JP4956293B2 - 熱硬化性樹脂、及びそれを含む熱硬化性組成物、並びにそれから得られる成形体 - Google Patents
熱硬化性樹脂、及びそれを含む熱硬化性組成物、並びにそれから得られる成形体 Download PDFInfo
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より具体的には、従来のベンゾオキサジン環を有する樹脂よりも、電気特性が良好で、電子材料用途に好適な熱硬化性樹脂を提供することにある。
〔式中、X、Yは炭素数1〜10の有機基であり、窒素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい。l、mは0〜3の整数を表す。Aは−CH2−であり、nは1〜50の整数を表す。〕
2.前記1に記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含み、さらに別の熱硬化性樹脂を含む熱硬化性組成物。
3.前記1に記載の熱硬化性樹脂または前記2に記載の熱硬化性組成物を成形して得られる成形体。
4.前記3に記載の成形体を硬化させて得られる硬化体。
5.前記1に記載の熱硬化性樹脂、前記2に記載の熱硬化性組成物、前記3に記載の成形体、前記4に記載の硬化体の何れか一つを含む電子機器。
〔式中、Xは炭素数1〜10の有機基であり、窒素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい。lは0〜3の整数を表す。Aは−CH2−であり、nは1〜50の整数を表す。〕
〔式中、X、Yは炭素数1〜10の有機基であり、窒素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい。l、mは0〜3の整数を表す。Aは−CH2−であり、nは1〜50の整数を表す。〕
このような構成とすることにより、架橋するジヒドロベンゾオキサジン環のフェノール核が側鎖に存在するため、従来のフェノールノボラック型ベースのベンゾオキサジンと比較して架橋性が向上する。
また、架橋前に高分子量化できるため、強靭性が増し、またフィルム成形性を付与することができる。 さらに、安価な原料から容易に合成することができる。
リフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、メラミン樹脂、ユリ
ア樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド系樹脂
、アルキド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等が挙げられる。これら
のなかでは、この組成物から形成される成形体の耐熱性をより向上させ得る観点から、エ
ポキシ系樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂がより好ましい。これらの他の
熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
1級アミノ基を分子内に複数有する化合物を使用する場合には、フェノール性水酸基を分
子内に一つのみ有する化合物を使用する。この分子内に少なくとも1つのジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充
填剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を含有していてもよい。これらはそれぞれ
単独で用いられてもよく、2種以上が併用して用いられても構わない。また該熱硬化性組
成物を調製する際に、反応性あるいは非反応性の溶剤を使用することもできる。また、前
記のように溶媒で溶液状態にしたものは、ワニスとしても使用することが出来る。樹脂固
形分としては重量%で5から95%の形態で使用してもよい。
硬化性組成物を耐熱性の不織布、織布、多孔質膜に含浸させて複合化してもよい。前記耐
熱性の不織布、織布、多孔質膜基材の材料として、ガラス、PTFE、LCP(液晶プラ
スチック)、ポリエチレン、ポリプロピレン、カーボンファイバー等が挙げられる。
本発明の成形体は、前記熱硬化性樹脂または前記熱硬化性組成物を成形して得られる。前記熱硬化性樹脂及び前記熱硬化性組成物は硬化前にも成形性を有しており、シート状、板状、筐体などの形に押し出し成形、射出成形、などの製法で前記成形体に成形可能である。前記成形体に対して、熱をかけて硬化させて硬化体を得ることができる。
本発明の硬化体は、前記成形体を硬化させて得られる。
、ジヒドロベンゾオキサジン化合物を開環重合する際に一般的に使用されている任意の硬
化促進剤を使用でき、例えば、カテコール、ビスフェノールA等の多官能フェノール類、
p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等のスルホン酸類、安息香酸、サリ
チル酸、シュウ酸、アジピン酸等のカルボン酸類、コバルト(II)アセチルアセトネート
、アルミニウム(III) アセチルアセトネート、ジルコニウム(IV)アセチルアセトネート
等の金属錯体、酸化カルシウム、酸化コバルト、酸化マグネシウム、酸化鉄等の金属酸化
物、水酸化カルシウム、イミダゾール及びその誘導体、ジアザビシクロウンデセン、ジア
ザビシクロノネン等の第三級アミン及びこれらの塩、トリフェニルホスフィン、トリフェ
ニルホスフィン・ベンゾキノン誘導体、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボロン塩
、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート等のリン系化合物及びその誘導
体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
誘電正接が上昇して誘電特性が悪化したり、機械的物性に悪影響を及ぼしたりする場合が
あるので、一般に、前記熱硬化性樹脂100重量部に対し硬化促進剤を好ましくは5重量
部以下、より好ましくは3重量部以下の割合で用いることが望ましい。
本発明の電子機器は、前記熱硬化性樹脂、前記熱硬化性組成物、前記成形体、前記硬化体の何れか一つを含む。
ここで、電子機器としては、具体的には、携帯電話、表示機器、車載機器、コンピュー
タ、通信機器等が挙げられる。
その他、航空機部材、自動車部材、建築部材、等の用途にも使用することができる。
また、導電材料、特に金属フィラーの耐熱性結着剤として利用して、直流または交流の
電流を流すことができる回路を形成する用途に用いてもよい。
ものではない。
1)ベンゾオキサジン樹脂の合成
アニリン樹脂(三井化学製MDA150)16.1gをクロロホルムに溶解し、フェノール15.1g、パラホルムアルデヒド10.1gを投入し、加熱還流下で10時間反応させた。反応後の溶液を0.5NのNaOH水溶液で洗浄し、次いでイオン交換水で洗浄する。有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて一夜放置後、減圧乾燥により、下記構造のベンゾオキサジン樹脂を約30g得た。
得られた重合体をトルエンに溶解して、離型PETフィルム上に塗布し、加熱乾燥および210℃で1時間硬化させることにより硬化フィルムを作製した。
得られたフィルムを容量法により誘電特性を評価した結果、ε=3.0、tanδ=0.005(1GHz)の値を得た。またTGA法により、10℃/分の昇温速度で5%重量減少温度(Td5)を評価したところ、空気雰囲気下で421℃の値を示した。
1)ベンゾオキサジン樹脂の合成
アニリン樹脂(三井化学製MDA150)17.1gをクロロホルムに溶解し、ビスフェノールA 9.8g、フェノール8.6g、パラホルムアルデヒド10.3gを投入し、加熱還流下で8時間反応させた。反応後の溶液を0.5NのNaOH水溶液で洗浄し、次いでイオン交換水で洗浄した。有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて一夜放置後、減圧乾燥により溶剤を留去してベンゾオキサジン樹脂を約35g得た。
得られた重合体をトルエンに溶解して、離型PETフィルム上に塗布し、加熱乾燥および220℃で2時間硬化させることにより硬化フィルムを作製した。
得られたフィルムを、容量法により誘電特性を評価した結果、ε=3.1、tanδ=0.005(1GHz)の値を得た。またTGA法により、10℃/minの昇温速度で5%重量減少温度(Td5)を評価したところ、空気雰囲気下で404℃の値を示した。
Claims (5)
- 請求項1に記載の熱硬化性樹脂を少なくとも含み、さらに別の熱硬化性樹脂を含む熱硬化性組成物。
- 請求項1に記載の熱硬化性樹脂または請求項2に記載の熱硬化性組成物を成形して得られる成形体。
- 請求項3に記載の成形体を硬化させて得られる硬化体。
- 請求項1に記載の熱硬化性樹脂、請求項2に記載の熱硬化性組成物、請求項3に記載の成形体、請求項4に記載の硬化体の何れか一つを含む電子機器。
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