JP2020142299A - 鋳型造型用粘結剤組成物 - Google Patents

鋳型造型用粘結剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳型造型時や鋳物製造時のホルムアルデヒド臭及びアミン臭の発生を抑制することができ、保存安定性に優れた鋳型造型用粘結剤組成物を提供すること。【解決手段】水溶性フェノール樹脂と、下記式(1)に示す化合物とを含有し、窒素含有量が0.1〜1.1質量%である鋳型造型用粘結剤組成物。【化1】(式(1)において、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びヒドロキシエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜4の整数を示す。ただし、R1、R2、R3、R4が何れも水素原子であり、且つnが1である場合を除く。)【選択図】 なし

Description

本発明は、鋳型造型用粘結剤組成物に関する。
粘結剤を用いて主型や中子のような鋳型を製造する造型法として、自硬性鋳型造型法が知られている。上記自硬性鋳型造型法としては、粘結剤である水溶性フェノール樹脂をエステル系硬化剤で硬化せしめる鋳型造型法が知られている(下記特許文献1)。上記の粘結剤組成物を用いた鋳型製造法は、鋳型造型時や鋳物製造時の加熱により、ホルムアルデヒド臭が生じることがあり、作業環境の面で改善の余地があった。
上記課題の解決方法として、水溶性フェノール樹脂にホルムアルデヒド捕捉剤として有機窒素化合物を添加する方法が知られている(下記特許文献2)。しかしながら、有機窒素化合物を添加すると、水溶性フェノール樹脂が増粘し、保存安定性にとって好ましくない場合があることが示唆されている(下記特許文献3)。
特開2000−158091号公報 特許第2504672号公報 特開2005−186097号公報
本発明は、鋳型造型時や鋳物製造時のホルムアルデヒド臭及びアミン臭の発生を抑制することができ、保存安定性に優れた鋳型造型用粘結剤組成物を提供する。
本発明の鋳型造型用粘結剤組成物は、水溶性フェノール樹脂と、下記式(1)に示す化合物とを含有し、窒素含有量が0.1〜1.1質量%である。
Figure 2020142299
(式(1)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びヒドロキシエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜4の整数を示す。ただし、R、R、R、Rが何れも水素原子であり、且つnが1である場合を除く。)
本発明によれば、鋳型造型時や鋳物製造時のホルムアルデヒド臭及びアミン臭の発生を抑制することができ、保存安定性に優れた鋳型造型用粘結剤組成物を提供することができる。
<鋳型造型用粘結剤組成物>
本実施形態の鋳型造型用粘結剤組成物(以下、粘結剤組成物ともいう)は、水溶性フェノール樹脂と、下記式(1)に示す化合物とを含有し、窒素含有量が0.1〜1.1質量%である。
Figure 2020142299
(式(1)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びヒドロキシエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜4の整数を示す。ただし、R、R、R、Rが何れも水素原子であり、且つnが1である場合を除く。)本実施形態の粘結剤組成物によれば、鋳型造型時や鋳物製造時のホルムアルデヒド臭及びアミン臭の発生を抑制することができ、保存安定性に優れた鋳型造型用粘結剤組成物を提供することができる。
〔水溶性フェノール樹脂〕
前記水溶性フェノール樹脂は、エステル化合物で硬化可能な樹脂であり、一般にはアルカリ条件下でフェノール化合物とアルデヒド化合物とを重縮合させることによって得られるものである。このうちフェノール化合物としては、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、クレゾール、3,5−キシレノール、レゾルシン、カテコール、ノニルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、イソプロペニルフェノール、フェニルフェノール、その他の置換フェノールを含めたフェノール類や、カシューナット殻液のような各種のフェノール化合物の混合物等を1種又は2種以上混合して使用することができる。また、アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、フルフラール、グリオキザール等を1種又は2種以上混合して使用することができる。これらの化合物は必要に応じて水溶液として用いることができる。また、これらに、尿素、メラミン、シクロヘキサノン等のアルデヒド化合物と縮合が可能なモノマーや、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコール等の1価の脂肪族アルコール化合物や、水溶性高分子のポリアクリル酸塩や、セルロース誘導体高分子、ポリビニルアルコール、リグニン誘導体などを混合しても差し支えない。
前記水溶性フェノール樹脂の合成に用いられるアルカリ触媒としては、LiOH、NaOH、KOHなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられるが、特にNaOH、KOHが好ましい。また、これらのアルカリ触媒を混合して用いてもよい。
前記水溶性フェノール樹脂水溶液の固形分質量(105℃で3時間乾燥後の固形質量)は、鋳型強度を向上させる観点から、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。前記水溶性フェノール樹脂水溶液の固形分質量は、鋳型強度を向上させる観点及び作業性を向上させる観点から、80質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましい。また、前記水溶性フェノール樹脂水溶液の固形分質量は、鋳型強度を向上させる観点及び作業性を向上させる観点から、30〜80質量%が好ましく、40〜65質量%がより好ましい。
前記水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、鋳型強度を向上させる観点から、500以上が好ましく、800以上がより好ましく、1200以上が更に好ましい。前記水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、鋳型強度を向上させる観点及び作業性を向上させる観点から、8000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましい。また、前記水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、鋳型強度を向上させる観点及び作業性を向上させる観点から、500〜8000が好ましく、800〜5000がより好ましく、1200〜3000がより好ましい。なお、水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定する。
前記粘結剤組成物中の前記水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度を向上させる観点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。前記粘結剤組成物中の前記水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度を向上させる観点、及び作業性を向上させる観点から、95質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましく、50質量%以下がより更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中の前記水溶性フェノール樹脂の含有量は、鋳型強度を向上させる観点、及び作業性を向上させる観点から、10〜95質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、20〜60質量%が更に好ましく、25〜50質量%がより更に好ましい。
〔式(1)に示す化合物〕
前記式(1)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びヒドロキシエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、保存安定性を向上させる観点及びホルムアルデヒド発生量を低減させる観点から、R、Rの少なくとも何れかが水素原子であり、R、Rの少なくとも何れかが水素原子であることが好ましい。
前記式(1)において、nは1〜4の整数であり、保存安定性を向上させる観点から、1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、2が更に好ましい。
また、式(1)に示す化合物は、皮膚に対する強い刺激性や蒸気による眼粘膜に対する刺激性等の安全性の観点から、R、R、R、Rが何れも水素原子であり、且つnが1である化合物、すなわち、エチレンジアミンを含まない。
前記式(1)に示す化合物としてはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が例示でき、保存安定性を向上させる観点から、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上がより好ましく、ジエチレントリアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が更に好ましい。
前記粘結剤組成物中の窒素含有量は、保存安定性を向上させる観点及び鋳型造型時や鋳物製造時(以下、鋳型造型時等という)のホルムアルデヒド発生量を低減させる観点から、0.1質量%以上であり、0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、鋳型造型時等のアミン系ガス発生量を低減させる観点から、1.1質量%以下であり、1.0質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下が更に好ましい。また、保存安定性を向上させる観点及び鋳型造型時等のホルムアルデヒドやアミン系ガスの発生量を低減させる観点から、前記粘結剤組成物中の窒素含有量は0.1〜1.1質量%であり、0.2〜1.1質量%が好ましく、0.3〜1.0質量%がより好ましく、0.3〜0.9質量%が更に好ましく、0.3〜0.8質量%がより更に好ましい。本明細書において、前記粘結剤組成物中の窒素含有量は実施例に記載の方法により測定する。
前記粘結剤組成物中の前記式(1)で示す化合物の含有量は、保存安定性を向上させる観点及び鋳型造型時等のホルムアルデヒド発生量を低減させる観点から、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.9質量%以上が更に好ましく、1.1質量%以上がより更に好ましく、鋳型造型時等のアミン系ガス発生量低減の観点から、4.5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましく、1.7質量%以下がより更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中の前記式(1)で示す化合物の含有量は、保存安定性を向上させる観点及び鋳型造型時等のホルムアルデヒドやアミン系ガスの発生量を低減させる観点から、0.3〜4.5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましく、0.9〜3質量%が更に好ましく、1.1〜2質量%がより更に好ましく、1.1〜1.7質量%がより更に好ましい。
なお、前記粘結剤組成物は、前記式(1)で示す化合物以外のアミンを含むことを排除するものではない。その場合のその他のアミンは、保存安定性を向上させる観点から、アミン全体の30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的に含まないとは、故意に含有させないことを意味し、例えば、粘結剤組成物の原料等に含まれており、意図せずに含まれることを意味する。
〔その他の成分〕
前記粘結剤組成物は、更に、本実施形態の効果を阻害しない程度に水、シランカップリング剤、尿素、界面活性剤、アルコール類等の添加剤が含まれていても良い。なお、前記粘結剤組成物中にシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の最終強度をより向上させることができるため好ましい。前記シランカップリング剤の例としては、γ−(2−アミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。前記粘結剤組成物中の前記シランカップリング剤の含有量は、鋳型強度を向上させる観点から、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜1質量%がより好ましい。
<鋳型の製造方法>
本実施形態の鋳型の製造方法において、従来の鋳型の製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することができる。好ましい鋳型の製造方法として、少なくとも前記粘結剤組成物及び耐火性粒子を混合して鋳型造型用組成物を得る混合工程、及び当該鋳型造型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法が挙げられる。
〔耐火性粒子〕
本実施形態の鋳型の製造方法で使用可能な耐火性粒子としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収して再生処理した再生砂も使用できるが、経済性の観点、及び当該鋳型の製造方法の効果発現の観点から再生砂が好ましい。なお、耐火性粒子は、単独で使用又は2種以上を併用することができる。
前記混合工程では、少なくとも前記粘結剤組成物、及び前記耐火性粒子を混合する。また、前記粘結剤組成物、及び前記耐火性粒子に加えて硬化剤を混合してもよい。当該硬化剤は前記粘結剤組成物を硬化させるものであれば特に限定なく用いることができるが、鋳型強度を向上させる観点からエステル化合物が好ましい。
前記エステル化合物は、水溶性フェノール樹脂の硬化剤として使用できる従来公知のエステル化合物であればよい。当該エステル化合物としては、ラクトン類或いは炭素数1〜10の一価又は多価アルコールと炭素数1〜10の有機カルボン酸より導かれる有機エステル化合物の単独もしくは混合物挙げられるが、鋳型強度を向上させる観点から、自硬性鋳型造型法では硬化剤としてγ−ブチロラクトン、プロピオンラクトン、ε−カプロラクトン、ギ酸エチル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノアセテート、トリアセチン等を用いるのが好ましい。
前記耐火性粒子と前記粘結剤組成物と前記硬化剤との比率は適宜設定できるが、鋳型強度を向上させる観点から、前記耐火性粒子10000質量部に対して、前記粘結剤組成物が50質量部以上が好ましく、300質量部以下が好ましい。鋳型の最終強度を向上させる観点から、前記耐火性粒子10000質量部に対して、前記硬化剤が10質量部以上が好ましく、80質量部以下が好ましい。
前記混合工程において、各原料を混合する方法としては、公知一般の手法を用いることが出来、例えば、バッチミキサーにより各原料を添加して混練する方法や、連続ミキサーに各原料を供給して混練する方法が挙げられる。
前記硬化工程において、当該鋳型造型用組成物を硬化させる方法としては、公知一般の手法を用いることができる。
<鋳型用組成物>
本実施形態の鋳型用組成物は、前記粘結剤組成物、前記硬化剤、及び前記耐火性粒子を含有する。すなわち、本実施形態の鋳型用組成物は、前記水溶性フェノール樹脂、前記硬化剤、前記式(1)に示す化合物、及び前記耐火性粒子を含有し、窒素含有量が0.001〜0.011質量%である。
前記鋳型用組成物中の窒素含有量は、鋳型造型時等のホルムアルデヒドの発生量を低減させる観点から、0.001質量%以上であり、0.002質量%以上が好ましく、0.0003質量%以上がより好ましく、鋳型造型時等のアミン系ガス発生量を低減させる観点から、0.011質量%以下であり、0.010質量%以下が好ましく、0.009質量%以下がより好ましく、0.008質量%以下が更に好ましい。また、前記鋳型用組成物中の窒素含有量は、鋳型造型時等のホルムアルデヒドやアミン系ガスの発生量を低減させる観点から、0.001〜0.011質量%であり、0.002〜0.010質量%が好ましく、0.0003〜0.009質量%がより好ましく、0.0003〜0.008質量%が更に好ましい。
前記鋳型用組成物中の水溶性フェノール樹脂100質量部に対する窒素含有量は、鋳型造型時等のホルムアルデヒドの発生量を低減させる観点から、0.3質量部以上が好ましく、0.6質量部以上がより好ましく、0.9質量部以上が更に好ましく、鋳型造型時等のアミン系ガス発生量を低減させる観点から、3.4質量部以下が好ましく、3.3質量部以下がより好ましく、2.7質量部以下が更に好ましく、2.4質量部以下がより更に好ましい。また、前記鋳型用組成物中の水溶性フェノール樹脂100質量部に対する窒素含有量は、鋳型造型時等のホルムアルデヒドやアミン系ガス発生量を低減させる観点から、0.3〜3.4質量部が好ましく、0.6〜3.3質量部がより好ましく、0.9〜2.7質量部が更に好ましく、0.9〜2.4質量部がより更に好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の鋳型造型用粘結剤組成物、鋳型の製造方法および鋳型用組成物を開示する。
<1> 水溶性フェノール樹脂と、下記式(1)に示す化合物とを含有し、窒素含有量が0.1〜1.1質量%である鋳型造型用粘結剤組成物。
Figure 2020142299
(式(1)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びヒドロキシエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜4の整数を示す。ただし、R、R、R、Rが何れも水素原子であり、且つnが1である場合を除く。)
<2> 前記(1)中のR、Rの少なくとも1つが水素原子であり、R、Rの少なくとも1つが水素原子である、<1>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<3> 前記(1)中のnが1〜3の整数である、<1>又は<2>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<4> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<5> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<6> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<7> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<8> 前記窒素含有量が0.2〜1.1質量%である、前記<1>乃至<7>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<9> 前記窒素含有量が0.3〜0.8質量%である、前記<1>乃至<8>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<10> 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記式(1)で示す化合物の含有量が0.9〜3質量%である、前記<1>乃至<9>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<11> 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記式(1)で示す化合物の含有量が1.1〜2質量%である、前記<1>乃至<10>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<12> 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記式(1)で示す化合物の含有量が1.1〜1.7質量%である、前記<1>乃至<11>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<13> 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記水溶性フェノール樹脂の含有量が10〜95質量%である、前記<1>乃至<12>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<14> 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記水溶性フェノール樹脂の含有量が20〜60質量%である、前記<1>乃至<12>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<15> 前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記水溶性フェノール樹脂の含有量が25〜50質量%である、前記<1>乃至<12>の何れか一つに鋳型造型用粘結剤組成物。
<16> 前記<1>乃至<15>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物及び耐火性粒子を混合して鋳型造型用組成物を得る混合工程、及び当該鋳型造型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法。
<17> 前記<1>乃至<15>の何れか一つに記載の鋳型造型用粘結剤組成物、硬化剤及び耐火性粒子を含有する鋳型用組成物。
<18> 水溶性フェノール樹脂、硬化剤、前記式(1)に示す化合物、及び耐火性粒子を含有し、窒素含有量が0.001〜0.011質量%である鋳型用組成物。
<19> 前記(1)中のR、Rの少なくとも1つが水素原子であり、R、Rの少なくとも1つが水素原子である、<18>に記載の鋳型用組成物。
<20> 前記(1)中のnが1〜3の整数である、<18>又は<19>に記載の鋳型用組成物。
<21> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<18>に記載の鋳型用組成物。
<22> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<18>に記載の鋳型用組成物。
<23> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<18>に記載の鋳型用組成物。
<24> 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である<18>に記載の鋳型用組成物。
<25> 前記窒素含有量が0.002〜0.010質量%である、前記<18>乃至<24>の何れか一つに記載の鋳型用組成物。
<26> 前記窒素含有量が0.0003〜0.008質量%質量%である、前記<18>乃至<24>の何れか一つに記載の鋳型用組成物。
<27> 前記水溶性フェノール樹脂100質量部に対する窒素含有量が0.3〜3.4質量部である、前記<18>乃至<26>の何れか一つに記載の鋳型用組成物。
<28> 前記水溶性フェノール樹脂100質量部に対する窒素含有量が0.6〜3.3質量部である、前記<18>乃至<26>の何れか一つに記載の鋳型用組成物。
<29> 前記水溶性フェノール樹脂100質量部に対する窒素含有量が0.9〜2.4質量部である、前記<18>乃至<26>の何れか一つに記載の鋳型用組成物。
<30> 前記耐火性粒子10000質量部に対して、前記鋳型造型用粘結剤組成物が50〜300質量部であり、前記硬化剤が10〜80質量部である、前記<18>乃至<29>の何れか一つに記載の鋳型用組成物。
<実施例1〜9、比較例1〜10>
〔耐火性粒子〕
新砂はエスパール#60H(山川産業株式会社製)を用いた。
〔水溶性フェノール樹脂の調製〕
温度計及び撹拌機を装着した2リットルガラス容器に、フェノール773g、48.5質量%水酸化カリウム水溶液190g、水323gを混合し、82℃に昇温させた。その後、50%ホルマリン溶液937gを徐々に加え、82℃で5時間の反応を行い水溶性フェノール樹脂(レゾール樹脂)水溶液を得た。当該水溶性フェノール樹脂水溶液の固形分濃度は49.6質量%であった。また、当該水溶性フェノール樹脂水溶液に含有される水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は1970であった。なお、当該水溶性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、以下の条件で測定した。
(a)サンプル調製:試料に同質量のイオン交換水を加え、0.1質量%のHSOを加えて中和した。生成した沈殿を濾過分離し、水洗し、乾燥した。これをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、GPC用のサンプルを調製した。
(b)カラム:ガードカラムTSX(東洋曹達工業社製)HXL(6.5mmφ×4cm)1本と、TSK3000HXL(7.8mmφ×30cm)1本と、TSK2500HXL(7.8mmφ×30cm)1本を使用する。注入口側よりガードカラム−3000HXL−2500HXLの順に接続した。
(c)標準物質:ポリスチレン(東洋曹達工業社製)
(d)溶出液:THF(流速:1cm/min)
(e)カラム温度:25℃
(f)検出器:紫外分光光度計(フェノールの紫外吸収の最大ピークの波長において定量)
〔粘結剤組成物の調製〕
表1〜3に記載の組成になるように各成分を配合し、各実施例及び比較例に係る粘結剤組成物を得た。なお、表1中、シランカップリング剤は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBM−403)である。
〔評価方法〕
[粘結剤組成物中の窒素含有量]
JIS M 8813に示されるケルダール法にて測定を行った。測定結果を表1に示す。
[保存安定性]
上記の方法に従い調整した粘結剤組成物について、製造直後及び密閉容器内で35℃下で12日保管後に、E型粘度計(東京計器社製)を用いて25℃における粘度を測定した。測定値を片対数グラフにプロットし、指数近似曲線から得られた傾きを増粘速度とし、当該増粘速度を保存安定性の指標として表1に示した。増粘速度の数値が小さいほど粘度変化が少なく、粘結剤組成物が保存安定性に優れることを示す。結果を表1〜3に示す。
[ホルムアルデヒドの発生量、及びアミン系ガスの発生量の測定用テストピースの作成]
耐火性粒子10000質量部、前記粘結剤組成物100質量部、及びフェノール樹脂用硬化剤(カオーステップDH−25、花王クエーカー社製)25質量部を均一に混錬し、鋳型造型用組成物を得た。得られた鋳型造型用組成物を用いてテストピース(50mm×50mmφ)を成型し、24時間静置した。なお、混練時から24時間後までの雰囲気温度及び湿度は25℃55%RHに保ち、耐火性粒子、及び粘結剤組成物、及び硬化剤組成物も予め25℃に調整しておいたものを使用した。
[ホルムアルデヒドの発生量、及びアミン系ガスの発生量の測定]
24時間静置した前記テストピースを粉砕し、粉砕した試料5gを1Lのナスフラスコに密閉し、200℃30分間加熱した。30分後、容器内のホルムアルデヒド濃度、及びアミン系ガス濃度を検知管(ガステック社製ホルムアルデヒド91及びガステック社製アンモニア3L)で測定し、ホルムアルデヒドガス発生量、及びアミン系ガス発生量とした。ホルムアルデヒドガス発生量及びアミン系ガス発生量は、比較例1との相対値として表した。値が小さいほど、ホルムアルデヒドガス発生量、及びアミン系ガス発生量が少なく、優れていることを示す。結果を表1〜3に示す。
本発明の範囲内である実施例1〜9に係る粘結剤組成物は、式(1)で示される化合物を含有しない比較例1〜7の粘結剤組成物に比べ、保存安定性に優れている。また、本発明の範囲内である実施例1〜9の粘結剤組成物はホルムアルデヒド発生量、アミン系ガス発生量が少ないことがわかる。更に、窒素含有量が0.1〜1.1質量%の範囲内である実施例1〜9の粘結剤組成物は、窒素含有量が1.1%を超える比較例8〜10の粘結剤組成物に比べ、アミン系ガスの発生量が少なく優れていることがわかる。
Figure 2020142299
Figure 2020142299
Figure 2020142299

Claims (8)

  1. 水溶性フェノール樹脂と、下記式(1)に示す化合物とを含有し、
    窒素含有量が0.1〜1.1質量%である鋳型造型用粘結剤組成物。
    Figure 2020142299
    (式(1)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びヒドロキシエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜4の整数を示す。ただし、R、R、R、Rが何れも水素原子であり、且つnが1である場合を除く。)
  2. 前記(1)中のR、Rの少なくとも1つが水素原子であり、R、Rの少なくとも1つが水素原子である、請求項1に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
  3. 前記(1)中のnが1〜3の整数である、請求項1又は2に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
  4. 前記(1)に示す化合物が、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の鋳型造型用粘結剤組成物及び耐火性粒子を混合して鋳型造型用組成物を得る混合工程、及び当該鋳型造型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れか1項に記載の鋳型造型用粘結剤組成物、硬化剤及び耐火性粒子を含有する鋳型用組成物。
  7. 水溶性フェノール樹脂、硬化剤、下記式(1)に示す化合物、及び耐火性粒子を含有し、
    窒素含有量が0.001〜0.011質量%である鋳型用組成物。
    Figure 2020142299



    (式(1)において、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、及びヒドロキシエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜4の整数を示す。ただし、R、R、R、Rが何れも水素原子であり、且つnが1である場合を除く。)
  8. 前記水溶性フェノール樹脂100質量部に対する窒素含有量が0.3〜3.4質量部である、請求項7に記載の鋳型用組成物。
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