JP2002226535A - フェノール樹脂組成物 - Google Patents

フェノール樹脂組成物

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JP2002226535A
JP2002226535A JP2001027747A JP2001027747A JP2002226535A JP 2002226535 A JP2002226535 A JP 2002226535A JP 2001027747 A JP2001027747 A JP 2001027747A JP 2001027747 A JP2001027747 A JP 2001027747A JP 2002226535 A JP2002226535 A JP 2002226535A
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phenol
novolak
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phenolic resin
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JP2001027747A
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Toshihiko Kozutsumi
利彦 小堤
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Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノボラック系フェノール樹脂であって、溶融
粘度が低くエポキシ樹脂の硬化剤として用いた場合に高
い架橋密度、高耐熱性のエポキシ樹脂硬化物を与えるフ
ェノール樹脂組成物並びにその製造方法の提供。 【解決手段】 レゾール反応により一般式(1) 【化1】 (式中、RはHまたはCH2OH、nは0または1、M
eはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を示す。)
で示されるメチロールフェノール前駆体(フェノラート
塩)を合成し、精製した後中和、脱塩し、ついで酸性条
件下でフェノール類モノマーとノボラック反応させ、精
製し、分子量分布の分散度が1.5以下、核となるモノ
マーがフェノールであり、かつGPCにより求められた
3核体以下の面積分率が5%以下のフェノール多核体を
製造するノボラック型フェノール樹脂組成物の製造方法
および該物性を有するノボラック型フェノール樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なノボラック
型フェノール樹脂に関する。さらに詳しくは本発明のフ
ェノール樹脂組成物は、分子量分布が極めて狭く、また
3核体以下のフェノール多核体(本発明においてはメチ
レン基により芳香族環を結合した化合物を指す。)の含
有量が極めて低い、実質的にメチロール基を有していな
いフェノール多核体からなるものであり、このためエポ
キシ樹脂の硬化剤として特に有用であり、このようなフ
ェノール多核体は電子部品の封止材料、積層材料などの
用途に使用できる。また、本発明のフェノール樹脂組成
物は、ポリウレタン等のポリオール成分や、エポキシ樹
脂原料として利用することもできる。
【0002】
【従来の技術】従来よりエポキシ樹脂の硬化剤として
は、アミン類、酸無水物、フェノール樹脂等が用いられ
ていたが、近年、機器の小型化や高性能化が求められて
おり、機械的特性、熱的特性、さらに長期信頼性の向上
など一層の性能の向上が求められている。これらの用途
に用いられるフェノール樹脂は、一般にフェノール性水
酸基を有するフェノール、クレゾール等のフェノール類
とホルムアルデヒドとを酸触媒の存在下で縮合反応させ
て得られ、硬化前の樹脂組成物としては主に芳香族環を
メチレン基により結合された分子量分布の広い分子から
なるフェノール多核体であると言われている。
【0003】一般にフェノール類とホルムアルデヒドを
反応して得られるフェノール樹脂生成物は、多量の未反
応のモノマー(フェノール類)やフェノール2核体から
なる低分子量成分を含んでいる。これらの低分子量成分
のうち、未反応モノマーは蒸留操作等により容易に1重
量%以下に調整することができるが、フェノール2核体
成分に関しては通常の蒸留操作では除去することは困難
である。しかしながら、この除去困難な2核体などの低
分子量成分であっても、揮発性を有することやこれらの
低分子量成分は反応点が少ないことにより架橋密度の高
い硬化物を得ることができないという欠点を有している
ため、硬化剤中にこれら低分子量成分の存在は好ましく
ない。また、こうした低分子量成分を減らすため、全体
の反応度を上げることも考えられるが、その結果得られ
るフェノール樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎると
いう問題が生ずるため、低分子量成分の少ないフェノー
ル樹脂組成物を得るため種々の方法が検討されている。
【0004】たとえば、特開平9−124759公報に
おいては、特定構造の3核体化合物を50重量%以上含
有するフェノールノボラック樹脂が示されているが、こ
の樹脂においても、2核体の含有率は14%を超える量
となっており、かつ主成分となる3核体でも熱分解温度
が低い為、エポキシ樹脂の硬化剤としては高い架橋密度
を得ることはできず、耐熱性も劣る樹脂しか得られな
い。従って、溶融粘度が小さくて高い架橋密度が得られ
るノボラック系フェノール樹脂硬化剤の開発が望まれて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ノボラック
系フェノール樹脂であって、溶融粘度が低くエポキシ樹
脂の硬化剤として用いた場合に高い架橋密度、高耐熱性
のエポキシ樹脂硬化物を与えるフェノール樹脂組成物並
びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、フェノールを出発核とし
たメチロール化フェノール多核体を塩の形で親水性有機
溶媒により精製することで精製フェノラート塩とした
後、中和、脱塩し、該化合物のメチロール基にフェノー
ルもしくは他の1価フェノール類モノマーを付加させる
ことにより3核体以下の低分子量成分の生成率を極力抑
えつつ、分散度が極めて小さく、実質的にメチロール基
を有していないフェノール多核体を合成できることを見
出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、[1] 分子量分布の
分散度が1.5以下、核となるモノマーがフェノールで
あり、かつGPCにより求められた3核体以下の面積分
率が5%以下のフェノール多核体であることを特徴とす
るノボラック型フェノール樹脂組成物、[2] フェノ
ール多核体が、4〜6核体のいずれかを主成分としたフ
ェノール多核体である上記[1]に記載のノボラック型
フェノール樹脂組成物、
【0008】[3] フェノールとホルムアルデヒドか
ら、アルカリ性触媒の存在下、レゾール反応により一般
式(1)
【化2】 (式中、RはHまたはCH2OH、nは0または1、M
eはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属もしくは
カルシウム、バリウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属を示す。)で示されるメチロールフェノール前駆
体(フェノラート塩)を合成し、続いて該メチロールフ
ェノール前駆体(フェノラート塩)を精製した後中和、
脱塩し、ついで酸性条件下でフェノール類モノマーとノ
ボラック反応により反応させ、精製し、分子量分布の分
散度が1.5以下、核となるモノマーがフェノールであ
り、かつGPCにより求められた3核体以下の面積分率
が5%以下のフェノール多核体を製造することを特徴と
するノボラック型フェノール樹脂組成物の製造方法、
【0009】[4] フェノールとホルムアルデヒドを
アルカリ性触媒の存在下にレゾール反応を行う際に、フ
ェノール:ホルムアルデヒドのモル比を1:2.5〜
4、フェノール:アルカリ金属水酸化物のモル比を1:
0.5以上添加した条件で行う上記[3]に記載のノボ
ラック型フェノール樹脂組成物の製造方法、[5] レ
ゾール反応により得られるメチロールフェノール前駆体
(フェノラート塩)を、遊離のホルムアルデヒドが3重
量%以下となるまで精製する上記[3]または[4]に
記載のノボラック型フェノール樹脂組成物の製造方法、
[6] レゾール反応により製造されたメチロールフェ
ノール前駆体(フェノラート塩)を親水性有機溶媒を用
いてフェノラート塩として析出させ、ろ別し、さらに該
フェノラート塩を洗浄する事により遊離のホルムアルデ
ヒドを除く上記[3]〜[5]のいずれかに記載のノボ
ラック型フェノール樹脂組成物の製造方法、[7] ノ
ボラック反応の触媒としてしゅう酸を用いる上記[3]
に記載のノボラック型フェノール樹脂組成物の製造方
法、および
【0010】[8] 分子量分布の分散度が1.5以
下、核となるモノマーがフェノールであり、かつGPC
により求められた3核体以下の面積分率が5%以下のメ
チロール化フェノール多核体を含むノボラック型フェノ
ール樹脂組成物からなるエポキシ樹脂の硬化剤、を開発
することにより上記の課題を解決した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のノボラック型フェノール
樹脂はその製造方法を問わないが、分子量分布の分散度
が1.5以下、核となるモノマーがフェノールであり、
かつゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(本
発明においては「GPC」と表記する。)により求めら
れた3核体以下の面積分率が5%以下の実質的にメチロ
ールを有していないフェノール多核体であるノボラック
型フェノール樹脂組成物であることが必要である。
【0012】上記のノボラック型フェノール樹脂組成物
は、フェノールとホルムアルデヒドから、アルカリ性触
媒の存在下、レゾール反応により一般式(1)
【化3】 (式中、RはHまたはCH2OH、nは0または1、M
eはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属もしくは
カルシウム、バリウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属を示す。)で示されるメチロールフェノール前駆
体(フェノラート塩)を合成し、続いて該メチロールフ
ェノール前駆体(フェノラート塩)を精製した後中和、
脱塩し、ついで酸性条件下でフェノール類モノマーとノ
ボラック反応により反応させ、精製し、分子量分布の分
散度が1.5以下、核となるモノマーがフェノールであ
り、かつGPCにより求められた3核体以下の面積分率
が5%以下のメチロール化フェノール多核体からなるノ
ボラック型フェノール樹脂組成物を製造することができ
る。
【0013】上記の方法において、一般式(1)
【化4】 (式中、RはHまたはCH2OH、nは0または1、ま
た、MeはNa,Kなどののアルカリ金属もしくはC
a、Mgなどのアルカリ土類金属を示す)で表される多
価メチロールフェノール塩を合成し、その合成した化合
物を親水性溶媒と合わせることで溶媒中に析出させ、反
応中に残存したアルデヒド等をろ別し精製する。更に、
同じ親水性有機溶媒で数回洗浄することにより、組成物
中に残存するアルデヒドの量を減らすことが極めて重要
となる。
【0014】すなわち硬化後に遊離するアルデヒド量が
増大し、かつ硬化物の強度を低下させる2量体以下の生
成比率を抑制するため、洗浄後組成物中のホルムアルデ
ヒドは0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下
に低減させることが必要となる。しかる後、このフェノ
ラート塩を中和、脱塩した後に1価フェノール類モノマ
ーに徐々に添加し反応させ、反応完結後、余剰のフェノ
ール類モノマーを蒸留操作等により除去することで目的
のフェノール樹脂組成物を得る。
【0015】一般式(1)で示される多価メチロールフ
ェノールの合成は、フェノール・1モルに対して、2モ
ル〜4モル、好ましくは2.8モル〜3.3モルのホル
ムアルデヒドを30〜60℃で3〜10時間反応させる
ことにより合成することができる。この場合に使用する
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、
水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土
類金属水酸化物を用いることができる。これらの水酸化
物は、この付加反応中もしくは反応終了後、フェノール
・1モルに対して0.5モル以上になるように添加・混
合する。
【0016】こうして得られた反応物は、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、エチ
ルグリコール、プロピレングリコールなどのグリコール
または多価アルコール類、エチルセロソルブ、メチルセ
ロソルブなどのグリコールモノエーテル類、その他ジオ
キサン、ジメチルスルフォオキサイドなどの親水有機溶
媒、中でも安価で効率の良いメタノール、アセトン等の
多量の溶媒中に注ぎ込み、メチロールフェノール前駆体
(フェノラート塩)を析出させる。析出したフェノラー
ト塩をろ別し、さらに、親水性有機溶媒を加え、洗浄、
ろ別を繰り返し精製を行い、ホルムアルデヒドをできる
だけ除去する。
【0017】ここで得られたフェノラート塩の主成分
は、反応に用いるアルカリ触媒の種類に依存し,水酸化
ナトリウムなどのアルカリ金属・水酸化物を使用した場
合は、テトラメチロール・ジフェノール・アルカリ金属
塩(フェノール・2核体)が主成分として析出し、ま
た、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属・水酸化
物を使用した場合は, トリメチロールフェノール・ア
ルカリ土類金属塩(フェノール・1核体)が主に析出す
る。また、このろ別工程では、遊離のホルムアルデヒド
を除去することを主たる目的としており、精製後におけ
る遊離ホルムアルデヒドの含有量は、3重量%以下、好
ましくは0.5重量%以下にすると分散度(Mw/Mn
=重量平均分子量/数平均分子量)を極めて小さくする
ことができる。
【0018】この精製したフェノラート塩を希釈した酸
性溶液中に徐々に添加し、中和し、生成する中和塩を除
去し、精製された遊離のメチロールフェノール前駆体を
得る。ここで得られた精製されたメチロールフェノール
前駆体を、1価フェノール類モノマーと酸性触媒の混合
溶液中に滴下し、ノボラック反応を行う。
【0019】ここで用いる1価フェノール類としてはフ
ェノール、キシレノール、クレゾール,エチルフェノー
ル,ブチルフェノールなどのアルキルフェノール類が挙
げられる。また、ここで用いる酸性触媒としては通常ノ
ボラック樹脂を合成する際に用いる酸性触媒を使用する
ことができるが、最も好ましい酸性触媒はしゅう酸であ
る。こうしてノボラック化反応を行ったのち、未反応モ
ノマーを除去し、本発明のフェノール樹脂組成物を得る
ことができる。未反応モノマーの除去は、通常蒸留操作
に従って行うことができ、公知の各種の方法、減圧蒸
留,水蒸気蒸留、減圧水蒸気蒸留などを用いることがで
きる。なお本発明のノボラック型フェノール樹脂組成物
は上記の方法によらずに製造したものであっても分子量
分布の分散度が1.5以下、核となるモノマーがフェノ
ールであり、かつGPCにより求められた3核体以下の
面積分率が5%以下の実質的にメチロール基を有してい
ないフェノール多核体であるノボラック型フェノール樹
脂組成物端本含発明に属するものである。
【0020】以下,実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。また、以下、部および%は特記しない限り、重
量基準である。
【0021】
【実施例】(実施例1)フェノール94g(1モル)、
37%ホルムアルデヒド水溶液227g(2.8モ
ル)、5%水酸化ナトリウム水溶液400g(0.5モ
ル)を1リットル容フラスコに入れ、50℃に昇温し、
さらに50℃で5時間保持し多価メチロールフェノール
を合成した。反応終了後、30℃以下に冷却し、内容物
を1500gのアセトン中に注ぎ込み、ゆっくりと撹拌
し、多価メチロールフェノール・ナトリウム塩を析出さ
せ、さらに、ろ別した。この時の遊離ホルムアルデヒド
の含有量は、検出限界(0.1重量%)以下であった。
【0022】この析出物の成分構成比を図1のGPCチ
ャート面積比より求めた結果を表1に示す。
【表1】 表1に示すように成分比では、テトラメチロールジフェ
ノール・Na塩の分率がかなり高くなっている.
【0023】この析出物を再び1500gのアセトン中
に入れ、混合、ろ別を行い,この操作を2回繰り返し、
精製された多価メチロールフェノール・ナトリウム塩・
388gを得た。この精製された多価メチロールフェノ
ール・ナトリウム塩を10%りん酸メタノール溶液・4
80gにゆっくりと添加し、中和を行い、さらに、この
中和溶液を5℃の冷蔵庫に保管し、りん酸ナトリウムの
中和塩を析出・沈殿させた。
【0024】1リットル容フラスコにフェノール・70
5gを入れ、さらに、しゅう酸3.5gを加え、90℃
に昇温した。この液を撹拌し内温を90℃に保ちなが
ら、この中に、上記、脱塩処理をした精製された多価メ
チロールフェノールを含むメタノール溶液・150gを
90分かけて徐々に滴下し、滴下終了後、90℃30分
保持した後、内温を昇温させ還流するまで加熱した。還
流温度は114℃であり、この温度で3時間還流させノ
ボラック化反応を行った。
【0025】反応終了後,減圧下で蒸留を行い,フラス
コ内の遊離フェノールが0.05%以下になるまで蒸留
を継続した。遊離フェノールが0.05%以下になった
時点でアルミ皿に取り出し,目的のフェノール樹脂組成
物・162gを得た。このフェノール樹脂組成物のGP
C分析結果では、Mw:1259、Mn:954、分散
度1.32であった。このGPC分布において主成分は
6核体であり、その面積分率は42%であった。また、
3核体以下の面積分率は1.8%と極めて少なくなって
いる。分布図に関しては図2に示す。
【0026】(実施例2)フェノール94g(1モ
ル)、37%ホルムアルデヒド水溶液267g(3.3
モル)、水酸化カルシウム(和光純薬一級・92%純
度)80.4g(1モル)、水241gを1リットル容
フラスコに入れ、50℃に昇温し、さらに50℃で5時
間保持し多価メチロールフェノールを合成した。反応終
了後、30℃以下に冷却し、内容物を2050gのアセ
トン中に注ぎ込み、ゆっくりと撹拌し、多価メチロール
フェノール・カルシウム塩を析出させ、さらに、ろ別し
た。
【0027】この析出物の成分構成比を図3のGPCチ
ャート面積比より求めた結果を表2に示す。
【表2】 図3から見て、成分比では、トリメチロールフェノール
・Na塩の分率がかなり高くなっている。
【0028】この析出物を再び2000gのアセトン中
に入れ、混合、ろ別を行い,この操作を2回繰り返し、
精製された多価メチロールフェノール・カルシウム塩・
255gを得た。この精製された多価メチロールフェノ
ール・カルシウム塩を10%りん酸メタノール溶液・2
000gにゆっくりと添加し、中和を行い、さらに、こ
の中和溶液を5℃の冷蔵庫に保管し、りん酸カルシウム
の中和塩を析出・沈殿させた。
【0029】1リットル容フラスコにフェノール・70
5gを入れ、さらに、しゅう酸3.5gを加え、90℃
に昇温した。この液を撹拌し内温を90℃に保ちなが
ら、この中に、上記、脱塩処理をした精製された多価メ
チロールフェノールを含むメタノール溶液・230gを
120分かけて徐々に滴下し、滴下終了後、90℃30
分保持した後、内温を昇温させ還流するまで加熱した。
還流温度は103℃であり、この温度で3時間還流させ
ノボラック化反応を行った。
【0030】反応終了後,減圧下で蒸留を行い,フラス
コ内の遊離フェノールが0.05%以下になるまで蒸留
を継続した。遊離フェノールが0.05%以下になった
時点でアルミ皿に取り出し,目的のフェノール樹脂組成
物・143gを得た。このフェノール樹脂組成物のGP
C分析結果では、 Mw:674、Mn:562、分散
度1.20であった。
【0031】以下に、前述の実施例1および実施例2で
得られたフェノール樹脂組成物のGPCチャートを示
す。このGPC分布において主成分は4核体であり、そ
の面積分率は63%であった。また、3核体以下の面積
分率は、1.5%であった。分布図に関しては図4に示
す。
【0032】(比較例1)比較として、一般に市販され
ているノボラック型フェノール樹脂のGPCチャートを
図5に示す。通常、フェノールとホルムアルデヒドとを
しゅう酸触媒で反応させることにより得られるノボラッ
ク型フェノール樹脂は、上記に示す如く、分子量分布は
かなり広くなる。上記樹脂の分子量は、Mw:306
0、Mn:727、分散度:4.2であり、3核体面積
分率は、19.3%と全体の分子量が大きいにもかかわ
らず、高い値となる。
【0033】
【発明の効果】本発明のフェノール樹脂組成物は、2〜
3核体の含有率を極めて小さく抑えた、実質的にメチロ
ール基を有していない4核体ないし6核体をその主成分
とし、かつ、分子量の分散度が1.5以下とシャープな
分子量分布を有するフェノール多核体であるノボラック
型フェノール樹脂組成物である。さらにエポキシ樹脂硬
化剤用として用いたときは溶融粘度が低く作業性が良好
であり、、架橋密度を十分に高めることができるので硬
化物特性を改良できる。またポリウレタンなどのポリオ
ール成分としてあるいはエポキシ樹脂原料としたときも
良好な物性を有する硬化物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において製造した多価メチロールフェ
ノール・ナトリウム塩のGPCチャート。
【図2】実施例1において製造したフェノール樹脂組成
物のGPCチャート。
【図3】実施例2において製造した多価メチロールフェ
ノール・カルシウム塩のGPCチャート。
【図4】実施例2において製造したフェノール樹脂組成
物のGPCチャート。
【図5】市販ノボラック型フェノール樹脂のGPCチャ
ート。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量分布の分散度が1.5以下、核と
    なるモノマーがフェノールであり、かつGPCにより求
    められた3核体以下の面積分率が5%以下のフェノール
    多核体であることを特徴とするノボラック型フェノール
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール多核体が、4〜6核体のい
    ずれかを主成分としたフェノール多核体である請求項1
    に記載のノボラック型フェノール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 フェノールとホルムアルデヒドから、
    アルカリ性触媒の存在下、レゾール反応により一般式
    (1) 【化1】 (式中、RはHまたはCH2OH、nは0または1、M
    eはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属を示す。)
    で示されるメチロールフェノール前駆体(フェノラート
    塩)を合成し、続いて該メチロールフェノール前駆体
    (フェノラート塩)を精製した後中和、脱塩し、ついで
    酸性条件下でフェノール類モノマーとノボラック反応に
    より反応させ、精製し、分子量分布の分散度が1.5以
    下、核となるモノマーがフェノールであり、かつGPC
    により求められた3核体以下の面積分率が5%以下のフ
    ェノール多核体を製造することを特徴とするノボラック
    型フェノール樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 フェノールとホルムアルデヒドをアルカ
    リ性触媒の存在下にレゾール反応を行う際に、フェノー
    ル:ホルムアルデヒドのモル比を1:2.5〜4、フェ
    ノール:アルカリ金属水酸化物のモル比を1:0.5以
    上添加した条件で行う請求項3に記載のノボラック型フ
    ェノール樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 レゾール反応により得られるメチロー
    ルフェノール前駆体(フェノラート塩)を、遊離のホル
    ムアルデヒドが3重量%以下となるまで精製する請求項
    3または4に記載のノボラック型フェノール樹脂組成物
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 レゾール反応により製造されたメチロ
    ールフェノール前駆体(フェノラート塩)を親水性有機
    溶媒を用いてフェノラート塩として析出させ、ろ別、さ
    らに該フェノラート塩を洗浄する事により遊離のホルム
    アルデヒドを除く請求項3〜5のいずれか1項に記載の
    ノボラック型フェノール樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 ノボラック反応の触媒としてしゅう酸を
    用いる請求項3に記載のノボラック型フェノール樹脂組
    成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 分子量分布の分散度が1.5以下、核と
    なるモノマーがフェノールであり、かつGPCにより求
    められた3核体以下の面積分率が5%以下のフェノール
    多核体を含むノボラック型フェノール樹脂組成物からな
    るエポキシ樹脂の硬化剤。
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