JPH06297075A - 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法

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JPH06297075A
JPH06297075A JP10989493A JP10989493A JPH06297075A JP H06297075 A JPH06297075 A JP H06297075A JP 10989493 A JP10989493 A JP 10989493A JP 10989493 A JP10989493 A JP 10989493A JP H06297075 A JPH06297075 A JP H06297075A
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binder composition
mold
phenol
aldehyde
bisphenols
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JP10989493A
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Inventor
Hitoshi Funada
等 船田
Akira Yoshida
昭 吉田
Katsumi Matsuyama
克巳 松山
Wataru Mizuno
渉 水野
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高湿度下における、鋳型の圧縮強度の低下率
を小さくすることができる鋳型用粘結剤組成物を提供す
る。 【構成】 この鋳型用粘結剤組成物は、フェノール−ア
ルデヒド変性樹脂を主体して含有する。フェノール−ア
ルデヒド変性樹脂は、フェノール類とビスフェノール類
とアルデヒド化合物と第四成分とを共縮重合して得られ
たものである。フェノール類としては、フェノール,ク
レゾール等が単独で又は混合して使用される。ビスフェ
ノール類としては、ビスフェノールA,F等が単独で又
は混合して使用される。アルデヒド化合物としては、ホ
ルムアルデヒド,フルフラール等が単独で又は混合して
使用される。第四成分としては、アミノ基を有する化合
物,ケトン類,オキシ安息香酸,アルキルベンゼン,フ
ラン系化合物が、単独で又は混合して使用される。この
鋳型用粘結剤組成物と耐火性粒状材料とを混練し、所望
の方法で鋳型を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型を製造する際に使
用する粘結剤組成物に関し、高湿度下において、得られ
る鋳型の強度低下を防止することのできる粘結剤組成物
に関するものである。また、この粘結剤組成物を使用し
て、鋳型を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳型は、耐火性粒状材料と粘
結剤組成物とを混練した混練砂を、模型に充填し、その
後粘結剤組成物中の粘結剤を硬化させることにより製造
されている。粘結剤としては、フラン系樹脂,水溶性フ
ェノール樹脂,ウレタン系樹脂等の各種の硬化性樹脂が
使用されている。この中でも、水溶性フェノール樹脂
は、有機エステル又は炭酸ガスで硬化するため、自硬性
若しくはガス硬化性鋳型製造時の作業環境の悪化を防止
しうるものとして知られている(特開昭50-130627号公
報,特公昭61-43132号公報,特公昭61-37022号公報)。
ここで言う水溶性フェノール樹脂は、アルカリ性フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂であって、フェノールとホ
ルムアルデヒドとを、アルカリの存在下で縮重合させた
もの、又は縮重合させた後アルカリを添加したものであ
る。しかしながら、このアルカリ性フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂を含有する粘結剤組成物と耐火性粒状材
料とを混練して、鋳型を製造する場合、フラン系樹脂を
含有する粘結剤組成物を使用した場合に比べて、高湿度
下において、得られる鋳型の強度が大きく低下するとい
うことがあった。
【0003】このため、フェノールに代えてビスフェノ
ールを使用し、ビスフェノールとホルムアルデヒドとを
縮重合させたビスフェノール系樹脂を粘結剤として使用
することが提案されている(特開昭62-40948号公報,特
開昭63-40636号公報)。ここで言うビスフェノールとし
ては、ビスフェノールA,ビスフェノールF或いはビス
フェノールC等が単独で使用されてなるものであり、従
って、得られるビスフェノール系樹脂はビスフェノール
とホルムアルデヒドが二元縮重合されてなるものであ
る。このビスフェノール−ホルムアルデヒド二元縮重合
樹脂を使用して得られた鋳型は、高湿度下における強度
をある程度向上させることができるが、未だ十分に満足
のゆくものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、高湿度下においても、得られる鋳型の強度低下を少
なくすることのできる粘結剤組成物を得るべく、種々研
究を行なった。その結果、単にフェノール類又はビスフ
ェノール類とホルムアルデヒドとの二元縮重合によって
得られる粘結剤ではなく、フェノール類とビスフェノー
ル類とアルデヒド化合物とある特定の第四成分との四元
共縮重合によって得られるフェノール系樹脂を粘結剤と
して用いれば、高湿度下において、得られる鋳型の強度
低下を少なくしうることを見出し、本発明に到達したの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、フェノ
ール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有する鋳型用
粘結剤組成物において、該フェノール−アルデヒド変性
樹脂が、フェノール類と、ビスフェノール類と、アルデ
ヒド化合物と、アミノ基を有する化合物,ケトン類,オ
キシ安息香酸,アルキルベンゼン及びフラン系化合物よ
りなる群から選ばれる第四成分とを共縮重合して得られ
たものであることを特徴とする鋳型用粘結剤組成物に関
するものである。また、この鋳型用粘結剤組成物を使用
した鋳型の製造方法に関するものである。
【0006】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中には、
フェノール−アルデヒド変性樹脂が主体として含有され
ている。フェノール−アルデヒド変性樹脂は、フェノー
ル類と、ビスフェノール類と、アルデヒド化合物と、前
記した第四成分を共縮重合して得られるものである。フ
ェノール類としては、下記一般式(1)で表わされる化合
物,下記一般式(2)で表わされる化合物,或いは下記一
般式(3)で表わされる化合物等が単独で又は混合して使
用される。
【0007】
【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子又は炭素数2以下の炭
化水素基を表わす。)
【化2】 (式中、R3は、水素原子,水酸基又は炭素数2以下の炭
化水素基を表わす。)
【化3】 (式中、R4は、炭素数3以上の脂肪族炭化水素基又は芳
香族炭化水素基を表わす。)
【0008】フェノール類のうち、一般式(1)で表わさ
れる化合物の具体例としては、フェノール,クレゾー
ル,3,5-キシレノール等が挙げられる。一般式(2)で表
わされる化合物の具体例としては、レゾルシノール,カ
テコール,ハイドロキノン,フロログリシン等が挙げら
れる。また、一般式(3)で表わされる化合物の具体例と
しては、ノニルフェノール,P-tert-ブチルフェノー
ル,イソプロペニルフェノール,フェニルフェノール等
が挙げられる。また、本発明においては、フェノール類
として、カシューナット殻液,リグニン,タンニンのよ
うな各種フェノール系化合物の混合物等も使用すること
ができる。
【0009】ビスフェノール類としては、下記一般式
(4)で表わされる化合物が、単独で又は混合して使用さ
れる。
【0010】
【化4】
【0011】ビスフェノール類の具体例としては、ビス
フェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールC,
ビスフェノールE,ビスフェノールZ,ビスフェノール
S,ビスフェノールAF,ビスフェノールAP,ジ-sec
-ブチル-ビスフェノールA,ジ-イソプロピル-ビスフェ
ノールA,1,1-エチリデン-ビスフェノール,メチル-エ
チル-メチレン-ビスフェノール,メチル-イソブチル-メ
チレン-ビスフェノール,メチル-ヘキシル-メチレン-ビ
スフェノール,メチル-フェニル-メチレン-ビスフェノ
ール,4,4'-チオジフェノール等が挙げられ、それらが
単独で又は混合して使用される。
【0012】本発明において用いるアルデヒド化合物と
しては、ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,フ
ルフラール,グリオキザール等が、単独で又は混合して
使用される。
【0013】本発明において用いる第四成分は、アミノ
基を有する化合物,ケトン類,オキシ安息香酸,アルキ
ルベンゼン,フラン系化合物が、単独で又は混合して使
用される。アミノ基を有する化合物としては、尿素,メ
ラミン,グアナミン,アニリン,スルホンアミド等が使
用される。ケトン類としては、シクロヘキサノンやメチ
ルエチルケトン等が使用される。オキシ安息香酸として
は、サリチル酸,メタオキシ安息香酸又はパラオキシ安
息香酸が使用される。フラン系化合物としては、フルフ
リルアルコール等が使用される。
【0014】フェノール類と、ビスフェノール類と、ア
ルデヒド化合物と、第四成分とを共縮重合する際、各化
合物のモル比は、以下のとおりであるのが好ましい。即
ち、フェノール類のモル数とビスフェノール類のモル数
と第四成分のモル数との合計モル数に対する、アルデヒ
ド化合物のモル数の比が1.0〜5.0[(フェノール類のモ
ル数+ビスフェノール類のモル数+第四成分のモル
数):アルデヒド化合物のモル数=1:1.0〜3.0]であ
るのが好ましい。特に、アルデヒド化合物のモル数の比
が1.5〜3.0であるのが、より好ましい。アルデヒド化合
物のモル数の比が1.0未満になると、得られたフェノー
ル−アルデヒド変性樹脂を使用して造型しても、常温常
湿下及び高湿度下における、絶対的な鋳型の強度が十分
に向上しない傾向が生じる。逆に、アルデヒド化合物の
モル数の比が5.0を超えると、得られたフェノール−ア
ルデヒド変性樹脂のアルデヒド臭が強く、作業環境が悪
くなる恐れがある。また、フェノール類のモル数とビス
フェノール類のモル数との合計モル数に対する、第四成
分のモル数の比は0.01〜0.5[(フェノール類のモル数
+ビスフェノール類のモル数):第四成分のモル数=
1:0.01〜0.5]であるのが好ましい。特に、第四成分の
モル数の比が0.05〜0.1であるのが、より好ましい。第
四成分のモル数の比が0.01未満であると、高湿度下にお
ける、鋳型の強度低下が大きくなる傾向が生じる。ま
た、第四成分のモル数の比が0.5を超えると、常温常湿
下及び高湿度下における、絶対的な鋳型の強度が十分に
向上しない傾向が生じる。
【0015】フェノール類と、ビスフェノール類と、ア
ルデヒド化合物と、第四成分との共縮重合は、一般的に
水溶液中で行なわれて、フェノール−アルデヒド変性樹
脂が得られるのである。例えば、所定量のフェノール類
とビスフェノール類と第四成分とを溶解させた水溶液中
に、所定量のアルデヒド化合物を徐々に添加しながら、
共縮重合させて得るのが好ましい。この際、反応触媒と
しては、水酸化カリウム(KOH)を使用するのが好ま
しい。本発明におけるフェノール−アルデヒド変性樹脂
は、アルカリ性水溶液に調整されるため、共縮重合の際
に所定量の水酸化カリウムを使用しても良いし、また反
応触媒として最小限の水酸化カリウムを使用し、共縮重
合を終えたあと、所定量の水酸化カリウムを添加しても
よい。また、共縮重合を終えたあとにおいて、水酸化カ
リウムと共に水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化リ
チウム(LiOH)を併用して、所定のアルカリ性にな
るようにしてもよい。更に、酸触媒を使用して共縮重合
させた後、次いで水酸化カリウム等のアルカリ触媒を使
用して共縮重合を進行させてもよい。フェノール−アル
デヒド変性樹脂のアルカリ水溶液において、フェノール
類及びビスフェノール類のフェノール性水酸基のモル数
に対する、全アルカリのモル数の比は、0.2〜1.2である
のが好ましい。また、アルカリ水溶液中における、水分
以外即ち固形分含量(フェノール−アルデヒド変性樹脂
の濃度)は、30〜75重量%であるのが好ましい。
【0016】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物は、フェ
ノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有するもの
であるが、その他の物質として、以下の如きものが含有
されていてもよい。例えば、得られる鋳型強度の更なる
向上を図るために、シランカップリング剤が含有されて
いるのが好ましい。シランカップリング剤としては、従
来公知の各種のものを使用することができる。特に、γ
-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ-アミノ
プロピルトリエトキシシラン,γ-(2-アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン,N-グリシジル-N,N-
ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミン等を使用
することができる。
【0017】また、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中
に、ノニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤,アニオ
ン界面活性剤,両性界面活性剤等の各種界面活性剤、或
いは尿素,尿素化合物,アミド化合物等の有機窒素化合
物を含有させておくことにより、耐火性粒状材料と混練
した混練砂の流動性や模型への充填性を向上させること
ができる。更に、耐火性粒状材料として再生砂を使用す
る場合には、鋳型用粘結剤組成物中に塩化カルシウムや
酸化アルミニウム等の各種多価金属塩を含有させておく
ことにより、得られる鋳型の強度を更に向上させること
ができる。
【0018】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し
て、鋳型を製造するには、一般的に自硬性鋳型造型法又
はガス硬化性鋳型造型法が採用される。自硬性鋳型造型
法の具体例としては、耐火性粒状材料100重量部に対し
て、有機エステル0.1〜5重量部を添加混練する。続け
て、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水溶液
の形態で0.4〜15重量部となるように加え、再び混練す
る。このようにして得られた混練砂を模型に充填し、放
置して硬化させれば、自硬性鋳型を得ることができる
(自硬性鋳型造型法)。また、ガス硬化性鋳型造型法の
具体例としては、耐火性粒状材料100重量部に対して、
本発明に係る鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水溶液の形
態で0.4〜15重量部となるように添加して混練する。得
られた混練砂を、ガス硬化用模型に加圧空気でブローイ
ングにより充填する。次いで、ガス状又はエアロゾル状
の有機エステル0.05〜10重量部を吹き込んで、硬化させ
れば、ガス硬化性鋳型を得ることができる。使用する有
機エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜3である
蟻酸アルキル、好ましくは蟻酸メチルを用いることがで
きる(ガス硬化性鋳型造型法)。また、ガス状等の有機
エステルに代えて、炭酸ガスを使用して鋳型用粘結剤組
成物を硬化させる場合には、粘結剤組成物中に適正量の
硼酸,硼酸塩,アルミン酸塩等のオキシアニオンを有す
る化合物を添加し、このオキシアニオンを有する化合物
と炭酸ガスの共働作用によって、フェノール−アルデヒ
ド変性樹脂を硬化させることができる(CO2ガス硬化
性鋳型造型法、特開平1-224263号公報)。
【0019】鋳型を製造する際に使用する耐火性粒状材
料としては、従来公知の各種のものを使用することがで
き、例えば、石英質を主成分とする珪砂,クロマイト
砂,ジルコン砂,オリビン砂,アルミナ砂,ムライト
砂,合成ムライト砂等を使用することができる。また、
耐火性粒状材料として、これらの再生砂や回収砂を主体
とするものも使用することができるのは、言うまでもな
い。
【0020】
【実施例】
[鋳型用粘結剤組成物水溶液1の調整]50%水酸化カリ
ウム水溶液に、表1に示したモル比で定められる量のフ
ェノール類とビスフェノール類と第四成分とを加え、攪
拌し溶解させた。この溶液を70℃に保持しながら、表1
に示したモル比で定められる量のアルデヒド化合物を徐
々に加えた。そして、反応溶液中におけるビスフェノー
ル−アルデヒド変性樹脂の粘度が120cpsに達する時点ま
で70℃で反応を続けた。なお、この粘度は、B型粘度計
を用い25℃において測定したものである。反応終了後、
室温まで冷却したあと、フェノール類及びビスフェノー
ル類のフェノール性水酸基のモル数に対する、水酸化カ
リウムのモル数の比が0.70となるように、50%水酸化カ
リウム水溶液を加えた。以上のようにして、フェノール
−アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液を得た。そし
て、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、
水溶液100重量部に対して、0.5重量部水溶液中に添加し
た。以上のようにして、表1に示した5種の鋳型用粘結
剤組成物水溶液1を調整した。なお、粘結剤組成物水溶
液1中の粘結剤組成物(フェノール−アルデヒド変性樹
脂及びシランカップリング剤)の含有量は、いずれも50
重量%であった。
【0021】
【表1】
【0022】なお、表1中のAなる項目は、フェノール
類のモル数とビスフェノール類のモル数と第四成分のモ
ル数との合計モル数に対する、アルデヒド化合物のモル
数の比である。即ち、[アルデヒド化合物/(フェノー
ル類のモル数+ビスフェノール類のモル数+第四成分の
モル数)]である。また、Bなる項目は、フェノール類
のモル数とビスフェノール類のモル数との合計モル数に
対する、第四成分のモル数の比である。即ち、[第四成
分のモル数/(フェノール類のモル数+ビスフェノール
類のモル数)]である。また、表1中における、フェノ
ール類等の各物質の下欄に括弧書きされている数字は、
各物質の仕込みモル比である。以下、表中のA,B及び
括弧書きは、これと同様である。
【0023】[鋳型用粘結剤組成物水溶液2の調整]反
応溶液中におけるフェノール−アルデヒド変性樹脂の粘
度が90cpsに達する時点まで反応を続ける以外は、鋳型
用粘結剤組成物水溶液1と同一の方法で、表2に示した
5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液2を調整した。なお、
鋳型用粘結剤組成物水溶液2における粘結剤組成物の含
有量は、鋳型用粘結剤組成物水溶液1と同様に、いずれ
も50重量%であった。
【0024】
【表2】
【0025】[鋳型用粘結剤組成物水溶液3の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール−アルデヒド変性樹脂の水溶液25重
量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、50%
水酸化カリウム5重量部とを混合して、表3に示した5
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液3を得た。
【0026】
【表3】
【0027】[鋳型用粘結剤組成物水溶液4の調整]50
%水酸化カリウム水溶液に、フェノール(又はビスフェ
ノールA)を加え、攪拌し溶解させた。この溶液を70℃
に保持しながら、フェノールのモル数に対して1.5のモ
ル数の比となるように(又はビスフェノールAのモル数
に対して3.0のモル数の比となるように)、ホルムアル
デヒドを徐々に加えた。そして、反応溶液中におけるフ
ェノール−アルデヒド樹脂(又はビスフェノール−アル
デヒド樹脂)の粘度が120cpsに達する時点まで70℃で反
応を続けた。反応終了後、室温まで冷却したあと、フェ
ノールの水酸基のモル数(又はビスフェノールAの水酸
基のモル数)に対する、水酸化カリウムのモル数の比が
0.85となるように、50%水酸化カリウム水溶液を加え
た。以上のようにして、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂(又はビスフェノール−ホルムアルデヒド樹脂)の
アルカリ水溶液を得た。そして、γ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを、水溶液100重量部に対し
て、0.5重量部水溶液中に添加した。以上のようにし
て、表4に示した2種の鋳型用粘結剤組成物水溶液4を
調整した。なお、粘結剤組成物水溶液4中の粘結剤組成
物(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂及びシランカッ
プリング剤、又はビスフェノール−ホルムアルデヒド樹
脂及びシランカップリング剤)の含有量は、50重量%で
あった。
【0028】
【表4】
【0029】[鋳型用粘結剤組成物水溶液5の調整]反
応溶液中におけるフェノール−アルデヒド樹脂(又はビ
スフェノール−アルデヒド樹脂)の粘度が90cpsに達す
る時点まで反応を続ける以外は、鋳型用粘結剤組成物水
溶液4と同一の方法で、表4に示した2種の鋳型用粘結
剤組成物水溶液5を調整した。なお、鋳型用粘結剤組成
物水溶液5における粘結剤組成物の含有量は、鋳型用粘
結剤組成物水溶液4と同様に、いずれも50重量%であっ
た。
【0030】[鋳型用粘結剤組成物水溶液6の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液5の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール−アルデヒド樹脂の水溶液25重量部
と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、50%水酸
化カリウム5重量部とを混合して、表4に示した1種の
鋳型用粘結剤組成物水溶液6を得た。
【0031】実施例1〜5 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、硬化剤で
あるトリアセチン0.3重量部を添加混練した後、続け
て、予め準備した5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液1が
各々1.5重量部となるように添加し混練して、5種の混
練砂を得た。その後直ちに、各混練砂を、50mmφ×50mm
hのテストピース枠に充填し、自硬性鋳型造型法でテス
ト鋳型を得た。そして、このテスト鋳型を用いて、常温
常湿下における鋳型強度,高湿度下における鋳型強度,
及び高湿度下における鋳型強度の低下率を、以下の方法
で測定し、その結果を表5に示した。
【0032】まず、混練砂をテストピース枠に充填した
後、24時間経過後のテスト鋳型(50mmφ×50mmh)の圧
縮強度を測定した。これを、ディッピング前の鋳型強度
(常温常湿下における鋳型強度であり、単位はkg/cm2
である。)と言う。そして、このテスト鋳型を水中に3
秒間ディッピングし、室温下に30分間放置したあと、こ
のテスト鋳型の圧縮強度を測定した。これを、ディッピ
ング30分後の鋳型強度(高湿度下における鋳型強度であ
り、単位はkg/cm2である。)と言う。この二種の鋳型
強度から、次の式にて高湿度下における鋳型強度の低下
率(以下、単に「強度低下率」と言う。)を算出する。
即ち、[100−(ディッピング30分後の鋳型強度/ディ
ッピング前の鋳型強度)]×100(%)なる式で強度低
下率を算出する。
【0033】
【表5】
【0034】比較例1及び2 鋳型用粘結剤組成物水溶液1に代えて、表4に示した2
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液4を用いる以外は、実施
例1と同様にしてテスト鋳型を得た。そして、実施例1
と同様にして、鋳型の強度低下率等を測定及び算出し、
その結果を表5に示した。
【0035】実施例6〜10 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液2が各々2.0重量
部となるように添加し混練して、5種の混練砂を得た。
その後直ちに、各混練砂を、50mmφ×50mmhのガス用テ
ストピース枠に充填し、珪砂100重量部に対して0.8重量
部の蟻酸メチルを注入し、ガス硬化性鋳型造型法でテス
ト鋳型を得た。そして、このテスト鋳型を用いて、強度
低下率等を実施例1と同様にして測定及び算出し、その
結果を表5に示した。
【0036】比較例3及び4 鋳型用粘結剤組成物水溶液2に代えて、表4に示した2
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液5を用いる以外は、実施
例6と同様にしてテスト鋳型を得た。そして、実施例6
と同様にして、鋳型の強度低下率等を測定及び算出し、
その結果を表5に示した。
【0037】実施例11〜15 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液3が各々3.0重量
部となるように添加し混練して、5種の混練砂を得た。
その後直ちに、各混練砂を、50mmφ×50mmhのガス用テ
ストピース枠に充填し、炭酸ガスを通気(10リットル×
2分間)させ、CO2ガス硬化性鋳型造型法でテスト鋳型
を得た。そして、このテスト鋳型を用いて、強度低下率
等を実施例1と同様にして測定及び算出し、その結果を
表5に示した。
【0038】比較例5 鋳型用粘結剤組成物水溶液3に代えて、表4に示した1
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液6を用いる以外は、実施
例11と同様にしてテスト鋳型を得た。そして、実施例11
と同様にして、鋳型の強度低下率等を測定及び算出し、
その結果を表5に示した。
【0039】表5の結果から明らかなように、フェノー
ル類とビスフェノール類とアルデヒド化合物と第四成分
の四種の化合物を四元共縮重合させたフェノール−アル
デヒド変性樹脂を粘結剤組成物の主体として使用して鋳
型を製造すれば、一種のフェノール類又は一種のビスフ
ェノール類と、ホルムアルデヒドとを二元縮重合させた
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂又はビスフェノール
−ホルムアルデヒド樹脂を粘結剤組成物の主体として使
用した場合に比較して、得られた鋳型を水中にディッピ
ングした後における鋳型の圧縮強度の低下率(強度低下
率)が少ないことが分かる。従って、実施例1〜15に係
る方法で得られた鋳型は、比較例1〜5に係る方法で得
られた鋳型に比べて、高湿度下においても、鋳型の圧縮
強度が低下しにくいことが分かる。
【0040】
【作用】鋳型用粘結剤組成物の主体として、フェノール
類とビスフェノール類とアルデヒド化合物と第四成分と
を共縮重合したフェノール−アルデヒド変性樹脂を使用
すると、高湿度下において、得られる鋳型の強度低下率
が小さくなる理由は、定かではないが、以下のように推
測しうる。即ち、従来公知のフェノール−アルデヒド樹
脂やビスフェノール−アルデヒド樹脂を主体とする鋳型
用粘結剤組成物は、硬化完了後においても、多量のフェ
ノール性水酸基が残存しており、このフェノール性水酸
基が湿分を吸着して、鋳型の強度に悪影響を与えるので
はないかと推測される。本発明においては、フェノール
類及びビスフェノール類以外の第四成分が共縮重合され
ているため、相対的にフェノール類及びビスフェノール
類のフェノール性水酸基の量が少なくなり、そのため、
湿分による悪影響が少なくなって、高湿度下における鋳
型の強度低下が少なくなるものと推測されるのである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、フェノール類とビ
スフェノール類とアルデヒド類とある特定の第四成分と
を共縮重合して得られるフェノール−アルデヒド変性樹
脂を主体として含有する、本発明に係る鋳型用粘結剤組
成物を使用し、耐火性粒状材料と混練して鋳型を得れ
ば、従来のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂又はビス
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を主体として含有す
るものを使用した場合に比べて、高湿度下において、得
られた鋳型の圧縮強度が低下しにくいという効果を奏す
る。従って、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し
て得られた鋳型は、高湿度下においても、満足のゆく程
度の圧縮強度を維持しているため、高湿度下で鋳物の製
造作業を行なっても、優れた品質の鋳物を得ることがで
きるのである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール−アルデヒド変性樹脂を主体
    として含有する鋳型用粘結剤組成物において、該フェノ
    ール−アルデヒド変性樹脂が、フェノール類と、ビスフ
    ェノール類と、アルデヒド化合物と、アミノ基を有する
    化合物,ケトン類,オキシ安息香酸,アルキルベンゼン
    及びフラン系化合物よりなる群から選ばれる第四成分と
    を共縮重合して得られたものであることを特徴とする鋳
    型用粘結剤組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール類のモル数とビスフェノール
    類のモル数と第四成分のモル数との合計モル数に対す
    る、アルデヒド化合物のモル数の比が1.0〜5.0である請
    求項1記載の鋳型用粘結剤組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール類のモル数とビスフェノール
    類のモル数との合計モル数に対する、第四成分のモル数
    の比が0.01〜0.5である請求項1又は2記載の鋳型用粘
    結剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の鋳型用粘結剤
    組成物を用い、且つ硬化剤として有機エステル及び/又
    は炭酸ガスを用いることを特徴とする鋳型の製造方法。
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