JP6216637B2 - 自硬性鋳型の製造方法、鋳型用粘結剤キット、及び鋳型用組成物 - Google Patents

自硬性鋳型の製造方法、鋳型用粘結剤キット、及び鋳型用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型の製造方法、鋳型用粘結剤キット、及び鋳型用組成物に関する。
粘結剤を用いて主型や中子のような鋳型を製造する造型法として、自硬性鋳型造型法が知られている。上記自硬性鋳型造型法としては、珪砂等の耐火性粒子に、粘結剤である水溶性フェノール樹脂と、エステル化合物系硬化剤とを添加し、これらを混練した後、得られた鋳型用組成物を木型等の原型に充填し硬化せしめる鋳型造型法が知られている。
前記耐火性粒子としては、珪砂、ジルコン砂、クロマイト砂、オリビン砂等が従来から広く用いられており、近年では、下記特許文献1に示すように、アルミナケイ酸塩を主体とする焼結法による人工合成ムライト砂や、下記特許文献2に示すように、溶融法により製造された人工砂が使用されつつある。鋳型に用いた耐火性粒子は、通常、鋳型を粉砕(型ばらし)して得た回収砂に再生処理を施して再利用される。
一方、鋳型用組成物として、成型性の改善にエポキシ化合物が含有された技術が開示されている(特許文献3)。また、アルデヒド臭の低減の為に少量アミン化合物が用いられている技術も開示されている(特許文献4)。
特開平4−367349号公報 特開2003−251434号公報 特開2002−143981号公報 特開平5−192737号公報
しかしながら、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において再生砂を用いた場合、新砂を用いた場合と比較して鋳型強度が著しく低下する問題がある。
本発明は、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において再生砂を用いた場合でも強度に優れた鋳型を得ることができる自硬性鋳型の製造方法を提供する。
本発明は、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において再生砂を用いた場合でも強度に優れた鋳型を得ることができる鋳型用粘結剤キットを提供する。
本発明は、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において再生砂を用いた場合でも強度に優れた鋳型を得ることができる鋳型用組成物を提供する。
本発明の自硬性鋳型の製造方法は、耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混練して鋳型用組成物を得る混練工程を有する自硬性鋳型の製造方法である。
本発明の鋳型用粘結剤キットは、アミン化合物及び水溶性フェノールを含有する第1粘結剤組成物と、エポキシ化合物及び有機エステル化合物を含有する第2粘結剤組成物を含む鋳型用粘結剤キットである。
本発明の鋳型用組成物は、耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混合して得られる鋳型用組成物である。
本発明の自硬性鋳型の製造方法によれば、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において再生砂を用いた場合でも強度に優れた鋳型を得ることができる自硬性鋳型の製造方法を提供することができる。
本発明の鋳型用粘結剤キットによれば、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において再生砂を用いた場合でも強度に優れた鋳型を得ることができる鋳型用粘結剤キットを提供することができる。
本発明の鋳型用組成物によれば、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において耐火性粒子として再生砂を用いた場合でも強度に優れた鋳型を得ることができる鋳型用組成物を提供することができる。
<自硬性鋳型の製造方法>
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法は、耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混練して鋳型用組成物を得る混練工程を有する自硬性鋳型の製造方法である。本実施形態の自硬性鋳型の製造方法は、水溶性フェノール樹脂及び有機エステル化合物を用いる自硬性鋳型造型法において再生砂を用いた場合でも強度に優れた鋳型を得ることができるという効果を有する。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
アミン化合物、及びエポキシ化合物は、有機エステル化合物、及び水溶性フェノール樹脂と効率よく混合、又は反応する。その作用により、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物の混合物を強靭化させることが可能となり、更に、耐火性粒子を混合した場合、強度に優れた鋳型を得られると推定している。
以下、本実施形態の自硬性鋳型の製造方法について説明する。
〔耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混練して鋳型用組成物を得る混練工程〕
[耐火性粒子]
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法で使用可能な耐火性粒子としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収して再生処理した再生砂も使用できるが、経済性の観点から、再生砂が好ましい。本実施形態の自硬性鋳型の製造方法で再生砂を用いた場合、従来の自硬性鋳型の製造方法で再生砂を用いた場合よりも、鋳型の強度を向上させることができる。なお、耐火性粒子は、単独で使用又は2種以上を併用することができる。
[水溶性フェノール樹脂]
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法で使用可能な水溶性フェノール樹脂は、エステル化合物で硬化可能な樹脂であり、一般にはアルカリ条件下でフェノール化合物とアルデヒド化合物とを重縮合させることによって得られるものである。このうちフェノール化合物としては、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、クレゾール、3,5−キシレノール、レゾルシン、カテコール、ノニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェニルフェノール、その他の置換フェノールを含めたフェノール類や、カシューナット殻液のような各種のフェノール化合物の混合物等が用いられる。製造時には、これらを単独で使用又は2種以上を併用することができる。また、アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、フルフラール、グリオキザール等を単独で使用又は2種以上を併用することができる。これらの化合物は必要に応じて水溶液として用いることができる。また、これらに、尿素、メラミン、シクロヘキサノン等のアルデヒド化合物と縮合が可能なモノマーや、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコール等の1価の脂肪族アルコール化合物や、水溶性高分子のポリアクリル酸塩や、セルロース誘導体高分子、ポリビニルアルコール、リグニン誘導体などを混合しても差し支えない。
水溶性フェノール樹脂の合成に用いられるアルカリ触媒としては、LiOH、NaOH、KOHなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられるが、特にNaOH、KOHが好ましい。また、これらのアルカリ触媒を混合して用いてもよい。
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法における水溶性フェノール樹脂の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、25質量部以上が更に好ましく、50質量部以上が更に好ましい。本実施形態の自硬性鋳型の製造方法における水溶性フェノール樹脂の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、200質量部以下がより更に好ましい。また、本実施形態の自硬性鋳型の製造方法における水溶性フェノール樹脂の配合量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましく、25〜500質量部が更に好ましく、50〜200質量部がより更に好ましい。なお、本明細書において、水溶性フェノール樹脂の固形分とは、水溶性フェノール樹脂を105℃で3時間乾燥した後の質量を意味する。
[有機エステル化合物]
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法で用いることができる有機エステル化合物は、水溶性フェノール樹脂の硬化剤として使用できる従来公知の有機エステルである。当該有機エステル化合物としては、鋳型強度発現の観点から、分子内にエステル結合を1〜5個有する有機エステル化合物が好ましい。例えば、ラクトン類、又は炭素数1〜10の一価若しくは多価アルコールと炭素数1〜10の有機カルボン酸とから導かれる有機エステル化合物が挙げられる。有機エステル化合物はカルボン酸由来部分が直鎖であっても、分岐鎖であってもよく、分岐鎖はα−位の分岐が好ましい。有機エステル化合物の具体例としては、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸エチル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、トリアセチン、アセト酢酸エチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、2−エチルコハク酸ジメチル、2−メチルグルタル酸ジメチル、2−メチルアジピン酸ジメチル、2−エチルヘキサン酸メチル、2−エチルヘキサン酸エチル、2−メチルセバシン酸ジメチル、2−エチルアゼライン酸ジメチル、2−エチルグルタル酸ジエチル、2−(n−プロピル)グルタル酸ジメチル、2−(n−ブチル)コハク酸ジエチル、2−(n−ブチル)コハク酸ジメチル、2−メチルピメリン酸ジエチル、2−メチルスベリン酸ジメチル等が挙げられ、鋳型強度発現の観点から、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセテート、トリアセチン、アセト酢酸エチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルが好ましく、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセテート、トリアセチン、アセト酢酸エチルがより好ましい。これらの有機エステル化合物は、単独で使用又は2種以上を併用することができる。
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法における有機エステル化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、4質量部以上が更に好ましく、10質量部以上がより更に好ましい。本実施形態の自硬性鋳型の製造方法における有機エステル化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、4000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、200質量部以下がより更に好ましい。また、本実施形態の自硬性鋳型の製造方法における有機エステル化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、2〜4000質量部が好ましく、3〜1000質量部がより好ましく、4〜500質量部が更に好ましく、10〜200質量部がより更に好ましい。
[アミン化合物]
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法で使用可能なアミン化合物は、鋳型強度発現の観点から、末端が1級アミンであることが好ましく、鋳型強度発現の観点から、構造内に炭素を2以上、好ましくは4以上含有するアミン化合物が更に好ましい。このようなアミン化合物の例としては、テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノエチル)アミン、ジエチルエチレンジアミン、エチレンジアミンが挙げられる。これらのアミン化合物は、単独で使用又は2種以上を併用することができる。
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法におけるアミン化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましい。本実施形態の自硬性鋳型の製造方法におけるアミン化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、30質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。また、本実施形態の自硬性鋳型の製造方法におけるアミン化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1.0〜10質量部が更に好ましい。
[エポキシ化合物]
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法で使用可能なエポキシ化合物は、従来公知のエポキシ化合物である。当該エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、及びテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンベースなどのポリフェニルベースエポキシ樹脂、フルオレン含有エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、複素芳香環(例えば、トリアジン環など)を含有するエポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂;脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂肪族グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエステル型エポキシ樹脂などの脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。当該エポキシ化合物は、エポキシ基を2以上含有するものが好ましい。これらのエポキシ化合物は、単独で使用又は2種以上を併用することができる。これらのうち、鋳型強度発現の観点から、脂肪族エポキシ樹脂が好ましく、脂環族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエステル型エポキシ樹脂がより好ましい。
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法におけるエポキシ化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上が更に好ましい。本実施形態の自硬性鋳型の製造方法におけるエポキシ化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、30.0質量部以下が好ましく、25.0質量部以下がより好ましく、20.0質量部以下が更に好ましい。また、本実施形態の自硬性鋳型の製造方法におけるエポキシ化合物の配合量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、1.0〜30.0質量部が好ましく、1.5〜25.0質量部がより好ましく、3.0〜20.0質量部が更に好ましい。
前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比(アミン化合物の質量/エポキシ化合物の質量)は、鋳型強度発現の観点から、0.004以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましい。前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比は、同様の観点から、3.00以下が好ましく、0.80以下がより好ましく、0.70以下が更に好ましい。また、前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比は、鋳型強度発現の観点から、0.004〜3.00が好ましく、0.02〜0.80がより好ましく、0.15〜0.70が更に好ましい。
前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の当量比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)は、鋳型強度発現の観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.40以上が更に好ましい。前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)は、同様の観点から、2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.2以下が更に好ましい。また、前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、0.01〜2.0が好ましく、0.05〜1.8がより好ましく、0.40〜1.2が更に好ましい。
前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比(水溶性フェノール樹脂の質量/(アミン化合物の質量+エポキシ化合物の質量))は、鋳型強度発現の観点から、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比は、同様の観点から、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。また、前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比は、鋳型強度発現の観点から、1.0〜20が好ましく、2.0〜10がより好ましい。
前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の配合量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましい。前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の配合量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましい。また、前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の配合量の合計は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましく、20〜500質量部が更に好ましい。
前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の配合量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、3質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましく、6質量部以上が更に好ましく、10質量部以上がより更に好ましい。前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の配合量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、1000質量部以下が好ましく、500質量部以下がより好ましく、300質量部以下が更に好ましく、120質量部以下がより更に好ましい。また、前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の配合量の合計は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、3〜1000質量部が好ましく、4〜500質量部がより好ましく、6〜300質量部が更に好ましく、10〜120質量部がより更に好ましい。
[その他の成分]
本実施形態の混練工程では、本実施形態の効果を阻害しない程度にシランカップリング剤や界面活性剤やアルコール類等の添加剤を添加しても良い。
当該混練工程は、前記耐火性粒子、前記水溶性フェノール樹脂、前記有機エステル化合物、前記アミン化合物、及び前記エポキシ化合物を混練して鋳型用組成物を得る工程である。当該混練工程において、前記耐火性粒子、前記水溶性フェノール樹脂、前記有機エステル化合物、前記アミン化合物、前記エポキシ化合物を添加する順序に特に限定は無いが、保存安定性の観点から、前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物を混合して得られる第1粘結剤組成物、並びに前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物を混合して得られる第2粘結剤組成物をそれぞれ調製し、前記耐火性粒子、当該第1粘結剤組成物、当該第2粘結剤組成物を混練し、鋳型用組成物を得るのが好ましい。前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する順序に特に限定はない。即ち、前記3成分の混合は以下の何れの方法を用いても良い。
(i)前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を同時に混練する。
(ii)前記耐火性粒子と前記第1粘結剤組成物とを混練した後、前記第2粘結剤組成物を添加して前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する。
(iii)前記耐火性粒子と前記第2粘結剤組成物とを混練した後、前記第1粘結剤組成物を添加して前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する。
(iv)前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物とを混練した後、前記耐火性粒子を添加して耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する。これらの中でも、鋳型強度発現の観点から、(i)、(ii)、(iii)の方法がより好ましい。
本実施形態に係る混練工程において、前記各原料を混合する方法としては、公知一般の手法を用いることができ、例えば、バッチミキサーにより各原料を添加して混練する方法や、連続ミキサーに各原料を供給して混練する方法が挙げられる。
本実施形態の自硬性鋳型の製造方法において、当該混練工程以外は、従来の鋳型の製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することができる。好ましい鋳型の製造方法として、前記耐火性粒子、前記水溶性フェノール樹脂、前記有機エステル化合物、前記アミン化合物、及び前記エポキシ化合物を混練して鋳型用組成物を得る混練工程、及び前記鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化する硬化工程を有する自硬性鋳型の製造方法が挙げられる。
<鋳型用粘結剤キット>
前記第1粘結剤組成物及び前記第2粘結剤組成物はそれぞれ保存安定性に優れているため、作業現場における作業性向上の観点から、予め前記第1粘結剤組成物及び前記第2粘結剤組成物を調製し、耐火性粒子に混合して使用できる鋳型用粘結剤キットとすることも好ましい。
本実施形態の鋳型用粘結剤キットは、アミン化合物及び水溶性フェノールを含有する第1粘結剤組成物と、エポキシ化合物及び有機エステル化合物を含有する第2粘結剤組成物とを含む鋳型用粘結剤キットである。
〔第1粘結剤組成物〕
第1粘結剤組成物は、水溶性フェノール樹脂及びアミン化合物を含有する。当該水溶性フェノール樹脂及びアミン化合物は、前記自硬性鋳型の製造方法で用いることができる水溶性フェノール樹脂及びアミン化合物を用いることができる。
前記第1粘結剤組成物中の水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。前記第1粘結剤組成物の水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましい。また、前記第1粘結剤組成物の水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、40〜90質量%が好ましく、45〜85質量%がより好ましく、50〜80質量%が更に好ましい。
前記第1粘結剤組成物中のアミン化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。前記第1粘結剤組成物のアミン化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。また、前記第1粘結剤組成物のアミン化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、0.3〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1.0〜6質量%が更に好ましい。
前記第1粘結剤組成物中の水溶性フェノール樹脂及びアミン化合物の合計の含有量は、鋳型強度発現の観点から、45質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が更に好ましい。前記第1粘結剤組成物の水溶性フェノール樹脂及びアミン化合物の合計の含有量は、鋳型強度発現の観点から、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、86質量%以下が更に好ましい。また、前記第1粘結剤組成物の水溶性フェノール樹脂及びアミン化合物の合計の含有量は、鋳型強度発現の観点から、45〜99質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、55〜86質量%が更に好ましい。
(その他の成分)
前記第1粘結剤組成物には、本実施形態の効果を阻害しない程度にシランカップリング剤や界面活性剤やアルコール類等の添加剤や尿素、NaOHやKOH等のアルカリ、及び水が含有されてもよい。
〔第2粘結剤組成物〕
第2粘結剤組成物は、エポキシ樹脂及び有機エステル化合物を含有する。当該エポキシ樹脂及び有機エステル化合物は、前記自硬性鋳型の製造方法で記載したエポキシ樹脂及び有機エステル化合物を使用することができる。
前記第2粘結剤組成物中のエポキシ樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、1質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。前記第2粘結剤組成物のエポキシ樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、50質量%以下が好ましく、32質量%以下がより好ましく、28質量%以下が更に好ましい。また、前記第2粘結剤組成物のエポキシ樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、1〜50質量%が好ましく、7〜32質量%がより好ましく、15〜28質量%が更に好ましい。
前記第2粘結剤組成物中の有機エステル化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。前記第2粘結剤組成物の有機エステル化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましい。また、前記第2粘結剤組成物の有機エステル化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、30〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、70〜80質量%が更に好ましい。
前記第2粘結剤組成物中のエポキシ樹脂及び有機エステル化合物の合計の全粘結剤組成物中における含有量は、鋳型強度発現の観点から、8質量%以上が好ましく、14質量%以上がより好ましく、22質量%以上が更に好ましい。また、鋳型強度発現の観点から、60質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。また、前記第2粘結剤組成物のエポキシ樹脂及び有機エステル化合物の合計の前粘結剤組成物中における含有量は、鋳型強度発現の観点から、8〜60質量%が好ましく、14〜45質量%がより好ましく、22〜35質量%が更に好ましい。
(その他の成分)
前記第2粘結剤組成物には、本実施形態の効果を阻害しない程度にシランカップリング剤や界面活性剤やアルコール類等の添加剤が含有されてもよい。
本実施形態の鋳型用粘結剤キットは、前記自硬性鋳型の製造方法に用いることができる。
<鋳型用組成物>
本実施形態の鋳型用組成物は、耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混合して得られる鋳型用組成物である。
前記鋳型用組成物に係る耐火性粒子は、前記自硬性鋳型の製造方法の耐火性粒子と同様の耐火性粒子を用いることができる。
前記鋳型用組成物に係る水溶性フェノール樹脂は、前記自硬性鋳型の製造方法の水溶性フェノール樹脂と同様の水溶性フェノール樹脂を用いることができる。
前記鋳型用組成物中における水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、25質量部以上が更に好ましく、50質量部以上がより更に好ましい。前記鋳型用組成物中における水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好まし、200質量部以下がより更に好ましい。また、前記鋳型用組成物中における水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部あることがより好ましく、25〜500質量部が更に好ましく、50〜200質量部がより更に好ましい。
前記鋳型用組成物に係る有機エステル化合物は、前記自硬性鋳型の製造方法の有機エステル化合物と同様の有機エステル化合物を用いることができる。
前記鋳型用組成物中における有機エステル化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、4質量部以上が更に好ましく、10質量部以上がより更に好ましい。前記鋳型用組成物中における有機エステル化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、4000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、200質量部以下がより更に好ましい。また、前記鋳型用組成物中における有機エステル化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、2〜4000質量部が好ましく、3〜1000質量部がより好ましく、4〜500質量部が更に好ましく、10〜200質量部がより更に好ましい。
前記鋳型用組成物に係るアミン化合物は、前記自硬性鋳型の製造方法のアミン化合物と同様のアミン化合物を用いることができる。
前記鋳型用組成物中におけるアミン化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましい。前記鋳型用組成物中におけるアミン化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、30質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。また、前記鋳型用組成物中におけるアミン化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1.0〜10質量部が更に好ましい。
前記鋳型用組成物に係るエポキシ化合物は、前記自硬性鋳型の製造方法のエポキシ化合物と同様のエポキシ化合物を用いることができる。
前記鋳型用組成物中におけるエポキシ化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上が更に好ましい。前記鋳型用組成物中におけるエポキシ化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましい。また、前記鋳型用組成物中におけるエポキシ化合物の含有量は、鋳型強度発現の観点、及び良質な鋳物を得る観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、1.0〜30質量部が好ましく、1.5〜25質量部がより好ましく、3.0〜20質量部が更に好ましい。
前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比(アミン化合物の質量/エポキシ化合物の質量)は、鋳型強度発現の観点から、0.004以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましい。前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比は、同様の観点から、3.00以下が好ましく、0.80以下がより好ましく、0.70以下が更に好ましい。また、前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比は、鋳型強度発現の観点から、0.004〜3.00が好ましく、0.02〜0.80がより好ましく、0.15〜0.70が更に好ましい。
前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の当量比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)は、鋳型強度発現の観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.40が更に好ましい。前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)は、同様の観点から、2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.2以下が更に好ましい。また、前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)は、鋳型強度発現の観点から、0.01〜2.0が好ましく、0.05〜1.8がより好ましく、0.40〜1.2が更に好ましい。
前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比(水溶性フェノール樹脂の質量/(アミン化合物の質量+エポキシ化合物の質量))は、鋳型強度発現の観点から、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比は、同様の観点から、20以下が好ましく、10以下がより好ましい。また、前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比は、鋳型強度発現の観点から、1.0〜20が好ましく、2.0〜10がより好ましい。
前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の含有量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましい。前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の含有量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましい。また、前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の含有量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましく、20〜500質量部が更に好ましい。
前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の含有量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、3質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましく、6質量部以上が更に好ましく、10質量部以上が更により好ましい。前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の含有量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、1000質量部以下が好ましく、500質量部以下がより好ましく、300質量部以下が更に好ましく、120質量部以下が更により好ましい。また、前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の含有量の合計は、鋳型強度発現の観点から、耐火性粒子10000質量部に対し、3〜1000質量部が好ましく、4〜500質量部がより好ましく、6〜300質量部が更に好ましく、10〜120質量部がより更に好ましい。
[その他の成分]
前記混練工程では、本実施形態の効果を阻害しない程度にシランカップリング剤や界面活性剤やアルコール類等の添加剤を添加しても良い。
前記耐火性粒子、前記水溶性フェノール樹脂、前記有機エステル化合物、前記アミン化合物、及び前記エポキシ化合物を添加する順序に特に限定は無いが、保存安定性の観点から、前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物を混合して得られる第1粘結剤組成物、並びに前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物を混合して得られる第2粘結剤組成物をそれぞれ調製し、前記耐火性粒子、当該第1粘結剤組成物、当該第2粘結剤組成物を混練し、鋳型用組成物を得るのが好ましい。
前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する順序に特に限定はない。即ち、前記3成分の混合は以下の何れの方法を用いても良い。
(i)前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を同時に混練する。
(ii)前記耐火性粒子と前記第1粘結剤組成物とを混練した後、前記第2粘結剤組成物を添加して前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する。
(iii)前記耐火性粒子と前記第2粘結剤組成物とを混練した後、前記第1粘結剤組成物を添加して前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する。
(iv)前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物とを混練した後、前記耐火性粒子を添加して前記耐火性粒子、前記第1粘結剤組成物、及び前記第2粘結剤組成物を混練する。これらの中でも、鋳型強度発現の観点から、(i)、(ii)、(iii)の方法がより好ましい。
前記各原料を混練する方法としては、公知一般の手法を用いることができ、例えば、バッチミキサーにより各原料を添加して混練する方法や、連続ミキサーに各原料を供給して混練する方法が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の組成物、製造方法、或いは用途を開示する。
<1>耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混練して鋳型用組成物を得る混練工程を有する自硬性鋳型の製造方法。
<2>前記耐火性粒子が、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂、再生砂が好ましく、再生砂がより好ましい前記<1>に記載の自硬性鋳型の製造方法。
<3>前記水溶性フェノール樹脂の配合量が、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で5質量部以上が好ましく、8質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、200質量部以下がより更に好ましく、5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましく、25〜500質量部が更に好ましく、50〜200質量部がより更に好ましい、前記<1>又は<2>に記載の自硬性鋳型の製造方法。
<4>前記有機エステル化合物が、分子内にエステル結合を1〜5個含有することが好ましい、前記<1>〜<3>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<5>前記有機エステル化合物が、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセテート、トリアセチン、アセト酢酸エチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルが好ましく、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセテート、トリアセチン、アセト酢酸エチルがより好ましい、前記<1>〜<4>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<6>前記有機エステル化合物の配合量が、耐火性粒子10000質量部に対し、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、4質量部以上が更に好ましく、10質量部以上がより更に好ましく、4000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、200質量部以下がより更に好ましく、2〜4000質量部が好ましく、3〜1000質量部がより好ましく、4〜500質量部が更に好ましく、10〜200質量部がより更に好ましい、前記<1>〜<5>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<7>前記アミン化合物が、末端が1級アミンであることが好ましく、構造内に炭素を2以上、好ましくは4以上含有するアミン化合物が更に好ましい、前記<1>〜<6>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<8>前記アミン化合物の配合量が、耐火性粒子10000質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましく、30質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましく、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1.0〜10質量部が更に好ましい、前記<1>〜<7>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<9>前記エポキシ化合物が、エポキシ基を2以上含有するものが好ましい、前記<1>〜<8>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<10>前記エポキシ化合物が、脂肪族エポキシ樹脂が好ましく、脂環族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族グリシジルエステル型エポキシ樹脂がより好ましい、前記<1>〜<9>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<11>前記エポキシ化合物の配合量が、耐火性粒子10000質量部に対し、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上が更に好ましく、30.0質量部以下が好ましく、25.0質量部以下がより好ましく、20.0質量部以下が更に好ましく、1.0〜30.0質量部が好ましく、1.5〜25.0質量部がより好ましく、3.0〜20.0質量部が更に好ましい、前記<1>〜<10>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<12>前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比(アミン化合物の質量/エポキシ化合物の質量)が、0.004以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましく、3.00以下が好ましく、0.80以下がより好ましく、0.70以下がより好ましく、0.004〜3.00が好ましく、0.02〜0.80がより好ましく、0.15〜0.70が更に好ましい、前記<1>〜<11>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<13>前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の当量比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)が、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.40以上が更に好ましく、2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.2以下が更に好ましく、0.01〜2.0が好ましく、0.05〜1.8がより好ましく、0.40〜1.2が更に好ましい、前記<1>〜<12>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<14>前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比(水溶性フェノール樹脂の質量/(アミン化合物の質量+エポキシ化合物の質量))が、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、1.0〜20が好ましく、2.0〜10がより好ましい、前記<1>〜<13>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<15>前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の配合量の合計が、耐火性粒子10000質量部に対し、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましく、2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましく、20〜500質量部が更に好ましい、前記<1>〜<14>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<16>前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の配合量の合計が、耐火性粒子10000質量部に対し、3質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましく、6質量部以上が更に好ましく、10質量部以上がより更に好ましく、1000質量部以下が好ましく、500質量部以下がより好ましく、300質量部以下が更に好ましく、120質量部以下がより更に好ましく、3〜1000質量部が好ましく、4〜500質量部がより好ましく、6〜300質量部が更に好ましく、10〜120質量部が更に好ましい、前記<1>〜<15>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<17>前記混練工程において、更に、シランカップリング剤を添加することが好ましい、前記<1>〜<16>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<18>前記混練工程において、前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物を混合して得られる第1粘結剤組成物、並びに前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物を混合して得られる第2粘結剤組成物をそれぞれ調製し、前記耐火性粒子、当該第1粘結剤組成物、当該第2粘結剤組成物を混練し、鋳型用組成物を得るのが好ましい、前記<1>〜<17>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<19>更に、前記耐火性粒子、前記水溶性フェノール樹脂、前記有機エステル化合物、鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化する硬化工程を有する、前記<1>〜<18>のいずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法。
<20>前記アミン化合物及び前記水溶性フェノールを含有する第1粘結剤組成物と、前記エポキシ化合物及び前記有機エステル化合物を含有する第2粘結剤組成物とからなる鋳型用粘結剤キット。
<21>前記第1粘結剤組成物中の水溶性フェノール樹脂の含有量が、40質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましく、40〜90質量%が好ましく、45〜85質量%がより好ましく、50〜80質量%が更に好ましい、前記<20>に記載の鋳型用粘結剤キット。
<22>前記第1粘結剤組成物中のアミン化合物の含有量が、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましく、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましく、0.3〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1.0〜6質量%が更に好ましい、前記<20>又は<21>に記載の鋳型用粘結剤キット。
<23>前記第1粘結剤組成物中の水溶性フェノール樹脂及びアミン化合物の合計の含有量が、45質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が更に好ましく、99質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、86質量%以下が更に好ましく、45〜99質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、55〜86質量%が更に好ましい、前記<20>〜<22>のいずれかに記載の鋳型用粘結剤キット。
<24>前記第1粘結剤組成物が、更に、シランカップリング剤を含有するのが好ましい、前記<20>〜<23>のいずれかに記載の鋳型用粘結剤キット。
<25>前記第2粘結剤組成物中のエポキシ樹脂の含有量が、1質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましく、50質量%以下が好ましく、32質量%以下がより好ましく、28質量%以下が更に好ましく、1〜50質量%が好ましく、7〜32質量%がより好ましく、15〜28質量%が更に好ましい、前記<20>〜<24>のいずれかに記載の鋳型用粘結剤キット。
<26>前記第2粘結剤組成物の有機エステル化合物の含有量が、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましく、30〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、70〜8025質量%が更に好ましい、前記<20>〜<25>のいずれかに記載の鋳型用粘結剤キット。
<27>前記第2粘結剤組成物のエポキシ樹脂及び有機エステル化合物の合計の全粘結剤組成物中における含有量が、8質量%以上が好ましく、14質量%以上がより好ましく、22質量%以上が更に好ましく、60質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましく、8〜60質量%が好ましく、14〜45質量%がより好ましく、22〜35質量%が更に好ましい、前記<20>〜<26>のいずれかに記載の鋳型用粘結剤キット。
<28>前記第2粘結剤組成物が、更に、シランカップリング剤を含有するのが好ましい、前記<20>〜<27>のいずれかに記載の鋳型用粘結剤キット。
<29>前記<1>〜<19>いずれかに記載の自硬性鋳型の製造方法に用いることが好ましい、前記<20>〜<28>のいずれかに記載の鋳型用粘結剤キット。
<30>前記耐火性粒子、前記水溶性フェノール樹脂、前記有機エステル化合物、前記アミン化合物、及び前記エポキシ化合物を混合して得られる鋳型用組成物。
<31>前記水溶性フェノール樹脂の含有量が、耐火性粒子10000質量部に対し、固形分で5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、25質量部以上が更に好ましく、50質量部以上がより更に好ましく、固形分で2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、200質量部以下がより更に好ましく、固形分で5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましく、25〜500質量部が更に好ましく、50〜200質量部が更に好ましい、前記<30>に記載の鋳型用組成物。
<32>前記有機エステル化合物の含有量が、耐火性粒子10000質量部に対し、2質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、4質量部以上が更に好ましく、10質量部以上がより更に好ましく、4000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、200質量部以下が更に好ましく、2〜4000質量部が好ましく、3〜1000質量部がより好ましく、4〜500質量部が更に好ましく、10〜200質量部がより更に好ましい、前記<30>又は<31>に記載の鋳型用組成物。
<33>前記アミン化合物の含有量が、耐火性粒子10000質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1.0質量部以上が更に好ましく、30質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましく、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、1.0〜10質量部が更に好ましい、前記<30>〜<32>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<34>前記エポキシ化合物の含有量が、耐火性粒子10000質量部に対し、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、3.0質量部以上が更に好ましく、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましく、1.0〜30質量部が好ましく、1.5〜25質量部がより好ましく、3.0〜20質量部が更に好ましい、前記<30>〜<33>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<35>前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の質量比(アミン化合物の質量/エポキシ化合物の質量)が、0.004以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましく、3.00以下が好ましく、0.80以下がより好ましく、0.70以下が更に好ましく、0.004〜3.00が好ましく、0.02〜0.80がより好まし、0.15〜0.70がより好ましい、前記<30>〜<34>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<36>前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の当量比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)が、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.40以上が更に好ましく、2.0以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.2以下がより好ましく、0.01〜2.0が好ましく、0.05〜1.8がより好まし、0.40〜1.2が更に好ましい、前記<30>〜<35>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<37>前記水溶性フェノール樹脂と、前記アミン化合物及び前記エポキシ化合物の合計の質量比(水溶性フェノール樹脂の質量/(アミン化合物の質量+エポキシ化合物の質量))が、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、1.0〜20が好ましく、2.0〜10がより好ましい、前記<30>〜<36>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<38>前記水溶性フェノール樹脂及び前記アミン化合物の含有量の合計が、耐火性粒子10000質量部に対し、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましく、2000質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、500質量部以下が更に好ましく、5〜2000質量部が好ましく、10〜1000質量部がより好ましく、20〜500質量部が更に好ましい、前記<30>〜<37>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<39>前記エポキシ樹脂及び前記有機エステル化合物の含有量の合計が、耐火性粒子10000質量部に対し、3質量部以上が好ましく、4質量部以上がより好ましく、6質量部以上が更に好ましく、10質量部以上が更により好ましく、1000質量部以下が好ましく、500質量部以下がより好ましく、300質量部以下が更に好ましく、120質量部以下が更により好ましく、3〜1000質量部が好ましく、4〜500質量部がより好ましく、6〜300質量部が更に好ましく、10〜120質量部がより更に好ましい、前記<30>〜<38>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<40>更に、シランカップリング剤を含有するのが好ましい、前記<30>〜<39>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
<41>前記<1>〜<19>いずれかに記載の混練工程で得られるのが好ましい、前記<30>〜<40>のいずれかに記載の鋳型用組成物。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
<実施例1〜15、比較例1〜15>
〔耐火性粒子〕
(新砂)
新砂はエスパール#60L(山川産業株式会社製)を用いた。
(再生砂の調製)
エスパール#60L (山川産業株式会社製 新砂)100質量部に対し、水溶性フェノール樹脂(「カオーステップ SH−8010」花王クエーカー社製)と、当該水溶性フェノール樹脂の硬化剤として有機エステル化合物(トリアセチン)とを添加混練して得られた鋳型用組成物を用いて造型した鋳型を用いて鋳造後、再生処理した砂を用いた。
〔水溶性フェノール樹脂の調製〕
温度計及び撹拌機を装着した2リットルガラス容器に、フェノール773g、48.5質量%水酸化カリウム水溶液190g、水323gを混合し、82℃に加熱した。その後、50%ホルマリン溶液937gを加え、82℃で反応を行い、重量平均分子量が約3000のフェノール−ホルムアルデヒド変性樹脂を得た。
〔第1粘結剤組成物の調製〕
前記フェノール−ホルムアルデヒド変性樹脂、水、48.5質量%水酸化カリウム水溶液、48.5質量%水酸化ナトリウム水溶液、尿素、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−403)、アルミン酸ナトリウム、及び表1に記載のアミン化合物をそれぞれ表1に記載の質量比で混合して第1粘結剤組成物を得た。
〔第2粘結剤組成物の調製〕
γ−ブチロラクトン15.8質量部、エポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製 EX−314)9.20質量部を添加して第2粘結剤組成物を得た。
〔評価方法〕
[水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)]
水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、下記条件で測定した。
(a)サンプル調製:試料に同重量のイオン交換水を加え、0.1質量%のHSOを加えて中和した。生成した沈殿を濾過分離し、水洗し、乾燥した。これをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、GPC用のサンプルを調製した。
(b)カラム:ガードカラムTSX(東洋曹達工業社製)HXL(6.5mmφ×4cm)1本と、TSK3000HXL(7.8mmφ×30cm)1本と、TSK2500HXL(7.8mmφ×30cm)1本を使用する。注入口側よりガードカラム−3000HXL−2500HXLの順に接続した。
(c)標準物質:ポリスチレン(東洋曹達工業社製)
(d)溶出液:THF(流速:1cm/min)
(e)カラム温度:25℃
(f)検出器:紫外分光光度計(フェノールの紫外吸収の最大ピークの波長において定量)
(g)分子量計算の為の分割法:時間分割(2sec)
[鋳型の圧縮強度]
耐火性粒子10000質量部に対して、第1粘結剤組成物100質量部と、第2粘結剤組成物25質量部とを混練して得られた鋳型用組成物を用いて成型したテストピース(50mm×50mmφ)の24時間後の圧縮強度を測定した。圧縮する速度は5mm/secで行い、圧縮強度の計算は、荷重/テストピースの断面積から算出した。各実施例及び比較例の測定結果を表1に示す。鋳型用組成物を型込めする際の雰囲気温度、及び圧縮強度評価の際の雰囲気温度は、5℃、55%RH、又は25℃55%RHに揃えた。また、型込めする際の鋳型用組成物の温度は、型込めをする際の雰囲気温度と同じとした。各実施例及び比較例における型込めの際の雰囲気温度、及び圧縮強度評価の際の雰囲気温度を表1に示す。
各実施例及び比較例の配合、及び測定結果を表1に示す。
Figure 0006216637

Claims (9)

  1. 耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混練して鋳型用組成物を得る混練工程を有し、
    前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の当量比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)が0.01〜2.0である自硬性鋳型の製造方法。
  2. 前記アミン化合物が、炭素を2以上含有し、末端が1級アミンである請求項1に記載の自硬性鋳型の製造方法。
  3. 前記エポキシ化合物が、エポキシ基を2以上含有する脂環式エポキシ化合物である、請求項1又は2に記載の自硬性鋳型の製造方法。
  4. アミン化合物及び水溶性フェノールを含有する第1粘結剤組成物と、エポキシ化合物及び有機エステル化合物を含有する第2粘結剤組成物とを有し、
    前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の当量比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)が0.01〜2.0である鋳型用粘結剤キット。
  5. 前記アミン化合物が、炭素を2以上含有し、末端が1級アミンである請求項4に記載の鋳型用粘結剤キット。
  6. 前記エポキシ化合物が、エポキシ基を2以上含有する脂環式エポキシ化合物である、請求項4又は5に記載の鋳型用粘結剤キット。
  7. 耐火性粒子、水溶性フェノール樹脂、有機エステル化合物、アミン化合物、及びエポキシ化合物を混合して得られる鋳型用組成物であって、
    前記アミン化合物と前記エポキシ化合物の当量比(アミノ基のモル数/エポキシ基のモル数)が0.01〜2.0である鋳型用組成物
  8. 前記アミン化合物が、炭素を2以上含有し、末端が1級アミンである請求項7に記載の鋳型用組成物。
  9. 前記エポキシ化合物が、エポキシ基を2以上含有する脂環式エポキシ化合物である、請求項7又は8に記載の鋳型用組成物。
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