JP2000212259A - 液状フェノ―ル系樹脂及びその製造方法 - Google Patents

液状フェノ―ル系樹脂及びその製造方法

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JP2000212259A
JP2000212259A JP11016717A JP1671799A JP2000212259A JP 2000212259 A JP2000212259 A JP 2000212259A JP 11016717 A JP11016717 A JP 11016717A JP 1671799 A JP1671799 A JP 1671799A JP 2000212259 A JP2000212259 A JP 2000212259A
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allyl
resin
phenol
phenolic
ketone
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JP11016717A
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Yuko Ito
雄幸 伊藤
Masato Ohira
正人 大平
Yoshihisa Sone
嘉久 曽根
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Air Water Inc
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Sumikin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体の液状封止材用エポキシ樹脂の硬化剤
に適する低粘度で、かつエポキシ樹脂硬化剤として用い
た場合、高ガラス転移温度のエポキシ樹脂が得られる液
状フェノール系樹脂の提供。 【解決手段】 フェノール類(A)、キシリレン化合物
(B)、および芳香族アルデヒドまたはケトン(C)と
を反応させて得られるフェノール系重合体(ベースポリ
マー)中のフェノール性水酸基の10〜60%をアリル
エーテル化して得られる部分アリルエーテル化フェノー
ル系樹脂、または、上記ベースポリマー中のフェノール
核1個に対して0.1〜2個のアリル基が置換された構
造を有する核アリル化フェノール系樹脂。ベースポリマ
ーのアリルエーテル化物をクライゼン転位による核アリ
ル化フェノール系樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種バインダー、
コーティング材、積層材、成形材料等に有用なフェノー
ル系樹脂に関する。特に半導体の液状封止材として用い
られるエポキシ樹脂の硬化剤として最適な液状フェノー
ル系樹脂及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電子部品は高密度化・薄型化の傾
向にあるため、従来の固形の封止材を用いてトランスフ
ァー成形したパッケージから、ベアチップを実装して液
状の封止材でボッティング封止する、いわゆるチップオ
ンボード(COB)やテープキャリアパッケージ(TC
P)という方式に移行しつつある。
【0003】従来の液状封止材としては、粘度あるいは
耐熱性(ガラス転移点)の点からビスフェノールAまた
はFタイプの液状エポキシ樹脂に、硬化剤としてアミン
系や酸無水物系を用いた樹脂組成物が主流を占めてい
た。しかしながら、アミン系または酸無水物系硬化剤を
用いたエポキシ液状封止材は、フェノール系硬化剤を用
いた固形のエポキシ封止材に比べて、信頼性に劣るとい
う問題点があった。よって、低粘度で硬化物の耐熱性に
優れた液状フェノール系硬化剤が強く望まれている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】液状のフェノール樹脂としては、レゾール
樹脂が最も一般的であるが、これをエポキシ樹脂の硬化
剤に用いた場合は、レゾール樹脂中に含まれるメチロー
ル基の縮合反応で水が発生し、これがボイドの原因とな
って好ましくない。
【0005】またフェノール樹脂を低粘度化あるいは液
状化する方法としてアリル化が良く知られており、いく
つかの樹脂が提案されている。例えば、アリル化ノボラ
ック型フェノール樹脂(特開平4−249526)、フ
ェノールアラルキル樹脂のアリル化物(特開平8−67
746)、アリル化ビスフェノール化合物(特開平8−
198938)、トリフェニルメタン型フェノール樹脂
のアリル化物(特開平4−23824)等がある。しか
しながら上記いずれのアリル化フェノール系樹脂も、低
粘度と硬化物の耐熱性を両立させたものは得られていな
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低粘度で
かつ、耐熱性に優れた高ガラス転移温度の液状フェノー
ル系硬化剤を得るために鋭意検討した結果、フェノール
類(A)とキシリレン化合物(B)、および芳香族アル
デヒドまたはケトン(C)とを反応させて得られるフェ
ノール系重合体をベースポリマーとし、その水酸基を部
分的にアリルエーテル化して得られる部分アリルエーテ
ル化フェノール系樹脂、または上記フェノール系重合体
のフェノール核に特定量のアリル基が核置換したアリル
化フェノール系樹脂が、低粘度でかつ、硬化物のガラス
転移温度が高いという両方の特性を満足することを見い
出し本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明の第1の発明は、フェノー
ル類(A)と下記一般式(1)(式中R1 はハロゲン原
子、水酸基または炭素数1〜4の低級アルコキシ基を示
す)で表されるキシリレン化合物(B)、および下記一
般式(2)(式中R2 は水素原子またはC1 〜C4 のア
ルキル基を示し、R3 ,R4 は水素原子、C1 〜C4
アルキル基、またはハロゲン原子を示す)で表される芳
香族アルデヒドまたはケトン(C)とを反応させて得ら
れるフェノール系重合体中のフェノール性水酸基の10
〜60%をアリルエーテル化して得られる部分アリルエ
ーテル化フェノール系樹脂である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】また本発明の第2の発明は、フェノール類
(A)と上記一般式(1)で表されるキシリレン化合物
(B)、および上記一般式(2)で表される芳香族アル
デヒドまたはケトン(C)とを反応させて得られるフェ
ノール系重合体中のフェノール核1個に対して0.1〜
2個のアリル基が置換された構造を有する核アリル化フ
ェノール系樹脂である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の部分アリルエーテル化フ
ェノール系樹脂および核アリル化フェノール系樹脂のベ
ース骨格となるフェノール系重合体(以下ベースポリマ
ーという)についてまず説明する。
【0012】ベースポリマーは、フェノール類(A)を
上記一般式(1)で表されるキシリレン化合物(B)お
よび、上記一般式(2)で表される芳香族アルデヒドま
たはケトン(C)を反応させて得られる。この反応は常
法により行うことができるが、通常は酸触媒(ルイス酸
および酸性触媒も含む)の存在下で行われる。
【0013】ベースポリマーの原料となるフェノール類
(A)としては、芳香環に結合したヒドロキシル基を1
個または2個以上有する各種の単環型、多環型、または
縮合多環型芳香族化合物が使用できる。具体例として
は、フェノール、(o−,m−,p−)クレゾール、キ
シレノール、(o−,m−,p−)エチルフェノール、
ブチルフェノール、ハロゲン化フェノールなどの置換フ
ェノール類;レゾルシン、カテコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールFなどの二価フェノール類;α−ナ
フトール、β−ナフトール、ナフタレンジオールなどの
縮合多環型フェノール類が挙げられる。これらのフェノ
ール類のうち原料として好ましいのは、フェノール、ク
レゾール、α−またはβ−ナフトールである。
【0014】またキシリレン化合物(B)は、上記一般
式(1)で表されるもので、キシリレングリコール、キ
シリレングリコールジメチルエーテル、キシリレングリ
コールジエチルエーテル、キシリレングリコールジアセ
トキシエステル、キシリレングリコールジプロピオキシ
エステル等のキシリレングリコール類;またはキシリレ
ンジクロライド、キシリレンジブロマイド、キシリレン
ジフルオライド等のキシリレンジハライド類が挙げられ
る。R1 の置換位置は一般にパラ位またはメタ位が好ま
しい。
【0015】更にもう一つの原料である芳香族アルデヒ
ドまたはケトン(C)は、上記一般式(2)で表される
芳香族環に結合した1個のアルデヒド基またはケトン基
を持った芳香族化合物であり、これも単環型あるいは多
環型のいずれでもよい。アルデヒドの具体例としては、
ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、エチルベ
ンズアルデヒド、tert−ブチルベンズアルデヒド、
ナフトアルデヒド、アントラセンアルデヒドなどが挙げ
られる。好ましい芳香族アルデヒドは、ベンズアルデヒ
ドである。また芳香族ケトンの場合は、具体例として、
アセトフェノン、メチルアセトフェノン、ジメチルアセ
トフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノンなどが
挙げられる。
【0016】上記の3種類の原料はいずれも1種ずつ使
用しても或いは2種以上の混合物を使用してもよい。
【0017】ベースポリマーの製造に用いる酸触媒とし
ては、リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸、ならびにシュウ
酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機
酸、さらには塩化亜鉛、ジエチル硫酸等のルイス酸が挙
げられる。
【0018】酸触媒の使用量は特に制限されないが、触
媒の種類に応じて、原料の合計量に対して0.003〜
5重量%の範囲内で適正量添加すればよい。
【0019】各原料の使用割合は、フェノール類(A)
に対するキシリレン化合物(B)と芳香族アルデヒドま
たはケトン(C)の合計量が、モル比で0.1〜0.
6、特に0.2〜0.4となることが好ましい。このモ
ル比が0.1未満では未反応フェノール化合物が多くな
り、収率が下がる。一方、0.6を越えると、生成樹脂
の分子量が増大し、溶融粘度が上昇して好ましくない。
【0020】一方、芳香族アルデヒドまたはケトンに対
するキシリレン化合物のモル比は0.1〜10の範囲が
適当であり、好ましくは0.2〜5である。このモル比
が0.1未満では、エポキシ樹脂を硬化させた後の硬化
物がやや吸水性が高くなる。一方、このモル比が10よ
り大きくなると、ガラス転移温度が低くなり、溶融粘度
も上昇して好ましくない。
【0021】フェノール類とキシリレン化合物および芳
香族アルデヒドまたはケトンとの縮合反応は、90〜1
50℃の範囲で1〜10時間程度行われる。反応成分の
添加順序に特に制限はなく、例えばフェノール類に対し
てキシリレン化合物と芳香族アルデヒドまたはケトンと
を同時に加えて反応を進めても良く、またいずれか一方
を先に加えてフェノール類と反応させ、次いで他方を加
えて反応をさらに継続させることもできる。
【0022】縮合反応終了後、未反応のフェノール類を
減圧蒸留などの適当な方法で留去させることにより、ベ
ースポリマーが得られる。
【0023】本発明の第一の発明に係る部分アリルエー
テル化樹脂は、上記ベースポリマー中のフェノール性水
酸基の10〜60%をアリルエーテル化したものであ
る。
【0024】アリルエーテル化は公知の方法で行うこと
ができる。例えば上記ベースポリマーを有機溶媒に溶解
したのち、アルカリを添加し、これに塩化アリル、臭化
アリル、ヨウ化アリル等のアリルハライドを加えて、室
温〜100℃で1〜10時間反応させてフェノール性水
酸基をアリルエーテル化する。
【0025】ここで使用する有機溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
【0026】またアルカリとしては、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物及び炭酸
カリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸塩が
挙げられる。
【0027】使用するアルカリ金属水酸化物等の使用量
は、フェノール性水酸基のどの程度をアリルエーテル化
するかによって決まる。本発明においては、水酸基の1
0〜60%をアリルエーテル化するので、この場合は、
アルカリ金属水酸化物等を水酸基に対して、0.1〜
0.6当量仕込めば良い。またアリルハライドの使用量
は、アルカリ金属酸化物等に対して当量以上である。
【0028】アリルエーテル化するOH基の割合が10
%未満では、低粘度化が不十分である。また60%を越
えると粘度は下がるものの、エポキシ樹脂との硬化性
や、硬化物のガラス転移温度が低下する。
【0029】第二の発明である核アリル化フェノール系
樹脂は、上記ベースポリマー中のフェノール核1個に対
して、0.1〜2個のアリル基を置換した構造を有する
核アリル化フェノール系樹脂である。この樹脂は、第1
の発明で述べたような、ベースポリマーのフェノール性
水酸基がアリルエーテル化されたアリルエーテル化物を
クライゼン転位により核アリル基にすることにより容易
に得ることができるが、第2の発明においては、中間体
となるアリルエーテル化物は、第1の発明で特定された
部分エーテル化物である必要はなく、ベースポリマー中
のフェノール性水酸基の10〜100%アリルエーテル
化物を用いることができる。
【0030】核アリル化フェノール系樹脂におけるアリ
ル基の数は、フェノール核1個に対して0.1〜2個が
好ましく、より好ましくは0.5〜1.5個である。ア
リル基の数が0.1未満では、液状にならず、2個を越
えるとガラス転移温度が低下する。
【0031】クライゼン転位は、上記アリルエーテル化
フェノール樹脂を160〜240℃程度で1〜10時間
加熱することにより行うことができる。このアリル基は
通常フェノール性水酸基に対してオルソ位に転位し、オ
ルソ位がアルキル基等でふさがっていればパラ位に転移
するとされている。
【0032】第二の発明の核アリル化フェノール系樹脂
の構造式の一例を下記式(3)に示す。ここで式中、R
5 ,R6 は水素原子、C1 〜C4 のアルキル基、または
ハロゲン原子を示し、Aはアリル基を示し、n,mは0
または1〜10の整数である。
【0033】
【化5】
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中、部および%は特に指定しない限り重量部
および重量%である。また製造例、実施例および比較例
で得られた液状フェノール系樹脂の物性評価方法は下記
の通りである。
【0035】(1)未反応モノマーの分析 GPCで未反応モノマーを定量した。
【0036】(2)溶融粘度 ICI粘度計を用いて、60℃での粘度を測定した。
【0037】(3)水酸基当量 アセチル化法で求めた。
【0038】(4)ゲルタイム 実施例および比較例で得られた液状フェノール系樹脂を
加熱溶融させ、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィ
ンを所定量添加しブレンドした。この硬化促進剤入り樹
脂と常温で液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂を当
量比1:1になるように配合し、樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物のゲルタイムを175℃でストローク
キュア法で測定した。なお硬化促進剤のトリフェニルホ
スフィンの配合割合は、液状フェノール系樹脂とエポキ
シ樹脂の合計量に対して1phrになるようにした。
【0039】(5)ガラス転移温度 上記エポキシ樹脂組成物を用いて硬化物を作製し、18
0℃×6hrポストキュアを実施した後、ガラス転移温
度をTMA法で測定した。
【0040】[製造例A](本発明のベースポリマーの
製造) 撹拌機、温度計、コンデンサー、および窒素ガス導入管
を備えた四つ口フラスコに、フェノール188部、p−
キシリレングリコールジメチルエーテル50部、ベンズ
アルデヒド32部を装入し、さらに触媒としてトリフル
オロメタンスルホン酸の1%水溶液を2重量部加え、1
00〜150℃に加熱し、縮合反応で副生した水および
メタノールを系外に留去しながら、これらの縮合副生物
の発生が認められなくなるまで反応を行った(約3時
間)。その後、系内の未反応フェノールを減圧蒸留によ
って除去することにより、ベースポリマーであるフェノ
ール系重合体Aを得た。このベースポリマーは、15
0℃での溶融粘度が0.6ポイズ、水酸基当量が154
g/eqであった。
【0041】[製造例B](フェノールアラルキル樹脂
の製造) 製造例Aで用いた装置にフェノール188部、p−キシ
リレングリコールジメチルエーテル133部を装入し、
さらに触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸の1%
水溶液を2重量部加え、100〜150℃に加熱し、縮
合反応で副生したメタノールを系外に留去しながら、縮
合副生物の発生が認められなくなるまで反応を行った
(約3時間)。その後、系内の未反応フェノールを減圧
蒸留によって除去することにより、フェノールアラルキ
ル樹脂Bを得た。このフェノールアラルキル樹脂は、
150℃での溶融粘度が1.4ポイズ、水酸基当量が1
70g/eqであった。
【0042】[実施例1](ベースポリマーAの30
%アリルエーテル化樹脂) 製造例Aで用いた装置に、製造例Aで得られたベースポ
リマーAを100部、溶媒としてメタノールを300
部仕込み、撹拌しながら溶解させた。その後、KOHを
11部(OH基に対して0.3倍当量)、内温が40℃
を越えないように徐々に添加した。さらに塩化アリル2
0部(OH基に対して0.4倍当量)を15分かけて添
加した。添加が終了したら、40℃で1時間保持し、さ
らに80℃に昇温後、5時間保持した。
【0043】その後、反応液を濾過して生成した塩化カ
リウムを除去し、エバポレーターを用いてメタノールを
留去した。その後メチルイソブチルケトン250部を加
え、再度樹脂を溶解させた後、純水100部を加え、水
洗する操作を3回行った。その後、メチルイソブチルケ
トンをエバポレーターで減圧留去することにより、部分
アリルエーテル化フェノール系樹脂(エーテル化率30
モル%)を得た。その物性を表1に示す。この重合体
は、常温で液状で60℃における粘度は低粘度であり、
また、エポキシ樹脂を硬化させると、高ガラス転移温度
の硬化物が得られた。
【0044】[実施例2](ベースポリマーAの核ア
リル化樹脂) 製造例Aで用いた装置に、製造例Aで得られたベースポ
リマーAを100部、溶媒としてメタノールを300
部仕込み、撹拌しながら溶解させた。その後、KOHを
44部(OH基に対して1.2倍当量)を内温が40℃
を越えないように徐々に添加した。さらに塩化アリル6
5部(OH基に対して1.3倍当量)を15分かけて添
加した。添加が終了したら、40℃で1時間保持し、さ
らに80℃に昇温後、5時間保持した。
【0045】その後、反応液を濾過して生成した塩化カ
リウムを除去し、エバポレーターを用いてメタノールを
留去した。その後メチルイソブチルケトン250部を加
え、再度樹脂を溶解させた後、純水100部を加え、水
洗する操作を3回行った。その後メチルイソブチルケト
ンをエバポレーターで減圧留去することにより、アリル
エーテル化フェノール系樹脂(エーテル化率100%)
を得た。得られた樹脂を190℃で5時間熱処理して、
クライゼン転位を行わせ、核アリル化フェノール系樹脂
(フェノール核1個に対する置換アリル基数1.2個)
を得た。その物性を表1に示す。
【0046】この重合体は、常温で液状で60℃におけ
る粘度は低粘度であり、また、エポキシ樹脂を硬化させ
ると、高ガラス転移温度の硬化物が得られた。
【0047】[比較例1](ベースポリマーAの10
0%アリルエーテル化樹脂) 実施例1において、KOHを44部(OH基に対して
1.2倍当量)、塩化アリルを65部(OH基に対して
1.3倍当量)用いた以外は実施例1と同様の方法でア
リルエーテル化フェノール系樹脂を得た。このアリルエ
ーテル化物のOH基当量は10000g/eq以上で、
OH基がほぼ100%アリルエーテル化されていること
が確認された。この樹脂は常温で完全な液状であり、前
記実施例で得られたものよりも更に低粘度であるが、こ
れを硬化剤に用いて、エポキシ硬化物を作製しようとし
たが全く硬化しなかった。結果を表1に示す。
【0048】[比較例2](フェノールアラルキル樹脂
のアリルエーテル化樹脂) 実施例1において、ベースポリマーAの代わりに製造
例Bで得られたフェノールアラルキル樹脂Bを用い、
これを100部、KOHを10部(OH基に対して0.
3倍当量)、塩化アリルを18部(OH基に対して0.
4倍当量)を用いた以外は、実施例1と同様にしてアリ
ルエーテル化を行い、30%アリルエーテル化フェノー
ルアラルキル樹脂を得た。このアリルエーテル化物は、
常温で半液状であり、60℃の粘度が520ポイズとか
なり高粘度であり、また硬化物のガラス転移温度は88
℃と低かった。結果を表1に示す。
【0049】[比較例3](フェノールアラルキル樹脂
の100%アリル化樹脂) 実施例2において、ベースポリマーAの代わりに、製
造例Bで得られたフェノールアラルキル樹脂Bを10
0部、KOHを39部(OH基に対して1.2倍当
量)、塩化アリル58部、(OH基に対して1.3倍当
量)を用いた以外は実施例2と同様にして、アリルエー
テル化及び、クライゼン転位を行い、核アリル化フェノ
ールアラルキル樹脂を得た。
【0050】この樹脂は、常温で半液状であり、60℃
の粘度が660ポイズとかなり高粘度であり、また硬化
物のガラス転移温度も92℃と低かった。結果を表1に
示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明はフェノール類(A)とキシリレ
ン化合物(B)、および芳香族アルデヒドまたはケトン
(C)とを反応させて得られるフェノール系重合体をベ
ースポリマーとし、これを部分アリルエーテル化し、ま
たそれを転位させて核アリル化したフェノール系樹脂と
することにより、低粘度の液状フェノール系樹脂が得ら
れる。これを硬化剤としてエポキシ樹脂を硬化させるこ
とにより、高ガラス転移温度の硬化物が得られるので、
チップオンボード(COB)やテープキャリアパッケー
ジ(TCP)方式等のエポキシ樹脂の液状硬化剤として
使用することができ、半導体の液状封止材として有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 8/36 H01L 23/30 R 59/62 (72)発明者 曽根 嘉久 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住金ケミカル 株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4J032 CA04 CA06 CA07 CA12 CB04 CD01 CE03 CG00 CG06 4J033 FA02 FA08 HB01 HB03 HB06 4J036 AE05 FB06 JA07 KA01 4M109 AA01 BA04 CA06 EA02 EB03 EB04 EC03 EC20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類(A)と下記一般式(1)
    (式中R1 はハロゲン原子、水酸基または炭素数1〜4
    の低級アルコキシ基を示す)で表されるキシリレン化合
    物(B)、および下記一般式(2)(式中R2 は水素原
    子またはC1〜C4 のアルキル基を示し、R3 ,R4
    水素原子、C1 〜C4 のアルキル基、またはハロゲン原
    子を示す)で表される芳香族アルデヒドまたはケトン
    (C)とを反応させて得られるフェノール系重合体中の
    フェノール性水酸基の10〜60%をアリルエーテル化
    して得られる部分アリルエーテル化液状フェノール系樹
    脂。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 フェノール類(A)と上記一般式(1)
    で表されるキシリレン化合物(B)、および上記一般式
    (2)で表される芳香族アルデヒドまたはケトン(C)
    とを反応させて得られるフェノール系重合体中のフェノ
    ール核1個に対して0.1〜2個のアリル基が置換され
    た構造を有する核アリル化液状フェノール系樹脂。
  3. 【請求項3】 フェノール類(A)と上記一般式(1)
    で表されるキシリレン化合物(B)、および上記一般式
    (2)で表される芳香族アルデヒドまたはケトン(C)
    とを反応させた後、フェノール系重合体中のフェノール
    性水酸基をアリルエーテル化し、次いでアリルエーテル
    化フェノール系重合体中のアリル基をクライゼン転位に
    よりフェノール核に置換させることを特徴とする請求項
    2に記載の核アリル化液状フェノール系樹脂の製造方
    法。
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