサーの役割は特に、ネットワーク内部における動きを可能とするのに充分な大きさの節間の(inter−node)架橋鎖単位として機能することである。
別の言い方をすれば、少なくとも1つのスペーサー基が、ポリマーの三重結合を空間的に離すのに役立っているのであって、この場合、それらの三重結合が同一の繰り返し単位に属しているか、あるいは2つの異なった連続した繰り返し単位に属しているかは、関係ない。スペーサー基によって供される、2つの三重結合またはアセチレン性官能基の間の空間は、一般的に、直鎖分子および/または場合によっては単結合によって分離されたいくつかの結合した芳香族核からなる。
上記のように定義されたスペーサー基は、当業者ならば容易に選択することができる。
さらに、このスペーサー基の性質を選択することによって、本発明のポリマーの熱的性質を顕著に変化させることなく、その機械的性質を制御することが可能となる。
1つまたは複数のスペーサー基は、たとえば、少なくとも1つの共有結合によって結合されているいくつかの芳香族核、および/または、少なくとも1つの2価の基、ポリシロキサン基、ポリシラン基などを含む群から選択することができる。
いくつかのスペーサー基がある場合には、それらが2つであるのが好ましく、それらは同一のものであってもよいし、あるいは、上に挙げた基の2つまたはそれ以上の可能なすべての組合せから選択してもよい。
したがって、選択したスペーサー基によって、本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーの繰り返し単位はいくつかの式にあてはめることができる。
本発明のこの第2の実施態様によるポリマーは、式(V)の繰り返し単位を含むポリマーであってよい:
Figure 2005519180
(ここで、中央の繰り返し単位のフェニレン基は、o−、m−またはp−の形のどれでもよく;
Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチル−ジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrおよびI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシおよびプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基、またはシラニル基で任意に置換されていてもよく;
、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R、R、RおよびRの炭素原子に結合した水素原子の1個または複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基で置換されていてもよく、これらの基の例はすでに、さきにRについて述べたものであり;、
nは、1〜4の整数で、nは1〜10、好ましくは1〜4の整数であり;この繰り返し単位は一般に、n回繰り返し、ここでnはたとえば2〜100の整数である)。
それとは別に、本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーは、次式の繰り返し単位を含むポリマーであってもよく:
Figure 2005519180
ここで、フェニレン基は、o−、m−またはp−の形であってよく、R、R、Rおよびnは、すでに記載したような意味を有し、nは2〜10の整数である。
この繰り返し単位は通常n回繰り返させ、このnはたとえば2〜100の整数である。
それとは別に、本発明の組成物のこの第2の実施態様によるポリマーは、次式の繰り返し単位を含むポリマーであってもよく:
Figure 2005519180
ここでRおよびRは、すでに説明したような意味を有し、Rは、たとえば、6〜20個の炭素を含み、少なくとも1つの共有結合および/または少なくとも1つの2価の基を介して結合された少なくとも2つの芳香族核を含む基を表し、この繰り返し単位は一般にn回繰り返されるが、このnも先に定義したものである。
それとは別に、本発明の組成物のこの第2の実施態様によるポリマーは、次式の繰り返し単位を含むポリマーであってもよく:
Figure 2005519180
ここでR、R、R、R、Rおよびnは、すでに先に記載したような意味を有し、この繰り返し単位も同様にn回繰り返すことができる。
最後に、本発明の組成物のこの第2の実施態様によるポリマーは、次式の繰り返し単位を含むポリマーであってもよく:
Figure 2005519180
ここで、R、R、Rおよびnは、すでに先に記載したような意味を有し、この単位はn回繰り返すことができる。
具体的には、上記の式(III)、(IV)および(V)において、Rは、少なくとも1つの共有結合および/または2価の基によって分離された少なくとも2つの芳香族核を含む基を表す。
この基Rは、たとえば、以下の基から選択することができる:
Figure 2005519180
ここでXは、水素原子またはハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)を表す。
それとは別に、本発明のこの第2の実施態様によるポリマーは、少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含む、いくつかの異なった繰り返し単位を含んでもよい。
前記の繰り返し単位は、すでに先に述べたような式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)および(Vd)の繰り返し単位から選択するのが好ましい。
前記の繰り返し単位は、それぞれx、x、x、xおよびx回繰り返されるが、ここでx、x、x、xおよびxは一般に、0〜100 000の整数を表すが、ただし、x、x、x、xおよびxの中の少なくとも2つは0以外のものである。
いくつかの異なった繰り返し単位を有するこのポリマーにはさらに、場合によっては、1つまたは複数の、たとえば式(Ve)の単位のような不活性なスペーサー基を含まない繰り返し単位を含んでいてもよい:
Figure 2005519180
この単位は通常x回繰り返されるが、このxは0〜100 000の整数を表す。
好適なポリマーは、たとえば次式に相当するものである:
Figure 2005519180
ここでx、x、xおよびxは、先に定義したものであるが、ただし、x、xおよびxのうちの2つは0ではない。
本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーには、その鎖末端に、その鎖長、その分子量、したがってその粘度を調節制御することを可能とする、連鎖調節剤から導入された(末端)基(Y)が含まれているのが、好都合である。
本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーを、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書のポリマーと比較したときに、繰り返し単位の中に少なくとも1つのスペーサー基が存在しているという事実によって、特に根本的に区別される。
本発明のこの第2の実施態様のこれらのポリマーは、連鎖調節剤から導入された基Yが鎖末端に存在するという事実によって区別することも可能である。
これらの構造的な差は、これらのポリマーの有利な性質にはほとんど影響を与えることなく、特にポリマーの熱安定性には実質的に影響がない。
他方では、たとえば変形能や破壊応力のような機械的性質は、1つまたは複数のスペーサー基が存在することによって大きく改良される。
さらに、好ましいことには、鎖末端に鎖調節基が存在することによって、正確に、本発明のこの第2の実施態様中のポリマーが、明瞭に完全に規定された長さ、したがって分子量を有しているという効果が出る。
したがって、本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーはまた、好適にも、完全に規定された調節可能なレオロジー的性質も有している。
鎖調節基Yの性質は、それが誘導される元の連鎖調節剤の性質によって決まるが、Yは次の式で表すことができる:
Figure 2005519180
ここで、R’’’は、Rと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよく、そしてn’はnと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよい。
Yはまた、式(VIII)の基で表すこともできる:
Figure 2005519180
ここで、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、すでに先に挙げたのと同じ意味を有する。
本発明によるポリマーの分子量は、それらが鎖調節基を含んでいるという事実があるために、完全に規定されていて、ポリマーの鎖長、したがってその分子量は反応混合物への連鎖調節剤の添加量を調節する手段によって容易に調節することが可能であり、それを反映しているのが、ポリマー中の鎖調節基Yの各種の割合である。
このようなことから、鎖末端における鎖調節基Yのエチニレンフェニレンエチニレンシリレンタイプの繰り返し単位に対するモル比は、一般に0.01〜1.5である。この比は好ましくは0.25〜1である。
同様にして、本発明によれば、鎖末端に鎖調節基Yが存在するのであれば、そのモル比率は、本発明による組成物の第2の実施態様に用いたポリマーの、一般に1%〜60%、好ましくは20%〜50%である。
本発明による組成物のこの第2の実施態様に採用されたポリマーの数平均分子量は、一般に、400〜100 000であり、その重量平均分子量は500〜1 000 000である。
本発明によるポリマーの数平均分子量は、それらが鎖調節基を含んでいるという事実によって、完全に規定されていて、一般に400〜10 000であり、その重量平均分子量は、600〜20 000である。
これらの質量は、ポリスチレンを用いて較正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。
この第2の実施態様におけるポリマーは、その分子量を、通常は上に述べた範囲内に調節するための鎖調節基を好適に含んでいるという事実があるために、ポリマーの粘度を完全に調節することが可能となる。
したがって、本発明による組成物のこの第2の実施態様において採用されたポリマーの粘度は、分子量が前記の範囲内で、温度範囲が20〜160℃で、その粘度の範囲は0.1〜1000mPa・sとなる。
粘度はまた、芳香族環およびケイ素に担持されている基の性質にも依存する。これらの粘度は、従来技術のポリマーでは得られなかったもので、複合材料を調製するための標準的な技術に完全に適合する。
したがって、本発明によれば、複合材料の技術的作業を制約する要因としてのポリマーの粘度を所望の値に修正することが可能となる。
粘度はさらに、ガラス転移温度(Tg)にも関連する。本発明によるポリマーのガラス転移温度は、一般に−250〜+10℃となり、これは、従来技術のポリマーのガラス転移温度よりは大幅に低い。
本発明の組成物に採用されるポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)は、たとえば特許文書の欧州特許B1第0 617 073号明細書および仏国特許A第2 798 662号明細書に記載されているプロセスのような、これらのポリマーを調製するための公知の各種の方法によって調製することが可能である。
具体的には、ポリマー(I)および(Ia)は、特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書のプロセスによって調製することができるし、不活性なスペーサー基を含むポリマーは、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書および、鎖調節基を含んでいるならば仏国特許A第2 798 662号明細書のプロセスと類似のプロセスによって調製することができる。
好ましくは決まった分子量を有し、場合によっては、鎖末端に連鎖調節剤から導入された基を担持するような、本発明による組成物に含まれるポリマーであって、特に前記ポリマーが前に挙げた式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)に相当する場合には、そのようなポリマーを調製するための第1のプロセスには、一般式:
Figure 2005519180
または一般式:
Figure 2005519180
のグリニャール試薬と、
(ここでフェニレン基(式(IX))は、o−、m−またはp−の形であってよく、そしてR、Rおよびnは、すでに記載したような意味を有し、そしてXはハロゲン、たとえばCl、Br、FまたはI(好ましくはXはCl)であり、任意に連鎖調節剤、たとえば次式のようなものとの混合物であってもよく:
Figure 2005519180
ここでXはすでに上に挙げた意味を有し、そしてYは次式で表される基から選択された基であり:
Figure 2005519180
ここで、R’’’は、Rと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよく、そしてn’はnと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよい);
式(XIII)(a、bまたはc)のジハライド(ジハロシランまたはジハロシロキサン)との反応が含まれるが:
Figure 2005519180
(ここでR、R、RおよびR、同一であっても異なっていてもよいが、X、nおよびnはすでに挙げた意味を有し、Xは好ましくはClである)、
この反応は非プロトン性溶媒の溶媒の存在下で実施し、さらに加水分解工程を経て、最終的なポリマーの、それぞれ式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)が得られる。
別の言い方をすれば、式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)のポリマーは、それぞれ、(IX)と(XIIIa)と;(IX)と(XIIIb)と;(X)と(XIIIc)、(XIIIa)および(XIIIb)との反応によって、得られる。
反応に連鎖調節剤が含まれている場合には、加水分解を直接実施できることに、注目されたい。
好ましくは決まった分子量を有し、場合によっては、鎖末端に連鎖調節剤から導入された基を担持するような、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマーであって、特に前記ポリマーが前に挙げた式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)に相当する場合には、そのようなポリマーを調製するための第2のプロセスには、式(XIV)の化合物:
Figure 2005519180
または一般式の化合物と:
Figure 2005519180
(ここで、フェニレン基(一般式(XIV))は、o−、m−またはp−の形であってよく、そしてRおよびnは、すでに記載したような意味を有し、任意に連鎖調節剤、たとえば式(XVI)のようなものとの混合物であってもよく:
Figure 2005519180
ここで、R’’’は、Rと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよく、そしてn’はnと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよい);
式(XVII)(a、bまたはc)の化合物との反応を含み、
Figure 2005519180
(ここでR、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、またnおよびnはすでに挙げた意味を有する)、
この反応は塩基性金属酸化物の存在下で実施し、それぞれ最終の化合物である(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)が得られる。
別の言い方をすれば、それぞれ式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)のポリマーは、それぞれ(XIV)と(XVIIa)と;(XIV)と(XVIIb)と;(XVII)とそれぞれ(XVIIc)、(XVIIa)および(XVIIb)との反応によって、得られる。
本発明によれば、そして驚くべきことには、本発明によるポリマーの分子量を反応媒体に反応性薬剤(またの名前は連鎖調節剤)を添加することによって好適に調節することが可能であり、この連鎖調節剤が全体の反応収率に影響を及ぼすことなく重合反応をブロックする。
第1のプロセスの場合であっても第2のプロセスの場合でも同じであるが、ポリマーの鎖長、したがってその分子量、その結果としてその粘度は、連鎖調節剤のモルパーセントと直接に関係する。このモルパーセントは、連鎖調節剤の、連鎖調節剤のモル数と式(IX)または(X)または(XIII)または(XV)のジアセチレン系化合物のモル数の合計数に対するモル比の値を100倍したものと、定義される。このパーセントは、1%から60%まで、好ましくは20%から50%の範囲であるのがよい。
本発明はさらに、先に挙げた組成物を、場合によっては触媒の存在下に、一般に50〜500℃の温度で熱処理することによって得られる硬化生成物にも関する。
最後になるが、本発明はさらに、先に挙げたポリマーを含む複合材料マトリックスにも関する。
詳しく述べれば、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマーを調製するためのプロセスは、ポリマーに連鎖調節剤が含まれていない場合には、欧州特許B1第0 617 073号明細書に記載のものでよいが、あるいは別なものとして、そのプロセスは、欧州特許B1第0 617 073号明細書に記載のものと実質的に類似したもので仏国特許A第2 798 662号明細書にも記載されているものであってもよい。この後者のプロセスは、本発明において「第1の調製プロセス」と呼んでいるものであるが、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書のプロセスと異なっているところは、連鎖調節剤の混合物を導入していること、ポリマーの最終処理をしていること、およびおそらくは、有機マグネシウムとジクロロシラン試薬とのモル比の点であろう。このプロセスの反応条件に関しては、したがって前記の特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書を参照すればよいが、これは本発明に組み込んだものとし、さらに、特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書も参照でき、この特許もまた本発明に組み込んだものとする。
本発明による第1の調製プロセスにおいて使用される式(IX)のグリニャール試薬は、具体的には特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書の第5〜7ページ(式(3)および(8)〜(20))に記載されているものである。式(X)のグリニャール試薬は、たとえば、式(VI)〜(VId)から得られる化合物より選択される。
式(XI)の連鎖調節剤は、次式のモノアセチレン系有機マグネシウム化合物であってもよい:
Figure 2005519180
ここでR’’’、Xおよびn’は、すでに前に定義したものである。
たとえば加水分解の前の工程で使用される、モノハロシランの例は、欧州特許B1第0 617 073号明細書の第9ページ(式(5))に挙げられている。
モノアセチレン系有機マグネシウム試薬(XI)を誘導する原料となるモノアセチレン系化合物の例を挙げれば、フェニル−アセチレン、4−エチニル−トルエン、4−エチニルビフェニル、1−エチニル−4−メトキシベンゼンなどがある。
上に挙げた式に相当する鎖調節化合物との混合物としての、グリニャール試薬(IX)または(X)を、一般式(XIIIa)〜(XIIIc)の1つで表されるジハロシランと反応させる。
そのようなジハロシラン(たとえば式(XIIIb)のもの)の例は、特許文献の欧州特許B1第第0 617 073号明細書の第7〜9ページに記載されているジクロロシランであって、具体的には、前記文献で式(21)〜(26)に挙げられているものに相当する。
重合反応の条件は、その溶媒、反応時間、温度など(「後処理」を除いて)は、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書(参照文献として引用する)、特にその第14ページに記載されているのと実質的に同じである。
この実際の重合工程における唯一の違いは、追加の鎖調節試薬を添加することである。それ以外では反応条件は実質的に同一である。
しかしながら、そして本発明においては、好ましくは「欠落」が使用されている好ましいケースにおいては、アセチレン性官能基の数の、シランによって担持されているハロゲン官能基の数に対する比は、できるだけ1に近く、好ましくは0.9から1.1の間でなければならない。フェニルアセチレンのジエチニルベンゼンに対するモル比は、好ましくは0.01〜1.5の間、理想的には0.25〜1の間(パーセントで1%〜60%)である。
このことは、連鎖調節剤がモノハロシランであるような第1のプロセスの変形例の場合に対しても適用される。
本発明では、連鎖調節剤を使用するという事実があるために、重合反応に続けて、最終の加水分解工程を直接実施できるので、そのために、従来技術における類似のプロセスに比較して、連鎖調節剤が有機マグネシウム試薬である場合には特に、工程を1つ節約することができる。
具体的には、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書においては、前もって調製したポリマーに対して後処理を実施し、その分子量をモノハロシランで固定してから加水分解している。注意すべきは、この場合、このモノハロシランは連鎖調節剤としては機能していないことで、その理由は、本発明とは対照的に、モノハロシランが出発反応混合物には含まれておらず、その作用がポリマーの分子量に影響を与えることはないからである。
本発明においては、反応の終了時にポリマーを、たとえばポリマー1グラムあたり0.1〜50mLの量の酸溶液、たとえば約0.01〜10Nの塩酸または硫酸を用いて加水分解する。
理想的な溶媒はテトラヒドロフランである。この場合、次いで反応混合物をデカンテーションして、たとえばポリマー1グラムあたり0.1〜100ml、理想的にはポリマー1グラムあたり1〜10mlの量の有機相の溶媒で置換するが、その溶媒としては、キシレン、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタンまたは炭素数5以上のアルカンなど、水とは非相溶性の溶媒であればいずれのものでもよい。水とは非相溶性の溶媒の中で反応を実施する場合には、この工程は省略することができる。ついでこの有機相を、たとえばポリマー1グラムあたり0.1〜100ml、理想的にはポリマー1グラムあたり1〜10mlの量の水を用いて、たとえば1〜5回、好ましくは2〜3回洗浄し、有機相を中和して、その中からマグネシウム塩やハロゲン塩などのような不純物をすべて抽出する。この有機相のpHは、好ましくは5〜8の間、理想的には6.5〜7.5の間とすべきである。溶媒を蒸発させて除いた後でこのポリマーを、0.1〜500ミリバールの真空下で、温度20〜150℃で15分〜24時間かけて乾燥させる。
本発明によるポリマーを調製するための第2のプロセスは、塩基性金属酸化物の存在下で脱水素することを含むプロセスである。
このようなプロセスは、文献[1]および[4]や、さらには特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書に記載されている類似のプロセスとは、反応混合物に連鎖調節剤を添加するという1点で、根本的に異なっている。
この反応混合物には、式(XIV)の化合物、たとえば1,3−ジエチニルベンゼンまたは(XV)と、連鎖調節剤すなわち、この第2のプロセスでは、すでに先に第1のプロセスについて説明したのと同様のモノアセチレン(XVI)とを含む。
連鎖調節剤との混合物としての化合物(XIV)または(XV)は、式(XVIIa)〜(XVIIc)のジヒドロシランと反応する。
使用される塩基性金属酸化物は、アルカリ金属の酸化物またはアルカリ土類金属の酸化物、ランタニド酸化物ならびに、スカンジウム、イットリウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、銅、亜鉛およびカドミウム酸化物およびそれらの混合物から選択するのが好ましい。
そのような酸化物の例は、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書の第16および17ページに記載されており、これは、本明細書において明白に参照としてあげられる。これらの酸化物は、欧州特許B1第第0 617 073号明細書に記載されているように、活性化処理されても良い。
本発明による組成物を熱処理することによって調製される硬化生成物を製造するには、たとえば、最初にポリマーと「可塑化」化合物(液状)とを混合し、その混合物を溶融するか、あるいは別な方法として、まずポリマーと可塑化化合物を適当な溶媒に溶解させる。
ついでその組成物を、任意に所望の形状の中に置き、それを空気、窒素、またはアルゴンやヘリウムのような不活性ガスによるガス雰囲気の中で加熱する。
その処理温度は、一般には50〜500℃、好ましくは100〜400℃、より好ましくは150〜350℃の範囲であり、加熱は一般に1分〜100時間の間で実施される。
本発明によるポリマーの構造と特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書のポリマーの構造とは類似しているので、それらの硬化プロセスも実質的には同じであり、それらについては、前記文献の第17ページ、さらに詳しくは、特許文献の仏国特許A第2 798 622号明細書を参照されたい。
本発明の組成物、すなわち少なくとも1種のポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーと、ブレンド物を硬化させたときにブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な少なくとも1種の化合物とのブレンドを含む組成物、別の言い方をすれば、「可塑化」ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)樹脂は、ディールス・アルダー反応およびヒドロシリル化反応のための触媒の作用がある場合には、熱硬化温度よりも低い温度で硬化させることも可能である。具体的には、たとえばHPtCl、Pt(DVDS)、Pt(TVTS)およびPt(dba)のような白金系触媒(ここで、DVDSはジビニルジシロキサンを表し、TVTSはトリビニルトリシロキサンを表し、そしてdbaはジベンジリデンアセトンを表す)、および遷移金属錯体、たとえばRh(CO)16またはRh(CO)12、ClRh(PPh)、Ir(CO)12およびPd(dba)などが、ヒドロシリル化反応の触媒として使用することができる。
遷移金属ペンタクロリドをベースとした触媒、たとえばTaCl、NbClまたはMoClは、それら自身で、ディールス・アルダータイプの反応の触媒として好適に使用できる。
これらの反応の触媒作用によって、低分子量、したがって低沸点の「可塑化」化合物を使用することが可能となる。これらの化合物は、当業者ならば、前記の可塑化効果を発揮することが可能な化合物の中から容易に選択することができる。これらの「可塑剤」は、実施の前のブレンド物の粘度を低下させるのに好適に使用できる。
硬化させた材料または得られた生成物の性質および構造は、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマー(類)に依存し、また、使用した可塑化効果を発揮することが可能な化合物(これもまたポリマーであってもよいが)に依存する。
したがって、添加した(「可塑化」)ポリマーのような、可塑化効果を発揮する化合物からなるノジュールがその中に分散されているようなポリマーのマトリックスからなる、ポリマー・ポリマー複合材料硬化生成物または材料を調製することも可能である。使用したポリマーと、たとえばポリマーのような可塑化化合物とが非相溶性であるような場合に、こういうことが特に起こりやすい。それぞれの成分の比率が、マトリックスの性質およびノジュールの性質を左右する。
それぞれ、ポリマーと可塑化効果を発揮する化合物とからなる2つの別々なマトリックスからなる材料で、そのネットワークが相互貫入していてそのために、相の分離が認められない材料を得ることもまた可能である。こういうケースが起きるのは特に、配合に使用したポリマー(類)およびたとえばポリマーのような「可塑化」化合物が、完全に相溶性があり、そのポリマー(類)とそのポリマーのような化合物が、硬化したネットワークを同時に形成する場合である。
最終的にはさらに、この硬化させた材料は単一のネットワークからなっていてもよい。このようなケースは、ポリマーと、たとえばポリマーのようなその化合物とが互いに反応する可能性があるような場合に、特に起こりやすい。具体的には反応性の「可塑化」化合物、たとえばアセチレン性官能基または水素化シランを伴うような反応性基によって官能化されたポリマーでは、このような反応が可能である。
本発明のポリマーを含む有機マトリックスを使用した複合材料の調製は、各種の方法により実施することができる。それぞれの使用者が、自分の制約条件に合わせる。その原理は一般にどの場合でも同じである:すなわち、樹脂と共に繊維補強材をコーティングし、毎分数度の昇温速度を用いた熱処理によって架橋させ、架橋温度に近い一定温度に保つ。
上記のようなケースで、硬化させたポリマー・ポリマー複合材料が存在するような場合には、繊維の補強は必ずしも必要ではないということに、注目されたい。
本発明について以下の実施例を参照しながら説明するが、この実施例は非限定的な説明として提供されるものである。
ポリ(メチレンシリレンエチニレンフェニレンエチニレン)のヘキサメチルトリシロキサンによる可塑化
1.原理
ポリ(メチレンシリレンエチニレンフェニレンエチニレン)は、ジハロシランとジエチニルベンゼンの2官能グリニャール試薬との間の、標準的な有機マグネシウムカップリング反応によって得られる。
このポリマーの粘度は、前述の特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書に従って、フェニルアセチレンを導入することによって調節できる。ポリ(メチレンシリレンエチニレンフェニレンエチニレン)の可塑化は、トリシロキサン化合物、例えばヘキサメチルトリシロキサンと、白金系触媒の触媒効果を利用して反応させることによって得られる。
2.実施
2gのヘキサメチルトリシロキサンと、HPtClを20g/リットルの濃度で含むTHF溶液の50mgとを、10gのポリ(メチレンシリレンエチニレンフェニレンエチニレン)に添加する。そのようにして得られた均一な混合物を、室温に保持しておいて、ゲル化させる。次いでそのゲルを、このタイプの非可塑化ポリマーのための標準的な条件に従って、高温に加熱してもよい。
用途に合わせて適当な温度条件で後硬化させると、硬化物質が得られるが、その機械的性質は、可塑剤なしで得られる物質に比較すると、改良されている。
たとえば、本発明に従う上記の例によって得られた硬化物質は、特に破断時伸びは、本発明のものではない非可塑化物質で測定した場合に比較すると、3倍にも大きくなっている。
参考文献
[1]「ニュー・ハイリー・ヒート・レジスタント・ポリマーズ・コンテイニング・シリコン:ポリ(シリレンエチニレンフェニレンエチニレン)ズ(New Highly Heat−Resistant Polymers containing Silicon:Poly(Silyleneethynylenephenyleneethylene)s)、M.イトー(ITOH)、K.イノウエ(INOUE)、K.イワタ(IWATA)、M.ミツズカ(MITSUZUKA)およびT.カキガノ(KAKIGANO)、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1997年、第30巻、第694〜701頁。
[2]J.P.コリュー・ロバート(CORRIU Robert)、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス:パートC:ポリマー・レターズ(Journal of Polymer Science:Part C:Polymer Letters)1990年、第28巻、第431〜437頁。
[3]「カッパー[1]クロリド・キャタライズド・クロス・デハイドロカップリング・リアクションズ・ビトウィーン・シランズ・アンド・エチニル・コンパウンズ。ア・ニュー・メソッド・フォア・ザ・コポリメリゼーション・オブ・シランズ・アンド・アルキンズ(Copper[1] chloride catalyzed cross dehydrocoupling reactions between silanes and ethynyl compounds. A new method for the copolymerization of silanes and alkynes)」、H.Q.リュー(Liu)、J.F.ハロッド(HARROD)、ザ・カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(The Canadian Journal of Chemistry)1990年、第68巻、第1100〜1105頁。
[4]「ア・ノーベル・シンセシス・アンド・エクストリームリイ・ハイ・サーマル・スタビリティ・オブ・ポリ[(フェニルシリレン)−(エチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)](A novel synthesis and extremely high Thermal stability of Poly[(phenylsilylene)−(ethynylene−1,3−phenylene ethynylene)])」、M.イトー(ITOH)、K.イノウエ(INOUE)、K.イワタ(IWATA)、M.ミツズカ(MITSUZUKA)およびT.カキガノ(KAKIGANO)、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、第27巻、第7917〜7919頁。
[5]S.クロキ(KUROKI)、K.オキタ(OKITA)、T.カキガノ(KAKIGANO)、J.イシカマ(ISHIKAMA)、M.イトー(ITOH)、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1998年、第31巻、第2804〜2808頁。

Claims (46)

  1. 少なくとも1種のポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーと、ブレンドを硬化させたときにブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な少なくとも1種の化合物とのブレンドを含む、組成物。
  2. 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物が、有機質および鉱物質樹脂およびポリマーから選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記有機ポリマーが、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーから選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記熱可塑性ポリマーがフルオロポリマーから選択される、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記熱硬化性ポリマーが、エポキシ樹脂、ポリイミド(ポリ(ビスマレイミド))、ポリイソシアネート、ホルムアルデヒド・フェノール樹脂、シリコーンまたはポリシロキサン、およびその他の芳香族および/またはヘテロサイクリックポリマーから選択される、請求項3に記載の組成物。
  6. たとえばポリマーのような前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物と、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とが互いに相溶しない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. たとえばポリマーのような前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物と、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とが部分的に互いに相溶する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  8. たとえばポリマーのような前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物と、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とが完全に互いに相溶する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物が反応性化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物が、アセチレン性官能基および水素化シラン官能基から選択される少なくとも1つの反応性官能基を含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記反応性化合物が、少なくとも1つのアセチレン性官能基を含む、水素化シリコーン樹脂およびポリマー、および/またはシリコーン樹脂およびポリマーから選択される、請求項9および10のいずれかに記載の組成物。
  12. 前記反応性化合物が、以下の各式を有するポリマーおよび樹脂から選択される、請求項11に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に結合された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよい);
    Figure 2005519180
    (ここで、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に結合された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよい);
    Figure 2005519180
    (ここで、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に結合された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよい);
    Figure 2005519180
    (ここで、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、炭素数1〜10のアルキル基、特にメチル基を表し、またここで、ケイ素原子および炭素原子に結合された1つまたは複数の水素原子が、たとえばアセチレン性基のような反応性の基と置換されていてもよく、xおよびyは、関連するそれぞれの単位のモル分率を表し、0から1までの間で各種の値をとることができる。)
  13. 前記可塑化効果を発揮することが可能な1つまたは複数の化合物のモル質量が、200〜10g/molの間である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物の量が、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)の質量の0.1%〜200%の間、好ましくは10%〜50%の間である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーが次の式(I):
    Figure 2005519180
    または、次の式(Ia)に相当する請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、中央の繰り返し単位のフェニレン基は、o−、m−またはp−の形のどれでもよく;
    Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチル−ジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは複数の置換基で置換したアミノ基、またはシラニル基で置換されていてもよく;nは0〜4の整数、qは1〜40の整数であり;R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、または2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R’およびR”の炭素原子に結合した水素原子の1つまたは複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基と置換されていてもよく、これらの基の例は上のRのところですでに述べており;そして、Yは、連鎖調節剤(chain−limiting agent)から導入された基を表す。)
  16. 前記ポリマーが式(I)に相当し、そしてYが式(III)の基を表す、請求項15に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、R’’’は、Rと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよく、そしてn’はnと同じ意味を有し、後者と同じであっても異なっていてもよい。)
  17. 前記ポリマーが式(Ia)に相当し、そしてYが式(IV)の基を表す、請求項15に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここでR’、R”およびR’’’は、同一であっても異なっていてもよいが、請求項15および請求項16ですでに与えられた意味を有する。)
  18. 前記ポリマーが、次式に相当する、請求項15に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここでqは1〜40の整数である。)
  19. 前記ポリマーが、所定の分子量を有するポリマーであって、式(Ia)のポリマーを加水分解することによって得ることができる、次式の(Ib)に相当する、請求項15に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここでR、R’、R”、nおよびqは請求項15および請求項18ですでに与えられた意味を有する)
  20. 前記ポリマーが、鎖末端における基Yのエチニレンフェニレンエチニレンシリレン繰り返し単位に対するモル比が、0.01〜1.5、好ましくは0.25〜1のモル比を有する、請求項15に記載の組成物。
  21. 前記鎖末端における基Yのモル比率が、式(I)または(Ia)のポリマーの、一般には1%〜60%、好ましくは20%〜50%である、請求項15に記載の組成物。
  22. 前記ポリマー(I)、(Ia)および(Ib)の数平均分子量が、400〜10000、好ましくは400〜5000であり、その重量平均分子量が600〜20 000、好ましくは600〜10 000である、請求項15または19に記載の組成物。
  23. 前記ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーが、少なくとも1つの繰り返し単位を含むポリマーであって、前記繰り返し単位が2つのアセチレン結合、少なくとも1個のケイ素原子、および少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 前記ポリマーが、連鎖調節剤から導入された基(Y)をさらに含む、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記ポリマーの前記不活性なスペーサー基が、架橋の間に関与しない、請求項23に記載の組成物。
  26. 前記ポリマーの1つまたは複数の前記スペーサー基が、少なくとも1つの共有結合および/または少なくとも1つの2価の基を介して結合されたいくつかの芳香族核、ポリシロキサン基、ポリシラン基、およびこれらの基の2つまたはそれ以上からのあらゆる可能な組合せを含む基から選択される、請求項23に記載の組成物。
  27. 前記ポリマーが、式(V)の繰り返し単位を含むポリマーである、請求項23に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、中央の繰り返し単位のフェニレン基は、o−、m−またはp−の形のどれでもよく;
    Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチル−ジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrおよびI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシおよびプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基、またはシラニル基で任意に置換されていてもよく;R、R、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R、R、RおよびRの炭素原子に結合した水素原子の1つまたは複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基と置換されていてもよく(これの基の例は上のRのところですでに述べた);
    nが、1〜4の整数であり、そしてnが1〜10、好ましくは1〜4の整数であり;
    この繰り返し単位が通常n回繰り返えされ、このnはたとえば2〜100の整数である。)
  28. 前記ポリマーが、次式の繰り返し単位を含むポリマーである、請求項23に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、フェニレン基は、o−、m−またはp−の形であってよく、R、R、Rおよびnは請求項27ですでに与えられた意味を有し、nは2〜10の整数である。)
  29. 前記ポリマーが、次式の繰り返し単位を含むポリマーである、請求項23に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、RおよびRは、すでに先に与えた意味を有し、そしてRは、たとえば6〜20の炭素を含み、少なくとも1つの共有結合および/または少なくとも1つの2価の基を介して結合された少なくとも2つの芳香族核を含む基を表す。)
  30. 前記ポリマーが、次式の繰り返し単位を含むポリマーである、請求項23に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、R、R、R、R、Rおよびnは、請求項27および29ですでに与えられた意味を有する。)
  31. 前記ポリマーが、次式の繰り返し単位を含むポリマーである、請求項23に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここで、R、R、Rおよびnは、請求項27、28および29ですでに与えられた意味を有する。)
  32. 前記基Rが、以下の基から選択される、請求項27〜31のいずれか1項に記載の組成物。
    Figure 2005519180
    (ここでXは、水素原子またはハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)を表す。)
  33. 前記ポリマーが、n回繰り返えされた繰り返し単位を含み、ここでnがたとえば2〜100の整数である、請求項23〜32のいずれか1項に記載の組成物。
  34. 前記ポリマーが、少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含む、いくつかの異なった繰り返し単位を含む、請求項23に記載の組成物。
  35. 少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含む前記ポリマーの前記繰り返し単位が、それぞれ請求項27、28、29、30および31で定義された式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)および(Vd)の繰り返し単位から選択される、請求項34に記載の組成物。
  36. 前記ポリマーの前記の繰り返し単位が、それぞれx、x、x、xおよびx回繰り返されるが、ここでx、x、x、xおよびxが、0〜100 000の整数を表すが、ただし、x、x、x、xおよびxの中の少なくとも2つは0以外のものである、請求項35に記載の組成物。
  37. 前記ポリマーが、不活性なスペーサー基を含まない1つまたは複数の繰り返し単位をさらに含む、請求項23〜36のいずれか1項に記載の組成物。
  38. 不活性なスペーサー基を含まない前記ポリマーの前記繰り返し単位が、次式に相当する、請求項37に記載の組成物。
    Figure 2005519180
  39. 不活性なスペーサー基を含まない前記ポリマーの前記繰り返し単位が、x回繰り返され、ここでxが0〜100 000の整数を表す、請求項37または38に記載の組成物。
  40. 前記ポリマーが、次式に相当する、請求項34〜39のいずれか1項に記載の組成物。
    Figure 2005519180
  41. 前記ポリマーが、400〜10 000の数平均分子量、および500〜1 000 000の重量平均分子量を有する、請求項34〜39のいずれか1項に記載の組成物。
  42. 請求項1〜41のいずれか1項に記載の組成物を、場合によっては、たとえばディールス・アルダーおよびヒドロシリル化反応触媒のような触媒の存在下に、50〜500℃の温度で熱処理することによって得られる、硬化生成物。
  43. その内部に可塑化効果を発揮する化合物からなるノジュールが分散されたポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーのマトリックスからなる、請求項42に記載の硬化生成物。
  44. ネットワークが相互貫入している、それぞれ前記ポリマーおよび前記化合物からなる2つの別個のマトリックスからなる、請求項42に記載の硬化生成物。
  45. 単一のネットワークからなる、請求項42に記載の硬化生成物。
  46. 請求項1〜41のいずれか1項に記載の組成物を含む、複合材料マトリックス。
JP2003574728A 2002-03-08 2003-03-06 ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)組成物 Pending JP2005519180A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0202952A FR2836922B1 (fr) 2002-03-08 2002-03-08 Compositions de poly(ethynylene phenylene ethynylene silylenes)
PCT/FR2003/000720 WO2003076516A2 (fr) 2002-03-08 2003-03-06 Compositions de poly (ethynylene phenylene ethynylene silylenes)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005519180A true JP2005519180A (ja) 2005-06-30

Family

ID=27763656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003574728A Pending JP2005519180A (ja) 2002-03-08 2003-03-06 ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)組成物

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20050065285A1 (ja)
EP (1) EP1483332A2 (ja)
JP (1) JP2005519180A (ja)
CA (1) CA2459513A1 (ja)
FR (1) FR2836922B1 (ja)
WO (1) WO2003076516A2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233212A (ja) * 2005-02-07 2006-09-07 Samsung Sdi Co Ltd 伝導性の有機無機複合体組成物及びそれを含む有機電界発光素子
JP2010159348A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Mitsui Chemicals Inc フェノール樹脂硬化物
WO2019189491A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 株式会社カネカ 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物
JP2021055015A (ja) * 2019-10-01 2021-04-08 株式会社カネカ 硬化性組成物

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2862307B1 (fr) * 2003-11-13 2006-04-28 Commissariat Energie Atomique Polymeres modifies de polyethynylene phenylene ethynylene silylene), compositions les contenant, leurs procedes de preparation et produits durcis.
CN101235113B (zh) * 2008-01-04 2010-04-14 华东理工大学 含聚硅烷芳炔树脂及其制备方法
US8440312B2 (en) 2009-03-12 2013-05-14 Dow Corning Corporation Thermal interface materials and methods for their preparation and use
US8110636B1 (en) * 2009-04-17 2012-02-07 Sandia Corporation Multi-block sulfonated poly(phenylene) copolymer proton exchange membranes
US9534097B2 (en) 2014-04-25 2017-01-03 Sandia Corporation Poly(phenylene alkylene)-based lonomers

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69415062T2 (de) * 1993-03-24 1999-05-20 Mitsui Chemicals Inc Polymere mit Silylenethynyliden - und Phenylenethynylidengruppen, Verfahren zu deren Herstellung and gehärtete Gegenstände
FR2798662B1 (fr) * 1999-09-16 2002-01-18 Commissariat Energie Atomique Poly (ethynylene phenylene ethynylene silylenes) et leurs procedes de preparation
FR2816624B1 (fr) * 2000-11-10 2006-07-21 Commissariat Energie Atomique Poly (ethynylene phenylene ethynylene silylenes) comprenant un espaceur inerte et leurs procedes de preparation
FR2816623B1 (fr) * 2000-11-10 2002-12-20 Commissariat Energie Atomique Poly (ethynylene phenylene ethynylene polysiloxene (silylene)) et leurs procedes de preparation

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233212A (ja) * 2005-02-07 2006-09-07 Samsung Sdi Co Ltd 伝導性の有機無機複合体組成物及びそれを含む有機電界発光素子
JP2010159348A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Mitsui Chemicals Inc フェノール樹脂硬化物
WO2019189491A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 株式会社カネカ 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物
JPWO2019189491A1 (ja) * 2018-03-30 2021-04-08 株式会社カネカ 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物
JP7249998B2 (ja) 2018-03-30 2023-03-31 株式会社カネカ 反応性ケイ素基含有重合体、および硬化性組成物
US11859037B2 (en) 2018-03-30 2024-01-02 Kaneka Corporation Reactive silicon group-containing polymer and curable composition
JP2021055015A (ja) * 2019-10-01 2021-04-08 株式会社カネカ 硬化性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
US20050065285A1 (en) 2005-03-24
WO2003076516A3 (fr) 2004-03-11
FR2836922A1 (fr) 2003-09-12
FR2836922B1 (fr) 2004-05-21
CA2459513A1 (fr) 2003-09-18
WO2003076516A2 (fr) 2003-09-18
EP1483332A2 (fr) 2004-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4877820A (en) Cross-linked organosiloxane polymers
US3697473A (en) Composition curable through si-h and si-ch equals ch2 with improved properties
CN110933947B (zh) 用于制备具有聚烯烃主链和聚有机硅氧烷侧基的接枝共聚物的方法
JP3344286B2 (ja) 付加硬化型シリコーン樹脂組成物
CN102686598B (zh) 有机硅化合物,用于生产其的方法及含有其的可固化硅酮组合物
KR20110039246A (ko) 중합가능 조성물
US6703519B1 (en) Poly (ethynylene phenylene ethynylene silylene)s and method for preparation thereof
JP2005519180A (ja) ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)組成物
AU602559B2 (en) Crosslinked organosiloxane polymers
CN106883415B (zh) 一种聚硅氧烷改性含硅芳炔树脂的制备方法
US3043798A (en) Reactions of silicon-nitrogen containing compounds with hydroxy compounds
US6872795B2 (en) Poly (ethynylene phenylene ethynylene polysiloxene(silylene)) and methods for preparing same
JP3341381B2 (ja) 加熱硬化型シリコーンゴム組成物
WO2023035283A1 (zh) 一种超低粘度液体硅橡胶及其交联剂与制备方法
US6919403B2 (en) Poly(ethylene phenylene ethynylene silylenes) comprising an inert spacer and methods for preparing same
JP2007511632A (ja) 変性ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマー、これを含有する組成物、これを調製する方法、及び硬化製品
JP2527224B2 (ja) 付加反応型室温硬化性液状シリコ―ンゴム組成物
JPH0218453A (ja) 型取材料およびそれを用いた成形型の製造方法
JP2502714C (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060224

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060224

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090310

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090804