JP2004115571A - 耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂 - Google Patents

耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、取り扱い時の作業環境が良好で、耐火煉瓦の強度に優れた耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂を提供することである。
【解決手段】本発明の耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂は、(a)未反応フェノール類が1重量%以下、(b)2核体成分が10重量%以下、(c)分子量の分散度が5以下、(d)数平均分子量が300〜1000であることを特徴とするものである。好ましくは、前記ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを有機ホスホン酸を触媒として用いて反応させて得られるものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不焼成煉瓦などの耐火物結合剤に用いられるノボラック型フェノール樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、転炉、電気炉、取り鍋などにおいて、フェノール樹脂を結合剤として使用した黒鉛含有の不焼成煉瓦の使用量が増加している。このような耐火物用の結合剤として用いられるフェノール樹脂としては、ノボラック型及びレゾール型の液状または粉末の樹脂が、単独または併用の形で使用されている。
【0003】
フェノール樹脂の代表的な使用例を挙げると、ノボラック型フェノール樹脂の場合は、ヘキサメチレンテトラミンを含む粉末樹脂がエチレングリコール、グリセリンまたは変性アルコール等の湿潤剤とともに用いられたり、或いはレゾール型の液状フェノール樹脂と組み合わせて用いられたりしている。また、ノボラック型フェノール樹脂を予めエチレングリコール等の溶剤に溶解した液状樹脂を、混練時にヘキサメチレンテトラミンと組み合わせて用いられることも多い。
また、レゾール型フェノール樹脂の場合は、水溶媒型の液状樹脂またはエチレングリコールなどの溶剤が入った溶剤型の液状樹脂が単独で用いられたり、或いはこれらの液状樹脂がノボラック型の粉末樹脂と組み合わせて用いられたりしている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
結合剤としてノボラック型フェノール樹脂を用いる場合、求められるノボラック型フェノール樹脂の特性は、加熱時の流動性が高いこと、溶剤や液状樹脂に溶解した時の粘度が低いことなどが挙げられる。加熱時の流動性は耐火煉瓦の乾燥後の強度に関係し、流動性が低い場合耐火骨材表面へのコートが不足し耐火骨材間の接着性が不充分となり、強度が低下するという問題が生じ、また溶剤や液状樹脂に溶解した時の粘度についても、粘度が高くなると耐火骨材へのコート不足が同様に発生し乾燥後の強度低下の問題が生じる場合がある。
【0005】
加熱時の高い流動性、または溶剤や液状樹脂に溶解した時に低粘度となるノボラック型フェノール樹脂を得る方法について、これまで種々の提案がなされている。例えば樹脂の低分子量化する方法が挙げられる。この場合樹脂を反応させるときにホルムアルデヒド類のモル数に対し、フェノール類のモル数を過剰としなければならず、未反応フェノール類が増加する。このため樹脂を使用する際、フェノールなどの刺激臭がきつくなり作業環境の悪化などの問題が生じてしまう。また、極端に低分子量化した樹脂の場合、樹脂が硬化する乾燥工程前の煉瓦の強度が低下してしまう場合もある。
この為、未反応フェノール類が少なく、加熱時の流動性が高く、また溶剤溶解時低粘度となり、且つ分子量の高い樹脂が望まれている。
【0006】
【非特許文献1】
船引恭平、他2名、「フェノール樹脂とその耐火物への利用」、耐火物、耐火物技術協会、
昭和56年2月10日、No.277、vol33、p8−24
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂の種々の問題を解決すべく検討の結果なされたものであり、取り扱い時の作業環境が良好で、耐火物の強度に優れた耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明(1)〜(3)により達成される。
(1)(a)未反応フェノール類が1重量%以下、(b)2核体成分が10重量%以下、(c)分子量の分散度が5以下、(d)数平均分子量が300〜1000であることを特徴とする耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂、
(2)前記ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを有機ホスホン酸を触媒として用いて反応させて得られるものである請求項1に記載の耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂、
(3)前記有機ホスホン酸は、下記一般式(I)で示されるものである請求項2に記載の耐火物
結合剤用ノボラック型フェノール樹脂。
R−PO(OH)       (I)
(Rは炭素原子を含み、かつ−COOH、および/または−PO(OH)を含む基である)
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂について説明する。
本発明の耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂(以下、単に「ノボラック型フェノール樹脂」ということがある)は、(a)未反応フェノール類が1重量%以下、(b)2核体成分が10重量%以下、(c)分子量の分散度が5以下、(d)数平均分子量が300〜1000であることを特徴とする。
【0010】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の原料として使用するフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、ビスフェノールA、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、他のアルキルフェノール類、カテコール、レゾルシン、ビスフェノール類などが挙げられる。また、これらを単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。通常、耐火物結合剤用のノボラック型フェノール樹脂には、耐火物の高強度が得られやすいことから、フェノール、クレゾール類、ビスフェノールAが用いられる。
【0011】
また、アルデヒド類としても特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒドなど、又はこれらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などが挙げられる。また、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。通常、耐火物結合剤用のノボラック型フェノール樹脂には、合成時の反応性が高いことから、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが用いられる。
【0012】
アルデヒド類(F)とフェノール類(P)との反応モル比(F/P)は特に限定されないが、0.4〜1.0であることが好ましく、より好ましくは、0.5〜0.8である。かかるモル比で反応させることにより、耐火物結合剤に適した分子量を有するノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。反応モル比が前記下限値を下回る条件で反応を行ったものは、歩留まりが低くなりやすく、また、得られるノボラック型フェノール樹脂も分子量が小さくなる場合がある。一方、反応モル比が前記上限値を上回る条件で反応を行ったものは、ノボラック型フェノール樹脂の分子量が高くなりやすく、軟化点が高くなり、加熱時に充分な流動性が得られなくなることがある。また、分子量のコントロールが難しい場合があり、反応条件によってはゲル化、もしくは部分的なゲル化物が生じやすくなる。
【0013】
反応方法としては、反応の開始時にフェノール類とアルデヒド類を全量一括して反応容器に仕込み、触媒を添加し反応してもよく、また反応初期の発熱を抑制するために、フェノール類と触媒を仕込んだ後アルデヒド類を逐次添加して反応させてもよい。
【0014】
本発明のノボラック型フェノール樹脂中の未反応フェノール類、及び2核体成分の含有量は、未反応フェノール類が1重量%以下、2核体成分は10重量%以下である。これにより、樹脂を取り扱う際の作業環境を悪化させるガスの発生量を減らすことができる。未反応フェノール類や2核体成分の含有量が前記上限値より多い場合は、耐火骨材と混練する際、これらの成分が強い刺激性のガスとなり作業環境の悪化につながることがある。また、ノボラック型フェノール樹脂の分子量が低下し、耐火物の強度が低下する場合がある。より好ましくは、未反応フェノール類が0.5重量%以下、2核体成分は7重量%以下である。
なお、本発明における未反応フェノール類は、JIS K 0114に準じ、ガスクロマトグラフィー法を用い、2,5−キシレノールを内部標準物質として内部標準法で測定した値である。また、2核体成分は、液体クロマトグラフィー法を用いて測定し、2核体成分の面積比率により求めたものである。
【0015】
本発明のノボラック型フェノール樹脂の分散度は5以下である。かかる分散度のノボラック型フェノール樹脂は、その加熱時において良好な流動性を示し、また溶剤に溶解させたときの溶液粘度は低くなることより、耐火物用結合剤に適しているからである。分散度が前記上限値を超えると、樹脂の加熱時の流動性が低下し、また、溶液粘度が増加するため、耐火骨材にノボラック型フェノール樹脂を混錬する際に耐火骨材表面のコート不足となり、耐火物の強度が低下してしまうことがある。より好ましくは、分散度は3以下である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂において、分子量の分散度(以下、単に分散度という)とは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)のような液体クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)で表した値である。GPCの測定は、テトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で測定した。装置は、本体:東ソー製HLC−8020、分析用カラム:東ソー製TSKgelG1000HXLを2本、G3000HXLを1本使用した。一般的に分子量分布を有する高分子量化合物では、Mw>Mnであり、分散度は1よりも大きい。この値が小さいほど分散度は低く狭分散である。Mw=Mnである場合は、単一の化合物である。
【0016】
また、本発明のノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量(Mn)としては、300〜1000である。かかる数平均分子量のものを用いることにより、高い耐火物強度を得ることができる。数平均分子量が前記上限値を超えると加熱時の流動性が低下して耐火物強度が低下することがあり、一方、前記下限値未満では接着力が低下し耐火物強度が低下することがある。より好ましくは、数平均分子量は400〜900である。
【0017】
本発明のノボラック型フェノール樹脂は特に限定されないが、その製造時に触媒として有機ホスホン酸を用いたものであることが好ましい。ここでいう有機ホスホン酸とは、ホスホン酸基−PO(OH)を含む有機化合物であり、いかなるものも使用可能であるが、下記一般式(I)で示さ
れる有機ホスホン酸が、未反応フェノール類が少なく、かつ狭分散のノボラック型フェノール樹脂を高収率に得るために好ましい。
R−PO(OH)       (I)
(Rは炭素原子を含み、且つ−COOH、及び/又は−PO(OH)を含む基である)
一般式(I)で示される有機ホスホン酸としては、アミノポリホスホン酸類であるエチレンジア
ミンテトラキスメチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、β−アミノエチルホスホン酸−N,N−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸−N,N−ジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などがある。これらの中でも本発明の目的から見て工業的に大量生産され安価であるアミノトリスメチレンホスホン酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を用いるのが好ましい。
【0018】
有機ホスホン酸の添加量としては特に限定されないが、フェノール類1モルに対して、0.001〜4.0モルであることが好ましく、より好ましくは、0.01〜0.5モルである。有機ホスホン酸の添加量が多いほど、未反応フェノール類などが少なく、かつ狭分散のノボラック型フェノール樹脂を高収率で得るという効果は大きいが、触媒添加量が4.0モルを超えるとその効果は変わらなくなり、0.001モル未満では、触媒としての効果が充分に現れなくなる。また、触媒として上記有機ホスホン酸とともに、蓚酸、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸など、他の酸性物質の併用も可能である。これらの酸の併用は特に4核体以上の高分子領域での反応促進に有効である。
【0019】
本発明のノボラック型フェノール樹脂が、未反応フェノール類や2核体成分の量が少なく、分子量分布が狭分散となる理由は以下のように考えられる。有機ホスホン酸は、非常に水溶性が高く水和しやすい性質を持った化合物である。そして、フェノール類には溶解性が小さく、ノボラック型フェノール樹脂には、分子量の増大とともに溶解性がさらに小さくなる性質を有している。このため、反応時には、触媒である有機ホスホン酸を多量に含んだ水層と、フェノール類、ノボラック樹脂からなる触媒がほとんど存在しない有機層とに分離した状態となる。フェノール類および2核体などの低分子成分は、比較的水層に溶出しやすく、溶出した部分はアルデヒド類と反応するが、高分子成分では溶出がほとんどなく反応が進行しない。また、水層に溶出したノボラック型フェノール樹脂はアルデヒドと反応して高分子量化して速やかに有機層に抽出され、それ以上反応は進行しない。このようにして、低分子成分と高分子成分の反応速度差が生じるため、結果的に未反応のフェノール類などが少なく、分子量分布が狭いノボラック型フェノール樹脂を高収率に製造することが可能となる。
【0020】
本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂には特に限定されないが、硬化剤として通常ヘキサメチレンテトラミン、レゾール型フェノール樹脂などを用いる。これらを単独あるいは2種以上混合して使用してもよい。例えば、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する場合は、通常ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して5〜15重量部配合する。
また、このほかにも必要に応じて、改質剤として滑剤、シランカップリング剤などを配合することができる。
【0021】
以上の説明のように、本発明で用いられるノボラック型フェノール樹脂は、未反応フェノール類などが少ないことにより、耐火骨材と混練する際、また、加熱乾燥させる際の作業環境を悪化させるガスの発生量を減らすことができる。また、特定の数平均分子量や分散度を有することにより、適度な分子量を持つとともに高い流動性を示すので、ノボラック型フェノール樹脂と耐火骨材との混練時に耐火骨材へのコートを十分に行うことができ、耐火物を成形する際も十分な強度を与えることができる。
【0022】
本発明のノボラック型フェノール樹脂を耐火物結合剤として用いる場合は、通常の方法を適用することができる。すなわち、アルミナ、マグネシア、鱗状黒鉛などの耐火骨材と本発明のノボラック型フェノール樹脂、及び硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを所定の配合で混錬することにより坏土を得る。得られた坏土を金型などに充填し、加圧し成形後、所定の温度まで加熱することにより耐火物を得ることができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明は実施例によって限定されるものではない。ここに記載されている「部」「%」は全て「重量部」「重量%」を示す。
【0024】
<実施例>
攪拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、フェノール1000部、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸(1−1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸(1水和物)95%以上、キシダ化学(株)製)600部を添加し、内温を120℃まで昇温した後、92%パラホルムアルデヒド278部を30分かけて逐添した後、1時間還流反応を行った。その後、水500部を加え、内温100〜103℃で30分攪拌した後、内温を60℃まで冷却し、30分静置した。静置後反応容器底部から1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸水溶液を分離除去した。分離終了後、水1000部を添加し、残留する触媒を洗浄した。30分静置後、反応容器上部より洗浄水を除去した。再度脱水配管へ切り替え内温130℃まで常圧脱水を行い、続けて内温150℃まで9500Paで減圧脱水を行い、系中の水分を除去した。その後、エチレングリコールを450部添加し、得られた樹脂を反応容器より取り出し、ノボラック型フェノール樹脂1470部を得た。得られた樹脂のGPC測定による分子量は、Mn=520、Mw=730であり、分散度(Mw/Mn)=1.38であった。また、未反応フェノール成分は検出限界(0.1%)以下であり、2核体成分量は2%であった。
【0025】
<比較例>
攪拌装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、フェノール1000部、蓚酸10部を仕込み、常圧で内温95℃まで昇温した後、37%ホルマリン621部を1時間かけて添加した。さらに98〜100℃で1時間還流反応を行った後、大気圧にて加熱脱水し、140℃まで内温を上昇させ、9500Paまで減圧し、さらに内温を180℃まで加熱した後、エチレングリコール450部添加し、反応容器より取り出し、ノボラック型フェノール樹脂1455部を得た。得られた樹脂のGPC測定による分子量は、Mn=460、Mw=986であり、分散度=2.14であった。また、未反応フェノール成分は3.0%であり、2核体成分量は13%であった。
【0026】
<耐火物としての実用試験>
実験用万能混練機にマグネシアクリンカー粗粒(1〜3mm)600部、マグネシアクリンカー微粉(0.3mm以下)200部、鱗状黒鉛200部、実施例及び比較例で得られたノボラック型フェノール樹脂35部、ヘキサメチレンテトラミン3.5部を加え、40℃で60分間混錬した。次いで、混練物120gを15×25×100mmの金型に取り、9.8×10Paの圧力をかけて成形し、得られた試験片を200℃で5時間乾燥した。さらにこの試験片について還元雰囲気下で1000℃加熱処理後のそれぞれの試験片を作製した。
【0027】
実施例及び比較例で得られたノボラック型フェノール樹脂の分子量、分散度、未反応フェノール量、2核体成分量、及び上記耐火物の特性測定結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004115571
【0028】
<耐火物の特性測定方法>
(1)曲げ強度:(株)東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−III−500を使用した。スパン80mm、ヘッドスピート5mm/minで行った。
(2)刺激臭:混錬時に生じた臭気を感応にて確認した。比較例を基準とし、同様の刺激臭が有る場合を有り、無い場合を無しとした。
【0029】
表1の結果から、実施例は比較例に対して200℃での乾燥後の強度は向上しており、また、1000℃加熱処理後の強度も高くなっていることがわかる。また、混練時に発生する刺激臭も低減させることができた。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、未反応フェノール類が1重量%以下、2核体成分が10重量%以下、かつ分散度が5以下で数平均分子量が300〜1000である耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂である。本発明のノボラック型フェノール樹脂を耐火物結合剤に使用することにより、耐火物の強度を向上させ、耐火骨材との混練時に発生する刺激性ガスを低減することができることから、耐火物結合剤として好適に用いられるものである。

Claims (3)

  1. (a)未反応フェノール類が1重量%以下、(b)2核体成分が10重量%以下、(c)分子量の分散度が5以下、(d)数平均分子量が300〜1000であることを特徴とする耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂。
  2. 前記ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを有機ホスホン酸を触媒として用いて反応させて得られるものである請求項1に記載の耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂。
  3. 前記有機ホスホン酸は、下記一般式(I)で示されるものである請求項2に記
    載の耐火物結合剤用ノボラック型フェノール樹脂。
    R−PO(OH)       (I)
    (Rは炭素原子を含み、かつ−COOH、および/または−PO(OH)を含む基である)
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