JP3197973B2 - 鋳物砂用組成物 - Google Patents

鋳物砂用組成物

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JP3197973B2
JP3197973B2 JP05560593A JP5560593A JP3197973B2 JP 3197973 B2 JP3197973 B2 JP 3197973B2 JP 05560593 A JP05560593 A JP 05560593A JP 5560593 A JP5560593 A JP 5560593A JP 3197973 B2 JP3197973 B2 JP 3197973B2
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幹弘 平松
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神戸理化學工業株式會社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機鋳型の製造に用いら
れる鋳物砂用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳型を製造するための鋳物砂用常温硬化
性粘結剤として、従来から水ガラス等を用いる無機系粘
結剤とフラン樹脂やフェノール樹脂等を用いる有機系粘
結剤が知られている。これらの粘結剤は鋳物砂と混合
し、さらに硬化剤を混合したものを成型して硬化させて
自硬性鋳型を、あるいは粘結剤を鋳物砂と混合して成型
し、これに硬化性ガスを通気してガス硬化性鋳型を製造
するのに用いる。無機系粘結剤を用いる場合、製造され
た鋳型の崩壊性が悪いため仕上げ工数がかさむ。また、
砂の回収性も悪いため、廃砂による環境破壊等の問題が
ある。
【0003】一方、有機系粘結剤では無機系粘結剤にみ
られるような鋳型の崩壊性の悪さや砂の回収性の問題は
ない。しかし、有機系粘結剤の主流であったフラン樹脂
あるいはフェノール樹脂では硬化触媒に主に有機スルホ
ン酸を用いるため、その成分である硫黄が球状化黒鉛鋳
鉄製造の際の球状化の阻害や鋳鋼における浸硫等、製品
である鋳鋼に悪影響を及ぼす。
【0004】さらに、有機系粘結剤をガスにより硬化さ
せる場合には、アミンガスや亜硫酸ガス等人体にとって
有毒なガスを用いるため、作業環境上好ましくはない。
さらに、鋳物にガス欠陥、スス欠陥およびベーニング欠
陥が生じ易いという問題もある。
【0005】これらの諸問題の解決のため、アルカリレ
ゾール樹脂を有機エステルを用いて硬化させる方法が提
案されている。例えば特開昭50−130627号、5
8−154433号および58−154434等に記載
されている。この方法は鋳物業界の主流となりつつあ
る。
【0006】しかし、アルカリレゾール樹脂を含有する
粘結剤を有機エステルで硬化させて作製した鋳型におい
ては、使用する鋳物砂の種類によって鋳型の強度が異な
り、ある種の鋳物砂では極端に鋳型強度が低くなる場合
がある。また、鋳物砂と混練した混練砂の流動性が悪
く、自動造型に際してはサンドマガジン内の棚吊りや鋳
型の充填不良を起こすため作業性が悪く、鋳型の崩壊性
にも改善の余地がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、多種類の鋳
物砂について鋳型強度が高くかつ崩壊性の良好な鋳型を
製造することができ、鋳物砂と混練した場合の流動性が
良い鋳物砂用組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、モノ
カルボン酸エステル及び/又は環状エステルで変性した
アルカリレゾール樹脂の水溶液を含有する常温硬化性鋳
物砂用組成物に関する。
【0009】アルカリレゾール樹脂は、フェノール類と
アルデヒド類をアルカリ金属触媒の存在下で縮合させて
得られる樹脂である。本発明に用いられるアルカリレゾ
ール樹脂を調製するためのフェノール類としては、フェ
ノール、クレゾール、キシレノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、レゾルシノールおよびこれらの
混合物等が挙げられる。性能面からいうとビスフェノー
ルAが優れているが、経済的な面からはフェノールが好
適に用いられる。
【0010】アルデヒド源としては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキザ
ール、トリオキサン等が挙げられる。これらのうち、ホ
ルムアルデヒドが安価であることから経済的である。
【0011】両者の反応を触媒するアルカリ金属触媒と
しては、リチウム、ナトリウムあるいはカリウムの水酸
化物あるいは炭酸塩が好適に用いられる。
【0012】アルカリレゾール樹脂の合成反応に際し
て、フェノールのヒドロキシフェニル基とアルデヒドと
のモル比は1:0.5〜1:3.0、好ましくは1:1.
0〜1:2.6である。反応モル比が1:0.5未満の場
合には、得られる鋳型の強度が不十分となり、1:3を
越えると樹脂の粘度が過度に高くなるだけでなく、鋳込
み作業時の作業環境がアルデヒドの刺激臭によって悪化
する。
【0013】フェノールのフェニル基とアルカリ金属と
のモル比は1:0.5〜1:1.4の範囲であることが好
ましく、特に1:0.5〜1:1.2であるものが良い。
アルカリ金属のモル比率が1.4以上であると、鋳型の
強度が不十分となり、また0.3未満である場合には樹
脂の水溶性が悪くなり、アルカリレゾール樹脂を含有す
る水溶液の粘度が上昇するので好ましくない。
【0014】本発明の組成物は上記のようにして得られ
るアルカリレゾール樹脂の水溶液をモノカルボン酸エス
テル及び/又は環状エステルによって変性させた樹脂を
含有する。アルカリレゾール樹脂の変性を多価カルボン
酸エステルで行っても鋳型の強度はあまり安定しない。
アルカリレゾール樹脂水溶液の変性に好適なモノカルボ
ン酸エステルとしては、酢酸アリル、酢酸ベンジル、エ
チレングリコールジアセテート、エチレングリコールモ
ノアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ブ
チレングリコールジアセテート、トリアセチン、ジアセ
チン、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、乳酸イソブチ
ル、乳酸イソアミル、プロピオン酸イソブチル、プロピ
オン酸イソアミル等が挙げられる。さらに環状エステル
としてはγ−ブチロラクトン、バレロラクトン、プロピ
レンカーボネート等が挙げられる。上記エステル類は単
独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】本発明において、アルカリレゾール樹脂水
溶液の変性に使用するモノカルボン酸エステル及び/又
は環状エステルは、アルカリレゾール樹脂水溶液の0.
1〜8重量%、好ましくは0.5〜6重量%用いる。エ
ステルの量が0.1重量%未満である場合にはエステル
変性による効果が得られない。8重量%を越える場合に
は樹脂溶液の粘度が著しく上昇し、鋳物砂との混合性が
悪化し、混練物の流動性も悪くなる。さらに鋳型強度が
低下する傾向が現れて実用的ではない。
【0016】 アルカリレゾール樹脂水溶液はモノカル
ボン酸エステルと混合すると常温常圧で反応し、エステ
ル変性アルカリレゾール樹脂水溶液に変性される。この
ためモノカルボン酸エステル及び/又は環状エステルに
よる変性は、アルカリレゾール樹脂の合成途中にエステ
ルを添加して行っても、合成終了後にエステルを添加し
てもよい。本発明の鋳物砂用組成物であるエステル変性
アルカリレゾール樹脂水溶液は、有効固形分が実質上2
5〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の水溶液
となるように調製する。ここで有効固形分は、アルカリ
レゾール樹脂水溶液試量約2.5gを110℃×2時間乾
燥する事による不揮発分を測定する事により求めた。有
効固形分が実質上25重量%以下となると、鋳型強度が
低くなり、樹脂水溶液の配合量を増加させる必要が生じ
好ましくない。また70重量%を越えると樹脂水溶液の
粘度が高くなりすぎて実用的でなく好ましくない。
【0017】本発明の鋳物砂用組成物には、エステル変
性アルカリレゾール樹脂と鋳物砂の結合性を改良するた
めにカップリング剤を配合してもよい。カップリング剤
としては、通常用いられるシラン、チタネート、ボロン
等のいずれを用いても良いが、特に好ましいのはシラン
系である。シランカップリング剤の代表例としては、γ
−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。カッ
プリング剤はエステル変性アルカリレゾール樹脂水溶液
に対して0.05〜4重量%配合すればよく、特に0.1
〜1.5重量%配合するのが好適である。
【0018】本発明の鋳物砂用組成物にはさらに、所望
により従来より公知の鋳物砂用樹脂、例えばレゾール型
フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ベンジ
リックエーテル型フェノール樹脂等を配合してもよい。
この場合の配合量は、エステルによって変性されたアル
カリレゾール樹脂水溶液に対して2〜50重量%とする
のが好ましい。またこの他にも、可使時間の延長、鋳込
時のホルマリン臭の低減等の為にアルコール類、ケトン
類、尿素等をエステル変性アルカリレゾール樹脂水溶液
に対して1〜10重量%配合してもよい。
【0019】本発明の鋳物砂用組成物は、鋳型製造の際
に鋳物砂と混練する。本発明の組成物が好適に用いられ
る鋳物砂としては、天然珪砂、人造珪砂、オリビンサン
ド、ジルコンサンド、クロマイトサンドおよびこれらの
回収砂、再生砂等が例示される。本発明の鋳物砂用組成
物は、鋳物砂の種類による鋳型強度の変動が少なく、安
定した品質の鋳型を提供することができる。
【0020】本発明の鋳物砂用組成物を用いて自硬性鋳
型を製造する際、鋳物砂に本発明の鋳物砂用組成物およ
び硬化剤として有機エステルを配合したものを混練し、
型内に充填して成型する。成型した混練砂は常温で放置
すれば硬化剤が本発明の組成物中のエステル変性アルカ
リレゾール樹脂と反応して、硬化剤の種類に応じた速さ
で硬化し、鋳型が完成する。
【0021】一方、ガス硬化性鋳型を製造する場合は、
鋳物砂に本発明の鋳物砂用組成物を配合して混練後型内
へ充填して成型する。成型した混練砂へ有機エステルの
気体を通気すると硬化剤とエステル変性アルカリレゾー
ル樹脂が反応し、混練鋳物砂が硬化する。
【0022】本発明の組成物を用いて鋳型を製造する場
合には、所望の鋳型強度に応じて鋳物砂100重量部に
対して本発明の鋳物砂用組成物を0.5〜6.0重量部、
より好ましくは0.6〜3.0重量部配合する。本発明の
組成物の配合量が多すぎるとガス欠陥等の鋳物品質上の
問題が発生し好ましくない。また、配合量が0.5重量
部以下の場合には、鋳型強度が低下して、実用的でな
い。
【0023】本発明の鋳物砂用組成物の硬化剤として用
いられる有機エステルとしては、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、ギ酸プロピル、γ−ブチロラクトン、γ−プロピオ
ンラクトン、エチレングリコールジアセテート、ジエチ
レングリコールジアセテート、グリセリンジアセテー
ト、トリアセチン、プロピレンカーボネート等が例示さ
れる。有機エステル類は単独で、あるいは2種以上混合
して使用してもよい。
【0024】成型は鋳型の型へ混練砂を充填しておこな
う。型への充填は通常用いられているどのような方法に
よってもよい。本発明の鋳物砂用組成物は混練砂の流動
性を向上させるため、特に自動造型機におけるサンドマ
ガジン内の棚吊りや充填不良の発生が少ない。
【0025】常温自硬性鋳型を製造する際、硬化剤は鋳
物砂用組成物の配合量によっても異なるが鋳物砂100
重量部に対して0.1〜3.0重量部を配合する。硬化剤
の量が3重量部を越えると鋳型強度が低下し、しかもコ
ストが上昇して好ましくない。また、0.1重量部未満
である場合には有効な硬化が行われない。
【0026】ガス硬化性鋳型を製造する際は、鋳物砂1
00重量部に対して0.1〜6.0重量部の有機エステル
ガスを通気する。ガス硬化性鋳型においては硬化剤とし
て有効に作用する割合が少ないため、自硬性鋳型より必
要な有機エステルが多くなる。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0028】鋳物砂用組成物の調製 比較例1 ビスフェノールA319g、水184gを撹拌機、温度
計、コンデンサーを備えた1リットルの四つ口フラスコ
に仕込んだ。撹拌しながら48%水酸化カリウム水溶液
283gを添加し、100℃、60分間反応させたの
ち、60℃まで冷却し、37%ホルマリン372gを徐
々に添加した。これを95℃に加熱し、20分間保持し
た。その後、40℃にまで冷却して全量の0.6重量%
のγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランを添
加し、撹拌しながらさらに冷却して比較例1のビスフェ
ノール型アルカリレゾール樹脂水溶液を調製した。
【0029】比較例2 比較例1の水分量を130gに減らし、比較例1と同様
に合成し、有効成分を多く含有するビスフェノール型ア
ルカリレゾール樹脂水溶液を調製した。
【0030】実施例1〜10 ビスフェノールA319g、水184gを撹拌機、温度
計、コンデンサーを備えた1リットルの四つ口フラスコ
に仕込んだ。撹拌しながら48%水酸化カリウム水溶液
283gを添加し、100℃、60分間反応させたのち
60℃まで冷却し、37%ホルマリン372gを徐々に
添加した。これを95℃に加熱し、20分間保持した。
その後冷却しつつ表1に示した各エステルを添加し、撹
拌しながら5分間反応させた。40℃にまで冷却して全
量の0.6重量%のγ−グリシドオキシプロピルトリメ
トキシシランを添加し、撹拌しながらさらに冷却して実
施例1〜10のエステル変性ビスフェノール型アルカリ
レゾール樹脂水溶液を調製した。
【0031】比較例3〜7 実施例1〜10において、エステルを表2に示す多価カ
ルボン酸エステルに変えた以外は実施例と同様にして比
較例3〜7のエステル変性ビスフェノール型アルカリレ
ゾール樹脂水溶液を調製した。
【0032】比較例8 フェノール330g、水172gを上記四つ口フラスコ
に仕込み、撹拌しつつ48%水酸化カリウム水溶液32
8gを投入した。100℃、60分間撹拌して反応させ
た後60℃まで冷却し、37%ホルマリン258gおよ
び92%パラホルムアルデヒド104gを徐々に加え、
95℃に加熱した後80分間保持した。その後40℃ま
で冷却した後、全量の0.6重量%のγ−グリシドオキ
シプロピルトリメトキシシランを添加して撹拌しながら
さらに冷却し、比較例8のフェノール型アルカリレゾー
ル樹脂水溶液を調製した。
【0033】比較例9 比較例8の水分量を127gとする以外は比較例3と同
様にして有効固形分の多い比較例9のフェノール型アル
カリレゾール樹脂水溶液を調製した。
【0034】実施例11〜20 フェノール330g、水172gを上記四つ口フラスコ
に仕込み、撹拌しつつ48%水酸化カリウム水溶液32
8gを投入した。100℃、60分間撹拌して反応させ
た後60℃まで冷却し、37%ホルマリン258gおよ
び92%パラホルムアルデヒド104gを徐々に加え、
95℃に加熱した後80分間保持した。その後撹拌しつ
つ冷却しながら表2に示したエステルを添加し、40℃
まで冷却した後、全量の0.6重量%のγ−グリシドオ
キシプロピルトリメトキシシランを添加して撹拌しなが
らさらに冷却し、実施例11〜20のエステル変性フェ
ノール型アルカリレゾール樹脂水溶液を調製した。
【0035】比較例10〜14 実施例11〜20においてエステルを多価カルボン酸エ
ステルに変える以外は実施例11〜20と同様にして比
較例10〜14のエステル変性フェノール型アルカリレ
ゾール樹脂水溶液を調製した。得られた鋳物砂用組成物
の有効固形分および平均分子量を測定した。
【0036】有効固形分の測定 実施例および比較例の鋳物砂組成物約2.5gを精秤
し、循環式乾燥機で110℃×2時間乾燥し、デシケー
ター内で放冷した後、その重量変化を測定し、乾燥残分
により有効固形分を求めた。
【0037】平均分子量の測定 樹脂試料の数平均分子量、重量平均分子量を測定した。
合成1日後の樹脂水溶液試料2gに200mlの精製水
を加え、0.1N塩酸で中和した、生成した沈殿を濾過
して分取し、水洗したものを常温でデシケーター内で乾
燥した。これをテトラヒドロフランに溶解し、分子量測
定用のサンプルとした。液体クロマトグラフ装置:HL
C−802UR(東ソー社製)、カラム:G2500H
8+G2000H8:(東ソー社製)を用い、溶離液と
してテトラヒドロフランを用いて流速1ml/min.
(圧力50Kg/cm)、カラム温度を40℃として
ポリスチレンを標準物質として測定した。検出には示差
屈折計を用いた。分子量の計算は島津製作所製C−R4
Aクロマトパックを用いて内部標準法により同一条件で
解析した。
【0038】比較例1〜14、実施例1〜20の鋳物砂
用組成物の有効固形分および平均分子量を表1および2
に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】上記鋳物砂用組成物の性能を評価した。鋳型強度試験 本発明の鋳物砂用組成物を用いて作成したガス硬化性鋳
型の鋳型強度(圧縮強さ)を、鋳物砂の種類を変えて試
験した。 使用鋳物砂 ・フラタリーサンド(オーストラリア産) ・珪砂(商品名「三河6号砂」:三河珪石株式会社製)
【0042】各鋳物砂100重量部に実施例1〜20、
比較例1〜14の鋳物砂用組成物2.5重量部を添加
し、1分間混練した。この混練砂を50mmh×50m
mφの標準試験片型にフラタリーサンドの場合、150
±1g、三河珪砂の場合146±1gを手込め充填した
後、前田鉄工所製MXB876にてガッシング設定圧
0.1kg/cm2で2.5重量部のギ酸メチルガス及び
キャリアーとしてのエアーを11秒間通気した。得られ
た標準試験片は通気終了後30秒および24時間、20
℃、相対湿度65%にて放置した後に圧縮強さを測定し
た。
【0043】圧縮強さ試験 圧縮強さの測定には、東京試験機製作所製の圧縮強さ試
験機を使用し、試験片6個の測定平均値を圧縮強さとし
た。結果を表3および4に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】 各実施例の鋳物砂用組成物を用いて調製した鋳型は、鋳
物砂によってその強度が極端に異なることがない。一
方、比較例の多価カルボン酸エステルで変性したアルカ
リレゾール樹脂を含有する組成物では、鋳物砂の種類に
よって強度が大幅に変わっている。
【0046】エステル変性時期の違いによる鋳型強度 アルカリレゾール樹脂を合成する途中にエステル変性を
行った組成物と、鋳物砂との混練時にエステルと混合し
て変性させた組成物による鋳型強度の差を検討した。用
いた混練砂の組成を表5に示す。上記の各混合物を常法
により1分間混合した後、50mmh×50mmφの標
準試験片用型へ150±1gを手込め充填した。
【0047】硬化条件1:混練砂を型に充填した後すぐ
にギ酸メチルガス2.5重量部をガッシング設定圧0.1
kg/cm2でエアーをキャリヤーとして11秒間通気
して硬化した鋳型を得た。
【0048】硬化条件2:混練砂を30℃で3時間保持
した後型へ充填し、条件1と同様にしてギ酸メチルガス
を通気して鋳型を得た。 各条件にて得られた鋳型の圧縮強さを調べた。結果を表
5に示す。
【0049】
【表5】 硬化条件2において、混練砂を30℃で3時間保持した
後の圧縮強さは実施例の樹脂と比較例の樹脂で大差はな
い。この理由は、保持している間に比較例のアルカリレ
ゾール樹脂がエステルにより変性され、エステル変性ア
ルカリレゾール樹脂となったためであると考えられる。
【0050】混練砂の流動性試験 実施例及び比較例の鋳物砂用組成物と混練した鋳物用混
練砂の流動性を、ブロー充填時の充填量の違いにより検
討した。鋳物砂として#50パールサンド(オーストラ
リア産)を用いこの鋳物砂100重量部に表6に示した
実施例および比較例の鋳物砂用組成物それぞれ2.5重
量部を添加して1分間混練し、得られた混練砂について
自動造型機(浪速製作所社製VSC−430)により、
バルブ中子をブロー圧2.0kg/cm2、2.5kg/
cm2及びブロー1秒間の条件でブロー充填した。これ
を上記と同様にしてギ酸メチルガスを通気して硬化さ
せ、重量が安定するまで温度20℃相対温度65%で1
日間放置した後充填量を測定した。各組成物につきブロ
ー充填試験は10回行いその平均値を表6に示した。
【0051】
【表6】
【0052】ブロー充填時、比較例1の組成物では混練
砂の流動性の不足からサンドマガジンの棚吊りが10回
中2回発生した。しかし実施例の組成物ではこのような
障害は生じず、流動性が改善されたことがわかる。
【0053】崩壊性試験 鋳型の崩壊性を600℃に加熱した時間と鋳型の残留圧
縮強さの相関により検討した。三河6号砂を用い、比較
例1および8、実施例3および13の鋳物砂用組成物を
用いて鋳型強度の試験と同様にして標準試験片を作成し
た。得られた試験片をアルミニウム箔で包装して電気炉
内へ入れ、600℃で所定時間保持したのち取り出して
室温まで冷却し、残留圧縮強さを測定した。残留圧縮強
さが小さいほど崩壊性が良好である。結果を表7に示
す。
【0054】
【表7】
【0055】600℃で30分間以上加熱した場合、実
施例の試験片の残留圧縮強さは比較例と比べて小さく、
崩壊性が良好であることを示す。
【0056】鋳物砂用組成物の熱重量分析 実施例および比較例の鋳物砂用組成物の熱重量分析を行
った。サンプルは平均分子量の測定に使用したものを用
いた。測定は熱天秤(セイコー電子工業社製SSC/5
200)を用い、測定は測定温度範囲を25℃〜100
0℃、昇温速度を10℃/min.として窒素雰囲気下
(100ml/min.)で行った。重量変化温度はD
TG曲線の最初の主分解ピークの極大点と極小点から求
めた。結果を表8に示す。
【0057】
【表8】
【0058】実施例のエステル変性アルカリレゾール樹
脂は対応する比較例のアルカリレゾール樹脂に比べて重
量変化温度が上昇し、さらに1000℃での重量減少率
が増大している。重量変化温度が上昇したのは、組成物
が高分子量化したためであると推定される。また、10
00℃での重量減少率が増大したのは、アルカリレゾー
ル樹脂のエステル変性により、樹脂の一部がエーテル化
して樹脂中の酸素原子が増大し、このために重量減少率
が増加したためであると推定される。
【0059】
【発明の効果】本発明の鋳物砂用組成物を用いれば、鋳
物砂の種類による鋳型強度の極端な低下がなく安定した
強度の鋳型を得ることができる。本発明の組成物を用い
て得られた鋳型はその崩壊性が良好であり、さらに混練
砂の流動性が良好であり、工業的に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−7884(JP,A) 特開 昭62−40948(JP,A) 特開 平1−166853(JP,A) 特開 平2−133142(JP,A) 特開 平5−23788(JP,A) 特開 昭50−130627(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 1/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成物調製の際に、アルカリレゾール樹
    脂水溶液に対して0.1〜8重量%のモノカルボン酸エ
    ステル及び/または環状エステルによりエステル変性さ
    せたアルカリレゾール樹脂水溶液を含有する、常温硬化
    性鋳物砂用組成物。
  2. 【請求項2】 鋳物砂へ、組成物調製の際に、アルカリ
    レゾール樹脂水溶液に対して0.1〜8重量%のモノカ
    ルボン酸エステル及び/または環状エステルによりエス
    テル変性させたアルカリレゾール樹脂水溶液を含有する
    常温硬化性鋳物砂用組成物および有機エステルを配合
    し、混練して成形した後常温で放置して硬化させる、鋳
    型の製法。
  3. 【請求項3】 鋳物砂へ、組成物調製の際に、アルカリ
    レゾール樹脂水溶液に対して0.1〜8重量%のモノカ
    ルボン酸エステル及び/または環状エステルによりエス
    テル変性させたアルカリレゾール樹脂水溶液を含有する
    常温硬化性鋳物砂用組成物を配合し、混練して成形した
    後常温で放置して硬化させる、鋳型の製法。
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