JP3972712B2 - 酸硬化型レゾール樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性が高く、そのため機械的強度に優れ、且つポットライフの調整が可能な、主としてFRP等の成形材料用途、或いは鋳物砂結合剤に好適な酸硬化型レゾール樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
レゾール樹脂は、その優れた耐熱性、接着性、機械的特性、電気的特性、価格優位性等を利用し各種基材の成型材料として幅広く使用されている。フェノール類とアルデヒド類とを反応させて得られるフェノール樹脂としては、触媒としてアルカリ性触媒を用いるアルカリレゾール樹脂、またアンモニアを用いるアンモニアレゾール樹脂、2価金属塩を用いるハイオルソ型レゾール樹脂が一般的に知られている。
【0003】
これらのレゾール樹脂は、必要に応じて各種添加剤を配合した後、繊維状物質に含浸した後、酸触媒を配合して硬化し成形体を製造するのに用いられている。酸触媒を配合して、例えば、繊維状物質に含浸して使用する際には、含浸が終了するまでは、増粘が起こらず、また含浸が終了後は、速やかに硬化するようにポットライフを制御できるレゾール樹脂が望まれていた。
【0004】
しかしながら、従来のレゾール樹脂は、酸触媒を配合して、硬化成形する際に、急激に反応が進行し、増粘、硬化するため、上記のポットライフが短く、大型の成形体を製造することが困難であった。また、ポットライフを長くするため、酸類の添加量を減量するか、或いは、添加しないと硬化が不十分となり、得られた硬化物の機械強度等が不足するといった難点があった。また、鋳物の分野においては、レゾール樹脂、酸触媒、砂より鋳物砂を得、これを造型し鋳型が製造し、鋳物を製造しており、一度使用した砂を繰り返し使用している。砂の回収、再生プロセスにあっては、1000℃以上に加熱された砂を急冷して使用されるが、必ずしも冷え切っていない。この様な砂を用いて再度鋳物砂を調整しようとすると、直ちに硬化反応が始まり、ミキサー内で硬化してしまうことがよくあった。このような現状において、常温付近の硬化においてもポットライフが長く、硬化が始まると直ちに硬化する鋳物砂結合剤が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ポットライフを制御でき、且つ、含浸、混練等の作業時間が経過後には、速やかに硬化する性能を持つ酸硬化型レゾール樹脂組成物を見出すことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の課題を解決すべく、鋭意検討の結果、アルデヒド類とフェノール類を反応させて得られた特定の構造と分子量をもつレゾール樹脂(a)と、酸類(b)を必須成分とする酸硬化型樹脂組成物が、ポットライフを制御でき、且つ、硬化反応が充分に進行することを見出し、発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、アルデヒド類とフェノール類を反応させて得られたレゾール樹脂(a)と、酸類(b)を必須成分とする酸硬化型樹脂組成物であって、前記レゾール樹脂(a)が、(1)アルデヒド類とフェノール類とが結合したフェノール類のパラ位とオルソ位のモル比(O/P)が1.8以上、(2)アルデヒドが付加されていないフェノール類と1または2個のアルデヒドが付加されたフェノール類とからなるフェノール単量体合計量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる含有率で、全レゾール樹脂中の25〜50重量%、(3)数平均分子量で300〜600、重量平均分子量で400〜1100であり、かつ、アルデヒド類とフェノール類とを2価の金属塩を触媒として反応させてレゾール樹脂(a−1)を得た後、前記レゾール樹脂(a−1)にアルカリ触媒を加え反応して得たものであることを特徴とする酸硬化型樹脂組成物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の酸硬化型レゾール樹脂組成物に用いるレゾール樹脂の製造方法は、下記の[1]及び[2]の段階からなる反応による。[1]1段目の反応としてアルデヒド類とフェノール類とを後述する2価の金属塩を触媒として反応させてレゾール樹脂(a−1)を得る。[2]次いで、1段目の反応として得られたレゾール樹脂(a−1)にアルカリ触媒を加え反応してレゾール樹脂(a)を得る。
【0009】
本発明の製造方法の[1]及び[2]で得られるレゾール樹脂(a−1)及びレゾール樹脂(a)は、アルデヒド類の水溶液とフェノール類とを反応させて、レゾール樹脂水溶液として取り出すことができるが、それ以外に、有機溶媒中で反応させ、レゾール樹脂の有機溶剤溶液として取り出すことも、或いは、アルデヒド類とフェノール類とを反応させて、固形として取り出すこともできる。また、水分或いは溶媒を除去し、固体として或いは他の溶剤に溶解した溶液にすることもできる。
【0010】
まず、[1]について説明する。アルデヒド類とフェノール類とを後述する2価の金属塩を触媒として、反応温度40〜100℃で、0.5〜5時間反応させ、レゾール樹脂(a−1)を得る。得られたレゾール樹脂(a−1)としては、モノメチロールフェノール類、ジメロールフェノール類、トリメチロールフェノール類等の1核体成分が多く含まれること必須である。特に、レゾール樹脂(a−1)中の2核体以上の多核体含有率が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記す。)の面積比で20%以下であることが、ポットライフを制御する点から好ましい。また、前記の1核体成分のみで構成されることが最も好ましいが、2核体以上の多核体含有率が5%〜20%であればポットライフを制御する点からは大きな差はない。
【0011】
本発明に使用するフェノール類としては、特に限定されるものではなく、たとえばフェノール、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノールなどが挙げられる。またこれらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。これらの中でも性能及び経済性の面でフェノールが好ましい。
【0012】
本発明に用いられるアルデヒド類としてはフェノール樹脂製造の際に一般的に良く用いられるホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が有効であり、ウロトロピンも用いることが出来る。これらの中でも性能及び経済性の面でホルムアルデヒドが好ましい。
【0013】
本発明の製造方法の[1]で触媒として用いる2価の金属塩類としては、特に限定されないが、例えば、酢酸亜鉛,蟻酸亜鉛,硫化亜鉛,酸化亜鉛,塩化亜鉛、酢酸マンガン(II)、蟻酸マンガン(II)、酢酸鉛、ギ酸鉛等が挙げられる。触媒の添加量としては、フェノール類100重量部に対し2価の金属塩類が0.05〜5.0重量部であることが好ましく、0.1〜3.0重量部の範囲にあることが特に好ましい。
【0014】
前記のアルデヒド類/フェノール類の比率は、1核体成分が多く含まれるようにするため、〔(アルデヒド類)/(フェノール類)〕=0.5〜3.0(モル比)が好ましく、〔(アルデヒド類)/(フェノール類)〕=0.8〜2.0(モル比)が特に好ましい。
【0015】
次いで、製造方法の[2]について説明する。前記の[1]で得られたレゾール樹脂(a−1)にアルカリ触媒を添加し、反応温度40〜100℃で、1〜10時間反応させ、レゾール樹脂(a)を得る。
【0016】
前記アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。また、アルカリ触媒の添加量としては、フェノール類に対しモル比で0.1〜1.0であることが好ましい。
【0017】
前記のようにして得られたレゾール樹脂(a)は、[1]の反応より、アルデヒド類とフェノール類とが反応したフェノール類のパラ位とオルソ位のモル比(以下O/P比とする)がO/P比が1.8以上である。
【0018】
また、アルデヒドが付加されていないフェノール類と1または2個のアルデヒドが付加されたフェノール類とからなるフェノール単量体合計量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる含有率で、全レゾール樹脂中の25〜50重量%、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下Mnとする)で300〜600、重量平均分子量(以下Mwとする)で400〜1100である。
【0019】
前記のO/P比とフェノール単量体と分子量が上記の範囲を外れると充分なポットライフと硬化性を得ることができない。
【0020】
[1][2]の製造方法で得られたレゾール樹脂を本発明の酸硬化型レゾール樹脂として使用する際には、樹脂中のアルカリ触媒を酸性物質により中和して、pHを6.0〜8.0、好ましくは、pHを6.5〜7.5とすることが、レゾール樹脂の保存安定性の面から好ましい。
【0021】
この際、前記の中和用の酸性物質としては、pHを6.0〜8.0、好ましくは、pHを6.5〜7.5とすることができれば、特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、リン酸等の鉱酸類、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等のベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシベンゼンスルホン酸等のフェノールスルホン酸類の有機酸が挙げられる。中でも、硬化用触媒として、有用なスルホン酸類を中和用酸性物質として、用いることが好ましい。
【0022】
前記レゾール樹脂は、水溶液、或いはメタノール等のアルコール溶液で、使用することが、取り扱い上好ましく、固形分濃度としては、40〜85重量%が好ましい。60〜70重量%が特に好ましい。
【0023】
本発明の酸硬化型レゾール樹脂組成物に用いる酸類(b)としては、種々のものが使用できるが、例えばリン酸、硫酸等の無機鉱酸類、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸類が挙げられる。
【0024】
酸類(b)の添加量としては、pHを7.0に調整したレゾール樹脂100重量部(固形分当たり)に対して酸類を0.1〜10.0重量部添加することが好ましい。
【0025】
本発明の酸硬化型レゾール樹脂組成物を用いて、耐火物(例えば、煉瓦)の製造する場合は、例えば、酸硬化型レゾール樹脂組成物成物を、水溶液、または有機溶剤溶液として、骨材を混練により均一な配合物を得る。この際、前記組成物の配合量は、骨材100重量部あたり、前記組成物1〜5重量部が好ましく、2〜4重量部が特に好ましい。
【0026】
また、固体の樹脂を耐火物用結合剤として用いる場合は、骨材と混合して用いることができる。
【0027】
上記の骨材としては、特に限定されず、種々の骨材が使用可能であるが、耐火物用骨材としては、例えば、SiO 2 、MgO、Al2O3、黒鉛等を含有するものが挙げられる。
【0028】
上記のようにして得られた配合物を金型で成型し、硬化させる。この際、触媒を前記混合物に加え、室温で硬化させてもよいし、100〜200℃で加熱硬化させてもよい。また、必要に応じて、1000℃前後で焼成してもよい。
【0029】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。例中「部」「%」と表示しているものはそれぞれ重量部、重量%を表す。なお本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】
合成例1
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3つ口フラスコに、フェノール940g(10モル)、42%ホルマリン857g(12モル)及び触媒として酢酸亜鉛14gを加え、100℃まで昇温して、100℃に温度を保ちながら3時間反応させ、レゾール樹脂(A)の水溶液を得た。この時点の2核体以上の多核体含有率は、GPCの面積比で18%であった。次いでレゾール樹脂(A)の水溶液を50℃まで冷却し、更に触媒として50%水酸化カリウム水溶液30gを加え、80℃まで昇温して、80℃に温度を保ちながら3時間反応させ、レゾール樹脂(X1)の水溶液を得た。NMR(核磁気共鳴装置)によるO/P比は2.0、GPC(ポリスチレン換算)によるMnは320、Mwは660であった。
またGPCによるフリーフェノール、モノメチロールフェノール及びジメチロールフェノールの含有率は34%であった。次いで、レゾール樹脂(X1)の水溶液を50℃まで冷却し、50%パラトルエンスルホン酸水溶液でpH7.0に調整し、40Torrの減圧下で所定の量を脱水し、不揮発分75.1%のレゾール樹脂の水溶液(X1’)を得た。
【0031】
合成例2
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3つ口フラスコに、フェノール940g(10モル)、42%ホルマリン1000g(14モル)及び触媒として蟻酸マンガン(II)13gを加え、100℃まで昇温し、100℃に温度を保ちながら3時間反応させた。この時点の2核体以上の多核体含有率は、GPCの面積比で18%であった。次いでレゾール樹脂の水溶液を50℃まで冷却し、更に触媒として50%水酸化ナトリウム水溶液30gを加え、80℃まで昇温し、80℃に温度を保ちながら3時間反応させ、レゾール樹脂(X2)の水溶液を得た。NMR(核磁気共鳴装置)によるO/P比は2.0、GPC(ポリスチレン換算)によるMnは330、Mwは760であった。またGPCによるフリーフェノール、モノメチロールフェノール及びジメチロールフェノールの含有率は43%であった。次いで、レゾール樹脂(X2)の水溶液を50℃まで冷却し、50%フェニルスルホン酸水溶液でpH7.0に調整し、40Torrの減圧下で所定の量を脱水し、不揮発分75.0%のレゾール樹脂の水溶液(X2’)を得た。
【0032】
合成例3
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3つ口フラスコに、フェノール940g(10モル)、42%ホルマリン1000g(14モル)及び触媒として蟻酸マンガン(II)13gを加え、100℃まで昇温し、100℃に温度を保ちながら3時間反応させた。この時点の2核体以上の多核体含有率は、GPCの面積比で18%であった。次いでレゾール樹脂(A)の水溶液を50℃まで冷却し、更に触媒として50%水酸化ナトリウム水溶液30gを加え、80℃まで昇温し、80℃に温度を保ちながら6時間反応させ、レゾール樹脂(Y1)の水溶液を得た。NMRによるO/P比は1.9、GPC(ポリスチレン換算)によるMnは620、Mwは1230であった。またGPCによるフリーフェノール、モノメチロールフェノール及びジメチロールフェノールの含有率は20%であった。次いで、レゾール樹脂(Y1)の水溶液を50℃まで冷却し、50%フェニルスルホン酸水溶液でpH7.0に調整し、40Torrの減圧下で所定の量を脱水し、不揮発分75.0%のレゾール樹脂の水溶液(Y1’)を得た。
【0033】
合成例4
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3つ口フラスコに、フェノール940g(10モル)、42%ホルマリン1000g(14モル)及び触媒として蟻酸マンガン(II)13gを加え、100℃まで昇温し、100℃に温度を保ちながら3時間反応させた。この時点の2核体以上の多核体含有率は、GPCの面積比で18%であった。次いでレゾール樹脂(A)の水溶液を50℃まで冷却し、更に触媒として50%水酸化ナトリウム水溶液30gを加え、80℃まで昇温し、80℃に温度を保ちながら1時間反応させ、レゾール樹脂(Y2)の水溶液を得た。NMRによるO/P比は2.3、GPC(ポリスチレン換算)によるMnは220、Mwは380であった。またGPCによるフリーフェノール、モノメチロールフェノール及びジメチロールフェノールの含有率は54%であった。
次いで、レゾール樹脂(Y2)の水溶液を50℃まで冷却し、50%フェニルスルホン酸水溶液でpH7.0に調整し、40Torrの減圧下で所定の量を脱水し、不揮発分75.0%のレゾール樹脂の水溶液(Y2’)を得た。
【0034】
合成例5
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3つ口フラスコに、フェノール940g(10モル)、42%ホルマリン1000g(14モル)及び触媒として50%水酸化カリウム水溶液g30を加え、80℃まで昇温し、80℃に温度を保ちながら6時間反応させ、レゾール樹脂(Y3)の水溶液を得た。NMRによるO/P比は1.6、GPC(ポリスチレン換算)によるMnは330、Mwは560であった。またGPCによるフリーフェノール、モノメチロールフェノール及びジメチロールフェノールの含有率は28%であった。
次いで、レゾール樹脂(Y3)の水溶液を50℃まで冷却し、50%パラトルエンスルホン酸水溶液でpH7.0に調整し、40Torrの減圧下で所定の量を脱水し、不揮発分74.9%のレゾール樹脂の水溶液(Y3’)を得た。
【0035】
合成例6
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3つ口フラスコに、フェノール940g(10モル)、42%ホルマリン1000g(14モル)及び触媒として50%水酸化カリウム水溶液g30を加え、80℃まで昇温し、80℃に温度を保ちながら10時間反応させ、レゾール樹脂(Y4)の水溶液を得た。NMRによるO/P比は1.4、GPC(ポリスチレン換算)によるMnは560、Mwは1230であった。またGPCによるフリーフェノール、モノメチロールフェノール及びジメチロールフェノールの含有率は19%であった。次いで、レゾール樹脂(Y4)の水溶液を50℃まで冷却し、50%パラトルエンスルホン酸水溶液でpH7.0に調整し、40Torrの減圧下で所定の量を脱水し、不揮発分74.9%のレゾール樹脂の水溶液(Y4’)を得た。
【0036】
実施例1〜2、及び比較例3〜6
合成例1〜6で得られたレゾール樹脂の水溶液100部に50%パラトルエンスルホン酸水溶液(表1中ではZと記す。)5部を混合し、下記の評価方法で評価し、その結果を表1に示す。
【0037】
評価方法
ポットライフ:実施例1〜2及び比較例3〜6で得られたレゾール樹脂水溶液と硬化剤として50%パラトルエンスルホン酸水溶液(表1中ではZと記す。)とを表1に示す量で混合し、混合物の流動性がなくなるまでの時間を測定した。流動性がなくなるまでの時間が長いほどポットライフが長いことを示す。
硬化性:実施例1〜2及び比較例3〜6で得られたレゾール樹脂水溶液と硬化剤として50%パラトルエンスルホン酸水溶液とを表1に示す量で混合し、混合物の温度を連続的に測定し、混合物の最高発熱温度を測定した。最高発熱温度が高いほど硬化が速いことを示す。
【0038】
FRPの曲げ強度及び弾性率:不揮発分75%に調製したレゾール樹脂水溶液と硬化剤として50%パラトルエンスルホン酸水溶液とを表1に示す量で混合し、ガラスマット3枚にローラーにて含浸させ、室温で24時間放置し、硬化させた。得られた硬化物を所定の形状に切断し、JISK6911に準じて、機械強度として曲げ強度と曲げ弾性率を測定した。
【0039】
鋳物砂の常態強度:30℃×70%RHで24時間調製したけい砂5kgに、表1に示す割合で混合した樹脂組成物40gを加え、ミキサーにて混合し、鋳物砂とした。混練後、50mm径、50mm高さの木型に良く詰め型込めし、30℃×70%RHで放置し、経時毎の圧縮強度を測定し、常態強度とした。
【0040】
鋳物砂の可使強度:混練後そのまま放置し、2分後、4分後、6分後、8分後、10分後に型込めし常態強度の試験片同様に放置し、24時間後の圧縮強度を測定した。これを可使強度とし可使強度の高低で可使時間の長短を表した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【本発明の効果】
本発明によれば、ポットライフを制御でき、且つ、含浸、混練等の作業時間が経過後には、速やかに硬化する性能を持つ酸硬化型レゾール樹脂組成物が提供できる。
Claims (2)
- アルデヒド類とフェノール類を反応させて得られたレゾール樹脂(a)と、酸類(b)を必須成分とする酸硬化型樹脂組成物であって、前記レゾール樹脂(a)が、(1)アルデヒド類とフェノール類とが結合したフェノール類のパラ位とオルソ位のモル比(O/P)が1.8以上、(2)アルデヒドが付加されていないフェノール類と1または2個のアルデヒドが付加されたフェノール類とからなるフェノール単量体合計量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる含有率で、全レゾール樹脂中の25〜50重量%、(3)数平均分子量で300〜600、重量平均分子量で400〜1100であり、かつ、アルデヒド類とフェノール類とを2価の金属塩を触媒として反応させてレゾール樹脂(a−1)を得た後、前記レゾール樹脂(a−1)にアルカリ触媒を加え反応して得たものであることを特徴とする酸硬化型樹脂組成物。
- アルデヒド類がホルムアルデヒドであり、フェノール類がフェノールである請求項1に記載の酸硬化型樹脂組成物。
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