JP2005095931A - シェルモールド用変性フェノール樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シェル鋳型の造型時に得られた鋳型の冷間強度が高く、更に鋳造時の鋳型の崩壊性に優れたシェルモールド用変性フェノール樹脂及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂が有するフェノール性水酸基の一部に、脂肪族エポキシ樹脂が有するエポキシ基が付加反応した構造を有するシェルモールド用変性フェノール樹脂であって、上記ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)が800〜5000であり、上記反応比率が1〜30モル%であることを特徴とする、シェルモールド用変性フェノール樹脂、及び、重量平均分子量(Mw)が800〜5000であるノボラック型フェノール樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂とを共重合させることを特徴とする、上記シェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シェルモールド用変性フェノール樹脂及びその製造方法に関するものである。
シェルモールド法による鋳型の作製は、レジンコーテッドサンドを加熱した型に充填し、硬化させることにより行われている。レジンコーテッドサンドは、予め加熱した耐火骨材に粘結剤を添加、ミキサーで混練し、耐火骨材の表面を溶融した粘結剤でコートした後、粘結剤がノボラック型フェノール樹脂である場合にはヘキサメチレンテトラミン水溶液などの硬化剤を添加し、さらに混練しつつ冷却してステアリン酸カルシウム等の滑剤を添加することによって得られている。通常、粘結剤としては、レジンコーテッドサンドの保存性、鋳型の高強度、高寸法安定性を得る等の理由により、ノボラック型フェノール樹脂が使用されている。
近年、自動車の鋳造部品には重量を軽減するために、アルミニウムやマグネシウムのような軽金属を使用する機会が増加している。これら低融点の金属の鋳造においては、注湯時シェル鋳型の内部温度が300〜400℃という低温に留まるため、シェル鋳型中のフェノール樹脂の熱分解が不十分となり、鋳造後のシェル鋳型はなお十分な強度を保持しているので、複雑な鋳型形状では、シェル中子を効率よく取り出すことが著しく困難となる場合がある。このような場合、鋳ぐるみされているシェル中子を取り出すために、焼成炉を通して長時間加熱した後、衝撃を与えて崩壊させる方法をとらざるを得ない。このことは生産性の向上と省エネルギー化に対して大きな障害となっている。
このような軽合金の鋳造時には、シェル鋳型のフェノール樹脂の熱分解を促進させる化合物をレジンコーテッドサンドの製造時に添加混合する方法が種々報告されている。
例えば、フェノール樹脂に塩化アンモニウム、塩化亜鉛などを添加する方法がある(例えば、特許文献1参照。)が、この方法によるとシェル鋳型の冷間強度は高く、崩壊性は良いものの、造型時または鋳込時に金型の腐蝕が発生しやすいという欠点を有する。
また、Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、IVa、Va、VIb、VIIa、VIIb、VIIIの金属から選ばれた元素のカルボン酸塩を添加する方法がある(例えば、特許文献2参照。)。この方法によると、シェル鋳型の冷間強度が高く、崩壊性は良好で且つ鋳込時の金型の腐蝕が発生しないという長所があるものの、フェノール樹脂の硬化速度が低下するという欠点がある。
また、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムを添加する方法がある(例えば、特許文献3参照。)が、十分な崩壊性を得る為には多量に用いることが必要であり、鋳型強度の低下を招くという欠点があった。
このように、熱分解促進剤の添加による崩壊性の向上には種々の問題が生じるため、フェノール樹脂自体に良好な熱分解性を持たせることにより、熱分解促進剤の添加なしに、若しくは熱分解促進剤の添加量を少なくしても崩壊性が良好である易崩壊性フェノール樹脂が望まれている。
特開昭58−84636号公報 特開昭58-77738号公報 特公昭31-7256号公報
本発明は上記要望に応えるべく検討の上なされたもので、シェル鋳型の造型時に得られた鋳型の冷間強度が高く、更に鋳造時の鋳型の崩壊性に優れたシェルモールド用変性フェノール樹脂、及び、その製造方法を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(5)により達成される。
(1)ノボラック型フェノール樹脂が有するフェノール性水酸基の一部に、脂肪族エポキシ樹脂が有するエポキシ基が付加反応した構造を有するシェルモールド用変性フェノール樹脂であって、上記ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)が800〜5000であり、上記反応比率が1〜30モル%であることを特徴とする、シェルモールド用変性フェノール樹脂。
(2)上記脂肪族エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100〜500である上記(1)に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂。
(3)上記(1)又は(2)に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法であって、重量平均分子量(Mw)が800〜5000であるノボラック型フェノール樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂とを共重合させることを特徴とする、シェルモールド用エポキシ樹脂変性フェノール樹脂の製造方法。
(4)上記脂肪族エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100〜500である、上記(3)に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法。
(5)上記ノボラック型フェノール樹脂が有する水酸基と、上記脂肪族エポキシ樹脂が有するエポキシ基との比率(エポキシ基/水酸基)を、1/99〜25/75として反応させる、上記(3)又は(4)に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法。
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂が有するフェノール性水酸基の一部に、脂肪族エポキシ樹脂が有するエポキシ基が付加反応した構造を有するシェルモールド用変性フェノール樹脂であって、ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)が800〜5000であり、反応比率が1〜30モル%であることを特徴とするものである。
本発明の樹脂をシェルモールド用として用いることにより、造型時の曲げ強度の低下を起こすことなく、鋳造時の、鋳型の崩壊性の改善を図ることができる。
以下に、本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂及びその製造方法について説明する。
本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂が有するフェノール性水酸基の一部に、脂肪族エポキシ樹脂が有するエポキシ基が付加反応した構造を有するものであって、上記ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)が800〜5000であり、上記結合比率が1〜30モル%であることを特徴とする。
また、本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法は、上記本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法であって、重量平均分子量(Mw)が800〜5000であるノボラック型フェノール樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂とを共重合させることを特徴とする。
まず、本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂(以下、単に「変性フェノール樹脂」ということがある)について説明する。
本発明の変性フェノール樹脂は、重量平均分子量(Mw)が800〜5000であるノボラック型フェノール樹脂が有する全てのフェノール性水酸基に対して、1〜30モル%の水酸基に、脂肪族エポキシ樹脂の有するエポキシ基が付加反応した構造を有しているものである。
本発明の変性フェノール樹脂の骨格が上記重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂であることにより、鋳型の冷間強度の良好な変性フェノール樹脂を得ることができる。
重量平均分子量が上記下限値未満では、鋳型の造型性が低下することがある。また、上記上限値を超えると、鋳型の冷間強度が充分でないことがある。
また、ノボラック型フェノール樹脂が有する全てのフェノール性水酸基に対して、脂肪族エポキシ樹脂の有するエポキシ基が上記の比率で付加していることにより、この変性フェノール樹脂をシェル鋳型に用いた場合に、鋳型の冷間強度と鋳造後の崩壊性を、ともに良好なものとすることができる。上記比率が上記下限値未満では、鋳造後の崩壊性向上効果が小さいことがある。また、上記上限値を越えると、鋳型の冷間強度が低下するようになる。
上記脂肪族エポキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
脂肪族エポキシ樹脂のエポキシ当量としては特に限定されないが、100〜500のものを用いることが好ましく、さらに好ましくはエポキシ当量が100〜300の1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルである。
これにより、鋳型の冷間強度と鋳造後の崩壊性を、ともに良好なものとすることができる。上記エポキシ当量が上記下限値未満では、鋳造後の崩壊性向上効果が小さいことがある。また、上記上限値を越えると、鋳型の冷間強度が低下するようになる。
次に、本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)について説明する。
本発明の製造方法は、重量平均分子量(Mw)が800〜5000であるノボラック型フェノール樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂とを共重合させることを特徴とする。
上記ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、酸性触媒の存在下で反応させて得られるものである。
このノボラック型フェノール樹脂の製造において、原料として使用されるフェノール類としては特に限定されないが、例えば、フェノール、クレゾール、ビスフェノールAなどが挙げられる。
また、アルデヒド類としてとしては特に限定されないが、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
ノボラック型フェノール樹脂の製造時に用いられる酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、パラトルエンスルフォン酸、蓚酸などの酸性物質または酢酸亜鉛などの有機金属塩を使用することができる。
上記ノボラック型フェノール樹脂を製造する際の、フェノール類(P)とアルデヒド類(F)との反応モル比(F/P)は特に限定されないが、0.5〜0.9であることが好ましく、さらに好ましくは0.6〜0.8である。これにより、上記重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂を効率よく製造することができる。反応モル比が上記下限値未満では、分子量が過少になることがある。また、未反応フェノール類の含有量が増加して経済的でない場合がある。また、上記上限値を超えると、分子量が過大になることがある。
なお、上記重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によりポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに計算されたものである。GPC測定はテトラヒドロフランを溶出溶媒とし、流量1.0ml/min、カラム温度40℃の条件で実施した。装置は、
・本体:東ソー社製・「HLC−8020」
・検出器:装置内蔵RI検出器
・分析用カラム:東ソー社製・「TSKgel G1000HXL、G2000HXL、G2000HXL、G3000HXLの4本組み」
をそれぞれ使用した。
上記で得られるノボラック型フェノール樹脂の形態は特に限定せず、上記重量分子量の範囲内のものであれば、常温で固形のもの、溶剤で溶解した液状のものなど、いずれの形態でも使用することができる。
一方、脂肪族エポキシ樹脂は特に限定されないが、上記に挙げたものを好適に用いることができる。
このような脂肪族エポキシ樹脂の入手方法としては特に限定されないが、市販されているものを用いることができ、例えば、ナガセケムテックス社製・「デナコールEX−212」、「デナコールEX−810」等が挙げられる。
上記ノボラック型フェノール樹脂と脂肪族エポキシ樹脂とを反応させる際の反応触媒としては特に限定されないが、例えば、イミダゾール類、有機ホスフィン類、及び、第3級アミン類等が挙げられる。イミダゾール類としては例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどであり、有機ホスフィン類としては例えば、トリフェニルフォスフィン、トリブチルフォスフィンなどである。また第3級アミン類としては例えば、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などである。
本発明の製造方法において、ノボラック型フェノール樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂との反応比率については特に限定されないが、ノボラック型フェノール樹脂が有する水酸基と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が有するエポキシ基との比率(エポキシ基/水酸基)を、1/99〜25/75として反応させることが好ましい。これにより、フェノール樹脂が有する全てのフェノール性水酸基に対して、1〜30モル%の水酸基に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の有するエポキシ基が付加反応した構造の変性フェノール樹脂を効率よく製造することができる。
上記エポキシ基の付加反応の比率は、例えばNMR装置などを使用して測定することが可能である。あるいは、上記比率(エポキシ基/水酸基)によって決定することもできる。
また、変性フェノール樹脂を製造する際の反応条件としては特に限定されないが、例えば、上記ノボラック型フェノール樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂とを、上記反応触媒を用いて、100〜200℃にて0.5〜5時間反応させることにより得られる。
本発明の変性フェノール樹脂は、未変性のノボラック型フェノール樹脂に比べて、分子量に対する溶融粘性が低いため、レジンコーテッドサンド作製時の耐火骨材へのコーティングを良好に行うことができる。これにより、この変性フェノール樹脂を用いて作製されたレジンコーテッドサンドを造型時の鋳型強度に優れたものとすることができる。
また、本発明の変性フェノール樹脂は、未変性のノボラック型フェノール樹脂の主要結合である芳香族C=C結合に比べて、結合エネルギーの小さな脂肪族C−C結合がフェノール樹脂中に多く導入された構造を有する。これにより、鋳造後の崩壊性を向上させることができると考えられる。
本発明の変性フェノール樹脂を硬化させるために使用される硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミンや、レゾール型フェノール樹脂などがあり、特にこれらに限定されるものではない。また、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
レゾール型フェノール樹脂を硬化剤として配合する場合、その配合比率は特に限定されないが、変性フェノール樹脂100重量部に対し10〜50重量部が好ましい。レゾール型フェノール樹脂の添加量が10重量部より少ない場合は、鋳型の強度が十分得られないことがある。また、50重量部より多い場合、硬化反応が進みすぎることで溶融粘度が上がってしまい、レジンコーテッドサンドを調製する際に耐火骨材へのコートが均一とならず、品質の安定したレジンコーテッドサンドを得ることが難しくなることがある。また、レジンコーテッドサンドの保管時にブロッキングが発生するといった問題も生じるようになる。
なお、本発明の変性フェノール樹脂に、必要に応じて改質剤として滑剤、およびシランカップリング剤なども配合することができる。滑剤としては例えば、エチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、メチロールステアリン酸アマイド、などが使用でき、シランカップリング剤としては例えば、アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシランなどが使用可能である。
以下、本発明を具体的に説明する。しかし、本発明は実施例に限定されるものではない。また本文中に記載されている「部」はすべて「重量部」、「%」はすべて「重量%」を示す。
1.ノボラック型フェノール樹脂の製造
製造例1
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、フェノール1000部、蓚酸10部、37%ホルマリン603部を仕込んだ。95〜100℃にて4時間反応を行った後、大気圧にて加熱脱水し、140℃まで内温を上昇させ、6kPaまで減圧し、さらに内温が200℃まで加熱した後、反応容器より取り出し、重量平均分子量=3500、水酸基当量=105であるノボラック型フェノール樹脂970部を得た。
製造例2
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、フェノール1000部、蓚酸10部、37%ホルマリン520部を仕込んだ。95〜100℃にて4時間反応を行った後、大気圧にて加熱脱水し、140℃まで内温を上昇させ、6kPaまで減圧し、さらに内温が200℃まで加熱した後、反応容器より取り出し、重量平均分子量=1200、水酸基当量=105であるノボラック型フェノール樹脂940部を得た。
2.変性フェノール樹脂の製造
実施例1
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、製造例1で得られたノボラック型フェノール樹脂950部、エポキシ当量113のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製・「デナコールEX−810」)50部を仕込み、加熱しながら溶解し、内温180℃にて2−メチルイミダゾール10部を添加し、同一温度にて30分間反応させた後、反応容器から取り出し、変性フェノール樹脂1010部を得た。
実施例2
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、製造例1で得られたノボラック型フェノール樹脂770部、エポキシ当量113のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製・「デナコールEX−810」)230部を仕込み、加熱しながら溶解し、内温180℃にて2−メチルイミダゾール10部を添加し、同一温度にて30分間反応させた後、反応容器から取り出し、変性フェノール樹脂1010部を得た。
実施例3
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、製造例1で得られたノボラック型フェノール樹脂900部、エポキシ当量372のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製・「デナコールEX−841」)100部を仕込み、加熱しながら溶解し、内温180℃にてトリフェニルホスフィン3部を添加し、同一温度にて30分間反応させた後、反応容器から取り出し、変性フェノール樹脂1003部を得た。
実施例4
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、製造例2で得られたノボラック型フェノール樹脂900部、エポキシ当量372の1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製・「デナコールEX−212」)100部を仕込み、加熱しながら溶解し、内温180℃にて1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)2部を添加し、同一温度にて30分間反応させた後、反応容器から取り出し、変性フェノール樹脂1002部を得た。
実施例5
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、製造例2で得られたノボラック型フェノール樹脂900部、エポキシ当量138のネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製・「デナコールEX−211」)100部を仕込み、加熱しながら溶解し、内温180℃にて2−メチルイミダゾール10部を添加し、同一温度にて30分間反応させた後、反応容器から取り出し、変性フェノール樹脂1010部を得た。
比較例1
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、製造例1で得られたノボラック型フェノール樹脂950部、エポキシ当量650のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製・「エピコート1002」)50部を仕込み、加熱しながら溶解し、内温180℃にて2−メチルイミダゾール10部を添加し、同一温度にて30分間反応させた後、反応容器から取り出し、変性フェノール樹脂1010部を得た。
実施例で得られた変性フェノール樹脂、比較例で得られた混合樹脂について、表1に示す。
Figure 2005095931
(表の注):測定方法
(1)ノボラック型フェノール樹脂の水酸基当量:無水酢酸とピリジンによる方法(アセチル化法)により測定した。
(2)水酸基の反応比率:ノボラック型フェノール樹脂の水酸基と、脂肪族エポキシ樹脂のエポキシ当量から算出した。
3.レジンコーテッドサンドの製造
(1)実施例11
130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、実施例1で得られた変性フェノール樹脂144部を添加し、45秒間混練した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン27部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで冷却しながら混練し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し20秒間混練を行った後、ミキサーより排出しレジンコーテッドサンド1を得た。
(2)実施例12
130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、実施例2で得られた変性フェノール樹脂144部を添加し、45秒間混練した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン27部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで冷却しながら混練し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し20秒間混練を行った後、ミキサーより排出しレジンコーテッドサンド2を得た。
(3)実施例13
130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、実施例3で得られた変性フェノール樹脂144部を添加し、45秒間混練した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン27部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで冷却しながら混練し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し20秒間混練を行った後、ミキサーより排出しレジンコーテッドサンド3を得た。
(4)実施例14
130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、実施例4で得られた変性フェノール樹脂144部を添加し、45秒間混練した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン27部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで冷却しながら混練し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し20秒間混練を行った後、ミキサーより排出しレジンコーテッドサンド4を得た。
(5)実施例15
130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、実施例5で得られた変性フェノール樹脂144部を添加し、45秒間混練した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン27部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで冷却しながら混練し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し20秒間混練を行った後、ミキサーより排出しレジンコーテッドサンド5を得た。
(6)比較例11
130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、製造例1で得られたフェノール樹脂160部を添加し、45秒間混練した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン30部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで冷却しながら混練し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し20秒間混練を行った後、ミキサーより排出しレジンコーテッドサンド6を得た。
(7)比較例12
130℃に加熱したフラタリーサンド8000部をミキサーに投入後、比較例1で得られた変性フェノール樹脂160部を添加し、45秒間混練した。次いで、予めヘキサメチレンテトラミン30部を水88部に溶解したヘキサメチレンテトラミン水溶液を添加し、コーテッドサンドが崩壊するまで冷却しながら混練し、さらにステアリン酸カルシウム8部を添加し20秒間混練を行った後、ミキサーより排出しレジンコーテッドサンド7を得た。
レジンコーテッドサンドの配合と特性測定結果を表2に示す。
Figure 2005095931
表の中:測定方法
(1)曲げ強度:JIS−K6910に準拠して行った。焼成は250℃で30秒間行った。
(2)溶着点:温度勾配を有した銅棒上にレジンコーテッドサンドを置き、60秒後に0.5kg/cmのエアーを当てレジンコーテッドサンドを吹き飛ばし、レジンコーテッドサンドが銅棒に融着している部分の最低温度を融着点とした。
(3)ベンド(撓み量):日本鋳造技術協会試験法、SM−3に準拠して行った。厚さ×幅×長さが5mm×40mm×180mmの板状試験片を250℃で30秒間焼成し、その10秒後に荷重をかけて撓み量を読み取った。値の大きいものほど造型後の変形が大きく硬化が遅いことを示す。
(4)崩壊性:レジンコーテッドサンドを内径25mm、長さ150mmの鉄パイプ内に充填し、250℃で30分間予備焼成後、アルミ箔で被覆し、370℃で3時間、還元雰囲気下で熱処理した。放冷後、アルミ箔から鉄パイプを取り出して、図1に示す方法で鉄パイプに衝撃を与え、鉄パイプ内の残砂がなくなるまでの衝撃回数を求めた。
図1において、Aはサンプル、Bはハンマーを示す。ハンマーは支点Cを中心に回転する。この支点Cの高さはサンプルAの位置から30cmである。ハンマーは水平位置まで持ち上げられてから自然落下させ、サンプルに衝撃を与えた。鉄パイプ内の残砂が無くなるまでの衝撃回数が少ないものほど崩壊性が良いことを示す。
表1の結果より、実施例1〜5はいずれも、所定の重量平均分子量を有するノボラック型フェノール樹脂と脂肪族エポキシ樹脂を適正量共重合させた本発明の変性フェノール樹脂である。そして、実施例11〜15においてこれらの変性フェノール樹脂を用いたレジンコーテッドサンドの評価を行ったところ、変性を行っていないストレートフェノール樹脂である製造例1の樹脂を用いた比較例11と比べ、レジン添加量を少なくしても曲げ強度やベンド量を実質的に低下させることなく、崩壊性を向上させることができた。またビスフェノールA型エポキシ樹脂変性フェノール樹脂を用いた比較例12と比べても崩壊性に優れていることが確認できた。
本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂は例えば、鋳型強度と注湯後の崩壊性を要求される軽金属鋳造用レジンコーテッドサンドに好適に用いられる。本発明のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法は、このようなシェルモールド用変性フェノール樹脂を得るのに好適な方法を提供するものである。
崩壊性を測定するための衝撃試験機の概略側面図
符号の説明
A サンプル
B ハンマー
C ハンマーの支点

Claims (5)

  1. ノボラック型フェノール樹脂が有するフェノール性水酸基の一部に、脂肪族エポキシ樹脂が有するエポキシ基が付加反応した構造を有するシェルモールド用変性フェノール樹脂であって、前記ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)が800〜5000であり、前記反応比率が1〜30モル%であることを特徴とする、シェルモールド用変性フェノール樹脂。
  2. 前記脂肪族エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100〜500である請求項1に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂。
  3. 請求項1又は2に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法であって、重量平均分子量(Mw)が800〜5000であるノボラック型フェノール樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂とを共重合させることを特徴とする、シェルモールド用エポキシ樹脂変性フェノール樹脂の製造方法。
  4. 前記脂肪族エポキシ樹脂は、エポキシ当量が100〜500である、請求項3に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法。
  5. 前記ノボラック型フェノール樹脂が有する水酸基と、前記脂肪族エポキシ樹脂が有するエポキシ基との比率(エポキシ基/水酸基)を、1/99〜25/75として反応させる、請求項3又は4に記載のシェルモールド用変性フェノール樹脂の製造方法。
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