JP2006257136A - ノボラック型フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ランダムノボラック型フェノール樹脂の硬化性を改善し、更に特別の反応工程を経なくとも、高融点のハイオルソノボラック型フェノール樹脂を製造する事が出来る製造方法、これとヘキサメチレンテトラミンを含有した組成物を提供すること。
【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類とを、ホウ酸マンガンの存在下、或いは硼酸マンガンとホウ酸の存在下、フェノール類とホルムアルデヒド類のモル比〔(ホルムアルデヒド類)/(フェノール類)〕が0.5〜0.7となるような範囲で反応させることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法、前記製造方法で得られたノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし。
【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類とを、ホウ酸マンガンの存在下、或いは硼酸マンガンとホウ酸の存在下、フェノール類とホルムアルデヒド類のモル比〔(ホルムアルデヒド類)/(フェノール類)〕が0.5〜0.7となるような範囲で反応させることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法、前記製造方法で得られたノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法に関するものであり、特にオルソ−オルソ結合の多いハイオルソ型フェノール樹脂の製造方法に関するものである。更に詳しく言えば、ハイオルソ型ノボラック樹脂を製造する際に特定の触媒を用いる事により、得られるハイオルソ型樹脂の分子量を大きくし、高い融点の製品を得る事によって、保存性、作業性、柔軟性、耐熱物性に優れたハイオルソ型ノボラック樹脂を提供するものである。このハイオルソ型ノボラック樹脂は摩擦材用結合剤、研削砥石用結合剤、有機・無機基材を用いる各種成型材料用結合剤、熱可塑性樹脂の改質剤、或いは固形レゾール型樹脂と組み合わせたノンヘキサ型樹脂の製造、溶剤に溶解し他の液状フェノール樹脂の改質等各種産業用途に有用な樹脂を提供するものである。
従来、一般的なノボラック型フェノール樹脂はハイオルソ型に比較してランダム型と呼称されているが、その製造方法はホルムアルデヒド類とフェノール類を有機酸または無機酸を用いて100〜120℃の温度、常圧下で数時間反応させ、最終温度が180〜200℃になる迄水を蒸留除去し、必要に応じて減圧化で未反応フェノールモノマーを除去する事により製造されている。このランダムノボラック樹脂はハイオルソ型に比較して硬化性に劣り、加工時により高い温度や長い時間を有する場合が多い。
一方、ハイオルソノボラック型フェノール樹脂は、触媒として2価金属塩、2価金属の酸化物或いは水酸化物及びこれらの組合せ、更に酸性化合物との組合せなどが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ハイオルソ型フェノール樹脂を製造する際に、触媒を用いず高圧下で反応させる方法(特開平6−345837号公報)が提案されているが、この場合は高融点の製品が得られるが反応時に圧力をかける等特別の操作必要とするものであった。また、2価金属塩として代表的な触媒である酢酸亜鉛を用いた場合は、その融点を一定以上(例えば、80℃以上)に上げる事が困難であり保存性などに課題を残している。仮に融点を上げようとし、ホルムアルデヒド類とフェノール類とのモル比を上げると製造工程でゲル化してしまう問題があった。
本発明の目的は、ランダムノボラック型フェノール樹脂の硬化性を改善し、更に特別の反応工程を経なくとも、高融点のハイオルソノボラック型フェノール樹脂を製造する事が出来る製造方法を提供すること、ハイオルソ型ノボラック樹脂とノボラック樹脂に使用される一般的な硬化剤であるヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミン)を混合した組成物を提供するものである。
本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、ハイオルソ型ノボラック樹脂を製造する際に触媒として用いる2価金属塩がホウ酸マンガンであり、且つ、ホルムアルデヒド類(F)とフェノール類(P)を反応させる際のモル比が(F)/(P)=0.5〜0.7であれば、特別な反応工程や原料を用いずに高融点のハイオルソ型ノボラック樹脂を製造する事が出来ることを見出し、発明を完成させた。
即ち本発明は、フェノール類とアルデヒド類とを、ホウ酸マンガンの存在下、或いは硼酸マンガンとホウ酸の存在下、フェノール類とホルムアルデヒド類のモル比〔(ホルムアルデヒド類)/(フェノール類)〕が0.5〜0.7となるような範囲で反応させることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法、前記製造方法で得られたノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを含有する硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明の製造方法で得られたハイオルソ型ノボラック樹脂はオルソ/パラ比が高く、且つ高軟化点であり、使用時のハンドリング性、樹脂の保存性、硬化性に優れる事は明らかであり、各種成型材料、研削砥石用結合剤、レジスト材料、熱可塑性樹脂の変性剤、摩擦材用結合剤等工業用材料として有用である。また、従来のランダム型ノボラック樹脂と同等以上の融点と、より優れた硬化性を有するノボラック型フェノール樹脂を製造する事が出来るのでノボラック型フェノール樹脂を硬化させる際に使用される一般的な硬化剤であるヘキサミンと混合する事によって、工業的な用途として有用であるフェノール樹脂組成物を提供するものである。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法としては、フェノール類とアルデヒド類とを、ホウ酸マンガンの存在下、或いはホウ酸マンガンとホウ酸の存在下、フェノール類とホルムアルデヒド類のモル比〔(ホルムアルデヒド類)/(フェノール類)〕が0.5〜0.7となるような範囲で反応させノボラック型フェノール樹脂を得るものである。その反応方法としては、種々の方法が挙げられるが、例えば、フェノール類とアルデヒド類とをホウ酸マンガンの存在下で、常圧下、100〜110℃で反応を行う第一の工程、130〜135℃の温度まで、常圧或いは減圧脱水を行う第二の工程、130℃〜135℃で還流下、メチレン化を進行させる第三の工程、常圧脱水で180〜200℃まで温度を上昇させる第四の工程、及び、180℃〜200℃で減圧下脱モノマーする第五の工程から構成される方法が挙げられる。
本発明に用いるフェノール類としては、特に限定されるものではなく、たとえばフェノール、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、などが挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。
本発明に用いるアルデヒド類は、特に限定されるものではないが、取扱いの容易さの点からホルムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒドとしては、限定するものではないが、代表的な供給源としてホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
本発明に用いるオルソ/パラ比を高くするための触媒はホウ酸マンガン又はホウ酸マンガンとホウ酸の共存触媒に限定される。ホウ酸マンガンの好ましい使用量はフェノール100重量部に対して0.05〜3.0重量部である。特に好ましくは0.1〜1.0重量部である。なお、前記ホウ酸マンガンは、2価のマンガンのホウ酸塩であれば、特に限定されず、これらの例としては、オルトホウ酸マンガン(II)〔Mn3(BO3)2〕、メタホウ酸マンガン(II)〔Mn(BO2)2〕、四ホウ酸マンガン(II)〔MnB4O7〕等が挙げられる。これらのホウ酸マンガンは、水溶液で用いても良いし、無水塩、有水塩の形で使用することが可能である。
本発明に使用されるアルデヒド類(F)とフェノール類(P)のモル比(F)/(P)は、0.5〜0.7である事が好ましい。特に好ましくは0.55〜0.68の間である。モル比が0.5以下となると仕込みフェノールに対する得られる樹脂の収率が悪くなり又高融点の樹脂が得られにくく工業的に好ましくない。また、0.7を越えるとゲル化する場合がある。
また、前記の触媒として、ホウ酸マンガンに加えて、ホウ酸をフェノール仕込量100重量部に対して0.1〜3.0重量部の割合で添加して反応を進めても良い。ホウ酸を併用することで、特に、アルデヒド類(F)とフェノール類(P)のモル比(F)/(P)が0.7付近で、反応させた場合に樹脂のゲル化が起こりにくい点で好ましい。
本発明におけるフェノール核に対するメチレン結合のオルソ位/パラ位の比率(o/p比)とは核磁気共鳴法(13C−NMR)で容易に求めることが出来る。オルソ/パラ比は次式で表される。
o/p比={(オルソ位同志でを架橋しているメチレン結合数)+(オルソ位とパラ位とで架橋しているメチレン結合の1/2)}/{(パラ位同志で架橋しているメチレン結合数)+(オルソ位とパラ位とで架橋しているメチレン結合数の1/2)}
前記o/p比は実質的に2.0以上で、4.0以下程度が好ましい。更に実際的には2.0〜3.5程度が好ましい範囲である。2.0以下であると硬化速度が速くなくランダムノボラック樹脂に対する成型性の点で優位性が充分でない。また4.0以上であると一般的な硬化剤であるヘキサミンの使用量によっては硬化速度が速すぎ、また成型する場合などにヘキサミンから発生するガスの除去タイミングが困難になるなどの問題が発生する場合も考えられる。しかし4.0以上であっても硬化剤として用いるヘキサミン量を調整することによっては実質的な使用は可能である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の製造方法で得られたハイオルソ型ノボラック樹脂を硬化させる方法としてはホルムアルデヒド源としてヘキサミンが一般的であるが、その使用量は一般的には3〜20重量部であるが、硬化速度の調整、硬化物の機械的物性等を考慮すると、3〜15重量部が適量である。ヘキサミンの添加形態としては得られた固形樹脂をヘキサミンと混合粉砕する方法や、固形樹脂とヘキサミンをニーダーやロールの如き熱混合機を用いて混合しても良い。また、得られた固形樹脂をメチルエチルケトンやエーテルの様な溶剤にヘキサミンと共に溶解し用いる方法も可能である。本発明のノボラック樹脂はヘキサミン硬化だけでなくフェノール性OH基と反応する物質、例えば2官能以上のポリグリシジル基を持つ物質、カルボキシル基を有する化合物、エチレン性不飽和2重結合を有する物質などを硬化剤として用いることも可能であり、また、メチロール基を有するレゾール型フェノール樹脂と同時に混合粉砕しヘキサミンを使用しない硬化性組成物を得る事も出来る。レゾール樹脂と共にヘキサミンを使用した複合硬化も可能である。
本発明のハイオルソ型フェノール樹脂の用途としては樹脂の硬化性、硬化物の持つ耐熱性等を利用し有機・無機各種成型材料用結合剤、ゴムとの相溶性を利用したゴム配合剤、研削材用結合剤、摩擦材用結合剤等、一般的なフェノール樹脂の工業的用途に好適に用いられる。
以下本発明を実施例に基づき更に具体的に説明する。なお、特に断らない限り、「%」は重量%を、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。
実施例1
フェノール940部、41.5%ホルマリン398部、およびホウ酸マンガン((MnB4O7・H20)4部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて4時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置(シイベル機械株式会社製)で測定した融点が100℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=5.50/10.0(モル比)
13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.2であった。
フェノール940部、41.5%ホルマリン398部、およびホウ酸マンガン((MnB4O7・H20)4部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて4時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置(シイベル機械株式会社製)で測定した融点が100℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=5.50/10.0(モル比)
13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.2であった。
実施例2
フェノール940部、41.5%ホルマリン434部、およびホウ酸マンガン4.7部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて4時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置で測定した融点114℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=6/10(モル比)
13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.4であった。
フェノール940部、41.5%ホルマリン434部、およびホウ酸マンガン4.7部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて4時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置で測定した融点114℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=6/10(モル比)
13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.4であった。
実施例3
フェノール940部に41.5%ホルマリン452部、およびホウ酸マンガン2.35部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて3時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置で測定した融点115℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.2であった。
〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=6.25/10(モル比)
フェノール940部に41.5%ホルマリン452部、およびホウ酸マンガン2.35部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて3時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置で測定した融点115℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.2であった。
〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=6.25/10(モル比)
実施例4
フェノール940部に41.5%ホルマリン470部、およびホウ酸マンガン0.94部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置で測定した融点117℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は2.8であった。
〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=6.5/10(モル比)
フェノール940部に41.5%ホルマリン470部、およびホウ酸マンガン0.94部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、全自動融点測定装置で測定した融点117℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は2.8であった。
〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=6.5/10(モル比)
実施例5
フェノール940部に41.5%ホルマリン506部、およびホウ酸マンガン4.7部、ホウ酸(H3BO3)4.7部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、融点116℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は2.8であった。
〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=7.0/10(モル比)
フェノール940部に41.5%ホルマリン506部、およびホウ酸マンガン4.7部、ホウ酸(H3BO3)4.7部を加え、100℃まで昇温した。100℃にて5時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去し、融点116℃のハイオルソ型ノボラック樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は2.8であった。
〔(ホルムアルデヒド)/(フェノール)〕=7.0/10(モル比)
比較例1
フェノール940部、41.5%ホルマリン434部、およびホウ酸亜鉛4.7部を加え、発熱に注意しながら徐々に100℃まで昇温した。100℃にて4時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで2時間かけて昇温した。次に減圧下、190℃にて未反応のフェノールを除去し、融点78℃のハイオルソ型フェノール樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.2であった。
フェノール940部、41.5%ホルマリン434部、およびホウ酸亜鉛4.7部を加え、発熱に注意しながら徐々に100℃まで昇温した。100℃にて4時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら130℃まで2時間かけて昇温した。次に還流下にて1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら190℃まで2時間かけて昇温した。次に減圧下、190℃にて未反応のフェノールを除去し、融点78℃のハイオルソ型フェノール樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.2であった。
比較例2
フェノール940部(10モル)、41.5%ホルマリン579部(0.80モル)、蓚酸4.7部を加え、100℃で3時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら180℃まで昇温し、減圧下にて未反応のフェノールを除去し、融点86℃のランダムノボラック型フェノール樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は1.1であった。
フェノール940部(10モル)、41.5%ホルマリン579部(0.80モル)、蓚酸4.7部を加え、100℃で3時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら180℃まで昇温し、減圧下にて未反応のフェノールを除去し、融点86℃のランダムノボラック型フェノール樹脂を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は1.1であった。
比較例3
フェノール940部、41.5%ホルマリン434部、酢酸亜鉛3部を加え、発熱に注意し100℃迄昇温し、100℃にて4時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら130℃まで昇温した。還流化130℃で1時間反応した後常圧下水を除去しながら180℃迄昇温し、ついで減圧下にて未反応のフェノールを除去し、融点68℃のフェノール樹脂組成物を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.0であった。
フェノール940部、41.5%ホルマリン434部、酢酸亜鉛3部を加え、発熱に注意し100℃迄昇温し、100℃にて4時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら130℃まで昇温した。還流化130℃で1時間反応した後常圧下水を除去しながら180℃迄昇温し、ついで減圧下にて未反応のフェノールを除去し、融点68℃のフェノール樹脂組成物を得た。13C−NMRを用いて求めた樹脂組成物のo/p比は3.0であった。
比較例4
フェノール940部、41.5%ホルマリン542部、(F/Pモル比=0.75)ホウ酸マンガン4.7部を加え、100℃迄昇温し、100℃にて4時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら130℃まで昇温した。還流化130℃でのメチレン化反応中にゲル化した。
フェノール940部、41.5%ホルマリン542部、(F/Pモル比=0.75)ホウ酸マンガン4.7部を加え、100℃迄昇温し、100℃にて4時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら130℃まで昇温した。還流化130℃でのメチレン化反応中にゲル化した。
実施例1〜5、比較例1〜3のフェノール樹脂90部に対してヘキサミン10部を加えて微粉砕機にて粉砕混合した。硬化速度は熱板温度150℃のキュアープレート上で硬化するまでの時間を測定した。
反応条件及び得られたノボラック樹脂のo/p比、ヘキサミン添加後の硬化性測定結果を以下、表1、2に示す。
本発明の触媒としてホウ酸マンガン、及びホウ酸マンガンとホウ酸を用いたハイオルソ型ノボラック樹脂は、従来のハイオルソ型に用いられている触媒である酢酸亜鉛やホウ酸亜鉛を用いたハイオルソ樹脂やランダムノボラック樹脂に比較して高融点であり、更にハイオルソ型ノボラック樹脂の特徴である硬化速度が速いという特性を有している。
Claims (5)
- フェノール類とアルデヒド類とを、触媒としてホウ酸マンガンの存在下、フェノール類とホルムアルデヒド類のモル比〔(ホルムアルデヒド類)/(フェノール類)〕が0.5〜0.7となるような範囲で反応させることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記触媒として、更にホウ酸を併用する請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記ノボラック型フェノール樹脂の融点が80℃〜120℃である請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 前記ノボラック型フェノール樹脂がオルソ結合/パラ結合比率(o/p比)が2.0〜4.0である請求項1、2又は3に記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法。
- 請求項1〜4の何れか1つに記載のノボラック型フェノール樹脂の製造方法で得られたノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを含有する硬化性樹脂組成物。
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