JP5913359B2 - 鋳物工業用の低−放出性常温硬化性結合剤 - Google Patents

鋳物工業用の低−放出性常温硬化性結合剤 Download PDF

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Description

本発明は、主として鋳物工業用のコアおよび鋳型を製造するための非焼成法(no-bake process)において使用するのに適した混合物、および該混合物および酸硬化剤(即ち、酸触媒)を含む反応混合物に係る。本発明は、更に本発明による混合物の製造方法および鋳型およびコアの製造方法にも係る。本発明は、また金属製物体を製造するための鋳型またはコア、並びに本発明による混合物および特定の酸触媒を含むキットにも係る。更に、本発明は、本発明による混合物の、常温硬化性結合剤としての使用および該混合物または反応混合物の、金属製物体を製造するための非焼成法における使用にも関連する。更に、本発明の局面は、以下の説明、以下の実施例および添付した特許請求の範囲から明らかとなる。
鉄および鋼工業並びに非鉄金属工業の多くの製品は、初期成型のための鋳造工程を経、そこでは、溶融材料、鉄金属または非鉄金属が、特別の材料特性を持つ成形された物体に変換される。鋳物を生成するためには、先ず該溶融金属を受入れるための極めて複雑な鋳型を作成することが、しばしば必要となる。鋳型は、各鋳造操作後に破壊されるロスト鋳型、および永続式鋳型に分類され、その各々を使用して、多数の鋳物を製造することができる。該ロスト鋳型は、一般的に耐火性、粒状鋳型材料からなり、これは、硬化性結合剤によって強化されている。
鋳型は雌型であり、これらは鋳込みの際に充填すべきキャビティを含み、作成すべき鋳物を生成する。後の鋳物に係る内部輪郭は、コアにより形成される。鋳型の製造中に、該キャビティは、作成すべき鋳物のパターンによって、該鋳型材料内に形成される。内部の輪郭は、コアによって表され、これらは別のコアボックス内に作成される。
鋳型を作成するためには、冷間または熱間加工によって硬化することのできる、有機および無機結合剤両者を使用することが可能である。冷間加工は、硬化が、該鋳型混合物を加熱することなしに、実質上室温にて起る工程である。従って、硬化は、一般的に化学反応によって起り、該化学反応は、例えば硬化すべき該鋳型混合物にガス状触媒を通すことにより、あるいは該鋳型混合物に液状触媒を添加することにより開始することができる。熱間加工においては、該鋳型混合物を鋳込んだ後に、例えば該結合剤中に含まれている溶媒を排除するのに、あるいは化学反応を開始するのに十分に高い温度にて加熱され、結果として該結合剤は架橋を通して硬化される。
前記鋳型の製造は、先ず前記鋳型材料と前記結合剤とを混合することにより進めることができ、結果として該耐火性鋳型材料の粒子は、該結合剤により被覆されることになる。鋳型基材および結合剤から得られた該鋳型混合物は、次に対応する鋳型ボックス内に入れられ、また場合によっては圧縮処理して、該鋳型に十分な安定性を与える。次いで、該鋳型を、例えばこれを加熱しあるいはこれに触媒を添加して、硬化反応をもたらすことにより硬化する。該鋳型が少なくともある所定の初期強度を達成したら、該鋳型を、該鋳型ボックスから取出すことができる。
既に述べたように、金属製物体を製造するための鋳型は、しばしば所謂コアと鋳型とから組み立てられる。これらのコアおよび鋳型は、異なる要件を満たす必要がある。鋳型の場合、高温金属の作用により鋳造中に生成するガスを運び去るために、比較的大きな表面積が必要とされる。コアについては、一般的に極めて小さな面積のみが必要とされ、これを介してガスを運び去ることができる。過度のガスの発生がある場合、結果として該コアからの該溶融金属の移動の危険性があり、ここで該ガスの移動は、鋳造欠陥の生成に導く恐れがある。従って、前記内部キャビティは、しばしばコールド-ボックス結合剤、即ちポリウレタンを主成分とする結合剤により硬化されているコアによって形成され、一方で該鋳物の外部の輪郭は、より経済的な鋳型、例えば生砂鋳型、フラン樹脂またはフェノール系樹脂により結合された鋳型、あるいは鋼製の鋳型によって複製される。
より大きな鋳型に対しては、一般に有機ポリマーが、前記耐火性粒状鋳型材料用の結合剤として使用される。使用する該耐火性粒状鋳型材料は、しばしば洗浄されかつ分級された珪砂であるが、他の鋳型材料、例えばジルコン砂、クロマイト砂、シャモット、カンラン石砂、長石-含有砂、および紅柱石砂等も使用される。鋳型基材物質および結合剤から得た該鋳型混合物は、好ましくは自由流動状態にある。
現時点において、有機結合剤、例えばポリウレタン、フラン樹脂またはエポキシ-アクリレート結合剤が、しばしば鋳型を製造するために使用されており、ここでは、該結合剤の硬化は、触媒の添加によって行われる。フェノール系樹脂(酸硬化、またはα-硬化(alpha-set)法においては、エステル硬化)も利用される。
適当な結合剤の選択は、製造すべき鋳物の形状および寸法、製造条件および鋳造のために使用される材料に基いて行われる。従って、小さな鋳物を大量に製造する際には、しばしばポリウレタン結合剤が使用されるが、その理由は、これらの結合剤が、迅速なサイクル時間の達成を可能とし、またその結果として大量生産を可能とすることにある。
前記鋳型混合物を熱によりまたは後の触媒の添加により硬化する方法は、該鋳型混合物の加工が、如何なる特別な、一次的制限に曝されないという利点を持つ。該鋳型混合物は、先ず極めて大量に製造することができ、これらは、次いで極めて長い期間、一般的には数時間に渡り加工される。該鋳型混合物の硬化は、成形後においてのみ行われ、従って迅速な反応が望ましい。硬化後、該鋳型は、即座に該鋳造ボックスから取出すことができ、その結果サイクル時間を短縮することができる。しかし、良好な強度を持つ鋳物を得るために、該鋳型混合物の硬化は、該鋳物内部において均一に行われなければならない。該鋳型混合物を、後の触媒の添加により硬化する場合、該鋳型は、鋳造後該触媒によってガス化される。このため、該ガス状触媒は、該鋳型を介して導かれる。該鋳型混合物は、該触媒と接触させた直後に硬化され、またその結果これは該鋳造ボックスから極めて速やかに取出すことができる。鋳型サイズの増大に伴って、該鋳型のあらゆる部分における該鋳型混合物を硬化するのに十分な量の触媒を与えることが一層困難となる。該ガス化時間はより長くなるが、それにも拘らず、ほんの僅かにのみ該ガス状触媒が到達し、または全く到達しない、該鋳型部分が存在し得る。従って、該触媒の量は、該鋳型のサイズの増大に伴って著しく増大する。
同様な困難が、熱硬化工程においても起る。ここでは、前記鋳型の全部分を、十分に高い温度にまで加熱する必要がある。該鋳型サイズの増大に伴って、一方では鋳型の硬化のために、該鋳型を、より長期間に渡り特定の温度まで加熱する必要がある。このような処理のみが、該鋳型の内部までも所望の強度とすることを保証し得る。他方において、該鋳型サイズの増大に伴って、その硬化も、装置の点で、極めて高価なものとなる。
重質の鋳型の場合、そのコアの重量は、しばしば約1,000kgまたはそれ以上となる。ガスを使用してまたは加熱によって硬化するに際して、技術的な理由から、このような大きなコアは、製造可能であるとしても、多大な困難を伴ってのみ可能となる。この場合においては、常温硬化法を使用することが好ましい。
大きな鋳物、例えば海洋ディーゼルエンジンまたは大きな機械の部品、例えば風力タービン発電機ローターのハブを作成するための鋳型を製造する場合、上で述べられた理由のために、一般には所謂「非焼成法用結合剤(no-bake binders)」が使用される。該「非焼成法」においては、前記耐火性鋳型基材(例えば、砂)は、しばしば先ず触媒(硬化剤)で被覆され、次いで前記結合剤が添加され、即ち混合することにより、既に触媒で被覆されている、該耐火性鋳型基材の粒子上に均一に分配される。この方法においては、所謂連続式ミキサが、しばしば使用される。次いで、こうして得られる鋳型混合物を成形して、鋳造物品とすることができる。結合剤および触媒は、該鋳型混合物内に均一に分布しているので、硬化は、大きな鋳造物品についても、極めて均一に起る。
あるいはまた、前記「非焼成法」においては、前記耐火性鋳型基材(例えば、砂)を、先ず前記結合剤と混合し、次いで前記硬化剤を添加することができる。この手順により、特に大きな鋳物用の鋳型を製造する場合、該硬化剤の部分的、局部的な過度に高い濃度のために、該結合剤の部分的な硬化または架橋が起る恐れがあり、結果として不均一な鋳型材料が得られる可能性がある。
前記触媒(硬化剤)が、成形前に既に前記鋳型混合物に添加されているので、該鋳型混合物の硬化は、該混合物の製造直後に開始する。工業的な応用に適した加工時間を得るために、該鋳型混合物の成分は、従って相互に適合状態にある必要がある。即ち、所定量の該結合剤および前記耐火性鋳型基材を用いた際の反応速度は、例えば前記触媒の特性およびその量または更には遅延成分の添加によって影響される可能性がある。その上、該鋳型混合物の加工は、極めて制限された条件の下で行われる必要があり、その理由は、その硬化速度が、例えば該鋳型混合物の温度によって影響を受けることにある。
「古典的な」非焼成法用結合剤は、多くの場合フラン樹脂およびフェノール系樹脂を主成分とするものである。これらは、多くの場合において、系(キット)として提供され、その一成分は反応性フラン樹脂またはフェノール系樹脂を含み、またその他方の成分は、酸を含んでおり、ここで該酸は、該反応性樹脂成分を硬化するための触媒として作用する。
フランおよびフェノール系樹脂は、鋳造中に極めて良好な分解特性を持つ。前記溶融金属の熱の作用の下で、該フランまたはフェノール系樹脂は分解し、また該鋳型はその強度を失う。その結果、鋳造後、極めて容易に、場合によっては該鋳物の予備的な振動処理の後に、コアをキャビティから吐出させることができる。
「フラン非焼成法用結合剤」は、反応性フラン樹脂を含み、これは通常必須成分として、フルフリルアルコールを含んでいる。酸性触媒存在の下において、フルフリルアルコールはそれ自体と反応して、ホモポリマーを生成し得る。フラン系非焼成法用結合剤を製造するために、一般的にフルフリルアルコールは単独で使用されることはなく、その代わりに、重合により該樹脂内に組込まれることになる、他の化合物が該フルフリルアルコールに添加される。このような化合物の例はアルデヒド、例えばホルムアルデヒドまたはフルフラール、ケトン、例えばアセトン、フェノール、尿素または同様にポリオール、例えば糖アルコールまたはエチレングリコールである。また、該樹脂の特性、例えばその弾性に対して影響を及ぼす他の成分を、該樹脂に添加することも可能である。例えば、メラミンを添加して、依然として遊離の状態にあるホルムアルデヒドを結合することができる。
フラン系非焼成法用結合剤は、一般的には先ず、例えば尿素、ホルムアルデヒドおよびフルフリルアルコールから、酸性条件下で予備縮合物を製造することによって調製される。これらの予備縮合物は、次にフルフリルアルコールで希釈される。
尿素およびホルムアルデヒド自体を反応させることも考えることができる。これは、いわゆるUF樹脂(尿素-ホルムアルデヒド樹脂、即ち「アミノプラスト」)を与える。次に、これらは、多くの場合フルフリルアルコールで希釈される。この製法の利点は、その製品における高い可撓性/変動性の範囲および低いコストにあるが、その理由は、この方法が常温混合法であることにある。一つの欠点は、幾つかの化学的特性および適用性を達成し得ない点にある。更に、UF樹脂は、しばしば濁っており、そのために一般にこれらから作成された結合剤も濁っておりまた不均一である。
レゾールも、フラン系非焼成法用結合剤を製造するのに使用し得る。レゾールは、フェノールとホルムアルデヒドとを含む混合物を重合することにより製造される。次いで、これらレゾールは、大抵の場合において、大量のフルフリルアルコールで希釈される。
フラン系非焼成法用結合剤は、一般的に酸によって硬化される。この酸は、該反応性フラン樹脂の架橋を触媒、促進する。結合剤の型に依存して、該酸の量は、所定レベル以下であってはならないことに留意すべきであり、その理由は、前記耐火性鋳型基材中に存在する可能性のあるアルカリ成分が、部分的に該酸を中和してしまうことにある。
しばしば、前記酸として、スルホン酸、リン酸または硫酸が使用される。幾つかの特別な場合においては、これら酸の組合せが使用され、また時には更なるカルボン酸との組合せも使用される。その上、幾つかの「硬化調節剤」を、該フラン系非焼成法用結合剤に添加することも可能である。
リン酸は、しばしばその濃厚な状態で、即ち70%を越える濃度にて、硬化用の酸触媒として使用される。しかし、これは、比較的高い比率で尿素を含むフラン樹脂の接触的硬化に対してのみ適している。というのは、このものが、実質的に、該フラン系非焼成法用結合剤における前記アミノプラスト部分の硬化に関与しているからである。これら樹脂の窒素含有率は、一般的に2.0質量%を越える。比較的強力な酸としての硫酸は、フラン樹脂を硬化するためのより低強度の酸に対する開始剤として添加することができる。しかしながら、その添加に伴い、硫黄含有化合物に典型的な臭気が、鋳造操作中に発生する。更に、前記鋳造物質が、その特性に影響を及ぼす、硫黄を取込む危険性がある。
硬化用酸触媒の選択は、前記結合剤の硬化挙動、前記鋳型混合物の諸特性および該混合物から得ることのできる鋳型または該混合物から得ることのできるコアに多大な影響を持つ。従って、該硬化速度は、該酸の量およびその強度により影響を受ける可能性がある。即ち、大量の酸またはより強力な酸は、硬化速度の増大をもたらす。硬化が著しく迅速に起る場合、該鋳型混合物の加工時間は著しく短縮され、そのために加工適性は著しく低下し、あるいは加工が最早不可能となる場合さえある。酸触媒が著しく多量に使用された場合、該結合剤、例えばフラン樹脂は、更に、硬化の際に脆弱化し、このことは、鋳型の強度に対して悪影響を及ぼす。酸触媒が極端に少量で使用された場合、該樹脂は十分に硬化されず(あるいは硬化に極めて長期間を要し)、このことは、より低い強度を持つ鋳型の生成へと導く。
鋳型を製造する際には、前記コアのために、しばしば新たな砂が使用され、一方で再生された鋳型材料(例えば、砂)が、しばしば該鋳型のために使用される。フラン系非焼成法用結合剤により強化されている、耐火性鋳型基材は、極めて良好に再生することができる。再生処理は機械的に、即ち残留結合剤から形成された表皮を機械的に研摩することによって、あるいは該使用済みの砂を熱処理することにより行われる。機械的な再生処理または組合された機械的/熱的処理によって、リサイクル率をほぼ100%とすることが可能である。
酸触媒により硬化可能な非焼成法用結合剤の第二の大きな群としてのフェノール系樹脂は、前記反応性樹脂成分としてレゾール、即ちモル過剰のホルムアルデヒドを用いて製造されるフェノール系樹脂を含む。フラン樹脂と比較して、フェノール系樹脂は、低い反応性を示し、また触媒として強力なスルホン酸の使用を必要とする。フェノール系樹脂は、比較的高い粘度を有し、該粘度は、該樹脂を長期間に渡り保存した場合には、更に増大する。該フェノール系非焼成法用結合剤を、前記耐火性鋳型基材に適用した後、前記鋳型混合物をできる限り速やかに加工して、早期の硬化による該鋳型混合物の性能のあらゆる劣化を回避すべきであり、該劣化は、該鋳型混合物から製造した鋳型強度の低下に導く恐れがある。フェノール系非焼成法用結合剤を使用した場合、該鋳型混合物の流動性は、一般的に、フラン系非焼成法用結合剤を用いて製造した匹敵する鋳型材料よりも低い。その結果、該鋳型を製造する際に、高い鋳型強度を達成しようとする場合には、該鋳型混合物を注意深く圧縮する必要がある。
このような鋳型混合物の製造並びに加工は、15〜35℃なる範囲の温度にて行うべきである。この温度が低過ぎる場合には、該フェノール系非焼成法用樹脂の高い粘度のために、該鋳型混合物を十分に加工することができない。35℃を越える温度では、該結合剤の早期の硬化のために、該混合物の加工時間はより短縮される。
また、鋳造後に、フェノール系非焼成法用結合剤を主成分とする鋳型混合物を再生することができ、この場合には、再度機械的または熱的もしくは組合された機械的/熱的処理を利用することができる。
既に説明したように、前記フランまたはフェノール非焼成法において触媒として使用される前記酸は、前記鋳型の諸特性に対して極めて大きな影響を与える。該酸は、鋳型の硬化における十分な反応速度を保証すべく十分に強力なものである必要がある。
また、加工期間を十分に長くすることができるように、硬化は、制御性の高いものであるべきでる。このことは、組み立てにより長い時間を要する、極めて大きな鋳物用の鋳型を製造する際に特に重要である。
更に、古い鋳型材料(即ち、ロスト鋳型またはコアを製造する際に既に使用された鋳型混合物、例えば使用済みの砂)の再生処理中、前記酸が該再生材料において富む状態としてはならない。該再生材料を介して酸を該鋳型混合物内に導入した場合、この導入は加工時間を短縮し、また該再生材料から作成した鋳型強度の低下を招く。
従って、全ての酸が、非焼成法における触媒として使用するのに適しているわけではない。これまでのところ、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸または更にはメタンスルホン酸および幾つかの場合においては、キシレンスルホン酸またはクメンスルホン酸[2(または4)-(イソプロピル)-ベンゼンスルホン酸]が、しばしば実際に使用されており、また更にはリン酸および硫酸も使用されている。
既に説明したように、リン酸は、幾つかのグレードのフラン樹脂の硬化に対してのみ適している。しかし、リン酸は、フェノール系樹脂の硬化に対しては適さない。更なる欠点の一つとして、リン酸は、前記再生材料において豊富化される傾向を持ち、このことは、該再生材料の再利用を更に困難なものとする。鋳造中および熱的再生において、硫酸は、腐食特性を持ち、健康に対して有害であり、また厄介な臭気を放つ、二酸化硫黄の放出に導く。硫酸を使用した場合の他の欠点については、以下の説明を参照のこと。
非焼成法用結合剤は、重質かつ単一の鋳物を製造するための鋳型およびコアを作成するために時として使用されてきた。これら常温硬化性の系は、一般にホルムアルデヒドとフルフリルアルコール、フェノールおよび/または尿素との反応生成物である。
これら公知の非焼成法用結合剤は、一つまたは複数の、以下のような欠点または望ましからぬ特性を持つ:フルフリルアルコールの過度に高い含有率;過度に高い含水率;過度に高いホルムアルデヒド含有率;過度の臭気;過度に高いアンモニア含有率および/または過度に高い全窒素含有率。
US 3,644,274は、主として、フルフリルアルコール/ホルムアルデヒド/尿素樹脂を硬化するための酸触媒の幾つかの混合物を使用する、非焼成法に関連する。
US 3,216,075は、フルフリルアルコール-ホルムアルデヒド樹脂を記載しており、これは、この特許においては、高温度、即ち175℃を越える温度において、鋳物工業用コアおよび鋳型を製造するために使用されている。そこでは、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの反応生成物が、先ずシュウ酸の存在下で製造され、水の蒸留後に、殆ど無水状態にある高粘性の樹脂が得られ、該樹脂は、次にフルフリルアルコールで希釈されて、低粘性のものとされる。
US 3,806,491は、前記「非焼成」法において使用することのできる結合剤に関するものである。そこで使用されている該結合剤は、パラホルムアルデヒドと幾つかのケトンとの、塩基性環境下での反応により得られる生成物およびフルフリルアルコールおよび/またはフラン樹脂を含む。
US 5,607,986は、「ウォーム-ボックス」法または「ホット-ボックス」法で鋳型およびコアを製造するための熱硬化性結合剤を記載しており、該結合剤は、フルフリルアルコール/ホルムアルデヒド/フェノール系樹脂を主成分とするものであり、これらは、8〜9なる範囲のpH値における、塩基性環境内で製造される。このUS 5,607,986に従う該結合剤は、付随的にフルフリルアルコールおよびポリビニルアセテートを含む。
US 5,491,180は、前記非焼成法において使用するのに適した樹脂結合剤を記載している。この特許において使用されている該結合剤は、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランまたは2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランのメチルまたはエチルエーテルを主成分とするものであり、ここで該結合剤は、0.5〜30質量%なる範囲の水および通常は高い割合のフルフリルアルコールを含んでいる。
EP 0 540 837は、オルガノソルブ(Organosolv)法を由来とするリグニンおよびフラン樹脂を主成分とする、低-放出性の常温硬化性結合剤を提案している。ここに記載されている該フラン樹脂は、高い割合でモノマー状のフルフリルアルコールを含んでいる。
DE 198 56 778は、アルデヒド成分、ケトン成分および実質的にフルフリルアルコールからなる成分の反応により得られる、常温硬化性樹脂結合剤を記載している。
EP 1 531 018は、フラン樹脂および幾つかの酸硬化剤由来の、非焼成法用鋳物結合剤系に係る。そこに記載されている該結合剤系は、好ましくは60〜80質量%なる範囲の量のフルフリルアルコールを含んでいる。
DE 102008024727は、幾つかのメタンスルホン酸-含有触媒混合物を記載しており、これら触媒混合物は、そこでは前記非焼成法における硬化剤として使用されている。
US 2008/0207796は、非焼成法用結合剤を開示しており、該結合剤は、実質的に窒素およびホルムアルデヒドを含まず、モノマー状のフルフリルアルコールおよび「フラン誘導体」(例えば2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランまたは5-ヒドロキシメチルフルフラール)および/またはポリエステルポリオールを主成分とするものである。
US 4,176,114 Aは、砂型およびコアの製造法を開示している。ここにおいて、砂は、酸-硬化性樹脂と混合され、後者は、「高い粘性を持つポリフルフリルアルコール」を含んでいる。従って、硬化は、酸化剤の存在下で、該混合物とガス状二酸化硫黄とを接触させることにより起る。
US 5,741,914 Aは、樹脂を主成分とする結合剤組成物を開示しており、この組成物は、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの反応生成物を含んでいる。該結合剤組成物は、しばしば有機弱酸を含み、また幾つかの場合においては、極少ない割合でホルムアルデヒドをも含む。
US 6,391,942 B1は、フラン系非焼成法用鋳物結合剤およびその使用について開示している。
特に、鉄および鋼の鋳造、とりわけ高級なスチールの鋳造においては、全窒素含有率をできる限り低くすることが望ましいが、その理由は、特に非焼成法用結合剤における、4質量%またはそれ以上の全窒素含有率が、鋳造欠陥の生成へと導く可能性があることにある。特に鋳鋼並びにネズミ鋳鉄の分野において使用するために、非焼成法用結合剤は、できる限り低い全窒素含有率を持つべきであるが、その理由は、これらの場合においては表面欠陥、例えば所謂「ピンホール」が、鋳造欠陥として生じる恐れがあることにある。「水-窒素(water-nitrogen)ピンホール」と呼ばれるある型のピンホールが存在し、そこにおいて、水蒸気が、鉄および窒素-含有成分の同伴元素と反応して、金属酸化物および窒素-水素化合物を生成し、これらは、溶融金属内に拡散し、結果として微小孔の生成をもたらす。
重質の鋳物を製造するための工程においては、更に、重質の鋳物に対する工程で使用するための非焼成法用結合剤における、アンモニアの含有率をも、できる限り低い値に維持する必要があり、またアンモニアの使用は、好ましくは回避すべきである。
非焼成法用結合剤は、以下の基準の複数個またはその全てを満たすものであることが好ましい:
・低粘度;
・良好な保存安定性;
・特に高性能のスチールを鋳造するために、低-窒素含有率または窒素を含まない結合剤であること;
・殆ど臭気を発生しないものであること;
・成形時間を短縮するために、反応性で、迅速硬化性の結合剤であること(化学的に活発な硬化剤または活性化剤を生成する必要はない);
・高品位の球状黒鉛鋳鉄に対する、低-硫黄含有率または硫黄を含まない結合剤であること(鋳造中およびその後におけるSO2排出量の十分な低減の可能性を持つ)。
鋳型混合物の成分として、非焼成法用結合剤は、以下の基準の複数個またはその全てを満たすものでなければならない:
・良好な一貫硬化性;
・結合剤の添加が、鋳造またはコア製造においてほとんど必要とされないこと;
・前記鋳型混合物の混合、装填および圧縮中において、有害な物質を殆ど放出しないものであること(通常は、許容TLV値よりも十分に低い値を持つべきである);
・良好に再生される、使用済みの砂を与えるものであること。
概して、鋳型材料を混合、装填および圧縮並びに保存といった関連する諸段階を含む鋳造中には、とりわけ、VDG[ジャーマンファウンドリーメンズアソシエーション(German Foundrymen's Association)]コードオブプラクティス(Code of Practice)R 304(1998年2月)[「フラン樹脂を用いた常温-硬化鋳造法(Cold-curing moulding process with furan resin)」]に従って、主要成分であるホルムアルデヒドおよびフルフリルアルコールに対して注意を払うべきである。
鋳物工場において、TLV値(TLV = 閾値)を遵守することは、常に容易であるわけではない。というのは、該閾値の遵守が、極めて高価な抽出装置およびフィルタの使用を必要とするからである。例えば、重質の鋳物製造分野においては、放出される有害な物質を効率的に抽出する装置を据付けかつ該抽出を実施することは、殆ど不可能である。
従って、本発明により達成すべき課題は、フルフリルアルコールおよびホルムアルデヒドを主成分とし、鋳物工業で使用するためのコアおよび鋳型を製造する非焼成法において利用することのできる結合剤を提供することにある。結果として、該鋳型およびコアの製造中および/または鋳造工程中に、有害な物質、特にフルフリルアルコールおよびホルムアルデヒド並びに好ましくは更にアンモニアに係る有害物質を放出することは殆どない。
従って、本発明の第一の局面において、本発明は、非焼成法における結合剤として使用するための混合物に関し、該混合物は以下の成分:
(a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該モノマー状のフルフリルアルコールの量は多くても25質量%であり;
(b) 40質量%またはそれ以上の、ホルムアルデヒドの反応生成物、ここで該反応生成物は、以下の成分:
(b-1) ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコールおよび場合により他の成分との反応生成物;および
(b-2) 場合により、ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコール以外の、1種または複数種の他の化合物との反応生成物を含み、
(c) 水、ここで該水の量は、多くても20質量%であり;
(d) 25℃において2.5に等しいかまたはそれ以上、好ましくは2.75〜6なる範囲、好ましくは3〜5なる範囲のpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩、
を含み、ここで前記混合物は、多くても0.5質量%なる遊離ホルムアルデヒドの含有率を有し、前記質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである。
驚いたことに、本発明による混合物を含む、本発明による反応混合物(以下において定義する)を使用した場合、鋳型材料の混合、装填および圧縮操作中における、有害物質の放出、特にフルフリルアルコールおよびホルムアルデヒドの放出を、非焼成法用結合剤の加工適性および他の関連する諸特性を全く低下させることなしに、大幅に減じることができることを見出した。従って、本発明の混合物によって、極めて多数の望ましい実際的な諸特性が達成された。本発明による混合物を含有する該反応混合物の良好な加工適性は、とりわけその比較的低い粘度(好ましい粘度については以下の説明を参照のこと)に基くものである。非焼成法用結合剤の他の関連する諸特性は、硬化挙動に及ぼす影響(特に、含水率の関数として、これについては以下を参照のこと)および溶融金属と自然に接触した際の、対応する鋳型またはコアの安定性に及ぼす影響(特に、含水率との関連における影響、鋳型造形作業中の鋳型およびコアの破裂に関しては、以下に与えられる備考を参照のこと)を含む。
本発明による前記混合物および本発明による前記反応混合物(以下において定義される)は、また特に、800kgまたはそれ以上の重量、好ましくは900kgまたはそれ以上、より好ましくは1,000kgまたはそれ以上の重量を持つ、重質の鋳物の製造領域において、好ましくは鋳型およびコア、特にコアを製造するために適用することができる。
非焼成法において、本発明の混合物を用いて固められている、耐火性鋳型基材は、極めて良好に再生することができる。これは、特に砂に対して適用される。
フラン樹脂は、鋳造業の実務とは無関係の公知技術から公知である。該公知技術において記載されている該フラン樹脂は、鋳造業の実務における非焼成法用結合剤として使用するには適さない(即ち、これらは、非焼成法での使用に適していない)。というのは、これらが、特に1または複数の以下のような欠点を持つからである:過度に高い粘度;過度に高い含水率;過度に高いホルムアルデヒド含有率;過度に高いアンモニア含有率および/または過度に高い全窒素含有率。その上、公知技術により公知のこれら他のフラン樹脂は、通常は、許容し得る硬化特性を与えず、また非焼成法において使用した場合に、十分な強度の発現をもたらすことがない。
US 2,343,972は、乳酸、蟻酸またはクロロ酢酸等の酸の存在下で加熱しつつ行われる、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの反応により得られる樹脂を記載している。非焼成法における結合剤にとって重要な諸特性に関する完全な情報は、該特許:US 2,343,972には与えられていない。
US 5,741,914 (および対応するUS 5,849,858)は、複合体製造用の結合剤を記載しており、これらはフルフリルアルコールと過剰量のホルムアルデヒドとの、約4を越えるpKa値を持つ酸の存在下での反応により得られ、該反応において、フルフリルアルコール対ホルムアルデヒドのモル比は、少なくとも1:2である。同様な樹脂は、US 5,486,557において記載されている。
DE 2126800 (および対応するCA 1200336)は、複合物体の製法およびそのために適した結合剤を記載しており、そこにおいて、該結合剤は、フラン-ホルムアルデヒドを主成分とする、高い粘性を持つ樹脂状縮合物であり、これは水で希釈される。
US 3,816,375 (および対応するDE 2302629)は、部分的に予備重合されたフルフリルアルコール-アルデヒド結合剤を記載しており、ここで該アルデヒドは、ホルムアルデヒドおよび/またはフルフラールであり、これら結合剤は、この特許において、複合材料を製造するために使用されている。該複合材料に対して選択された該材料が、ガラス繊維である場合、この特許US 3,816,375によれば、高い粘性を持つ予備重合されたフルフリルアルコール-アルデヒド結合剤が好ましいものとして使用されており、これは、フルフラールで希釈されている。同様な系が、US 3,594,345 (および対応するDE 1927776)において開示されている。
US 2,874,148は、硫酸の存在下でのフルフリルアルコールとホルムアルデヒドとの反応により製造される、フルフリルアルコール-ホルムアルデヒド樹脂を開示している。US 2,874,148に従って得た、これら樹脂の物性は、他の特定の反応条件によって著しく影響される。
通常、非焼成法における結合剤として使用するための本発明による混合物は、2以下の25℃におけるpKa値を持つ酸を含むことはなく、また好ましくは2.5以下の25℃におけるpKa値を持つ酸を含むことはない。例外的な場合として、かかる酸を含む場合には、その最大の全量は、該混合物の全質量に対して、5質量%未満であることが好ましい。このことは、以下に記載される本発明の全ての混合物に対して当てはまる。
通常、非焼成法における結合剤として使用するための本発明による混合物は、如何なる耐火性粒状物質をも含まない。例外的な場合として、該混合物において耐火性粒状物質を使用する場合、その最大の全配合量は、該混合物の全質量に対して、5質量%未満であることが好ましい。このことは、以下に記載される本発明の全ての混合物に対して当てはまる。
通常、本発明の混合物は、均質な溶液であり、このことも、以下に記載される本発明の全ての好ましい混合物に対して当てはまる。
好ましくは、本発明の混合物は、5質量%未満のモノマー状のフルフラールを含み、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満のモノマー状のフルフラールを含む。
好ましくは、本発明による前記混合物は、3質量%未満のポリ酢酸ビニルを含み、好ましくは1質量%未満のポリ酢酸ビニルを含み、より好ましくは該混合物は、ポリ酢酸ビニルを含まないものである。
好ましくは、本発明による混合物は、5質量%未満のモノマー状のフルフラールおよび3質量%未満のポリ酢酸ビニルを含む。
好ましくは、本発明による混合物は、1質量%未満のモノマー状のフルフラールおよび1質量%未満のポリ酢酸ビニルを含む。
好ましくは、本発明による混合物は、前記成分(b-1)の一部として、化合物:2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フラン(BHMF)を、各場合において該成分(b-1)の全質量に対して、好ましくは少なくとも2質量%なる量で、より好ましくは5〜80質量%なる範囲の量で、特に好ましくは10〜70質量%なる範囲の量で、とりわけ20〜60質量%なる範囲の量で含む。
好ましくは、本発明による混合物は、前記成分(b-1)において、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フラン(BHMF)を、本発明による混合物の全質量に対して、少なくとも1質量%なる量で、より好ましくは5〜40質量%なる範囲の量で、特に好ましくは10〜35質量%なる範囲の量で、更に一層好ましくは15〜30質量%なる範囲の量で含む。
好ましくは、本発明による混合物は、モノマー状フルフリルアルコール(前記成分(a)として)および2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フラン(BHMF)(前記成分(b-1)の一部として)を、3:1〜1:3なる範囲、好ましくは2:1〜1:2なる範囲、より好ましくは3:2〜2:3なる範囲、特に好ましくは5:4〜4:5なる範囲の質量比にて含む。
本発明による混合物の前記成分(b-1)において、「フランリング単位」の割合は、例えば13C-NMRにより、該フランリングから決定することができる。
窒素-含有成分が、前記成分(b-2)内に存在する場合に関連して、これらの成分は、その窒素自体に基いて検出し得る。該成分(b-2)内の成分としてのフェノール系化合物の場合において、識別は、同様に該フェノール系化合物に基いて行うことができる(例えば、残留モノマー含有率の測定、GC-MS分析))。
その他の適当な分析法は、15N-NMRまたは13C-NMRである。
「フランリング」単位の割合は、13C-NMR法によって決定することができる。ホルムアルデヒドとフルフリルアルコールおよび場合により更なる成分との反応生成物(b-1)における、フルフリルアルコール(C5H6O2)として計算された、該「フランリング」単位の割合は、好ましくは、各場合において該成分(b-1)の全質量に対して、60〜96質量%なる範囲、好ましくは70〜95質量%なる範囲、より好ましくは75〜90質量%なる範囲、および特に好ましくは75〜85質量%なる範囲にある。
前記成分(b-2)において、前記ホルムアルデヒドとの反応生成物の前記他の化合物は、以下に列挙する化合物からなる群から選択されることが好ましい:
・1または複数個のNH2基および/または1または複数個のNH基を持つ有機化合物;および
・フェノール系化合物。
1または複数個のNH2基を持つ、特に好ましい前記有機化合物は尿素である。
この理由のために、前記フェノール系化合物は、酸性条件下で、フルフリルアルコールおよびホルムアルデヒドと直接反応させ、またはフルフリルアルコール/ホルムアルデヒド予備縮合物と反応させることができる。
前記フェノール系化合物は、好ましくは6〜25個の炭素原子を持ちおよび/または芳香族リングと直接結合している1、2、3または4個のヒドロキシル基を持つフェノール系化合物であり、好ましくは以下に列挙する化合物からなる群から選択される:フェノール、場合により1または2個のC1-C4-アルキル基により置換されたジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、メチルフェノールおよびビスフェノール、特に好ましくはフェノール、o-ジヒドロキシベンゼン、m-ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、p-ジヒドロキシベンゼン、5-メチルレゾルシノール、5-エチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、4,5-ジメチルレゾルシノール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールおよびビスフェノールA。フェノール、レゾルシノールおよびビスフェノールAが特に好ましい。
前記成分(b-2)は、例えばフェノール-ホルムアルデヒド樹脂であり得、該樹脂は、ホルムアルデヒドおよびフェノールおよび随意の、フルフリルアルコール以外の他の成分を、アルカリ条件下で反応させることにより得ることができる。
当業者は、別途におよび意図的に、本発明の混合物の前記成分(b-1)、および存在する場合には前記成分(b-2)を製造し得ることを理解すべきである。該成分(b-1)および(b-2)は、(好ましくは、既に好ましいものとして述べられた割合にて)先ず一緒に混合し、前記成分(b)として、あるいはまた別々に該成分(b-1)および(b-2)として、本発明による混合物に配合することができる。
更に、本発明による混合物の前記成分(a)〜(d)が、各場合において、当業者によって、別々に得ることができまたは製造することが可能であることも理解すべきである。該成分(a)〜(d)は、(好ましくは、既に好ましいものとして述べられた割合にて)順次または同時に一緒に混合し、結果として本発明による混合物を得ることができる。
前記成分(a)〜(d)の配合順序は、本発明の混合物の製造において如何なる顕著な役割も演じることはない。好ましくは、該成分(a)〜(d)は、0〜70℃なる範囲の温度、好ましくは10〜60℃なる範囲の温度、より好ましくは15〜50℃なる範囲の温度、例えば18〜25℃なる範囲の温度にて一緒に混合される。
しかし、経済的な立場から、一般的には前記成分(b-1)および(b-2)を、好ましくはワン-ポット反応(one-pot reaction)で、前記成分(d)の存在下にて、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドとを反応させることにより製造することが好ましい。この反応は、好ましくは、本発明による混合物の前記成分(a)および(b)(即ち、前記成分(b-1)および場合により前記成分(b-2))および前記成分(c)および(d)が、前記所定の割合(好ましくは、既に好ましいものとして述べられた割合にて)で得られるような方法で行われる。このような場合において、モノマー状のフルフリルアルコール(該成分(a))の、後のまたは別途の添加は必要とされない。この点に関連しては、以下に記載される本発明の製造方法をも参照すべきである。
本発明による前記混合物は、水(前記成分(c))を含む。しかしながら、水は、これを用いて得られる前記鋳型混合物の硬化速度を低下し、また製造処理中の前記縮合反応において水が生成され、更に追加の水が、硬化の際の反応生成物としても生成されるので、選択すべき水の割合は、小さいことが好ましい。好ましくは、本発明による混合物中の水の割合は、20質量%未満、好ましくは多くても15質量%である。好ましい本発明の混合物は、5〜15質量%なる範囲、より好ましくは7〜14質量%なる範囲、更に一層好ましくは8〜13質量%なる範囲の量にて水を含み、ここで該質量%の値は、本発明による混合物の全質量を基準とするものである。
従来技術の多数の樹脂処方物と比較して、水の比較的低い割合は、硬化挙動に及ぼすその実際上の影響に加えて、本発明による前記混合物を用いて作成した鋳型またはコアが、鋳込み作業中に溶融金属と接触した際に、さほど容易には破裂しないという効果を持つ。従来技術の混合物における水の高い割合のために、しばしば鋳型の破裂が観測され、またこれは、本発明の混合物を使用することにより、十分に回避することができる。
本発明による好ましい混合物は、以下の成分を含む:
(a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該フルフリルアルコールの量は多くても24.75質量%、好ましくは多くても24.60質量%であり;および/または
(c) 水、ここで該水の量は多くても15質量%である。ここで該質量%の値は、該混合物の全質量を基準とするものである。
本発明による好ましい混合物において、好ましくは、成分(b)の全量は、45質量%またはそれ以上、好ましくは50質量%またはそれ以上であり、各場合において、該質量%の値は、該混合物の全質量を基準とするものである。
本発明による好ましい混合物は、前記成分(b)が、以下の成分を含みまたは以下の成分からなることを特徴とする:
(b-1) 40質量%またはそれ以上、好ましくは45質量%またはそれ以上、好ましくは50質量%またはそれ以上の、フルフリルアルコールとホルムアルデヒドおよび場合により更なる成分、好ましくは1種または複数種の更なるアルデヒド、好ましくはグリオキサールとの反応生成物;および
(b-2) ホルムアルデヒドと、1種または複数種の、フルフリルアルコール以外の他の化合物との反応生成物、ここで該反応生成物は、前記成分(b-1)とは異なっており、またこれらの更なる反応生成物の量は、多くとも15質量%、好ましくは多くとも12質量%、好ましくは多くとも10質量%である。
ここで該質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである
本発明の好ましい混合物は、該混合物が、DIN 53019-1:2008-09に従って測定された最大300mPas、好ましい場合には、最大250mPas、好ましくは最大200mPas、より好ましくは最大150mPasなる、20℃における粘度を持つことにより特徴付けられる。
前記粘度は、DIN 53019-1:2008-09に従って、即ち2008年9月のDIN 53019-1に従って測定され、また20℃において測定された値に係る。本明細書に関連して、該粘度は、ミリPa-秒(mPasまたはmPa*s)単位で表されている。好ましくは、該粘度は、20℃において回転粘度計、例えばハーケ(Haake)の回転粘度計VT 550を用いて、DIN 53019-1に従って測定される。本発明に関連して決定された粘度値は、シリンダ(スピンドル)SV1および目盛付きのビーカー(チューブ)SVを用いて測定された。該回転粘度計を用いた粘度測定において使用した回転速度は、20℃において、100mPas未満のテストサンプルの粘度においては800rpm(回転数/分)であり、また100〜800mPasなる範囲のテストサンプルの粘度においては、測定は、20℃において500rpmなる回転速度にて行った。
非焼成法における結合剤として使用するための、本発明による更に一層好ましい混合物は、以下の成分を含む:
(a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該モノマー状のフルフリルアルコールの量は、多くとも25質量%であり;
(b) 40質量%またはそれ以上のホルムアルデヒドの反応生成物、ここで該反応生成物は、以下の成分を含む:
(b-1) ホルムアルデヒドとフルフリルアルコールおよび場合により更なる成分との反応生成物;および
(b-2) 場合により、ホルムアルデヒドと1種または複数種の、フルフリルアルコール以外の他の化合物との反応生成物;
(c) 水、ここで該水の量は多くとも15質量%であり;
(d) 2.5に等しいかまたはこれ以上、好ましくは2.75〜6なる範囲の、好ましくは3〜5なる範囲の、25℃におけるpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩。
ここで前記混合物は、多くとも0.5質量%なる遊離ホルムアルデヒドの含有率を有し、また該質量%の値は、該混合物の全質量を基準とするものである。
ここで、前記混合物は、DIN 53019-1:2008-09に従って測定された、最大300mPas、好ましくは最大250mPas、好ましくは最大200mPas、より好ましくは最大150mPasなる、20℃における粘度を持つ。
最大で15質量%という低い含水率にも拘らず、前記本発明の混合物は、同時に低い粘度をも有し、このことは、得られる鋳型混合物の、(鋳型基材との混合後の)鋳込み作業における優れた加工適性をもたらす。独自の検討において、該好ましい本発明の混合物は、特にその良好かつ再現性の良い、連続式ミキサにおける計量性のために、有利であることが立証された。事実、例えば予め決められたスクリューの幾何形状(フラン系常温硬化性樹脂用設備)によって、1時間当たり35トンまたはそれ以上の砂の配合物が、連続的に混合される。本発明の該混合物の良好な「微粒性」は、短い混合期間中に、該鋳型基材内における、できる限り均一かつ均質な分布を保証するために、本発明において重要である。
更に、前記本発明による混合物は、鋳型装填の際の、例えば新たに製造された砂配合物の良好な流動性をもたらす。鋳型装填の際には、一般的に鋳型の輪郭およびアンダーカットは、十分に満たされかつ圧縮されるべきである。より高い粘度を持つ結合剤は、本発明による好ましい混合物と比較して、該砂混合物の目詰まり及び低い流動性をもたらす傾向にあり、これは、より貧弱な圧縮性のために、表面鋳造欠陥の生成をもたらす。
本発明による好ましい混合物は、その遊離ホルムアルデヒド含有率が、該混合物の全質量に対して、多くても0.4質量%、好ましくは多くとも0.3質量%、好ましくは多くとも0.2質量%であることを特徴とする。
好ましくは、2.75〜6なる範囲、好ましくは3〜5なる範囲の25℃におけるpKa値を持つ1種または複数種の有機酸、および/またはその塩が、前記成分(d)として使用される。
前記範囲内のpKa値を持つ有機酸が、前記成分(b-1)としての、ホルムアルデヒドとフルフリルアルコールおよび随意の更なる成分との反応生成物を製造するための、特に適した縮合触媒である。
クエン酸、乳酸、安息香酸、フタル酸、l-リンゴ酸、d-酒石酸、マレイン酸、グリコール酸、グリオキシル酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸およびサリチル酸が、本発明による混合物の前記成分(d)の有機酸として特に適したものである。
前記成分(d)の好ましい有機酸は、安息香酸、乳酸、クエン酸、フタル酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、サリチル酸およびこれらの塩からなる群から選択されるが、その理由は、本発明の意味において、これらの酸を用いることにより、特に良好な結果が得られることにあり、ここでとりわけ良好な結果は、安息香酸、乳酸またはクエン酸を使用することにより達成され、また最良の結果は、安息香酸を用いることにより達成された。
本発明による前記混合物における安息香酸の相-相溶性は、我々独自の検討において特に良好であることが明らかとなり、結晶生成反応は全く観測されなかった。
前記成分(d)におけるその他の有機酸の使用も可能であるが、好ましくない。例えば、酢酸、プロピオン酸および酪酸は、強力な、また幾つかの場合においては不快な臭気を持つ酸である。例えば、コハク酸およびアジピン酸は、迅速に結晶化する傾向を示す。従って、本発明による混合物におけるこれら他の有機酸の存在は好ましくない。
本発明において好ましい混合物において、前記成分(d)の全量は、好ましくは、各場合において該混合物の全質量を基準として、0.5〜8質量%なる範囲、好ましくは0.75〜5質量%なる範囲、特に好ましくは1〜3質量%なる範囲にある。
従って、本発明による好ましい混合物は、前記成分(d)内に、安息香酸、乳酸、クエン酸、フタル酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、サリチル酸およびこれらの塩からなる群から選択される酸または塩を含むものである。サリチル酸は、幾分好ましさの点で劣るが、その理由は、幾つかの場合において、本発明による混合物の保存寿命に悪影響を及ぼすことにあり、また幾つかの場合においては、サリチル酸を用いて製造した本発明の混合物の水に対する混和性が、比較的低いことが分かった。
本発明による好ましい混合物は、該混合物の全質量を基準として、最大1質量%、好ましくは最大0.5質量%、好ましくは最大0.25質量%なるアンモニア含有率を持つ混合物である。
本発明による好ましい混合物は、該混合物の全質量を基準として、最大4質量%、好ましくは最大3.5質量%、好ましくは最大3.0質量%なる全窒素含有率を有している。このことは、特に、極めて低い含水率(とりわけ、最大15質量%)および/または極めて低い粘度(とりわけ、最大300mPasまたは更にはこれよりも低い、20℃における粘度;これについては上記の説明を参照のこと)を持つ、好ましいものとして上記したような混合物に対して当てはまる。
前記全窒素含有率は、例えば元素分析法または所謂ケルダール(Kjeldahl)法(DIN 16916-02、第5.6.4項)によって測定することができ、ここで、本発明による混合物の全窒素含有率を決定するためには、元素分析法が好ましい。
本発明に関連して決定すべき前記全窒素含有率は、選択的CNS燃焼触媒(CNS = 炭素、窒素、硫黄)による元素分析により求められた値であり、ここで接触式チューブ燃焼は、1,140℃において行われ、また異種ガスは分離された(装置:バリオマックスCNS(VARIO MAX CNS))。
本発明の好ましい混合物は、5,000ダルトン(g/モル)を越える分子量を持つ化合物の全含有率が、多くても3質量%、好ましくは多くとも1質量%であるような混合物であり、ここで該分子量は、DIN 55672-1 (1995年2月)に従って、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定され、また上記質量%の値は、該混合物の全質量を基準とするものである。
以下において与えられる分子量は、DIN 55672-1 (1995年2月)に従って、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量を意味し、本件の場合において、検出は、好ましくは波長235nmにおいてUV-検出器を用いて行われる。
本発明による好ましい混合物において、4,000ダルトン(g/モル)を越える分子量を持つ化合物の全含有率は、多くとも3質量%、好ましくは多くとも1質量%である。
本発明による好ましい混合物において、3,000ダルトン(g/モル)を越える分子量を持つ化合物の全含有率は、多くとも5質量%、好ましくは多くとも2質量%である。
本発明による好ましい混合物において、前記成分(b-1)は、5,000ダルトンを越える分子量を持つ、如何なる化合物をも含まず、またより好ましくは該成分は、4,000ダルトンを越える分子量を持つ、如何なる化合物をも含まない。
本発明による好ましい混合物において、前記成分(b-1)は、多くとも3質量%なる量で、3,000ダルトンを越える分子量を持つ化合物を含む。
本発明による好ましい混合物において、前記成分(b-1)は、多くとも5質量%なる量で、2,000ダルトンを越える分子量を持つ化合物を含む。
本発明による好ましい混合物において、前記成分(b-1)の平均分子量Mw(重量平均分子量)は、200〜600g/モルなる範囲、より好ましくは225〜500g/モルなる範囲、特に好ましくは250〜450g/モルなる範囲、最も好ましくは300〜425g/モルなる範囲にある。
本発明の好ましい混合物において、前記成分(b-1)の平均分子量Mw(重量平均分子量)対平均分子量Mn(数平均分子量)の比は、5:1〜9:8なる範囲、より好ましくは4:1〜6:5なる範囲、特に好ましくは3:1〜4:3なる範囲、より一層好ましくは2:1〜3:2なる範囲にある。
本発明による好ましい混合物において、前記2つの成分(a)および(b-1)両者の平均分子量Mw対平均分子量Mnの比は、5:1〜9:8なる範囲、より好ましくは4:1〜6:5なる範囲、特に好ましくは3:1〜4:3なる範囲、より一層好ましくは2:1〜3:2なる範囲にある。
前記重量平均分子量(平均分子量Mw)対数平均分子量(平均分子量Mn)の比は、多分散性とも呼ばれ、これはしばしばGPCスペクトルにおいて、比としてのDで与えられる。該多分散性は、分子量分布の範囲を示す一尺度である。該Dの値が大きい程、分子量分布は広い(単一の化合物は多分散性1を持つ)。
これに関連して、前記成分(b-1)または前記2つの成分(a)および(b-1)両者が、好ましいことまたは特に好ましいこととして、上記の多分散性を有している本発明による混合物が、本発明における意味において、とりわけ良好な結果および効果を示すことが分かった。
本発明の前記混合物は、好ましくは、例えば1種または複数種の定着剤、好ましくは1種または複数種のシランを含むことができる。
適当なシランは、例えばアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、ヒドロキシシランおよびウレイドシラン、例えばγ-ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプトプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン、N-β-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシランである。
γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン(N-アミノプロピルメチルジエトキシシラン)は、商品名シラン(Silane) 1100、シラン(Silane) 1101、シラン(Silane) 1102(工業的グレード)およびアメオ(AMEO) Tの下に市販されており、またγ-アミノプロピルトリエトキシシラン(N-アミノプロピルトリエトキシシラン)は、商品名ダイナシラン(Dynasilane) 1505および1506(工業的グレード)の下に市販されている。商品名ダモ(DAMO)、ダモ-T(DAMO-T)およびダイナシラン(Dynasilane) 1411の下に得ることのできるシランも、本発明において適している。
1種または複数種のシラン、特に1種または複数種の、N-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシランおよび/またはN-アミノプロピルトリエトキシシランからなる群から選択されるシランを含む、本発明の混合物を使用することにより、鋳型またはコアの製造において特に良好な結果が得られ、とりわけN-アミノプロピルメチルジエトキシシランおよび/またはN-アミノプロピルトリエトキシシランを用いることによって、特に良好な結果が得られた。
従って、特に好ましい本発明による混合物は、付随的に更なる成分として以下の成分を含む:
(e) 好ましくは3質量%まで、好ましくは0.1〜1質量%なる範囲の全量の、1種または複数種の定着剤、好ましくはシラン、好ましくはN-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシランおよび/またはN-アミノプロピルトリエトキシシランからなる群から選択されるシラン。ここで、質量%の値は、前記混合物の全質量に対するものである。
前記本発明の混合物は、更なる添加剤を含むことができる。即ち、これらは、例えば反応性の低下をもたらす、硬化調節剤としてのジオールまたは脂肪族ポリオールを含むことができる。本発明による混合物中のこれら硬化調節剤の割合は、この種の硬化調節剤が、好ましからざる場合において、鋳型強度の低下に導くことから、過度に高い値とすべきではない。従って、好ましくは、該硬化調節剤の割合は、該混合物の全質量に対して、多くとも10質量%、好ましくは多くとも5質量%である。
特に好ましい本発明の混合物は、付随的に以下に列挙するものからなる群から選択される1種または複数種の更なる成分を含む:
(f) 前記混合物の全質量に対して、好ましくは最大10質量%なる量の、ジ-、トリ-、またはポリ-オール、好ましくは2〜12個の炭素原子を持つグリコール類からなる群から選択される有機硬化調節剤;
(g) 前記混合物の全質量に対して、好ましくは最大10質量%なる量の、好ましくは1〜6個の炭素原子を持つ不活性な有機可溶化剤、好ましくはアルコール類:R-OHからなる群から選択される可溶化剤、本発明においては好ましくはエタノール、ここで該一般式におけるRは、C1-C4アルキル基を表す;
(h) フルフリルアルコールと、1種または複数種の、2個またはそれ以上の炭素原子を持つアルデヒドとの反応生成物、好ましくはフルフリルアルコールとグリオキサールとの反応生成物;
(i) 1または複数個のNH2基および/または1または複数個のNH基を持つ有機化合物、好ましくは尿素;
(k) フェノール系化合物、好ましくは6〜25個の炭素原子を含みおよび/または芳香族リングに直接結合した1、2、3または4個のヒドロキシル基を持つフェノール系化合物、好ましくはフェノール、場合により1または2個のC1-C4-アルキル基により置換されたジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、メチルフェノールおよびビスフェノールからなる群から選択されるフェノール系化合物、特に好ましくはフェノール、o-ジヒドロキシベンゼン、m-ジヒドロキシベンゼン、p-ジヒドロキシベンゼン、5-メチルレゾルシノール、5-エチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、4,5-ジメチルレゾルシノール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールおよびビスフェノールAからなる群から選択されるフェノール系化合物;
(m) ベンジルアルコール;および
(n) 2またはそれ以上の炭素原子を持つアルデヒド、好ましくはアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナムアルデヒド、グリオキサール、およびこれらアルデヒドの混合物からなる群から選択されるアルデヒド、好ましくはグリオキサール。
前記成分(f)の好ましい有機硬化調節剤は、2〜12個の炭素原子を持つグリコール、より好ましくは2〜6個の炭素原子を持つグリコールであり、エチレングリコール、即ちモノエチレングリコールが更に一層好ましい。
好ましくは、前記エチレングリコールの量は、前記本発明の混合物の全質量に対して、多くとも10質量%、好ましくは多くとも5質量%である。
本発明の混合物の前記成分(h)に従う、フルフリルアルコールとの反応生成物を形成する好ましいアルデヒドは、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナムアルデヒド、グリオキサール、およびこれらアルデヒドの混合物であり、ここでもグリオキサールが好ましい。
本発明による混合物の前記成分(h)および/または前記成分(n)に係る、2またはそれ以上の炭素原子を持つ好ましいアルデヒドは、グリオキサールであるが、その理由は、このものが容易に入手でき、かつ経済的な観点から有利であるばかりでなく、技術的な諸利点を持つ本発明の混合物を与えることにある。例えば、該成分(n)としてのグリオキサールばかりでなく、前記成分(h)としてのフルフリルアルコールとグリオキサールとの反応生成物は、少量で使用した場合においてさえ、本発明の混合物の反応性に対して実際的な影響を及ぼす。
本発明の混合物が、前記成分(n)を含む場合、該成分(n)の全量は、前記混合物の全質量に対して、好ましくは多くとも5質量%、より好ましくは多くとも3質量%である。
本発明の混合物の前記成分(k)に係る好ましいフェノール系化合物は、6〜25個の炭素原子を含み、かつ芳香族リングに直接結合した1、2、3または4個のヒドロキシル基を持つフェノール系化合物である。更に好ましいフェノール系化合物は、フェノール、場合により1または2個のC1-C4-アルキル基により置換されたジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、メチルフェノールおよびビスフェノールからなる群から選択されるフェノール系化合物であり、特に好ましくはフェノール、o-ジヒドロキシベンゼン、m-ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、p-ジヒドロキシベンゼン、5-メチルレゾルシノール、5-エチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、4,5-ジメチルレゾルシノール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールおよびビスフェノールA[2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン]からなる群から選択されるフェノール系化合物であり、ここでフェノール、レゾルシノールおよび/またはビスフェノールAが、ここでも特に好ましいものである。
前記成分(k)は、好ましくはフェノール、レゾルシノールおよび/またはビスフェノールAを含み、またはこれらからなる。というのは、特にこれらの遊離フェノールが、ホルムアルデヒドとの反応に対する高いアフィニティーを示し、また依然として存在するあらゆるホルムアルデヒドと迅速に反応して、特にホルムアルデヒドの放出を、とりわけ前記硬化工程において、更に減じることを可能とするからである。
この点に関連して、ビスフェノールAが特に有利である。というのは、恐らくそのジフェニルメタン構造を考慮すると、本発明の反応混合物の一構成成分としての本発明の混合物の硬化後、ビスフェノールAが、得られる鋳型およびコアの強度を高めるからである。その上、より高い熱安定性が、特に鋳造工程中に観測され、結果的に放出に関して、更に実際的な効果を達成し得る。
本発明の好ましい混合物は、付随的に、前記成分(m)として、該混合物の全質量に対して、好ましくは最大15質量%なる量にてベンジルアルコールを含むことができる。
前記成分(m)として、主に本発明の混合物における溶媒として作用するベンジルアルコールの添加は、該本発明の混合物の所望の特性を更に一層改善する。
他にも多々ある利点の中でも特に、本発明の混合物の他の成分に関連する、極めて良好な相溶性がある。また、粘性が低減され、即ち粘度値が低下され、また更には本発明の混合物の保存安定性が一層改善されることも見出した。
更に、ベンジルアルコールを使用した場合、低級アルコール(特に、1〜4個の炭素原子を持つ1-アルカノール、特にメタノール、エタノールまたはイソプロパノール)と比較して、本発明の混合物の引火点は増大し、また同時にその臭気は減じられる。更に、低級アルコールを使用すると、その使用量に依存して、常温硬化性において不当に長い遅れが見られる可能性があるが、これは、ベンジルアルコールについては、極僅かな程度においてのみ観測される。
本発明の好ましい混合物は、25℃において、4〜10なる範囲、好ましくは5〜9.5なる範囲のpH値を持つ。
本発明による混合物は、25℃において、好ましくは5〜7なる範囲、または8〜9.5なる範囲のpH値を持つ。
通常溶液状態にある本発明の混合物の好ましいpH値は、優れた保存安定性を保証する。
本発明の好ましい混合物は、保存中安定な混合物であり、好ましくは20℃にて少なくとも3ヶ月間という保存安定性を持ち、ここでは該保存期間中に、好ましくは
・DIN 53019-1:2008-09に従って測定された、20℃における該混合物の粘度は、高くとも80%だけ、好ましくは高くても70%だけ、好ましくは高くとも60%だけ、特に好ましくは高くとも50%だけ増大し、また好ましくは300mPasを越えず、好ましくは250mPasを越えず、より好ましくは200mPasを越えず、特に好ましくは150mPasを越えず、また
・前記成分(a)の質量基準での割合は、前記保存期間の開始時点における、前記モノマー状のフルフリルアルコールの初期量に対して、高くても10%、および好ましくは高くても5%減少するに過ぎない。
本発明の好ましい混合物は、以下の成分を含みまたは以下の成分からなる:
(a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該モノマー状のフルフリルアルコールの量は、多くても25質量%、好ましくは多くとも24.75質量%であり;
(b) 40質量%またはそれ以上の、ホルムアルデヒドの反応生成物、ここで該反応生成物は、以下の成分を含み:
(b-1) 40質量%またはそれ以上、好ましくは45質量%またはそれ以上の、フルフリルアルコールと、ホルムアルデヒドおよび場合により更なる成分、好ましくは1種または複数種の更なるアルデヒド、ここでは好ましくはグリオキサールとの反応生成物;および
(b-2) ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコール以外の、1種または複数種の他の化合物との反応生成物、該反応生成物は、前記成分(b-1)とは異なるものであり、ここで該更なる反応生成物の量は、多くとも12質量%、好ましくは多くとも10質量%であり;
(c) 水、ここで該水の量は、多くても15質量%であり;
(d) 好ましくは0.75〜5質量%なる範囲の全量で存在する、25℃において2.75〜6なる範囲、好ましくは3〜5なる範囲のpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩;
(e) 好ましくは3質量%まで、好ましくは0.1〜1質量%なる範囲の全量の、シラン類からなる群から選択され、好ましくはN-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシランおよび/またはN-アミノプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される、1種または複数種の定着剤;
(f) 好ましくは最大10質量%なる量の、2〜12個の炭素原子を持つグリコール類からなる群から選択される1種または複数種の有機硬化調節剤;
(g) アルコール類:R-OHからなる群から選択される、1種または複数種の不活性な有機可溶化剤、本発明においては好ましくはエタノール、ここで該一般式におけるRは、C1-C4アルキル基を表し;
(h) 場合により、フルフリルアルコールと、1種または複数種の、2個またはそれ以上の炭素原子を持つアルデヒドとの、1種または複数種の反応生成物、好ましくはフルフリルアルコールとグリオキサールとの反応生成物;
(j) 場合により、1または複数個のNH2基および/または1または複数個のNH基を持つ、1種または複数種の有機化合物、好ましくは尿素;
(k) 場合により、1種または複数種のフェノール系化合物、好ましくは6〜25個の炭素原子を含みおよび/または芳香族リングに直接結合した1、2、3または4個のヒドロキシル基を持つフェノール系化合物、好ましくはフェノール、場合により1または2個のC1-C4-アルキル基により置換されたジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、メチルフェノールおよびビスフェノールからなる群から選択されるフェノール系化合物、特に好ましくはフェノール、o-ジヒドロキシベンゼン、m-ジヒドロキシベンゼン、p-ジヒドロキシベンゼン、5-メチルレゾルシノール、5-エチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、4,5-ジメチルレゾルシノール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールおよびビスフェノールAからなる群から選択されるフェノール系化合物;
(n) 場合によりグリオキサール;および
場合により、多くとも0.5質量%なる量の遊離ホルムアルデヒド。ここにおいて質量%の値は、前記混合物全質量を基準とするものである。
もう一つの好ましい本発明の混合物は、以下の成分を含みまたは以下の成分からなる:
(a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該モノマー状のフルフリルアルコールの量は、多くても24.75質量%、好ましくは多くとも24.60質量%であり;
(b) 45質量%またはそれ以上の、ホルムアルデヒドの反応生成物、ここで該反応生成物は、以下の成分を含み:
(b-1) 45質量%またはそれ以上、好ましくは50質量%またはそれ以上の、フルフリルアルコールと、ホルムアルデヒドおよび場合により更なる成分、好ましくは1種または複数種の更なるアルデヒド、ここでは好ましくはグリオキサールとの反応生成物;および
(b-2) ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコール以外の、1種または複数種の他の化合物との反応生成物、該反応生成物は、前記成分(b-1)とは異なるものであり、ここで該更なる反応生成物の量は、多くとも12質量%、好ましくは多くとも10質量%であり;
(c) 多くても15質量%、好ましくは5〜15質量%なる範囲の量の水;
(d) 好ましくは1〜4質量%なる範囲の量で存在する、25℃において3〜5なる範囲のpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩;
(e) 好ましくは0.1〜1質量%なる範囲の全量の、シラン類からなる群から選択され、好ましくはN-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-アミノエチル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシランおよび/またはN-アミノプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される、1種または複数種の定着剤;
(f) 最大5質量%、好ましくは1〜4質量%なる範囲の量の、エチレングリコール;
(g) 最大5質量%、好ましくは1〜4.5質量%なる範囲の量のエタノール;
(h) 場合により、フルフリルアルコールと、1種または複数種の、2個またはそれ以上の炭素原子を持つアルデヒドとの1種または複数種の反応生成物、好ましくはフルフリルアルコールとグリオキサールとの反応生成物;
(n) 場合によりグリオキサール;更に以下の成分(j)または(k)の何れか:
(j) 1または複数個のNH2基および/または1または複数個のNH基を持つ、1種または複数種の有機化合物、好ましくは尿素;
(k) 場合により、1種または複数種のフェノール系化合物、好ましくは6〜25個の炭素原子を含みおよび/または芳香族リングに直接結合した1、2、3または4個のヒドロキシル基を持つフェノール系化合物、好ましくはフェノール、場合により1または2個のC1-C4-アルキル基により置換されたジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、メチルフェノールおよびビスフェノールからなる群から選択されるフェノール系化合物、特に好ましくはフェノール、o-ジヒドロキシベンゼン、m-ジヒドロキシベンゼン、p-ジヒドロキシベンゼン、5-メチルレゾルシノール、5-エチルレゾルシノール、2,5-ジメチルレゾルシノール、4,5-ジメチルレゾルシノール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾールおよびビスフェノールAからなる群から選択されるフェノール系化合物;および
場合により、多くとも0.5質量%なる量の遊離ホルムアルデヒド。ここにおいて質量%の値は、前記混合物全質量を基準とするものである。
本発明による特に好ましい混合物は、以下の成分を含みまたは以下の成分からなる:
(a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該モノマー状のフルフリルアルコールの量は、多くとも24.60質量%であり;
(b) 45質量%またはそれ以上の、ホルムアルデヒドの反応生成物、ここで該反応生成物は、以下の成分を含み:
(b-1) 45質量%またはそれ以上、好ましくは50質量%またはそれ以上の、フルフリルアルコールと、ホルムアルデヒドおよび場合により更なる成分、好ましくは1種または複数種の更なるアルデヒド、ここでは好ましくはグリオキサールとの反応生成物;および
(b-2) ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコール以外の、1種または複数種の他の化合物との反応生成物、該反応生成物は、前記成分(b-1)とは異なるものであり、ここでこれらの更なる反応生成物の量は、多くとも12質量%、好ましくは多くとも10質量%であり;
(c) 多くても15質量%、好ましくは7〜14質量%なる範囲の量の水;
(d) 1〜4質量%なる範囲の量で存在する、25℃において3〜5なる範囲のpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩、ここで該有機酸は安息香酸、乳酸およびクエン酸からなる群から選択され;
(e) 好ましくは0.1〜1質量%なる範囲の全量の、N-アミノプロピルメチルジエトキシシランおよび/またはN-アミノプロピルトリエトキシシラン;
(f) 最大5質量%、好ましくは1〜4質量%なる範囲の量の、エチレングリコール;
(g) 最大5質量%、好ましくは1〜4.5質量%なる範囲の量のエタノール;
(h) 場合により、フルフリルアルコールと、1種または複数種の、2個またはそれ以上の炭素原子を持つアルデヒドとの、1種または複数種の反応生成物、好ましくはフルフリルアルコールとグリオキサールとの反応生成物;
(n) 場合によりグリオキサール;および以下の成分(j)または(k)の何れか:
(j) 尿素;
(k) フェノール、レゾルシノールおよび/またはビスフェノールA;および
場合により、多くとも0.5質量%なる量の遊離ホルムアルデヒド。ここにおいて質量%の値は、前記混合物全質量を基準とするものである。
本発明は、更に反応混合物にも係り、該反応混合物は、以下の成分を含む:
(i) 本発明による混合物、好ましくは、好ましいものとして記載された前記態様の一つに従う混合物;および
(ii) 酸、ここで該酸は、2未満、好ましくは1.5未満、好ましくは1未満の、25℃におけるpKa値を持つ。ここで、該反応混合物は、好ましくは最大0.4質量%なる遊離ホルムアルデヒドの含有率を有し、また上記質量%の値は、該反応混合物の全質量から該反応混合物内の耐火性粒状物質の全質量を差し引いた値を基準とするものである。
前記成分(ii)は、また酸硬化剤とも呼ばれる。該酸硬化剤は、低温、典型的には周囲温度にて本発明の混合物を硬化することを可能とする。使用する該成分(ii)の量は、好ましくは、該本発明の混合物の硬化が、既に低温にて、典型的には周囲温度にて、特に25℃にて起るような値である。
好ましくは、2未満の25℃におけるpKaを持つ、使用すべき酸の全量は、得られる反応混合物のpHを、3未満、好ましくは更には1未満とするような値である。有利には、該酸硬化剤は、25℃において、既に本発明による混合物の硬化をもたらす。
本発明による反応混合物の前記成分(ii)は、有機スルホン酸を含み、または好ましくは有機スルホン酸からなる。ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸またはクメンスルホン酸[2(または4)-(イソプロピル)-ベンゼンスルホン酸]等の芳香族スルホン酸以外に、メタンスルホン酸およびエタンスルホン酸も好ましい。該有機スルホン酸は、容易に入手できまた非焼成法において本発明の混合物の所望の硬化を達成するのに十分に高い酸度を有している。本発明に関連して、最良の結果は、p-トルエンスルホン酸を用いることにより達成される。
本発明によれば、反応混合物が好ましく、ここで前記成分(ii)の酸は、有機酸、好ましくは有機スルホン酸、好ましくはベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸またはクメンスルホン酸[2(または4)-(イソプロピル)-ベンゼンスルホン酸]およびメタンスルホン酸からなる群から選択され、p-トルエンスルホン酸が特に好ましい。
好ましくは、前記反応混合物は、(i)硫酸を含まず、あるいは(ii)最大1質量%、好ましくは最大0.5質量%なる量にて硫酸を含み、ここで該質量%の値は、該反応混合物の全質量から、該反応混合物中の(場合により存在する)耐火性粒状物質の全質量を差し引いた値を基準とするものである。好ましくは、該反応混合物は、リン酸を全く含まず、また塩酸をも全く含まず、特に好ましくは本発明による該反応混合物は、あらゆる無機酸を全く含まない。硫酸の場合、幾つかの場合において、該酸の強度が問題となる。経験によれば、硫酸によってのみ硬化する結合剤は、不可避的により多くの欠陥をもたらす、「自発的な」ポリマー網状構造の生成を示す。その上、材料-依存性のより高い割合での硫黄の存在は、戻し砂の多大な硫化が存在することを意味する。この多大な硫化は、鋳造欠陥および構造的な欠陥を引起し、また更には極めて不快な臭気(悪臭)を放つ。硫酸を由来とする硫黄は、硫黄-含有化合物に対する処理中に減じられるが、該砂の系内に留まることが明らかにされている。
しかし、芳香族スルホン酸は、樹脂との良好な混和性を持つ(相-相溶性を有する)。硬化が起ると、硫酸と比較して、これはより秩序立てられ、より均一となり、より完全でかつより制御性の良いものとなる。更に、該有機的に結合された硫黄の一部は、鋳造中に前記鋳型材料からSO2として蒸発する。そのために、硫化の程度は低くなる。また、取扱いに際しては、硫酸と比較して、腐食性の低いスルホン酸を、肯定的に評価する必要がある(これは、器具の寿命に対して有利な影響を及ぼす)。
好ましくは、本発明の反応混合物において、2未満の25℃におけるpKaを持つ酸は、各場合においてホルムアルデヒドおよび本発明の混合物の前記成分(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(j)、(k)および(n)(前記成分(i))の全質量に対して、10〜80質量%なる範囲、好ましくは15〜70質量%なる範囲、好ましくは20〜60質量%なる範囲、特に好ましくは25〜50質量%なる範囲の全量にて使用される。
本発明の反応混合物中の、2未満の25℃におけるpKaを持つ1種またはそれ以上の酸の全割合は、好ましくは、本発明の該反応混合物の全質量から存在するあらゆる耐火性粒状材料の全質量を差引いた値に対して、9〜45質量%なる範囲、好ましくは13〜41質量%なる範囲、好ましくは16〜38質量%なる範囲、特に好ましくは20〜33質量%なる範囲にある。
本発明による反応混合物は、付随的に以下の成分を含むことが好ましい:
(iii) 好ましくは、前記反応混合物の全質量を基準として、80質量%またはそれ以上、好ましくは95質量%またはそれ以上なる量の、1種または複数種の耐火性粒状物質、好ましくは砂。
本発明による該反応混合物が、本発明による混合物(前記成分(i))に加えて、酸硬化剤(前記成分(ii))および耐火性粒状物質(前記成分(iii))をも含む場合、これが、鋳型混合物である。
二酸化硫黄を含んでおらず、あるいは如何なる過酸化物(特に、メチルエチルケトンパーオキサイド)をも含まない、本発明による反応混合物が好ましく、また好ましい該反応混合物は、二酸化硫黄も過酸化物(特に、メチルエチルケトンパーオキサイド)も含まないものである。
本発明の反応混合物を使用する、非焼成法において固化されている、耐火性鋳型基材は、極めて良好に再生することができる。これは、特に砂に対して当てはまる。
本発明による反応混合物は、好ましくは砂、好ましくは0.063〜2mmなる範囲、好ましくは0.1〜1mmなる範囲の粒径を持つ砂を含む。
本発明による反応混合物は、好ましくは該反応混合物(即ち、前記鋳型混合物)の全質量に対して、80質量%またはそれ以上、好ましくは95質量%またはそれ以上の前記成分(iii)を含む。
好ましくは、前記成分(iii)は砂、好ましくはアルミノシリケート砂、長石砂および/または珪砂を含むか、あるいはこれからなる。特に好ましい該成分(iii)は珪砂を含み、更に一層好ましい該成分(iii)は、珪砂からなる。
本発明は、更に本発明による混合物、好ましくは有利なものとして特徴付けられたその態様の一つ、あるいは特に好ましいものとして特徴付けられたその態様の一つの製造方法にも係り、該方法は以下の工程を含み:
(S-1) フルフリルアルコールと、ホルムアルデヒドおよび場合により更なる成分との、2.5に等しいかまたはこの値を越える、好ましくは2.75〜6なる範囲、好ましくは3〜5なる範囲の、25℃におけるpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩の存在下における反応工程、
ここで前記使用したフルフリルアルコールの全量対前記使用したホルムアルデヒドの全量のモル比は、1に等しいかまたはそれ以上であり、5:1〜1.1:1なる範囲、好ましくは3:1〜1.25:1なる範囲、より好ましくは2:1〜3:2なる範囲にあることが好ましい。
ホルムアルデヒドはそのモノマー状態、例えばホルマリン溶液として、またそのポリマー状態、例えばトリオキサンまたはパラホルムアルデヒドの何れの状態で使用することも可能であり、本発明によれば、パラホルムアルデヒドの使用が好ましい。
更に、ホルムアルデヒド以外の、他のアルデヒドを使用することも可能である。適当なアルデヒドは、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナムアルデヒド、グリオキサーリおよびこれらアルデヒドの混合物である。
特に好ましい、3〜5なる範囲の25℃におけるpKa値を持つ前記有機酸は、安息香酸、乳酸、クエン酸、フタル酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸およびサリチル酸からなる群から選択され、ここでは、安息香酸、乳酸およびクエン酸がより好ましく、また安息香酸が最も好ましい。
前記工程(S-1)において、好ましくは、pHの値は、各場合において20℃にて測定した値として、2.8〜5なる範囲、好ましくは3.5〜4.5なる範囲の値に設定される。
好ましい本発明の方法において、前記工程(S-1)は、90〜160℃なる範囲の温度、好ましくは100〜150℃なる範囲の温度にて行われる。
好ましい本発明の方法は、更に以下の諸工程を含む:
(S-2) 前記工程(S-1)において得られた前記(第一の)反応混合物を、40〜90℃なる範囲の温度、好ましくは50〜80℃なる範囲の温度にて予備加熱する工程;
(S-3) 場合により、無機塩基、好ましくはアルカリ金属水酸化物、好ましくはNaOHおよび/またはKOHを用いて、pH値を所定の値に調節する工程;
(S-4) 依然として存在するあらゆるホルムアルデヒドと反応し得る、1種または複数種の化合物を添加する工程(あるいは依然として存在するあらゆるホルムアルデヒドと反応させるために、1種または複数種の化合物を添加する工程)、ここでこれらの化合物は、好ましくは1または複数個のNH2基および/またはNH基および/またはフェノール系化合物の基を持つ有機化合物からなる群から選択され;
(S-5) 前記先行する工程において得られた前記反応混合物を、10〜50℃なる範囲、好ましくは15〜40℃なる範囲の温度にて予備加熱する工程;および
(S-6) 場合により更なる成分、好ましくは本発明の前記混合物について、好ましくは有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つに関して上で定義した如き前記成分(e)、(f)、(g)、(h)、(j)、(k)、(m)および(n)の1種、その複数種または全てを添加する工程。
本発明の好ましい方法において、使用した前記フルフリルアルコールの全量は、少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも55質量%であり、また好ましくは60〜75質量%なる範囲、より好ましくは62〜72質量%なる範囲にあり、ここで該質量%の値は、本発明により得られる前記混合物の全質量を基準とするものである。
本発明による好ましい混合物(上に定義された)、好ましくは有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つにおける混合物は、本発明の方法により、好ましくは方法によって製造し得る混合物である。
本発明は、また、金属製物体を製造するための鋳型またはコア、好ましくは非焼成法用の鋳型または非焼成法用のコアの製造方法にも係り、該方法は、以下の工程を含む:
・本発明による混合物、好ましくは有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つにおける混合物を硬化する工程、好ましくは酸触媒を用いて硬化する工程、または
・本発明による反応混合物、好ましくは有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つにおける反応混合物を硬化する工程。
ここで、好ましくは、該硬化は、60℃以下の温度にて行われ、好ましくは0〜50℃なる範囲の温度、より好ましくは10〜40℃なる範囲の温度、特に好ましくは15〜30℃なる範囲の温度にて行われる。
前記非焼成法を実施するための好ましい態様においては、本発明による前記耐火性鋳型基材(本発明による反応混合物の前記成分(iii))を、先ず前記酸硬化剤(本発明による反応混合物の前記成分(ii))で被覆する。次いで、前記結合剤(即ち、本発明による混合物;本発明による反応混合物の前記成分(i))を添加し、更に混合することによって、既に該触媒で被覆されている該耐火性鋳型基材の顆粒上に均一に分布させる。次いで、この鋳型混合物を、鋳込んで、鋳造された物品とすることができる。該結合剤および該酸硬化剤は、該鋳型混合物内に均一に分配されているので、硬化は、大きな鋳造物品の場合においてさえ、実質的に均一に起る。
本発明の好ましい一方法において、硬化は、二酸化硫黄の不在下で行われることが好ましい。好ましくは、本発明の混合物を硬化するために、本発明の反応混合物が製造され、これは、次に直接硬化される。本発明に係る該反応混合物に関する記述は、従って本発明の方法に対しても当てはまる。
鋳物製造工業用のコアおよび鋳型を製造するための、本発明の方法においては、好ましくは、特に大型の鋳型およびコアを製造するのに適した鋳型混合物を使用する。ここでは、これらの鋳型およびコアは、その鋳造中に、低減された有害化合物の放出性を示す。
本発明は、また本発明による反応混合物、好ましくは有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つにおける反応混合物を硬化することにより得ることのできる、金属製物体を製造するための鋳型またはコアにも関連する。
もう一つの局面において、本発明は、本発明による混合物、好ましくは有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つにおける混合物の、特に鋳込み法による金属製物体の製造における、常温硬化性結合剤としての、好ましくは鋳物製造実務における非焼成法用の結合剤としての使用にも係る。ここでは、該結合剤の硬化は、好ましくはガス状二酸化硫黄を使用することなしに、行われる。
もう一つの局面において、本発明は、本発明の混合物または本発明の反応混合物、好ましくは各場合において、有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つにおける混合物または反応混合物の、金属製物体を製造するための非焼成法における、好ましくは、硬化のためにガス状二酸化硫黄を使用することのない非焼成法における、好ましくはガス化工程を含まない非焼成法における使用にも係る。
本発明は、更にキットにも関連し、該キットは以下の成分を含む:
・第一の成分としての、本発明の混合物、好ましくは有利なものとして特徴付けられた前記態様の一つにおける混合物;
・第二の成分としての、酸の水性溶液、ここで該酸は2未満の25℃におけるpKa値を持つ。
以下、本発明を実施例に基いて、より一層詳しく説明する。
実施例
特に述べない限り、与えられた全ての数値は、質量を意味する。使用した略語:FA = フルフリルアルコール;AI = 評価指数。
樹脂の化学的および物理的パラメータを、以下の表1において比較する。与えられたこれらの値は、平均値を意味し、これらは、各結合剤にとって典型的なものである。
「KH-Ref1」および「KH-Ref2」なる名称で与えられた本発明以外の非焼成法用結合剤は、市販品として入手できる製品である。
Figure 0005913359
比較の目的でここにおいて同様に検討された、本発明以外の非焼成法用結合剤KH-Ref2は、以下の組成を有する:
Figure 0005913359
前記非焼成法用結合剤KH-Ref2のこれら成分を、攪拌しつつ反応器に導入し、またこれらの成分を15分間に渡り混合した。
常温硬化性樹脂TN-Xの製造
フルフリルアルコール(60.30質量%)、91%パラホルムアルデヒド(15.88質量%)、85%蟻酸(0.60質量%)、尿素(12.59質量%)、水(3.56質量%)、エタノール(4.95質量%)、25%アンモニア水(2.12質量%)。
前記反応器の内容物を、前記製造工程全体に渡り攪拌する。反応器に489.9kgのフルフリルアルコール、63.0kgの尿素、158.8kgの91%パラホルムアルデヒド、35.6kgの水および49.5kgのエタノールを装入し、またこれらを十分に混合する。次いで4.8kgの85%蟻酸を添加し、またこの得られた混合物を、90℃に加熱する。約30分という時間間隔で、62.9kgの更なる尿素を、90℃にて徐々に添加する。次に、この反応混合物を、僅かに冷却し、また113.1kgのフルフリルアルコールを添加する。更に50℃まで冷却した後、最終的に、25%のアンモニア水を添加することによって、該混合物のpHを、8.1〜8.8なる範囲の値に設定する。この得られる生成物を、ここでは、本発明によらない、混合物TN-Xと呼ぶ。
常温硬化性樹脂TN-Xに関するデータ:含水率:13.5質量%;全窒素含有率:6.2質量%;ホルムアルデヒド含有率:0.1質量%;20℃における粘度:95mPas。
本発明による非焼成法用結合剤KH-Yの製造
フルフリルアルコール(66.98質量%)、91%パラホルムアルデヒド(12.38質量%)、安息香酸(1.56質量%)、尿素(6.07質量%)、水(6.94質量%)、エタノール(2.98質量%)、モノエチレングリコール(1.99質量%)、N-アミノプロピルトリエトキシシラン(ダイナシラン(Dynasilane) 1506)(0.40質量%)、33%水酸化ナトリウム水溶液(0.70質量%)。
反応器内容物をこの製造工程全体に渡り攪拌する。反応器に、223.3kgのフルフリルアルコールおよび5.2kgの安息香酸を装入し、またこれらを十分に混合し(pH:3.7-4.2)、次いで123.8kgのパラホルムアルデヒドを添加する。次に、30-60分間に渡り、100〜110℃なる範囲の温度にて加熱し、またこの温度を60分間に渡り維持する。この温度にて、所定の時間間隔にて、この反応混合物に、更に2部分のフルフリルアルコールおよび安息香酸を添加する。次いで、該反応混合物の温度を約135℃まで高め、該混合物を還流下に加熱する(期間:3〜5時間;該還流温度を、約125℃まで徐々にかつ連続的に低下させる)。次いで、この得られる反応混合物を、素早く冷却し、60.7kgの尿素を添加し、また該反応混合物を更に冷却する。60℃なる温度にて、4.0kgの水酸化ナトリウム溶液(33%水溶液)を添加し、該混合物のpHを5.5-6.0なる範囲の値(20℃にて測定)に設定する。該反応混合物を更に約30℃まで冷却した後、69.4kgの水、29.8kgのエタノールおよび19.9kgのモノエチレングリコールおよび4.0kgのダイナシラン(Dynasilane) 1506を添加し、かつ混合する。場合により、最終的に、該反応混合物のpHを、最大3.0kgの水酸化ナトリウム溶液(33%水溶液)で、5.5-6.5なる範囲の値に調節する。この生成する製品を、ここでは本発明による混合物KH-Yと呼ぶ。
曲げ強さおよび硬化挙動
各曲げ強さの値は、VDGコードオブプラクティス(Code of Practice) P 72 (1999年10月) [常温硬化性に関するテスト、添加された硬化剤を含む合成樹脂-結合湿潤鋳型材料(Testing of cold-setting, synthetic resin-bonded moist moulding materials with hardener added)]に従って測定した。
前記鋳型混合物を、実験室用のミキサ(ボッシュ(BOSCH)社製)内で製造した。そのために、先ず以下の表2に与えられている質量部で表された所定量の酸硬化剤を、各場合において100質量部の珪砂H32[フレッチェンクォーツワークス(Frechen Quartz Works)]に添加し、30秒間混合した。次いで、以下の表2に与えられている質量部で表され所定量の結合剤を添加し、更に45秒間混合した。得られた混合物は、室温(18-22℃)および20-55%なる空気中の相対湿度(RH)の下で製造されたものであった。該砂の温度は18-22℃であった。
次に、前記鋳型混合物を、テストバー鋳込み用鋳型に手作業で配置し、手動装填機で圧縮した。
寸法:220mm x 22.36mm x 22.36mmを持つ、矩形平行六面体形状のテストバー、即ち所謂ゲオルグ-フィッシャー(Georg-Fischer)テストバーを、テスト用検体として製造した。
通し硬化時間を測定するために、前記鋳型混合物を、鋳型(ビーカー)内で、手動装填機により圧縮して、高さ80mmおよび径80mmとする。テスト用爪を用いて、指定された時間間隔にて該成形混合物の表面を検査する。該テスト用爪が、最早該コア表面に侵入しない場合、その時の値が該通し硬化時間を表す。
前記鋳型混合物の加工並びに硬化時間を測定するために、その硬化挙動を、VDG P 72に従うテスト用ピンを用いて、ゲオルグ-フィッシャー(Georg-Fischer)テストバーについて観察した。
各曲げ強さの値を、前記VDGコードオブプラクティス(Code of Practice) P 72に従って測定した。曲げ強さを測定するために、3-点曲げデバイス(DISA-インダストリー(DISA-Industrie) AG、シャッハウゼン(Schaffhausen), CH)を備えた、ゲオルグ-フィッシャー(Georg-Fischer)強度テスタに、前記テストバーを配置し、該テストバーを破壊する力を測定した。
前記曲げ強さは、テストすべき前記鋳型混合物製造の1時間後、2時間後、4時間後および24時間後の値(前記鋳型から取出した後の前記コアの保存後;該保存は、各場合において、18-22℃なる室温および20-55%なるRHにて行った)である。
一連のテストは、非焼成法用結合剤KH-Ref2(本発明以外のテスト検体)および非焼成法用結合剤KH-Y(本発明によるテスト検体)について2系列のテストを行った。各場合において、2つの異なる質量部を使用。
各強度テストの結果は、2回に渡る測定の平均値として、以下の表2(表2aおよび2b)に示した。
第一のテスト系列において、各場合において別々に、1質量部(使用した砂の量に対して、1質量%に相当)の非焼成法用結合剤KH-Ref2(本発明以外のテスト検体)およびKH-Y(本発明によるテスト検体)を、65質量%p-トルエンスルホン酸水溶液0.5質量部(p-トルエンスルホン酸0.325質量部に相当)で処理して、鋳型混合物とした。
前記第二のテスト系列においては、各場合において別々に、1質量部(使用した砂の量に対して、1質量%に相当)の非焼成法用結合剤KH-Ref2(本発明以外のテスト検体)およびKH-Y(本発明によるテスト検体)を、65質量%p-トルエンスルホン酸水溶液0.4質量部(p-トルエンスルホン酸0.26質量部に相当)で処理して、鋳型混合物とした。
使用する略語:
PT = 分単位で表された加工期間;
CT = 分単位で表された硬化時間(100g);
TC = 分単位で表された通し硬化時間;
VISC = mPas単位で表された20℃における粘度;
BS1、BS2、BS4、BS24 = 1時間、2時間、4時間または24時間保存後の曲げ強さ(各場合において、数値の単位はN/cm2である)。
Figure 0005913359
Figure 0005913359
混合、装填、および圧縮工程中の放出物の測定および鋳造の結果
以下の表3に記載されている鋳型混合物を加工して鋳型とし、また鉄または鋼の鋳造を、これら鋳型両者を用いて実施した。混合、装填、および圧縮工程中の、測定された有害物質の放出量を、以下の表4に示す。該鋳造の結果は、両者の場合において欠陥を持たないものであった。
Figure 0005913359
Figure 0005913359
基本と考えられる前記TLVの値は、テクニカルルールズフォーハザルダスサブスタンスズ(Technical Rules for Hazardous Substances)[テクニッシェレーゲルフュールゲファールシュトッフェ(Technische Regel fur Gefahrstoffe)],TRGS,2010年6月補正の2006年1月付け900版およびTRGS 402, 2010年1月版に従う、閾値であった。但し、これは、該TRGS 900に対応する閾値が公開されていない場合である。
前記評価指数「AI TLV」は、TRGS 402、第5.2項に従って測定した。前記評価指数「AI その他」は、TRGS 402、第5.3項に従って測定した。TRGS 402, 2010年1月版を基本として採用した。
AI総量 = AI TLV + AIその他。この指標は、1なる限界を越えるべきではない。
本発明による混合物は、前記限界AI総量に従うことを可能とする。
保存安定性の検討
前記保存安定性は、20-22℃という一定の温度における6カ月という期間に及ぶ保存および1ヵ月間隔での検討に関連する。このために、本発明による常温硬化性樹脂KH-Yの粘度を測定し、対応する鋳型混合物の適用性を、(前記の如く)決定した。
前記適用性の更なる検討のために、先ず、鋳型混合物を製造した。先ず、0.5質量部の、濃度65質量%のp-トルエンスルホン酸水溶液を、100質量部の珪砂H32[フレッチェンクォーツワークス(Frechen Quartz Works)]に添加し、30秒間混合した。次いで1質量部の結合剤KH-Yを添加し、更に45秒間混合した。生成するこの鋳型混合物は、室温(20-22℃)および40-55%なる相対湿度(RH)にて製造した。該砂の温度は20-22℃であった。
Figure 0005913359
Figure 0005913359
本発明による混合物KH-Y2は、極めて低い全窒素含有率を有しており、従って本発明によるこの非焼成法用結合剤は、鉄および鋼の鋳造、特にステンレススチールの鋳造のために適している。
本発明による非焼成法用結合剤KH-Y2の製造
フルフリルアルコール(70.18質量%)、91%パラホルムアルデヒド(12.03質量%)、安息香酸(1.64質量%)、ビスフェノールA(2.75質量%)、尿素(1.72質量%)、水(5.14質量%)、エタノール(3.12質量%)、モノエチレングリコール(1.00質量%)、N-アミノプロピルトリエトキシシラン(ダイナシラン(Dynasilane) 1505)(0.40質量%)、45%水酸化カリウム水溶液(2.02質量%)。
反応器の内容物を、この製造工程中全体に渡り攪拌する。反応器で、234.0kgのフルフリルアルコールおよび5.5kgの安息香酸を、十分に混合し(pH値:3.7-4.2)、次いで120.3kgのパラホルムアルデヒドを添加する。この混合物を、次に30-60分間に渡り、100-110℃にて加熱し、この温度を60分間に渡り維持する。この温度にて、フルフリルアルコールおよび安息香酸の更なる2部分を、所定の時間間隔で該反応混合物に添加する。次に、該温度を約135℃まで高め、該反応混合物を、加熱還流する(期間:3〜5時間;この期間中還流温度は、約125℃まで徐々にかつ連続的に低下する)。次いで、得られる反応混合物を、僅かに冷却し、27.50kgのビスフェノールAを添加し、この反応混合物を更に冷却する。80℃なる温度において、20.2kgの水酸化カリウム溶液(45%水溶液)を添加し、この混合物を更に約1時間攪拌する。該反応混合物を、更に約60℃まで冷却し、31.2kgのエタノールおよび17.2kgの尿素を添加する。該反応混合物を、更に約35℃まで冷却した後、最終的に51.4kgの水、10.0kgのモノエチレングリコールおよび4.0kgのダイナシラン(Dynasilane) 1505を添加し、混合する。得られた生成物をここでは本発明による混合物KH-Y2と命名する。
上記した第一のテスト系列に準じて、1質量部(使用した砂の量に対して1質量%に相当)の本発明による非焼成法用結合剤KH-Y2を、p-トルエンスルホン酸の65質量%水溶液0.5質量部(0.325質量部のp-トルエンスルホン酸に相当)で処理して、鋳造用の混合物とする。
この鋳型混合物を使用して、上記のテスト条件に従い、また上に与えられた詳細に従って、該混合物の曲げ強さおよび硬化挙動を測定した。
Figure 0005913359

Claims (30)

  1. 非焼成法(no-bake process)における結合剤として使用するための混合物であって、以下の成分:
    (a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該モノマー状のフルフリルアルコールの量は、多くても25質量%であり;
    (b) 40質量%またはそれ以上の、ホルムアルデヒドの反応生成物、ここで該反応生成物は、以下の成分:
    (b-1) ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコールおよび場合により更なる成分との反応生成物;および
    (b-2) 場合により、ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコール以外の、1種または複数種の他の化合物との反応生成物を含み、
    (c) 水、ここで該水の量は、多くても20質量%であり;
    (d) 25℃において2.5に等しいかまたはそれ以上のpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩、
    を含み、
    前記混合物が、多くても0.5質量%なる遊離ホルムアルデヒドの含有率を有し、
    前記質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものであ
    前記混合物が、最大300mPasなる、20℃にてDIN 53019-1: 2008-09に従って測定した粘度を持つことを特徴とする、前記混合物。
  2. (a) モノマー状のフルフリルアルコール、ここで該モノマー状のフルフリルアルコールの量は、多くても24.75質量%;および/または
    (c) 水、ここで該水の量は、多くても15質量%である、
    を含み、
    前記質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1記載の混合物。
  3. 前記成分(b)の量が、45質量%またはそれ以上であり、また該質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1または2記載の混合物。
  4. 前記成分(b)が、以下の成分:
    (b-1) 40質量%またはそれ以上の、フルフリルアルコールと、ホルムアルデヒドおよび場合により更なる成分との反応生成物;および
    (b-2) ホルムアルデヒドと、フルフリルアルコール以外の、1種または複数種の他の化合物との反応生成物、ここで該反応生成物(b-2)は、前記反応生成物(b-1)とは異なるものであり、ここにおいて該更なる反応生成物の量は、多くとも15質量%である、
    を含み、またはこれら成分からなり、
    前記質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の混合物。
  5. 前記遊離ホルムアルデヒドの含有率が、多くても0.4質量%であり、ここで該質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1〜4の何れか1項に記載の混合物。
  6. 前記成分(d)が、安息香酸、乳酸、クエン酸、フタル酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、サリチル酸およびこれらの塩からなる群から選択される、酸または塩を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の混合物。
  7. 前記アンモニアの含有率が、多くても1質量%であり、ここで該質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1〜6の何れか1項に記載の混合物。
  8. 前記全窒素含有率が、多くても4質量%であり、ここで該質量%の値は、前記混合物の全質量を基準とするものである、請求項1〜7の何れか1項に記載の混合物。
  9. 前記成分(b-1)が、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フラン(BHMF)を、前記混合物の全質量に対して、少なくとも1質量%含む、請求項1〜8の何れか1項に記載の混合物。
  10. 前記成分(a)と前記成分(b-1)の2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フラン(BHMF)との間の質量比が、3:1〜1:3なる範囲にある、請求項1〜9の何れか1項に記載の混合物。
  11. DIN 55672-1(1995年2月)に従って測定された、5,000ダルトン(g/モル)を越える分子量を持つ化合物の全含有率が、前記混合物の全質量に対して、多くても3質量%である、請求項1〜10の何れか1項に記載の混合物。
  12. 前記成分(b-1)の平均分子量Mw対平均分子量Mnの比が、5:1〜9:8なる範囲にある、請求項1〜11の何れか1項に記載の混合物。
  13. 付随的に、更なる成分として以下の成分:
    (e) 3質量%までの全量で、1種または複数種の定着剤を含み、
    前記質量%の値は、前記混合物の全質量に対するものである、請求項1〜12の何れか1項に記載の混合物。
  14. 付随的に、以下に列挙する成分:
    (f) 前記混合物の全質量に対して、最大10質量%なる量の有機硬化調節剤;
    (g) 不活性な有機可溶化剤;
    (h) フルフリルアルコールと、1種または複数種の、2個またはそれ以上の炭素原子を持つアルデヒドとの反応生成物;
    (j) 1または複数個のNH2基および/または1または複数個のNH基を持つ有機化合物;
    (k) フェノール系化合物;
    (m) ベンジルアルコール;および
    (n) 2またはそれ以上の炭素原子を持つアルデヒド、
    からなる群から選択される1種または複数種の更なる成分をも含む、請求項1〜13の何れか1項に記載の混合物。
  15. 前記混合物の25℃におけるpHが、4〜10なる範囲にある、請求項1〜14の何れか1項に記載の混合物。
  16. 前記混合物が、保存中安定な混合物であり、20℃にて少なくとも3ヶ月間という、保存安定性を持つ、
    請求項1〜15の何れか1項に記載の混合物。
  17. 反応混合物であって、以下の成分:
    (i) 請求項1〜16の何れか1項に記載の混合物;および
    (ii) 酸、ここで該酸は、2未満の、25℃におけるpKa値を持つ、
    を含むことを特徴とする、前記反応混合物。
  18. 前記反応混合物が、硫酸を全く含まず、あるいは最大1質量%なる量で硫酸を含み、ここで該質量%の値は、該反応混合物の全質量から該反応混合物中の耐火性粒状物質の全質量を引いた値を基準とするものである、請求項17記載の反応混合物。
  19. 前記成分(ii)の前記酸が、有機酸類からなる群から選択される、請求項17記載の反応混合物。
  20. 更に、付随的に以下の成分:
    (iii) 前記反応混合物の全質量を基準として、80質量%またはそれ以上なる量にて、1種または複数種の耐火性顆粒状物質
    をも含む、請求項1719の何れか1項に記載の反応混合物。
  21. 二酸化硫黄および/または過酸化物を含まない、請求項1720の何れか1項に記載の反応混合物。
  22. 請求項1〜16の何れか1項に記載の混合物を製造するための方法であって、以下の工程: (S-1) フルフリルアルコールと、ホルムアルデヒドおよび場合により更なる成分との、2.5に等しいかまたはこの値を越える25℃におけるpKa値を持つ、1種または複数種の有機酸および/またはその塩の存在下における反応、
    を含み、前記使用したフルフリルアルコールの全量前記使用したホルムアルデヒドの全量に対するモル比が、1に等しいかまたはこれを越える値であることを特徴とする前記方法。
  23. 前記工程(S-1)が、90〜160℃なる範囲の温度にて行われる、請求項22記載の方法。
  24. 更に、以下の諸工程:
    (S-2) 前記工程(S-1)において得られた前記反応混合物を、40〜90℃なる範囲の温度にて予備加熱する工程;
    (S-3) 場合により、無機塩基により、pH値を所定の値に調節する工程;
    (S-4) 依然として存在するあらゆるホルムアルデヒドと反応し得る、1種または複数種の化合物を添加する工程;
    (S-5) 前記先行する工程において得られた前記反応混合物を、10〜50℃なる範囲の温度にて予備加熱する工程;および
    (S-6) 場合により更なる成分を添加する工程、
    を含む、請求項22または23記載の方法。
  25. 使用した前記フルフリルアルコールの全量が、少なくとも50質量%であり、ここで該質量%の値は、前記反応混合物の全質量を基準とするものである、請求項2224の何れか1項に記載の方法。
  26. 鋳型またはコアを製造するための方法であって、以下の工程:
    ・請求項1〜16の何れか1項に記載の混合物を硬化する工程、または
    ・請求項1721の何れか1項に記載の反応混合物を硬化する工程、
    を含む、前記鋳型またはコアの製造方法。
  27. 前記硬化が、二酸化硫黄の不在下で行われる、請求項26記載の方法。
  28. 請求項1〜16の何れか1項に記載の混合物の、常温硬化性結合剤としての使用。
  29. 請求項1〜16の何れか1項に記載の混合物または請求項1721の何れか1項に記載の反応混合物の、金属製物体を製造するための非焼成法における使用。
  30. ・第一の成分としての、請求項1〜16の何れか1項に記載の混合物;
    ・第二の成分としての、酸の水性溶液、ここで該酸は、2未満の25℃におけるpKa値を持つ、
    を含むことを特徴とする、キット。
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