JPH09157353A - 半導体封止用に適したエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用に適したエポキシ樹脂組成物

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JPH09157353A
JPH09157353A JP32071295A JP32071295A JPH09157353A JP H09157353 A JPH09157353 A JP H09157353A JP 32071295 A JP32071295 A JP 32071295A JP 32071295 A JP32071295 A JP 32071295A JP H09157353 A JPH09157353 A JP H09157353A
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JP
Japan
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epoxy resin
xylylene
compound
formula
phenolic
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Withdrawn
Application number
JP32071295A
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English (en)
Inventor
Masato Ohira
正人 大平
Yoshihisa Sone
嘉久 曽根
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Nippon Steel Corp
Air Water Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumikin Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、耐湿性、および半田耐熱性に優れた
半導体封止用に適したエポキシ樹脂組成物の提供。 【解決手段】 エポキシ樹脂(A) と硬化剤のフェノール
系樹脂(B) からなるエポキシ樹脂組成物において、硬化
剤が、フェノール化合物を芳香族アルデヒドおよび下記
一般式(1) 【化10】 (式中、R1 、R2 は、それぞれ独立に、水素原子、C
1 〜C4 の低級アルキル基または炭素数2〜4のアシル
基である) で表されるキシリレン化合物と反応させて得
られるフェノール系樹脂であり、このキシリレン化合物
の10重量%以上がメタキシリレン化合物であることを特
徴とするエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路部品の封
止 (半導体封止) 用に特に適した、成形性、耐湿性、お
よび半田耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体封止用には、エポキシ樹脂とフェ
ノール系硬化剤と多量の充填材粉末とからなるエポキシ
樹脂組成物が主に用いられている。近年、半導体パッケ
ージの小型薄型化と実装工程の表面実装化に伴い、封止
用樹脂にもこれまでとは異なった特性が要求されてい
る。半導体パッケージは、実装密度を高めるために小型
薄型化され、さらに実装方法も従来のリードピンを基板
の穴に挿入する方式から、基板表面に部品を半田付けす
る表面実装方式へと移行している。従来のピン挿入実装
方式では、半田付けにおいてリード部の部分的加熱です
み、特に封止用材料に対する影響はなかったが、表面実
装方式ではパッケージ全体が熱媒に浸され加熱されるこ
とになる。そのため封止材の耐湿性や耐熱性が問題とな
り、従来のオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ノボラック型フェノール樹脂(硬化剤)およびシリ
カ粉末からなるエポキシ樹脂組成物では、表面実装方式
における封止材としては不十分であった。すなわち、半
田付け時の加熱により、吸湿された水分が蒸気となる際
に樹脂部分にクラックを発生させ、信頼性が低下すると
いう問題があった。このような欠点を解消するために、
種々の封止用材料が検討されている。
【0003】例えば、硬化剤にトリス (ヒドロキシフェ
ニル) メタンとフェノールアラルキル樹脂とを組み合わ
せて用いる方法 (特開平1−292029号公報) 、エポキシ
樹脂としてビフェニル型エポキシ樹脂を用いる方法 (特
開平1−108256号公報) 、エポキシ樹脂あるいはフェノ
ール系硬化剤をシリコーン変性する方法 (特開平2−12
7417号公報、特開平2−202914号公報) 、エポキシ樹脂
にビフェニル骨格またはナフタレン骨格を有するエポキ
シ樹脂を用い、硬化剤にフェノールアラルキル樹脂を用
いる方法 (特開平4−325517号公報) 、硬化剤にフェノ
ールアラルキル樹脂とジシクロペンタジエン変性フェノ
ール樹脂の混合物を用いる方法 (特開平4−359013号公
報) などが提案されている。また、特開平5−320320号
公報には、フェノール類とナフトアルデヒド類との縮合
により得られる多価フェノール類を硬化剤として用いた
エポキシ樹脂組成物が開示されている。しかし、これら
種々の方法で改良された樹脂も、薄型表面実装用の封止
材料として要求される特性を十分に満足するには至って
いない。
【0004】さらに、特開平6−256474号公報に記載の
半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、フェノール類と
芳香族アルデヒドおよびパラキシリレン化合物との反応
生成物を硬化剤として用いて、耐湿性、半田耐熱性を改
善しているが、耐湿性、半田耐熱性に関してより一層の
改善が望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
性、耐湿性、および半田耐熱性に優れた半導体封止用に
適したエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、エポキシ
樹脂組成物において特定の硬化剤を用いることにより、
上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A) と硬
化剤のフェノール系樹脂(B) とを、フェノール系樹脂
(B) の水酸基/エポキシ樹脂(A) のエポキシ基の当量比
が0.5〜1.5 となる割合で含有するエポキシ樹脂組成物
において、前記フェノール系樹脂(B) が、フェノール化
合物を芳香族アルデヒドおよび下記一般式(1)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 、R2 は、それぞれ独立に、
水素原子、C1 〜C4 の低級アルキル基または炭素数2
〜4のアシル基である) で表されるキシリレン化合物と
反応させて得られるフェノール系樹脂であり、かつ、前
記キシリレン化合物の10重量%以上が一般式(2)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R1 およびR2 は上記と同じ意味)
で表されるメタキシリレン化合物であることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物である。好適態様にあっては、
キシリレン化合物は、上記一般式(2) で示されるメタキ
シリレン化合物10〜100 重量%と、下記一般式(3)(式
中、R1 およびR2 は上記と同じ意味) で示されるパラ
キシリレン化合物0〜90重量%とからなる。
【0012】
【化7】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
本発明において用いられるエポキシ樹脂(A) は、1分子
中に2個以上のエポキシ基をもつエポキシ樹脂であれ
ば、全てのエポキシ樹脂が使用可能である。例えば、4,
4'−ビス(2,3−エポキシプロポキシ) ビフェニル、4,4'
−ビス(2,3−エポキシプロポキシ) −3,3',5,5' −テト
ラメチルビフェニル等のビフェニル型エポキシ樹脂、1,
5 −ジ(2,3−エポキシプロポキシ) ナフタレン、1,6 −
ジ(2,3−エポキシプロポキシ) ナフタレン、2,7 −ジ
(2,3−エポキシプロポキシ) ナフタレン等のナフタレン
型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲ
ン化エポキシ樹脂などが挙げられる。これら以外でも、
フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹
脂、テルペン型フェノール樹脂等をエピハロヒドリンで
エポキシ化して得られるエポキシ樹脂等も使用できる。
上記エポキシ樹脂は、単独、または2種以上併用して使
用できる。
【0014】本発明で用いるエポキシ樹脂として特に好
ましいのは、低溶融粘度および耐湿性の点で下記一般式
(4)
【0015】
【化8】
【0016】で表されるビフェニル型エポキシ樹脂であ
る。本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤として
作用するフェノール系樹脂(B) は、フェノール化合物と
芳香族アルデヒド、および上記一般式(1) で表されるキ
シリレン化合物とを、酸触媒の存在下で反応させること
により製造することができる。
【0017】このフェノール系樹脂(B) の原料となるフ
ェノール化合物は、芳香環に結合した1または2以上の
水酸基を有する芳香族化合物である。単環型のフェノー
ル化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ハロゲン
化フェノール、カテコール、レゾルシンなどが、多環型
のフェノール化合物としては、ビフェノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど
が、また縮合多環型のフェノール化合物としては、α−
ナフトール、β−ナフトール、アントラセノール、ナフ
タレンジオールなどがそれぞれ挙げられ、これらを1種
もしくは2種以上使用することができる。原料フェノー
ル化合物として特に好ましいのはフェノール、クレゾー
ル、およびナフトールである。
【0018】フェノール系樹脂(B) の第二の原料である
芳香族アルデヒドは、アルデヒド基を1個有する単環型
または多環型の芳香族モノアルデヒドである。その具体
例としては、ベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒ
ド、エチルベンズアルデヒド、tert−ブチルベンズアル
デヒド、ナフトアルデヒド、メチルナフトアルデヒド、
アントラセンアルデヒドなどが挙げられる。好ましい芳
香族アルデヒドは、ベンズアルデヒドおよびナフトアル
デヒドである。
【0019】フェノール系樹脂(B) の第三の原料である
キシリレン化合物は、上記一般式(1) で示される化合物
である。このキシリレン化合物としては、キシリレン化
合物の合計量に基づいて、上記一般式(2) で示されるメ
タキシリレン化合物を10重量%以上含有するものを使用
する。
【0020】すなわち、原料のキシリレン化合物は、メ
タキシリレン化合物のみからなるもの、またはこのメタ
キシリレン化合物10重量%以上と他のキシリレン化合物
(すなわち、オルトキシリレン化合物および/またはパ
ラキシリレン化合物) 90重量%以上との混合物のいずれ
かである。混合物の場合、混合物中のメタキシリレン化
合物の割合が10重量%未満では、得られるエポキシ樹脂
組成物の吸湿率が大きく、半田耐熱性が低下する。キシ
リレン化合物中のメタキシリレン化合物の割合は、好ま
しくは20重量%以上である。
【0021】一般式(2) で示されるメタキシリレン化合
物の具体例としては、メタキシリレングリコール; メタ
キシリレングリコールジメチルエーテル、メタキシリレ
ングリコールジエチルエーテル、メタキシリレングリコ
ールジプロピルエーテル、メタキシリレングリコールジ
ブチルエーテル、メタキシリレングリコールモノメチル
エーテル、メタキシリレングリコールモノエチルエーテ
ルなどのメタキシリレングリコールモノまたはジ低級ア
ルキルエーテル; メタキシリレングリコールジ酢酸エス
テル、メタキシリレングリコールジプロピオン酸エステ
ル、メタキシリレングリコールジ酪酸エステル、メタキ
シリレングリコールモノ酢酸エステルなどのメタキシリ
レングリコールモノまたはジ低級アシルエステルなどが
挙げられる。好ましいメタキシリレン化合物は、メタキ
シリレングリコールおよびメタキシリレングリコールジ
メチルエーテルである。
【0022】キシリレン化合物がメタキシリレン化合物
と他のキシリレン化合物との混合物である場合、他のキ
シリレン化合物としては、オルトキシリレン化合物よ
り、上記一般式(3) で示されるパラキシリレン化合物の
方が好ましい。すなわち、好ましいキシリレン化合物の
混合物は、メタキシリレン化合物10重量%以上とパラキ
シリレン化合物90重量%以下との混合物である。このパ
ラキシリレン化合物の具体例としては、上に列挙したメ
タキシリレン化合物に対応するパラ異性体が挙げられ
る。好ましいパラキシリレン化合物は、パラキシリレン
グリコールおよびパラキシリレングリコールジメチルエ
ーテルである。
【0023】フェノール系樹脂(B) の製造に用いられる
酸触媒としては、リン酸、硫酸、塩酸などの無機酸; な
らびにシュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸などの有機酸; さらには塩化亜鉛、塩化第二錫、塩化
第二鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒が
挙げられ、これらを単独または併用して使用でき、キシ
リレン化合物の種類によって使い分けられる。酸触媒の
使用量は特に制限はないが、触媒の種類により、原料の
合計量に対して、0.003 〜5重量%の範囲内で適正量を
添加するのが好ましい。
【0024】フェノール化合物と芳香族アルデヒドおよ
びキシリレン化合物との反応は、通常100 〜180 ℃の範
囲で、1〜10時間程度行われる。反応成分の添加順序
は、特に制限はなく、例えば、フェノール化合物に対し
て芳香族アルデヒドとキシリレン化合物とを同時に加え
て反応を進めてもよく、またいずれか一方を先に加えて
フェノール化合物と反応させ、次いで他方を加えて反応
をさらに継続させることもできる。また、反応は無溶媒
でも実施できるが、反応に直接関与しない有機化合物
(例、芳香族塩素化合物、芳香族エーテル類、芳香族ケ
トン類、芳香族エステル類など) を溶媒として共存させ
てもよい。溶媒の共存により、原料成分や触媒を溶解さ
せて均質化することができ、反応生成物の分離・回収も
容易になる。この反応は、縮合によって生成する水の他
に、使用するキシリレン化合物の種類によっては、アル
コールまたはカルボン酸を生成しながら進行する。縮合
反応終了後、系内に残留した未反応のフェノール化合物
を真空下で留去させるか、または水蒸気蒸留などの適当
な方法によって反応系から除去することにより、本発明
で用いるフェノール系樹脂(B) が得られる。必要に応じ
て、酸触媒の除去処理や中和処理を行ってもよい。例え
ば、生成物を適当な有機溶媒に溶解し、水洗する等の方
法で触媒を分離したり、3級アミン類などで中和するこ
ともできる。
【0025】フェノール系樹脂(B) の製造における各原
料の使用割合は、フェノール化合物に対する芳香族アル
デヒドとキシリレン化合物の合計量が、モル比で0.1 〜
0.8、特に0.2 〜0.7 となることが好ましい。このモル
比が0.1 未満では、未反応フェノールが多くなり、収率
が下がる。一方、0.8 を越えると、生成樹脂の分子量が
増大し、溶融粘度が上昇して成形時の流動性の低下を招
きやすい。
【0026】一方、芳香族アルデヒドに対するキシリレ
ン化合物のモル比は、0.1 〜5の範囲が適当であり、好
ましくは0.2 〜3である。このモル比が0.1 未満では、
エポキシ樹脂を加えて硬化させた硬化物が、やや脆くな
る傾向があり、また耐湿性も低下する。一方、このモル
比が5より大きくなると、ガラス転移温度や成形性が低
下する傾向がある。
【0027】上述のようにして得られた本発明のフェノ
ール系樹脂(B) は、数平均分子量が500 〜3000程度で、
水酸基当量が140 〜220 程度のものが好ましい。こうし
て得られたフェノール系樹脂(B) は、フェノール化合
物とキシリレン化合物との縮合物からなる反復単位と、
フェノール化合物と芳香族アルデヒドとの縮合物から
なる反復単位を含むランダム共重合体またはブロック共
重合体である。好適態様においては、上記の反復単位
は、フェノール化合物とパラキシリレン化合物との縮合
物からなる反復単位と、フェノール化合物とメタキシリ
レン化合物との縮合物からなる反復単位の混合である。
その代表的構造を下記の式(5) に示す。[ ]内の構造単
位は、ランダム分布およびブロック分布のいずれでもよ
い。
【0028】
【化9】
【0029】(式中、R11〜R14は、それぞれ独立に、
水素原子、C1 〜C4 低級アルキル基またはハロゲン原
子であり、lは0または1〜10の整数、mおよびnは1
〜10の整数である。) 上記式(5)におけるl、m、nの値は、フェノール化合
物、芳香族アルデヒド、パラキシリレン化合物およびメ
タキシリレン化合物の4種類の原料の配合比を変えるこ
とにより任意に調整できる。なお、上記の式(5) は単に
例示に過ぎず、本発明で用いるフェノール系樹脂(B) は
これらに限定されるものではない。
【0030】本発明の樹脂組成物では、硬化剤として上
記のフェノール系樹脂(B)(以下、必須フェノール系樹脂
という) 以外に、1種もしくは2種以上のその他のフェ
ノール系樹脂 (以下、併用フェノール系樹脂という)を
併用してもよい。併用フェノール系樹脂の使用量は、本
発明の効果を損なわない範囲であればよく、特に限定さ
れないが、好ましくはフェノール系樹脂の合計量 (必須
フェノール系樹脂と併用フェノール系樹脂との合計量)
に対して50重量%未満である。
【0031】併用フェノール系樹脂としては、エポキシ
樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されな
いが、好ましい具体例としては、フェノールノボラック
樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキ
ル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジ
エン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性ナ
フトール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂などが挙げ
られる。また、トリス(ヒドロキシフェニル) メタン、
1,1,2 −トリス (ヒドロキシフェニル) エタン、1,1,3
−トリス (ヒドロキシフェニル) プロパン、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ジヒドロキシビフェニル、
ジヒドロキシナフタレンなどの多価フェノール化合物も
硬化剤としてフェノール系樹脂に併用することができ、
便宜上、このようなフェノール系化合物も併用フェノー
ル系樹脂とする。
【0032】本発明の樹脂組成物において、エポキシ樹
脂(A) に対するフェノール系樹脂(B) の配合比は、機械
的性質や耐湿性の点から、[(B)の水酸基数の合計/[(A)
のエポキシ基数] =0.5 〜1.5 、好ましくは0.7 〜1.3
、特に好ましくは0.8 〜1.2の範囲となるような配合比
である。
【0033】硬化剤に他のフェノール系樹脂を併用して
用いる場合には、 (硬化剤全体の水酸基数の合計) /
(エポキシ基数) =0.5 〜1.5 、好ましくは0.7 〜1.3
、特に好ましくは0.8 〜1.2 の範囲内とすればよい。
【0034】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記必
須成分以外に、必要に応じて適当な無機充填材、硬化促
進剤、カップリング剤、難燃剤・難燃助剤、離型剤、着
色剤、低応力化剤、イオントラッピング剤などを加える
ことができる。
【0035】本発明で用いることができる無機充填材と
しては、非晶性シリカ (溶融シリカ) 、結晶性シリカ、
窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化アルミ、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレ
ー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、ガラス繊
維などが挙げられる。また形状も球状、角状、ウィスカ
ー状、繊維状などのものが使用できる。
【0036】半導体封止用エポキシ樹脂組成物の場合、
成形性および低応力性の点から、組成物全体の60〜95重
量%という非常に多量の無機充填剤を配合する。成形性
(溶融粘度、流動性) を損なわない限りにおいては、低
応力性、低吸湿性の点から無機充填材量は多い方が好ま
しい。一般に、成形性と機械的特性のバランスから、球
状シリカと破砕状シリカを組み合わせて使用することが
好ましい。
【0037】硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とフェ
ノール系硬化剤の硬化反応を促進させるものであれば特
に限定されない。例えば、2−メチルイミダゾール、2,
4 −ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル
−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾ
ールなどのイミダゾール化合物;トリエチルアミン、ト
リエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6
−トリス (ジメチルアミノメチル) フェノール、1,8 −
ジアザビシクロ (5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミ
ン;トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ
(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェ
ニル)ホスフィンなどの有機ホスフィン化合物;テトラ
フェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフ
ェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル
−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート等の
テトラフェニルホウ酸エステル等が挙げられる。なかで
も耐湿性の点から、有機ホスフィン化合物が好ましく、
トリフェニルホスフィンが特に好ましく用いられる。
【0038】これらの硬化触媒は用途によっては二種以
上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂100 重
量部に対して0.1 〜5重量部の範囲が好ましい。半導体
封止用エポキシ樹脂組成物においては、無機充填材をシ
ランカップリング剤、チタネートカップリング剤などの
カップリング剤であらかじめ表面処理することが耐湿信
頼性の点で好ましい。カップリング剤としては、エポキ
シシラン、アミノシラン、アクリルシラン、ビニルシラ
ンなどのシランカップリング剤が好ましく用いられる。
【0039】難燃剤としては、例えばハロゲン化エポキ
シ樹脂、ハロゲン化合物、リン化合物などが挙げられ、
難燃助剤としては、例えば、三酸化アンチモンなどがあ
る。離型剤としては、例えば、カルナバワックス、ステ
アリン酸エステル、モンタン酸エステル、カルボキシル
基含有ポリオレフィンなどがあり、着色剤としては、例
えば、カーボンブラックなどがある。低応力化剤として
は、例えば、シリコーンゴム、変性ニトリルゴム、変性
ポリブタジエンゴム、変性シリコーンオイルなどが挙げ
られる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられ
る硬化促進剤、カップリング剤、難燃剤・難燃助剤、離
型剤、着色剤、低応力剤などは、ここに例示したものに
限定されるわけではない。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物は、前述のエ
ポキシ樹脂、フェノール系樹脂、ならびに必要に応じて
無機充填材およびその他の添加剤を、ミキサー等によっ
て十分均一に混合した後、さらに熱ロール、ニーダー、
押出機などにより混練処理を行い、次いで冷却固化させ
適当な大きさに粉砕することにより得られる。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物は、低圧トラ
ンスファー成形法、インジェクション成形法、圧縮成形
法、注型などの成形法により、半導体封止あるいはその
他の用途に使用することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 [製造例1] (フェノール系樹脂B−1の製造) 攪拌機、温度計、コンデンサー、および窒素ガス導入管
を備えた四つ口フラスコに、原料としてフェノール470
重量部、パラキシリレングリコールジメチルエーテル13
3 重量部、メタキシリレングリコールジメチルエーテル
33重量部 (原料キシリレン化合物中のメタキシリレン化
合物の割合は20%) 、およびベンズアルデヒド106 重量
部に、触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸0.1 重
量部を1%水溶液に希釈したものを加え、窒素気流下に
100〜150 ℃に加熱し、縮合反応で副生する水およびメ
タノールを系外に除去しながら、これら縮合副生成物の
発生が認められなくなるまで反応を行った (約3時間)
。その後、系内の未反応フェノールを減圧蒸留により
留去して、縮合反応物として目的とするフェノール系樹
脂を回収した。このフェノール系樹脂は、軟化点が79℃
で、150 ℃での溶融粘度が120 cps 、水酸基当量は157
g/eqであった。このフェノール系樹脂をB−1とする。
【0043】[製造例2] (フェノール系樹脂B−2の
製造) 製造例1において原料として、フェノール470 重量部、
パラキシリレングリコールジメチルエーテル83重量部、
メタキシリレングリコールジメチルエーテル83重量部
(原料キシリレン化合物中のメタキシリレン化合物の割
合は50%) 、ベンズアルデヒド106 重量部を用いた以外
は、製造例1と同様に縮合反応、未反応フェノールの留
去を行い、縮合反応物のフェノール系樹脂を得た。この
フェノール系樹脂は、軟化点が79℃で、150 ℃での溶融
粘度が130 cps 、水酸基当量は160g/eqであった。この
フェノール系樹脂をB−2とする。
【0044】[製造例3] (フェノール系樹脂B−3の
製造) 製造例1で原料として、フェノール470 重量部、メタキ
シリレングリコールジメチルエーテル166 重量部 (原料
キシリレン化合物は100 %メタキシリレン化合物) 、ベ
ンズアルデヒド106 重量部を用いた以外は、製造例1と
同様に縮合反応、未反応フェノールの留去を行い、縮合
反応物のフェノール系樹脂を得た。このフェノール系樹
脂は、軟化点が80℃、150 ℃での溶融粘度が135 cps 、
水酸基当量が159 g/eqであった。このフェノール系樹脂
をB−3とする。
【0045】[製造例4] (フェノール系樹脂B−4の
製造) 製造例1において原料として、フェノール470 重量部、
パラキシリレングリコールジメチルエーテル166 重量部
(原料キシリレン化合物は100 %パラキシリレン化合
物) 、ベンズアルデヒド106 重量部を用いた以外は、製
造例1と同様に縮合反応、未反応フェノールの留去を行
い、縮合反応物のフェノール系樹脂を得た。このフェノ
ール系樹脂は、軟化点が80℃で、150 ℃での溶融粘度が
120 cps 、水酸基当量は158 g/eqであった。このフェノ
ール系樹脂をB−4とする。
【0046】[実施例1〜3]上記の製造例1〜3で得ら
れたフェノール系樹脂B−1、B−2およびB−3に、
表1のエポキシ樹脂および各種添加剤を表2に示した割
合で配合し、ミキサーで十分に予備混合した後、加熱ロ
ールを用いて混練温度90〜100 ℃で約6分間混練した。
その後、得られたシート状の混練物を冷却・粉砕してエ
ポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物
について、各種物性を測定評価した結果を表3に示す。
【0047】[比較例1〜3]上記の製造例4で得られた
フェノール系樹脂B−4および市販のフェノール系樹脂
に、実施例1〜3と同様にしてエポキシ樹脂および各種
添加剤を表2に示す割合で配合し、エポキシ樹脂組成物
を得た。得られたエポキシ樹脂組成物の物性を実施例1
〜3と同様にして測定した結果を表3に示す。なおこれ
らの樹脂組成物の物性測定は、以下の方法で行った。
【0048】(1) ガラス転移温度 樹脂組成物をトランスファー成形機を用いて、175 ℃×
3min の条件で成形した後、180 ℃で6時間後硬化させ
た成形品から適当な大きさの試験片を切り出し、TMA
法によりガラス転移温度を測定した。
【0049】(2) 吸湿率 QFPパッケージ (パッケージサイズ:14×20×1.8 m
m、チップサイズ:8×8×0.5 mm) を、トランスファ
ー成形機を用いて175 ℃×3min の条件で成形した後、
180 ℃で6時間後硬化させた。このパッケージを85℃、
85%RH雰囲気下で96時間吸湿させた後の重量変化から
吸湿率を測定した。
【0050】(3) 半田耐熱性 吸湿率を測定した直後の試験用パッケージ20個を、260
℃の半田浴に10秒間浸漬して、内部あるいは外部クラッ
クが発生したパッケージの個数を求めた。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】表3の結果から明らかなように、本発明の
エポキシ樹脂組成物 (実施例1〜3) は、ガラス転移温
度が比較的高く、しかも耐湿性、半田耐熱性に優れてい
た。これに対し、メタキシリレン化合物を原料として含
まないフェノール系樹脂 (B−4)を硬化剤として用い
た比較例1では、ガラス転移温度は高いものの、本発明
のものに比べ吸湿率が高く、半田耐熱性が明らかに劣
る。硬化剤として、市販のフェノール系樹脂を用いた比
較例2および3では、ガラス転移温度は高いが、耐湿性
と半田耐熱性が著しく劣っていた。
【0055】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキ
シ樹脂の硬化剤として、特定のフェノール系樹脂を使用
することにより、ガラス転移温度が比較的高く、しかも
低吸湿性で、半田耐熱性に非常に優れ、薄型表面実装用
の半導体封止材料に最適な各種特性を備えている。この
エポキシ樹脂組成物を用いて表面実装方式の薄型半導体
パッケージを製作すると、半田リフロー時のクラック発
生が防止され、また吸湿も少ないので、耐湿信頼性に非
常に優れた半導体パッケージを製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A) と硬化剤のフェノール
    系樹脂(B) とを、フェノール系樹脂(B) の水酸基/エポ
    キシ樹脂(A) のエポキシ基の当量比が0.5 〜1.5 となる
    割合で含有するエポキシ樹脂組成物において、前記フェ
    ノール系樹脂(B) が、フェノール化合物を芳香族アルデ
    ヒドおよび下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 は、それぞれ独立に、水素原子、C
    1 〜C4 の低級アルキル基または炭素数2〜4のアシル
    基である) で表されるキシリレン化合物と反応させて得
    られるフェノール系樹脂であり、かつ、前記キシリレン
    化合物の10重量%以上が一般式(2) 【化2】 (式中、R1 およびR2 は上記と同じ意味) で表される
    メタキシリレン化合物であることを特徴とするエポキシ
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記キシリレン化合物が、前記メタキシ
    リレン化合物10〜100 重量%と下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1 およびR2 は請求項1に記載した通りの意
    味) で表されるパラキシリレン化合物0〜90重量%とか
    らなる請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ樹脂(A) が、下記一般式
    (4) 【化4】 (式中、R3 〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、C
    1 〜C4 低級アルキル基またはハロゲン原子であり、n
    は0または1以上の整数である) で表されるビフェニル
    型エポキシ樹脂である、請求項1記載のエポキシ樹脂組
    成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003082047A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 Sumitomo Bakelite Co Ltd アラルキル変性フェノール樹脂の製造方法
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