JPH1177232A - 鋳物砂用粘結剤組成物 - Google Patents

鋳物砂用粘結剤組成物

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JPH1177232A
JPH1177232A JP24399997A JP24399997A JPH1177232A JP H1177232 A JPH1177232 A JP H1177232A JP 24399997 A JP24399997 A JP 24399997A JP 24399997 A JP24399997 A JP 24399997A JP H1177232 A JPH1177232 A JP H1177232A
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哲朗 才川
Yoshiro Owada
芳郎 大和田
Munekazu Suzuki
宗和 鈴木
Masaru Wada
勝 和田
Shingo Takada
新吾 高田
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
Yasuyuki Hirai
康之 平井
Hideo Nagase
英雄 長瀬
Shunichi Numata
俊一 沼田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シェルモールド法による鋳物の製造で、注湯時
は鋳型の強度を維持して、しかも低温(350〜400
℃付近)でも崩壊し易い鋳型用の鋳物砂用粘結剤組成物
を提供すること。 【解決手段】アミノメチレン結合とベンゾオキサジン環
を有する熱硬化性樹脂および硬化促進剤を必須成分とし
て含有する鋳物砂用粘結剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シェルモールド用
の鋳物の鋳物砂用粘結剤で、特にアルミ鋳物を製造する
際の鋳型の崩壊性、鋳物強度、耐ピールバック性、低熱
膨張性の良好なレジンコーテッドサンド用の樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】シェルモールド用の鋳型は、新砂あるい
は再生砂に140〜170℃に溶解したフェノール樹脂
を被覆したレジンコーテッドサンドを、220〜300
℃の温度の金型に吹き込んでフェノール樹脂を硬化させ
て製造している。フェノール樹脂は、他の樹脂に比べて
耐熱性に優れているため、鉄等の溶融金属(1200〜
1500℃)の注湯時には鋳型は壊れず、溶融金属が固
化した後に樹脂が劣化して鋳型を崩壊することができ
た。しかし、最近自動車関連の部品等で、軽量化を目的
にアルミ部品が使用されるようになってきており、アル
ミ合金のような低温溶湯(約700℃)の場合、従来の
フェノール樹脂の鋳型では、樹脂の劣化が起こりにく
く、金属固化後に鋳型が崩壊せずに鋳物中に残るといっ
た問題があった。この対策として、注湯後鋳物を高温炉
で長時間熱処理を行い、残存鋳物を除去する方法が一般
的であるが、物理的な衝撃を鋳物に与えて除去する方法
もある。何れの方法でも、かなりのエネルギーを必要と
するため、鋳物用の鋳物砂用粘結剤で易崩壊性樹脂の要
求があった。易崩壊性樹脂の手法として、高温時に樹脂
の劣化を促進させる目的で添加剤の検討がなされてい
る。これは炭化、酸化促進剤をノボラックのフェノール
樹脂に添加して崩壊性を向上させているが、鋳型強度が
低下する問題があった。また、樹脂の骨格にC−C結合
より結合エネルギーの小さいC−N結合を導入して樹脂
劣化を促進させる手法も検討されているが、メラミンや
尿素等で変性した樹脂は、目標の崩壊性が得られていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みなされたもので、シェルモールド法による鋳物の
製造において、注湯時は鋳型の強度を維持して、しかも
低温(350〜400℃付近)でも崩壊し易い鋳型用の
鋳物砂用粘結剤組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、C−C結合
より結合エネルギーの小さいC−N結合を導入すること
を目的に、ベンゾオキサジン化合物について検討した。
その結果、上記ベンゾオキサジン環にアミノメチレン構
造を導入することで、350〜400℃の温度で、樹脂
が劣化することを見い出し、崩壊性を向上できた。ま
た、300℃以下の温度では、樹脂の構造は安定で鋳型
作製の造型時での鋳型強度は低下しないことも見い出し
た。すなわち、本発明は、アミノメチレン結合とベンゾ
オキサジン環を有する熱硬化性樹脂および硬化促進剤を
必須成分として含有する鋳物砂用粘結剤組成物に関す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容について詳細
に説明する。本発明に用いられるアミノメチレン結合と
ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂とは、ベンゾ
オキサジン環の開環重合反応により硬化する樹脂であ
り、例えばフェノール性水酸基を有する化合物と、1級
アミンと、ホルムアルデヒドから下式のように合成され
る。
【化1】 (式中のR1はメチル基、フェニル基、または少なくと
も1つの炭素数1〜3のアルキル基若しくはアルコシル
基で置換されたフェニル基である。)
【0006】フェノール性水酸基を有する化合物として
は、多官能フェノール樹脂、ビスフェノール化合物、ト
リスフェノール化合物、テトラフェノール化合物、フェ
ノール樹脂等が挙げられる。多官能フェノールとして
は、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノールが挙げ
られる。ビスフェノール化合物としては、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF及びその位置異性体、ビスフェ
ノールS、テトラフルオロビスフェノールA等が挙げら
れる。フェノール樹脂の場合、比較的耐熱性が良好であ
り熱劣化がおこりにくい。ビスフェノール化合物、トリ
スフェノール化合物、テトラフェノール化合物の場合
は、350〜400℃の温度で熱劣化が著しい。フェノ
ール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾ
ール型フェノール樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、
アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂等が
挙げられる。1級アミンとしては、具体的にメチルアミ
ン、エチルアミン、アニリン、トルイジン、アニシジン
等の置換アニリン等が挙げられる。脂肪族アミンである
と、得られた熱硬化性樹脂は、熱分解性は良好で崩壊性
も向上するが、硬化が速いため合成時にゲル化する問題
点がある。芳香族アミンであると、得られた熱硬化性樹
脂は、熱分解性は良好で崩壊性も向上するが、硬化性が
遅くなる。
【0007】上記のベンゾオキサジン環を有する熱硬化
性樹脂は、ヒドロキシル基のオルト位の少なくとも1つ
が水素であるヒドロキシフェニレン基を、1分子中に2
以上有する化合物(以下反応しうるヒドロキシフェニレ
ン基を有する化合物という)と1級アミンとの混合物
を、70℃以上に加熱したホルマリン等のホルムアルデ
ヒド類中に添加して、70〜110℃、好ましくは80
〜100℃で2〜5時間反応させ、その後、120℃以
下の温度で減圧乾燥することによって得られる。上記反
応において、通常反応し得るヒドロキシフェニレン基を
有する化合物の全フェノール性ヒドロキシル基1モルに
対し、1級アミンを0.5〜1.0モル、好ましくは
0.6〜1.0モル、1級アミン1モルに対し、ホルム
アルデヒド2モル以上の比で反応させる。1級アミンが
0.5モルより少ないと、架橋密度の低下を招き、樹脂
軟化点が低くなる場合がある。上記のベンゾオキサジン
環を有する熱硬化性樹脂は、150℃以上、鋳型造型時
での好ましい温度としては、220〜300℃に加熱す
ることで、触媒や硬化剤を用いないで、副生成物を生じ
ることなく硬化する。
【0008】本発明に用いられるベンゾオキサジン環を
有する熱硬化性樹脂は、2種類以上組み合わせて用いる
こともできる。また、これらの熱硬化性樹脂を予め80
〜180℃、好ましく120〜160℃で後処理するこ
とにより、その一部を予備重合させ、造型時の硬化速度
や樹脂の溶融粘度を調整することもできる。本発明にお
いて、前記熱硬化性樹脂と併用される樹脂としては、ノ
ボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂
を用いることができる。ノボラック型フェノール樹脂と
しては、フェノールノボラック型やビスフェノールノボ
ラック樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフ
ェノール樹脂等が挙げられる。レゾール型フェノール樹
脂としては、液状、固形レゾールの何れも用いることが
できる。また、ジメチレンエーテル型レゾール、メチロ
ール型レゾール等も用いることができる。ベンゾオキサ
ジン環を有する熱硬化性樹脂は、自硬化性であるが硬化
反応が遅いことと、高温での強度が弱い問題点がある。
硬化を速くするためには、硬化促進剤の添加が必要であ
る。硬化促進剤としては、カテコール、ビスフェノール
A等の多官能フェノール化合物、p−トルエンスルホン
酸、p−フェノールスルホン酸、キシレンスルホン酸等
のスルホン酸類、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、ア
ジピン酸等のカルボン酸類、コバルト(II)アセチルア
セトネート、アルミニウム(III) アセチルアセトネー
ト、ジルコニウム(IV)アセチルアセトネート等の金属
錯体、酸化カルシウム、酸化コバルト、酸化マグネシウ
ム、酸化鉄等の金属酸化物、水酸化カルシウム、イミダ
ゾール、ジアザシクロウンデセン及びフェニルホスホン
酸等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上の混
合物として用いられる。硬化促進剤の添加量としては、
樹脂成分100重量部に対して5〜20重量部である。
5重量部未満では硬化が遅くなり実用的ではなく、また
20重量部をこえると硬化が速すぎるしコスト的に不利
となる。
【0009】また、高温での強度を改善するために、架
橋密度を上げる必要がある。その架橋密度向上剤として
は、ヘキサメチレンテトラミン、イミダゾール等のアミ
ン類や多官能のエポキシ樹脂が挙げられる。これら架橋
密度向上剤の添加量としては、樹脂成分100重量部に
対して5〜20重量部である。5重量部未満では架橋度
が低く熱的強度が低い。また20重量部をこえると臭気
が強くなりコスト的にも不利となる。また、ベンゾオキ
サジン環を有する熱硬化性樹脂は、従来の熱硬化性樹脂
であるフェノール樹脂に比べて、吸湿しにくいといった
特徴がある。この現象はフェノール性ヒドロキシル基が
窒素原子との相互作用により、固定されているためと考
えられる。この特徴は、従来のフェノール樹脂を使用し
たレジンコーテッドサンドのブロッキング現象を改善で
きるものである。樹脂の流動性を向上させ、また造型時
の金型からの離型性を向上させる目的のワツクスとして
は、ステアリン酸塩や脂肪族アマイドとその誘導体等を
用いることができる。レジンコーテッドサンドを製造す
る際、砂表面と樹脂との界面で接着力を向上させる目的
のカップリング剤としては、例えばアミノシラン、ジア
ミノシラン、トリアミノシラン、ウレイド変性アミノシ
ラン、ビニルシラン、ビニルベンジルシラン、ベンジル
アミノシラン、カチオニックシラン、エポキシシラン等
が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上の混合物
として用いられる。添加量は樹脂成分に対し0.5〜5
重量%である。本発明の、樹脂組成物を珪砂に対して
1.5〜3.0%配合し、ヘキサメチレンテトラミン無
しで、珪砂と樹脂を混練して、レジンコーテッドサンド
を作製する。さらに、このレジンコーテッドサンドを2
20〜300℃の金型に充填して、30〜300秒硬化
させて鋳型を作製する。この鋳型は、従来のフェノール
樹脂の鋳型に比べ崩壊性、鋳型強度、耐ピールバック
性、低膨張性を向上させることができる。また、ベンゾ
オキサジン環を有する熱硬化性樹脂単独のものより、硬
化を速くすることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。 [樹脂の合成] 〔1〕ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成
(I) ビスフェノールA0.9kg(4mol相当)にアニリ
ン0.3kgとブチルアミン0.35kg及びMEK
0.2kgを混合し、80℃で5時間撹拌し、均一な混
合溶液を調整した。5リットルフラスコ中にホルマリン
(37%水溶液)1.3kgを仕込み90℃に加熱し、
ここへ前に調整したビスフェノールA/アニリン/ブチ
ルアミン/MEKの混合溶液を1時間かけて少しずつ添
加した。添加終了後5時間、還流温度に保ち、その後に
100〜110℃で2時間、減圧して縮合水を除去し、
釜出し前にワックスとカップリング剤を添加して、アミ
ノメチレン構造のあるベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂を得た。 〔2〕ベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の合成
(II) ビスフェノールA0.9kg(4mol相当)にアニリ
ン0.75kgと及びMEK0.2kgを混合し、80
℃で5時間撹拌し、均一な混合溶液を調整した。5リッ
トルフラスコ中に、ホルマリン(37%水溶液)1.3
kgを仕込み90℃に加熱し、ここへ前に調整したビス
フェノールA/アニリン/MEKの混合溶液を1時間か
けて少しずつ添加した。添加終了後5時間、還流温度に
保ち、その後に100〜110℃で2時間、減圧して縮
合水を除去し、釜出し前にワックスとカップリング剤を
添加してアミノメチレン構造のあるベンゾオキサジン環
を有する熱硬化性樹脂を得た。 〔3〕ノボラック型フェノール樹脂の合成(A) フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.3kg、シュウ酸15gを5リットルフラスコに仕
込み、還流温度で6時間反応させた。引き続きフラスコ
内部を減圧して未反応フェノール及び水を除去した。そ
の後、カップリング剤、ワックスを添加して、フェノー
ル樹脂を作製した。 〔4〕ノボラック型フェノール樹脂の合成(B) フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.3kg、シュウ酸15gを5リットルフラスコに仕
込み、還流温度で6時間反応させた。引き続きフラスコ
内部を減圧して未反応フェノール及び水を除去した。そ
の後、カップリング剤、ワックス及び崩壊剤を添加し
て、フェノール樹脂を作製した。
【0011】実施例1〜7、比較例1〜4 [混練によるレジンコーテッドサンド(RCS)の作
製]150℃に加熱されたフラタリー珪砂10kgに、
表1、表2に示す樹脂組成物を200g(2%対砂)配
合し、混練機で45秒混練する。その後、表1、表2の
条件により水に溶解したサリチル酸及びヘキサミンを混
練中の砂/樹脂に添加する。その後砂がほぐれた時点
で、ステアリン酸カルシウム(10g)を添加してレジ
ンコーテッドサンドを得る。評価結果を表1、表2に示
す。 [レジンコーテッドサンド(RCS)の特性評価方法]
鋳型強度は、自動造型機(浪速製作所製)で250℃、
60s焼成して試験片とし、冷却後曲げ試験機で強度を
測定した。熱間強度は、上記試験片を造型した後、直ち
に曲げ試験機で強度を測定した。崩壊性は、上記試験片
を冷却後、400℃の高温炉で10分間処理し、冷却後
曲げ試験機で強度を測定する。崩壊率は、常温での強度
から、400℃で処理した試験片の強度を差し引いた値
と常温での強度との割合で算出した。耐ピールバック性
(耐PB性)は、小型ダンプボックス方式(JACT
法)による。金型温度280℃、焼成時間30s。熱膨
張率は、直径30mm高さ50mmの試験片を作製し、
冷却後、熱膨率測定機(小沢製作所製EOS−1型)に
より測定した。測定時の炉内温度1000℃。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、従来のフェノール樹脂
では達成し得なかった低温における崩壊性が向上し、3
00℃の温度までは鋳型強度の劣化がなく安定した鋳型
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 勝 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 高田 新吾 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 相沢 輝樹 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 平井 康之 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 長瀬 英雄 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 沼田 俊一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノメチレン結合とベンゾオキサジン環
    を有する熱硬化性樹脂および硬化促進剤を必須成分とし
    て含有する鋳物砂用粘結剤組成物。
  2. 【請求項2】フェノール樹脂を併用することを特徴とす
    る請求項1記載の鋳物砂用粘結剤組成物。
JP24399997A 1997-09-09 1997-09-09 鋳物砂用粘結剤組成物 Expired - Lifetime JP4122545B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8754147B2 (en) 2006-05-18 2014-06-17 Fairmount Minerals, Ltd. No hexa shell sand
CN112517845A (zh) * 2020-12-07 2021-03-19 安徽省隆兴铸造有限公司 一种阀门铸造用砂型的制备方法及砂型

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