JPH06210391A - 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法

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JPH06210391A
JPH06210391A JP2064693A JP2064693A JPH06210391A JP H06210391 A JPH06210391 A JP H06210391A JP 2064693 A JP2064693 A JP 2064693A JP 2064693 A JP2064693 A JP 2064693A JP H06210391 A JPH06210391 A JP H06210391A
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JP
Japan
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bisphenol
bisphenols
mold
binder composition
moles
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JP2064693A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Funada
等 船田
Akira Yoshida
昭 吉田
Wataru Mizuno
渉 水野
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可使時間が長く、且つ高圧縮強度の鋳型を得
ることができる鋳型用粘結剤組成物を提供する。 【構成】 この鋳型用粘結剤組成物は、ビスフェノール
−アルデヒド変性樹脂を主体して含有する。ビスフェノ
ール−アルデヒド変性樹脂は、ビスフェノール類
(B1)と、ビスフェノール類(B1)とは異種のビスフ
ェノール類(B2)と、アルデヒド類とを三元共縮重合
して得られるものである。ビスフェノール類(B1)又
はビスフェノール類(B2)としては、ビスフェノール
A,ビスフェノールF,ビスフェノールC,ビスフェノ
ールE,ビスフェノールZ等が使用される。アルデヒド
化合物としては、ホルムアルデヒド,パラホルムアルデ
ヒド,フルフラール,グリオキザールが、単独で又は混
合して使用される。この鋳型用粘結剤組成物と耐火性粒
状材料とを混練し、所望の方法で鋳型を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型を製造する際に使
用する粘結剤組成物に関し、水溶液の形態で使用した場
合の可使時間が長く且つ得られる鋳型の強度を向上させ
ることのできる粘結剤組成物に関するものである。ま
た、この粘結剤組成物を使用して、鋳型を製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳型は、耐火性粒状材料と粘
結剤組成物とを混練した混練砂を、模型に充填し、その
後粘結剤組成物中の粘結剤を硬化させることにより製造
されている。粘結剤としては、フラン系樹脂,水溶性フ
ェノール樹脂,ウレタン系樹脂等の各種の硬化性樹脂が
使用されている。この中でも、水溶性フェノール樹脂
は、有機エステル又は炭酸ガスで硬化するため、自硬性
若しくはガス硬化性鋳型製造時の作業環境の悪化を防止
しうるものとして知られている(特開昭50-130627号公
報,特公昭61-43132号公報,特公昭61-37022号公報)。
ここで言う水溶性フェノール樹脂は、アルカリ性フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂であって、フェノールとホ
ルムアルデヒドとを、アルカリの存在下で縮重合させた
もの、又は縮重合させた後アルカリを添加したものであ
る。しかしながら、このアルカリ性フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂を含有する粘結剤組成物と耐火性粒状材
料とを混練して、鋳型を製造する場合、フラン系樹脂を
含有する粘結剤組成物を使用した場合に比べて、得られ
る鋳型の強度が低いという憾みがあった。
【0003】このため、フェノールに代えてビスフェノ
ールを使用し、ビスフェノールとホルムアルデヒドとを
縮重合させたフェノール系樹脂を粘結剤として使用する
ことが提案されている(特開昭62-40948号公報,特開昭
63-40636号公報)。ここで言うビスフェノールとして
は、ビスフェノールA,ビスフェノールF或いはビスフ
ェノールC等が単独で使用されてなるものであり、従っ
て、得られるフェノール系樹脂はビスフェノールとホル
ムアルデヒドが二元縮重合されてなるものである。ま
た、このフェノール系樹脂を耐火性粒状材料と混練する
場合には、一般的に、アルカリ水溶液の形態に調整され
て使用されるものである。
【0004】このビスフェノール−ホルムアルデヒド二
元縮重合樹脂を使用して得られた鋳型は、ある程度その
強度を向上させることができるが、未だ十分に満足のゆ
くものではなかった。また、ビスフェノール−ホルムア
ルデヒド二元縮重合樹脂を使用して得られた混練砂は、
可使時間が短く、速やかに造型を終了しなければ高強度
の鋳型が得られにくいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、アルカリ水溶液に調整した場合、可使時間を長くす
ることができ、且つ得られる鋳型の強度を十分に向上さ
せることのできる粘結剤組成物を得るべく、種々研究を
行なった。その結果、単にビスフェノール類とホルムア
ルデヒドとの二元縮重合によって得られる粘結剤ではな
く、ある特定の二種のビスフェノール類とアルデヒド化
合物との三元共縮重合によって得られるフェノール系樹
脂を粘結剤として用いれば、アルカリ水溶液の形態に調
整した場合、可使時間が長くなり、且つ得られる鋳型の
強度を十分に向上させ得ることを見出し、本発明に到達
したのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ビスフ
ェノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有する鋳
型用粘結剤組成物において、該ビスフェノール−アルデ
ヒド変性樹脂が、下記一般式(1)で表わされるビスフェ
ノール類(B1)と、下記一般式(1)で表わされ且つ該ビ
スフェノール類(B1)とは異種のビスフェノール類
(B2)と、アルデヒド化合物とを共縮重合して得られ
たものであることを特徴とする鋳型用粘結剤組成物に関
するものである。また、この鋳型用粘結剤組成物を使用
した鋳型の製造方法に関するものである。
【化2】
【0007】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中には、
ビスフェノール−アルデヒド変性樹脂が主体として含有
されている。ビスフェノール−アルデヒド変性樹脂は、
上記した一般式(1)で表わされるビスフェノール類
(B1)と、このビスフェノール類(B1)とは異種であ
り、且つ上記した一般式(1)で表わされるビスフェノー
ル類(B2)と、アルデヒド化合物とを共縮重合して得
られるものである。ビスフェノール類(B1)として
は、ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノ
ールC,ビスフェノールE,ビスフェノールZ,ビスフ
ェノールS,ビスフェノールAF,ビスフェノールA
P,ジ-sec-ブチル-ビスフェノールA,ジ-イソプロピ
ル-ビスフェノールA,1,1-エチリデン-ビスフェノー
ル,メチル-エチル-メチレン-ビスフェノール,メチル-
イソブチル-メチレン-ビスフェノール,メチル-ヘキシ
ル-メチレン-ビスフェノール,メチル-フェニル-メチレ
ン-ビスフェノール,4,4'-チオジフェノール等が使用さ
れる。また、ビスフェノール類(B2)としては、使用
したビスフェノール類(B1)とは異種であって、上記
した各種のものを使用することができる。また、アルデ
ヒド化合物としては、ホルムアルデヒド,パラホルムア
ルデヒド,フルフラール,グリオキザール等が、単独で
又は混合して使用される。
【0008】ビスフェノール類(B1)と、ビスフェノ
ール類(B2)と、アルデヒド化合物とを共縮重合する
際、各化合物のモル比は、以下のとおりであるのが好ま
しい。即ち、ビスフェノール類(B1)のモル数とビス
フェノール類(B2)のモル数との合計モル数に対す
る、アルデヒド化合物のモル数の比が1.3〜5.0[(ビス
フェノール類(B1)のモル数+ビスフェノール類
(B2)のモル数):アルデヒド化合物のモル数=1:1.
3〜5.0]であるのが好ましい。特に、アルデヒド化合物
のモル数の比が1.6〜3.6であるのが、より好ましい。ア
ルデヒド化合物のモル数の比が1.3未満になると、得ら
れたビスフェノール−アルデヒド変性樹脂を使用して造
型しても、鋳型の強度が十分に向上しない傾向が生じ
る。逆に、アルデヒド化合物のモル数の比が5.0を超え
ると、得られたビスフェノール−アルデヒド変性樹脂の
アルデヒド臭が強く、作業環境が悪くなる恐れがある。
また、ビスフェノール類(B1)のモル数に対する、ビ
スフェノール類(B2)のモル数の比は、0.001〜1000程
度が好ましい。この範囲外になると、一方のビスフェノ
ール類が多くなりすぎたり、或いは少なくなりすぎたり
して、二種のビスフェノール類をバランス良く縮合させ
ることができず、従来使用されている二元縮重合によっ
て得られたビスフェノール−ホルムアルデヒド樹脂と同
様に、アルカリ水溶液に調整した場合、可使時間が短く
なったり、或いは得られる鋳型の強度を十分に向上しえ
ない傾向が生じる。
【0009】ビスフェノール類(B1)と、ビスフェノ
ール類(B2)と、アルデヒド化合物との共縮重合は、
一般的に水溶液中で行なわれ、ビスフェノール−アルデ
ヒド変性樹脂が得られるのである。即ち、所定量のビス
フェノール類(B1及びB2)を溶解させた水溶液中に、
所定量のアルデヒド化合物を徐々に添加しながら、共縮
重合させて得られるのである。この際、反応触媒として
は、水酸化カリウム(KOH)を使用するのが好まし
い。本発明におけるビスフェノール−アルデヒド変性樹
脂は、アルカリ性水溶液に調整されるため、共縮重合の
際に所定量の水酸化カリウムを使用しても良いし、また
反応触媒として最小限の水酸化カリウムを使用し、共縮
重合を終えたあと、所定量の水酸化カリウムを添加して
もよい。また、共縮重合を終えたあとにおいては、水酸
化カリウムと共に水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸
化リチウム(LiOH)を併用して、所定のアルカリ性
になるようにしてもよい。更に、酸触媒を使用して共縮
重合させた後、次いで水酸化カリウム等のアルカリ触媒
を使用して共縮重合を進行させてもよい。ビスフェノー
ル−アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液において、ビ
スフェノール類(B1)のモル数とビスフェノール類
(B2)のモル数との合計モル数に対する、全アルカリ
のモル数の比は、0.4〜2.4であるのが好ましい。特に、
好ましくは、全アルカリのモル数の比が0.4〜1.0である
のが良い。全アルカリのモル数の比が0.4未満である
と、ビスフェノール−アルデヒド変性樹脂のアルカリ水
溶液の保存安定性が悪くなる傾向が生じる。逆に、全ア
ルカリのモル数の比が2.4を超えると、ビスフェノール
−アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液の可使時間が短
くなる傾向が生じる。また、アルカリ水溶液中におけ
る、ビスフェノール−アルデヒド変性樹脂の濃度は、30
〜75重量%であるのが好ましい。
【0010】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物は、ビス
フェノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有する
ものであるが、その他の物質として、以下の如きものが
含有されていてもよい。例えば、得られる鋳型強度の更
なる向上を図るために、シランカップリング剤が含有さ
れているのが好ましい。シランカップリング剤として
は、従来公知の各種のものを使用することができる。特
に、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ-
アミノプロピルトリエトキシシラン,γ-(2-アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン,N-グリシジル-
N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミン等を
使用することができる。
【0011】また、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中
に、ノニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤,アニオ
ン界面活性剤,両性界面活性剤等の各種界面活性剤、或
いは尿素,尿素化合物,アミド化合物等の有機窒素化合
物を含有させておくことにより、耐火性粒状材料と混練
した混練砂の流動性や模型への充填性を向上させること
ができる。更に、耐火性粒状材料として再生砂を使用す
る場合には、鋳型用粘結剤組成物中に塩化カルシウムや
酸化アルミニウム等の各種多価金属塩を含有させておく
ことにより、得られる鋳型の強度を更に向上させること
ができる。
【0012】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し
て、鋳型を製造するには、一般的に自硬性鋳型造型法又
はガス硬化性鋳型造型法が採用される。自硬性鋳型造型
法の具体例としては、耐火性粒状材料100重量部に対し
て、有機エステル0.1〜5重量部を添加混練する。続け
て、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水溶液
の形態で0.4〜15重量部となるように加え、再び混練す
る。このようにして得られた混練砂を模型に充填し、放
置して硬化させれば、自硬性鋳型を得ることができる。
また、ガス硬化性鋳型造型法の具体例としては、耐火性
粒状材料100重量部に対して、本発明に係る鋳型用粘結
剤組成物をアルカリ水溶液の形態で0.4〜15重量部とな
るように添加して混練する。得られた混練砂を、ガス硬
化用模型に加圧空気でブローイングにより充填する。次
いで、ガス状又はエアロゾル状の有機エステル0.05〜10
重量部を吹き込んで、硬化させれば、ガス硬化性鋳型を
得ることができる。使用する有機エステルとしては、ア
ルキル基の炭素数が1〜3である蟻酸アルキル、好ましく
は蟻酸メチルを用いることができる。また、ガス状等の
有機エステルに代えて、炭酸ガスを使用して鋳型用粘結
剤組成物を硬化させる場合には、粘結剤組成物中に適正
量の硼酸,硼酸塩,アルミン酸塩等のオキシアニオンを
有する化合物を添加し、このオキシアニオンを有する化
合物と炭酸ガスの共働作用によって、ビスフェノール−
アルデヒド変性樹脂を硬化させることができる(特開平
1-224263号公報)。
【0013】鋳型を製造する際に使用する耐火性粒状材
料としては、従来公知の各種のものを使用することがで
き、例えば、石英質を主成分とする珪砂,クロマイト
砂,ジルコン砂,オリビン砂,アルミナ砂,ムライト
砂,合成ムライト砂等を使用することができる。また、
耐火性粒状材料として、これらの再生砂や回収砂を主体
とするものも使用することができるのは、言うまでもな
い。
【0014】
【実施例】
[鋳型用粘結剤組成物水溶液1の調整]50%水酸化カリ
ウム水溶液に、表1に示したモル比で定められる量のビ
スフェノール類(B1)とビスフェノール類(B2)を加
え、攪拌し溶解させた。この際、ビスフェノール類(B
1)のモル数とビスフェノール類(B2)のモル数との合
計モル数に対する、水酸化カリウムのモル数の比は0.5
であった。この溶液を80℃に保持しながら、表1に示し
たモル比で定められる量のアルデヒド化合物を徐々に加
えた。そして、反応溶液中におけるビスフェノール−ア
ルデヒド変性樹脂の粘度が100cpsに達する時点まで80℃
で反応を続けた。なお、この粘度は、B型粘度計を用い
25℃において測定したものである。反応終了後、室温ま
で冷却したあと、ビスフェノール類(B1)のモル数と
ビスフェノール類(B2)のモル数の合計モル数に対す
る、水酸化カリウムのモル数の比が、表1に示したモル
比となるように、50%水酸化カリウム水溶液を加えた。
以上のようにして、ビスフェノール−アルデヒド変性樹
脂のアルカリ水溶液を得た。そして、γ-グリシドキシ
プロピルトリメトキシシランを、水溶液100重量部に対
して、0.5重量部水溶液中に添加した。以上のようにし
て、8種の鋳型用粘結剤組成物水溶液を調整した。な
お、粘結剤組成物水溶液中の粘結剤組成物(ビスフェノ
ール−アルデヒド変性樹脂及びシランカップリング剤)
の含有量は、50重量%であった。
【0015】
【表1】 なお、表1中のイなる項目は、ビスフェノール類
(B1)のモル数とビスフェノール類(B2)のモル数と
の合計モル数に対する、水酸化カリウムのモル数の比で
ある。即ち、[水酸化カリウム/(ビスフェノール類
(B1)のモル数+ビスフェノール類(B2)のモル
数)]である。また、ロなる項目は、ビスフェノール類
(B1)のモル数とビスフェノール類(B2)のモル数と
の合計モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数の比
である。即ち、[アルデヒド化合物/(ビスフェノール
類(B1)のモル数+ビスフェノール類(B2)のモル
数)]である。また、ハなる項目は、ビスフェノール類
(B2)のモル数に対する、ビスフェノール類(B1)の
モル数の比である。即ち、[(ビスフェノール類
(B1)のモル数/ビスフェノール類(B2)のモル数]
である。以下、表中のイ,ロ及びハは、これと同様であ
る。
【0016】[鋳型用粘結剤組成物水溶液2の調整]反
応溶液中におけるビスフェノール−アルデヒド変性樹脂
の粘度が80cpsに達する時点まで反応を続けた以外は、
鋳型用粘結剤組成物水溶液1と同一の方法で、8種の鋳
型用粘結剤組成物水溶液2を調整した。
【0017】[鋳型用粘結剤組成物水溶液3の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたビスフェノール−アルデヒド変性樹脂の水溶液
25重量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、5
0%水酸化カリウム5重量部とを混合して、8種の鋳型用
粘結剤組成物水溶液3を得た。
【0018】[鋳型用粘結剤組成物水溶液4の調整]50
%水酸化カリウム水溶液に、ビスフェノールA又はビス
フェノールFを加え、攪拌し溶解させた。この際、ビス
フェノールAのモル数に対する水酸化カリウムのモル数
の比、及びビスフェノールFのモル数に対する水酸化カ
リウムのモル数の比は、いずれも0.5であった。この溶
液を80℃に保持しながら、ビスフェノールA又はビスフ
ェノールFのモル数に対して、3.0のモル数の比となる
ようにホルムアルデヒドを徐々に加えた。そして、反応
溶液中におけるビスフェノールA−ホルムアルデヒド樹
脂又はビスフェノールF−アルデヒド樹脂の粘度が100c
psに達する時点まで80℃で反応を続けた。反応終了後、
室温まで冷却したあと、ビスフェノールA又はビスフェ
ノールFのモル数に対する、水酸化カリウムのモル数の
比が0.7になるように、50%水酸化カリウム水溶液を加
えた。以上のようにして、ビスフェノールA−ホルムア
ルデヒド樹脂のアルカリ水溶液、及びビスフェノールF
−ホルムアルデヒド樹脂のアルカリ水溶液を得た。そし
て、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、
水溶液100重量部に対して、0.5重量部水溶液中に添加し
た。以上のようにして、2種の鋳型用粘結剤組成物水溶
液を調整した。なお、粘結剤組成物水溶液中の粘結剤組
成物(ビスフェノールA−アルデヒド樹脂又はビスフェ
ノールF−アルデヒド樹脂及びシランカップリング剤)
の含有量は、50重量%であった。
【0019】[鋳型用粘結剤組成物水溶液5の調整]反
応溶液中におけるビスフェノールA−アルデヒド樹脂又
はビスフェノールF−アルデヒド樹脂の粘度が80cpsに
達する時点まで反応を続けた以外は、鋳型用粘結剤組成
物水溶液4と同一の方法で、2種の鋳型用粘結剤組成物
水溶液5を調整した。
【0020】[鋳型用粘結剤組成物水溶液6の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液5の調整の際に、反応終了後に
得られたビスフェノールA−アルデヒド樹脂又はビスフ
ェノールF−アルデヒド樹脂の水溶液25重量部と、四硼
酸ナトリウム・10水和物5重量部と、50%水酸化カリウ
ム5重量部とを混合して、2種の鋳型用粘結剤組成物水
溶液6を得た。
【0021】実施例1〜8 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、硬化剤で
あるトリアセチン0.3重量部を添加し混練した。続け
て、予め準備した8種の鋳型用粘結剤組成物水溶液1が
各々1.5重量部となるように添加し混練して、8種の混
練砂を得た。各混練砂を、混練直後及び30分後に50mmφ
×50mmhのテストピース枠に充填し、自硬性鋳型製造法
で二種の鋳型を造型した。そして、この鋳型の24時間放
置後の圧縮強度(kg/cm2)を測定した。その結果を表
1に示した。なお、表中の性能評価は、混練直後の混練
砂を用いて造型した場合の鋳型強度と、混練後一定時間
経過後の混練砂を用いて造型した場合の鋳型強度を比較
して、両者の鋳型強度の差(即ち、混練砂の可使時間)
を、以下の4段階で評価したものである。即ち、◎…両
者の鋳型強度の個が極めて少なく、混練砂の可使時間が
極めて長い、○…両者の鋳型強度の差が少なく、混練砂
の可使時間が長い、△…両者の鋳型強度の差が大きく、
混練砂の可使時間が短い、×…両者の鋳型強度の差が極
めて大きく、混練砂の可使時間がたいへん短い。但し、
この硬化試験は、温度30℃,湿度60%RHの条件下で行な
った。これは、以下の硬化試験においても同様である。
【0022】比較例1〜4 鋳型用粘結剤組成物水溶液1に代えて、鋳型用粘結剤組
成物水溶液4(比較例1及び2)、及び二種の鋳型用粘
結剤組成物水溶液4の混合水溶液(比較例3及び4)を
用いる以外は、実施例1と同様にして鋳型を得た。そし
て、この鋳型を使用し、得られた鋳型の24時間放置後の
圧縮強度(kg/cm2)等を、実施例1と同様にして測定
した。その結果も表1に示した。
【0023】実施例9〜16 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した8種の鋳型用粘結剤組成物水溶液2が各々2.0重量
部となるように添加し混練して、8種の混練砂を得た。
各混練砂を、混練直後及び3時間後に50mmφ×50mmhの
ガス用テストピース枠に充填し、珪砂100重量部に対し
て0.8重量部の蟻酸メチルを注入し、ガス硬化性鋳型製
造法で二種の鋳型を造型した。そして、この鋳型の24時
間放置後の圧縮強度(kg/cm2)等を測定した。その結
果を表2に示した。なお、表2中には、ビスフェノール
類の種類等を表1と同様に記載しておいた。
【0024】比較例5〜8 鋳型用粘結剤組成物水溶液2に代えて、鋳型用粘結剤組
成物水溶液5(比較例5及び6)、及び二種の鋳型用粘
結剤組成物水溶液5の混合水溶液(比較例7及び8)を
用いる以外は、実施例9と同様にして鋳型を得た。そし
て、この鋳型を使用し、得られた鋳型の24時間放置後の
圧縮強度(kg/cm2)等を、実施例1と同様にして測定
した。その結果も表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】実施例17〜24 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した8種の鋳型用粘結剤組成物水溶液3が各々3.0重量
部となるように添加し混練して、8種の混練砂を得た。
各混練砂を、混練直後及び3時間後に50mmφ×50mmhの
ガス用テストピース枠に充填し、炭酸ガスを10リットル
/分の流速で2分間通気させ、ガス硬化性鋳型製造法で
二種の鋳型を造型した。そして、実施例1と同様にして
鋳型の24時間放置後の圧縮強度(kg/cm2)等を測定し
た。その結果を表3に示した。なお、表3中には、ビス
フェノール類の種類等を表1と同様に記載しておいた。
【0027】比較例9〜12 鋳型用粘結剤組成物水溶液3に代えて、鋳型用粘結剤組
成物水溶液6(比較例9及び10)、二種の鋳型用粘結剤
組成物水溶液6の混合水溶液(比較例11及び12)を用い
る以外は、実施例17と同様にして鋳型を得た。そして、
この鋳型を使用し、得られた鋳型の24時間放置後の圧縮
強度(kg/cm2)等を、実施例1と同様にして測定し
た。その結果も表3に示した。
【0028】
【表3】
【0029】表1〜3の結果から明らかなように、ビス
フェノール類(B1)とビスフェノール類(B2)とアル
デヒド化合物との三種の化合物を三元共縮重合させたビ
スフェノール−アルデヒド変性樹脂を粘結剤組成物の主
体として使用して鋳型を製造すれば、一種のビスフェノ
ールとホルムアルデヒドとを二元縮重合させたビスフェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂,或いはこの二元縮重合
させたビスフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の混合物
を粘結剤組成物の主体として使用した場合に比較して、
得られた鋳型の圧縮強度が向上していることが分かる。
従って、実施例1〜24に係る方法で得られた鋳型は、比
較例1〜12に係る方法で得られた鋳型に比べて、その初
期圧縮強度の値が高く、且つ一定時間経過後における圧
縮強度の値も高いことが分かる。依って、ビスフェノー
ル−アルデヒド変性樹脂を含有する水溶液は、一種のビ
スフェノールとホルムアルデヒドとを二元縮重合させた
ビスフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を含有する水溶
液と比較して、珪砂等と混練した後における可使時間が
長くなることが分かる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、ある特定のビスフ
ェノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有する、
本発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し、耐火性粒状
材料と混練して鋳型を得れば、従来のビスフェノール−
ホルムアルデヒド樹脂等のフェノール系樹脂を使用した
場合に比べて、その鋳型の初期圧縮強度はもとより一定
時間経過後における圧縮強度も向上する。従って、本発
明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用して得られた鋳型を
用いて鋳造すれば、夏場や砂温が高い時、又は大きな鋳
型や複雑な形状の鋳型を造型する時など、これまで以上
の可使時間が必要な場合、鋳型強度を低下させることな
く鋳型を造型することが可能となり、実用上有益なもの
となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノール−アルデヒド変性樹脂を
    主体として含有する鋳型用粘結剤組成物において、該ビ
    スフェノール−アルデヒド変性樹脂が、下記一般式(1)
    で表わされるビスフェノール類(B1)と、下記一般式
    (1)で表わされ且つ該ビスフェノール類(B1)とは異種
    のビスフェノール類(B2)と、アルデヒド化合物とを
    共縮重合して得られたものであることを特徴とする鋳型
    用粘結剤組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 ビスフェノール類(B1)のモル数とビ
    スフェノール類(B2)のモル数との合計モル数に対す
    る、アルデヒド化合物のモル数の比が1.3〜5.0である請
    求項1記載の鋳型用粘結剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された鋳型用粘結
    剤組成物がアルカリ水溶液の形態に調整され、且つビス
    フェノール類(B1)のモル数とビスフェノール類
    (B2)のモル数との合計モル数に対する、全アルカリ
    のモル数の比が0.4〜2.4であることを特徴とする鋳型用
    粘結剤組成物水溶液。
  4. 【請求項4】 請求項1若しくは2記載の鋳型用粘結剤
    組成物又は請求項3記載の鋳型用粘結剤組成物水溶液を
    用い、且つ硬化剤として有機エステル及び/又は炭酸ガ
    スを用いることを特徴とする鋳型の製造方法。
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