JP3170904B2 - 鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化型粘結剤水溶液及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化型粘結剤水溶液及び鋳型の製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二酸化炭素ガス硬化性
の鋳物砂用粘結剤水溶液に関するものであり、またこの
鋳物砂用粘結剤水溶液を使用して鋳型を製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳型を製造する際に使用する
粘結剤として、各種の有機系粘結剤が使用されている。
近年、鋳型製造時における省エネルギー等の観点から、
ガス状物質又はエアロゾル状物質で常温硬化しうる有機
系粘結剤が使用されてきている。特に、この中でも、安
全性に優れた二酸化炭素ガスで硬化しうる有機系粘結剤
が注目されている。
【0003】例えば、特公平1-224263号公報には、二酸
化炭素ガスで硬化しうる有機系粘結剤として、アルカリ
レゾール型フェノール−アルデヒド樹脂と、硼酸塩,ア
ルミン酸塩又はスズ酸塩とよりなるものが開示されてい
る。この有機系粘結剤が二酸化炭素ガスで硬化する理由
は、二酸化炭素ガスが粘結剤水溶液中の水と反応して炭
酸を生成し、この炭酸によって粘結剤水溶液のPHが低
下して、その結果、硼酸塩,アルミン酸塩又はスズ酸塩
がアルカリレゾール型フェノール−アルデヒド樹脂と反
応し、この樹脂を架橋させるからであると考えられてい
る。また、特開平4-147743号公報にも、アルカリ性フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂と硼酸塩とからなる鋳物
砂用粘結剤が記載されている。
【0004】これらの二酸化炭素ガスで硬化しうる有機
系粘結剤は、安全性等の面では好ましいものであるが、
その硬化速度が遅く、またその硬化強度が低いというこ
とがあった。従って、鋳型製造時において、鋳型の製造
速度が遅いという欠点、或いは鋳型の強度が低いという
欠点があった。また、上記した有機系粘結剤は、貯蔵時
において経時的に粘度が高くなり、貯蔵安定性が悪いと
いう欠点があった。特に、夏場においては貯蔵安定性が
悪くなりやすいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、特公平1-224263号公報に記載された粘結剤の上記欠
点を解決すべく、種々研究を行なった。その結果、樹脂
として、フェノールを原料とするアルカリレゾール型フ
ェノール−アルデヒド樹脂を使用せず、ある特定のビス
フェノールを原料として得られるアルカリレゾール型ビ
スフェノール−アルデヒド樹脂を使用したところ、硬化
速度が速く、且つ硬化強度が高くなることが判明し、本
発明に到達したのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一般式
(I)で表わされるビスフェノールとアルデヒド化合物
とを反応させて得られたアルカリレゾール型ビスフェノ
ール−アルデヒド樹脂と、アルミン酸塩又はスズ酸塩と
が含有されてなることを特徴とする鋳物砂用二酸化炭素
ガス硬化型粘結剤水溶液に関するものである。また、本
発明は、この粘結剤水溶液と鋳物砂を使用し、二酸化炭
素ガスによって粘結剤を硬化させて、鋳型を製造する方
法に関するものである。ここで、一般式(I)は、以下
の構造式で表わされるものである。
【化2】 (式中、Xは水素原子又はメチル基等のアルキル基を示
し、Yは水素原子又はメチル基等のアルキル基を示
す。)
【0007】本発明に係る鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化
粘結剤水溶液は、アルカリレゾール型ビスフェノール
−アルデヒド樹脂と、アルミン酸塩又はスズ酸塩と、水
を必須成分として含有するものである。アルカリレゾ
ール型ビスフェノール−アルデヒド樹脂を製造するため
の原料であるビスフェノールは、一般式(I)で表わさ
れるのである。具体的には、一般式(I)のX及びYが
メチル基であるビスフェノールA(2,2−ビス(4’
−オキシフェニル) プロパン)、又は一般式(I)のX
及びYが水素原子であるビスフェノールF(ジフェニロ
ールメタン)が使用される。また、アルカリレゾール型
ビスフェノール−アルデヒド樹脂を製造するための他の
原料であるアルデヒド化合物としては、一般的に、ホル
ムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドが使用される。
【0008】本発明におけるアルカリレゾール型ビスフ
ェノール−アルデヒド樹脂は、上記したビスフェノール
とアルデヒド化合物とを、アルカリ金属水酸化物の存在
下、最適な溶媒中(一般的には水中)で反応させ、アル
デヒド化合物に由来するアルキロール基をビスフェノー
ルに付加させることによって、得ることができる。具体
的には、ビスフェノールを水中でアルカリ金属水酸化物
の存在下、加熱攪拌しながら、アルデヒド化合物を分割
或いは連続的に添加して得ることができる。アルカリ金
属水酸化物としては、水酸化リチウム,水酸化カリウム
又は水酸化ナトリウム等が、単独で又は混合して用いら
れる。アルカリ金属水酸化物とビスフェノールのモル比
は、ビスフェノール1モルに対して、アルカリ金属水酸
化物が0.7〜5.0モルであるのが好ましく、特に
1.0〜4.0モルであるのが最も好ましい。ビスフェ
ノール1モルに対して、アルカリ金属水酸化物の量が
0.7モル未満になると、得られる鋳物砂用粘結剤の硬
化速度が遅くなり、また硬化強度が低下する傾向が生じ
る。逆に、アルカリ金属水酸化物の量が5.0モルを超
えると、鋳物砂用粘結剤水溶液の貯蔵安定性が悪くな
り、可使時間が短くなる傾向が生じる。また、アルデヒ
ド化合物とビスフェノールのモル比は、ビスフェノール
1モルに対して、アルデヒド化合物が1.2〜6.0モ
ルであるのが好ましく、特に2.0〜5.5モルである
のが最も好ましい。アルデヒド化合物の量が1.2モル
未満になると、本発明に係る鋳物砂用粘結剤水溶液の他
成分であるアルミン酸塩又はスズ酸塩との相溶性が悪く
なり、鋳物砂用粘結剤水溶液の均質性が低下して、沈澱
物が発生する傾向が生じる。逆に、アルデヒド化合物の
量が6.0モルを超えると、未反応のアルデヒド化合物
が鋳物砂用粘結剤水溶液中に残存しやすくなり、鋳物砂
用粘結剤の硬化に悪影響を与える恐れがある。
【0009】以上のようにして、ビスフェノールとアル
デヒド化合物とを、アルカリ金属水酸化物の存在下で反
応させて得られるアルカリレゾール型ビスフェノール−
アルデヒド樹脂は、多くの場合、以下の如き一般式(I
I)で表わすことができる。なお、一般式(II)中にお
いて、メチロール基は、主にフェノール性水酸基に対し
てオルト位に付加されている。
【化3】 (式中、Xは水素原子又はメチル基等のアルキル基を示
し、Yは水素原子又はメチル基等のアルキル基を示し、
1は水素原子又はリチウム,カリウム,ナトリウム等
のアルカリ金属原子を示し、M2は水素原子又はリチウ
ム,カリウム,ナトリウム等のアルカリ金属原子を示
し、m+nは1.2〜5.5である。)
【0010】本発明に係る鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化
粘結剤水溶液にはアルミン酸塩又はスズ酸塩が含有さ
れている。アルミン酸塩は、酸化アルミニウムと塩基性
金属酸化物とから生じる塩であって、具体的には、アル
ミン酸ナトリウム,アルミン酸カリウム,アルミン酸リ
チウム等が挙げられる。また、スズ酸塩は、酸化スズと
塩基性金属酸化物とから生じる塩であって、具体的に
は、スズ酸ナトリウム,スズ酸カリウム,スズ酸リチウ
ム等が挙げられる。アルミン酸塩とビスフェノールのモ
ル比は、ビスフェノール1モルに対して、アルミン酸塩
が0.01〜2.0モルであるのが好ましく、特に0.
05〜1.0モルであるのが最も好ましい。アルミン酸
塩の量が0.01モル未満になると、鋳物砂用粘結剤の
硬化速度が遅くなり、また硬化強度が低下する傾向が生
じる。逆に、アルミン酸塩の量が2.0モルを超える
と、本発明に係る鋳物砂用粘結剤水溶液中のアルカリレ
ゾール型ビスフェノール−アルデヒド樹脂性が悪くな
り、鋳物砂用粘結剤水溶液の均質性が低下して、沈澱物
が発生する傾向が生じる。また、スズ酸塩とビスフェノ
ールのモル比も、アルミン酸塩の場合と同様の理由で、
ビスフェノール1モルに対して、スズ酸塩が0.01〜
2.0モルであるのが好ましく、特に0.05〜1.0
モルであるのが最も好ましい。
【0011】本発明に係る鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化
粘結剤水溶液は、任意の方法で調整されるが、例え
ば、アルカリレゾール型ビスフェノール−アルデヒド樹
脂に対して、アルミン酸塩又はスズ酸塩と水とを別々に
添加して調整することができる。また、アルカリレゾー
ル型ビスフェノール−アルデヒド樹脂の水溶液(濃度2
5〜75重量%程度)に、アルミン酸塩又はスズ酸塩を
添加して調整してもよい。この際、水溶液中における濃
度、即ちアルカリレゾール型ビスフェノール−アルデヒ
ド樹脂とアルミン酸塩又はスズ酸塩の合計量は25〜7
5重量%であるのが好ましい。濃度が25重量%未満に
なると、得られる鋳型の強度が低下する傾向が生じる。
逆に、濃度が75重量%を超えると、鋳物砂用粘結剤水
溶液の粘度が高くなり、鋳物砂と混練した場合、均一に
混練するのが困難となって、混練ムラが生じ易い傾向と
なる。
【0012】本発明に係る鋳物砂用粘結剤には、アルカ
リレゾール型フェノール−アルデヒド樹脂,尿素−アル
デヒド樹脂,メラミン−アルデヒド樹脂,シクロヘキサ
ノン−アルデヒド樹脂等が添加されていてもよい。これ
らを含有する鋳物砂用粘結剤を硬化させると、アルカリ
レゾール型ビスフェノール−アルデヒド樹脂と共重合し
て硬化し、若しくはそれらが単独で硬化する。但し、こ
れらを添加する場合には、比較的少量として、これらが
主たる構成単位にならないようにする。
【0013】また、本発明に係る鋳物砂用粘結剤には、
得られる鋳型の強度を向上させるために、シランカップ
リング剤を所望に応じて添加してもよい。シランカップ
リング剤としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン,γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキ
シシラン,γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン等が用いられる。シランカップリング剤は、アルカリ
レゾール型ビスフェノール−アルデヒド樹脂とアルミン
酸塩又はスズ酸塩の合計量100重量部に対して、0.001〜
1重量部添加されるのが好ましく、特に0.002〜0.5重量
部添加されるのが最も好ましい。
【0014】本発明に係る鋳物砂用粘結剤を使用して、
鋳型を製造するには、一般的に以下の如き方法によって
行なう。即ち、鋳物砂100重量部に対して、鋳物砂用粘
結剤(鋳物砂用粘結剤水溶液の固形分)を0.4〜15重量
部、好ましくは0.6〜8重量部添加して、周知の方法で混
練する。そして、鋳型模型に充填した後、適量の二酸化
炭素ガスを通気(ガッシング)させることにより、鋳物
砂用粘結剤を硬化させて、鋳型を得るのである。使用す
る鋳物砂としては、石英質を主成分とする珪砂,クロマ
イト砂,ジルコン砂,オリビン砂,アルミナサンド等が
用いられる。また、二酸化炭素ガスを通気させる際、そ
の量及び気圧等は任意に決定しうる事項である。なお、
本発明において、鋳型という場合、中子も包含する意味
で使用されている。
【0015】
【実施例】
実施例1 ビスフェノールA 456gr、水781.5gr、95%水酸化カリ
ウム118.1grを、攪拌器,冷却管,温度計,ヒーターを
備えた周知の合成装置であるフラスコに仕込み、攪拌し
ながら80℃に保温し、パラホルムアルデヒド(純度92
%)261grを徐々に添加して90分間反応させた。その
後、室温になる迄冷却した。以上のようにして得られた
アルカリレゾール型ビスフェノール−アルデヒド樹脂の
水溶液83重量部に対して、95%水酸化カリウム7.3重量
部、アルミン酸ナトリウム4.0重量部及びγ-アミノプロ
ピルトリエトキシシラン0.6重量部を順次溶解し、鋳物
砂用粘結剤の水溶液を得た。
【0016】この鋳物砂用粘結剤の水溶液を使用し、以
下の方法で鋳型を得た。即ち、フリーマントル珪砂100
重量部に対して、鋳物砂用粘結剤を固形分で3重量部と
なるようにして混練した混練物を、50mmφ×50mmhのガ
ッシング用テストピース模型に充填し、二酸化炭素ガス
を通気(10リットル/分)させて鋳型を得た。得られた
鋳型の強度の経時変化を測定するため、この鋳型の抗圧
力を経時的に測定した。その結果を表1に示した。ま
た、鋳物砂用粘結剤水溶液の貯蔵安定性を調べるため、
それを35℃の恒温器に貯蔵しておき、経時的に粘度を測
定した。粘度測定は、測定温度25℃で、B型粘度計を使
用した。粘度の経時変化は表1に示したとおりであっ
た。
【0017】
【表1】
【0018】実施例2 実施例1で使用したアルミン酸ナトリウム4.0重量部に
代えて、スズ酸ナトリウム6.6重量部を使用する以外
は、実施例1と同様にして鋳物砂用粘結剤の水溶液を得
た。そして、この鋳物砂用粘結剤を使用し、実施例1と
同様にして、経時的に鋳型の抗圧力を測定し、また鋳物
砂用粘結剤の水溶液の粘度を経時的に測定した。その結
果を表1に示した。
【0019】比較例1 フェノール800gr、パラホルムアルデヒド(純度92%)7
01.3gr、50%水酸化ナトリウム40.85grを、攪拌器,冷
却管,温度計,ヒーターを備えた周知の合成装置である
フラスコに仕込み、攪拌しながら65℃まで昇温し、1時
間保持した。その後、再び1分当たり1℃の割合で75℃ま
で昇温し、30分間保持した。次いで、1分当たり1℃の割
合で85℃まで昇温し、170分間反応させた。その後、室
温になる迄冷却した。以上のようにして得られたアルカ
リレゾール型フェノール−アルデヒド樹脂25重量部に対
して、アルミン酸ナトリウム4.0重量部、フルフリルア
ルコール5重量部、50%水酸化カリウム35重量部、及び
γ-アミノプロピルトリエトキシシラン0.4重量部を順次
溶解し、粘結剤の水溶液を得た。
【0020】以上のようにして得られた粘結剤を使用
し、実施例1と同様にして、経時的に鋳型の抗圧力を測
定し、また粘結剤の水溶液の粘度を経時的に測定した。
その結果を表1に示した。
【0021】表1から明らかなように、実施例に係る鋳
物砂用粘結剤を使用した場合には、比較例に係る粘結剤
を使用した場合に比べて、得られる鋳型の強度が高いこ
とが分かる。また、実施例に係る鋳物砂用粘結剤の水溶
液は、比較例に係る粘結剤の水溶液に比べて、経時的な
粘度上昇が少なく、貯蔵安定性に優れていることが分か
る。
【0022】
【作用】本発明の如く、アルカリレゾール型ビスフェノ
ール−アルデヒド樹脂とアルミン酸塩又はスズ酸塩とを
含有する鋳物砂用粘結剤を使用した場合、従来のアルカ
リレゾール型フェノール−アルデヒド樹脂とアルミン酸
塩又はスズ酸塩とを含有する粘結剤を使用した場合に比
べて、得られる鋳型強度が高くなる理由は、定かではな
いが、以下のように推定しうる。即ち、上記一般式(I
I)を参照すれば明らかなように、アルカリレゾール型
ビスフェノール−アルデヒド樹脂は、フェノール性水酸
基に対するオルト位が、一分子当たり四個存在する。こ
れに対し、アルカリレゾール型フェノール−アルデヒド
樹脂は、フェノール性水酸基に対するオルト位が、一分
子当たり二個しか存在しない。このオルト位に付加され
たアルキロール基は、脱水縮合をする際の官能基である
が、同時にアルミン酸塩又はスズ酸塩と反応し、脱水縮
合によって生成した重合体を架橋させるという作用を発
揮する。従って、フェノール性水酸基に対するオルト位
を、一分子当たり多数持つ樹脂の方が、脱水縮合の際、
消費されなかったオルト位のアルキロール基が多く残存
し、そしてこのアルキロール基によって架橋反応が多く
起こり、即ち架橋密度が高くなり、得られる硬化樹脂の
強度が向上すると推定しうるのである。
【0023】また、アルカリレゾール型ビスフェノール
−アルデヒド樹脂とアルミン酸塩又はスズ酸塩とを含有
する鋳物砂用粘結剤の水溶液の場合、従来のアルカリレ
ゾール型フェノール−アルデヒド樹脂とアルミン酸塩又
はスズ酸塩とを含有する粘結剤水溶液に比べて、貯蔵安
定性が向上する理由も、定かではないが、以下のように
推定しうる。即ち、アルカリレゾール型ビスフェノール
−アルデヒド樹脂は、芳香環を二個有しており、且つフ
ェノール性水酸基に対するパラ位が封鎖されている。従
って、芳香環に付加されているアルキロール基は、芳香
環の立体障害によって、他の芳香環に結合しているオル
ト位の水素原子との間で脱水縮合反応が生じにくいので
ある。これに対し、従来のアルカリレゾール型フェノー
ル−アルデヒド樹脂は、芳香環が一個で、且つフェノー
ル性水酸基に対するパラ位が開放されている。従って、
芳香環に付加されているアルキロール基は、芳香環の立
体障害を受けにくく、他の芳香環に結合しているパラ位
の水素原子との間で脱水縮合反応が生じやすいのであ
る。以上の結果、本発明で使用するアルカリレゾール型
ビスフェノール−アルデヒド樹脂は、従来のアルカリレ
ゾール型フェノール−アルデヒド樹脂に比べて、常温で
縮合反応を生じにくく、貯蔵安定性が向上すると推定し
うるのである。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る鋳物
砂用粘結剤を使用して鋳型を製造すれば、従来の粘結剤
を使用して鋳型を製造した場合に比べて、鋳型の強度が
向上するという効果を奏する。また、本発明に係る鋳物
砂用粘結剤の水溶液は、従来の粘結剤の水溶液に比べ
て、貯蔵安定性に優れているという効果をも奏するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−224263(JP,A) 特開 昭53−110922(JP,A) 特開 昭54−137046(JP,A) 特開 昭49−122424(JP,A) 特開 平4−123837(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 1/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるビスフェ
    ノールとアルデヒド化合物とを反応させて得られたアル
    カリレゾール型ビスフェノール−アルデヒド樹脂と、ア
    ルミン酸塩又はスズ酸塩とが含有されてなることを特徴
    とする鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化型粘結剤水溶液。 【化1】 (式中、Xは水素原子又はメチル基等のアルキル基を示
    し、Yは水素原子又はメチル基等のアルキル基を示
    す。)
  2. 【請求項2】 シランカップリング剤が含有されている
    請求項1記載の鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化型粘結剤
    溶液
  3. 【請求項3】 鋳物砂と粘結剤水溶液を使用して鋳型を
    製造する方法において、粘結剤水溶液として請求項1又
    は2記載の鋳物砂用二酸化炭素ガス硬化型粘結剤水溶液
    を使用し、且つ二酸化炭素ガスによって該粘結剤を硬化
    させることを特徴とする鋳型の製造方法。
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