JP2008169285A - アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、シェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂及びレジンコーテッドサンド。 - Google Patents

アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、シェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂及びレジンコーテッドサンド。 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱膨張特性に優れ、また、曝熱時にヤニ・スス発生量が少ないシェルモールド用粘結剤及びその製造方法、及びこれを用いてなるレジンコーテッドサンドを提供すること。
【解決手段】 アルキルベンゼンによる変性ノボラック型フェノール樹脂であって、数平均分子量が300〜1000、アルキルベンゼン2核体の含有量が1.0%以下、水酸基当量が108〜180であるアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂からなることを特徴とするシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂、及び、これを用いてなる本発明のレジンコーテッドサンド
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、シェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂及びレジンコーテッドサンドに関するものである。
シェルモールド法による鋳型の作製は、レジンコーテッドサンドを加熱した型に充填し、硬化させることにより行われている。レジンコーテッドサンドは、予め加熱した耐火性粒状材料に粘結剤を添加、ミキサーで混練し、耐火性粒状材料の表面を溶融した粘結剤でコートした後、粘結剤がノボラック型フェノール樹脂である場合にはヘキサメチレンテトラミン水溶液などの硬化剤を添加し、さらに混練しつつ冷却してステアリン酸カルシウム等の滑剤を添加することによって得られる。通常、粘結剤としては、レジンコーテッドサンドの保存性、鋳型の高強度、高寸法安定性を得る等の理由により、ノボラック型フェノール樹脂が使用されている。
一般にレジンコーテッドサンドに用いられる粘結剤は、フェノールとホルムアルデヒドを酸性又はアルカリ性触媒で反応させて得られるノボラック型又はレゾール型フェノール樹脂であるが、これを用いた鋳型は剛性が高く、熱膨張率が大きいため、鋳込み時に割れを生じる欠点を有している。このため、フェノール樹脂にビスフェノールA、ビスフェノールA精製物残渣、ビンゾールなどを配合または反応させた変性フェノール樹脂とし、低熱膨張化によって鋳込み時の割れを防止する方法が一般的に使用されている。
フェノール樹脂に上記材料を配合または反応する方法では、硬化速度が遅くなる、曝熱時にヤニやススが発生しやすい、また、ビスフェノールAは環境ホルモンの懸念があるなどの欠点を有する。そのため、ジシクロペンタジエンに、フェノール系化合物或いはフェノール系化合物及びホルムアルデヒドを反応させた反応物をフェノール樹脂に混合または溶融させてなることを特徴とするシェルモールド用フェノール樹脂粘結剤が提案されているが、鋳型の熱膨張率低減の効果が小さく、充分な効果を得るためにはジシクロペンタジエンによる変性率あるいはジシクロペンタジエン樹脂の配合率を高くしなければならなかった。また、このことは価格面で不利となる。(特許文献1参照)
一方我々は、少量の変性あるいは配合で充分な低熱膨張効果が得られる、アルキルベンゼンによる変性ノボラック型フェノール樹脂を提案したが、該樹脂中の低分子量のアルキルベンゼン樹脂成分(主にアルキルベンゼン2核体)が分解及び揮発してアルキルベンゼンによる変性をしていないノボラック型フェノール樹脂に比べヤニ発生量が増えるという問題点があった(特許文献2参照)。
特開2003−191044号公報 特開2003−164944号公報
本発明の目的は、環境ホルモンの懸念があるビスフェノールAを含まず、熱膨張率が低く爆熱時にヤニやススが発生しにくい鋳型を得ることができるシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂と、これを耐火骨材に配合してなるシェルモールド用レジンコーテッドサンドを提供することである。
このような目的は、下記の[1]〜[5]に記載の本発明により達成される。
[1] アルキルベンゼンによる変性ノボラック型フェノール樹脂であって、数平均分子量が300〜1000、樹脂中のアルキルベンゼン2核体の含有量が1.0%以下、水酸基当量が108〜180であることを特徴とするアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂。
[2] 前記アルキルベンゼンが、トルエン、キシレン、及びメシチレンからなる群より選ばれる1種以上である[1]項に記載のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂。
[3] 前記アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂が、トルエン、キシレン、及びメシチレンからなる群より選ばれる1種以上とホルムアルデヒドとを反応させて得られるアルキルベンゼン樹脂と、フェノール類或いはフェノール類及びアルデヒド類との反応によって得られるものである[1]又は[2]項に記載のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂。
[4] [1]ないし[3]項のいずれかに記載のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂からなるシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂。
[5] [4]項記載のシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂を耐火骨材に配合してなるレジンコーテッドサンド。
本発明のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、該樹脂からなるシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂、及び、これを用いてなる本発明のレジンコーテッドサンドは、本来必要とされる特性を維持しつつ、熱膨張特性に優れ、また、曝熱時のヤニやススの発生が少ないという優れた効果を有する。これにより低圧鋳造時の金型へのヤニやススの付着低減により金型清掃工数の低減が期待され、鋳型の熱膨張率が小さいことによる鋳型の割れ防止、それにより、得られる鋳物のベーニング欠陥を低減することができる。また、ビスフェノールAを使用していないため環境上の問題も低減することができる。
以下に、本発明のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、シェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂及びレジンコーテッドサンドについて説明する。本発明のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂は、数平均分子量が300〜1000、アルキルベンゼン2核体の含有量が1.0%以下、水酸基当量が108〜180であるものである。また本発明のシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂は、前記のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂(以下、単に「変性フェノール樹脂」という)からなるものである。また、本発明のレジンコーテッドサンドは、前記変性フェノール樹脂を鋳型用耐火骨材に配合してなるものである。まず、本発明の変性フェノール樹脂について述べる。
本発明の変性フェノール樹脂は、アルキルベンゼンがメチレン結合等でノボラック型フェノール樹脂と結合したものであり、 かかる変性フェノール樹脂を製造する方法としては特に限定されないが、例えばアルキルベンゼンとホルムアルデヒドとを酸性触媒の存在下で反応させてアルキルベンゼン樹脂を製造し、これを酸性触媒の存在下でフェノール類またはフェノール類及びアルデヒド類と反応させることにより製造できる。この製造方法は、アルキルベンゼンとフェノール類の反応性の差を顕在化させることなく、変性フェノール樹脂を効率よく得ることができ好ましいものである。
前記アルキルベンゼン樹脂の製造に用いられるアルキルベンゼンとしては特に限定されないが、通常は、アルキル基としてはメチル基またはエチル基であり、これがベンゼン環に1〜3個結合したものが挙げられる。これらの中でも、アルキルベンゼンとしてトルエン、キシレン、及びメシチレンから選ばれる1種以上を用い、これを硫酸等の酸性触媒の存在下でホルムアルデヒドと反応させて得られるアルキルベンゼン樹脂が好ましい。これらの例としては、キシレンとホルムアルデヒドとを反応させて得られるキシレン樹脂、メシチレンとホルムアルデヒドとを反応させて得られるメシチレン樹脂などである。これらのアルキルベンゼン樹脂は、ベンゼン核結合官能基としてメチロール基、ジメチレンエーテル基、アセタール基などを有し、フェノール類との反応性が良好なものである。また、性状は粘稠な液体であり、取り扱いも容易である。なお、アルキルベンゼン樹脂としては、前記反応方法によって合成してもよいし、目的とする性状に調製された市販品を用いてもよい。本発明で用いられる変性フェノール樹脂の製造に使用できる市販品としては例えば、キシレン樹脂としてフドー株式会社製「ニカノールH」、メシチレン樹脂として同「ニカノールM」などが挙げられる。
次に、前記アルキルベンゼン樹脂を用いて本発明の変性フェノール樹脂を製造するには、例えば、該アルキルベンゼン樹脂とフェノール類またはフェノール類及びアルデヒド類とを酸性触媒下で反応させる。ここで用いられるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール類、カテコール、レゾルシン等が挙げられ、これらを単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。通常、シェルモールド用としては、鋳型に成形したときに強度を得やすいことから、フェノール、クレゾール類が用いられる。
また、アルデヒド類としても特に限定されないが、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等、またこれらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などを挙げることができ、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。通常、シェルモールド用としては、合成時の反応性が高いことから、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが用いられる。
また、本発明の変性フェノール樹脂のアルキルベンゼン2核体の含有量は1.0%以下であり、好ましくは0.5%以下である。アルキルベンゼン2核体は注湯時に揮発しやすくヤニになりやすいため、その含有量を少なくすることによってヤニの発生を抑えることが出きる。アルキルベンゼン2核体の含有量を少なくする手法としては特に限定されないが、高温減圧下での蒸留、水蒸気蒸留、有機溶剤と水を用いた分別沈殿処理などがあげられる。高温減圧蒸留によりアルキルベンゼン2核体を除去する場合には、例えば、230℃以上の内温及び8kPa以下の減圧下で効率良く蒸留除去することができる。このようにして得られるアルキルベンゼンによる変性樹脂は従来のビスフェノールAによる変性樹脂などと比べて耐熱性が高く(熱天秤測定による加熱時の熱重量減少が少なく)、熱分解及び揮発によるヤニ発生量が大幅に少なくなり、アルキルベンゼンによる変性を行っていないノボラック型フェノール樹脂に近い耐熱性を有する様になる。なお、本発明においてアルキルベンゼン2核体の含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計により求めた値である。
本発明の変性フェノール樹脂の水酸基当量は108〜180であり、好ましくは110〜130である。これにより、他の特性に影響を与えることなく、樹脂硬化物に可撓性を付与することができる。水酸基当量は変性率に相関があり、前記上限値を超えると、つまり変性量が多いと、フェノール樹脂の硬化性が低下して鋳型の強度が不足することがあり、一方、前記下限値未満では、つまり変性量が少ないと、アルキルベンゼン変性による熱膨張率低下の効果が充分に得られないことがある。なお、本発明において水酸基当量は、無水酢酸法(JIS K3342, 基準油脂試験法)によるものである。
本発明の変性フェノール樹脂の数平均分子量(Mn)は300〜1000であり、好ましくは400〜900である。かかる数平均分子量のものを用いることにより、レジンコーテッドサンドとしての保存性と鋳型強度を両立させることができる。数平均分子量が前記上限値を超えると成形時の流動性が低下して、鋳型強度が低下することがあり、一方、前記下限値未満では保管時にブロッキング現象が生じやすくなることがある。なお、本発明において、数平均分子量とは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)のような液体クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。GPCの測定は、テトラヒドロフランを溶出溶媒として使用し、流量1.0ml/分、カラム温度40℃の条件で測定した。装置は、本体:東ソー製HLC−8020、分析用カラム:東ソー製TSKgelG1000HXLを2本、G3000HXLを1本使用した。
本発明の変性フェノール樹脂には特に限定されないが、硬化剤として通常ヘキサメチレンテトラミン、レゾール型フェノール樹脂などを用いる。これらを単独あるいは2種以上混合して使用してもよい。例えば、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する場合は、通常、ノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して10〜30重量部配合する。また、このほかにも必要に応じて、改質剤として滑剤、シランカップリング剤などを配合することができる。滑剤としてはエチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、メチロールステアリン酸アマイドなどが使用でき、シランカップリング剤としてはアミノシラン、エポキシシラン、ビニルシランなどが使用できる。これらの硬化剤や添加剤を配合したものについても、本発明に含まれる。
また本発明のシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂は、前記の変性フェノール樹脂からなるものである。
次に、本発明のレジンコーテッドサンドについて説明する。本発明のレジンコーテッドサンドは、前記変性フェノール樹脂を耐火骨材に配合することにより得られるものである。本発明のレジンコーテッドサンドを製造する方法については、通常の方法が用いることができる。一例を挙げると、加熱した鋳型用耐火骨材に前記変性フェノール樹脂、次いでヘキサメチレンテトラミンと水を予め混合したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加して混合し、コーテッドサンドが崩壊するまで空冷しながら混合を続け、さらにステアリン酸カルシウムなどの滑剤を添加、混合して得ることができる。レジンコーテッドサンドに用いる耐火骨材としては珪砂が一般的であるが、ジルコンサンド、人工ムライトサンドなどの特殊砂などを混合、または単独で用いることもできる。
レジンコーテッドサンドを硬化させてなる鋳型に溶融金属を注湯する際に鋳型が膨張する原因は、耐火骨材に含有されるSiO2の熱膨張によるものと考えられる。すなわち、耐火骨材に含有されるSiO2は、575℃に達するとその結晶構造がα石英(α−quartz)からβ石英(β−quartz)に変化し、さらに870℃ではβ石英からβトリジマイト(β−tridymit)に変化する。例えば鉄鋳物の場合、注湯される溶融鉄の温度は1200〜1400℃に達するため、鋳型は熱伝導により急激に温度上昇する。このとき耐火骨材中のSiO2が前記のような相転位を経て熱膨張し、これが鋳型の膨張となって現れると考えられる。レジンコーテッドサンドは、耐火骨材の一部または全部をノボラック型フェノール樹脂で被覆したものであるが、従来のノボラック型フェノール樹脂は熱時の弾性が高いため、前記のような耐火骨材の膨張が発生した際にこれを機械的に吸収することができず、鋳型の膨張により鋳物の寸法精度が低下したり、鋳型クラックの発生により耐火骨材間の密着性が低下して、鋳型の形状を維持できない部分が発生することがあった。本発明で用いられる変性フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂をアルキルベンゼンで変性することにより、硬化時の架橋点であるフェノール性水酸基が結合したベンゼン環の密度を小さくし、フェノール樹脂硬化物に可撓性、柔軟性を付与させたものである。これをレジンコーテッドサンドに用いることにより、耐火骨材の熱膨張分を自らのクッション性で受け止めることができるので、鋳型としての熱膨張を小さく抑えることができる。また、かかる特性により鋳型クラックの発生も低減できる。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明は実施例によって限定されるものではない。ここに記載されている「部」「%」は全て「重量部」「重量%」を示す。
<実施例1>
冷却器、攪拌機付きの反応容器にフェノール1000部、キシレン樹脂(フドー株式会社製、「ニカノールH」)600部を仕込み、蓚酸5部を添加して97〜103℃で3時間反応を行った。その後、蓚酸5部と37%ホルマリン350部を徐々に加え、97〜103℃で2時間反応を行った。次いで大気圧にて加熱脱水し180℃まで内温を上昇させた後、5kPaまで減圧し、さらに内温を250℃まで加熱した後、エチレンビスステアリン酸アマイド15部を添加混合した。これを反応容器より取り出し、アルキルベンゼン樹脂2核体の含有量=0.2%、水酸基当量=170、数平均分子量=495の変性フェノール樹脂A1440部を得た。次に、130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、変性フェノール樹脂A160部を添加し、45秒間混錬した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン30部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで空冷しながら混錬し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し、20秒間混錬を行った後、ミキサーより排出し、レジンコーテッドサンドAを得た。
<実施例2>
冷却器、攪拌器付きの反応容器にフェノール1000部、予め1kPaの減圧下230℃まで内温を上昇させて樹脂中の低分子量成分を蒸留除去したメシチレン樹脂(フドー株式会社製、「ニカノールM」)300部を仕込み、蓚酸5部を添加して97〜103℃で3時間反応を行った。その後、蓚酸5部と37%ホルマリン350部を徐々に加え、97〜103℃で2時間反応を行った。次いで大気圧にて加熱脱水し180℃まで内温を上昇させた後、3kPaまで減圧し、さらに内温を220℃まで加熱した後、エチレンビスステアリン酸アマイド12部を添加混合した。これを反応容器より取り出し、アルキルベンゼン樹脂2核体の含有量=0.1%、水酸基当量=139、数平均分子量=465の変性フェノール樹脂B1190部を得た。次に、変性フェノール樹脂Aのかわりに変性フェノール樹脂Bを用いた以外は実施例1と同じ方法により、レジンコーテッドサンドBを得た。
<実施例3>
冷却器、攪拌器付きの反応容器にフェノール1000部、蓚酸15部、37%ホルマリ408部を仕込み、攪拌しながら昇温し、97〜103℃にて2時間反応を行った。その後キシレン樹脂(フドー株式会社製、「ニカノールG」)を150部を仕込み、97〜103℃で3時間反応を行った。次いで大気圧にて加熱脱水し180℃まで内温を上昇させた後、1kPaまで減圧し、さらに内温を270℃まで加熱した後、エチレンビスステアリン酸アマイド10部を添加混合した。これを反応容器より取り出し、アルキルベンゼン樹脂2核体の含有量=0.1%、水酸基当量=122、数平均分子量=512の変性フェノール樹脂C950部を得た。次に、変性フェノール樹脂Aのかわりに変性フェノール樹脂Cを用いた以外は実施例1と同じ方法により、レジンコーテッドサンドCを得た。
<比較例1>
冷却器、攪拌器付きの反応容器にフェノール1000部、蓚酸10部、37%のホルマリン700部を仕込んだ。95〜100℃にて4時間反応を行った後、大気圧にて加熱脱水し、140℃まで内温を上昇させ、10kPaまで減圧し、さらに内温を180℃まで加熱した後、エチレンビスステアリン酸アマイド11部を添加混合した。これを反応容器より取り出し、アルキルベンゼン樹脂2核体の含有量=未含有、水酸基当量=104、数平均分子量Mn=491のノボラック型フェノール樹脂D1020部を得た。次に、変性フェノール樹脂Aのかわりにノボラック型フェノール樹脂Dを用いた以外は実施例1と同じ方法により、レジンコーテッドサンドDを得た。
<比較例2>
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、フェノール752部、ビスフェノールA456部、37%ホルマリン422部を仕込み、攪拌しながら昇温し、95〜100℃にて2時間反応を行った。その後、大気圧にて加熱脱水し、140℃まで内温を上昇させ、10kPaまで減圧し、さらに内温を180℃まで加熱した後、エチレンビスステアリン酸アマイド11部を添加混合した。これを反応容器より取り出し、アルキルベンゼン樹脂2核体の含有量=未含有、水酸基当量=114、数平均分子量Mn=485のノボラック型フェノール樹脂E1060gを得た。
次に130℃に加熱したフーカサンド8000部をミキサーに投入後、前記フェノール樹脂粘結剤120部添加し45秒間混錬した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン18部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで空冷しながら混錬し、さらにステアリン酸カルシウム8部添加して20秒間混錬を行い、レジンコーテッドサンドEを得た。
<比較例3>
冷却器、攪拌機付きの反応容器にフェノール1000部、キシレン樹脂(フドー株式会社製、「ニカノールH」)600部を仕込み、蓚酸5部を添加して97〜103℃で3時間反応を行った。その後、蓚酸5部と37%ホルマリン350部を徐々に加え、97〜103℃で2時間反応を行った。次いで大気圧にて加熱脱水し180℃まで内温を上昇させた後、10kPaまで減圧し、さらに内温を185℃まで加熱した後、エチレンビスステアリン酸アマイド15部を添加混合した。これを反応容器より取り出し、アルキルベンゼン樹脂2核体の含有量=2.2%、水酸基当量=175、数平均分子量=488の変性フェノール樹脂F1480部を得た。次に、130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、変性フェノール樹脂A160部を添加し、45秒間混錬した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン30部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで空冷しながら混錬し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し、20秒間混錬を行った後、ミキサーより排出し、レジンコーテッドサンドFを得た。
実施例の変性フェノール樹脂と比較例のノボラック型フェノール樹脂、実施例及び比較例のレジンコーテッドサンドについて、特性測定結果を表1に示す。
Figure 2008169285
特性の測定方法
(1)曲げ強度:JIS−K6910に準拠して行った。焼成は250℃で60秒間行った。
(2)粘着点:温度勾配を有した銅棒上にレジンコーテッドサンドを置き、60秒後に0.5kg/cm2のエアを当て、レジンコーテッドサンドを吹き飛ばし、レジンコーテッドサンドが銅棒に融着している部分の最低温度を粘着点とした。
(3)ベンド(撓み量):日本鋳造技術協会試験法、SM−3に準拠して行った。厚さ×幅×長さが5×40×180mmの板状試験片を250℃で30秒間焼成し、その20秒後に荷重をかけて撓み量を読み取った。ベンドは硬化性を表す指標であり、値の大きいものほど造型後の変形が大きく硬化が遅いことを示す。
(4)熱膨張率:日本鋳造技術協会試験法、SM−7に準拠して行った。直径×長さが30Φ×50mmの試験片を250℃で120秒間焼成して作製し、700℃雰囲気下で熱膨張率を測定した。
値の小さいものほど低熱膨張率で鋳込み時の割れの低減が期待できる。
(5)ヤニ・スス発生量:直径×長さが20Φ×120mmの試験片を250℃で2分間焼成して、3本分作成した。予め脱脂綿を詰めたガラス管(ヤニ・スス採取管)を取り付け、700℃に加熱した円筒炉中に前記円柱状試験片を入れ、円筒炉の入り口から1分間に1mlのエアーを流しながら、20分間、ヤニ・スス成分をヤニ・スス採取管に捕集した。この操作を3回繰り返し、捕集したヤニ・スス成分量を秤量した。値の小さいものほど鋳込み時のヤニ・スス発生量が少ないことを示す。
表1の結果から、実施例1〜3はいずれも前記変性フェノール樹脂からなるノボラック型フェノール樹脂を用いたレジンコーテッドサンドであり、従来のノボラック型フェノール樹脂を用いた比較例と比べ、曲げ強度に実質的に影響を与えることなく、熱膨張率及びヤニ・スス量を低減させることができた。

Claims (5)

  1. アルキルベンゼンによる変性ノボラック型フェノール樹脂であって、数平均分子量が300〜1000、樹脂中のアルキルベンゼン2核体の含有量が1.0%以下、水酸基当量が108〜180であることを特徴とするアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂。
  2. 前記アルキルベンゼンが、トルエン、キシレン、及びメシチレンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1に記載のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂。
  3. 前記アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂が、トルエン、キシレン、及びメシチレンからなる群より選ばれる1種以上とホルムアルデヒドとを反応させて得られるアルキルベンゼン樹脂と、フェノール類或いはフェノール類及びアルデヒド類との反応によって得られるものである請求項1又は2に記載のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂からなるシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂。
  5. 請求項4記載のシェルモールド用ノボラック型フェノール樹脂を耐火骨材に配合してなるレジンコーテッドサンド。
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