JP2005519180A - ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに本発明は、前記組成物を熱処理することによって得ることができる硬化生成物に関する。
本発明によるポリマー組成物は、特に複合材料のためのマトリックスに使用することができる。
本発明の産業上の利用分野は、熱安定性プラスチック、すなわち、たとえば600℃までの高温に耐えうるポリマーの分野と定義することができる。
そのようなポリマーは、同様の用途で従来使用されてきた材料の欠点を克服する目的で開発が進められてきた。
具体的には、よく知られていることではあるが、鉄、チタンおよびスチールなどのような金属は非常に高い耐熱性を有してはいるが、それらは重い。アルミニウムは軽量であるが、耐熱性が低く、すなわち最高でも約300℃までである。セラミックス、たとえばSiC、Si3N4およびシリカは金属よりは軽く、耐熱性も非常に高いが、成形ができない。軽量で、成形可能で、良好な機械的性質を有する多くのプラスチックが合成されてきたのは、このような理由からであって、それらは実質的には炭素系のポリマーである。
ケイ素系ポリマー、たとえばシリコーンまたはカルボシランについても精力的に研究されてきた。それらのポリマー、たとえばポリ(シリレンエチニレン)化合物は通常、炭化ケイ素SiCタイプのセラミックスの前駆体、貯蔵化合物(reserve compound)および導電材料として使用される。
また別の改良された合成法が文献[2]に紹介されていて、それらはパラジウム触媒を用いた合成法であるが、非常に限定された数の、ケイ素が2つのたとえばフェニルまたはメチル基を担持している特定のポリマーにしか、適用できない。
具体的には、その繰り返し単位が上記の式(A)で表されるような化合物は、この方法では合成することができないということに、注目されたい。特に得ることが困難な、そのような化合物のSiH結合が好都合であることが見出されたが、その理由は、それらの反応性が極端に高く、多くの転位や反応を引き起こすことが可能だからである。
これらの構造的な欠陥があると、それらのポリマーの溶解性および熱的性質の両方が大きく損なわれる。
また別の、より最近の記事[1]では、同じ著者たちが−Si(H)−C≡C−単位を含む一連のポリマーを調製しているが、それには方法(B)を経由したり、他のさらに有利な方法を経由しているが、そこでは、ジクロロシランとジエチニレン有機マグネシウム試薬を縮合反応させ、次いで得られた生成物をモノクロロシランと反応させ、さらに加水分解させるもので、次の反応スキーム(C)に従う。
このプロセスにより得られる化合物は、全体として純度が高く、極めて特徴的な熱的性質を有している。それらは熱硬化性ポリマーである。
前記の文献にはさらに、ガラス、炭素またはSiC繊維で補強された、上述のポリマーの調製も開示されている。
それらのポリマーは、実質的にはスキーム(C)の方法によって調製されるが、スキーム(B)の方法によっても可能であり、それらは500から1 000 000までの重量平均分子量を有している。前記の文献にはさらに、これらのポリマーをベースにした硬化生成物および熱処理によるそれらの調製についても記載されている。前記文献に記載されたポリマーは熱安定性ポリマー、耐火性ポリマー、導電性ポリマー、およびエレクトロルミネセント要素のための材料として使用できることが示されている。事実、そのようなポリマーは実質的にはセラミックスの有機前駆体としても使用できると考えられる。
特に特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書において調製されたポリマーは、熱安定性が優れているので、それらを使用して、熱安定性複合材料の有機マトリックスを形成する樹脂を構成させことができる。
極めて一般的な言い方をすれば、この各種の方法には射出法(特にRTM)またはプレプレグ圧縮法が含まれる。
プレプレグとは、厚みの薄い、樹脂を含浸させた繊維からなる半仕上げ製品である。高性能複合材料構造を製造する目的のプレプレグには、少なくとも50容積%の繊維が含まれる。
さらに、使用時には、このマトリックスは低粘度でなければならないが、それは補強用のシートの中に浸透して繊維を適切に含浸し、それによって繊維のゆがみを防ぎ、その完全性を保持するようにするためである。補強用繊維は、適切な溶媒に樹脂を溶解させた溶液を用いるか、または純粋な樹脂の溶融物を用いるかのいずれかで含浸するが、後者は「ホットメルト」法である。熱可塑性マトリックスを用いてプレプレグを製造する方法は、実質的にはポリマーのモルホロジーによって支配される。
これらの2通りの方法では、このように粘度が決定的なパラメーターであって、それによって使用するポリマーの性能が左右される。
非晶質ポリマーは、骨格構造が完全に乱れたマクロモレキュールに相当する。それらは、ガラス状態からゴム状態への変化に相当するそれらのガラス転移温度(Tg)によって特徴付けられる。しかしながら、Tgより上では、熱可塑性プラスチックは大きなクリープ強度を特徴としている。
この温度より下では、このポリマーの粘度は無限大であり、この温度より上になると、温度が高くなるにつれて粘度が徐々に低下する。
しかしながら、この程度の粘度低下では、このポリマーを複合材料の分野で通常使用される方法、たとえばすでに先に述べたRTMや予備含浸などで使用することを可能とするには、充分ではない。
特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書に記載されているそれらのポリマーは、次の式(I)、
この現象に含まれる反応は主として2つのメカニズムに従っており、それについてはイトー(Itoh)により公表された文献[5]に記載がある。
第1のメカニズムはディールス・アルダー反応であって、一方は芳香族核に結合したアセチレン性結合、および他方は別の芳香族の結合を含む。この反応を示すと次のようになる。
したがって、このメカニズムによって得られる構造は芳香族性が高く、多くの不飽和結合を含んでいる。これらの特性によって、これらのポリマーに観察される優れた熱的性質がもたらされている。
第2のメカニズムは、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)プレポリマーの架橋反応の間に起きる、ヒドロシリル化反応で、SiH結合とアセチレン性三重結合とが関与する。この反応を示すと次のようになる。
後者の化合物については、ヒドロシリル化反応は、ディールス・アルダー反応と同じ温度範囲で活性化される。
ポリマーのネットワークは、なかんずく、架橋密度と、2つの架橋点を分離する鎖単位の長さによって定義される。これらの特性が、ポリマーの機械的性質のほとんどを支配している。したがって、鎖単位が短く、高度に架橋されたネットワークは、低変形能材料の範囲に分類される。フェノール樹脂またはフェノールシアネートエステル樹脂は特に、このカテゴリーの材料の一部を形成している。
架橋密度は、ポリマーの使用時に適当な熱処理をすることによって調節することができる。具体的には、マクロモレキュールの鎖の易動度がもはや充分ではなくなったときに、ポリマーの架橋が停止する。この易動度は、作業温度がそのネットワークのガラス転移温度よりも高くなれば、充分なものとなると理解されたい。したがって、そのガラス転移温度は作業温度を超えることができず、そのために架橋密度は、ポリマーの硬化温度によって調節される。
したがって、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)の機械的性質を熱処理で制御するのは困難である。しかしながら、ケイ素によって担持された化学基の性質によって、それらの性質を制御することが可能である。特に、長い鎖は、可塑剤として働いて、関連する材料の剛直性を減少させる。しかしながら、この原則も、熱安定性も影響を受けるために、ポリマーの熱安定性の面からは限界が避けられない。
さらに、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマーを含む組成物であって、熱処理することによって、特に、その脆性(fragility)、脆化性(brittle nature)および硬度が低下し、対照的にその可撓性(flexibility)および柔軟性(suppleness)が向上する方向で、その機械的性質が改良された硬化生成物を与えるようなものが必要とされている。
これらの硬化生成物のその他の有利な性質、特に、またここでも挙げるが、熱安定性の面での性質に悪影響を与えることなく、これらの機械的性質が、得られなくてはならない。
本発明の目的は、これらの要件を満たすポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)のタイプのポリマーの組成物、なかんずく、具体的には特許文書の欧州特許B1第0 617 073号明細書および仏国特許A第2 798 622号明細書で示されているような従来技術のポリマー組成物の欠陥(defects)、欠点(drawbacks)、限界(limitations)および不利(disadvantages)を有することなく、そして従来技術での問題点を解決するような、組成物を提供することである。
具体的には、本発明による組成物を熱処理することによって調製される硬化生成物は、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)を含むが可塑化効果を発揮することが可能な化合物を基本的に含んでいない、従来技術による組成物を熱処理することによって調製される硬化生成物よりも、より柔軟で、より可撓性があり、脆さが少ない。
ポリマーとブレンドすることで「可塑化」効果を発揮することができる化合物の存在という、基本的な特性を有しているために、本発明による組成物は、従来技術で提起されていた課題の解決法を提供し、先に挙げた要求を満たす。
一般的に言って、「そのブレンドを硬化させたときに、ブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な化合物」という表現は、硬化生成物の「可塑的な」性質を(たとえ最小限であっても)増加させる、すなわち、前記の化合物を含まない硬化生成物の場合に比較して、その応力をかけた硬化生成物からなる材料の変形能を増大させる、各種化合物を意味する。
これが特に意味していることは、本発明による組成物から調製した硬化生成物においては、同一のポリマーを含むが可塑化効果を発揮することが可能な前記の化合物は含まない硬化生成物に比較して、その化合物が、硬化生成物の剛性および硬度を下げながら、一方ではその柔軟性および可撓性を上げるような効果を発揮する、ということである。
事実、この化合物は、一般には可塑剤であるとは定義されないが、本発明の文脈においては、硬化生成物中で可塑化効果を発揮するという意味で、好適な化合物であるような、数多くの化合物から選択することが可能である。
しかしながら、そのまま可塑剤として知られているようなものも、前記の化合物として使用することはできる。
別の言い方をすれば、先に述べたように、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)から調製された硬化生成物は、極端に堅く、剛直で、脆いので、そのような生成物の中に、そのポリマーよりは相対的に柔軟ではあるが通常は「可塑剤」には分類されないような化合物を加えることで、そのポリマーネットワークの易動度を増大させ、その結果可塑化効果を充分に発揮させることができる。
このようにして、この可塑化効果を発揮することが可能な化合物は一般に、有機質および鉱物質の樹脂並びにポリマーから選択される。
有機ポリマーは一般に、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーから選択される。
その熱可塑性ポリマーは、たとえば、フルオロポリマーから選択することができる。
その熱硬化性ポリマーは、たとえば、エポキシ樹脂、ポリイミド(ポリ(ビスマレイミド))、ポリイソシアネート、ホルムアルデヒド−フェノール樹脂、シリコーンまたはポリシロキサン、およびその他の芳香族および/またはヘテロサイクリックポリマーから選択することができる。
たとえばポリマーのような、この「可塑化」化合物と、それにブレンドするポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とは、相互に相溶性が無くてもよいし、あるいはそれとは別で相互に部分的に相溶性があってもよいし、あるいはまたそれとは別で相互に完全に相溶性であってもよい。
この反応性化合物は、水素化シリコーン樹脂およびポリマー、および/または少なくとも1つのアセチレン性官能基を含むシリコーン樹脂およびポリマーから選択されるのが好ましい。
このシリコーン樹脂またはポリマーは、以下の式を有するシリコーン樹脂およびポリマーから選択される:
その配合中に導入される、可塑化効果を発揮することが可能な化合物の量は、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレンシリレン)の質量の0.1%から200%の間であり、目的とする性質によって異なるが、好ましくは、10%から50%の間である。
ブレンドの中に取り込まれるポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーについては特に制限はなく、このタイプのポリマーならどのようなものでもよいが、具体的には、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書および仏国特許A第2 798 662号明細書に記載されているポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーでもよいが、それらのポリマーに関わるそれらの特許の関連部分は、本明細書にも含まれている。
したがって、本発明の第1の実施態様によるポリマーは、次の式(I):
Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si2H5)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチルジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは2つの置換基で置換しされたアミノ基、またはシラニル基で置換されていてもよく;
nは0〜4の整数、qは1〜40の整数であり;
R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、または2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R’およびR”の炭素原子に結合した水素原子の1つまたは複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基と置換されていてもよく;これらの基の例は上のRのところですでに述べられており;そして、
Yは、連鎖調節剤(chain−limiting agent)から導入された基を表す)。
この構造的な差は、これらのポリマーの有利な性質にはほとんど影響を与えることなく、特にポリマーの熱安定性には実質的に影響がない。その一方で、鎖末端にこの基が存在することによって、式(I)または(Ia)のポリマーが、所定の、完全に規定された長さと、これによる分子量を有するという、はっきりとした効果が得られる。
その結果、このポリマー(I)または(Ia)もまた、完全に規定され、制御可能なレオロジー的性質を有する。
この基Yの性質は、それが導入される元となった連鎖調節剤の性質に依存し、式(I)のポリマーの場合、Yは式(III)の基で表すことができ:
したがって、本発明の組成物の第1の実施態様によれば、鎖末端の基Yのエチニレンフェニレンエチニレンシリレン繰り返し単位に対するモル比は一般に、0.01〜1.5である。この比は好ましくは0.25〜1である。
同様にして、本発明の組成物のこの第1の実施態様によれば、鎖末端における基Yのモル比率は、一般に式(I)または(Ia)のポリマーの1%〜60%、好ましくは20%〜50%である。
本発明の組成物のこの第1の実施態様によるポリマー(I)、(Ia)および(Ib)の数平均分子量は、完全に規定されているものであるが、一般に400〜10000、好ましくは400〜5000であり、その重量平均分子量は600〜20000、好ましくは600〜10000である。
「不活性なスペーサー基」という用語は一般に、架橋に関与しない、あるいは架橋の間に反応しない基を意味する。
このポリマーの繰り返し単位は、n3回繰り返されるのがよい。
基本的には、本発明のこの実施態様におけるポリマーは、このポリマーが本発明のこの実施態様において後に関わることになる架橋プロセスに関与しない、少なくとも1つのスペーサー基を含む少なくとも1つの繰り返し単位を、含む。
いかなる理論にも捕らわれることなく言えば、このスペーサーの役割は特に、ネットワーク内部における動きを可能とするのに充分な大きさの節間の(inter−node)架橋鎖単位として機能することである。
上記のように定義されたスペーサー基は、当業者ならば容易に選択することができる。
さらに、このスペーサー基の性質を選択することによって、本発明のポリマーの熱的性質を顕著に変化させることなく、その機械的性質を制御することが可能となる。
いくつかのスペーサー基がある場合には、それらが2つであるのが好ましく、それらは同一のものであってもよいし、あるいは、上に挙げた基の2つまたはそれ以上の可能なすべての組合せから選択してもよい。
したがって、選択したスペーサー基によって、本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーの繰り返し単位はいくつかの式にあてはめることができる。
Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si2H5)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチル−ジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrおよびI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシおよびプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基、またはシラニル基で任意に置換されていてもよく;
R4、R5、R6およびR7は、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R4、R5、R6およびR7の炭素原子に結合した水素原子の1個または複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基で置換されていてもよく、これらの基の例はすでに、さきにRについて述べたものであり;、
nは、1〜4の整数で、n1は1〜10、好ましくは1〜4の整数であり;この繰り返し単位は一般に、n3回繰り返し、ここでn3はたとえば2〜100の整数である)。
この基R8は、たとえば、以下の基から選択することができる:
前記の繰り返し単位は、すでに先に述べたような式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)および(Vd)の繰り返し単位から選択するのが好ましい。
前記の繰り返し単位は、それぞれx1、x2、x3、x4およびx5回繰り返されるが、ここでx1、x2、x3、x4およびx5は一般に、0〜100 000の整数を表すが、ただし、x1、x2、x3、x4およびx5の中の少なくとも2つは0以外のものである。
いくつかの異なった繰り返し単位を有するこのポリマーにはさらに、場合によっては、1つまたは複数の、たとえば式(Ve)の単位のような不活性なスペーサー基を含まない繰り返し単位を含んでいてもよい:
好適なポリマーは、たとえば次式に相当するものである:
本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーを、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書のポリマーと比較したときに、繰り返し単位の中に少なくとも1つのスペーサー基が存在しているという事実によって、特に根本的に区別される。
本発明のこの第2の実施態様のこれらのポリマーは、連鎖調節剤から導入された基Yが鎖末端に存在するという事実によって区別することも可能である。
これらの構造的な差は、これらのポリマーの有利な性質にはほとんど影響を与えることなく、特にポリマーの熱安定性には実質的に影響がない。
さらに、好ましいことには、鎖末端に鎖調節基が存在することによって、正確に、本発明のこの第2の実施態様中のポリマーが、明瞭に完全に規定された長さ、したがって分子量を有しているという効果が出る。
したがって、本発明の組成物の第2の実施態様によるポリマーはまた、好適にも、完全に規定された調節可能なレオロジー的性質も有している。
このようなことから、鎖末端における鎖調節基Yのエチニレンフェニレンエチニレンシリレンタイプの繰り返し単位に対するモル比は、一般に0.01〜1.5である。この比は好ましくは0.25〜1である。
同様にして、本発明によれば、鎖末端に鎖調節基Yが存在するのであれば、そのモル比率は、本発明による組成物の第2の実施態様に用いたポリマーの、一般に1%〜60%、好ましくは20%〜50%である。
本発明によるポリマーの数平均分子量は、それらが鎖調節基を含んでいるという事実によって、完全に規定されていて、一般に400〜10 000であり、その重量平均分子量は、600〜20 000である。
これらの質量は、ポリスチレンを用いて較正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。
したがって、本発明による組成物のこの第2の実施態様において採用されたポリマーの粘度は、分子量が前記の範囲内で、温度範囲が20〜160℃で、その粘度の範囲は0.1〜1000mPa・sとなる。
粘度はまた、芳香族環およびケイ素に担持されている基の性質にも依存する。これらの粘度は、従来技術のポリマーでは得られなかったもので、複合材料を調製するための標準的な技術に完全に適合する。
したがって、本発明によれば、複合材料の技術的作業を制約する要因としてのポリマーの粘度を所望の値に修正することが可能となる。
粘度はさらに、ガラス転移温度(Tg)にも関連する。本発明によるポリマーのガラス転移温度は、一般に−250〜+10℃となり、これは、従来技術のポリマーのガラス転移温度よりは大幅に低い。
具体的には、ポリマー(I)および(Ia)は、特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書のプロセスによって調製することができるし、不活性なスペーサー基を含むポリマーは、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書および、鎖調節基を含んでいるならば仏国特許A第2 798 662号明細書のプロセスと類似のプロセスによって調製することができる。
(ここでフェニレン基(式(IX))は、o−、m−またはp−の形であってよく、そしてR、R8およびnは、すでに記載したような意味を有し、そしてX1はハロゲン、たとえばCl、Br、FまたはI(好ましくはX1はCl)であり、任意に連鎖調節剤、たとえば次式のようなものとの混合物であってもよく:
式(XIII)(a、bまたはc)のジハライド(ジハロシランまたはジハロシロキサン)との反応が含まれるが:
この反応は非プロトン性溶媒の溶媒の存在下で実施し、さらに加水分解工程を経て、最終的なポリマーの、それぞれ式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)が得られる。
別の言い方をすれば、式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)のポリマーは、それぞれ、(IX)と(XIIIa)と;(IX)と(XIIIb)と;(X)と(XIIIc)、(XIIIa)および(XIIIb)との反応によって、得られる。
反応に連鎖調節剤が含まれている場合には、加水分解を直接実施できることに、注目されたい。
式(XVII)(a、bまたはc)の化合物との反応を含み、
この反応は塩基性金属酸化物の存在下で実施し、それぞれ最終の化合物である(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)が得られる。
別の言い方をすれば、それぞれ式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)または(Vd)のポリマーは、それぞれ(XIV)と(XVIIa)と;(XIV)と(XVIIb)と;(XVII)とそれぞれ(XVIIc)、(XVIIa)および(XVIIb)との反応によって、得られる。
第1のプロセスの場合であっても第2のプロセスの場合でも同じであるが、ポリマーの鎖長、したがってその分子量、その結果としてその粘度は、連鎖調節剤のモルパーセントと直接に関係する。このモルパーセントは、連鎖調節剤の、連鎖調節剤のモル数と式(IX)または(X)または(XIII)または(XV)のジアセチレン系化合物のモル数の合計数に対するモル比の値を100倍したものと、定義される。このパーセントは、1%から60%まで、好ましくは20%から50%の範囲であるのがよい。
最後になるが、本発明はさらに、先に挙げたポリマーを含む複合材料マトリックスにも関する。
式(XI)の連鎖調節剤は、次式のモノアセチレン系有機マグネシウム化合物であってもよい:
モノアセチレン系有機マグネシウム試薬(XI)を誘導する原料となるモノアセチレン系化合物の例を挙げれば、フェニル−アセチレン、4−エチニル−トルエン、4−エチニルビフェニル、1−エチニル−4−メトキシベンゼンなどがある。
上に挙げた式に相当する鎖調節化合物との混合物としての、グリニャール試薬(IX)または(X)を、一般式(XIIIa)〜(XIIIc)の1つで表されるジハロシランと反応させる。
そのようなジハロシラン(たとえば式(XIIIb)のもの)の例は、特許文献の欧州特許B1第第0 617 073号明細書の第7〜9ページに記載されているジクロロシランであって、具体的には、前記文献で式(21)〜(26)に挙げられているものに相当する。
この実際の重合工程における唯一の違いは、追加の鎖調節試薬を添加することである。それ以外では反応条件は実質的に同一である。
しかしながら、そして本発明においては、好ましくは「欠落」が使用されている好ましいケースにおいては、アセチレン性官能基の数の、シランによって担持されているハロゲン官能基の数に対する比は、できるだけ1に近く、好ましくは0.9から1.1の間でなければならない。フェニルアセチレンのジエチニルベンゼンに対するモル比は、好ましくは0.01〜1.5の間、理想的には0.25〜1の間(パーセントで1%〜60%)である。
このことは、連鎖調節剤がモノハロシランであるような第1のプロセスの変形例の場合に対しても適用される。
具体的には、特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書においては、前もって調製したポリマーに対して後処理を実施し、その分子量をモノハロシランで固定してから加水分解している。注意すべきは、この場合、このモノハロシランは連鎖調節剤としては機能していないことで、その理由は、本発明とは対照的に、モノハロシランが出発反応混合物には含まれておらず、その作用がポリマーの分子量に影響を与えることはないからである。
本発明においては、反応の終了時にポリマーを、たとえばポリマー1グラムあたり0.1〜50mLの量の酸溶液、たとえば約0.01〜10Nの塩酸または硫酸を用いて加水分解する。
このようなプロセスは、文献[1]および[4]や、さらには特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書に記載されている類似のプロセスとは、反応混合物に連鎖調節剤を添加するという1点で、根本的に異なっている。
この反応混合物には、式(XIV)の化合物、たとえば1,3−ジエチニルベンゼンまたは(XV)と、連鎖調節剤すなわち、この第2のプロセスでは、すでに先に第1のプロセスについて説明したのと同様のモノアセチレン(XVI)とを含む。
連鎖調節剤との混合物としての化合物(XIV)または(XV)は、式(XVIIa)〜(XVIIc)のジヒドロシランと反応する。
使用される塩基性金属酸化物は、アルカリ金属の酸化物またはアルカリ土類金属の酸化物、ランタニド酸化物ならびに、スカンジウム、イットリウム、トリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、銅、亜鉛およびカドミウム酸化物およびそれらの混合物から選択するのが好ましい。
本発明による組成物を熱処理することによって調製される硬化生成物を製造するには、たとえば、最初にポリマーと「可塑化」化合物(液状)とを混合し、その混合物を溶融するか、あるいは別な方法として、まずポリマーと可塑化化合物を適当な溶媒に溶解させる。
ついでその組成物を、任意に所望の形状の中に置き、それを空気、窒素、またはアルゴンやヘリウムのような不活性ガスによるガス雰囲気の中で加熱する。
その処理温度は、一般には50〜500℃、好ましくは100〜400℃、より好ましくは150〜350℃の範囲であり、加熱は一般に1分〜100時間の間で実施される。
本発明によるポリマーの構造と特許文献の欧州特許B1第0 617 073号明細書のポリマーの構造とは類似しているので、それらの硬化プロセスも実質的には同じであり、それらについては、前記文献の第17ページ、さらに詳しくは、特許文献の仏国特許A第2 798 622号明細書を参照されたい。
遷移金属ペンタクロリドをベースとした触媒、たとえばTaCl5、NbCl5またはMoCl5は、それら自身で、ディールス・アルダータイプの反応の触媒として好適に使用できる。
硬化させた材料または得られた生成物の性質および構造は、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマー(類)に依存し、また、使用した可塑化効果を発揮することが可能な化合物(これもまたポリマーであってもよいが)に依存する。
したがって、添加した(「可塑化」)ポリマーのような、可塑化効果を発揮する化合物からなるノジュールがその中に分散されているようなポリマーのマトリックスからなる、ポリマー・ポリマー複合材料硬化生成物または材料を調製することも可能である。使用したポリマーと、たとえばポリマーのような可塑化化合物とが非相溶性であるような場合に、こういうことが特に起こりやすい。それぞれの成分の比率が、マトリックスの性質およびノジュールの性質を左右する。
最終的にはさらに、この硬化させた材料は単一のネットワークからなっていてもよい。このようなケースは、ポリマーと、たとえばポリマーのようなその化合物とが互いに反応する可能性があるような場合に、特に起こりやすい。具体的には反応性の「可塑化」化合物、たとえばアセチレン性官能基または水素化シランを伴うような反応性基によって官能化されたポリマーでは、このような反応が可能である。
上記のようなケースで、硬化させたポリマー・ポリマー複合材料が存在するような場合には、繊維の補強は必ずしも必要ではないということに、注目されたい。
1.原理
ポリ(メチレンシリレンエチニレンフェニレンエチニレン)は、ジハロシランとジエチニルベンゼンの2官能グリニャール試薬との間の、標準的な有機マグネシウムカップリング反応によって得られる。
このポリマーの粘度は、前述の特許文献の仏国特許A第2 798 662号明細書に従って、フェニルアセチレンを導入することによって調節できる。ポリ(メチレンシリレンエチニレンフェニレンエチニレン)の可塑化は、トリシロキサン化合物、例えばヘキサメチルトリシロキサンと、白金系触媒の触媒効果を利用して反応させることによって得られる。
2gのヘキサメチルトリシロキサンと、H2PtCl6を20g/リットルの濃度で含むTHF溶液の50mgとを、10gのポリ(メチレンシリレンエチニレンフェニレンエチニレン)に添加する。そのようにして得られた均一な混合物を、室温に保持しておいて、ゲル化させる。次いでそのゲルを、このタイプの非可塑化ポリマーのための標準的な条件に従って、高温に加熱してもよい。
用途に合わせて適当な温度条件で後硬化させると、硬化物質が得られるが、その機械的性質は、可塑剤なしで得られる物質に比較すると、改良されている。
たとえば、本発明に従う上記の例によって得られた硬化物質は、特に破断時伸びは、本発明のものではない非可塑化物質で測定した場合に比較すると、3倍にも大きくなっている。
[1]「ニュー・ハイリー・ヒート・レジスタント・ポリマーズ・コンテイニング・シリコン:ポリ(シリレンエチニレンフェニレンエチニレン)ズ(New Highly Heat−Resistant Polymers containing Silicon:Poly(Silyleneethynylenephenyleneethylene)s)、M.イトー(ITOH)、K.イノウエ(INOUE)、K.イワタ(IWATA)、M.ミツズカ(MITSUZUKA)およびT.カキガノ(KAKIGANO)、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1997年、第30巻、第694〜701頁。
[2]J.P.コリュー・ロバート(CORRIU Robert)、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス:パートC:ポリマー・レターズ(Journal of Polymer Science:Part C:Polymer Letters)1990年、第28巻、第431〜437頁。
[5]S.クロキ(KUROKI)、K.オキタ(OKITA)、T.カキガノ(KAKIGANO)、J.イシカマ(ISHIKAMA)、M.イトー(ITOH)、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1998年、第31巻、第2804〜2808頁。
Claims (46)
- 少なくとも1種のポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーと、ブレンドを硬化させたときにブレンド中で可塑化効果を発揮することが可能な少なくとも1種の化合物とのブレンドを含む、組成物。
- 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物が、有機質および鉱物質樹脂およびポリマーから選択される、請求項1に記載の組成物。
- 前記有機ポリマーが、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーから選択される、請求項2に記載の組成物。
- 前記熱可塑性ポリマーがフルオロポリマーから選択される、請求項3に記載の組成物。
- 前記熱硬化性ポリマーが、エポキシ樹脂、ポリイミド(ポリ(ビスマレイミド))、ポリイソシアネート、ホルムアルデヒド・フェノール樹脂、シリコーンまたはポリシロキサン、およびその他の芳香族および/またはヘテロサイクリックポリマーから選択される、請求項3に記載の組成物。
- たとえばポリマーのような前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物と、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とが互いに相溶しない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- たとえばポリマーのような前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物と、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とが部分的に互いに相溶する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- たとえばポリマーのような前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物と、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)とが完全に互いに相溶する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物が反応性化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物が、アセチレン性官能基および水素化シラン官能基から選択される少なくとも1つの反応性官能基を含む、請求項9に記載の組成物。
- 前記反応性化合物が、少なくとも1つのアセチレン性官能基を含む、水素化シリコーン樹脂およびポリマー、および/またはシリコーン樹脂およびポリマーから選択される、請求項9および10のいずれかに記載の組成物。
- 前記反応性化合物が、以下の各式を有するポリマーおよび樹脂から選択される、請求項11に記載の組成物。
- 前記可塑化効果を発揮することが可能な1つまたは複数の化合物のモル質量が、200〜106g/molの間である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記可塑化効果を発揮することが可能な化合物の量が、ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)の質量の0.1%〜200%の間、好ましくは10%〜50%の間である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーが次の式(I):
Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si2H5)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチル−ジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは複数の置換基で置換したアミノ基、またはシラニル基で置換されていてもよく;nは0〜4の整数、qは1〜40の整数であり;R’およびR”は、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、または2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R’およびR”の炭素原子に結合した水素原子の1つまたは複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基と置換されていてもよく、これらの基の例は上のRのところですでに述べており;そして、Yは、連鎖調節剤(chain−limiting agent)から導入された基を表す。) - 前記ポリマーが、鎖末端における基Yのエチニレンフェニレンエチニレンシリレン繰り返し単位に対するモル比が、0.01〜1.5、好ましくは0.25〜1のモル比を有する、請求項15に記載の組成物。
- 前記鎖末端における基Yのモル比率が、式(I)または(Ia)のポリマーの、一般には1%〜60%、好ましくは20%〜50%である、請求項15に記載の組成物。
- 前記ポリマー(I)、(Ia)および(Ib)の数平均分子量が、400〜10000、好ましくは400〜5000であり、その重量平均分子量が600〜20 000、好ましくは600〜10 000である、請求項15または19に記載の組成物。
- 前記ポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーが、少なくとも1つの繰り返し単位を含むポリマーであって、前記繰り返し単位が2つのアセチレン結合、少なくとも1個のケイ素原子、および少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ポリマーが、連鎖調節剤から導入された基(Y)をさらに含む、請求項23に記載の組成物。
- 前記ポリマーの前記不活性なスペーサー基が、架橋の間に関与しない、請求項23に記載の組成物。
- 前記ポリマーの1つまたは複数の前記スペーサー基が、少なくとも1つの共有結合および/または少なくとも1つの2価の基を介して結合されたいくつかの芳香族核、ポリシロキサン基、ポリシラン基、およびこれらの基の2つまたはそれ以上からのあらゆる可能な組合せを含む基から選択される、請求項23に記載の組成物。
- 前記ポリマーが、式(V)の繰り返し単位を含むポリマーである、請求項23に記載の組成物。
Rは、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrまたはI)、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシル)、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシまたはプロポキシ)、6〜20個の炭素原子を含むアリール基(たとえばフェニル基)、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基(直鎖状または分岐状)、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基(たとえばビニル、アリルまたはシクロヘキセニル)、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基(たとえばエチニルまたはプロパルギル)、アミノ基、2〜20個の炭素原子を含む1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基(たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノまたはメチルフェニルアミノ)、または1〜10個のケイ素原子を含むシラニル基(たとえばシリル、ジシラニル(−Si2H5)、ジメチルシリル、トリメチルシリルまたはテトラメチル−ジシラニル)を表し、Rの炭素原子に結合した1つまたは複数の水素原子が、ハロゲン原子(たとえばF、Cl、BrおよびI)、アルキル基、アルコキシ基(たとえばメトキシ、エトキシおよびプロポキシ)、アリール基、アリールオキシ基(たとえばフェノキシ基)、アミノ基、1つまたは2つの置換基で置換したアミノ基、またはシラニル基で任意に置換されていてもよく;R4、R5、R6およびR7は、同一であっても異なっていてもよいが、水素原子、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル基、1〜20個の炭素原子を含むアルコキシ基、6〜20個の炭素原子を含むアリール基、6〜20個の炭素原子を含むアリールオキシ基、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル基、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルケニル基、2〜20個の炭素原子を含むアルキニル基を表し、R4、R5、R6およびR7の炭素原子に結合した水素原子の1つまたは複数が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アミノ基、2置換のアミノ基またはシラニル基と置換されていてもよく(これの基の例は上のRのところですでに述べた);
nが、1〜4の整数であり、そしてn1が1〜10、好ましくは1〜4の整数であり;
この繰り返し単位が通常n3回繰り返えされ、このn3はたとえば2〜100の整数である。) - 前記ポリマーが、n3回繰り返えされた繰り返し単位を含み、ここでn3がたとえば2〜100の整数である、請求項23〜32のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ポリマーが、少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含む、いくつかの異なった繰り返し単位を含む、請求項23に記載の組成物。
- 少なくとも1つの不活性なスペーサー基を含む前記ポリマーの前記繰り返し単位が、それぞれ請求項27、28、29、30および31で定義された式(V)、(Va)、(Vb)、(Vc)および(Vd)の繰り返し単位から選択される、請求項34に記載の組成物。
- 前記ポリマーの前記の繰り返し単位が、それぞれx1、x2、x3、x4およびx5回繰り返されるが、ここでx1、x2、x3、x4およびx5が、0〜100 000の整数を表すが、ただし、x1、x2、x3、x4およびx5の中の少なくとも2つは0以外のものである、請求項35に記載の組成物。
- 前記ポリマーが、不活性なスペーサー基を含まない1つまたは複数の繰り返し単位をさらに含む、請求項23〜36のいずれか1項に記載の組成物。
- 不活性なスペーサー基を含まない前記ポリマーの前記繰り返し単位が、x6回繰り返され、ここでx6が0〜100 000の整数を表す、請求項37または38に記載の組成物。
- 前記ポリマーが、400〜10 000の数平均分子量、および500〜1 000 000の重量平均分子量を有する、請求項34〜39のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜41のいずれか1項に記載の組成物を、場合によっては、たとえばディールス・アルダーおよびヒドロシリル化反応触媒のような触媒の存在下に、50〜500℃の温度で熱処理することによって得られる、硬化生成物。
- その内部に可塑化効果を発揮する化合物からなるノジュールが分散されたポリ(エチニレンフェニレンエチニレンシリレン)ポリマーのマトリックスからなる、請求項42に記載の硬化生成物。
- ネットワークが相互貫入している、それぞれ前記ポリマーおよび前記化合物からなる2つの別個のマトリックスからなる、請求項42に記載の硬化生成物。
- 単一のネットワークからなる、請求項42に記載の硬化生成物。
- 請求項1〜41のいずれか1項に記載の組成物を含む、複合材料マトリックス。
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