JP3161563B2 - 鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火性粒状材料に、レ
ゾール型水溶性フェノール樹脂よりなる粘結剤を添加混
練し、この粘結剤を硬化させて、鋳型を製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳型は、耐火性粒状材料と粘
結剤とを混練した混練砂を、型枠(模型)に充填し、そ
の後粘結剤を、所定の硬化剤で硬化させることにより製
造されている。例えば、鋳鋼分野においては、水ガラス
を主体とする粘結剤を使用した、水ガラス/CO2法や
水ガラス/ダイカル法が用いられている。近年、水ガラ
スに代わる粘結剤として、フラン系樹脂,レゾール型水
溶性フェノール樹脂,ウレタン系樹脂等の各種の有機系
硬化性樹脂が開発され、使用され始めている。この中で
も、レゾール型水溶性フェノール樹脂は、ガス状又はエ
アロゾル状の有機エステルで硬化するため、ガス硬化性
鋳型製造時の作業環境の悪化を防止でき、水ガラスに代
わる粘結剤として好適なものである(特開昭50-130627
号公報,特公昭61-43132号公報,特公昭61-37022号公
報)。
【0003】しかしながら、このレゾール型水溶性フェ
ノール樹脂よりなる粘結剤と耐火性粒状材料とを混練し
て、ガス硬化法で鋳型を製造する場合、フラン系樹脂よ
りなる粘結剤を使用した場合に比べて、以下の如き欠点
があった。即ち、得られる鋳型の強度が低く、且つ得ら
れる鋳型の表面安定性が悪いという欠点があった。これ
らの欠点は、いずれも、硬化したレゾール型水溶性フェ
ノール樹脂の粘結力が弱いために生じるものである。更
に、レゾール型水溶性フェノール樹脂は、硬化速度が遅
いという欠点があった。従って、ガス硬化法で鋳型を製
造した後、比較的長時間放置しておかないと、鋳物の作
成のために使用できないということがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、レ
ゾール型水溶性フェノール樹脂よりなる粘結剤に、エポ
キシ基を持つ化合物を添加しておき、ガス状又はエアロ
ゾル状の有機エステルとこのエポキシ基を持つ化合物を
接触させることによって、エポキシ基を持つ化合物を活
性化させ、レゾール型水溶性フェノール樹脂の硬化速度
を速めると共に、硬化の程度を高めてレゾール型水溶性
フェノール樹脂の粘結力を向上させようというものであ
る。
【0005】なお、レゾール型水溶性フェノール樹脂の
粘結力を向上させるためには、レゾール型水溶性フェノ
ール樹脂に、親水性エポキシ樹脂オリゴマーの如きエポ
キシ基を持つ化合物を配合した二成分系の粘結剤を使用
すればよいことは知られている(特開平4-298591号公
報)。しかし、親水性エポキシ樹脂オリゴマーに、ガス
状又はエアロゾル状の有機エステルを接触させて、レゾ
ール型水溶性フェノール樹脂の硬化速度を速めること
は、知られていない。本発明は、このような新規な知見
に基づいてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、耐火性
粒状材料に、粘結剤であるレゾール型水溶性フェノール
樹脂水溶液と、硬化剤であるエポキシ基を持つ化合物と
を均一に混練して混練砂を得た後、該混練砂をガス硬化
用の型枠に充填し、ガス状又はエアロゾル状の有機エス
テルを吹き付けて、該エポキシ基を持つ化合物に該有機
エステルを接触させることよって、粘結剤の硬化反応を
促進させることを特徴とする鋳型の製造方法に関するも
のである。
【0007】本発明において使用する粘結剤は、一般的
にレゾール型水溶性フェノール樹脂よりなるものが用い
られる。レゾール型水溶性フェノール樹脂は、フェノー
ル類とアルデヒド化合物とを、水酸化カリウム等のアル
カリ性触媒の存在下で、縮合させて得られるものであ
る。フェノール類としては、フェノール、クレゾール、
3,5-キシレノール、ノニルフェノール,p-tert-ブチル
フェノール,イソプロペニルフェノール,フェニルフェ
ノール等のアルキルフェノール、レゾルシノール,カテ
コール,ハイドロキノン,フロログリシン等の多価フェ
ノール、ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフ
ェノールC,ビスフェノールE等のビスフェノール類等
が用いられる。また、カシューナット殻液,リグニン,
タンニンのようなフェノール系化合物の混合物よりなる
ものも、フェノール類として使用することができる。こ
れら各種のフェノール類は、1種の物質を単独で使用し
てもよいし、2種以上の物質を混合してアルデヒド化合
物と共縮合させてもよい。
【0008】フェノール類と縮合させるためのアルデヒ
ド化合物としては、ホルマリン,パラホルムアルデヒ
ド,フルフラール,グリオキザール等が使用される。ア
ルデヒド化合物の使用量は、フェノール類1モル当た
り、1〜3モル、好ましくは1.5〜2モル使用される。アル
デヒド化合物の使用量が1モル未満であると、得られた
レゾール型水溶性フェノール樹脂よりなる粘結剤を硬化
させても粘結力が十分でなく、鋳型強度が向上しない傾
向が生じる。逆に、アルデヒド化合物の使用量が3モル
を超えると、レゾール型水溶性フェノール樹脂からのア
ルデヒド臭が強く、作業環境が悪化する傾向が生じる。
【0009】フェノール類とアルデヒド化合物との縮合
は、一般的にアルカリ水溶液中で行なわれ、レゾール型
水溶性フェノール樹脂が得られるのである。この際、反
応触媒としては、水酸化カリウム(KOH)を使用する
のが好ましく、従って水酸化カリウム水溶液中で縮合さ
せるのが好ましい。また、レゾール型水溶性フェノール
樹脂は、一般的にアルカリ水溶液の形で供給されるた
め、縮合の際に所定量の水酸化カリウムを使用しても良
いし、また反応触媒として最小限の水酸化カリウムを使
用し、縮合を終えたあと、所定量の水酸化カリウムを添
加してもよい。また、縮合を終えたあとにおいては、水
酸化カリウムと共に水酸化ナトリウム(NaOH),水
酸化リチウム(LiOH)或いはヘキサメチレンテトラ
ミン等のアミン類を併用して、所定のアルカリ性になる
ようにしてもよい。レゾール型水溶性フェノール樹脂の
アルカリ水溶液中において、アルカリ(塩基)のモル数
は、フェノール性水酸基1モルに対して、0.03〜1モルで
あるのが好ましい。ここで、フェノール性水酸基とは、
レゾール型水溶性フェノール樹脂が有している全てのO
H基、即ち芳香環に直接結合しているOH基及びメチレ
ン基を介して芳香環に結合しているOH基のいずれをも
包含するものである。アルカリ(塩基)のモル数が0.03
モル未満になると、硬化させたレゾール型水溶性フェノ
ール樹脂の粘結力が低下する傾向が生じる。逆に、アル
カリ(塩基)のモル数が1モルを超えると、強アルカリ
水溶液になって、取り扱い上、危険である。
【0010】レゾール型水溶性フェノール樹脂水溶液中
には、得られる鋳型の強度を向上させるために、シラン
カップリング剤が含有されていてもよい。シランカップ
リング剤としては、従来公知の各種のものを使用するこ
とができ、特にγ-グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン,γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,γ-(2
-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン,N-
グリシジル-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピ
ル]アミン等を使用するのが好ましい。そして、シラン
カップリング剤が含有されている又は含有されていない
レゾール型水溶性フェノール樹脂水溶液の粘度は、25℃
において、800cps以下であるのが好ましく、特に200cps
以下であるのが好ましい。この粘度が800cpsを超える
と、耐火性粒状材料と均一に混練しにくくなる傾向が生
じる。なお、この粘度はB型粘度計により測定したもの
である。また、このレゾール型水溶性フェノール樹脂水
溶液の固形分含量、即ち水分を除いた含有量は、35〜75
重量%であることを好ましい。固形分含量が35重量%未
満であると、得られる鋳型の強度が十分向上しない傾向
が生じる。逆に、固形分含量が75重量%を超えると、粘
度が800cpsを超える傾向となって、耐火性粒状材料と均
一に混練しにくくなる傾向が生じる。なお、この固形分
含量は、秤量試料(2.0±0.1g)を熱風乾燥機内で、3
時間105℃に加熱することにより、水分を蒸発させて、
(水分蒸発後の試料の重量/秤量試料の重量)×100=
固形分含量なる式によって算出したものである。
【0011】一方、レゾール型水溶性フェノール樹脂と
共に、耐火性粒状材料に混練されるエポキシ基を持つ化
合物としては、ポリグリセロールポリグリシジルエーテ
ル,ソルビトールポリグリシジルエーテル,ペンタエリ
スリトールポリグリシジルエーテル,ジグリセロールポ
リグリシジルエーテル,トリグリシジルトリス(2-ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレート,グリセロールポリグ
リシジルエーテル等のポリエポキシ化合物、エチレン-
プロピレングリコールジグリシジルエーテル,プロピレ
ン-ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル,
ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル,
レゾルシンジグリシジルエーテル,ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル,1,6-ヘキサンジオールジグ
リシジルエーテル,ビスフェノールSジグリシジルエー
テル等のジエポキシ化合物、フェノール(EO)5グリ
シジルエーテル,p-tert-ブチルフェニルグリシジルエ
ーテル,2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等のモノ
エポキシ化合物等を使用することができる。
【0012】また、エポキシ基を持つ化合物に接触させ
るためのガス状又はエアロゾル状の有機エステルとして
は、蟻酸メチル,トリアセチン,γ−ブチロラクトン,
エチレングリコールモノアセテート,エチレングリコー
ルジアセテート等を使用することができる。エポキシ基
を持つ化合物に、ガス状又はエアロゾル状の有機エステ
ルを接触させる量は、エポキシ基を持つ化合物とレゾー
ル型水溶性フェノール樹脂の合計量100重量部に対し
て、有機エステルが30〜300重量部の割合であるのが好
ましい。有機エステルを接触させる割合が、30重量部未
満であると、レゾール型水溶性フェノール樹脂よりなる
粘結剤の硬化速度が十分に速くならない傾向が生じる。
また、有機エステルを接触させる割合が、300重量部を
超えても、レゾール型水溶性フェノール樹脂よりなる粘
結剤の硬化速度が、もはや速くならない傾向が生じる。
【0013】以上のようにして準備された、レゾール型
水溶性フェノール樹脂水溶液よりなる粘結剤とエポキシ
基を持つ化合物とを、耐火性粒状材料に均一に添加混練
して混練砂を得る。そして、この混練砂をガス硬化用の
型枠に充填し、前記したガス状又はエアロゾル状の有機
エステルを混練砂に吹き付ける。そうすると、有機エス
テルが、混練砂中のエポキシ基を持つ化合物と接触し、
このエポキシ基を持つ化合物を活性化する。そして、レ
ゾール型水溶性フェノール樹脂とエポキシ基を持つ化合
物との結合(重合)反応が促進され、レゾール型水溶フ
ェノール樹脂が硬化して、鋳型を得ることができるので
ある。このような鋳型の製造において、耐火性粒状材料
に対する、粘結剤中のレゾール型水溶性フェノール樹脂
やエポキシ基を持つ化合物の添加量は、以下のとおりで
あるのが好ましい。即ち、耐火性粒状材料100重量部に
対して、レゾール型水溶性フェノール樹脂が0.5〜6重量
部となるように添加し、またエポキシ基を持つ化合物が
0.05〜3重量部となるように添加するのが好ましい。ま
た、ガス状又はエアロゾル状の有機エステルの混練砂へ
の通気量は、前記したとおり、エポキシ基を持つ化合物
とレゾール型水溶性フェノール樹脂の合計量100重量部
に対して、30〜300重量部程度が好ましい。なお、使用
する耐火性粒状材料としては、従来公知の各種のものを
用いることができ、例えば、石英質を主成分とする珪
砂,クロマイト砂,ジルコン砂,オリビン砂,アルミナ
砂,ムライト砂,合成ムライト砂等を使用することがで
きる。また、耐火性粒状材料として、これらの再生砂や
回収砂を主体とするものも使用することができるのは、
言うまでもない。
【0014】また、本発明に用いるレゾール型水溶性フ
ェノール樹脂水溶液よりなる粘結剤中に又はエポキシ基
を持つ化合物よりなる溶液中に、ノニオン界面活性剤,
カチオン界面活性剤,アニオン界面活性剤,両性界面活
性剤等の各種界面活性剤、或いは尿素,尿素化合物,ア
ミド化合物等の有機窒素化合物を含有させておくことに
より、耐火性粒状材料と混練した混練砂の流動性やガス
硬化用の型枠への充填性を向上させることができる。更
に、耐火性粒状材料として再生砂を使用する場合には、
塩化カルシウムや酸化アルミニウム等の各種多価金属塩
を含有させておくことにより、得られる鋳型の強度を向
上させることができる。
【0015】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1及び2 50%KOH水溶液中に、KOHと等モル比のフェノール
を加え、攪拌・溶解させた。この水溶液を80℃に保持し
ながら、フェノール1モルに対して、ホルマリンが2モル
となるように、50%ホルマリン水溶液を徐々に加えて、
フェノールとホルマリンとの縮合反応を進行させた。そ
して、この反応溶液の粘度が110cps(25℃)に達する時
点まで、80℃で反応を続けた。この粘度に達した時点
で、反応溶液を室温まで冷却し、フェノール性水酸基1
モルに対して、KOHのモル数が0.70となるように、50
%KOH水溶液を加え、樹脂水溶液を得た。この樹脂水
溶液100重量部に対して、γ-グリシドキシプロピルトリ
メトキシシランを0.5重量部添加し、粘度が50cps(25
℃)のレゾール型水溶性フェノール樹脂水溶液よりなる
粘結剤を得た。なお、レゾール型水溶性フェノール樹脂
水溶液の固形分含量は、50重量%であった。
【0016】一方、表1に示したエポキシ基を持つ化合
物を準備した。そして、このエポキシ基を持つ化合物と
前記したレゾール型水溶性フェノール樹脂水溶液(表1
中では単に「フェノール樹脂水溶液」と表現した。)と
を、表1に示した割合で、且つエポキシ基を持つ化合物
とレゾール型水溶性フェノール樹脂との合計量が2.0重
量部となるように、耐火性粒状材料である珪砂(フラタ
リー)100重量部に対して添加混練した。得られた混練
砂を、直ちに50mmφ×50mmφのガス硬化用テストピース
枠に充填し、ガス状の有機エステルである蟻酸メチル
を、エポキシ基を有する化合物とレゾール型水溶性フェ
ノール樹脂の合計量100重量部に対して、60重量部の割
合で通気させて、テスト鋳型を得た。但し、比較例3に
ついては、ガス状の有機エステルを通気させずに、テス
ト鋳型を得た。なお、この硬化試験は、雰囲気温度25
℃,砂温25℃,湿度60%RHの条件下で行なった。
【0017】
【表1】
【0018】そして、得られたテスト鋳型の1分経過後
の圧縮強度[kg/cm2],30分経過後の圧縮強度[kg/c
m2],24時間経過後の圧縮強度[kg/cm2]を各々測定
し、表2に示した。また、得られた鋳型の表面安定性
(SSI)も表2に示した。
【0019】
【表2】
【0020】表2中におけるSSI(%)は、鋳型の表
面安定性を示すものであり、混練直後に造型したテスト
鋳型を用い「有機鋳型の試験方法[多品種少量生産型高
効率鋳造技術連絡会議報告書(昭和61年2月)]104有機
鋳型の表面安定度試験方法p7」に基づいて行なった。即
ち、テスト鋳型をふるい上で60秒間振盪し、振盪後の重
量を測定する。そして、振盪前のテスト鋳型の重量をW
1(g)とし、振盪後のテスト鋳型の重量をW2(g)と
すると、SSI(%)は次式により求められる。即ち、
SSI(%)=(W2/W1)×100である。従って、S
SI(%)は、その値が大きいほど、鋳型の表面安定性
が良好であることを示すものである。
【0021】表2の結果から明らかなとおり、エポキシ
基を持つ化合物にガス状の有機エステルを接触させて粘
結剤を硬化させた場合には、エポキシ基を持つ化合物を
使用せずにガス状の有機エステルのみを使用して粘結剤
を硬化させた場合(比較例2)に比べて、鋳型強度(圧
縮強度)の向上が速やかに行われていることが分かる。
即ち、粘結剤(レゾール型水溶性フェノール樹脂)の硬
化速度が速くなっていることが分かる。また、レゾール
型水溶性フェノール樹脂を用いない場合(比較例1)
は、実質的な粘結剤が存在しないため、必要な鋳型強度
(圧縮強度)が全く得られないことが分かる。更に、ガ
ス状の有機エステルを使用せずに、レゾール型水溶性フ
ェノール樹脂とエポキシ基を持つ化合物とを硬化させた
場合(比較例3)は、鋳型強度(圧縮強度)の向上が遅
々として進行しないことが分かる。即ち、粘結剤の硬化
速度が非常に遅いことが分かる。更に、実施例の如く、
エポキシ基を持つ化合物にガス状の有機エステルを接触
させて、粘結剤を硬化させた場合には、比較例の場合に
比べて、表面安定性も向上していることが分かる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、鋳型を
製造する際に使用する粘結剤(レゾール型水溶性フェノ
ール樹脂)を速やかに硬化させるため、粘結剤にエポキ
シ基を持つ化合物を添加配合し、そして、ガス状又はエ
アロゾル状の有機エステルをエポキシ基を持つ化合物に
接触させて、エポキシ基を持つ化合物の活性化を図らん
とするものである。従って、活性化したエポキシ基を持
つ化合物が、粘結剤と結合(重合)するので、この結合
(重合)反応の速度が速くなり、粘結剤の硬化を促進さ
せると共に、粘結剤の結合(重合)の程度も高くなり、
粘結剤の粘結力も更に向上するのである。依って、本発
明に係る方法で鋳型を製造すれば、速やかに鋳型強度の
高い鋳型を得ることができ、鋳型の生産性を格段に向上
させるという効果を奏するのである。更に、粘結剤の硬
化が十分に進行するため、得られる鋳型の表面安定性も
格段に向上するという効果も奏するのである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 3/00 B22C 9/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火性粒状材料に、粘結剤であるレゾー
    ル型水溶性フェノール樹脂水溶液と、硬化剤であるエポ
    キシ基を持つ化合物とを均一に混練して混練砂を得た
    後、該混練砂をガス硬化用の型枠に充填し、ガス状又は
    エアロゾル状の有機エステルを吹き付けて、該エポキシ
    基を持つ化合物に該有機エステルを接触させることよっ
    て、粘結剤の硬化反応を促進させることを特徴とする鋳
    型の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機エステルが蟻酸メチルである請求項
    1記載の鋳型の製造方法。
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