JPH0725990B2 - フエノ−ル系樹脂結合剤の製造方法 - Google Patents

フエノ−ル系樹脂結合剤の製造方法

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JPH0725990B2
JPH0725990B2 JP12778186A JP12778186A JPH0725990B2 JP H0725990 B2 JPH0725990 B2 JP H0725990B2 JP 12778186 A JP12778186 A JP 12778186A JP 12778186 A JP12778186 A JP 12778186A JP H0725990 B2 JPH0725990 B2 JP H0725990B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、優れた硬化性能を有し、かつ使用時に作業環
境の汚染を伴わないフエノール系樹脂結合剤を製造する
ための方法に関するものである。さらに詳しくいえば、
本発明はシエルモールド用、鋳型又は中子接着用、押湯
保温材用、耐火物用、建築部材用、工業用積層材用、成
形材料用、砥石用、摩擦材料用、無機繊維断熱材用、セ
ラミツクス用など広範囲にわたつて好適に使用しうる、
改良された性質をもつ工業用フエノール系樹脂結合剤の
製造方法に関するものである。
従来の技術 従来、鋳造工業分野において、鋳型又は中子(以下鋳型
等という)の製造に使用されるシエルモールド用樹脂被
覆砂粒は、予熱されたシリカサンド、ジルコンサンドな
どの鋳型用骨材を熱硬化性樹脂結合剤で被覆して得られ
るが、その樹脂結合剤の種類によりノボラツク樹脂−ヘ
キサミン系樹脂被覆砂粒と、レゾール系樹脂被覆砂粒と
に大別される。
一般にこのノボラツク樹脂−ヘキサミン系樹脂被覆砂粒
は、硬化剤として優れた特性を有するヘキサメチレンテ
トラミンすなわちヘキサミンがノボラツク型フエノール
樹脂結合剤に対して15〜25重量%使用されているため、
レゾール型フエノール樹脂結合剤又は該レゾール樹脂に
少量のノボラツク樹脂を配合した混合樹脂結合剤を被覆
したレゾール系樹脂被覆砂粒よりも鋳型性能、とくに硬
化性能面で優れているという特徴がある。
しかしその反面鋳型等の製造時におけるヘキサミンの熱
分解によつて生じるアンモニアやホルムアルデヒドなど
を主体とする有害ガスは作業環境を著しく汚染したり、
作業者にかぶれを生じさせるなど人体に与える悪影響が
大きくその公害対策に多くの費用を要するという問題が
ある。一方このような問題を解決するために提案された
前記レゾール系樹脂被覆砂粒においては、作業環境など
の改善の点では、効果がみられるものの、前述したよう
に鋳型などの製造時における硬化速度が非常に遅くなる
ために、生産効率の著しい低下を免れないという欠点が
ある。
このように、作業環境の汚染などを伴うことなく、しか
も鋳型などの製造に用いたときに、結合剤として優れた
性能を示すフエノール系樹脂結合剤は、これまで実現さ
れておらず、当該技術分野において、その開発が強く望
まれていた。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、このような要望にこたえ、作業環境を汚染す
ることがなく、したがつて、公害対策費用を節減しうる
上に、鋳型などの造型性能、すなわち硬化性能に優れた
フエノール系樹脂結合剤の提供を目的とするものであ
る。
問題点を解決するための手段 本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を重ね
た結果、従来用いられている実質的に固形状のフエノー
ル樹脂に、特定の製造方法によつて得られる特定の液状
レゾール樹脂を配合した結合剤は、例えばシエルモール
ド用結合剤として使用する場合、従来のノボラツク樹脂
−ヘキサミン系結合剤よりも作業環境が改善される上
に、特にレゾール系樹脂の鋳型などの造型性を大幅に向
上させうることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至つた。
すなわち、本発明に従えば、アルカリ水性媒体の存在
下、フエノール系化合物とホルムアルデヒドとをモル比
1:3ないし1:8の割合で縮合反応させ、得られた反応混合
物を酸でpH4〜7に調整したのち、この中にアンモニア
及びアンモニウム塩の中から選ばれた少なくとも1種の
化合物を加えて処理し遊離ホルムアルデヒドをヘキサメ
チレンテトラミンに変換させて、実質上遊離ホルムアル
デヒドを含まない液状レゾール型フエノール樹脂を得、
次いでこれをノボラツク型フエノール樹脂、レゾール型
フエノール樹脂及びベンジルエーテル型フエノール樹脂
の中から選ばれた少なくとも1種の固形フエノール樹脂
に対し、該液状レゾール型フエノール樹脂(固形分換
算)が固形分全重量に基づき少なくとも2重量%になる
割合で配合することによつて、所望のフエノール系樹脂
結合剤を製造することができる。
本発明方法において、液状レゾール樹脂の製造に際して
使用するフエノール系化合物としては、例えばフエノー
ル、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン、ピロ
ガロールなどのモノフエノール類、クレゾール、キシレ
ノール、クミルフエノール、ノニルフエノールなどのア
ルキルフエノール類、フエニルフエールなどのアリール
フエノール類、ビスフエノールA、ビスフエノールFな
どのビスフエノール類のほか、モノフエノール類、アル
キルフエノール類、アリールフエノール類、ビスフエノ
ール類を製造する際に副生する精製残渣のような1種又
は2種以上の混合物が挙げられる。
また、これらのフエノール系化合物と反応させるホルム
アルデヒドは、通常ホルマリンのような水溶液が用いら
れるが、そのほか反応に際してホルムアルデヒドを発生
しうる物質、例えばパラホルムアルデヒド、トリオキサ
ンなども用いることができる。また必要に応じてグリオ
キザール、フルフラールなどと併用することも可能であ
る。
フエノール系化合物とホルムアルデヒドとは、前者1モ
ル当り後者3〜8モルの割合で用いられる。ホルムアル
デヒドの量がこれよりも少ないと、得られる液状レゾー
ル樹脂の硬化が遅く、これを固形ノボラツク樹脂に配合
しても、改質剤や架橋剤としての役割を果すことができ
ない。また、ホルムアルデヒドの量をこれよりも多くし
た場合には、液状レゾール樹脂の物性の面では特に問題
はないが、反応混合物中の実質的な樹脂含有量が少なく
なり経済上不利である。
前記フエノール系化合物とホルムアルデヒドとの縮合反
応は、アルカリ性水性媒体の存在下に行われるが、この
アルカリ性水性媒体に用いられる触媒のアルカリとして
は、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの水
酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩のようなアルカリ
性無機化合物や、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリベンジルアミン、トリフエニルアミンなどの第
三級アミンのようなアルカリ性有機化合物が挙げられ
る。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上
組み合わせて用いてもよい。
これらの触媒使用量は種類、反応温度、製造規模などに
よつて異なり一概に限定されないが、工業的規模の製造
を実施するに際してはフエノール系化合物1モル当り0.
02〜0.2モルの範囲が適当である。
さらに、前記触媒の存在下に実施されるフエノール系化
合物とホルムアルデヒドとの縮合反応においては、フエ
ノール系化合物にホルムアルデヒドを可及的に付加させ
て未反応フエノール類の残存を低減し、かつ過度の高分
子化を抑制する必要がある。したがつて、該反応は水性
媒体中において、通常40〜100℃(還流温度)、好まし
くは50〜90℃の範囲の温度で実施される。
また、反応時間としては、反応温度、触媒量及びその他
の条件によつて異なるが、通常1〜10時間程度でよい。
さらに、縮合反応の終点については、反応条件によつて
異なり、一概に限定されないが一般的には反応によつて
生成する反応混合物の水希釈度が2〜8ml/gの範囲が適
当である。
ここでいう水希釈度とは、単位重量(g)の縮合液を30
℃で白濁させるに要した水の添加量(ml)で示される。
次に、このようにして得られた反応混合物を冷却したの
ち酸類でpH4〜7に調整するが、このpH調整は、次工程
におけるアンモニアやアンモニウム塩により残存ホルム
アルデヒドを処理する際に生じる大きな発熱によつて反
応混合物が過度に高分子化するのを抑制し、良好な貯蔵
安定性や鋳型強度を有する液状レゾール樹脂を得る上で
非常に重要である。
ここで酸としては、通常アルカリ中和の際に用いられる
解離定数が、10-5以上の有機酸又は無機酸、例えば、硫
酸、塩酸、リン酸、シユウ酸、安息香酸、サリチル酸、
乳酸などを挙げることができる。これらは、単独で用い
てもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また多量の触媒を使用する場合には、水に対する難溶性
若しくは不溶性塩を形成するような酸を選択し、生成塩
をろ過除去することが望ましい。
さらにpH調整された反応混合物は、アンモニア、アンモ
ニウム塩又は、これらの混合物で処理して系中に残存す
るホルムアルデヒドをヘキサミンに変換せしめたのち、
必要に応じてデカンテーシヨン又は減圧濃縮して所望の
樹脂濃度に調整することにより、実質的にホルムアルデ
ヒドを含まない本発明に係る液状レゾール樹脂が得られ
る。また、該レゾール樹脂は使用目的に応じて、メタノ
ールやアセトンなどの有機溶媒で希釈し使用してもよ
い。
前記アンモニウム塩としては、例えば炭酸アンモニウ
ム、炭酸カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニ
ウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウ
ム、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、塩化ア
ンモニウム、硫酸アンモニウムなどが挙げられ、これら
はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせ
て用いてもよく、またアンモニアと使用してもよい。ア
ンモニウム塩を用いる場合には、無機アルカリ触媒の中
和及び遊離ホルムアルデヒドの処理を同時に実施しうる
などの利点がある。
pH調整された反応混合物のアンモニアやアンモニウム塩
による処理は、一般に大きな発熱を伴うため、適宜な冷
却手段又は投入方法を考慮して、反応混合物温度が60℃
を超えないように実施することが好ましく、また、必要
に応じて減圧下で水分を除去し、所望の樹脂濃度に調整
する場合にも、これに準じ実施することが望ましい。
このように、pH調整された反応混合物をアンモニアやア
ンモニウム塩で処理して得られる本発明に係る液状レゾ
ール樹脂は、水系に対する溶解性が向上し、かつ従来の
レゾール樹脂よりも貯蔵安定性が向上する性質を有する
などの利点がある。
このようにして得られた本発明に係る液状レゾール樹脂
は、従来公知の方法で製造される一般のノボラツク型フ
エノール樹脂、レゾール型フエノール樹脂、ベンジルエ
ーテル型フエノール樹脂やこれらの混合樹脂などの実質
的に固形状のフエノール樹脂に配合した場合、その硬化
性能を向上する上に、有害ガスの発生を大幅に低減して
作業環境を改善することができる。なお、前記固形状フ
エノール樹脂を使用目的に応じてメタノールなどの有機
溶剤に溶解したワニスに対しても、同様の効果を発揮す
ることができる。
本発明方法においては、前記の液状レゾール樹脂を、前
記の実質的に固形状のフエノール樹脂に対し、該液状レ
ゾール樹脂を、その固形分量がフエノール樹脂固形分全
量に対して少なくとも2重量%、好ましくは少なくとも
5重量%になるような割合で配合される。この配合量が
2重量%未満では、硬化性能が十分に改善されない。
本発明で得られるフエノール系樹脂結合剤には、必要に
応じてシラン系カツプリング剤、アミド系滑剤などの添
加剤、有機又は無機ハロゲン化物などの崩壊性改質剤、
レゾルシノール、カテコール、安息香酸、サリチル酸、
ビスフエノール類などの硬化促進剤、離型剤あるいはエ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル
樹脂などの合成樹脂などを本発明の目的を損わない範囲
内で混合して使用することができる。
作用 本発明で得られるフエノール系樹脂結合剤が従来公知の
フエノール樹脂結合剤よりも硬化特性や有害ガスの低減
に優れた性能を発揮しうる理由は必ずしも明確なもので
はない。しかし、その理由の1つとして、樹脂結合剤成
分として用いられる液状レゾール樹脂は縮合反応におい
てフエノール系化合物に対して過剰のホルムアルデヒド
を可及的に付加させて形成したヘキサミンと同様な硬化
機能を有する多くの架橋性メチロール基を含み、かつ遊
離ホルムアルデヒドをアンモニア又はアンモニウム塩処
理して形成されるヘキサミンが結合した樹脂構造を有す
るため、これを従来のフエノール樹脂にその改質剤又は
架橋剤として組み合わせて使用する場合、従来の樹脂結
合剤に比べて硬化機能を有する多くの架橋性官能基が付
与されるため、有害ガスの発生を伴うヘキサミンの使用
量を実質的に少なくできることなどから硬化速度を向上
させ、かつ有害ガスの発生を低減させる効果があるもの
と推察される。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。な
お、実施例及び比較例中の部及び%は特に断らないかぎ
り重量基準である。
また、樹脂被覆砂粒(RCS)の評価は次の試験法に従つ
て実施した。
抗折力:JIS-K-6910 ベンド:JACT試験法SM-3 融着点:JACT試験法C−1 温時強度:JIS-K-6910に準じ、金型温度250℃で所定時間
焼成したテストピース脱型10秒後の抗折力を測定した。
アンモニア:温度250℃の熱板上に設置した密閉可能な
ボツクス(縦60mm×横120mm×高さ170mm)内に樹脂被覆
砂粒2.5gを投入し70秒間焼成した際に発生するアンモニ
アガス濃度を北川式検知管(測定範囲25〜900ppm)で測
定した。
ホルムアルデヒド: 使用する樹脂被覆砂粒を15gとし、ホルムアルデヒドガ
ス濃度測定用北川式検知管(測定範囲1〜35ppm)を用
いる以外は前記アンモニアガス濃度測定方法に準じて測
定した。
製造例1 還流冷却器、かきまぜ装置を備えた三つ口フラスコにフ
エノール100部、47%ホルマリン238部を入れ、かきまぜ
ながら50%水酸化ナトリウム8.5部を加え、反応温度80
℃で3時間(30℃での水希釈度が3.0ml/g)反応させた
のち、冷却し、次いでサリチル酸でpH5.6に調整した。
さらに、樹脂液が60℃を超えないように、冷却しながら
25%アンモニア水59部を加え、減圧脱水を行い、本発明
に係る液状レゾール樹脂(以下、樹脂Aと略記する)を
得た。
得られた樹脂Aは固形分が60%、粘度が130センチポイ
ズ(30℃)、遊離フエノールが0.1%であり、遊離ホル
ムアルデヒドは検出されなかつた。なお、遊離フエノー
ルは液体クロマトグラフイーにより求め、遊離ホルムア
ルデヒドは塩酸ヒドロキシルアミン法により求めた。
製造例2 還流冷却器、かきまぜ装置を備えた三つ口フラスコにフ
エノール100部、47%ホルマリン373部を入れ、かきまぜ
ながら50%水酸化ナトリウム4.3部を加え、反応温度80
℃で2時間(30℃での水希釈度が5.6ml/g)反応させた
のち、冷却し、次いで酢酸でpH4.5に調整した。さらに
樹脂液が60℃を超えないように、冷却しながら25%アン
モニア水144部を加え、減圧脱水を行い、本発明に係る
液状レゾール樹脂(以下樹脂Bと略記する)を得た。
得られた樹脂Bは固形分が59%、粘度が90センチポイズ
(30℃)であり、遊離フエノール及び遊離ホルムアルデ
ヒドは検出されなかつた。
製造例3 還流冷却器、かきまぜ装置を備えた三つ口フラスコにフ
エノール100部、47%ホルマリン509部を入れ、かきまぜ
ながら水酸化カルシウム4.3gを加え、反応温度80℃で2.
5時間(30℃での水希釈度が3.1ml/g)反応させたのち、
冷却し、次いで塩酸でpH6.5に調整して静止放置後、中
和塩を除去した。次に樹脂液が60℃を超えないように、
冷却しながら25%アンモニア水239部を加え、減圧脱水
を行い、本発明に係る液状レゾール樹脂(以下樹脂Cと
略記する)を得た。
得られた樹脂Cは固形分が60%、粘度が75センチポイズ
(30℃)であり、遊離フエノール及び遊離ホルムアルデ
ヒドは検出されなかつた。
製造例4 還流冷却器、かきまぜ装置を備えた三つ口フラスコにフ
エノール100部、47%ホルマリン244部を入れ、かきまぜ
ながらトリエチルアミン3.5部を加え、反応温度90℃で4
5分間(30℃での水希釈度が4.2ml/g)反応させたのち、
冷却し、次いでサリチル酸でpH5.1に調整した。さらに
樹脂液が60℃を超えないように、冷却しながら25%アン
モニア水80.8部を加え、減圧脱水を行い本発明に係る液
状レゾール樹脂(以下樹脂Dと略記する)を得た。
得られた樹脂Dは固形分が60%、粘度が55センチポイズ
(30℃)、遊離フエノールが2.1%であり、遊離ホルム
アルデヒドは検出されなかつた。
製造例5 サリチル酸による中和を行なわない以外は、製造例1と
同様にして対照液状レゾール樹脂(以下樹脂Eと略記す
る)を得た。
得られた樹脂Eは固形分が60%、粘度が230センチポイ
ズ(30℃)、遊離フエノールが0.2%であり、遊離ホル
ムアルデヒドは検出されなかつた。
製造例6 25%アンモニア水を加えない以外は、製造例1と同様に
して対照液状レゾール樹脂(以下樹脂Fと略記する)を
得た。
得られた樹脂Fは固形分が60%、粘度が100センチポイ
ズ(30℃)、遊離フエノールが0.2%、遊離ホルムアル
デヒドが11.3%であつた。
実施例1 遠州鉄工社製スピードミキサーに150℃に予熱したフー
カケイ砂5kgと固形ノボラツク樹脂(商品名;旭有機材
工業製SP70ONS)70g及び製造例1で得た樹脂A50g(配合
比率70:30)を添加して30秒間混合して充分に溶融被覆
させたのち、冷却水75gと送風によつて急冷しながら40
秒間混合を行い、次いでステアリン酸カルシユウム5gを
加えて、さらに15秒間混合して砂粒をほぐしてから取り
出し、樹脂被覆砂粒(以下、RCSと略称する)を得た。
得られたRCSの評価結果を第1表に示す。
実施例2〜4 固形ノボラツク樹脂SP70ONSと製造例1で得た樹脂Aを
用い、第1表に記載した配合処法により実施例1と同様
にしてRCSを得た。得られたRCSの評価結果を第1表に示
す。
実施例5〜7 製造例1で得た樹脂Aに代えて、製造例2〜4で得た樹
脂B〜Dを用いた以外は実施例1と同様にしてRCSを得
た。得られたRCSの評価結果を第1表に示す。
比較例1 遠州鉄工(株)製スピードミキサーに150℃に予熱した
フーカケイ砂5kgと固形ノボラツク樹脂SP70ONS100gを添
加して30秒間混合して充分に溶融被覆させたのち、ヘキ
サミン15gと冷却水75gを添加し、さらに送風によつて急
冷しながら40秒間混合を行い、次いでステアリン酸カル
シウム5gを加えてさらに15秒間混合して砂粒をほぐして
から取り出しRCSを得た。得られたRCSの評価結果を第1
表に示す。
比較例2〜3 製造例1で得た樹脂Aに代えて製造例5、6で得た樹脂
E及びFを用いた以外は実施例1と同様にしてRCSを得
た。得られたRCSの評価結果を第1表に示す。
実施例1〜7及び比較例1〜3によるRCSの評価結果は
第1表に示すとおりであつて、本発明の樹脂結合剤を用
いたRCS(実施例1〜7)は、ノボラツク樹脂−ヘキサ
ミン系RCS(比較例1)に比べ、鋳型作成時における有
害ガスの発生が著しく低減し、温時強度やベンドに示さ
れるように硬化速度が大幅に向上し、著しい改善効果を
有する。また、酸中和をした樹脂Aを用いたRCS(実施
例1)は、酸中和をしない樹脂Eを用いたRCS(比較例
2)に比べ、鋳型強度が著しく向上し、酸中和の効果が
顕著に認められた。さらにアンモニア処理を行わない樹
脂Fを用いたRCS(比較例3)に比べ鋳型強度や硬化速
度が著しく改善され、かつ、鋳型作成時においてアンモ
ニアの発生を生じたもののホルムアルデヒドガスの発生
が著しく低減した。
また、比較例3において、RCSを製造する際、樹脂F中
の、遊離ホルムアルデヒドの発生が著しく、その不快さ
に耐え難くて実用に供しうるものではなく、本発明にお
けるアンモニア処理の効果が顕著に認められた。
実施例8 遠州鉄工製スピードミキサーに150℃に予熱した再生5
号砂(流動焙焼再生砂)5kgと固形レゾール樹脂(商品
名旭有機材工業製SP545N)135g及び、製造例1で得た樹
脂A25g(配合比率90:10)を添加して30秒間混合して充
分に溶融被覆させたのち、冷却水75gと送風によつて急
冷しながら40秒間混合を行い、次いでステアリン酸カル
シウム5gを加えてさらに15秒間混合して砂粒をほぐして
から取り出しRCSを得た。得られたRCSの評価結果を第2
表に示す。
実施例9 固形レゾール樹脂SP545N120gと製造例1で得た樹脂A50g
(配合比率80:20)とする以外は実施例8と同様にしてR
CSを得た。得られたRCSの評価結果を第2表に示す。
比較例4 結合剤として固形レゾール樹脂SP545Nだけを用いる以外
は実施例8と同様にしてRCSを得た。得られたRCSの評価
結果を第2表に示す。
実施例8、9及び比較例4によるRCSの評価結果は第2
表に示すとおりであり、本発明の樹脂結合剤を用いたRC
S(実施例8、9)は、従来のレゾール系RCS(比較例
4)に比べ温時強度やベンドが大幅に向上し、硬化特性
の改善効果は顕著である。
実施例10 遠州鉄工製スピードミキサーに150℃に予熱したフーカ
ケイ砂5kgと、固形ノボラツク樹脂(商品名、旭有機材
工業製SP500)95g及び製造例1で得た樹脂A8.3g(配合
比率95:5)を添加して30秒間混合して充分に溶融被覆さ
せたのち、ヘキサミン15gと冷却水75gを添加し、さらに
送風によつて急冷しながら40秒間混合を行い、次いでス
テアリン酸カルシウム5gを加えて、さらに15秒間混合し
て砂粒をほぐしてから取り出しRCSを得た。得られたRCS
の評価結果を第3表に示す。
実施例11 固形ノボラツク樹脂SP500 90gと製造例1で得た樹脂A1
6.7g(配合比率90:10)とする以外は実施例10と同様に
してRCSを得た。得られた評価結果を第3表に示す。
比較例5 結合剤として固形ノボラツク樹脂SP500だけを用いた以
外は実施例10と同様にしてRCSを得た。得られたRCSの評
価結果を第3表に示す。
実施例10、11及び比較例5によるRCSの評価結果は第3
表に示すとおりであつて、ノボラツク樹脂−ヘキサミン
系RCS(比較例5)に比べ、本発明によるRCS(実施例1
0、11)は温時強度及びベンドが大幅に向上し、硬化特
性の改善効果は顕著である。
なお、製造例1で得た本発明に係るレゾール樹脂Aと製
造例5、6で得た対照レゾール樹脂E及びFの貯蔵安定
性について比較調査した結果を第4表に示す。
以上の結果から明らかなように、酸による中和及びアン
モニアによる処理を行つた本発明に係るレゾール樹脂A
は、対照レゾール樹脂より著しく貯蔵安定性が改善され
ており工業的規模で使用するに際し非常に有用な性質を
有する。
発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明に係る液状レゾー
ル樹脂を従来の固形フエノール樹脂結合剤の架橋剤とし
て組み合わせ用いたフエノール系樹脂結合剤は、従来の
ノボラツク型フエノール樹脂結合剤より格段に優れた硬
化性能を有し、かつ有害ガスの発生を大幅に低減しうる
ため、作業環境が改善されるだけでなく、作業能率の向
上及び公害対策費の削減を図ることができる。また、前
記液状レゾール樹脂を改質剤として組み合わせ用いる場
合にも、従来の固形フエノール樹脂結合剤より硬化性能
を著しく向上させることができるなど顕著な効果を有す
る。さらに本発明に係る液状レゾール樹脂は貯蔵安定性
に優れるために、工業的規模で使用するに際し、極めて
有益である。
本発明により得られるフエノール系結合剤は、シエルモ
ールド用に好適に用いられるほか、例えば鋳型又は中子
接着用、押湯保温材用、カーボン材、グラフアイト材、
不焼成レンガ材、高炉閉塞材などの耐火物用、パーテイ
クルボード、フアイバーボード、ミネラルボード、合板
などの建築部材用、工業用積層材用、成形材料用、砥石
用、摩擦材料用、無機系繊維断熱材用、セラミツクス用
などの各種用途における工業用樹脂結合剤としても好適
に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 為本 和雄 愛知県丹羽郡扶桑町大字南山名字新津26の 4 旭有機材工業株式会社愛知工場内 (56)参考文献 特開 昭57−78448(JP,A) 特開 昭49−119947(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ水性媒体の存在下、フエノール系
    化合物とホルムアルデヒドとをモル比1:3ないし1:8の割
    合で縮合反応させ、得られた反応混合物を酸でpH4〜7
    に調整したのち、この中にアンモニア及びアンモニウム
    塩の中から選ばれた少なくとも1種の化合物を加えて処
    理し遊離ホルムアルデヒドをヘキサメチレンテトラミン
    に変換させて、実質上遊離ホルムアルデヒドを含まない
    液状レゾール型フエノール樹脂を得、次いでこれを、ノ
    ボラツク型フエノール樹脂、レゾール型フエノール樹脂
    及びベンジルエーテル型フエノール樹脂の中から選ばれ
    た少なくとも1種の固形フエノール樹脂に対し、該液状
    レゾール型フエノール樹脂(固形分換算)が固形分全重
    量に基づき少なくとも2重量%になる割合で配合するこ
    とを特徴とするフエノール系樹脂結合剤の製造方法。
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