JP2010159348A - フェノール樹脂硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、産業機械、鉄道車両、荷物車両、自動車用摩擦摺動材、電子・電気部品、接着剤、一般成形材料等として要求される耐熱性を満足させるフェノール樹脂硬化物を提供することである。
【解決方法】一般式(1)
Figure 2010159348

(式中、Rは水素原子あるいはメチル基である。nは1〜30の整数である。)で表されるフェノール樹脂、
一般式(2)
Figure 2010159348

(式中、Rは水素またはフェニル基である。mは1〜30の整数である。)で表される含ケイ素高分子化合物、及び硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物を220℃以上250℃以下の温度で硬化させることにより、重量減少率が低減でき、ガラス転移温度が格段に向上する優れた耐熱性を有するフェノール樹脂硬化物が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂硬化物に関する。
フェノール樹脂は優れた機械的特性、電気特性、耐熱性、および、接着性を有しており、また、成形加工が容易なため、ディスクパッド、ドラムブレーキ用ライニング等の摩擦材用バインダー、半導体封止材や積層板等の電気電子部品、接着剤、そして、一般成形材料として使用されている。しかし、フェノール樹脂のTgは一般に200℃以下であり、200℃から熱分解による重量減少が伴う生成物が観察されてくる。
近年、機器の小型軽量化に伴う運転温度の上昇や、高温使用機器の軽量化に伴い、フェノール樹脂の耐熱性以上の樹脂が必要となってきている。耐熱性の高い樹脂としてPEEKやポリイミドがあるが、樹脂の溶融温度が高いため、成形温度は高く、成形加工が容易とはいえない。また、価格が非常に高いといった問題がある。耐熱性があって、成形加工が容易で、価格が安い樹脂をユーザーから求められている。
特許文献1には、含ケイ素高分子化合物を炭素繊維表面にコーティング後、フェノール樹脂と硬化剤からなる熱硬化樹脂を混合、熱硬化する技術が公開されている。炭素繊維とフェノール樹脂の熱膨張差による剥離等を抑制するために、先ず、複合材料に含ケイ素高分子化合物をコーティングし、その後、フェノール樹脂でコーティングすることで2層形成させている。よって、低温でフェノール樹脂を硬化させ、外側を強靭にさせ、高温で含ケイ素高分子化合物を硬化させ、ガラス繊維との密着性を高める多段階硬化が可能である。こうして得られた複合材料は、引張強度等の機械強度の向上が見られ、耐難燃性を示す酸素指数が示されているが、耐熱性の向上を示すデータは記載されていない。
後述する比較例に示しているが、フェノール樹脂と含ケイ素化合物とを混合して硬化させても、硬化条件によってはフェノール樹脂単体の硬化物より耐熱性が落ちる。文献記載の硬化条件では、フェノール樹脂の硬化後に含ケイ素化合物が硬化するため、フェノール樹脂単体や含ケイ素化合物単体以上の耐熱性が硬化物に付与されるとは言い難い。
また、特許文献2には安価なフェノ−ル樹脂にケイ素ポリマーをブレンドさせ、耐熱性を付与させる技術が公開されている。しかし、ブランクのフェノール樹脂と同様にフェノール樹脂の分解に伴う重量減少が200℃から始まっており、耐熱性が向上したとは言い難く問題があった。
特開平9−324125号公報 特開平11−343387号公報
本発明の課題は、産業機械、鉄道車両、荷物車両、自動車用摩擦摺動材、電子・電気部品、接着剤、一般成形材料等として要求される耐熱性を満足させるフェノール樹脂硬化物を提供することである。
本発明を以下に示す。
[1]一般式(1)
Figure 2010159348
(式中、Rは水素原子あるいはメチル基である。nは1〜30の整数である。)で表されるフェノール樹脂、
一般式(2)
Figure 2010159348
(式中、Rは水素原子、メチル基またはフェニル基である。mは1〜30の整数である。)で表される含ケイ素高分子化合物、
及び硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物を220℃以上250℃以下の温度で硬化反応させて得られるフェノール樹脂硬化物。
[2]フェノール樹脂組成物が
一般式(1)で表されるフェノール樹脂70〜99重量部、
一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物1〜30重量部、
及び
上記フェノール樹脂と含ケイ素高分子化合物の合計100重量部に対して5〜20重量部の硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物である、請求項1に記載のフェノール樹脂硬化物。
[3]硬化剤がヘキサメチレンテトラミンであることを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂硬化物。
本発明によれば、優れた耐熱性を示すフェノール樹脂硬化物を提供することができ、工業的に極めて価値が高い。
[本発明のフェノール樹脂組成物]
本発明のフェノール樹脂組成物は、フェノール化合物と2価の連結基であるメチレン基を有する化合物との交互共重合体である、前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール樹脂と、Si−H基を有するケイ素化合物と2価の連結基であるアルキニル基を2つ有するフェニレン基化合物との交互共重合体である、前記一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物と硬化剤を含有する。
一般式(1)で表されるフェノール樹脂はフェノールノボラック樹脂、o-クレゾールノボラック樹脂、m-クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂が挙げられ、単独でも2種以上のフェノール樹脂を併用しても良いが、フェノールノボラック樹脂が入手しやすく、低価格である、硬化性が優れていることから単独で使用することが特に好ましい。
一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物は
ポリ(シリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)(化学式(3))
Figure 2010159348
、ポリ(シリレンエチニレン−1,4−フェニレンエチニレン)、ポリ(シリレンエチニレン−1,2−フェニレンエチニレン、メチルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)(化学式(4))
Figure 2010159348
、ポリ(メチルシリレンエチニレン−1,4−フェニレンエチニレン)、ポリ(メチルシリレンエチニレン−1,2−フェニレンエチニレン)、ポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)(化学式(5))
Figure 2010159348
、ポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,4−フェニレンエチニレン)、ポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,2−フェニレンエチニレン)が挙げられ、単独でも2種の含ケイ素高分子化合物を併用しても良いが、優れた硬化性、耐熱性を有することから化学式(5)が特に好ましい。
また、本発明のフェノール樹脂と含ケイ素高分子化合物の合計重量を100重量部としたとき、フェノール樹脂が70〜99重量部であり、含ケイ素高分子化合物が1〜30重量部であることが好ましく、フェノール樹脂が80〜95重量部であり、含ケイ素高分子化合物が5〜20重量部であることがより好ましく、フェノール樹脂が80〜90重量部であり、含ケイ素高分子化合物が10〜20重量部であることが特に好ましい。
硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミン、各種の2官能以上のエポキシ化合物、イソシアネート類、トリオキサン及び環状ホルマール等が挙げられる。硬化性、耐熱性等を考慮するとヘキサメチレンテトラミンがより好ましい。硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いる場合、その添加量はフェノール樹脂と含ケイ素化合物との合計重量100重量部に対して通常5〜20重量部、好ましくは7〜15重量部である。5重量部以上では樹脂の硬化が十分であり、また、20重量部以下であると硬化剤の分解ガスの発生が少なく、成形品にふくれ、亀裂などが生じない。
[本発明のフェノール樹脂硬化物]
本発明のフェノール樹脂硬化物は、前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール樹脂と前記一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物及び硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物を220℃以上250℃以下で硬化反応することで得られるフェノール樹脂硬化物である。
[フェノール樹脂の製造方法]
本発明の一般式(1)で表されるフェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド類とを酸触媒存在下で反応させて得られるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
使用するフェノール化合物は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールが挙げられる。好ましくはフェノールである。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用してもよい。
また、2基の連結基の化合物として使用する化合物は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類が挙げられる。より好ましくはホルムアルデヒドである。これらは単独または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。フェノール類とアルデヒド類とを反応する際の触媒としては、酢酸亜鉛等の金属塩類、蓚酸、塩酸、硫酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸類を単独または2種類以上併用して使用できる。通常、触媒の使用量は、フェノール類100重量部に対して0.01〜5重量部である。
[含ケイ素高分子化合物の製造方法]
本発明の一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物の製造方法としては、ジアルコキシシラン化合物やジクロロシラン化合物の加水分解を行う方法、塩基性酸化物、金属水素化物、金属化合物類を触媒としてジエチニル化合物とシラン化合物の脱水素共重合を行う方法(特開平7−90085、特願平9−92424、特願平9−318003)、塩基性酸化物を触媒としてエチニルシラン化合物の脱水素重合を行う方法(特開平9−143271)、有機マグネシウム試薬とジクロロシラン類を反応させる方法(特開平7−102069)、塩化第一銅と三級アミンを触媒としてジエチニル化合物とヒドロシラン化合物の脱水素共重合を行う方法(Hua Qin Liu and John F. Harrod, The Canadian Journal of Chemistry, Vol. 68, 1100-1105(1990))等が使用できるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
[本発明のフェノール樹脂組成物の調製方法]
その製法は、特に限定がなく、公知の方法が全て適用できる。本発明の前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール樹脂と前記一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物及び硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物を調製する方法としては、以下を例示できる。
(a)一般式(1)で表されるフェノール樹脂と一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物と硬化剤を乳鉢、コーヒーミル、ヘンシェルミキサー、ドラムブレンダー、タンブラーブレンダー、ボールミルリボンブレンダー等を用いて粉砕混合する。
(b)一般式(1)で表されるフェノール樹脂と一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物を溶媒中に均一に溶解させ、溶媒を除去、乾燥後に硬化剤を添加し、粉砕混合して使用する。
(b)において、溶解させる場合に使用できる有機溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライムなどのエーテル系溶媒、N,N−ジメチルイミダゾリディノン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの有機極性溶媒などが挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使用することもできる。
[本発明のフェノール樹脂組成物の硬化、熱処理方法]
硬化方法は特に限定がなく、SUS製反応器等の常圧で溶融させ、熱を加える方法、熱プレス機、トランスファ成形機、ロール式混練機、加圧ニーダー、二軸押出機、単軸押出機等の加圧で溶融硬化させる方法等、公知の方法が全て適用できる。具体的には本発明のフェノール樹脂組成物の調製方法で得られたフェノール樹脂組成物を熱プレス機で加温され、保持された金型に投入して加圧しながら、一定時間行う。成形プレスの面圧は5〜100MPaが好ましく、より好ましくは10〜80MPa、特に好ましくは15〜60MPaである。成形温度(=硬化温度)は220℃以上250℃以下が好ましく、さらに好ましくは230℃以上240℃以下である。硬化温度がこの範囲であると、原料であるフェノール樹脂単体の硬化物や含ケイ素化合物に比べて耐熱性の高い硬化物が得られる。その理由は、硬化温度が220℃以上250℃以下であると、フェノール樹脂が硬化剤により熱硬化、架橋すると同時に含ケイ素高分子化合物のSi−H結合基が不飽和の炭素結合基にヒドロシリル化反応および不飽和の炭素結合基どうしのディルスアルダー反応による架橋が起こり、ネットワークポリマーが形成されるためと考えられる。硬化温度が220℃より低下するとフェノール樹脂の硬化反応のみが進行するため、含ケイ素化合物のヒドロシリル化反応及びディルスアルダー反応が阻害され、ネットワークポリマーが形成されないと考えられる。また、250℃より高くなると、硬化剤の分解に伴って発生するガスが増大および硬化剤が昇華するため、ネットワークポリマーの形成が阻害されると考えられる。硬化反応時間は短く過ぎると成形体が保持できない。また、長すぎると成形コストがかかることから、3分以上1時間以下が好ましく、さらに好ましくは5分以上30分以下、特に好ましくは10分以上20分以下である。
このプレス成形品をオーブンでキュアし、熱硬化を完結させる。オーブンの中は特にガスを流さず、空気雰囲気でかまわないが、樹脂特性に影響を及ぼさなければ、空気、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを流通させながら行っても良い。オーブンの温度は220℃以上250℃以下が好ましく、さらに好ましくは230℃以上240℃以下である。熱処理時間は未硬化部分が硬化、架橋するのに必要な時間で構わないので1時間以上20時間以内が好ましく、さらに好ましくは2時間以上10時間以内、特に好ましくは3時間以上7時間以内である。
以下、実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されるものではない。実施例において得られた重合体の物性値は、以下の方法により測定した。
i)重量減少率
実施例および比較例で作製した成形品をTGA−DSC装置(理学(株)社製)を用いて以下の条件で測定した。測定温度レンジは室温〜500℃、昇温速度は10℃/min.、ガス雰囲気は窒素、100ml/min.流通下で行った。
ii)ガラス転移温度(針進入式Tg)測定
実施例および比較例で作製した成形品を、TMA装置(Q400 TA社製)を用いて以下の条件で測定した。測定温度レンジは室温〜700℃、昇温速度は5℃/min.、試験荷重は50gで行った。
[合成例1] (含ケイ素高分子化合物の合成)
特開平7−90085に記載されている方法に基づきポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)を合成した。
粒径が30〜60メッシュの水酸化マグネシウム144gを石英焼成管に仕込み、0.3mmHgの減圧下において350℃で3時間熱分解して100gの酸化マグネシウムを得た。
2000mlのガラス製容器の内部に攪拌羽を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に原料のジエチニルベンゼン50.4g(0.4mol)とフェニルシラン43.2g(0.4mol)及び溶媒としてトルエン800mlを仕込み、撹拌しながら先に得た酸化マグネシウム100gを窒素シール下で加えた。30℃で1時間、40℃で1時間、50℃で1時間、60℃で1時間、さらに80℃で2時間撹拌後、反応液をガラスフィルターで濾過し触媒を除去した。さらに反応液を濃縮後、ヘプタン8000ml中でポリマーを析出させ56.2gの目的生成物であるポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)(MSP−1)が得られた。収率は61%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算重量平均分子量は6700であった。MSP−1の一般式(2)におけるmは10であった。
[実施例1]
フェノールノボラック樹脂(商品名:NVG−2000、群栄化学(株)製)19g、合成例1のポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)1g、ヘキサメチレンテトラミン2.4gをコーヒーミル粉砕機()にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて240℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、240℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
なお、NVG−2000の構造式は、下記の通りである。
Figure 2010159348
[実施例2]
フェノールノボラック樹脂(商品名:NVG−2000、群栄化学(株)製)18g、ポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)2g、ヘキサメチレンテトラミン2.4gをミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて240℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、240℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
[実施例3]
フェノールノボラック樹脂(商品名:NVG−2000、群栄化学(株)製)16g、合成例1のポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)4g、ヘキサメチレンテトラミン2.4gをミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて240℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、240℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
[比較例1]
フェノールノボラック樹脂(商品名:NVG−2000、群栄化学(株)製)20g、合成例1のヘキサメチレンテトラミン2.4gをミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて240℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、240℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
[比較例2]
合成例1のポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)10g、をミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて240℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、240℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
[比較例3]
フェノールアラルキル樹脂(商品名:XL−225、三井化学(株)製)20g、ヘキサメチレンテトラミン2.4gをミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて240℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、240℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
[比較例4]
フェノールノボラック樹脂(商品名:NVG−2000、群栄化学(株)製)19g、合成例1のポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)1g、ヘキサメチレンテトラミン2.4gをミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて200℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、200℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
[比較例5]
フェノールノボラック樹脂(商品名:NVG−2000、群栄化学(株)製)19g、合成例1のポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)1g、ヘキサメチレンテトラミン2.4gをミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて270℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、270℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
[比較例6]
フェノールアラルキル樹脂(商品名:XL−225、三井化学(株)製)16g、合成例1のポリ(フェニルシリレンエチニレン−1,3−フェニレンエチニレン)4g、ヘキサメチレンテトラミン2.4gをミニブレンダー(MB−2 大阪ケミカル(株)製)にて1分間、粉砕混合した。粉砕したフェノール樹脂組成物熱プレス機にて240℃で10分間、20MPaの加圧下でプレス成形した。その後、240℃で5時間、Air雰囲気下で熱処理した。
実施例、比較例の結果を表1に示す。
Figure 2010159348
[実施例と比較例に関する考察]
i)重量減少率
比較例1は、フェノールノボラック樹脂と硬化剤で硬化、熱処理したフェノール樹脂硬化物の300℃の重量減少率は−2.39%だった。含ケイ素高分子化合物を配合、硬化、熱処理したフェノール樹脂硬化物の実施例1〜3は−1.74%〜−0.15%と重量減少率は低減できる。比較例4、5は実施例1の配合のままで、硬化、熱処理温度を200℃、及び270℃で行ったが、−2.52%および−2.73%とフェノールノボラック樹脂単体を硬化させた場合に比べて重量減少率は低減できなかった。
比較例3はフェノールアラルキル樹脂と硬化剤で硬化、熱処理したフェノール樹脂硬化物の400℃の重量減少率は−0.53%だった。含ケイ素高分子化合物を配合、硬化、熱処理したフェノール樹脂硬化物の比較例6は−0.71%と重量減少率は低減できなかった。
ii)ガラス転移温度(Tg)
比較例1は、フェノールノボラック樹脂と硬化剤で硬化、熱処理したフェノール樹脂硬化物のTgは436.8℃だった。比較例2は含ケイ素高分子化合物を硬化、熱処理した硬化物のTgは418℃だった。実施例1〜3は469.1〜524.4℃とTgが高くなる。比較例4、5は実施例1の配合のままで、硬化、熱処理温度を200℃、及び270℃で行ったが、Tgは422.3℃、及び425.1℃とフェノールノボラック樹脂単体を硬化させた場合に比べてTgは上昇しなかった。
比較例3はフェノールアラルキル樹脂と硬化剤で硬化、熱処理したフェノール樹脂硬化物のTgは487.5℃だった。含ケイ素高分子化合物を配合、硬化、熱処理したフェノール樹脂硬化物の比較例6は471.6℃とTgは上昇しなかった。
上記の通り、フェノール化合物と2価の連結基であるメチレン基を有する化合物との交互共重合体であるフェノール樹脂、Si−H基を有するケイ素化合物と2価の連結基であるアルキニル基が2つ有するフェニレン基化合物との交互共重合体である含ケイ素高分子化合物、及び硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物を特定の温度で硬化反応させることにより、耐熱性能を大幅に向上させることができた。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2010159348
    (式中、Rは水素原子あるいはメチル基である。nは1〜30の整数である。)で表されるフェノール樹脂、
    一般式(2)
    Figure 2010159348
    (式中、Rは水素原子、メチル基またはフェニル基である。mは1〜30の整数である。)で表される含ケイ素高分子化合物、
    及び硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物を220℃以上250℃以下の温度で硬化反応させて得られるフェノール樹脂硬化物。
  2. フェノール樹脂組成物が
    一般式(1)で表されるフェノール樹脂70〜99重量部、
    一般式(2)で表される含ケイ素高分子化合物1〜30重量部、
    及び
    上記フェノール樹脂と含ケイ素高分子化合物の合計100重量部に対して5〜20重量部の硬化剤を含有するフェノール樹脂組成物である、請求項1に記載のフェノール樹脂硬化物。
  3. 硬化剤がヘキサメチレンテトラミンであることを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂硬化物。
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CN105924601A (zh) * 2016-05-26 2016-09-07 中国科学院上海有机化学研究所 可直接热固化的含三氟乙烯基醚芳基的酚醛树脂、制备方法及应用

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