JP3200644B2 - 鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法

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JP3200644B2 JP10989293A JP10989293A JP3200644B2 JP 3200644 B2 JP3200644 B2 JP 3200644B2 JP 10989293 A JP10989293 A JP 10989293A JP 10989293 A JP10989293 A JP 10989293A JP 3200644 B2 JP3200644 B2 JP 3200644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型を製造する際に使
用する有機エステル硬化性又は炭酸ガス硬化性粘結剤組
成物に関し、高湿度下において、得られる鋳型の強度低
下を防止することのできる粘結剤組成物に関するもので
ある。また、この粘結剤組成物を使用して、鋳型を製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳型は、耐火性粒状材料と粘
結剤組成物とを混練した混練砂を、模型に充填し、その
後粘結剤組成物中の粘結剤を硬化させることにより製造
されている。粘結剤としては、フラン系樹脂,水溶性フ
ェノール樹脂,ウレタン系樹脂等の各種の硬化性樹脂が
使用されている。この中でも、水溶性フェノール樹脂
は、有機エステル又は炭酸ガスで硬化するため、自硬性
若しくはガス硬化性鋳型製造時の作業環境の悪化を防止
しうるものとして知られている(特開昭50-130627号公
報,特公昭61-43132号公報,特公昭61-37022号公報)。
ここで言う水溶性フェノール樹脂は、アルカリ性フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂であって、フェノールとホ
ルムアルデヒドとを、アルカリの存在下で縮重合させた
もの、又は縮重合させた後アルカリを添加したものであ
る。しかしながら、このアルカリ性フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂を含有する粘結剤組成物と耐火性粒状材
料とを混練して、鋳型を製造する場合、フラン系樹脂を
含有する粘結剤組成物を使用した場合に比べて、高湿度
下において、得られる鋳型の強度が大きく低下するとい
うことがあった。
【0003】このため、フェノールに代えてビスフェノ
ールを使用し、ビスフェノールとホルムアルデヒドとを
縮重合させたフェノール系樹脂を粘結剤として使用する
ことが提案されている(特開昭62-40948号公報,特開昭
63-40636号公報)。ここで言うビスフェノールとして
は、ビスフェノールA,ビスフェノールF或いはビスフ
ェノールC等が単独で使用されてなるものであり、従っ
て、得られるフェノール系樹脂はビスフェノールとホル
ムアルデヒドが二元縮重合されてなるものである。この
ビスフェノール−ホルムアルデヒド二元縮重合樹脂を使
用して得られた鋳型は、高湿度下における強度をある程
度向上させることができるが、未だ十分に満足のゆくも
のではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、高湿度下においても、得られる鋳型の強度低下を少
なくすることのできる粘結剤組成物を得るべく、種々研
究を行なった。その結果、単にフェノール類とホルムア
ルデヒドとの二元縮重合によって得られる粘結剤ではな
く、フェノール類とアルデヒド化合物とある特定の第三
成分との三元共縮重合によって得られるフェノール系樹
脂を粘結剤として用いれば、高湿度下において、得られ
る鋳型の強度低下を少なくしうることを見出し、本発明
に到達したのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルカ
リ性フェノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有
する鋳型用粘結剤組成物において、該フェノール−アル
デヒド変性樹脂が、フェノール類と、アルデヒド化合物
と、アミノ基を有する化合物,ケトン類,オキシ安息香
酸,アルキルベンゼン及びフラン系化合物よりなる群か
ら選ばれる第三成分とを共縮重合して得られたものであ
ることを特徴とする有機エステル硬化性又は炭酸ガス硬
化性鋳型用粘結剤組成物に関するものである。また、こ
の鋳型用粘結剤組成物を使用した鋳型の製造方法に関す
るものである。
【0006】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中には、
フェノール−アルデヒド変性樹脂が主体として含有され
ている。フェノール−アルデヒド変性樹脂は、フェノー
ル類と、アルデヒド化合物と、前記した第三成分を共縮
重合して得られるものである。フェノール類としては、
下記一般式(1)で表わされる化合物,下記一般式(2)で表
わされる化合物,或いは下記一般式(3)で表わされる化
合物等が単独で又は混合して使用される。
【0007】
【化1】 (式中、R1及びR2は、水素原子又は炭素数2以下の炭
化水素基を表わす。)
【化2】 (式中、R3は、水素原子,水酸基又は炭素数2以下の炭
化水素基を表わす。)
【化3】 (式中、R4は、炭素数3以上の脂肪族炭化水素基又は芳
香族炭化水素基を表わす。)
【0008】フェノール類のうち、一般式(1)で表わさ
れる化合物の具体例としては、フェノール,クレゾー
ル,3,5-キシレノール等が挙げられる。一般式(2)で表
わされる化合物の具体例としては、レゾルシノール,カ
テコール,ハイドロキノン,フロログリシン等が挙げら
れる。また、一般式(3)で表わされる化合物の具体例と
しては、ノニルフェノール,P-tert-ブチルフェノー
ル,イソプロペニルフェノール,フェニルフェノール等
が挙げられる。また、本発明においては、フェノール類
として、カシューナット殻液,リグニン,タンニンのよ
うな各種フェノール系化合物の混合物等も使用すること
ができる。
【0009】本発明において用いるアルデヒド化合物と
しては、ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド,フ
ルフラール,グリオキザール等が、単独で又は混合して
使用される。
【0010】本発明において用いる第三成分は、アミノ
基を有する化合物,ケトン類,オキシ安息香酸,アルキ
ルベンゼン,フラン系化合物が、単独で又は混合して使
用される。アミノ基を有する化合物としては、尿素,メ
ラミン,グアナミン,アニリン,スルホンアミド等が使
用される。ケトン類としては、シクロヘキサノンやメチ
ルエチルケトン等が使用される。オキシ安息香酸として
は、サリチル酸,メタオキシ安息香酸又はパラオキシ安
息香酸が使用される。フラン系化合物としては、フルフ
リルアルコール等が使用される。
【0011】フェノール類と、アルデヒド化合物と、第
三成分とを共縮重合する際、各化合物のモル比は、以下
のとおりであるのが好ましい。即ち、フェノール類のモ
ル数と第三成分のモル数との合計モル数に対する、アル
デヒド化合物のモル数の比が1.0〜3.0[(フェノール類
のモル数+第三成分のモル数):アルデヒド化合物のモ
ル数=1:1.0〜3.0]であるのが好ましい。特に、アル
デヒド化合物のモル数の比が1.5〜2.0であるのが、より
好ましい。アルデヒド化合物のモル数の比が1.0未満に
なると、得られたフェノール−アルデヒド変性樹脂を使
用して造型しても、常温常湿下及び高湿度下における、
絶対的な鋳型の強度が十分に向上しない傾向が生じる。
逆に、アルデヒド化合物のモル数の比が3.0を超える
と、得られたフェノール−アルデヒド変性樹脂のアルデ
ヒド臭が強く、作業環境が悪くなる恐れがある。また、
フェノール類のモル数に対する、第三成分のモル数の比
は、0.01〜0.5であるのが好ましい。特に、第三成分の
モル数の比が0.05〜0.1であるのが、より好ましい。第
三成分のモル数の比が0.01未満であると、高湿度下にお
ける、鋳型の強度低下が大きくなる傾向が生じる。ま
た、第三成分のモル数の比が0.5を超えると、常温常湿
下及び高湿度下における、絶対的な鋳型の強度が十分に
向上しない傾向が生じる。
【0012】フェノール類と、アルデヒド化合物と、第
三成分との共縮重合は、一般的に水溶液中で行なわれ
て、フェノール−アルデヒド変性樹脂が得られるのであ
る。例えば、所定量のフェノール類と第三成分とを溶解
させた水溶液中に、所定量のアルデヒド化合物を徐々に
添加しながら、共縮重合させて得るのが好ましい。この
際、反応触媒としては、水酸化カリウム(KOH)を使
用するのが好ましい。本発明におけるフェノール−アル
デヒド変性樹脂は、アルカリ性水溶液に調整されるた
め、共縮重合の際に所定量の水酸化カリウムを使用して
も良いし、また反応触媒として最小限の水酸化カリウム
を使用し、共縮重合を終えたあと、所定量の水酸化カリ
ウムを添加してもよい。また、共縮重合を終えたあとに
おいて、水酸化カリウムと共に水酸化ナトリウム(Na
OH)や水酸化リチウム(LiOH)を併用して、所定
のアルカリ性になるようにしてもよい。更に、酸触媒を
使用して共縮重合させた後、次いで水酸化カリウム等の
アルカリ触媒を使用して共縮重合を進行させてもよい。
フェノール−アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液にお
いて、フェノール類の水酸基のモル数に対する、全アル
カリのモル数の比は、0.2〜1.2であるのが好ましい。ま
た、アルカリ水溶液中における、水分以外即ち固形分含
量(フェノール−アルデヒド変性樹脂の濃度)は、30〜
75重量%であるのが好ましい。
【0013】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物は、フェ
ノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有するもの
であるが、その他の物質として、以下の如きものが含有
されていてもよい。例えば、得られる鋳型強度の更なる
向上を図るために、シランカップリング剤が含有されて
いるのが好ましい。シランカップリング剤としては、従
来公知の各種のものを使用することができる。特に、γ
-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ-アミノ
プロピルトリエトキシシラン,γ-(2-アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン,N-グリシジル-N,N-
ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミン等を使用
することができる。
【0014】また、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物中
に、ノニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤,アニオ
ン界面活性剤,両性界面活性剤等の各種界面活性剤、或
いは尿素,尿素化合物,アミド化合物等の有機窒素化合
物を含有させておくことにより、耐火性粒状材料と混練
した混練砂の流動性や模型への充填性を向上させること
ができる。更に、耐火性粒状材料として再生砂を使用す
る場合には、鋳型用粘結剤組成物中に塩化カルシウムや
酸化アルミニウム等の各種多価金属塩を含有させておく
ことにより、得られる鋳型の強度を更に向上させること
ができる。
【0015】本発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し
て、鋳型を製造するには、一般的に自硬性鋳型造型法又
はガス硬化性鋳型造型法が採用される。自硬性鋳型造型
法の具体例としては、耐火性粒状材料100重量部に対し
て、有機エステル0.1〜5重量部を添加混練する。続け
て、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水溶液
の形態で0.4〜15重量部となるように加え、再び混練す
る。このようにして得られた混練砂を模型に充填し、放
置して硬化させれば、自硬性鋳型を得ることができる
(自硬性鋳型造型法)。また、ガス硬化性鋳型造型法の
具体例としては、耐火性粒状材料100重量部に対して、
本発明に係る鋳型用粘結剤組成物をアルカリ水溶液の形
態で0.4〜15重量部となるように添加して混練する。得
られた混練砂を、ガス硬化用模型に加圧空気でブローイ
ングにより充填する。次いで、ガス状又はエアロゾル状
の有機エステル0.05〜10重量部を吹き込んで、硬化させ
れば、ガス硬化性鋳型を得ることができる。使用する有
機エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜3である
蟻酸アルキル、好ましくは蟻酸メチルを用いることがで
きる(ガス硬化性鋳型造型法)。また、ガス状等の有機
エステルに代えて、炭酸ガスを使用して鋳型用粘結剤組
成物を硬化させる場合には、粘結剤組成物中に適正量の
硼酸,硼酸塩,アルミン酸塩等のオキシアニオンを有す
る化合物を添加し、このオキシアニオンを有する化合物
と炭酸ガスの共働作用によって、フェノール−アルデヒ
ド変性樹脂を硬化させることができる(CO2ガス硬化
性鋳型造型法、特開平1-224263号公報)。
【0016】鋳型を製造する際に使用する耐火性粒状材
料としては、従来公知の各種のものを使用することがで
き、例えば、石英質を主成分とする珪砂,クロマイト
砂,ジルコン砂,オリビン砂,アルミナ砂,ムライト
砂,合成ムライト砂等を使用することができる。また、
耐火性粒状材料として、これらの再生砂や回収砂を主体
とするものも使用することができるのは、言うまでもな
い。
【0017】
【実施例】
[鋳型用粘結剤組成物水溶液1の調整]50%水酸化カリ
ウム水溶液に、表1に示したモル比で定められる量のフ
ェノール類と第三成分とを加え、攪拌し溶解させた。こ
の溶液を70℃に保持しながら、表1に示したモル比で定
められる量のアルデヒド化合物を徐々に加えた。そし
て、反応溶液中におけるフェノール−アルデヒド変性樹
脂の粘度が100cpsに達する時点まで70℃で反応を続け
た。なお、この粘度は、B型粘度計を用い25℃において
測定したものである。反応終了後、室温まで冷却したあ
と、フェノール類の水酸基のモル数に対する、水酸化カ
リウムのモル数の比が0.70となるように、50%水酸化カ
リウム水溶液を加えた。以上のようにして、フェノール
−アルデヒド変性樹脂のアルカリ水溶液を得た。そし
て、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、
水溶液100重量部に対して、0.5重量部水溶液中に添加し
た。以上のようにして、5種の鋳型用粘結剤組成物水溶
液1を調整した。なお、粘結剤組成物水溶液1中の粘結
剤組成物(フェノール−アルデヒド変性樹脂及びシラン
カップリング剤)の含有量は、いずれも50重量%であっ
た。
【0018】なお、表1中のAなる項目は、フェノール
類のモル数と第三成分のモル数との合計モル数に対す
る、アルデヒド化合物のモル数の比である。即ち、[ア
ルデヒド化合物/(フェノール類のモル数+第三成分の
モル数)]である。また、Bなる項目は、フェノール類
のモル数に対する、第三成分のモル数の比である。即
ち、[第三成分のモル数/フェノール類のモル数)]で
ある。以下、表中のA及びBは、これと同様である。
【0019】[鋳型用粘結剤組成物水溶液2の調整]反
応溶液中におけるフェノール−アルデヒド変性樹脂の粘
度が80cpsに達する時点まで反応を続ける以外は、鋳型
用粘結剤組成物水溶液1と同一の方法で、表2に示した
5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液2を調整した。なお、
鋳型用粘結剤組成物水溶液2における粘結剤組成物の含
有量は、鋳型用粘結剤組成物水溶液1と同様に、いずれ
も50重量%であった。
【0020】[鋳型用粘結剤組成物水溶液3の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液2の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール−アルデヒド変性樹脂の水溶液25重
量部と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、50%
水酸化カリウム5重量部とを混合して、表3に示した5
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液3を得た。
【0021】[鋳型用粘結剤組成物水溶液4の調整]50
%水酸化カリウム水溶液に、フェノール(又はビスフェ
ノールA)を加え、攪拌し溶解させた。この溶液を70℃
に保持しながら、フェノールのモル数に対して1.5のモ
ル数の比となるように(又はビスフェノールAのモル数
に対して3.0のモル数の比となるように)、ホルムアル
デヒドを徐々に加えた。そして、反応溶液中におけるフ
ェノール−アルデヒド樹脂(又はビスフェノール−アル
デヒド樹脂)の粘度が100cpsに達する時点まで70℃で反
応を続けた。反応終了後、室温まで冷却したあと、フェ
ノールの水酸基のモル数(又はビスフェノールAの水酸
基のモル数)に対する、水酸化カリウムのモル数の比が
0.85となるように、50%水酸化カリウム水溶液を加え
た。以上のようにして、フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂(又はビスフェノール−ホルムアルデヒド樹脂)の
アルカリ水溶液を得た。そして、γ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを、水溶液100重量部に対し
て、0.5重量部水溶液中に添加した。以上のようにし
て、表1に示した2種の鋳型用粘結剤組成物水溶液4を
調整した。なお、粘結剤組成物水溶液4中の粘結剤組成
物(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂及びシランカッ
プリング剤、又はビスフェノール−ホルムアルデヒド樹
脂及びシランカップリング剤)の含有量は、50重量%で
あった。
【0022】[鋳型用粘結剤組成物水溶液5の調整]反
応溶液中におけるフェノール−アルデヒド樹脂(又はビ
スフェノール−アルデヒド樹脂)の粘度が80cpsに達す
る時点まで反応を続ける以外は、鋳型用粘結剤組成物水
溶液4と同一の方法で、表2に示した2種の鋳型用粘結
剤組成物水溶液5を調整した。なお、鋳型用粘結剤組成
物水溶液5における粘結剤組成物の含有量は、鋳型用粘
結剤組成物水溶液4と同様に、いずれも50重量%であっ
た。
【0023】[鋳型用粘結剤組成物水溶液6の調整]鋳
型用粘結剤組成物水溶液5の調整の際に、反応終了後に
得られたフェノール−アルデヒド樹脂の水溶液25重量部
と、四硼酸ナトリウム・10水和物5重量部と、50%水酸
化カリウム5重量部とを混合して、表3に示した1種の
鋳型用粘結剤組成物水溶液6を得た。
【0024】実施例1〜5 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、硬化剤で
あるトリアセチン0.3重量部を添加混練した後、続け
て、予め準備した5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液1が
各々1.5重量部となるように添加し混練して、5種の混
練砂を得た。その後直ちに、各混練砂を、50mmφ×50mm
hのテストピース枠に充填し、自硬性鋳型造型法でテス
ト鋳型を得た。そして、このテスト鋳型を用いて、常温
常湿下における鋳型強度,高湿度下における鋳型強度,
及び高湿度下における鋳型強度の低下率を、以下の方法
で測定し、その結果を表1に示した。
【0025】まず、混練砂をテストピース枠に充填した
後、24時間経過後のテスト鋳型(50mmφ×50mmh)の圧
縮強度を測定した。これを、ディッピング前の鋳型強度
(常温常湿下における鋳型強度であり、単位はkg/cm2
である。)と言う。そして、このテスト鋳型を水中に3
秒間ディッピングし、室温下に30分間放置したあと、こ
のテスト鋳型の圧縮強度を測定した。これを、ディッピ
ング30分後の鋳型強度(高湿度下における鋳型強度であ
り、単位はkg/cm2である。)と言う。この二種の鋳型
強度から、次の式にて高湿度下における鋳型強度の低下
率(以下、単に「強度低下率」と言う。)を算出する。
即ち、[100−(ディッピング30分後の鋳型強度/ディ
ッピング前の鋳型強度)]×100(%)なる式で強度低
下率を算出する。
【0026】
【表1】
【0027】比較例1及び2 鋳型用粘結剤組成物水溶液1に代えて、表1に示した2
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液4を用いる以外は、実施
例1と同様にしてテスト鋳型を得た。そして、実施例1
と同様にして、鋳型の強度低下率等を測定及び算出し、
その結果を表1に示した。
【0028】実施例6〜10 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液2が各々2.0重量
部となるように添加し混練して、5種の混練砂を得た。
その後直ちに、各混練砂を、50mmφ×50mmhのガス用テ
ストピース枠に充填し、珪砂100重量部に対して0.8重量
部の蟻酸メチルを注入し、ガス硬化性鋳型造型法でテス
ト鋳型を得た。そして、このテスト鋳型を用いて、強度
低下率等を実施例1と同様にして測定及び算出し、その
結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】比較例3及び4 鋳型用粘結剤組成物水溶液2に代えて、表2に示した2
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液5を用いる以外は、実施
例6と同様にしてテスト鋳型を得た。そして、実施例6
と同様にして、鋳型の強度低下率等を測定及び算出し、
その結果を表2に示した。
【0031】実施例11〜15 耐火性粒状材料である珪砂100重量部に対し、予め準備
した5種の鋳型用粘結剤組成物水溶液3が各々3.0重量
部となるように添加し混練して、5種の混練砂を得た。
その後直ちに、各混練砂を、50mmφ×50mmhのガス用テ
ストピース枠に充填し、炭酸ガスを通気(10リットル×
2分間)させ、CO2ガス硬化性鋳型造型法でテスト鋳型
を得た。そして、このテスト鋳型を用いて、強度低下率
等を実施例1と同様にして測定及び算出し、その結果を
表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】比較例5 鋳型用粘結剤組成物水溶液3に代えて、表3に示した1
種の鋳型用粘結剤組成物水溶液6を用いる以外は、実施
例11と同様にしてテスト鋳型を得た。そして、実施例11
と同様にして、鋳型の強度低下率等を測定及び算出し、
その結果を表3に示した。
【0034】表1〜3の結果から明らかなように、フェ
ノール類とアルデヒド化合物と第三成分の三種の化合物
を三元共縮重合させたフェノール−アルデヒド変性樹脂
を粘結剤組成物の主体として使用して鋳型を製造すれ
ば、一種のフェノール類又は一種のビスフェノール類
と、ホルムアルデヒドとを二元縮重合させたフェノール
−ホルムアルデヒド樹脂又はビスフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂を粘結剤組成物の主体として使用した場合
に比較して、得られた鋳型を水中にディッピングした後
における鋳型の圧縮強度の低下率(強度低下率)が少な
いことが分かる。従って、実施例1〜15に係る方法で得
られた鋳型は、比較例1〜5に係る方法で得られた鋳型
に比べて、高湿度下においても、鋳型の圧縮強度が低下
しにくいことが分かる。
【0035】
【作用】鋳型用粘結剤組成物の主体として、フェノール
類とアルデヒド化合物と第三成分とを共縮重合したフェ
ノール−アルデヒド変性樹脂を使用すると、高湿度下に
おいて、得られる鋳型の強度低下率が小さくなる理由
は、定かではないが、以下のように推測しうる。即ち、
従来公知のフェノール−アルデヒド樹脂やビスフェノー
ル−アルデヒド樹脂を主体とする鋳型用粘結剤組成物
は、硬化完了後においても、多量のフェノール性水酸基
が残存しており、このフェノール性水酸基が湿分を吸着
して、鋳型の強度に悪影響を与えるのではないかと推測
される。本発明においては、フェノール類以外の第三成
分が共縮重合されているため、相対的にフェノール性水
酸基の量が少なくなり、そのため、湿分による悪影響が
少なくなって、高湿度下における鋳型の強度低下が少な
くなるものと推測されるのである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、フェノール類とア
ルデヒド類とある特定の第三成分とを共縮重合して得ら
れるフェノール−アルデヒド変性樹脂を主体として含有
する、本発明に係る鋳型用粘結剤組成物を使用し、耐火
性粒状材料と混練して鋳型を得れば、従来のフェノール
−ホルムアルデヒド樹脂又はビスフェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂を主体として含有するものを使用した場合
に比べて、高湿度下において、得られた鋳型の圧縮強度
が低下しにくいという効果を奏する。従って、本発明に
係る鋳型用粘結剤組成物を使用して得られた鋳型は、高
湿度下においても、満足のゆく程度の圧縮強度を維持し
ているため、高湿度下で鋳物の製造作業を行なっても、
優れた品質の鋳物を得ることができるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−52955(JP,A) 特開 昭62−179847(JP,A) 特開 平4−371346(JP,A) 特開 昭54−153725(JP,A) 特開 昭62−28043(JP,A) 特開 昭63−52737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 1/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性フェノール−アルデヒド変性
    樹脂を主体として含有する鋳型用粘結剤組成物におい
    て、該フェノール−アルデヒド変性樹脂が、フェノール
    類と、アルデヒド化合物と、アミノ基を有する化合物,
    ケトン類,オキシ安息香酸,アルキルベンゼン及びフラ
    ン系化合物よりなる群から選ばれる第三成分とを共縮重
    合して得られたものであることを特徴とする有機エステ
    ル硬化性又は炭酸ガス硬化性鋳型用粘結剤組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール類のモル数と第三成分のモル
    数との合計モル数に対する、アルデヒド化合物のモル数
    の比が1.0〜3.0である請求項1記載の鋳型用粘結剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 フェノール類のモル数に対する、第三成
    分のモル数の比が0.01〜0.5である請求項1又は2記載
    の鋳型用粘結剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の鋳型用粘結剤
    組成物を用い、且つ硬化剤として有機エステル及び/又
    は炭酸ガスを用いることを特徴とする鋳型の製造方法。
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