JP2003082047A - アラルキル変性フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

アラルキル変性フェノール樹脂の製造方法

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JP2003082047A JP2001276004A JP2001276004A JP2003082047A JP 2003082047 A JP2003082047 A JP 2003082047A JP 2001276004 A JP2001276004 A JP 2001276004A JP 2001276004 A JP2001276004 A JP 2001276004A JP 2003082047 A JP2003082047 A JP 2003082047A
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Masakatsu Asami
昌克 浅見
Yoshikazu Kobayashi
義和 小林
Takuya Tochimoto
卓哉 栃本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、未反応フェノール類が少な
いアラルキル変性フェノール樹脂を高収率に製造する方
法を提供することである。 【解決手段】 本発明は、フェノール類とアルデヒド類
とアラルキルエーテル類とを、有機ホスホン酸を用いて
反応させることを特徴とするアラルキル変性フェノール
樹脂の製造方法である。更に好ましくは、有機ホスホン
酸に特定のものを用いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アラルキル変性フ
ェノール樹脂の製造方法に関するものである。本発明の
アラルキル変性フェノール樹脂は例えば、成形材料、摩
擦材、砥石、封止材等のバインダーとして好適に使用さ
れるものである。
【0002】
【従来の技術】アラルキル変性フェノール樹脂は、フェ
ノール類とアラルキルエーテル類とアルデヒド類とを反
応させて得られる樹脂である。このアラルキル変性フェ
ノール樹脂は、フェノール類とアラルキルエーテル類と
を反応させたアラルキルフェノール樹脂に比べ、硬化
性、密着性が優れている樹脂として知られている。ま
た、フェノール類とアルデヒド類のみを反応させて得ら
れるフェノール樹脂に比べて、芳香族環に結合している
水酸基が少なく熱分解しにくい事から、その硬化物はフ
ェノール樹脂に比べて耐熱性、耐アルカリ性に優れた樹
脂として知られている。
【0003】アラルキル変性フェノール樹脂の製造方法
としては、フェノール類とアラルキルエーテル類を、塩
化第二銅、硫酸第二銅、塩化第二水銀、塩化第一水銀、
塩化銀、硫酸銀、硫酸水素ナトリウムなどの銅、水銀、
銀又はナトリウム化合物、硫酸及びジメチル硫酸、ジエ
チル硫酸、ジイソプロピル硫酸などのジアルキル硫酸を
用いて反応させ、更にアルデヒド類と反応させる方法が
知られている。この方法として、例えば特開昭47−1
5111号公報等が知られている。しかし、この方法で
は、ゲル化しやすく反応コントロールが難しい問題があ
った。また、ノボラック型フェノール樹脂とアラルキル
フェノール樹脂を別々に合成し、混合して使用する事が
知られている。この混合する方法として、例えば特開平
7−138456号公報、特開平7−207125号公
報等が知られている。しかし、このような単なる混合使
用では、ノボラック型フェノール樹脂とアラルキルフェ
ノール樹脂とが共縮合していないため、両樹脂の特性を
十分に活かすことができないという問題があった。
【0004】また、これらの方法を用いた場合、いずれ
も未反応のフェノール類が残り、これを取り除く操作が
必要となってくる。特に低分子量のアラルキル変性フェ
ノール樹脂を製造する場合、過剰のフェノール類を仕込
み反応させたのち、多量のフェノール類等の低分子量成
分を取り除く操作が必要となるため、著しく収得が低下
し工程が煩雑になるといった問題があった。これは、前
記いずれの反応触媒を用いた場合においても、触媒作用
の強弱はあるものの、反応確率が低分子量、高分子量い
ずれの領域でもほぼ同じであるために起こる避けられな
い問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、未反応フェ
ノール類が少ないアラルキル変性フェノール樹脂を高収
率に製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)フェノ
ール類とアルデヒド類とアラルキルエーテル類とを、有
機ホスホン酸を用いて反応させることを特徴とするアラ
ルキル変性フェノール樹脂の製造方法、(2)有機ホス
ホン酸が、一般式(I)に示されるものである第(1)
項記載のアラルキル変性フェノール樹脂の製造方法、 R−PO(OH)2 (I) (Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は
−PO(OH)2 を含む基である。)である。
【0007】本発明は、フェノール類とアルデヒド類と
アラルキルエーテル類とを有機ホスホン酸を用いて反応
させ、未反応フェノール類の少ないアラルキル変性フェ
ノール樹脂を効率よく高収率で製造する方法に関するも
のである。以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明で用いられるフェノール類としては
特に限定しないが、例えば、フェノール、オルソクレゾ
ール、メタクレゾール、パラクレゾール、キシレノー
ル、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチル
フェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、レゾルシンなどのフェノール類
から選ばれた少なくとも1種以上のフェノール類であ
り、通常はフェノールが多く用いられる。
【0009】本発明で用いられるアルデヒド類としては
特に限定しないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレインやこれら
の混合物であり、これらのアルデヒド類の発生源となる
物質あるいはこれらのアルデヒド類の溶液を使用するこ
ともできる。通常はホルムアルデヒドが多く用いられ
る。
【0010】本発明で用いられるアラルキルエーテル類
としては特に限定しないが、例えば、α,α’−ジメト
キシ−p−キシレン(PXDM)、α,α’−ジエトキ
シ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレ
ン、α,α,α’−トリメトキシ−p−キシレンなどの
アラルキルエーテルであり、通常はα,α’−ジメトキ
シ−p−キシレン(PXDM)が多く用いられる。
【0011】本発明において触媒として使用する有機ホ
スホン酸は、ホスホン酸基−PO(OH)2を含む有機化
合物であり、いかなるものも使用可能であるが、一般式
(I)で示されるホスホン酸が、未反応のフェノール類
が少ないアラルキル変性フェノール樹脂を高収率に得る
ために好ましい。 R−PO(OH)2 (I) (Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は
−PO(OH)2 を含む基である。) 一般式(I)で示される有機ホスホン酸としては、アミ
ノポリホスホン酸類であるエチレンジアミンテトラキス
メチレンホスホン酸、エチレンジアミンビスメチレンホ
スホン酸、アミノトリスメチレンホスホン酸、β−アミ
ノエチルホスホン酸N,N−ジ酢酸、アミノメチルホス
ホン酸N,N−ジ酢酸や、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,
2,4−トリカルボン酸等がある。これらの中でも、本
発明の目的からみて工業的に大量生産され安価であるア
ミノトリスメチレンホスホン酸や、1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1’−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン
−1,2,4−トリカルボン酸が望ましい。
【0012】有機ホスホン酸の添加量としては特に限定
しないが、フェノール類1モルに対して0.001〜
4.0モルが好ましく、さらに好ましくは0.01〜
0.5モルである。有機ホスホン酸が前記上限値を越え
て添加されても、未反応フェノール類を少なくする効果
は変わらないか小さい。また、前記下限値未満では、触
媒としての効果が十分に現れなくなる傾向が見られる。
また、反応終了後、有機ホスホン酸を水洗等により除
去、回収して再度触媒として使用しても構わない。
【0013】本発明においては、前記有機ホスホン酸と
ともに、併用触媒として、既知の触媒である塩化第二
錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸第二銅、
硫酸第二水銀、硫酸第一水銀、塩化第二水銀、塩化第一
水銀、硫酸銀、塩化銀、硫酸水素ナトリウムのような無
機化合物、モノエチル硫酸、ジエチル硫酸、ジメチル硫
酸、p−フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸等の
ような有機スルホン酸、あるいは塩酸、硫酸、リン酸、
亜リン酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸のような通常
ノボラック型フェノール樹脂の合成に用いる無機、有機
酸を用いても構わない。特に高分子量のアラルキル変性
フェノール樹脂の製造には、このような併用触媒を用い
ることが望ましい。併用する触媒の添加量は、フェノー
ル類100重量部に対して0.001〜7重量部が好ま
しいが、特に限定されるものではない。併用する触媒の
添加の時期についても特に限定はしないが、有機ホスホ
ン酸触媒によりフェノール類モノマーあるいはアラルキ
ルエーテル類がほとんどなくなるまで反応させた後に添
加するのが好ましい。
【0014】フェノール類、アルデヒド類、アラルキル
エーテル類の反応モル比は、フェノール類1モルに対し
て、アルデヒド類は0.01〜0.9モルであることが
好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.8モルであ
り、アラルキルエーテル類は0.01〜3.0モルが好
ましく、さらに好ましくは0.05〜1.0モルであ
る。フェノール類とアルデヒド類との反応モル比が前記
下限値より低いと、未反応のフェノール類が多くなるた
め反応が進みにくいことがあり、一方前記上限値を越え
ると、反応条件によってはゲル化することがある。ま
た、フェノール類とアラルキルエーテル類との反応モル
比が前記下限値より低いと、未反応のフェノール類が多
くなるため反応が進みにくく、一方前記上限値を越える
と反応条件によってはゲル化することがある。また、反
応の手順としては、フェノール類とアラルキルエーテル
類を一括で仕込み触媒を添加し反応させた後、アルデヒ
ド類を添加する方法、あるいはフェノール類、触媒を一
括で仕込みアルデヒド類を添加し反応した後、アラルキ
ルエーテル類を添加する方法があり、いずれを用いても
よいが、フェノール類、アルデヒド類、アラルキルエー
テル類と触媒を一括で仕込む方法は、反応条件によって
は反応中の発熱が激しくなることがある。
【0015】本発明の製造方法における反応温度として
は特に限定しないが、フェノール類とアルデヒド類との
反応温度は60〜200℃、好ましくは80〜160℃
である。かかる範囲の温度で反応させることにより、フ
ェノール類モノマー成分や、分子量の低い成分が選択的
に反応することができる。 また、フェノール類とアラ
ルキルエーテル類との反応温度は80〜240℃、好ま
しくは130〜200℃である。240℃を越えると有
機ホスホン酸が加水分解を起こし分解する場合があり、
80℃未満であると反応が実質的に進まないことが多
い。なお、反応終了後、有機ホスホン酸を水洗にて除去
可能であるが、除去方法、水洗方法については特に限定
しない。また、アルカリ性の物質によって、中和しても
構わない。
【0016】反応溶媒としては、できるだけ水分を除去
した非水系が好ましいが、有機溶媒を用いることもでき
る。有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、芳香
族類等を用いることができる。アルコール類としては、
ブタノール、プロピルアルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
グリセリン等で、ケトン類としては、メチルエチルケト
ン等が挙げられ、また、芳香族類としてはトルエン、キ
シレンが挙げられる。
【0017】本発明の有機ホスホン酸が、未反応フェノ
ール類を少なくしアラルキル変性フェノール樹脂を高収
得に製造できる理由は、以下のように考えられる。本発
明の有機ホスホン酸は、非常に水溶性が高く水和しやす
い、そして、フェノール類には溶解性が小さく、アラル
キル変性フェノール樹脂には分子量増大ととも溶解性が
更に小さくなる性質を有している。このため反応開始時
には、触媒である有機ホスホン酸を多量に含んだ水相
と、フェノール類とアラルキルエーテル類からなり触媒
がほとんど存在しない有機相とに相分離した状態とな
る。フェノール類とアラルキルエーテル類の反応の前
後、場合によっては同時にアルデヒド類が添加される
と、触媒が多量に含まれる水相側に溶出したフェノール
類のモノマーとアルデヒド類との反応が優先的に進行
し、未反応のフェノール類が低減できる。さらに、水相
に溶出したアラルキルエーテル類が同じく水相に溶出し
たフェノール類、低分子量のアラルキル変性フェノール
樹脂と反応し、結果的に未反応フェノール類が少ないア
ラルキル変性フェノール樹脂を高収率に製造することが
可能となると思われる。上記の理由により、有機ホスホ
ン酸はモノマー、2核体、3核体等の低分子量成分の反
応には有効な触媒である。一方、5核体以上の高分子量
成分の反応においては反応速度が遅く分子量増大の効果
が少ないため、特に高分子量のアラルキル変性フェノー
ル樹脂を製造する場合には、既知の触媒との併用は有効
な手段と言える。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。ここで記載されている「部」及び「%」は全て「重
量部」及び「重量%」を示す。
【0019】(実施例1)攪拌機及び温度計を備えた四
口フラスコ中に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−
ジホスホン酸(1−1−ヒドロキシエチリデン−1,
1’−ジホスホン酸(1水和物)95%以上、キシダ化
学(株)製)600部、フェノール1000部、α,
α’−ジメトキシ−p−キシレン(PXDM)111部
を仕込み、170℃常圧脱水下で2時間反応を行った
後、150℃で257部の92%パラホルムアルデヒド
を2時間かけて逐添した。反応終了後、反応組成物中の
未反応フェノール量をガスクロマトグラフィーで測定し
た。その後、メチルエチルケトン500部と純水400
部を添加後、60℃まで下げて触媒を除去し、純水10
00部を添加し、樹脂と分離している水相を除去する水
洗工程を3回行った。その後、常圧蒸留を行い150℃
まで昇温し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行って
200℃まで昇温し、樹脂Aを1156部得た。
【0020】(実施例2)実施例1と同様のフラスコ中
に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸
(1−1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホ
ン酸(1水和物)95%以上、キシダ化学(株)製)6
00部、フェノール1000部を仕込み、130℃に昇
温し、257部の92%パラホルムアルデヒドを2時間
かけて逐添した。さらにα,α’−ジメトキシ−p−キ
シレン(PXDM)111部を添加し、150℃常圧脱
水下で2時間反応を行った。反応終了後、反応組成物中
の未反応フェノール量をガスクロマトグラフィーで測定
した。その後、メチルエチルケトン500部と純水40
0部を添加後、60℃まで下げて触媒を除去し、純水1
000部を添加し、樹脂と分離している水相を除去する
水洗工程を3回行った。その後、常圧蒸留を行い150
℃まで昇温し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行っ
て200℃まで昇温し、樹脂Bを1152部得た。
【0021】(実施例3)実施例1と同様のフラスコ中
に1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホン酸
(1−1−ヒドロキシエチリデン−1,1’−ジホスホ
ン酸(1水和物)95%以上、キシダ化学(株)製)6
00部、フェノール1000部を仕込み、130℃に昇
温し、35部の92%パラホルムアルデヒドを1時間か
けて逐添した。さらにα,α’−ジメトキシ−p−キシ
レン(PXDM)1236部を添加し、150℃常圧脱
水下で2時間反応を行った。反応終了後、反応組成物中
の未反応フェノール量をガスクロマトグラフィーで測定
した。その後、メチルエチルケトン500部と純水40
0部を添加後、60℃まで下げて触媒を除去し、純水1
000部を添加し、樹脂と分離している水相を除去する
水洗工程を3回行った。その後、常圧蒸留を行い150
℃まで昇温し、5000Paの減圧度で減圧蒸留を行っ
て200℃まで昇温し、樹脂Cを1773部得た。
【0022】(比較例1)実施例1と同様のフラスコ中
に、フェノール1000部、α,α’−ジメトキシ−p
−キシレン(PXDM)111部、ジエチル硫酸2部を
仕込み、150℃常圧脱水下で2時間反応を行った後、
100℃で208部の92%パラホルムアルデヒドを2
時間かけて逐添した。反応終了後、反応組成物中の未反
応フェノール量をガスクロマトグラフィーで測定した。
その後、常圧蒸留を行い150℃まで昇温し、500P
aの減圧度で減圧蒸留を行って160℃まで昇温し、樹
脂Dを983部得た。
【0023】(比較例2)実施例1と同様のフラスコ中
に、フェノール1000部、シュウ酸10部を仕込み、
100℃に昇温し35部の92%パラホルムアルデヒド
を1時間かけて逐添した。さらにジエチル硫酸2部、
α,α’−ジメトキシ−p−キシレン(PXDM)12
36部を添加し、150℃常圧脱水下で2時間反応を行
った。反応終了後、反応組成物中の未反応フェノール量
をガスクロマトグラフィーで測定した。その後、常圧蒸
留を行い200℃まで昇温し、5000Paの減圧度で
減圧蒸留を行って200℃まで昇温し、樹脂Eを160
2部得た。
【0024】(比較例3)実施例1と同様のフラスコ中
に、フェノール1000部、α,α’−ジメトキシ−p
−キシレン(PXDM)800部、ジエチル硫酸2部を
添加し、150℃常圧脱水下で2時間反応を行った。反
応終了後、反応組成物中の未反応フェノール量をガスク
ロマトグラフィーで測定した。その後、常圧蒸留を行い
150℃まで昇温し、5000Paの減圧度で減圧蒸留
を行って270℃まで昇温し、樹脂Fを1375部得
た。別に、実施例1と同様のフラスコ中に、フェノール
1000部、シュウ酸を10部添加し、100℃に昇温
し、37%ホルムアルデヒド水溶液690部を30分間
かけて逐次添加し、100℃で1時間還流させながら反
応させた。反応終了後、反応組成物をサンプリングしガ
スクロマトグラフィーを用いて未反応フェノール量を測
定した。その後、常圧蒸留を行い130℃まで昇温し、
5000Paの減圧下で減圧蒸留を行って190℃まで
昇温し、フェノール樹脂Gを957部得た。樹脂F10
0部とフェノール樹脂G900部を実施例1と同様のフ
ラスコ中に仕込み150℃に昇温し、30分溶融混合し
て樹脂Hを1000部得た。
【0025】(比較例4)比較例3で得られた樹脂F8
75部とフェノール樹脂G125部を実施例1と同様の
フラスコ中に仕込み150℃に昇温し、30分溶融混合
して樹脂Iを1000部得た。
【0026】実施例および比較例で得られたアラルキル
変性フェノール樹脂について、特性を評価し、その結果
を表1に示す。
【表1】 <表の注> 1)フェノール量:ガスクロマトグラフィーで測定(J
IS K0114に準じ、2,5−キシレノールを内部
標準として内部標準法を適用した)。なお、表中の
(−)は測定限界値以下、または、溶解混合の場合であ
ることを示す。 2)軟化点:JIS K2531にて測定した。 3)50%エタノール溶液の動粘度:50重量%のエタ
ノール溶液を25℃でキャノンフェンスケを用いて測定
した。
【0027】実施例1は、フェノールとアラルキルエー
テルを有機ホスホン酸を用いて反応させた後、ホルムア
ルデヒドを反応させ、また、実施例2,3はフェノール
とホルムアルデヒドを有機ホスホン酸を用いて反応させ
た後、アラルキルエーテルを反応させたものであり、い
ずれの方法で得られたアラルキル変性フェノール樹脂
も、反応終了後の未反応フェノール量は測定限界値以下
であった。一方、比較例1、2はいずれもフェノールと
アラルキルエーテルとホルムアルデヒドを、有機スルホ
ン酸、シュウ酸を用いて反応させたものであるが、比較
例1は実施例1,2に比べて、比較例2は実施例3に比
べてそれぞれ仕込み原料に対する収得量が劣るものとな
り、また、いずれも反応終了後の未反応フェノール成分
が多いものであった。また、比較例3、4はフェノール
とアラルキルエーテルを有機スルホン酸を用いて反応さ
せたものと、フェノールとホルムアルデヒドをシュウ酸
を用いて反応させたものとをブレンドした場合である
が、それぞれの反応終了後の未反応フェノール成分は多
い。
【0028】
【発明の効果】本発明は、フェノール類とアルデヒド類
とアラルキルエーテル類とを、有機ホスホン酸を用いて
反応させることを特徴とするアラルキル変性フェノール
樹脂の製造方法であり、未反応フェノール類が少ないア
ラルキル変性フェノール樹脂を効率よく高収率に得るこ
とができる製造方法として有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とアラルキ
    ルエーテル類とを、有機ホスホン酸を用いて反応させる
    ことを特徴とするアラルキル変性フェノール樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 有機ホスホン酸が、一般式(I)に示さ
    れるものである請求項1記載のアラルキル変性フェノー
    ル樹脂の製造方法。 R−PO(OH)2 (I) (Rは、炭素原子を必ず含み、かつ−COOH及び又は
    −PO(OH)2 を含む基である。)
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