JP2002167417A - 芳香族炭化水素変性フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

芳香族炭化水素変性フェノール樹脂の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量が低く、かつ分子量分布が狭い芳香族
炭化水素変性ノボラック型フェノール樹脂を高収率で得
ること。 【解決手段】 フェノール類と芳香族炭化水素アルデヒ
ド樹脂とアルデヒド類とを、有機ホスホン酸を触媒とし
て反応することを特徴とする芳香族炭化水素変性ノボラ
ック型フェノール樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未反応フェノール
類が少なくかつ分子量分布が狭い芳香族炭化水素変性ノ
ボラック型フェノール樹脂を高収率に得るための製造方
法に関するものである。本発明の芳香族炭化水素変性ノ
ボラック型フェノール樹脂は、例えば、摩擦材、砥石、
積層板、成形材料、接着剤用のバインダーや、エポキシ
樹脂の硬化剤、エポキシ樹脂の原料等に好適に使用され
るものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族炭化水素変性ノボラック型フェノ
ール樹脂は、通常のノボラック型フェノール樹脂に比
べ、耐熱性、耐水性、寸法安定性等が優れ、摩擦材、砥
石、積層板、成形材料、接着剤用のバインダーや、エポ
キシ樹脂の硬化剤、エポキシ樹脂の原料等に広く用いら
れている。その芳香族炭化水素変性ノボラック型フェノ
ール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂の分子構造
に、単環芳香族炭化水素化合物あるいは多環芳香族炭化
水素化合物が反応により組み込むことで、フェノール性
水酸基が減り耐熱性、耐水性、寸法安定性等の特性が得
られる。
【0003】芳香族炭化水素変性ノボラック型フェノー
ル樹脂の製造方法は、フェノール類と芳香族炭化水素ア
ルデヒド樹脂とアルデヒド類とを塩酸、硫酸、リン酸、
亜リン酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンス
ルホン酸といった無機、有機酸を触媒として反応させる
ことで得られる。芳香族炭化水素変性ノボラック型フェ
ノール樹脂の分子量は、フェノール類に対してアルデヒ
ド類と芳香族炭化水素アルデヒド樹脂との仕込比率等で
調整するのが一般的であるが、分子量分布が広くなりや
すい問題があった。また、未反応のフェノール類が残
り、一般的にはこれを取り除く操作を行うため、実際の
変性量が異なってしまう問題があった。分子量分布を狭
くする一般的手段としては、有機溶媒中で反応させる方
法や、水蒸気蒸留や、溶剤洗浄により低分子量成分を除
去する方法があるが、前者の場合は低分子量の芳香族炭
化水素変性ノボラック型フェノール樹脂は得られず、後
者の場合は収率が大きく低下してしまう欠点があった。
特開平7−242719号公報では、製造した芳香族炭
化水素変性ノボラック型フェノール樹脂を120〜19
5℃でスチーム処理することで、未反応の除去及び高分
子量物を分解することにより、分子量分布の狭い芳香族
炭化水素変性ノボラック型フェノール樹脂の製造を行っ
ているが、未反応の除去に伴う収得量の低下や煩雑な操
作が伴う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の触媒
を用いることによって、未反応フェノール類が少なくか
つ分子量分布が狭い芳香族炭化水素変性ノボラック型フ
ェノール樹脂を高収率に製造する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意研究を行った結果、本発明は、フェノール類と芳
香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂とアルデヒド類とを
有機ホスホン酸を触媒として反応することを特徴とする
ノボラック型フェノール樹脂の製造方法であり、好まし
くは有機ホスホン酸が下記に一般式(I)で示される有
機ホスホン酸であることを特徴とする。 R−PO(OH)2 式(I) (Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は
−PO(OH)2 を含む基である。)
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるフェノール類
としては、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾ
ール、パラクレゾール、キシレノール、パラターシャリ
ーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラフ
ェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、レゾルシンなどのフェノール類から選ばれた少なく
とも1種以上のフェノール類であり、特に限定はしな
い。
【0007】芳香族炭化水素アルデヒド樹脂は、例え
ば、メシチレンホルムアルデヒド樹脂、キシレンホルム
アルデヒド樹脂、トルエンホルムアルデヒド樹脂、ベン
ゼンホルムアルデヒド樹脂、ナフタレンホルムアルデヒ
ド樹脂から選ばれた少なくとも1種類以上の芳香族炭化
水素ホルムアルデヒドであり、これらに限定されない。
その芳香族炭化水素アルデヒド樹脂は、数平均分子量3
00〜1000、酸素含有率5〜20%、軟化点40〜
140℃の範囲にあることが好ましい。数平均分子量3
00未満であると未反応の芳香族炭化水素が多く、10
00を越えると芳香族炭化水素同士の結合が多く高分子
量化しやすい、酸素含有率5%未満であると反応性が低
すぎ、20%を越えると反応性が高すぎる、軟化点40
℃未満であると未反応の芳香族炭化水素が多く、140
℃を越えると芳香族炭化水素同士の結合が多く高分子量
化しやすい。
【0008】アルデヒド類としては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイ
ンやこれらの混合物であり、これらのアルデヒド類の発
生源となる物質あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を
使用することも可能である。
【0009】触媒として使用する有機ホスホン酸は、ホ
スホン酸基−PO(OH)2 を含む有機化合物であり、い
かなるものも使用可能であるが、一般式(I)で示され
るホスホン酸が、低分子でかつ分子量分布が狭い芳香族
炭化水素変性ノボラック型フェノール樹脂を高収率に得
るために好ましい。 R−PO(OH)2 式(I) (Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は
−PO(OH)2 を含む基である。) 一般式(I)で示される有機ホスホン酸としては、アミ
ノポリホスホン酸類であるエチレンジアミンテトラキス
ホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホスホン
酸、アミノトリメチレンホスホン酸、β−アミノエチル
ホスホン酸N,N−ジ酢酸、アミノメチルホスホン酸
N,N−ジ酢酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4
−トリカルボン酸、等がある。本発明の目的からみて工
業的に大量生産され安価であるアミノトリメチレンホス
ホン酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホ
スホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸が望ましい。
【0010】有機ホスホン酸の添加量としては、フェノ
ール類1モルに対して0.001〜4.0モル、好まし
くは0.01〜0.5モルである。有機ホスホン酸の添
加量が多い方が、未反応フェノール類が少なくかつ分子
量分布が狭いノボラック型フェノール樹脂を高収率に得
る効果が高い傾向にあるが、触媒添加量が4.0モルを
越えると、分子量を低く分子量分布を狭くする効果が変
わらなくなる。0.001モル未満では、触媒としての
効果が実質的になくなる。
【0011】本発明の芳香族炭化水素変性ノボラック型
フェノール樹脂を得るには、(1)フェノール類とアル
デヒド類との反応を先に行い、その後芳香族炭化水素ア
ルデヒド樹脂との反応を行う、(2)フェノール類と芳
香族炭化水素アルデヒド樹脂との反応を先に行い、その
後アルデヒド類との反応を行う、あるいは(3)フェノ
ール類とアルデヒド類と芳香族炭化水素アルデヒド樹脂
との反応を同時に行う、等の方法があり、特に限定され
ない。従来、フェノール類と芳香族炭化水素アルデヒド
樹脂との反応を先に行い、その後アルデヒド類との反応
を行う方法が一般的である。本発明において、フェノー
ル類と芳香族炭化水素アルデヒド樹脂との反応、及びフ
ェノール類とアルデヒド類との反応は、これらの反応物
に比較してフェノール類モノマーが最も反応性が大き
く、従って高分子量化しにくい性質がある。このため
に、フェノール類とアルデヒド類の反応を先に行って
も、反応モル比がフェノール類1.0モルに対してアル
デヒド類0.7以下であれば、反応生成物は2核体主体
の組成物となっており、その後に芳香族炭化水素アルデ
ヒド樹脂を反応させても、反応は問題はなく進み、高分
子量化も起こりにくい。
【0012】フェノール類に対する、芳香族炭化水素ア
ルデヒド樹脂とアルデヒド類との反応モル比は、芳香族
炭化水素アルデヒド樹脂をアルデヒド源と見なして、フ
ェノール類1.0当量(モル)に対して、芳香族炭化水
素アルデヒド樹脂の反応性基とアルデヒド類との当量の
和が0.1〜3.0当量、好ましく0.5〜1.0当量
である。芳香族炭化水素アルデヒド樹脂の反応性基が
0.1当量未満の場合、未反応のフェノール類が多く残
るする問題がある。3.0当量を越えると未反応の芳香
族炭化水素アルデヒド樹脂やアルデヒド類が多く残り、
ゲル化等を起こすおそれがある。芳香族炭化水素アルデ
ヒド樹脂の反応性基は、−CH2OH、−CH2OCH2
−、−CH2O−、−CH2OCH2OH等であり、反応
基の当量数は樹脂の酸素含有率から求めることができ
る。芳香族炭化水素アルデヒド樹脂の反応性基とアルデ
ヒド類の割合(当量比)は0.5:10〜10:0.
5、好ましくは3:10〜10:3である。芳香族炭化
水素アルデヒド樹脂の割合がこの範囲より高いと、製造
した芳香族炭化水素変性ノボラック型フェノール樹脂の
芳香族炭化水素変性率が高くなり、電気絶縁性及び耐水
性は良好となるが、硬化性、基材との密着性が悪化する
傾向にある。アルデヒド類の割合がこの範囲より高い
と、硬化性、基材との密着性が良好となるが、電気絶縁
性や耐水性の向上効果が小さくなる。
【0013】反応溶媒としては、水が一般的であり好ま
しいが、有機溶媒を使用することができる。また、非極
性溶媒を用いて、非水系で行っても構わない。また、パ
ラホルム等用いて反応溶媒なしでも構わない。有機溶媒
としては、アルコール類、ケトン類、芳香族類等で、ア
ルコール類としては、メタノール、エタノール、プロピ
ルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、グリセリン等で、ケト
ン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げ
られる。
【0014】触媒として、有機ホスホン酸とともに他の
触媒を併用することができる。かかる触媒として、塩
酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、蓚酸、p−トルエンスル
ホン酸、キシレンスルホン酸といった通常芳香族炭化水
素変性ノボラック型フェノール樹脂の製造で使用する酸
や、未反応フェノール類が少なくかつ分子量分布が狭い
ノボラック型フェノール樹脂製造に効果のあるオキシポ
リカルボン酸類やアミノポリカルボン酸類の様なポリカ
ルボン酸類等がある。
【0015】反応温度は、50〜250℃、好ましくは
120〜160℃の温度域で行う。反応温度が低すぎる
と反応の進行が遅く、経済的に成り立たないレベルに反
応時間がかかる。反応温度が高すぎると触媒の分解、あ
るいは樹脂の再配列反応が起こる。反応終了後、触媒除
去のために、中和や水洗を行ってもよい。また、反応溶
媒である水や有機溶媒、未反応のフェノール類を除去す
るため、常圧蒸留や、減圧蒸留、水蒸気蒸留等を行って
もよい。
【0016】本発明の有機ホスホン酸触媒が、分子量分
布を狭く、かつ未反応フェノール類を少なく高収得に製
造できる理由は以下の様に考えられる。有機ホスホン酸
は、非常に水溶性が高く水和しやすい。そして、フェノ
ール類、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂には溶解
性が小さく、芳香族炭化水素変性ノボラック型フェノー
ル樹脂にはその分子量増大ととも溶解性が更に低下する
性質を有している。このため反応時には、触媒である有
機ホスホン酸を多量に含んだ水相と、フェノール類、芳
香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂、芳香族炭化水素変
性ノボラック型フェノール樹脂からなる、触媒がほとん
ど存在しない有機相とに相分離した状態となる。フェノ
ール類のモノマー、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹
脂、及び初期反応物等の低分子成分は比較的水相に溶出
しやすく、溶出した部分は樹脂化反応が進むが、高分子
成分は水相への溶出がほとんどなく反応が進まない。ま
た、水相に溶出し反応した芳香族炭化水素変性ノボラッ
ク型フェノール樹脂は速やかに有機相に抽出され、抽出
後分子量は増大しない。この様にして、低核体領域と高
分子領域の反応速度差が生じるため、結果的に分子量分
布を狭く、かつ未反応フェノール類を少なく高収得に製
造で未反応フェノール類が少ない芳香族炭化水素変性ノ
ボラック型樹脂を高収率に製造する事が可能となる。こ
の際、フェノール類のモノマー、未反応の芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド樹脂等低分子成分の有機相から水相
への溶出量と、生成した芳香族炭化水素変性ノボラック
型フェノール樹脂の有機相への抽出量は、水相と有機相
の相間の表面積が大きいほど多くなり、また速度も早く
なる。このため、相間の表面積が大きいほど、分子量分
布が狭く、かつ未反応フェノール類が少ない芳香族炭化
水素変性ノボラック型フェノール樹脂を高収率に製造す
る事が可能となる。このように相分離した状態で反応が
進むため、二つの相がなるべく均一に分散した状態が好
ましく、攪拌条件としては、高速度で攪拌することが望
ましい。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。ここで記載されている「部」及び「%」は全て「重
量部」及び「重量%」を示す。
【0018】(実施例1)攪拌機及び温度計を備えた3
Lの三口フラスコ中に1−ヒドロキシエチリデン−1,
1’−ジホスホン酸60%水溶液(フェリオックス11
5、(株)ライオン製)1500部を添加し、常圧蒸留
を行い濃度を85%にした。フェノール1500部、キ
シレンホルムアルデヒド樹脂1000部(ニカノール
G、数平均分子量520〜620、酸素含有率14〜1
6%、三菱ガス化学(株)製)を添加し140℃に昇温
させ4時間還流反応を行った、その後92%パラホルム
アルデヒド(三井化学(株)製)141部を逐時添加
し、130℃で1時間還流させながら反応させた。反応
終了後、反応生成物をサンプリングしガスクロマトグラ
フィーを用いて未反応フェノール量を測定した。その
後、メチルエチルケトンを2000部を添加し、温度を
60℃まで下げて純水2000部を添加し、樹脂と分離
している水相を除去する水洗工程を3回行った。その
後、常圧蒸留を行い130℃まで昇温し、5000Pa
の減圧度で減圧蒸留を行って180℃まで昇温し、樹脂
Aを2493部得た。
【0019】(実施例2)実施例1と同様のフラスコ中
に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸
60%水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン
製)1500部を添加し、常圧蒸留を行い濃度を85%
にした。フェノール1500部、92%パラホルムアル
デヒド(三井化学(株)製)141部を添加し130℃
で1時間反応させた。その後、キシレンホルムアルデヒ
ド樹脂1000部(ニカノールG、数平均分子量520
〜620、酸素含有率14〜16%、三菱ガス化学
(株)製)を添加し、常圧蒸留を行いながら140℃に
昇温させ、還流配管として4時間還流反応を行った。反
応終了後、反応生成物をサンプリングしガスクロマトグ
ラフィーを用いて未反応フェノール量を測定した。その
後、メチルエチルケトンを2000部を添加し、温度を
60℃まで下げて純水2000部を添加し、樹脂と分離
している水相を除去する水洗工程を3回行った。その
後、常圧蒸留を行い130℃まで昇温し、5000Pa
の減圧度で減圧蒸留を行って180℃まで昇温し、樹脂
Bを2489部得た。
【0020】(実施例3)実施例1と同様のフラスコ中
に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸
60%水溶液(フェリオックス115、(株)ライオン
製)1500部を添加し、常圧蒸留を行い濃度を85%
にした。フェノール1200部、キシレンホルムアルデ
ヒド樹脂(ニカノールH、数平均分子量460〜50
0、酸素含有率10〜11%、三菱ガス化学(株)製)
1000部を添加し140℃に昇温させ4時間還流反応
を行った、その後92%パラホルムアルデヒド(三井化
学(株)製)141部を逐次添加し、130℃で1時間
還流させながら反応させた。反応終了後、反応生成物を
サンプリングしガスクロマトグラフィーを用いて未反応
フェノール量を測定した。その後、メチルエチルケトン
を2000部を添加し、温度を60℃まで下げて純水2
000部を添加し、樹脂と分離している水相を除去する
水洗工程を3回行った。その後、常圧蒸留を行い130
℃まで昇温し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行っ
て180℃まで昇温し、樹脂Cを2195部得た。
【0021】(比較例1)実施例1と同様のフラスコ中
にフェノール1500部、キシレンホルムアルデヒド樹
脂1000部(ニカノールG、数平均分子量520〜6
20、酸素含有率14〜16%、三菱ガス化学(株)
製)、パラトルエンスルホン酸1部を添加し120℃に
昇温させ2時間反応を行った、その後、蓚酸15部、9
2%パラホルムアルデヒド(三井化学(株)製)141
部を逐次添加し、100℃で1時間反応させた。反応終
了後、反応生成物をサンプリングしガスクロマトグラフ
ィーを用いて未反応フェノール量を測定した。その後、
消石灰を15部を添加し、その後、常圧蒸留を行い15
0℃まで昇温し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行
って190℃まで昇温し、樹脂Dを2310部得た。
【0022】(比較例2)実施例1と同様のフラスコ中
にフェノール1200部、キシレンホルムアルデヒド樹
脂(ニカノールH、数平均分子量460〜500、酸素
含有率10〜11%、三菱ガス化学(株)製)1000
部、パラトルエンスルホン酸10部を添加し130℃に
昇温させ2時間反応を行った。その後92%パラホルム
アルデヒド(三井化学(株)製)141部、酸化亜鉛3
5部を添加し100℃で3時間反応させた。反応終了
後、反応生成物をサンプリングしガスクロマトグラフィ
ーを用いて未反応フェノール量を測定した。その後、常
圧蒸留を行い130℃まで昇温し、5000Paの減圧
度で減圧蒸留を行って160℃まで昇温し、樹脂Eを2
098部得た。
【0023】
【表1】 数平均分子量:液体クロマトグラフィーで測定 重量平均分子量:液体クロマトグラフィーで測定 軟化点:JIS K−2531に準じ測定 50%エタノール溶液の動粘度:50重量%のエタノー
ル溶液を25℃でキャノンフェンスケを用いて測定 未反応フェノール量:ガスクロマトグラフィーで測定 ガスクロマトグラフィー:JIS K0114に準じ、
2、5−キシレノールを内部標準として内部標準法で測
定した値。 液体クロマトグラフィー:東ソー製GPCカラム(G1
000HXL:1本、G2000HXL:2本、G30
00HXL:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出
溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の条件で示
差屈折計を検出器として用いてGPC測定した。分子量
は標準ポリスチレンにより換算。
【0024】表1の結果から明らかなように、実施例で
得られた樹脂は比較例による樹脂に比べて未反応フェノ
ール量が少なく、分子量分布が狭く、かつ反応収率も高
い。
【0025】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明の製造方法に
より、芳香族炭化水素変性ノボラック型フェノール樹脂
を、未反応フェノール類を少なく、分子量分布が狭く、
かつ高収率で得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類と芳香族炭化水素アルデヒ
    ド樹脂とアルデヒド類とを、有機ホスホン酸を触媒とし
    て反応することを特徴とする芳香族炭化水素変性ノボラ
    ック型フェノール樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機ホスホン酸が、一般式(I)式に示
    す有機ホスホン酸である請求項1記載の芳香族炭化水素
    変性ノボラック型フェノール樹脂の製造方法。 R−PO(OH)2 式(I) (Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は
    −PO(OH)2を含む基である。)
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