JP5376238B2 - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

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本発明は、水希釈性が良好であり、かつ、残存モノマーの少ない環境負荷が軽減されたレゾール型フェノール樹脂の製造方法に関する。
フェノール樹脂は、耐熱性、接着性、機械的特性、電気的特性、価格優位性等に優れることから、摩擦材用結合剤、発泡成形体、研削材用結合剤、木材用接着剤、積層材用結合剤、鋳型用結合剤、鋳物中子用結着剤、コーティング剤、エポキシ樹脂硬化剤等として幅広く使用されている。斯かるフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるものであり、触媒としてアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物を用いるアルカリレゾール樹脂、またアンモニアを用いるアンモニアレゾール樹脂、2価金属塩を用いるハイオルソ型樹脂、触媒として酸類を用いたノボラック樹脂等が一般的に知られている。
近年、環境負荷軽減の観点、安全性の点から有機溶剤使用量を用いない、或いは有機溶剤使用量の少ない材料が求められており、この点から水希釈性の高いレゾール樹脂が求められている。しかしながら、かかるレゾール樹脂の水希釈性は、通常、レゾール樹脂の分子量が小さくなるにつれて向上するため、低分子量化により水希釈性を高めようとする場合、硬化物強度や耐熱性が低下してしまうという問題がある他、フェノールとホルマリンとの重縮合反応において反応が十分に進行していない、或いは、フェノールに対してホルマリンを過剰に使用する必要から残存フェノールや、揮発性の残存ホルマリンが多くなり、やはり環境負荷を増大させるものであった。とりわけ、レゾール樹脂は、水性化が可能であるものの、自己硬化型の熱硬化性樹脂であるために高温下での蒸留ができず、未反応フェノール類、アルデヒド類、或いは1核体成分などの残存モノマーが樹脂中に残存し易いものであった。
従来より、環境負荷軽減の観点からレゾール樹脂の残存モノマーを低減する手段としては、例えば、ホルマリンとフェノールとを反応させてレゾール樹脂を得た後に、エチレン尿素を加え系内に残存する未反応ホルムアルデヒドと反応させることによって未反応ホルムアルデヒド量を低減させる技術が知られている(下記特許文献1参照)。然し乍ら、斯かる技術は残存モノマー量を低減させるには有効な手段ではあるものの、水希釈性を向上させる効果はない。レゾール樹脂の水希釈性を高めるには、反応時間を短くして分子量が小さくなるようにすればよいが、この場合、多量の未反応ホルムアルデヒドが残存する為、高価なエチレン尿素を多量に加える必要があり、経済性に劣る他、機械的強度の低下などの弊害が生じるものであった。
このように、レゾール樹脂の分野では、残存モノマー量の低減を図りながら、水希釈性を向上させる技術が存在しないのが現状であった。
特開2009−13298号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた水希釈性を有し、かつ、残存モノマー量が低減されたレゾール型フェノール樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、先ず、低粘度のレゾール樹脂を製造し、次いで、これに所定量のホルムアルデヒド(F’)とアルカノン(A)とをアルカリ存在下で反応させることにより、高粘度であり乍らも水希釈性に優れ、かつ、揮発成分が少ないレゾール樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)とを、両者のモル比[フェノール類(P)/ホルムアルデヒド(F)]が1/0.5〜1/1.2となる割合で、アルカリ触媒の存在下に反応させてレゾール樹脂(R)を得(工程1)、次いで、これにアルカノン(A)及びホルムアルデヒド(F’)を、これらのモル比[ホルムアルデヒド(F’)/アルカノン(A)]が3/1〜8/1となる割合であって、かつ、前記フェノール類(P)に対するアルカノン(A)のモル比[アルカノン(A)/フェノール類(P)]が0.1/1〜1/1となる割合で混合し、アルカリ触媒存在下に反応させる(工程2)ことを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関する。
本発明によれば、高粘度でありながら優れた水希釈性を有し、かつ、残存モノマー量が低減されたレゾール型フェノール樹脂の製造方法を提供することにある。
本発明の製造方法は、前記した通り、先ず、工程1としてフェノール類(P)及びホルムアルデヒド(F)を、両者のモル比[フェノール類(P)/ホルムアルデヒド(F)]が1/0.5〜1/1.2となる割合で、アルカリ触媒の存在下で反応させてレゾール樹脂(R)を得る。このモル比で両者を反応させることにより、最終的なレゾール樹脂の分子量を実用的なレベルにまで高めることができる。ホルムアルデヒド(F)の使用割合がモル比[フェノール類(P)/ホルムアルデヒド(F)]で1/0.5よりも少ない場合には、次工程である工程2を経て最終的に得られるレゾール樹脂の水希釈性が低くなる他、十分な分子量も得られない。一方、ホルムアルデヒド(F)の使用割合がモル比[フェノール類(P)/ホルムアルデヒド(F)]で1/1.2よりも多い場合は、やはり最終的に得られるレゾール樹脂の分子量が低くなる他、残存ホルムアルデヒド量も多くなる。
工程1の反応方法は、具体的には、先ずフェノール類(P)及びホルムアルデヒド(F)を仕込み、これにアルカリ触媒を加えて反応させる方法が挙げられる。
ここで用いるフェノール類(P)としては、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも特に最終的に得られるレゾール樹脂の水希釈性、及び反応性の点からフェノール及びクレゾールが好ましい。
また、ホルムアルデヒド(F)のホルムアルデヒド源としては、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等が挙げられる。ここで、ホルマリンは水希釈性や製造時の作業性の点から35〜60質量%のホルマリンであることが好ましい。
前記アルカリ触媒は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、アンモニア、モノエタノールアミン等の第1級アミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン等の第3級アミン等のアミン系化合物、あるいはナトリウムリン酸塩、カリウムリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサメチレンテトラミン等のアルカリ性物質等が挙げられる。
これらのなかでも高い水希釈性が得られる点からアルカリ金属の水酸化物が好ましい。また、前記アルカリ触媒は、反応系のpHが7.5〜11となるように用いることが反応性の点から好ましい。
次に、本発明の製造方法における工程2は、上記の様にして得られたレゾール樹脂に、アルカノン(A)とホルムアルデヒド(F’)とをアルカリ触媒下に反応させる工程である。工程2における各成分の反応割合は、アルカノン(A)とホルムアルデヒド(F’)とのモル比[ホルムアルデヒド(F’)/アルカノン(A)]が3/1〜8/1となる割合であって、かつ、前記工程1で用いた前記フェノール類(P)に対するアルカノン(A)の割合[アルカノン(A)/フェノール類(P)]のモル比が0.1/1〜1/1となる割合である。
ここで、アルカノン(A)1モルに対するホルムアルデヒド(F’)のモル比[ホルムアルデヒド(F’)/アルカノン(A)]が3以上にすることにより得られるレゾール樹脂の水希釈性が飛躍的に向上する。一方、該モル比が8以下とすることによりレゾール樹脂中の残存ホルムアルデヒド量を低減することができる。また、工程2で用いるアルカノン(A)の量は、工程1で用いたフェノール類(P)1モルに対するモル比[アルカノン(A)/フェノール類(P)]が0.1/1以上であることからレゾール樹脂の分子量が高くなり、残存モノマー量が低減する。他方、アルカノン(A)の量がモル比[アルカノン(A)/フェノール類(P)]が1/1以下であることからレゾール樹脂中の残存アルカノン量を低減でき揮発成分量を低くすることができる。
工程2において用いられるアルカノン(A)は、具体的には、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられるが、反応性が良好で分子量がより高くなる点からアセトンであることが好ましい。
工程2において用いられるホルムアルデヒド(F’)は、工程1の場合と同様にそのホルムアルデヒド源として、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等が挙げられる。また、ホルマリンは水希釈性や製造時の作業性の点から30〜60質量%のホルマリンであることが好ましい。
また、工程2の反応で用いる前記アルカリ触媒は、前記工程1で用いたものが何れも使用でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、アンモニア、モノエタノールアミン等の第1級アミン、ジエタノールアミン等の第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン等の第3級アミン等のアミン系化合物、あるいはナトリウムリン酸塩、カリウムリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサメチレンテトラミン等のアルカリ性物質等が挙げられる。
これらのなかでも高い水希釈性が得られる点からアルカリ金属の水酸化物が好ましい。
特に、工程2の後にホウ酸により中和する場合には、水希釈性が飛躍的に向上する点からアルカリ金属の水酸化物であることが好ましい。工程2の反応における前記アルカリ触媒の使用量は、反応性の点から系内のpHが7.5〜11となる量を使用することが好ましい。
工程2における反応温度は反応性の点から30℃〜80℃であることが好ましい。工程2の反応は、工程1終了後、レゾール樹脂を一旦取り出し、次いで、得られたレゾール樹脂、アルカノン(A)、ホルムアルデヒド(F’)を反応容器に入れ、アルカリ触媒を加えて行っても良いが、生産性の点から工程1終了後、レゾール樹脂を取り出すことなく引き続きその系に、アルカノン(A)、ホルムアルデヒド(F’)、及びアルカリ触媒を加え反応を行うことが好ましい。この工程2の反応は、ホルムアルデヒド量が固形分中1質量%未満、特に0.5質量%未満、残留フェノール類(P)量が2質量%未満、特に1質量%未満となるまで行うことが好ましい。本発明ではこのように未反応成分量が著しく低減されるまで反応をおこなっても水希釈性が損なわれることがなく、寧ろ優れた水希釈性が発現されることは特筆すべき点である。また、本発明の製造方法は、工程1及び工程2を併せた反応時間は約4〜9時間程度であり、生産性が極めて良好である。このように従来に比べ遜色のない反応時間で高分子量、低モノマー、かつ、高水希釈性のレゾール樹脂を得ることができる。
工程2終了後、必要により酸性物質を加え中和を行っても良い。ここで用いる酸性物質としては、ホウ酸、乳酸、硫酸、塩酸等が挙げられるが、工程1及び工程2で用いるアルカリ触媒として、アルカリ金属の水酸化物を用いた場合、該酸性物質としてホウ酸を用いることにより、得られるレゾール樹脂の水希釈性を高めることができる点から好ましい。
また、本発明で得られるレゾール樹脂は残存モノマーが充分に低減されているものであるが、必要によりホルマリン捕捉剤を併用してもよい。ホルマリン捕捉剤としては、レゾルシン、尿素、メラミン、ビューレット等が挙げられる。
このようにして得られるレゾール樹脂は、樹脂中の残留モノマー成分が極めて少なくなると共に水希釈性を飛躍的に高めることができる。具体的には、前記レゾール樹脂の水希釈性は200質量%以上となる。特に工程1及び工程2で用いるアルカリ触媒としてアルカリ金属の水酸化物を用い、かつ、中和剤としてホウ酸を用いた場合には、水希釈性は1000質量%以上となる。ここで、水希釈性とは、レゾール樹脂中に溶解し得る水の量を意味し、レゾール樹脂に徐徐に水を加えていって、系内が白濁した時点での系内の水分量を系内の樹脂量を基準にして表したものである。具体的には、下記式で表すことができる。よって、前記レゾール樹脂は優れた水希釈性を有する為、有機溶剤を全く用いない完全水系の組成物とすることができる。
水希釈性(質量%)=[(水質量/樹脂質量)×100]
本発明の製造方法によって得られたレゾール樹脂は、未反応成分の除去工程を行わなくも、残存ホルムアルデヒド量、残留フェノール類(P)量が充分に低いものであるが、必要に応じて、溶剤抽出等の常法により未反応原料成分を除去してもよい。
このようにして得られたレゾール樹脂は、通常、水溶液の状態で用いることができ、取扱いの容易さから、不揮発分濃度が50〜60質量%の範囲であることが好ましい。また、そのpHは5〜8の範囲であることが好ましい。更に、該レゾール樹脂は水への溶解性に優れることから不揮発分濃度が高い割に水溶液にした場合の粘度は低くなる。具体的には、不揮発分濃度が50〜60質量%の水溶液における粘度が50〜1000mPa・sの範囲となる。
また、該レゾール樹脂は、優れた硬化性を有しており、150℃のホットプレート上でのゲルタイムにおいて通常のレゾール樹脂に比べ、20〜50%の時間となる。また、15℃での貯蔵安定性に優れる他、硬化物の機械強度にも優れる。
以上詳述した本発明の製造方法によって得られるレゾール樹脂は、優れた水希釈性と低揮発成分とを兼備していることから、接着剤、塗料、鋳型用結合剤、鋳物中子用結着剤、摩擦材用結合剤、耐火物用結着剤、発泡成形体等に用いられている。
これらのなかで、接着剤、塗料用途しては、具体的には、水性塗料のビヒクル樹脂、水性インキのバインダー樹脂として利用することができる他、合板用水性接着剤、各種プラスチック用水性接着剤、パルプ、ガラス繊維等の繊維状物質及び木粉、セルロースパウダー、セラミック等の粒子状物質のバインダーとしても有用である。
これらの接着剤、塗料に用いる場合には、水性エポキシ樹脂、水性メラミン樹脂、水性ブロックイソシアネート、水性反応性ウレタン樹脂等の架橋材を併用してもよい。
また、本発明で得られるレゾール樹脂は前記した通り、溶媒を全く含まない完全水系で塗料・接着剤とすることができるが、用途に応じ、また、乾燥時の水分の蒸発速度を向上させるためにアルコール等の乾燥促進成分を組成物中0.01〜15質量%の割合で配合してもよい。その他、用途・要求特性に応じて防錆顔料、着色顔料、体質顔料等の顔料類、チキソ剤、粘度調整剤、流動助剤、表面調整剤、一次防錆剤、消泡剤、防腐剤、防かび剤等の各種添加剤を加えても良い。
また、鋳型用結合剤、鋳物中子用結着剤として用いる場合には、例えば前記レゾール樹脂を必要により硬化剤と共に鋳砂と混合、所定形状に硬化造形して使用することができる。
また、摩擦材用結合剤として用いる場合、天然ダイヤモンド砥粒、人造ダイヤモンド砥粒、アルミナ質砥粒、炭化ケイ素質砥粒等の砥粒を前記レゾール樹脂に共に配合・分散させ、硬化させることにより研磨剤を得ることができる。
耐火物用結着剤として用いる場合、前記レゾール樹脂を耐火物用骨材とを混練して耐火物煉瓦等の成形品を得ることができる。ここで、耐火物用骨材としては、例えば、SiO、MgO、Al、黒鉛等を含有するものが挙げられる。
発泡成形体は、レゾール樹脂に発泡剤を溶融混練後、発泡成形して得ることができる。ここで用いる発泡剤としては、例えばブタン、ペンタン、シクロペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの炭化水素、塩化メチレン、塩化プロパンなどのハロゲン化炭化水素、パーフルオロヘキサン、パーフルオロペンタンなどのパーフルオロアルカン、パーフルオロブチルメチルエーテル、パーフルオロブチルエチルエーテルなどのハイドロフルオロエーテル、ジフルオロメタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロエタンなどのハイドロフルオロカーボン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロメタン、ジクロロモノフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロモルホリン、パーフルオロメチルモルホリンなどのフルオロアミンなどが挙げられる。発泡剤の使用量は前記レゾール樹脂100質量部当り0.3〜10質量部の範囲であることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
残存モノマー量の測定:残存フェノール量はGPCにより測定。
残存ホルムアルデヒド量はHPLCにより測定
水希釈性の測定:得られたレゾール樹脂に徐徐に水を加えていって、系内が白濁した時点での系内の水分量を系内の樹脂量を基準にして測定した。
[HPLCの測定法]
装置:ウォータース・コーポレーション製「Waters HPLC system」
カラム:「Waters Symmetry C18; 5μm、4.6×250mm」
カラム温度:30℃
溶離液:メタノール/水=43/57
流量:0.8秒/分
検出波長:200−400nm
注入量:5μm
[GPC測定条件]
カラム:昭和電工製「Shodex KF803」
昭和電工製「Shodex KF802」
昭和電工製「Shodex KF802」
昭和電工製「Shodex KF801」
検出器: RI(示差屈折径)
測定条件: カラム温度40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 分子量が既知の単分散ポリスチレン
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液(25μl)。
実施例1
フェノール240g、37質量%のホルマリン200gを1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、次いで、炭酸ナトリウムを加えてpHを9に調整し、反応温度50℃に5時間保持した。
次いで、アセトン30gと37質量%のホルマリン272gを加え、炭酸ナトリウムを加えてpHを9.5に調整し、50℃を2時間保持した後、更に37質量%のホルマリン54gを加え温度を80℃に加熱した。この間、水希釈性と粘度を確認した。冷却後、レゾルシン10−14gを加えた。室温にて、粉末状のホウ酸2−6gを加え、反応生成物が均一かつpH8になるまで攪拌した。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度51−54質量%、水希釈性300質量%、粘度50−500mPa・sであった。未反応フェノールは0.5質量%以下、未反応ホルムアルデヒドは約0.5質量%以下であった。
実施例2
フェノール240g、42質量%のホルマリン148gを1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、次いで、水酸化ナトリウムを加えてpHを9に調整し、反応温度70℃で4時間保持した。
次いで、アセトン40gと42質量%のホルマリン320gを加え、炭酸ナトリウムを加えてpHを9.5に調整し、50℃を2時間保持した後、更に42質量%のホルマリン64gを加え温度を70℃に加熱した。この間、水希釈性と粘度を確認した。冷却後、レゾルシン10−15gを加えた。室温にて、粉末状のホウ酸4−8gを加え、反応生成物が均一かつpH5になるまで攪拌した。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度54−56質量%、水希釈性300質量%以上、粘度300−500mPa・sであった。未反応フェノールは1.0質量%以下、未反応ホルムアルデヒドは約0.5質量%以下であった。また、150℃ホットプレートでのゲルタイムは約70秒であった。
この組成物を10℃にて3週間放置した後の水希釈性は200質量%以上、粘度は400−600mPa・sであった。
得られたレゾール樹脂の1−2gをガラス容器に入れ、次いで150℃のオーブンに入れ1時間硬化を行った。
次いで、硬化物0.5gを充分に粉砕し、DTG分析を行ったところ、300℃における窒素ガス雰囲気下での質量減量は12.5質量%であった。
上記レゾール樹脂を水で希釈し、これを濾過紙にしみこませ、次いで乾燥し、この樹脂を成形プレスで硬化させた。また、この濾紙から試験片を切り出し、ユニバーサル・テスターで測定したところ、室温での引っ張り強度は45MPaであった。
実施例3
フェノール240g、42質量%のホルマリン176gを1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、次いで、水酸化ナトリウムを加えてpHを8に調整し、反応温度80℃で4時間保持した。
次いで、アセトン44gと42質量%のホルマリン336gを加え、炭酸ナトリウムを加えてpHを9.5に調整し、65℃の温度で保持した。2−6gの尿素を加え所望の水希釈性と粘度となるよう確認した。
冷却後、レゾルシン2−4gを加えた。室温にて、粉末状のホウ酸2−7gと乳酸1−4gを加え、反応生成物が均一かつpH5になるまで攪拌した。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度54−56質量%、水希釈性200質量%以上、粘度200−600mPa・sであった。
未反応フェノールは1.0質量%以下、未反応ホルムアルデヒドは約0.5質量%以下であった。また、150℃ホットプレートでのゲルタイムは約70秒であった。
この組成物を10℃にて2週間放置した後の水希釈性は200質量%以上、粘度は300−700mPa・sであった。
実施例2と同様にして測定した150℃ホットプレートでのゲルタイムは80秒、300℃での質量減量は12.8質量%、引っ張り強度は44MPaであった。
実施例4
クレゾール260g、42質量%のホルマリン165gを1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、次いで、水酸化ナトリウムを加えてpHを10に調整し、反応温度50℃で4時間保持した。
次いで、アセトン42gと42質量%のホルマリン336gを加え、水酸化ナトリウムを加えてpHを9.5に調整し、50℃の温度で2時間保持した。次いで、75℃に昇温し、該温度で保持し、所望の水希釈性と粘度となるよう確認した。
冷却後、レゾルシン10−15gを加えた。室温にて、粉末状のホウ酸4−7gを加え、反応生成物が均一かつpH7になるまで攪拌した。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度54−56質量%、水希釈性300質量%、粘度300−500mPa・sであった。
未反応フェノールは0.5質量%以下、未反応ホルムアルデヒドは約1.0質量%以下であった。
実施例5
フェノール240g、42質量%のホルマリン176gを1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、次いで、水酸化ナトリウムを加えてpHを9に調整し、反応温度60℃で3時間保持した。
次いで、メチルエチルケトン48gと42質量%のホルマリン320gを加え、水酸化ナトリウムを加えてpHを9.5に調整し、60℃の温度で2時間保持した。次いで、70℃に昇温し、該温度で保持し、所望の水希釈性と粘度となるよう確認した。
冷却後、レゾルシン8−15gを加えた。室温にて、粉末状のホウ酸4−6gを加え、反応生成物が均一かつpH7になるまで攪拌した。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度54−56質量%、水希釈性200質量%以上、粘度200−500mPa・sであった。未反応フェノールは1.0質量%以下、未反応ホルムアルデヒドは約1.0質量%以下であった。
比較例1
フェノール342g、42質量%のホルマリン390gを1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液10gを加え、80℃に昇温させ、該温度にて6時間保持した。次いで、室温に冷却した。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度56質量%、分子量約700、水希釈性10−20質量%、pH約8.5、粘度150mPa・sであった。
未反応フェノールは0.3質量%、未反応ホルムアルデヒドは5質量%、150℃ホットプレートでのゲルタイムは100sであった。
比較例2
フェノール376g、42質量%のホルマリン206g(フェノール1モルに対して0.72モル)を1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、シュウ酸1.1gを加え、100℃まで昇温し、1時間保持した。次いで、シュウ酸1.1gを加え、更に1時間反応を継続させた。
次いで、42質量%ホルマリンの228.5gを反応容器に加え、48質量%水酸化ナトリウムを加えてpHを8.5−9に調整し、75−80℃に加熱し、この温度で3−5時間保持した。
次いで、室温に冷却した。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度56質量%、分子量約700以上、水希釈性10−20質量%、pH約8.5、粘度約500mPa・sであった。
未反応フェノールは1質量%、未反応ホルムアルデヒドは3質量%であった。
比較例3
フェノール565g、42質量%のホルマリン280g(フェノール1モルに対して0.65モル)を1000mlの反応容器に入れ、攪拌し、シュウ酸2.0gを加え、100℃まで昇温し、1時間保持した。次いで、シュウ酸2.0gを加え、更に1時間反応を継続させ、更に180℃に加熱し3時間保持した。未反応フェノールを減圧にて除去し、室温に冷却しノボラック樹脂を得た。
この様にして得られたノボラック樹脂の312gにメタノール220g、42質量%ホルマリン145%を加え、更に、水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調整し、ついで75℃にまで昇温し、粘度が300−600mPa・sになるまで反応を行った。
このようにして得られたレゾール樹脂は、不揮発分濃度51〜53質量%、分子量約800以上、水希釈性50−80質量%、pH8−10、未反応フェノールは1質量%、未反応ホルムアルデヒドは2質量%以上であった。
比較例4
フェノール400g、42質量%のホルマリン676gを2000mlの反応容器に入れ、攪拌し、48%水酸化ナトリウム水溶液21.2gを加え、80℃に昇温させ、該温度にて4時間保持した。反応温度を50℃に下げ、エチレン尿素14gを加え、30分攪拌し室温に冷却した。得られた樹脂は、不揮発分濃度53〜57%、分子量約500以上、水希釈性180質量%、pH8−10、未反応フェノールは3質量%、未反応ホルムアルデヒドは、0.8質量%であった。

Claims (3)

  1. フェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)とを、両者のモル比[フェノール類(P)/ホルムアルデヒド(F)]が1/0.5〜1/1.2となる割合で、アルカリ触媒の存在下に反応させてレゾール樹脂(R)を得(工程1)、次いで、これにアルカノン(A)及びホルムアルデヒド(F’)を、これらのモル比[ホルムアルデヒド(F’)/アルカノン(A)]が3/1〜8/1となる割合であって、かつ、前記フェノール類(P)に対するアルカノン(A)のモル比[アルカノン(A)/フェノール類(P)]が0.1/1〜1/1となる割合で混合し、アルカリ触媒存在下に反応させる(工程2)ことを特徴とするフェノール樹脂の製造方法。
  2. 工程2の後、更にホウ酸を加える請求項1記載のフェノール樹脂の製造方法。
  3. 工程2におけるアルカリ触媒が、アルカリ金属水酸化物である請求項2記載のフェノール樹脂の製造方法。
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